JPH07120363A - 溶鋼中ガス成分の直接分析方法および装置 - Google Patents

溶鋼中ガス成分の直接分析方法および装置

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JPH07120363A
JPH07120363A JP5266563A JP26656393A JPH07120363A JP H07120363 A JPH07120363 A JP H07120363A JP 5266563 A JP5266563 A JP 5266563A JP 26656393 A JP26656393 A JP 26656393A JP H07120363 A JPH07120363 A JP H07120363A
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molten steel
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inert
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Akihiro Ono
昭紘 小野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、製鋼プロセスにおける溶鋼中の水
素などガス成分濃度を、溶鋼を採取せずに迅速かつ連続
的に求めるための分析方法および装置を提供する。 【構成】 ガス吹き込み開口部断面積の方がガス回収開
口部断面積よりも大きくしたガスプローブを用い、ガス
回収プローブ自体の下端開口部から溶鋼界面に不活性ガ
スを吹き込んで溶鋼との接触、撹拌により溶鋼中ガス成
分をプローブ内に拡散放出させ、同プローブの内圧を制
御して吹き込みガス量よりも少なくてかつ一定の流量で
回収ガスを検出器へ搬送する方法により、溶鋼中のガス
成分を簡単な装置でしかも容易な操作によって精度のよ
い分析を行うことができる。 【効果】 溶鋼中の水素などガス成分を溶鋼を採取せず
にオンライン、リアルタイムで分析できるようになり、
製造コストの低減および製品の品質向上に貢献した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鋼プロセスにおける
工程管理あるいは品質管理上必須である溶鋼中の水素な
どガス成分濃度を、溶鋼を採取せずに迅速かつ連続的に
求めるための分析方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶鋼中のガス成分には水素、窒素、炭素
などがあるが、水素の分析を例にとれば従来は、溶鋼の
一部を石英ガラス管で吸引採取して急冷凝固させたのち
に、この試料片を再度加熱して水素を放出させ、ガスク
ロマトログラフなどで定量する方法が一般的である。し
かし、この方法は溶鋼の採取、急冷凝固、試料片の移
送、切断、秤量、分析などの操作が煩雑で、また分析値
が得られるまでの所要時間が長い。また、これらの操作
における試料中の水素の散逸が原因で分析値の信頼性が
低下することはよく知られている。
【0003】近年、上記のような問題点を解決するため
に、これまでの分析方法に代って溶鋼を採取せずに直接
分析しようとする試みが行われるようになった。それは
溶鋼中に不活性ガスを吹き込み、この不活性ガス中に拡
散してくるガス成分を定量して、溶鋼中のガス成分含有
率を求めるものである。この方法は、英国特許第684
865号、米国特許第2861450号に記載されてい
る、いわゆるTelegas法と呼ばれる溶融アルミニ
ウム中の水素分析技術が基本となっている。しかし、溶
融アルミニウムと鉄鋼とでは融点が大幅に異なることや
両金属間では水素などガス成分の拡散速度が異なること
などからTelegas法の技術をそのまま溶鋼へ適用
することはできない。そこで、溶鋼を対象とした分析条
件などが検討され、特開昭58−168938号、特開
昭58−129346号公報、特願昭63−37383
号などが出願されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の方法に従
って溶鋼中の水素分析を試みた結果、(1)水素分析を
行うことはできたが定量精度が不十分であったり、
(2)ガス回収容器内で溶鋼が凝固してガス回収がスム
ーズに行えなかったり、(3)ガス回収容器内への溶鋼
