JPH07121744B2 - ラミネ−トゴム栓 - Google Patents
ラミネ−トゴム栓Info
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- JPH07121744B2 JPH07121744B2 JP61196820A JP19682086A JPH07121744B2 JP H07121744 B2 JPH07121744 B2 JP H07121744B2 JP 61196820 A JP61196820 A JP 61196820A JP 19682086 A JP19682086 A JP 19682086A JP H07121744 B2 JPH07121744 B2 JP H07121744B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ラミネートゴム栓に関し、更に詳しくは栓本
体の少なくとも容器口挿入部に含フッ素熱可塑性ゴムを
ラミネートしたゴム栓に関する。本発明のラミネートゴ
ム栓は、耐薬品性に優れたゴム栓であり、また医薬品を
容器に保存し、製剤時の純度を長時間保持、保管するの
に特に適したゴム栓である。
体の少なくとも容器口挿入部に含フッ素熱可塑性ゴムを
ラミネートしたゴム栓に関する。本発明のラミネートゴ
ム栓は、耐薬品性に優れたゴム栓であり、また医薬品を
容器に保存し、製剤時の純度を長時間保持、保管するの
に特に適したゴム栓である。
[従来技術] 従来から、栓の材料として、ガラス、天然ゴム、合成ゴ
ム、シリコーンゴムなどが用いられている。しかし、高
腐食性液体、または溶解性の大きいあるいは膨潤性の大
きい液体などを貯蔵または収容する為の栓の材料は非常
に重要であるが、あらゆる薬品に耐性を有する材料は知
られておらず、特に発煙硝酸、濃硝酸、希硝酸、濃硫
酸、塩酸、リン酸、アルカリ溶液、アミン、アンモニア
またはフッ化水素酸、さらには抗ガン剤、抗生物質など
の医薬品に対して安定なゴム栓材料は無い。また、医薬
用などのゴム栓ではガス不透過性や安全性などが要求さ
れるが、これらを十分に満足する材料もない。更に、医
薬用などのゴム栓は、使用前に滅菌されるが、最も簡便
な滅菌方法である熱水処理によって、ゴムの構成成分が
溶出されないことも必要である。
ム、シリコーンゴムなどが用いられている。しかし、高
腐食性液体、または溶解性の大きいあるいは膨潤性の大
きい液体などを貯蔵または収容する為の栓の材料は非常
に重要であるが、あらゆる薬品に耐性を有する材料は知
られておらず、特に発煙硝酸、濃硝酸、希硝酸、濃硫
酸、塩酸、リン酸、アルカリ溶液、アミン、アンモニア
またはフッ化水素酸、さらには抗ガン剤、抗生物質など
の医薬品に対して安定なゴム栓材料は無い。また、医薬
用などのゴム栓ではガス不透過性や安全性などが要求さ
れるが、これらを十分に満足する材料もない。更に、医
薬用などのゴム栓は、使用前に滅菌されるが、最も簡便
な滅菌方法である熱水処理によって、ゴムの構成成分が
溶出されないことも必要である。
このため高腐食性液体の場合はゴムによりポリエチレ
ン、ポリプロピレン、フッ素樹脂などの合成樹脂の方が
好ましいものの、シール機能に乏しく、また長時間の使
用には耐えない。
ン、ポリプロピレン、フッ素樹脂などの合成樹脂の方が
好ましいものの、シール機能に乏しく、また長時間の使
用には耐えない。
医薬用ゴム栓においては次のような技術が知られている
が、それぞれ問題が多い。たとえば、プラスチックフィ
ルムとゴムとの積層体が提示されているが、接着、密封
性に問題があり、信頼性に欠ける。また、フッ素樹脂フ
ィルムをゴムに積層する方法が開示されているものの、
接着、密封性や硬さに問題がある。更に、フッ素樹脂フ
ィルムの表面処理によって接着性を高める方法を採用し
ても、密封部がフィルムとガラスであり、問題が残る。
その為、密封部ではゴムと樹脂フィルムの接合面を残
し、ゴム部で密封させる構造を特別に設計する方法が知
られているが、いずれの構造にしても完全ではない。
が、それぞれ問題が多い。たとえば、プラスチックフィ
ルムとゴムとの積層体が提示されているが、接着、密封
