JPH07118998A - 織機の糸制動装置 - Google Patents

織機の糸制動装置

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JPH07118998A
JPH07118998A JP26392693A JP26392693A JPH07118998A JP H07118998 A JPH07118998 A JP H07118998A JP 26392693 A JP26392693 A JP 26392693A JP 26392693 A JP26392693 A JP 26392693A JP H07118998 A JPH07118998 A JP H07118998A
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JP
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weft
yarn
braking
brake
thread
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JP26392693A
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English (en)
Inventor
Shingo Oda
信悟 織田
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緯入れされる緯糸を緯糸の糸種に応じた適正
な制動力で制動する。 【構成】 ABS装置6は緯糸測長貯留装置とタンデム
ノズル5との間に配設されている。シャフト12には糸
との摩擦係数が相異なる4つの円環状の制動部材15〜
18を有する円板状のブレーキ盤11が2枚嵌着されて
いる。各ブレーキ盤11はビス13を緩めてシャフト1
2を回転させることにより制動部材15〜18のうち所
望するいずれかを糸ガイド10と対応する設定基準位置
に配置可能となっている。2枚のブレーキ盤11間には
ロータリソレノイド19の駆動軸19aに支持部材21
を介して固定されたブレーキワイヤ20が延出され、ブ
レーキワイヤ20はロータリソレノイド19の駆動によ
り設定基準位置の制動部材15(16〜18)に挿通さ
れた緯糸yと係合不能な待機位置と、緯糸yと係合して
該緯糸yを制動部材15(16〜18)に押圧する作用
位置とに移動配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は織機における製織時にメ
インノズル等から経糸開口内に射出された緯糸を制動さ
せる織機の糸制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアジェット織機において緯糸
の緯入れは、メインノズルからの噴射エアにより緯糸が
射出され、その緯糸が補助ノズル群によりリレー噴射さ
れて経糸開口内に高速で挿通されることにより行われ
る。メインノズルへの緯糸の供給は、織機の側方に配備
された緯糸測長貯留装置を介して行われ、チーズからの
糸は緯糸測長貯留装置の測長ドラムに所定長さだけ巻付
けられた後、測長ドラムからメイノズルへ導かれてい
る。緯糸測長貯留装置は測長ドラムに対して離接可能な
係止ピンを装備し、係止ピンの測長ドラムへの離接動作
により緯糸の引き出し解舒及び解舒阻止が行われるよう
になっている。即ち、緯糸の緯入れ時には係止ピンの測
長ドラムへの係止が解除されて緯糸が解舒され、測長ド
ラムに巻付けられた緯糸がその緯入れ糸長に相当するだ
け送出されると、係止ピンが測長ドラムの糸巻付面に係
止して緯糸の解舒が阻止される。こうしてメインノズル
から射出された緯糸が緯入れ糸長だけ送出される度にそ
の緯糸の送出が阻止され、常に一定糸長に緯糸が緯入れ
されるようになっている。
【0003】ところで、メインノズルから射出されて経
糸開口内を移動する緯糸は高速で飛走する。そして、係
止ピンの測長ドラムへの係止により緯糸が解舒阻止され
ると、高速で経糸開口内を飛走する緯糸は緯入れ末端に
到達すると一気に停止される。その結果、緯入れされた
緯糸にはその停止の瞬間に大きな張力が発生し、その緯
糸は一瞬若干伸びる。伸びた緯糸は元の状態に復元しよ
うとするが、緯糸は測長ドラム側が固定端となっている
ので、自由端となった先端側にて復元収縮しようとす
る。そのため、緯入れされた緯糸はその先端側で弛み易
い。その結果、織成された織布のメインノズルと反対側