侵入量の制御、すなわち不活性ガス気泡の吹き込み深さ
の不安定さによる溶鋼中水素の拡散による回収の精度不
足などが課題として残っていた。
【0005】従って、本発明は溶鋼中に不活性ガスを吹
き込んで溶鋼中のガス成分を回収してきて分析する方法
において、溶鋼中のガス成分の回収操作を更に容易にか
つ精度よく回収できる分析方法および装置を提供するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶鋼中のガス
成分を簡単な操作制御により精度よく迅速に、かつオン
ラインで分析する方法および装置であり、その要旨とす
るところは下記の通りである。
【0007】(1)上部に空間を形成するように溶鋼中
に浸漬した溶鋼側に開口部を有したガス回収プローブに
不活性ガスを吹き込み、同プローブ下端の開口部におい
て吹き込んだ不活性ガスと溶鋼界面との接触、撹拌によ
って同プローブ内に拡散放出した溶鋼中ガス成分をガス
成分検出器へ搬送し、同不活性ガス中のガス成分分圧を
測定し、同ガス成分分圧と溶鋼中のガス成分濃度との間
に成立する平衡関係を利用して、溶鋼中のガス成分濃度
を求めることを特徴とする溶鋼中ガス成分の直接分析方
法。
【0008】(2)ガス回収プローブ内の圧力を常時測
定し、同プローブ内に拡散放出した溶鋼中ガス成分を、
吹き込んだ不活性ガス量よりも少ない量でかつ常時一定
流速でガス成分検出器へ搬送するように、同プローブ内
圧力を一定に保つべく不活性ガス吹き込み流量を調整す
ることを特徴とする上記(1)記載の溶鋼中ガス成分の
直接分析方法。
【0009】(3)底部には不活性ガスを溶鋼中に吹き
込むための溶鋼中に浸漬する開口部を有し、頂部には不
活性ガス吹き込み口および不活性ガス供給流量調節器に
連動する圧力測定器を有しており、前記開口部の上方に
は末端がガス成分検出器に接続するガス成分回収管開口
部を配置した筒状ガス回収プローブ、および同ガス回収
プローブを保持するガス回収プローブ昇降装置から構成
されることを特徴とする溶鋼中ガス成分の直接分析装
置。
【0010】(4)溶鋼中への不活性ガス吹き込みのた
めの開口部断面積が、同開口部の上方に位置するガス成
分回収管開口部の断面積より大きいことを特徴とするガ
ス回収プローブを有する上記(3)記載の溶鋼中ガス成
分の直接分析装置。
【0011】以下、本発明を図1に示す実施例装置およ
び図2に示す本発明装置により、溶鋼中水素分析結果例
などをもとに説明する。本発明は、溶鋼中に不活性ガス
を吹き込み、溶鋼中のガス成分濃度と不活性ガス中に回
収してきたガス成分分圧との間に平衡関係を成立させ、
同ガス成分分圧と溶鋼中のガス成分濃度との間に成立す
る平衡関係式より溶鋼中のガス成分濃度を求めることを
基本にしている。しかし、相対分析的考え方に立てば必
ずしも完全に平衡状態が成立しなくても構わない。すな
わち、理想的には平衡状態が成立するのが望ましいが、
平衡状態が実現できなくても溶鋼中のガス回収操作を常
に一定条件で行うことによって、溶鋼中のガス成分の分
析方法は成立する。
【0012】上記の平衡関係が成立する場合は、溶鋼中
のガス成分の溶解度が分かっているので、不活性ガス中
に回収してきたガス成分の分圧から直接溶鋼中のガス成
分濃度が算出でき検量線が不要である。しかし平衡関係
が成立しない場合は、溶鋼を採取して燃焼−赤外線分析
法や不活性ガス搬送熱伝導度分析法など一般的なガス分
析法によって定量し、段階的に異なるガス成分濃度が既
知の溶鋼を対象にして、本定量法による定量値との相関
関係を求めた検量線を予め作成しておくことにより、溶
鋼中のガス成分濃度を求めることができる訳である。
【0013】ここで、本発明の特長は前記したいくつか
の従来方法と比べて、溶鋼中のガス成分を安定して、か
つ容易な操作によって回収できることにある。すなわ
ち、前記従来の溶鋼中のガス成分の回収方法は、溶鋼中
に深く浸漬した不活性ガス吹き込み管から不活性ガスを
吹き込み、不活性ガスが溶鋼中を浮上することによって
溶鋼中のガス成分を拡散、回収させることによって、あ
るいは溶鋼中に吹き込んだ不活性ガスをポンプによって
吸引し、強制的に繰り返して溶鋼中に循環させることに
よって、溶鋼中のガス成分濃度との平衡関係を達成させ
る原理に基づいている。ところが、本発明は溶鋼中に不
活性ガスを吹き込むことは同様であるが、溶鋼中深く吹
き込むことなく、あるいは強制的に溶鋼中に吹き込み、