性に問題があり、信頼性に欠ける。また、フッ素樹脂フ
ィルムをゴムに積層する方法が開示されているものの、
接着、密封性や硬さに問題がある。更に、フッ素樹脂フ
ィルムの表面処理によって接着性を高める方法を採用し
ても、密封部がフィルムとガラスであり、問題が残る。
その為、密封部ではゴムと樹脂フィルムの接合面を残
し、ゴム部で密封させる構造を特別に設計する方法が知
られているが、いずれの構造にしても完全ではない。
ゴム溶液によるコーティング加工による複合栓も知られ
ているが、ブチルゴム表面が溶剤により膨潤などの影響
を受けやすく、また加工後の輸液用薬栓の厳しいテスト
をクリヤすることが難しい。
ているが、ブチルゴム表面が溶剤により膨潤などの影響
を受けやすく、また加工後の輸液用薬栓の厳しいテスト
をクリヤすることが難しい。
フッ素ゴムとの複合薬栓においては、フッ素ゴムが加硫
剤を用いて仕上げられる為、加硫剤などの添加剤の流出
による薬品汚染の問題があり、また、2次加硫が必要な
為、工程が多く、かつまたフッ素樹脂よりガス透過性が
大きいため、厚さを大きくとる必要があり、これらの結
果、経済性の点で満足のいくものではない。さらに、厚
みが大きいと接着剤を必要とするので、接着性に問題が
ある。
剤を用いて仕上げられる為、加硫剤などの添加剤の流出
による薬品汚染の問題があり、また、2次加硫が必要な
為、工程が多く、かつまたフッ素樹脂よりガス透過性が
大きいため、厚さを大きくとる必要があり、これらの結
果、経済性の点で満足のいくものではない。さらに、厚
みが大きいと接着剤を必要とするので、接着性に問題が
ある。
[発明の目的] 本発明の目的は、柔軟でゴム弾性があって、しかも薬品
に対して耐性を持ち、薬品を汚染しないで容器口との間
の優れた密封機能を有し、かつ薬品を汚染する添加剤
(たとえば、加硫剤、加硫促進剤、受酸剤、補強材な
ど)を含んでおらず、安全性が高く、熱水により溶出さ
れる成分を含まず、その上、形成加工性に優れ、簡単な
方法で製造不良率をおさえて製造することができるゴム
栓を提供することである。
に対して耐性を持ち、薬品を汚染しないで容器口との間
の優れた密封機能を有し、かつ薬品を汚染する添加剤
(たとえば、加硫剤、加硫促進剤、受酸剤、補強材な
ど)を含んでおらず、安全性が高く、熱水により溶出さ
れる成分を含まず、その上、形成加工性に優れ、簡単な
方法で製造不良率をおさえて製造することができるゴム
栓を提供することである。
[発明の構成] 前記目的は、栓本体の少なくとも容器口挿入部にゴム層
をラミネートしてなるゴム栓において、ゴム層のゴムが
含フッ素熱可塑性ゴムであり、ゴム層が含フッ素熱可塑
性ゴム製フィルムを栓本体にラミネートすることにより
形成されたものであり、ゴム層の厚さが0.1〜0.5mmであ
るラミネートゴム栓により達成される。
をラミネートしてなるゴム栓において、ゴム層のゴムが
含フッ素熱可塑性ゴムであり、ゴム層が含フッ素熱可塑
性ゴム製フィルムを栓本体にラミネートすることにより
形成されたものであり、ゴム層の厚さが0.1〜0.5mmであ
るラミネートゴム栓により達成される。
本発明において含フッ素熱可塑性ゴムとは、比較的低温
(たとえば常温付近)では加硫したゴム弾性を有し、加
熱により塑性流動を示すゴムをいう。
(たとえば常温付近)では加硫したゴム弾性を有し、加
熱により塑性流動を示すゴムをいう。
含フッ素熱可塑性ゴムは、好ましくは少なくとも1種の
エラストマー性ポリマー鎖セグメントおよび少なくとも
1種の非エラストマー性ポリマー鎖セグメントから成
り、そのうち少なくとも1つは含フッ素ポリマー鎖セグ
メントである。特に、エラストマー性ポリマー鎖セグメ
ントと非エラストマー性ポリマー鎖セグメントの重量比
が40〜95:5〜60であるものが好ましい。
エラストマー性ポリマー鎖セグメントおよび少なくとも
1種の非エラストマー性ポリマー鎖セグメントから成
り、そのうち少なくとも1つは含フッ素ポリマー鎖セグ
メントである。特に、エラストマー性ポリマー鎖セグメ
ントと非エラストマー性ポリマー鎖セグメントの重量比
が40〜95:5〜60であるものが好ましい。
含フッ素熱可塑性ゴムとして特に好ましい具体例を示せ
