JPH0712051Y2 - 名刺等の簡易ホルダー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、名刺等を保持する簡易ホルダーに関する。

＜従来の技術＞ 名刺，葉書，封筒，写真，レポート用紙，雑誌等は、個
々にバラバラで置いておくと紛失し易く、瞬時の検索に
も不便であるため、従来、名刺，葉書，写真等は透明な
フィルムで形成された多数のポケット部を有する台紙を
製本してなる整理帳に収納整理することが一般に行われ
ている。

しかしながら、上記の整理帳は、嵩ばるため常時携行す
るには不便な上、検索もしにくいものであった。、ま
た、収納および整理する際には、名刺等を一つ一つ、そ
のポケット部に入れなければならず、収納整理作業に手
間がかかるという問題があった。

そこで、出願人は、先に嵩ばることなく、持ち運びが容
易であり、また瞬時の検索が可能であり、簡便に収納整
理することができる名刺等の簡易ホルダーを考案し出願
した（実願昭63−129704号，実願昭63−148732号参
照）。

＜考案が解決しようとする課題＞ この考案は、上記先願における考案の改良に係るもので
ある。

即ち、上記出願に係るホルダーは、嵩ばることなく、持
ち運びが容易であり、また瞬時の検索が可能であるり、
簡便に収納整理することができるものではあったが、長
期にわたって使用した場合には、経時変化あるいは収納
物の再貼着等により名刺等を粘着保持する保持部の粘着
層の保持力が低下するものであった。しかも、上記従来
のものにあっては保持部を背表紙内側に強力に一体接合
化したものであったため、保持部の保持力が低下した場
合には、ホルダー全体を廃棄処分せざるおえず、コスト
的に割高なものであった。

特に、表表紙，裏表紙等を皮革部材等高価な素材にて形
成したものにあってはこの弊害が大きかった。

この考案は、上記従来のホルダーにあって、保持部のみ
の取り換えが可能で長期にわたって繰返し使用できると
ともに、コスト安価にて良好に使用できるものを提供し
ようとしている。

＜課題を解決するための手段＞ 上記の課題を解決するためのこの考案の構成は、表表紙
と裏表紙と背表紙を有し、背表紙内側には収納書類の保
持部を設けたホルダーであって、保持部は、基材，基材
の表面に形成された弾性層，弾性層の表面に形成された
粘着層および複数に区画形成され、上記粘着層の表面に
貼着された離型シートを有し、上記保持部の裏面と背表
紙内側面の何れか一方には粘着層が設けられ、他方には
粘着層と着脱自在な軽粘着処理が施されてなることを特
徴としている。

＜作用＞ この考案のホルダーによれば、背表紙の内側に、離型シ
ート付きの粘着層からなる収納物保持部を設けているの
で、離型シートを剥がして、収納しようとする書類の一
辺を粘着層に押し当てることにより、粘着層にて書類を
粘着収納保持できる。また一旦取り外した書類であって
も粘着層に押し当てることにより再粘着収納保持でき
る。

上記粘着層は、弾性層上に形成されているので、弾性層
のクッション作用により、軽く押しつけるだけで、薄厚
の紙片にて形成されてなる名刺等の書類であっても粘着
層にてその端面を強固に保持できる。

粘着層の上面に貼着してなる離型シートは複数に区画形
成されてなるものゆえ、収納書類の厚みに応じて１列ま
た複数列の離型シートを剥して使用でき、収納保持に使
用しない粘着層面が塵，埃等にて汚れたり、乾燥等によ
り粘着性能を消失したりするのを防ぐことができる。

さらに、保持部の裏面と背表紙内側面の何れか一方には
粘着層が設けられ、他方には粘着層と着脱自在な軽粘着
処理が施されたものゆえ、保持部全体を背表紙に対し着
脱自在に構成することができる。従って、保持部のみの
交換ができ、名刺等を粘着保持する保持部の粘着層の保
持力が低下した場合等には、保持部のみを交換して、例
えば皮革部材等で形成した表紙等は繰返して使用でき
る。

＜実施例＞ 次いで、この考案の実施例について図を参照しながら以
下に説明する。

第１図は、名刺のホルダーを示す斜視図である。

ホルダー（Ａ）は、矩形状の表表紙（１）、この表表紙
（１）と同形に形成した裏表紙（２）およびこれら表表
紙（１）、裏表紙（２）を連設する背表紙（３）とから
なっている。なお表表紙（１）、裏表紙（２）および背
表紙（３）は紙製のものであり、少なくとも背表紙
（３）の内側は表面をシリコン系で処理するが、ポリエ
チレン、ポリフロピレン系樹脂で被覆処理してある。