端部周辺に緯入れ時の緯糸弛みに起因する歪みが発生す
る場合があった。
【0004】この緯入れ時に発生する糸弛みを防止する
対策として、緯入れ時に高速で飛走する緯糸に対してそ
の停止直前に制動を加えるエアジェットブレーキシステ
ム(以下、ABS装置という)を備えるものがある。A
BS装置として例えば図9に示すようなものがある。
【0005】図9に示すように、ABS装置51は緯糸
測長貯留装置(図示せず)とメインノズル52との間に
配置されている。カバー53は一部開放状態に形成さ
れ、緯糸測長貯留装置と対応する側にはバルーン規制板
53aが設けられている。バルーン規制板53aには緯
糸測長貯留装置からメインノズル52へ至る緯糸経路と
対応する位置に糸ガイド54が設けられている。カバー
53にはブラケット55を介して円環状の制動部材56
が糸ガイド54と対応する位置に支持されている。制動
部材56の表面は緯糸yとの摩擦係数が大きく形成され
ている。制動部材56の斜め上方位置にはロータリソレ
ノイド57がカバー53に固定された状態で配設され、
その駆動軸57aに嵌着された支持部材58には駆動軸
57aと直交して延出するループ状のブレーキワイヤ5
9が固着されている。又、ロータリソレノイド57には
支持部材58と当接してブレーキワイヤ59の移動を規
制するストッパ60が配設されている。ブレーキワイヤ
59はそのループ内に制動部材56が挿通可能となって
いる。緯糸測長貯留装置から送出された緯糸yは糸ガイ
ド54及び制動部材56に挿通されてメインノズル52
に導かれている。ブレーキワイヤ59はロータリソレノ
イド57の駆動に基づき緯糸yと係合不能な待機位置と
緯糸yと係合して緯糸yを制動部材56に対して押圧可
能な作用位置とに移動配置されるようになっている。
【0006】緯糸の緯入れ時には、ロータリソレノイド
57はメインノズル52から射出された緯糸yが緯入れ
末端に到達する直前、すなわち係止ピンが測長ドラムに
係止されて解舒阻止される時期よりも早いタイミングで
駆動される。その結果、緯入れされて経糸開口内を高速
で飛走する緯糸は、緯糸解舒阻止の直前に予め制動され
る。この制動作用により高速で飛走する緯糸yは予め減
速されるので、解舒阻止時に測長ドラムからの緯糸yの
送出が一気に停止されても緯入れされた緯糸yに大きな
張力が発生することがない。即ち、緯糸解舒阻止時に緯
糸yに発生する張力が充分小さくて済み、その張力反動
により織布に歪みを引き起こす程の緯糸yの弛みが発生
しない。又、解舒阻止時における緯糸yの糸切れがほぼ
確実に防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、織布の製織
に使用される糸は、スパン糸からフィラメント糸に至る
まで多種にわたり、その糸物性(特に強度)も糸種に応
じて異なっている。そして、従来のABS装置51では
1つの制動部材56により全ての糸種に対応していた。
しかし、糸質や糸番手等の糸種により糸強度が大きく異
なり、製織に使用される緯糸が糸強度の弱い弱糸である
場合には、ABS装置51の作動に起因する糸切れが発
生する虞れがある。例えば、綿糸の3分の1程度の糸強
度しかない毛糸や非常に細い糸種であるフィラメント糸
にて織成する場合には、ABS装置51の作動に起因す
る緯糸切れが心配される。そのため、毛糸やフィラメン
ト糸の糸切れを考慮して制動部材56の摩擦係数は通常
弱糸に合わせて設定されていた。一方、双糸や強撚糸等
の糸強度の強いスパン糸や糸番手が小さい太目の糸にて
製織する場合には糸強度はあるものの、制動部材56が
弱糸に合わせた比較的小さな摩擦係数に形成されていた
ため、糸種によっては充分な制動性が得られないのが現
状であった。そのため、充分に制動されない糸種の場合
には、製織された織布のメインノズル52と反対側端部
周辺に緯糸yの弛みに起因する歪みが発生する場合があ
った。又、フィラメント糸は種類によって糸表面状態が
異なり、制動部材56による制動力がフィラメント糸の
種類によってばらつく傾向にあった。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は緯入れされる緯糸を緯糸の糸種
に応じた適正な制動力で制動することができる織機の糸
制動装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明では、緯糸の緯入れ時に緯糸を経糸開口内に射
出する緯糸射出手段と、当該緯糸射出手段により射出さ
れた緯糸が所定の緯入れ糸長だけ送出された段階で該緯