ば2種または3種のポリマー鎖セグメントから成る連鎖
と、該連鎖の一端に存在するヨウ素原子ならびに該連鎖
の他端に存在するアイオダイド化合物から少なくとも1
個のヨウ素原子を除いた残基から成り、 前記ポリマー鎖セグメントの1種(連鎖が2種のポリマ
ー鎖セグメントから成る場合)もしくは1種または2種
(連鎖が3種のポリマー鎖セグメントから成る場合)は
(1)ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピ
レンまたはペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロ
エチレン(モル比45〜90:5〜50:0〜35)ポリマーおよび
(2)パーフルオロ(C1〜C3アルキルビニルエーテル)
[複数個のエーテル結合を含むものも包含する。以下同
様。]/テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオラ
イド(モル比15〜75:0〜85:0〜85)ポリマーから選択さ
れた、分子量30,000〜1,200,000のエラストマー性ポリ
マー鎖セグメントであり、 前記ポリマー鎖セグメントの残余は(3)ビニリデンフ
ルオライド/テトラフルオロエチレン(モル比0〜100:
0〜100)ポリマーおよび(4)エチレン/テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリ
フルオロプロピレン−1、2−トリフルオロメチル−3,
3,3−トリフルオロプロピレン−1またはパーフルオロ
(C1〜C3アルキルビニルエーテル)(モル比40〜60:60
〜40:0〜30)ポリマーから選択された、分子量3,000〜4
00,000の非エラストマー性ポリマー鎖セグメントであ
り、 エラストマー性ポリマー鎖セグメントと非エラストマー
性ポリマー鎖セグメントの重量比が40〜95:5〜60であ
る、 含フッ素熱可塑性ゴムが挙げられる。
ば2種または3種のポリマー鎖セグメントから成る連鎖
と、該連鎖の一端に存在するヨウ素原子ならびに該連鎖
の他端に存在するアイオダイド化合物から少なくとも1
個のヨウ素原子を除いた残基から成り、 前記ポリマー鎖セグメントの1種(連鎖が2種のポリマ
ー鎖セグメントから成る場合)もしくは1種または2種
(連鎖が3種のポリマー鎖セグメントから成る場合)は
(1)ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピ
レンまたはペンタフルオロプロピレン/テトラフルオロ
エチレン(モル比45〜90:5〜50:0〜35)ポリマーおよび
(2)パーフルオロ(C1〜C3アルキルビニルエーテル)
[複数個のエーテル結合を含むものも包含する。以下同
様。]/テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオラ
イド(モル比15〜75:0〜85:0〜85)ポリマーから選択さ
れた、分子量30,000〜1,200,000のエラストマー性ポリ
マー鎖セグメントであり、 前記ポリマー鎖セグメントの残余は(3)ビニリデンフ
ルオライド/テトラフルオロエチレン(モル比0〜100:
0〜100)ポリマーおよび(4)エチレン/テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリ
フルオロプロピレン−1、2−トリフルオロメチル−3,
3,3−トリフルオロプロピレン−1またはパーフルオロ
(C1〜C3アルキルビニルエーテル)(モル比40〜60:60
〜40:0〜30)ポリマーから選択された、分子量3,000〜4
00,000の非エラストマー性ポリマー鎖セグメントであ
り、 エラストマー性ポリマー鎖セグメントと非エラストマー
性ポリマー鎖セグメントの重量比が40〜95:5〜60であ
る、 含フッ素熱可塑性ゴムが挙げられる。
本発明で使用する好ましい含フッ素熱可塑性ゴムは特公
昭58-4728号公報に記載されている。
昭58-4728号公報に記載されている。
含フッ素熱可塑性ゴムの典型的な構造はたとえば式: Q[(A−B−………)I]n [式中、Qはアイオダイド化合物からヨウ素原子を除い
