JPH0712281B2 - コーヒー缶飲料の製造法 - Google Patents

コーヒー缶飲料の製造法

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JPH0712281B2 JP1162807A JP16280789A JPH0712281B2 JP H0712281 B2 JPH0712281 B2 JP H0712281B2 JP 1162807 A JP1162807 A JP 1162807A JP 16280789 A JP16280789 A JP 16280789A JP H0712281 B2 JPH0712281 B2 JP H0712281B2
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    • A23F5/243—Liquid, semi-liquid or non-dried semi-solid coffee extract preparations; Coffee gels; Liquid coffee in solid capsules

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はコーヒー缶飲料の製造法に関する。さらに詳し
くは、コーヒーの香り、味、色調が良好で、入れ立ての
風味を備えたコーヒー缶飲料の製造法に関する。
＜従来の技術＞ 従来、容器入り飲料の製造法として下記の提案がなされ
ている。
特開昭51−85881号公報には、液状内容物を充填した容
器を水蒸気の雰囲気中で密閉して空気の侵入を抑え、空
気中に存在する雑菌の混入を防止して、液状内容物の腐
敗を防ぐ方法が開示されている。
特開昭58−31939号公報には、コーヒー抽出液を充填し
た容器に、炭酸ガスまたはドライアイスを添加して二酸
化炭素の雰囲気として、10℃前後の温度で冷蔵して、コ
ーヒー抽出液を風味を劣化せずに長期間保存する方法が
開示されている。
特開昭61−124361号公報には、ヘツドスペースおよび飲
料中の酸素の少くとも一部を窒素ガスで置換して、密閉
後40℃で真空度が10cmHg以上である打検適性を有する窒
素ガス封入負圧缶入り飲料を製造する方法が開示されて
いる。
特開昭61−190403号公報には、無炭酸発泡性飲料を、室
温付近の温度で、金属缶に充填し、その後ヘツドスペー
ス部の空気を炭酸ガスで置換する、飲料缶詰の製造法が
開示されている。
特開昭62−14777号公報には、アスコルビン酸、エリソ
ルビン酸又はそれらの水溶性塩を0.005〜0.3重量％含有
するアルコール飲料缶詰が開示されている。
特開昭62−44137号公報には、コーヒー抽出液に、Ｌ−
アスコルビン酸アルカリ金属塩を含有せしめて、風味お
よび保存性の優れたコーヒー抽出液を製造する提案がな
されている。
また、特開昭63−84466号公報には、60〜100℃の殺菌温
度で、缶に内容物を充填し、次いでヘツドスペースに窒
素ガスと炭酸ガスの混合ガスを供給し、密閉して所望の
真空度を得る缶詰の充填方法が開示されている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、これらの方法
のいずれも、入れ立てのコーヒーの風味（香り、味）
を、特に高温あるいは室温でも長期間保存した場合に
は、発揮あるいは維持することが必ずしも十分とは云え
ないことが判った。
＜発明が解決すべき問題点＞ それ故、本発明の目的は、入れ立てのコーヒーの風味を
持つコーヒー缶飲料の製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、入れ立てのコーヒーの風味および
品質を長期間に亘って保存しつづけることのできるコー
ヒー缶飲料の製造法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、密閉した缶内の真空度を打
検するに適した缶入りコーヒー飲料の製造法を提供する
ことにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明
らかとなろう。
本発明によれば、本発明の上記目的及び利点は、 （１） コーヒーの抽出液を約20℃以下に急冷してコー
ヒーの冷抽出液を調製し、 （２） 該冷抽出液に、エルソルビン酸、アスコルビン
酸およびそれらの水溶性塩よりなる群から選らばれる少
くとも１種の抗酸化剤を添加し、必要により希釈し、 （３） 抗酸化剤を含有する冷抽出液を、加熱すること
なく、缶容器に充填し、次いで （４） 該缶容器内の空気を、スチーム、二酸化炭素ガ
スおよび窒素ガスよりなる群から選らばれる少くとも２
種からなる混合ガスで置換する、 ことを特徴とするコーヒー缶飲料の製造法によって達成
される。
本発明によれば、焙焼され粉砕されたコーヒー粉末から
熱水で抽出された高温度のコーヒー抽出液は急冷され約
20℃以下の温度例えば通常10〜20℃の間の温度まで冷却
される。高温度のコーヒー抽出液の急冷には如何なる手
段を使用することもできるが、例えばプレートクーラー
といわれる冷却器で効率的に急冷できる。
かくして調製された冷油出液には、次いでエルソルビン
酸、アスコルビン酸およびそれらの水溶液塩よりなる群
から選らばれる少くとも１種の抗酸化剤を添加する。冷