糸の送出を阻止する緯糸送出阻止手段とを備えた織機に
おいて、糸との摩擦係数が相異なる複数の制動部を有す
る糸制動部材と、前記制動部のうちいずれか1つが前記
緯糸射出手段の上流側で緯糸と対応可能な所定位置に前
記糸制動部材を移動配置させる移動手段と、前記緯糸射
出手段へ至る緯糸を前記所定位置に配置された前記制動
部と接触させない待機状態と、前記制動部と圧接状態に
接触させる作用状態とに移動させる糸押圧手段と、前記
緯糸射出手段から射出された緯糸が経糸開口内を飛走す
る飛走途中の所定時期に前記糸押圧手段を前記待機状態
から前記作用状態に駆動させる駆動制御手段とを備え
た。
【0010】
【作用】本発明によれば、製織される緯糸の糸物性に合
った摩擦係数を有する制動部が緯糸射出手段の上流側に
て緯糸と対応する所定位置にくるように複数の摩擦係数
の相異なる制動部を有する糸制動部材が予め移動手段に
より移動配置される。製織時には、緯糸の緯入れ時に緯
糸射出手段により緯糸が射出される。そして、緯糸の緯
入れに伴い緯糸射出手段から射出された緯糸が経糸開口
内を飛走するその飛走中の所定時期に、駆動制御手段に
より糸押圧手段が待機状態から作用状態に駆動される。
その結果、緯糸の飛走に伴い緯糸射出手段の上流側で送
出される緯糸は、所定位置に配置された制動部と圧接状
態で接触する。即ち、緯糸は制動部に対して摺動し、当
該制動部との摺動摩擦によりその送出速度が減速され
る。そして、緯糸が所定の緯入れ糸長だけ送出される
と、緯糸送出阻止手段が駆動されて緯糸の送出が阻止さ
れる。ここで、送出中にある緯糸と摺動する制動部はそ
の摩擦係数が緯糸の糸物性に合わせて選定されている。
従って、その緯糸の制動時に摺動摩擦抵抗の過大から糸
切れが発生する虞れがないうえ、その緯糸の射出先端側
にて糸弛みを発生させない適度な制動性が得られる。
【0011】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明をエアジェット織機に具体
化した第1実施例を図1〜図3に従って説明する。
【0012】図2に示すように、織機機台1の側方位置
には緯糸測長貯留装置2が配置され、チーズ3から導出
された糸yは緯糸測長貯留装置2へ導入されて緯糸測長
貯留装置2の測長ドラム2aに所定長だけ巻付けられて
いる。織機機台1の側部には筬1aと対応する位置にメ
インノズル4及びタンデムノズル5が直列に配設されて
いる。緯糸測長貯留装置2とタンデムノズル5との間に
はエアジェットブレーキシステム(以下、ABS装置と
いう)6が配設され、緯糸測長貯留装置2の測長ドラム
2aから導出された糸yは、ABS装置6を経てタンデ
ムノズル5、メインノズル4へと順次に導かれている。
【0013】織機機台1には筬1aに沿う緯糸の緯入れ
経路に沿って複数の補助ノズル7が列設されている。メ
インノズル4から射出された緯糸yは、補助ノズル7群
によるリレー噴射作用により経糸開口内を通って緯入れ
末端まで搬送されるようになっている。メインノズル
4、タンデムノズル5及び各補助ノズル7は、各エアタ
ンクT1,T2と接続された電磁バルブV1,V2の開
閉駆動により作動されるようになっている。又、緯糸測
長貯留装置2は測長ドラム2aに対して離接可能な係止
ピン2bを有している。係止ピン2bは緯糸解舒開始時
に測長ドラム2aに対して係止する状態から離間する状
態に作動され、測長ドラム2aに巻付けられた緯糸yが
緯入れ糸長に相当する量だけ解舒されると測長ドラム2
aに対して離間状態にあった係止ピン2bが測長ドラム
2aと係止して解舒阻止されるようになっている。即
ち、係止ピン2bの測長ドラム2aへの係止による解舒
阻止により緯入れ糸長が一定に制御されるようになって
いる。又、メインノズル4の射出口近傍にはカッタ8が
配設され、解舒阻止の度に緯入れされた緯糸yがカッタ
8により切断されるようになっている。尚、緯糸測長貯
留装置2、ABS装置6、各電磁バルブV1,V2及び
カッタ8は織機コントローラCにより図示しないロータ
リエンコーダからの機台回転角度検出情報に基づいて所
定タイミングで駆動されるようになっている。
【0014】ABS装置6はブラケット(図示せず)を
介して織機機台に固定され、図1に示すようにカバー9
により一部開放された状態で覆われている。カバー9は
緯糸測長貯留装置2と対応する側にバルーン規制板9a
を有し、バルーン規制板9aには緯糸測長貯留装置2か
らの糸yを案内する糸ガイド10が設けられている。
又、バルーン規制板9aには2枚のブレーキ盤11を嵌
着するシャフト12がビス13により固定されている。