背表紙（３）の内側には、収納物保持部（４）が形成さ
れている。第２図に示すように収納物保持部（４）は、
ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂シートからなる薄
膜状の基材（40），この基材（40）の片面に粘着テープ
等で形成したスポンジ部材あるいは布材等からなる弾性
層（41）、この弾性層（41）の表面に形成した名刺を粘
着収納保持する粘着層（42）および切目にて数ミリ幅の
複数に区画され（図の場合には、６区画）、上記粘着層
（42）の表面に貼着された離型シート（43）から構成さ
れている。

そして、基材（40）は、弾性層（41）を形成した他面側
に粘着層（５）を有し、この粘着層（５）にて、上記ポ
リエチレン，ポリプロピレン系樹脂の被覆処理等により
軽粘着処理が施された背表紙（３）内側に着脱自在に形
成されている。

なお、基材（40）の他面に形成する粘着層（５）は、基
材（40）の全面に形成してもよいが、第２図に示すよう
に、非粘着部（Ｓ）を設けておくと、この部分の基材を
つまみ部（400）として使用でき、至便である。

上記構成からなる収納ケース（Ａ）の使用方法について
説明すると、 収納保持しようとする名刺の厚みに応じて、離型シート
（43）を、１列または複数列剥がして、粘着層（42）を
露出させる（第１図参照）。

露出した粘着層（42）の表面に、名刺（Ｂ）の縦横を揃
え、その一辺を弾性層（41）のクッション作用により粘
着層（42）面に喰い込ませるようにして軽く押し当て
る。これにより書類（Ｂ）は収納保持部（４）にて保持
される（第３図参照）。

なお、背表紙（３）の外側から背表紙（３）を押圧気味
に擦ると、名刺（Ｂ）が粘着層（42）に、より確実に喰
い込み、強固な名刺（Ｂ）の保持収納が行え、好適であ
る。

以上の作業にて、所定枚数の名刺（Ｂ）が収納ケース
（Ａ）内に良好に収納保持できることとなる。

さらにホルダー（Ａ）内に追加して名刺を収納する場合
には、収納保持部（４）の粘着層（42）に貼着した離型
シート（43）を順次剥し、露出した粘着層（42）面に追
加書類を粘着収納保持させればよい。

図に示すものにあっては、最大限６区画分の離型シート
（43）を剥して逐次書類の追加収納ができることとな
る。

名刺（Ｂ）の量が多くなり、１個のホルダー（Ａ）で収
納し切れない場合には、さらに別のホルダーを用意し、
上記と同様の作業を繰り返せばよい。

その際、各ホルダーの背表紙（３）表面に、順位番号等
の分類番号を付しておけば、後の検索に至便となる。

また、長年の繰返し使用等による粘着層（42）の劣化等
により、保持部（４）の粘着保持能力が弱くなった場合
には、保持部（４）のつまみ部（400）を把持して軽粘
着処理の施してある背表紙（３）から引き離し、交換す
ればよい。

なお、表面をシリコン系樹脂等により被覆処理したセパ
レータをホルダー（Ａ）に付属させておき、このセパレ
ータをホルダー（Ａ）に粘着収納した名刺の終りに粘着
保持させるようにするか、あるいは表表紙（１）および
裏表紙（２）の、背表紙（３）との連設近傍内側にそれ
ぞれシリコン系樹脂等を塗布した非粘着処理部を設けて
おけば、離型シート（43）を剥離した粘着層（42）面が
表表紙（１）および裏表紙（２）に当接した場合であっ
ても容易に離脱でき至便となる。

また、上記離型シート（43）の区画切目としては、連続
状のものでもよいが、図に示すように端部が切り離され
たミシン目状切目（430）からなるものが、端部から容
易に離型シート（43）を剥離でき、また区画切目形成の
際に、シートが粘着層面から浮き上ったり、捲れ上った
りすることがなく至便である。

このミシン目状切目（430）としては、5.0〜6.0mmの切
目に対して非切目部分を0.5〜1.0mmに形成したミシン目
状のものが良好であるが、これに限定されるものではな
い。

また、背表紙（３）の内面側に形成した保持部（４）の
弾性層（41），粘着層（42）および離型シート（43）を
図に示すように先端先細状に形成しておけば、製造容易
で、しかも区画形成された離型シート（43）を粘着層
（42）から引き剥す際に、この先端先細部分を指による
引剥し開始部分とでき至便な実施となる。

第４図および第５図は、保持部（４）を背表紙（３）の
内側へ取付ける場合の変更例を示すものであり、そのう
ち、第４図は保持部（４）の基材（40）を背表紙（４）
の上端から露出させて、つまみ部（400）を形成した場
合を示している。

上記変更例によれば、基材（40）のつまみ部（400）が
背表紙（３）の上端から露出しており、前記実施例に比
べ背表紙（３）からの保持部（４）の離脱がより容易に
できるものとなる。