吸引して循環することはせずに、溶鋼表面にバブリング
し、その界面における接触、撹拌によって自然に拡散、
放出するガス成分を回収することを基本原理としてい
る。
【0014】またこれ以外の大きな違いとして、前記の
従来の手段はすべて溶鋼中に吹き込んだ不活性ガスの全
量を回収する考え方に立っているが、本発明は吹き込ん
だガスの全量を必ずしも回収する必要はない。本発明
は、ガス回収プローブの溶鋼接触面である下端開口部が
溶鋼中への不活性ガスの吹き出し場所になること、およ
びこのプローブ内に発生した吹き込み不活性ガス圧力に
よって回収ガスをガス成分分析部へ送り出す方法である
ことから、吹き込み不活性ガスの一部は必然的にプロー
ブ外の溶鋼中に排出され、溶鋼中のガス成分を拡散させ
て回収した残りの不活性ガスが溶鋼中ガス成分を回収し
て分析部へ送られることになる。
【0015】水素など溶鋼中から不活性ガス気泡中への
拡散が極めて速いガス成分の場合は、上述の平衡関係が
容易に成立する。この場合は、回収してきた不活性ガス
中の水素分圧(PH2 )を基にSievertsの平衡
式〔H〕=K(PH2 1/2によって、溶鋼中の水素濃
度を決定できる。しかし、窒素などの拡散速度の遅いガ
ス成分では上述の平衡関係を成立させることは一般的に
困難である。従って、このような場合には平衡関係式か
ら溶鋼中ガス成分濃度を直接求めることはできないが、
前述したような検量線を用いる相対分析法によって求め
ることができる。
【0016】本発明のガス回収方法は、上述のように溶
鋼表面に不活性ガスをバブリングする簡単な方法による
ために、従来の方法と異なり、ガス吹き込みを溶鋼中深
く行ったり、ガスをポンプによって溶鋼中に強制的に循
環するような面倒な操作を行う必要がなく、またそのた
めの複雑な装置化の必要もない。従って装置構成の面に
おいても、不活性ガス吹き込み管とガス回収管との位置
関係が明瞭に異なっている。この点を更に詳細に説明す
ると、従来の方法は不活性ガス吹き込み管がガス回収管
の下端とほぼ近い長さか、あるいは一般的にはそれより
も更に長くなっている。これは吹き込んだ不活性ガス気
泡自体による溶鋼中のガス成分の拡散による回収を目的
としているためである。また、その目的から不活性ガス
吹き込み管口径はガス回収管口径に比べて数倍小さくし
ている。
【0017】しかし、本発明は前述したように吹き込み
不活性ガス気泡自体への溶鋼中のガス成分の拡散による
回収を期待しておらず、不活性ガスによる溶鋼との接
触、撹拌によって溶鋼表面から自然に拡散、放出される
ガス成分を回収する考え方に基づいている。従って、不
活性ガス吹き込みは溶鋼表面に接触するガス回収管の下
端に限られており、ガス回収管はそれよりもかなり上方
に位置し溶鋼中に浸漬することはない。また、その目的
から不活性ガス吹き込み管口径はガス回収管口径に比べ
て必然的に数倍大きくなっている。
【0018】このような考え方の違いによって、本発明
は溶鋼中のガス成分を簡単な装置で、しかも容易な操作
により、安定した回収を実現することができたものであ
る。次に本発明装置の構成を、図示した実施例に基づき
説明する。図1に示す本発明装置は、ガス成分回収部、
ガス回収プローブ昇降部、ガス回収室圧力測定制御部お
よびガス成分分析部を主体に構成される。ガス成分回収
部は、ガス回収プローブ1、不活性ガスボンベ10、不
活性ガス供給流量調節器11、不活性ガス供給管4、ガ
ス回収室8およびガス回収管6などから、ガス回収プロ
ーブ昇降部は、プローブ保持具13およびプローブ昇降
装置12などから、ガス回収室圧力測定制御部は、ガス
回収室圧力測定器14および不活性ガス供給流量調節器
11などから、およびガス成分分析部は、回収ガス流量
調節器15、ガス成分分析装置16およびデータ処理装
置などからそれぞれ構成される。
【0019】ガス回収プローブ1は、20〜40mmφ程
度で長さは200mm程度の大きさで、底部が不活性ガス
吹き込み管口9として開放された円筒状のものが適当で
ある。材質は、溶鋼に対する耐蝕性、耐サーマルショッ
ク性に優れる耐火材を用い、外周はアルミナやジルコニ
アなどの溶融スラグの耐蝕性に優れる材質で形成される
のが適当である。
【0020】このガス回収プローブ1の頂部には末端に
不活性ガスボンベ10が、次いで不活性ガス供給流量調
節器11、不活性ガス供給管4の順に接続した不活性ガ
