JPH0445907Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、名刺等を保持するためのホルダー
に関する。

＜従来の技術＞ 名刺、葉書、封筒、写真、レポート用紙、雑誌
等は、個々にバラバラで置いておくと紛失し易
く、瞬時の検索にも不便であるため、従来、名
刺、葉書、写真等は透明なフイルムで形成された
多数のポケツト部を有する台紙を製本してなる整
理帳に収納整理することが一般に行われている。

しかしながら、上記の整理帳は、比較的高価で
あり、また、嵩ばるため常時携行するには不便な
上、検索もしにくいものであつた。また、収納お
よび整理する際には、名刺等を一つ一つ、そのポ
ケツト部に入れなければならず、収納整理作業に
手間がかかるという問題があつた。

そこで、出願人は、先に、安価で、嵩ばること
なく、持ち運びが容易であり、また瞬時の検索が
可能であり、簡便に収納整理することができる名
刺等の簡易ホルダーを考案し出願した（実願昭63
−129704号参照）。

＜考案が解決しようとする課題＞ この考案は、上記先願における考案の改良に係
るものである。即ち、上記出願に係るホルダー
は、安価で、嵩ばることなく、持ち運びが容易で
あり、また瞬時の検索が可能であり、簡便に収納
整理することができるものではあつたが、裏表紙
の表裏面にシリコン加工等による剥離性を付与し
たものであつて、名刺等を保持しない背表紙の余
分な部分を、折曲し、裏表紙に暫定的に接合する
ようにした構造のものであつたため、この背表紙
の接合部分が裏表紙から剥れ易く、収納整理する
名刺等の量に応じて、背表紙の折り曲げ幅を変動
させるには至便なものであつたが、最終的に製本
する場合には、背表紙の折り曲げ部分が裏表紙か
ら剥れてしまい長期の使用には耐え得ない等の問
題があつた。

この考案は、上記ホルダーにあつて、収納整理
する名刺等の量に応じて、背表紙の折り曲げ幅を
容易に変動させることができるとともに、最終的
な製本段階にあつても背表紙が裏表紙から剥れる
ことなく、長期にわたつて、良好に使用できるも
のを提供しようとしている。

＜課題を解決するための手段＞ 上記の課題を解決するためのこの考案の構成
は、表表紙、背表紙およびこれら表表紙、背表紙
とは別に形成された裏表紙とからなり、背表紙の
内側には弾性層が形成され、弾性層の表面には粘
着層が形成され、粘着層の表面には複数に区画さ
れた離型シートが貼着されており、裏表紙には、
少なくとも片面に、上記背表紙の区画された離型
シートに対応して複数に区画された離型シート付
きの貼着部が形成されていることを特徴としてい
る。

＜作用＞ この考案のホルダーによれば、背表紙の内側
に、離型シート付きの粘着層が形成されているの
で、離型シートを剥がして、名刺等の一辺を上記
粘着層に押し付けることにより、名刺等の収納整
理ができる。

上記粘着層は、弾性層上に形成されているの
で、弾性層のクツシヨン作用により、軽く押しつ
けることにより、薄厚の紙片にて形成されている
名刺等を強固に粘着層にて保持することができ
る。

裏表紙は表表紙、背表紙とは別に形成されたも
のゆえ、収納保持する名刺等の厚みに応じて、名
刺等の保持に使用しない余分な背表紙部分を折曲
して、離型シートを剥して裏表紙に暫定的に接合
させることができる。

背表紙の粘着層の表面に複数に区画された離型
シートを貼着し、裏表紙の少なくとも片面に、上
記背表紙の区画された離型シートに対応して、複
数に区画された離型シート付きの貼着部を、裏表
紙に形成したものゆえ、最終的な製本段階にあつ
ては、背表紙の余分な部分に対応する裏表紙の離
型シートを１列ないし複数列剥離することにより
製本化できる。

