JPH07121825B2 - 耐スポーリング性セラミックス及び電子部品焼成用道具材 - Google Patents

耐スポーリング性セラミックス及び電子部品焼成用道具材

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JPH07121825B2
JPH07121825B2 JP63028120A JP2812088A JPH07121825B2 JP H07121825 B2 JPH07121825 B2 JP H07121825B2 JP 63028120 A JP63028120 A JP 63028120A JP 2812088 A JP2812088 A JP 2812088A JP H07121825 B2 JPH07121825 B2 JP H07121825B2
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雅司 藤本
一之 大嶋
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東芝セラミックス株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルミナ−ジルコニア質の耐スポーリング性セ
ラミックス及びこの耐スポーリング性セラミックスから
なる電子部品焼成用道具材に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする課題〕
一般的に、アルミナ質セラミックスは、高強度で、耐熱
性に優れ、化学的に安定で、比較的安価であるなどの特
長を有しているが、耐スポーリング性に劣るという欠点
がある。このため、アルミナ質セラミックスには耐スポ
ーリング性を向上させることが要求されている。
また、セラミックスは各種の用途に用いられるが、電子
部品焼成用道具材としての用途に限ってみれば、従来は
例えばAl2O3−SiO2質のものが使用されてきたが、最近
では電子部品材料と直接接触するセッターには高純度Al
2O3質やSiO2分の少ないAl2O3質のものが使用されてい
る。これは、Al2O3−SiO2質の道具材に電子部品材料を
直接接触させて焼成すると以下のような問題が生じるた
めである。
すなわち、フェライト焼成の際にAl2O3−SiO2質の道具
材を用いると、SiO2がフェライトの粒成長を促進させ
る。また、PZT焼成の際にAl2O3−SiO2質道具材を用いる
と、SiO2がPbOと反応して浸食性の強いガラス相を生成
するため、道具材の寿命を短くするとともにPZT中のPbO
量のコントロールが困難となる。
上記問題を解消するために、電子部品材料と直接接触す
るセッターとしては高純度Al2O3質やSiO2分の少ないAl2
O3質のものが使用されているが、上述したようにこうし
た材質の道具材には耐スポーリング性が劣るという問題
がある。
また、電子部品材料と直接接触する道具材(例えばセッ
ター)としては、上記のほかにも例えばZrO2質のものが
使用されているが、ZrO2質の道具材にも以下のような問
題がある。すなわち、PZT焼成の際にZrO2質の道具材を
用いると、Al2O3−SiO2質の場合と同様な問題が生じ
る。また、蛍光体焼成の際にZrO2質の道具材を用いる
と、ZrO2の安定化剤と蛍光体とが反応してしまう。
上述したことからわかるように、電子部品焼成用道具材
には耐スポーリング性を向上させるとともに、化学的安
定性が要求されている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
り、耐スポーリング性に優れたセラミックス、及びこの
ようなセラミックスからなり、耐スポーリング性に優れ
かつ化学的安定性にも優れた電子部品焼成用道具材を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段と作用〕
本発明の耐スポーリング性セラミックスは、平均粒子径
の比ZrO2/Al2O3が10〜40であるAl2O3とZrO2とをAl2O360
〜95重量%、ZrO240〜5重量%の組成比で配合、成形
し、焼成してなることを特徴とするものである。
また、本発明の電子部品焼成用道具材は、電子部品材料
を焼成する際に電子部品材料と直接接触する電子部品焼
成用道具材において、平均粒子径の比ZrO2/Al2O3が10〜
40である Al2O3とZrO2とをAl2O360〜95重量%、ZrO240〜5重量%