ス供給口5が取り付けられている。ガス回収プローブ1
の下端は、不活性ガス吹き込み管口9として開口されて
おり、これより上部の空間はガス回収室8となっている
が、このガス回収室8内には溶鋼2は侵入してこない。
このガス回収室の下方で溶鋼と接しない位置にガス回収
管6の管口7が設置されている。ガス回収管6の材質は
溶鋼に直接接しないために石英ガラスなどでよいが、溶
鋼ミストなどの侵入を防ぐためにその管口7には気孔率
の大きなポーラスプラグを取り付けるのが好ましい。ま
た、管口7の径は回収ガスの搬送の送れになるデッドボ
リュームを少なくするために2〜5mmφ程度の小径が好
ましい。ガス回収管6は、ガス回収プローブ1の上部か
ら配管によって系外の回収ガス流量調節器15に接続さ
れ、データ処理装置17と結線したガス成分分析装置1
6に接続されている。
【0021】ガス回収プローブ1は、ガス成分の定量に
際して溶鋼中に挿入し、定量の目的を済ませたのちには
溶鋼から引き上げるが、この昇降操作はプローブ1の保
持具13を介して、昇降装置12の駆動で行う。また、
プローブ1のガス回収室8の上部に圧力測定器14が取
り付けてある。圧力測定器14と不活性ガス供給流量調
節器11および回収ガス流量調節器15とはガス回収室
圧力制御器18に結線されており、ガス回収室8内の圧
力を一定の加圧状態に保つ働きをする。
【0022】
【実施例】次に、本発明装置を実際の製鋼工程の管理分
析に適用した場合の実施例装置、この装置を用いた時の
溶鋼中のガス成分分析における分析操作および得られた
ガス分析結果例について説明する。
【0023】図1は、製鋼工程における脱ガスを行う設
備である真空脱ガス設備(RH設備)の操業管理に採用
した実施例を示している。不活性ガス吹き込み流量を3
00ml/minとしてプローブ内圧を制御し、回収ガス流量
は150ml/minとした。まず、ガス回収プローブ1の下
端に鉄製のキャップをはめ、不活性ガスを吹き出させな
がら、昇降装置12によって脱ガス処理鍋3の溶鋼2中
に侵入させる。処理鍋3の溶鋼表面に堆積しているスラ
グ層を通過して溶鋼の中に入ると鉄製のキャップの溶解
によりプローブ内圧がスラグ層通過時に比べ急に減少す
る。この点を溶鋼表面であることを察知し、それよりも
更に約200mmプローブを挿入する。ここでガス回収室
8内圧は、吹き込んだ不活性ガスの内の一定流量がガス
成分分析装置に送り込まれるように、ガス回収室圧力制
御器18によって予め定められた圧力に設定すべく不活
性ガス供給流量調節器11および回収ガス流量調節器1
5を作動させる。
【0024】すなわち、吹き込んだ不活性ガス300ml
/minは溶鋼へのガス吹き込み管口9より溶鋼2中へ吹き
込まれ、その内の150ml/minはガス成分分析装置16
へ送り込まれ、それ以外は溶鋼中を通過して系外へ排出
される。ガス成分分析装置16は、熱伝導度検出器、半
導体ガス検出器、赤外線吸収計などいずれのガス分析計
を用いてもよいが分析対象とするガス成分の分析に適し
たものを用いる。溶鋼中の水素分析には、熱伝導度検出
器や半導体ガス検出器が適当である。前者による場合は
モレキュラシーブなどを充填したカラムによるガス成分
の分離が必要であり分析時間が2〜3分を要するが、後
者による場合は水分の除去とセンサーへの酸素の供給が
必要となるが分析値は連続的に得られる。
【0025】検出器にSnO2 半導体ガスセンサーを用
いた本分析システムによって真空脱ガス処理過程の溶鋼
中の水素分析を行った結果を図2に示した。図2には溶
鋼を採取して凝固させてから分析する従来のピンサンプ
リング法によって得た分析結果を併記した。両者の溶鋼
中の水素分析結果はよく一致し、本発明が実用できるこ
とを示している。1試料の分析に約20分を要し、非常
に煩雑で試料採取および試料の切断、研磨などの前処理
による水素放散に起因する信頼性の低下の心配のある従
来法に比べ、本発明法は簡単に精度よく、かつ迅速で連
続的に分析することができた。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、従来一般
に用いられている溶鋼を採取、凝固させ、再加熱して水
素を放出させて分析するピンサンプリング法に比べ、操
作が簡単で定量値に対する信頼性を著しく向上させた。
溶鋼中にガスを吹き込む同様な手法を用いる従来法に対
しては、以下のような利点がある。