抽出液は、飲料に適する濃度まで必要により適宜希釈さ
れる。抗酸化剤は、飲料に適する濃度の抽出液に、約0.
1〜0.01重量％の濃度となる量で添加するのが好まし
い。
この他、コーヒー抽出液には、pH調節剤、砂糖、ミルク
等を適宜添加することができる。これらの添加剤は、添
加する場合には、抗酸化剤と同じ工程で添加するのが、
繁雑な手間を少くするため、望ましい。
pH調節剤としては、例えば重炭酸ソーダが好ましく使用
される。
上記の如く調節された抗酸化剤を含有する冷抽出液は、
次いで、通常の充填では再度高温度に加熱されたのち充
填されるのに反し、加熱されることなくそのまま缶容器
に充填される。
コーヒー抽出液を充填された缶容器は、次いで、容器内
の空気を混合ガスで置換される。混合ガスとしては、ス
チーム、二酸化炭素ガスおよび窒素ガスよりなる群から
選らばれる少くとも２種のガスからなる。かかる混合ガ
スを使用することによって、巻締め（密閉）した缶内に
残存する空気量を極力少くすることができ、それによっ
てコーヒー抽出液が缶内に残存する空気中の酸素によっ
て酸化されるのを防止することができる。また、巻締後
において、混合ガスの一部は缶内のコーヒー抽出液に溶
解して、缶内に適当な減圧を形成し、そのため巻締後の
打検を有利に実施することができる。
混合ガスによる置換は、混合ガスを噴出するノズルの下
を、コーヒー抽出液が充填された缶容器を連続的に通過
させることによって実施し、そしてその後速かに巻締め
される。
巻締めされたコーヒー缶飲料は、通常、次いで殺菌処理
（例えば115℃で20分間）され、冷却され、製品として
出荷される。
以下、実施例により本発明をさらに詳述する。
実施例１ 焙焼粉砕コーヒー96kgを抽出器に投入し、98℃の熱水を
スプレーして抽出した。抽出液を約18℃に急冷し、ミキ
シングタンク中でエルソルビン酸1kg、重炭酸ソーダ1k
g、砂糖15kgおよび水を加えて2000のコーヒー抽出液
を調製した。
このコーヒー抽出液を、加熱することなくそのまま缶
（250ml、３ピース、ネツクドインTFS缶）に充填し、ヘ
ツドスペースの空気を窒素ガスとスチームの混合ガス、
窒素ガスと二酸化炭素ガスの混合ガス及び二酸化炭素ガ
スとスチームの混合ガスのいずれかで置換し、直ちに缶
を密閉し、115℃で20分加熱殺菌し、冷却してコーヒー
缶飲料を製造した。
上記プロセスにおいて、コーヒー抽出液の充填、混合ガ
スによる置換および缶の密閉は、連続的に、515缶／分
の速度で行なわれた。
第１表には、コーヒーとしてモカブレンドを用いた場合
について、ヘツドスペースの置換の条件（混合ガスの種
類と流量）および得られたコーヒー缶飲料（製品）の製
造直後の減圧度（cmHg）および缶内総酸素量（ml/100m
l）を示した。
また、第２表には、コーヒーとしてキリマンジヤロブレ
ンドを用いた場合について、同様の条件および結果を示
した。
なお、第１表におけるRun No.Mo−１およびMo−11並び
に第２表におけるRun No.Ki−１およびKi−11はいずれ
も比較例である。
実施例２ 実施例１で得た各Run Noに相当するコーヒー缶飲料の真
空度およびpHを経時的に検査した。その結果を第３表お
よび第４表に示した。
実施例３ 実施例１で得た各Run Noに相当するコーヒー缶飲料の缶
内総酸素量およびコーヒー飲料の透過率を経時的に検査
した。その結果を第５表および第６表に示した。
実施例４ 実施例１で得た各Run Noに相当するコーヒー缶飲料の色
を、ハンターのL,a,bにより、経時的に検査した。結果
を第７表および第８表に示した。
実施例５ 実施例１で調製したRun No.Mo−３、Mo−５およびMo−1
0（第１表）並びにKi−３、Ki−５およびKi−10（第２
表）、さらに比較としてMo−11およびKi−11のコーヒー
缶飲料について、熟練した15名の官能検査員による官能
評価を行った。第９表および第10表には、製造直後のコ
ーヒー缶飲料についての結果を示した。
また、上記の各缶コーヒーをそれぞれ55℃の恒温器に１
週間および室温１か月保存後、冷蔵庫保存の比較品を基
準とし、上記と同様に評価した。
それらの結果を第11表〜第14表に示した。
上記第11表〜第14表の結果から明らかなとおり、本発明
のコーヒー缶飲料は88℃でコーヒー抽出液を充填した比
較品に比べ、高温保存安定性が優れ（第11表と第12
表）、また室温長期保存安定性も優れている（第13表と
第14表）ことがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】（１） コーヒーの抽出液を約20℃以下に
    急冷してコーヒーの冷抽出液を調製し、 （２） 該冷抽出液に、エルソルビン酸、アスコルビン
    酸およびそれらの水溶性塩よりなる群から選らばれる少
    くとも１種の抗酸化剤を添加し、必要により希釈し、 （３） 抗酸化剤を含有する冷抽出液を、加熱すること
    なく、缶容器に充填し、次いで （４） 該缶容器内の空気を、スチーム、二酸化炭素ガ
    スおよび窒素ガスよりなる群から選らばれる少くとも２
    種からなる混合ガスで置換する、 ことを特徴とするコーヒー缶飲料の製造法。
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