さらに第５図は、基材（40）を、その表面に形成された
弾性層（41），弾性層（41）の表面に形成された粘着層
（42）および粘着層（42）の表面に貼着された離型シー
ト（43）と同形に形成するとともに、基材（40）の他面
に形成する粘着層（５）部分に、非粘着部（Ｓ′）を設
けたものである。

上記変更例の場合には、保持部（４）の構成部材がすべ
て同形ゆえ、積層したものを打ち抜く等の方法により、
保持部（４）の一括形成ができ製造が容易であるととも
に、粘着層（５）部分に非粘着部（Ｓ′）を設けたなる
ゆえ、この部分の保持部（４）の構成素材をつまみ部と
して使用できる。

なお、上記実施例および変更例のいずれにあっても、保
持部（４）を背表紙（３）から着脱自在とするにあたっ
ては、前記背表紙（３）内側の軽粘着処理および保持部
（４）の粘着層（５）に代えて、係合部と被係合部から
なる面ファスナーを背表紙（３）および保持部（４）に
設けて実施してもよく、またこれら着脱機構を背表紙
（３）あるいは基材（40）に部分的に形成したものであ
ってもよい。

さらに、裏表紙（２）を、表表紙（１）および背表紙
（３）とは別に形成し、収納名刺（Ｂ）等の厚みに応じ
てホルダー（Ａ）の背巾を変えられるようにして実施し
てもよく、またシート（43）に形成する切込み（430）
を、粘着層（42）および弾性層（41）に形成して実施す
ることも可能である。

その他、名刺（Ｂ）の収納を容易にするため、背表紙
（３）近くの表表紙（１）等の上辺に、名刺（Ｂ）案内
用の舌片を形成して実施することもでき、表表紙（１）
等の内側に、ポケットを形成し、テレホンカードや切手
等を収納できるようにして実施してもよい。また、スポ
ンジ等からなる弾性層（41）に、粘着剤を吸収させてお
き、粘着層（42）の粘着強度の低下や劣化を防止するよ
うにして実施することもできる。

この考案によるホルダーは、名刺の外、ホルダーの大き
さを変更し、葉書，写真，出版物，資料，住所録、公報
類や封筒等の書類を収納，整理，分類，保持しておくこ
とができる等この考案の要旨を変更しない範囲で種々の
設計変更を施すことができる。

＜考案の効果＞ 以上のように構成された、この考案のホルダーによれ
ば、背表紙の内側に、離型シート付きの粘着層からなる
収納物保持部を設けているので、離型シートを剥がし
て、収納しようとする書類の一辺を粘着層に押し当てる
ことにより、粘着層にて名刺等の収納書類を容易に粘着
収納保持できる。

また一旦取り外した書類であっても粘着層に押し当てる
ことにより容易に再粘着収納保持でき、書類の再整理収
納が容易，迅速にでき至便なものとなる。

粘着層は、弾性層上に形成されているので、弾性層のク
ッション作用により、軽く押しつけるだけで、薄厚の紙
片にて形成されてなる名刺等の書類であっても粘着層に
てその端面を強固に保持でき、書類の確実な収納保持が
できるものとなる。

粘着層の上面に貼着してなる離型シートは複数に区画形
成されてなるものゆえ、収納書類の厚みに応じて１列ま
たは複数列の離型シートを剥して使用でき、収納保持に
使用しない粘着層面が塵，埃等にて汚れたり、乾燥等に
より貼着性能を喪失したりするのを防ぐことができる。

さらに、保持部の裏面と背表紙内側面の何れか一方には
粘着層が設けられ、他方には粘着層と着脱自在な軽粘着
処理が施されたものゆえ、保持部全体を背表紙に対し着
脱自在に構成することができる。従って、保持部のみの
交換ができ、名刺等を粘着保持する保持部の粘着層の保
持力が低下した場合等には、保持部のみを交換し、例え
ば皮革部材等で形成した表紙等は繰返して使用でき、コ
スト安価なものとなる等種々の実用的効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す斜視図、第２図は前
図の部分拡大斜視図、第３図は使用例を示す斜視図、第
４図および第５図は変更例を示す部分拡大斜視図であ
る。 （Ａ）……ホルダー、（Ｂ）……名刺、（１）……表表
紙、（２）……裏表紙、（３）……背表紙、（４）……
保持部、（40）……基材、（41）……弾性層、（43）…
…離型シート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】表表紙と裏表紙と背表紙を有し、背表紙内
   側には収納書類の保持部を設けたホルダーであって、 保持部は、基材、基材の表面に形成された弾性層、弾性
   層の表面に形成された粘着層、及び複数に区画形成さ
   れ、上記粘着層の表面に貼着された離型シートを有し、 上記保持部の裏面と背表紙内側面の何れか一方には粘着
   層が設けられ、他方には粘着層と着脱自在な軽粘着処理
   が施されてなることを特徴とする名刺等の簡易ホルダ
   ー。