【0027】不活性ガスを溶鋼中の所定深さ、すなわち
一定距離吹き込むことによって溶鋼中のガス成分と不活
性ガス中のガス成分分圧との平衡を達成しようとする従
来手段に対しては、ガス回収プローブ内での溶鋼の凝固
が起らない、あるいはガス吹き込み管の折損が起らない
などの利点がある。不活性ガスをポンプを用いて溶鋼中
に強制循環する方式の従来手段に対しては、先ずガス循
環装置などの分析システムが非常に簡略化される、ある
いは溶鋼から吹き込んだ不活性ガスを吸引する際のフィ
ルターであるポーラス耐火材の耐久性の不足や溶鋼によ
る目詰まりなどの問題を解決できるなどの利点がある。
これらの利点によって、本発明は従来法に比べ溶鋼中の
ガス成分を簡単な装置で、しかも容易な操作により、安
定した回収を実現することに成功し分析値の信頼性を向
上させることができたものである。
【0028】本発明の具体的な実施例として、製鋼操業
プロセスの一つである溶鋼脱ガスプロセスにおける適用
例を前述したが、溶鋼の脱水素状況をオンライン、リア
ルタイムで知ることができるようになり、適切な操業管
理が実現された。その結果、オーバーアクションが防止
され各種エネルギー源および耐火材料の節約などによる
経済効果は莫大で、低水素鋼生産の品質向上に著しい貢
献を果たした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例装置の構成の説明図。
【図2】本発明装置によって測定された溶鋼脱ガス処理
設備における溶鋼中水素濃度の経時的測定結果例を示す
図。
【符号の説明】
1 ガス回収プローブ 2 溶鋼 3 脱ガス処理鍋 4 不活性ガス供給管 5 不活性ガス供給口 6 ガス回収管 7 ガス回収管口 8 ガス回収室 9 不活性ガス吹き込み管口 10 不活性ガスボンベ 11 不活性ガス供給流量調節器 12 プローブ昇降装置 13 プローブ保持具 14 圧力測定器 15 回収ガス流量調節器 16 ガス成分分析装置 17 データ処理装置 18 ガス回収室圧力制御器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に空間を形成するように溶鋼中に浸
    漬した溶鋼側に開口部を有したガス回収プローブに不活
    性ガスを吹き込み、同プローブ下端の開口部において吹
    き込んだ不活性ガスと溶鋼界面との接触、撹拌によって
    同プローブ内に拡散放出した溶鋼中ガス成分をガス成分
    検出器へ搬送し、同不活性ガス中のガス成分分圧を測定
    し、同ガス成分分圧と溶鋼中のガス成分濃度との間に成
    立する平衡関係を利用して、溶鋼中のガス成分濃度を求
    めることを特徴とする溶鋼中ガス成分の直接分析方法。
  2. 【請求項2】 ガス回収プローブ内の圧力を常時測定
    し、同プローブ内に拡散放出した溶鋼中ガス成分を、吹
    き込んだ不活性ガス量よりも少ない量でかつ常時一定流
    速でガス成分検出器へ搬送するように、同プローブ内圧
    力を一定に保つべく不活性ガス吹き込み流量を調整する
    ことを特徴とする請求項1記載の溶鋼中ガス成分の直接
    分析方法。
  3. 【請求項3】 底部には不活性ガスを溶鋼中に吹き込む
    ための溶鋼中に浸漬する開口部を有し、頂部には不活性
    ガス吹き込み口および不活性ガス供給流量調節器に連動
    する圧力測定器を有しており、前記開口部の上方には末
    端がガス成分検出器に接続するガス成分回収管開口部を
    配置した筒状ガス回収プローブ、および同ガス回収プロ
    ーブを保持するガス回収プローブ昇降装置から構成され
    ることを特徴とする溶鋼中ガス成分の直接分析装置。
  4. 【請求項4】 溶鋼中への不活性ガス吹き込みのための
    開口部断面積が、同開口部の上方に位置するガス成分回
    収管開口部の断面積より大きいことを特徴とするガス回
    収プローブを有する請求項3の溶鋼中ガス成分の直接分
    析装置。
JP5266563A 1993-10-25 1993-10-25 溶鋼中ガス成分の直接分析方法および装置 Withdrawn JPH07120363A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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