＜実施例＞ 次いで、この考案の実施例について図を参照し
ながら以下に説明する。

第１図は、この考案のホルダーＡを示す斜視図
である。

ホルダーＡは、矩形状の表表紙１、裏表紙２、
および背表紙３を有する。

そして、表表紙１と背表紙３は長辺にてそれぞ
れ連設され、裏表紙２は表表紙１、背表紙３とは
別に形成されている。

背表紙３の内側には、スポンジ部材、布材等か
らなる弾性層４が形成されている。

弾性層４の表面には、名刺Ｂ等を収納保持する
粘着層５が形成されている。

さらに、粘着層５の表面には切目にて数ミリ幅
の複数（図の場合には、７区画）に区画された離
型シート６が貼着されている。

また、裏表紙２には、片面あるいは両面に、上
記背表紙３の区画された離型シート６に対応し
て、切目にて複数（図の場合には、５区画）に区
画された離型シート２１付きの貼着部２０が形成
されている。

なお、上記離型シート６あるいは２１の区画切
目としては、連続状のものでもよいが、図に示す
ように端部が切り離されたミシン目状切目からな
るものが、端部から容易に離型シート６を剥離で
き、また区画形成の際に、シートが粘着層面から
浮き上つたり、捲れ上つたりすることはなく、外
観体裁の良好なホルダーが得られ、至便である。

この切目としては、5.0〜6.0mmの切目に対して
非切目部分を0.5〜1.0mmに形成したミシン目状の
ものが、良好であるが、これに限定されるもので
はない。

離型シート６および２１の表面は、シリコン系
で処理するか、剥がすのが容易なポリエチレン、
ポリフロピレン系樹脂で表面を被膜処理してあ
る。

なお、背表紙３の弾性層４、粘着層５および離
型シート６並に裏表紙２の貼着部２０および離型
シート２１を図に示すように先端先細状に形成し
ておけば、区画形成された離型シート６および２
１を粘着層５および貼着部２０から引き剥す際
に、この先端先細部分を指による引剥し開始部分
とでき、至便な実施となる。

上記構成からなるホルダーＡの使用方法につい
て説明すると、 収納整理しようとする名刺Ｂの厚みに応じて、
背表紙３の粘着層５に区画貼着してある離型シー
ト６を、一列または複数列剥がす（第１図参照）。

露出した粘着層面５１に、名刺Ｂの縦横を揃
え、その長辺を弾性層４のクツシヨン作用により
粘着層５面に喰い込ませるようにして軽く押し当
てる。

そして、背表紙３の名刺の収納保持に使用しな
い余分な部分は折曲し、離型シート６を剥して粘
着層５を、裏表紙２の離型シート２１表面に押し
当て暫定的に貼着する。

以上の作業にて、所定枚数の名刺Ｂを良好に収
納保持したホルダーＡが得られる。

さらに、ホルダーＡ内に追加して名刺Ｂを収納
する場合には、裏表紙２に貼着した背表紙３を剥
し、その粘着層５にて名刺Ｂを保持させればよ
い。

上記のようにホルダーＡ内に名刺Ｂを追加補充
してゆく場合には、裏表紙２に暫定的に貼着させ
た余分な背表紙の粘着層５を剥して保持させれば
よい。

なお、第１図のものにあつては、最大限５区画
分の離型シート６を剥して逐次名刺の追加収納が
できる構造となる。

そして、途中で名刺の追加をやめる場合あるい
は最終的な製本化を行なう場合には、図に示すよ
うに背表紙の余分な離型シート６の区画部分（図
の場合には、２区画）に対応した裏表紙２の区画
離型シート２１を剥し、貼着部２０を露出させ、
背表紙３の粘着層５と接合させ、製本化する。

以上の作業にて、名刺Ｂは、ホルダーＡ内に製
本されたのと同様に収納保持されたものとなる
（第２図参照）。

名刺Ｂの量が多い場合等には、さらに背表紙３
の外側から背表紙３を押圧気味に擦ると、名刺Ｂ
が粘着層５に、より確実に喰い込み、強固な名刺
Ｂの保持収納が行えるものとなる。

名刺Ｂの量が多くなり、１個のホルダーＡで収
納し切れない場合には、さらに別のホルダーを用
意し、上記と同様の作業を繰り返せばよい。

その際、各ホルダーの背表紙３表面に、順位番
号等の分類番号を付しておけば、後の検索に至便
となる。

第３図は、変更例を示すものであり、離型シー
ト６および２１の上端を粘着層４および貼着部２
０面より若干突出形成してあるとともに、粘着層
５および弾性層４に複数の切り込み１２が入れて
あり、背表紙３近くの表表紙１の上辺に、名刺Ｂ
案内用の舌片７を形成したものを示してある。