た残基、A,B……はそれぞれポリマー鎖セグメント(た
だし、そのうちの少なくとも一つは含フッ素ポリマー鎖
セグメントである。)、Iは前記アイオダイド化合物か
ら遊離したヨウ素原子、nはQの結合手の数を表わ
す。] で示され、基本的に、少くとも2種のポリマー鎖セグメ
ントから成る連鎖と、その両末端に結合した、ヨウ素原
子ならびにアイオダイド化合物から少くとも1個のヨウ
素原子を除いた残基を必須構成分として成る。しかし
て、前記少くとも2種のポリマー鎖セグメントは、それ
ぞれ隣接するポリマー鎖セグメントとは互いに異種のも
の(たとえばそれを構成するモノマー単位の構造や組成
を異にするもの。)であり、それらのうち少くとも1種
は含フッ素ポリマー鎖セグメントであり、少くとも1種
のハードセグメントおよび少くとも1種のソフトセグメ
ントからなる。好ましくは、各ポリマー鎖セグメントは
それぞれ分子量3,000以上ではあるが、その少くとも1
種のポリマー鎖セグメントは分子量30,000以上を有する
ものであって、いわゆるテロマー領域を除くものであ
る。また、前記アイオダイド化合物から少なくともヨウ
素原子を除いた残基は、該アイオダイド化合物に重合性
二重結合が存在する場合には、前記ポリマー鎖セグメン
トを構成するモノマーないしは該アイオダイド化合物に
由来する何らかの置換分を有しうるものである。これら
含フッ素熱可塑性ゴムは通常0.001〜10重量%のヨウ素
原子を含む。ただし、熱可塑性ゴム合成後にヨウ素を反
応により除去し、あるいは他の残基に置換したものも含
まれる。
た残基、A,B……はそれぞれポリマー鎖セグメント(た
だし、そのうちの少なくとも一つは含フッ素ポリマー鎖
セグメントである。)、Iは前記アイオダイド化合物か
ら遊離したヨウ素原子、nはQの結合手の数を表わ
す。] で示され、基本的に、少くとも2種のポリマー鎖セグメ
ントから成る連鎖と、その両末端に結合した、ヨウ素原
子ならびにアイオダイド化合物から少くとも1個のヨウ
素原子を除いた残基を必須構成分として成る。しかし
て、前記少くとも2種のポリマー鎖セグメントは、それ
ぞれ隣接するポリマー鎖セグメントとは互いに異種のも
の(たとえばそれを構成するモノマー単位の構造や組成
を異にするもの。)であり、それらのうち少くとも1種
は含フッ素ポリマー鎖セグメントであり、少くとも1種
のハードセグメントおよび少くとも1種のソフトセグメ
ントからなる。好ましくは、各ポリマー鎖セグメントは
それぞれ分子量3,000以上ではあるが、その少くとも1
種のポリマー鎖セグメントは分子量30,000以上を有する
ものであって、いわゆるテロマー領域を除くものであ
る。また、前記アイオダイド化合物から少なくともヨウ
素原子を除いた残基は、該アイオダイド化合物に重合性
二重結合が存在する場合には、前記ポリマー鎖セグメン
トを構成するモノマーないしは該アイオダイド化合物に
由来する何らかの置換分を有しうるものである。これら
含フッ素熱可塑性ゴムは通常0.001〜10重量%のヨウ素
原子を含む。ただし、熱可塑性ゴム合成後にヨウ素を反
応により除去し、あるいは他の残基に置換したものも含
まれる。
本発明のゴム栓の形状は、特に限定されず、複雑な形状
のゴム栓でも容易にゴム加硫成形と同時に含フッ素熱可
塑性ゴムから成るゴム層をラミネートし得る。
のゴム栓でも容易にゴム加硫成形と同時に含フッ素熱可
塑性ゴムから成るゴム層をラミネートし得る。
一例として、斜視図を第1図に、断面図を第2図または
第3図に示す形状を有するゴム栓をラミネートする方法
を説明する。まず、下金型に含フッ素熱可塑性ゴムのフ
ィルムおよび未加硫ゴム(第2図ではA2に、第3図では
Aに相当)を重ね合わせ、その上に上金型(第2図では
平らな金型、第3図ではゴム栓頭部を成型する窪みを有
する金型)を置いて、所定の加硫温度でゴムを加圧し
て、ゴム栓を成型加硫すると同時に、ゴム栓素栓部(足
部ともいう)を含フッ素熱可塑性ゴムのフィルム2でラ
ミネートする。次に、所定の大きさにカティングする。
なお、第2図の場合には、更に下金型内に上記で得られ
た素栓を置き、その上に未加硫ゴム(A1)を置き、更に