の組成比で配合、成形し、焼成してなることを特徴とす
るものである。
なお、本発明において、ZrO2は単斜晶系、正方晶系、立
方晶系のいずれでもよく、またこれらの結晶系の2種以
上を組合わせたものでもよい。
セラミックスの耐スポーリング性を改善する手法とし
て、従来より知られているように、2種以上のセラミッ
クス原料を使用し、原料の熱膨張係数の差を利用して焼
成後の冷却時に焼結体に長さ数十〜数百μm程度の大き
なクラックを生じさせるという考え方がある。このよう
に大きなクラックが発生したセラミックスでは、熱衝撃
を受けても、それによる応力がクラックで吸収されるの
で、耐スポーリング性を改善することができる。こうし
た考え方に基づくセラミックスとしては、例えばMgO−M
gO・Al2O3(マグネシアースピネル系)やAl2O3−3Al2O3
・2SiO2(アルミナ−ムライト系)が知られている。
本発明者らは、上記の考え方をアルミナ−ジルコニア質
のセラミックスに適用し、種々の検討を行った。この場
合、焼結体中に発生させるクラックの量を最適に制御
し、かつ焼結性の悪化などによる強度の低下を防止しな
ければならない。
本発明においては、Al2O3とZrO2との平均粒子径の比ZrO
2/Al2O3(以下、Z/Aと記す)を10〜40に設定することが
最も重要である。この平均粒子径の比Z/Aは、曲げ強さ
と耐スポーリング性に与える影響を考慮して規定された
ものである。
すなわち、アルミナ−ジルコニア質セラミックスの曲げ
強さに関しては、Z/Aが大きくなるにつれ曲げ強さが小
さくなるという関係があり、特にZ/Aが40を超えると焼
結性が悪くなって急激に曲げ強さが低下するため、Z/A
は40以下であることが必要である。
一方、アルミナ−ジルコニア質セラミックスの耐スポー
リング性に関しては、Z/Aが10未満では焼結体中に発生
するクラックの量が少なくなるため、またZ/Aが40を超
えると上述したように強度が低下するため(一般的に熱
衝撃に耐えうる最高温度差は強度に比例する)、いずれ
も耐スポーリング性を改善することができない。そし
て、Z/Aが10〜40の場合に適量のクラックが発生し、耐
スポーリング性を改善することができ、特にZ/Aが25〜3
0の場合に耐スポーリング性を改善する効果が大きい。
なお、Al2O3の平均粒子径は2μm以下、ZrO2の平均粒
子径は0.3〜20μmであることが望ましい。Al2O3の平均
粒子径が2μmを超えると、緻密な焼結体が得られず強
度が低下する。また、ZrO2の平均粒子径が0.3μm未満
では熱衝撃を緩和するのに充分なクラックが発生せず、
20μmを超えるとZrO2がAl2O3の焼結を阻害するため緻
密な焼結体が得られない。
本発明において、組成比をAl2O360〜95重量%、ZrO240
〜5重量%と規定したのは、以下のような理由による。
すなわち、Al2O3が60重量%未満で、ZrO2が40重量%を
超えると、強度が低下する。一方、Al2O3が95重量%を
超え、ZrO2が5重量%未満であると、耐スポーリング性
を向上させることが困難となる。
更に、本発明の電子部品焼成用道具材においては、特に
化学的安定性の向上が要求されるので、Al2O3及びZrO2
以外のMgO、CaO、Ma2O、SiO2、K2Oなどの酸化物の合計
量は1重量%以下であることが望ましい。
本発明に係る電子部品焼成用道具材は第2図(a)〜
(c)に示すように台板やさやばちとして使用され、そ
の上に電子部品材料が直接接触した状態で焼成又は焙焼
が行われる。例えば、フェライトを焼成する場合、アル
ミナ−ジルコニア質の台板1上に直接(すなわちセッタ
ーを設けずに)フェライト原料4が載置される。また、
PZTを焼成する場合、アルミナ−ジルコニア質のさやば
ち2の底面上に直接PZT原料5が載置され、アルミナ−
ジルコニア質の蓋体3で密閉される。同様に、蛍光体を
焼成する場合、アルミナ−ジルコニア質のさやばち2内
部に直接蛍光体原料6が装入され、アルミナ−ジルコニ
ア質の蓋体3で密閉される。
上記のような本発明のアルミナ−ジルコニア質のセラミ
ックスは、高強度でかつ耐スポーリング性にも優れてい
る。また、このようなアルミナ−ジルコニア質の耐スポ
ーリング性セラミックスからなる本発明の電子部品焼成
用道具材は耐スポーリング性及び化学的安定性に優れて
おり、道具材自体の寿命が長くなるとともに高品質の電
子部品を焼成することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