上記変更例によれば、突出部分を把持して離型
シート６および２１を粘着層４および貼着部２０
上より容易に剥離でき、また検索しようとする名
刺Ｂを容易に切り込み１２部分から開頁でき至便
である。また名刺Ｂを粘着層５に貼着する際に、
舌片７に沿わして、ホルダーＡ内に挿入すれば、
名刺Ｂを高低なく収納保持でき、外観体裁も向上
させることができる。

その他、表表紙１等の内側に、ポケツトを形成
し、テレホンカードや切手等を収納できるように
しておけば、名刺等に記載された電話番号や住所
に、即座に電話を掛けたり、葉書等を出すさいに
至便なものとなる。また、表表紙１等の内側に、
他のホルダーと区別する際に使用する見出しシー
トやメモ用記載面を有するシール等を貼着付属さ
せることもできる。

なお、上記実施例および変更例においてスポン
ジ等からなる弾性層４に、粘着剤を吸収させてお
き、粘着層５の粘着強度の低下や劣化を防止する
ようにして実施することもできる。

表表紙１、裏表紙２、背表紙３は、各種の樹脂
シートに限らず、表面に樹脂等をコーテイングし
た紙類等によつて形成してもよく、安価で汚れた
り、水で形がくずれたりすることがなく、長期間
の使用に耐え好適である。また、全体を皮等で形
成してもよい。

また、ホルダーの大きさを変更し、葉書、写
真、出版物、資料、住所録、公報類や封筒等を製
本状に収納、整理、分類、保持しておく等この考
案の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施
すことができる。

＜考案の効果＞ 以上のように構成された、この考案のホルダー
によれば、従来の袋状のポケツト部を有する整理
帳のように、名刺等を収納保持させる袋や台紙等
の部材が不要となり、嵩ばる虞れがないと共に、
安価にて製造できるうえ、使用者は、名刺等を簡
便に整理分類したり、取りはずして再整理したり
できる。

収納整理する必要がある名刺等を束ねて、一度
に粘着層にて収納保持させることも可能であるの
で、多数の名刺等を迅速に収納整理することがで
きる。

粘着層が、弾性層上に形成されているので、弾
性層のクツシヨン作用により、名刺等を確実に粘
着層に喰い込むように貼着させることができ、名
刺等を確実に保持させることができるものとな
る。

名刺等の一辺のみが、粘着層に保持されてなる
ものゆえ、ホルダー内部を全開状にでき、名刺等
を複写する場合等に煩わしい取りはずしや再収納
等の手間が不要となる。

そして、裏表紙は表表紙、背表紙とは別に形成
されたものゆえ、収納保持する名刺等の厚みに応
じて、余分な背表紙部分は、折曲し、離型シート
を剥して粘着層にて裏表紙と接合させる暫定的な
製本化ができる。

背表紙の粘着層表面に複数に区画された離型シ
ートを貼着し、さらに裏表紙の少なくとも片面
に、上記背表紙の区画された離型シートに対応し
て、複数に区画された離型シート付きの貼着部
を、形成したものゆえ、最終的な製本を行なう場
合にあつては、背表紙の名刺等の保持に使用しな
い部分に対応する裏表紙の離型シートを保持する
名刺等の厚みに応じて１列ないし複数列剥離する
ことにより、背表紙を裏表紙に接合でき、製本化
できる等種々の実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の１実施例を示
す斜視図、第３図は変更例を示す斜視図である。 Ａ……ホルダー、Ｂ……名刺、１……表表紙、
２……裏表紙、２０……貼着部、２１……離型シ
ート、３……背表紙、４……弾性層、５……粘着
層、６……離型シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表表紙、背表紙およびこれら表表紙、背表紙と
   は別に形成された裏表紙とからなり、背表紙の内
   側には弾性層が形成され、さらに弾性層の表面に
   は粘着層が形成され、粘着層の表面には複数に区
   画された離型シートが貼着されており、裏表紙に
   は、少なくとも片面に、上記背表紙の区画された
   離型シートに対応して複数に区画された離型シー
   ト付きの貼着部が形成されていることを特徴とす
   る名刺等の簡易ホルダー。