ゴム栓頭部を成型する窪みを有する上金型を置き、ゴム
の加硫温度で加圧して、ゴム栓を完成する。これら成形
には、圧縮成形機として真空成形機を使用するのが好ま
しい。
第3図に示す形状を有するゴム栓をラミネートする方法
を説明する。まず、下金型に含フッ素熱可塑性ゴムのフ
ィルムおよび未加硫ゴム(第2図ではA2に、第3図では
Aに相当)を重ね合わせ、その上に上金型(第2図では
平らな金型、第3図ではゴム栓頭部を成型する窪みを有
する金型)を置いて、所定の加硫温度でゴムを加圧し
て、ゴム栓を成型加硫すると同時に、ゴム栓素栓部(足
部ともいう)を含フッ素熱可塑性ゴムのフィルム2でラ
ミネートする。次に、所定の大きさにカティングする。
なお、第2図の場合には、更に下金型内に上記で得られ
た素栓を置き、その上に未加硫ゴム(A1)を置き、更に
ゴム栓頭部を成型する窪みを有する上金型を置き、ゴム
の加硫温度で加圧して、ゴム栓を完成する。これら成形
には、圧縮成形機として真空成形機を使用するのが好ま
しい。
上記のような成形方法の場合、フィルムは、ゴム加硫温
度で、平均4倍、特殊な個所では約7〜8倍に伸ばされ
る。従って、延伸されにくく、この条件に耐え得ないフ
ィルムでは、成形加工中に破断し、ラミネートゴム栓と
して不良製品になる。本発明の含フッ素熱可塑性ゴム
は、ゴム加硫温度でも柔軟でゴム弾性があるので、かか
る不良品の発生率が極めて低い。もっとも、含フッ素熱
可塑性ゴムの粉末またはペレットをまず雌型に入れ、フ
ッ素樹脂でコーティングされた雄型で加圧して、雌型に
沿った形にフィルムを成形し、次いで、ゴム栓本体とな
る未加硫ゴムをフィルムで被覆された雌型に入れて、加
硫成形してもよい。
度で、平均4倍、特殊な個所では約7〜8倍に伸ばされ
る。従って、延伸されにくく、この条件に耐え得ないフ
ィルムでは、成形加工中に破断し、ラミネートゴム栓と
して不良製品になる。本発明の含フッ素熱可塑性ゴム
は、ゴム加硫温度でも柔軟でゴム弾性があるので、かか
る不良品の発生率が極めて低い。もっとも、含フッ素熱
可塑性ゴムの粉末またはペレットをまず雌型に入れ、フ
ッ素樹脂でコーティングされた雄型で加圧して、雌型に
沿った形にフィルムを成形し、次いで、ゴム栓本体とな
る未加硫ゴムをフィルムで被覆された雌型に入れて、加
硫成形してもよい。
なお、本発明の含フッ素熱可塑性ゴムは、通常のフッ素
ゴムのように加硫剤を添加しなくても成形後冷却するだ
けで加硫ゴムと同じ物性を示すから、加硫剤の添加は必
要ではなく、さらに他の添加剤も加える必要がないか
ら、薬品を汚染する恐れも無い。しかし、目的に応じ
て、架橋してもよく、架橋する場合、通常のフッ素ゴム
の架橋に用いられる加硫剤を用い、パーオキサイド加
硫、ポリオール加硫、ポリアミン加硫など、既知の架橋
方法を採用することができる。また、放射線照射により
架橋することもできる。
ゴムのように加硫剤を添加しなくても成形後冷却するだ
けで加硫ゴムと同じ物性を示すから、加硫剤の添加は必
要ではなく、さらに他の添加剤も加える必要がないか
ら、薬品を汚染する恐れも無い。しかし、目的に応じ
て、架橋してもよく、架橋する場合、通常のフッ素ゴム
の架橋に用いられる加硫剤を用い、パーオキサイド加
硫、ポリオール加硫、ポリアミン加硫など、既知の架橋
方法を採用することができる。また、放射線照射により
架橋することもできる。
本発明のゴム栓を構成するゴム配合素材は、実質的に従
来技術に従って製造できる。
来技術に従って製造できる。
イソプレン/イソブチレンゴム(IIR)、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム、クロロスルホン化ポリスチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、スチレン−イソプレンゴム、熱可塑性
エラストマー、天然ゴムなどに、加硫剤、加硫促進剤、
加硫活性剤、加工助剤、充填剤、補強剤などを適宜配合
してゴム栓としての物理的性質、耐熱性を保つようにし
たものを使用することができる。
ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチ
レン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム、クロロスルホン化ポリスチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、スチレン−イソプレンゴム、熱可塑性
エラストマー、天然ゴムなどに、加硫剤、加硫促進剤、
加硫活性剤、加工助剤、充填剤、補強剤などを適宜配合
してゴム栓としての物理的性質、耐熱性を保つようにし
たものを使用することができる。
次ぎに実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
実施例1 含フッ素熱可塑性ゴムの耐薬品性 ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン/
テトラフルオロエチレン(モル比50:30:20)ポリマーセ
グメント85重量%およびエチレン/テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン(モル比43:49:8)ポ
リマーセグメント15重量%から成る含フッ素熱可塑性ゴ
ム(これをゴムAという。)と、ゴムAにおいて後者の
セグメントをポリビニリデンフルオライドセグメント
(ただし、12重量%)とした含フッ素熱可塑性ゴム(こ
れをゴムBという。)とについて耐薬品性を試験した。
テトラフルオロエチレン(モル比50:30:20)ポリマーセ
グメント85重量%およびエチレン/テトラフルオロエチ
レン/ヘキサフルオロプロピレン(モル比43:49:8)ポ
リマーセグメント15重量%から成る含フッ素熱可塑性ゴ
ム(これをゴムAという。)と、ゴムAにおいて後者の
セグメントをポリビニリデンフルオライドセグメント
(ただし、12重量%)とした含フッ素熱可塑性ゴム(こ
れをゴムBという。)とについて耐薬品性を試験した。
比較の為、通常の加硫フッ素ゴム(ダイキン工業株式会
社製ダイエルG701)を用いて同様の試験をした。
社製ダイエルG701)を用いて同様の試験をした。
ゴム試料(10mm×20mm×厚さ2mm)を第1表に示す薬品
に、同表に示す条件で浸漬した後、体積変化(%)を測
定した。結果を、同表に示す。
に、同表に示す条件で浸漬した後、体積変化(%)を測
定した。結果を、同表に示す。
比較例1 市販のシリコンゴム栓、コルク栓、天然ゴム栓、ブチル
ゴム栓を用いて実施例1と同様の試験を行ったが、いず
れも使用に耐えない外観と形状を呈した為、体積変化の
測定は不能であった。
ゴム栓を用いて実施例1と同様の試験を行ったが、いず
れも使用に耐えない外観と形状を呈した為、体積変化の
測定は不能であった。
実施例2および比較例2 実施例1のゴムAおよびゴムBならびに天然ゴムのガス
透過性試験を、ASTM D143C-Mの方法に準じて行った。結
果を第2表に示す。
透過性試験を、ASTM D143C-Mの方法に準じて行った。結
果を第2表に示す。
実施例3および比較例3 実施例1のゴムA、ゴムB、加硫ブチルゴムおよび通常
の加硫フッ素ゴム(ダイエルG701)の試験片(100mm×1
00mm×厚さ1mm)を、121℃で60分間、熱水による溶出処
理に付し、処理液の液濁の程度および処理液中の金属イ
オンの有無を原子吸光光度法により測定した。結果を第
3表に示す。なお、金属の溶出量はppmで示した。また
*は検出限界以下であったことを示す。
の加硫フッ素ゴム(ダイエルG701)の試験片(100mm×1
00mm×厚さ1mm)を、121℃で60分間、熱水による溶出処
理に付し、処理液の液濁の程度および処理液中の金属イ
オンの有無を原子吸光光度法により測定した。結果を第
3表に示す。なお、金属の溶出量はppmで示した。また
*は検出限界以下であったことを示す。
第1図は、本発明のラミネートゴム栓の斜視図、 第2図は、素栓部のみをラミネートしたゴム栓の断面
図、および 第3図は、素栓部および頭部下面をラミネートしたゴム
栓の断面図である。 1……ゴム栓、2……含フッ素熱可塑性ゴムフィルム。
図、および 第3図は、素栓部および頭部下面をラミネートしたゴム