第1表に示す平均粒子径比のアルミナ及びジルコニア
(No1〜10)を、同表に示す組成比で配合し、ミキサー
にて混合した後、バインダーとしてPVA溶液を5重量%
投入して30分間混練した。この混練物の水分を2.0重量
%に調整した後、アイソスタティックプレス法により10
00kgf/cm2の圧力で成形して直径100mm、厚さ100mmの成
形体を得た。この成形体を70℃で5時間乾燥した後、16
00℃で3時間焼成した。
得られた各焼結体の一部を切出して作製された試料につ
いて、気孔率、かさ比重、曲げ強さ、耐スポーリング性
(熱衝撃に耐えうる最高温度差ΔT)及び破壊靭性値K
ICを調べた。その結果を第1表に示す。また、平均粒子
径の比(Z/A)と、曲げ強さ及びΔTとの関係を第1図
に示す。
なお、第1表には従来のアルミナ磁器質及びAl2O3−SiO
2質の試料についても上記と同様の結果を併記する。
更に、従来のアルミナ磁器質及び本発明に係るアルミナ
−ジルコニア質を用いてそれぞれさやばちと蓋体を作製
した。第2図(c)に示すように、これらの道具材を用
い、1400℃で蛍光体を焼成した後、100℃/minの冷却速
度で冷却するという操作を連続的に行い、初期ワレが発
生するまでの通炉回数を調べた。その結果を第1表に示
す。
第1表及び第1図から明らかなように、アルミナ−ジル
コニア質セラミックスは平均粒子径の比(Z/A)が10〜4
0の範囲で、充分な曲げ強さを維持しつつ耐スポーリン
グ性を向上できることがわかる。特に、平均粒子径の比
が20〜30の範囲では耐スポーリング性を著しく向上する
ことができる。
また、第1表から明らかなように、上記のようなアルミ
ナ−ジルコニア質セラミックスを道具材として使用した
場合、道具材自在の寿命が著しく向上していることがわ
かる。
また、本発明に係るアルミナ−ジルコニア質セラミック
スからなる台板は、従来のAl2O3−SiO2質セラミックス
からなる台板と比較して強度が大きいため、厚みを従来
の1/3にすることができ、熱効率を10%向上することが
できた。更に、上記のように強度が高くなったことか
ら、近年普及しつつあるワークロボットによる道具材の
自動搬送時の破損事故などを低減することができ、自動
化への対応も期待できる。
なお、以上では本発明に係る耐スポーリング性セラミッ
クスの用途として電子部品焼成用道具材を挙げている
が、その他の用途としてセメント工業用耐摩耗板やセラ
ミックフェルールなども挙げられる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明によれば、高強度を維持しつ
つ耐スポーリング性を改善したアルミナ−ジルコニア質
のセラミックス、及びこのようなセラミックスからな
り、耐スポーリング性に優れかつ化学的安定性にも優れ
た電子部品焼成用道具材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る耐スポーリング性セラミックスの
平均粒子径比(ZrO2/Al2O3)と、曲げ強さ及びΔTとの
関係を示す特性図、第2図(a)〜(c)はそれぞれ本
発明に係る電子部品焼成用道具材による焼成方法を示す
断面図である。 1……台板、2……さやばち、3……蓋体、4……フェ
ライト原料、5……PZT原料、6……蛍光体原料。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径の比ZrO2/Al2O3が10〜40である
    Al2O3とZrO2とをAr2O360〜95重量%、ZrO240〜5重量%
    の組成比で配合、成形し、焼成してなることを特徴とす
    る耐スポーリング性セラミックス。
  2. 【請求項2】電子部品材料を焼成する際に電子部品材料
    と直接接触する電子部品焼成用道具材において、平均粒
    子径の比ZrO2/Al2O3が10〜40であるAl2O3とZrO2とをAl2
    O360〜95重量%、ZrO240〜5重量%の組成比で配合、成
    形し、焼成してなることを特徴とする電子部品焼成用道
    具材。
JP63028120A 1988-02-09 1988-02-09 耐スポーリング性セラミックス及び電子部品焼成用道具材 Expired - Fee Related JPH07121825B2 (ja)

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