栓の断面図である。 1……ゴム栓、2……含フッ素熱可塑性ゴムフィルム。
Claims (5)
- 【請求項1】栓本体の少なくとも容器口挿入部にゴム層
をラミネートしてなるゴム栓において、ゴム層のゴムが
含フッ素熱可塑性ゴムであり、ゴム層が含フッ素熱可塑
性ゴム製フィルムを栓全体にラミネートすることにより
形成されたものであり、ゴム層の厚さが0.1〜0.5mmであ
るラミネートゴム栓。 - 【請求項2】含フッ素熱可塑性ゴムが、少なくとも1種
のエラストマー性ポリマー鎖セグメントおよび少なくと
も1種の非エラストマー性ポリマー鎖セグメントから成
り、そのうちの少なくとも1つは含フッ素ポリマー鎖セ
グメントである含フッ素熱可塑性ゴムである特許請求の
範囲第1項記載のラミネートゴム栓。 - 【請求項3】含フッ素熱可塑性ゴムが、エラストマー性
ポリマー鎖セグメント40〜95重量部および非エラストマ
ー性ポリマー鎖セグメント5〜60重量部から成る特許請
求の範囲第2項記載のラミネートゴム栓。 - 【請求項4】非エラストマーポリマー鎖セグメントの融
点が190℃以下である特許請求の範囲第3項記載のラミ
ネートゴム栓。 - 【請求項5】含フッ素熱可塑性ゴムが架橋されたもので
ある特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載のラミ
ネートゴム栓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61196820A JPH07121744B2 (ja) | 1986-08-21 | 1986-08-21 | ラミネ−トゴム栓 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61196820A JPH07121744B2 (ja) | 1986-08-21 | 1986-08-21 | ラミネ−トゴム栓 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6355065A JPS6355065A (ja) | 1988-03-09 |
JPH07121744B2 true JPH07121744B2 (ja) | 1995-12-25 |
Family
ID=16364204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61196820A Expired - Lifetime JPH07121744B2 (ja) | 1986-08-21 | 1986-08-21 | ラミネ−トゴム栓 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07121744B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0223961A (ja) * | 1988-07-13 | 1990-01-26 | Showa Rubber Kk | 医薬用ラミネートゴム栓の製法およびその製法に用いる金型 |
JP2005349182A (ja) * | 2004-05-10 | 2005-12-22 | Otsuka Pharmaceut Factory Inc | 薬剤容器 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5951748U (ja) * | 1982-09-28 | 1984-04-05 | ダイキン工業株式会社 | 含フツ素熱可塑性ゴム被覆栓 |
JPS59200649A (ja) * | 1983-04-26 | 1984-11-14 | ダイキン工業株式会社 | 医薬品用ゴム栓 |
-
1986
- 1986-08-21 JP JP61196820A patent/JPH07121744B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6355065A (ja) | 1988-03-09 |
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