シャフト12はそのビス13と対応する端面にネジ孔
(図示せず)を有し、そのネジ孔とバルーン規制板9a
の糸ガイド10近傍に形成された孔(図示せず)を介し
てバルーン規制板9aに挿通されたビス13とを螺合す
ることによりバルーン規制板9aに固定されている。2
枚のブレーキ盤11はシャフト12の先端寄りにその軸
方向に所定間隔を隔した状態で互いに平行に嵌着されて
いる。ブレーキ盤11を構成する円板プレート14には
図3に示すように4つの円環状の制動部材15,16,
17,18がシャフト12に対して等間隔に設けられ、
各制動部材15〜18はガイド孔15a〜18aを有し
ている。4つの制動部材15〜18の表面は糸に対する
摩擦係数がそれぞれ異なり、両ブレーキ盤11は同じ摩
擦係数を有する制動部材15〜18同士が対向して配置
されている。
【0015】各制動部材15〜18の糸に対する摩擦係
数は、その表面材質を変化させたり、その表面粗度を段
階的に変化させるなどして相異なるように設定されてい
る。制動部材15〜18の表面材質を変化させる方法と
して、制動部材15〜18を構成する基材に対してメッ
キ処理やセラミックコーティング処理を異なる材質で行
うことが好適である。又、制動部材15〜18の表面粗
度を相異なるように形成する方法として、例えば鏡面と
した表面にエッチング処理やサンドブラスト処理等の表
面粗化処理をその処理条件を変化させて行う方法が好適
である。又、これらの処理を適宜組み合わせる方法も有
効である。本実施例における各制動部材15〜18の表
面状態は1つが鏡面に、他の3つが相異なる粗度を有す
るなしじ状に形成され、糸に対する摩擦係数は糸との接
触面積が1番大きな鏡面が1番大きく、以下表面粗度が
大きくなるに従いその摩擦係数が小さくなっている。
【0016】ブレーキ盤11はシャフト12へのビス1
3の螺合を緩めてシャフト12と一体回転させることに
より制動部材15〜18のうちいずれか1つ(図1,図
3では制動部材15)が糸ガイド10と対応する設定基
準位置に配置可能となっている。設定基準位置に配置さ
れた制動部材15〜18のガイド孔15a〜18aを挿
通して糸ガイド10からタンデムノズル5へ至る糸y
は、そのガイド孔15a〜18aのほぼ中心を通るよう
になっている。
【0017】ブレーキ盤11の上方にはロータリソレノ
イド19がカバー9の内面に小ネジにより固定された状
態で配設されている。ロータリソレノイド19は回動可
能な駆動軸19aを備え、駆動軸19aに嵌着された支
持部材21にはループ状のブレーキワイヤ20が駆動軸
19aの軸方向に対して直交するとともに図1に示すよ
うに両ブレーキ盤11間に対応する位置に延出してい
る。
【0018】ロータリソレノイド19には支持部材21
と当接してブレーキワイヤ20の揺動角を規制する2個
のストッパ22,23が固定されている。ロータリソレ
ノイド19の駆動により、ブレーキワイヤ20は支持部
材21がストッパ22と当接する図3に鎖線で示す待機
位置と支持部材がストッパ23と当接する図3に実線で
示す作用位置とに移動配置されるようになっている。ブ
レーキワイヤ20は待機位置に配置された状態において
設定基準位置に配置された制動部材15〜18のガイド
孔15a〜18aを挿通する糸yと係合不能となってい
る。そして、待機位置から作用位置への移動途中に設定
基準位置に配置された制動部材15〜18のガイド孔1
5a〜18aを挿通する糸yと係合し、作用位置に配置
された状態において糸yを設定基準位置に配置された制
動部材15〜18に押圧させることが可能となってい
る。
【0019】ロータリソレノイド19は織機コントロー
ラCによりタイミング制御され、メインノズル4から射
出された緯糸yが補助ノズル7群を介して緯入れ端末位
置に到達する直前にブレーキワイヤ20が待機位置から
作用位置に配置される。即ち、測長ドラム2aから送出
される緯糸yの解舒を阻止すべく係止ピン2bが駆動さ
れる時期より所定時間だけ早いタイミングでロータリソ
レノイド19が駆動され、ブレーキワイヤ20が待機位
置から作用位置に移動配置されるようになっている。
尚、制動部材15〜18との摺動摩擦による緯糸yの制
動作用により緯糸yの移動が停止されることはなく、係
止ピン2bの測長ドラム2aに対する係止位置のみによ
り緯入れ糸長が決まるように設定されている。
【0020】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。織機の運転に先立ち、製織に使用される緯糸
の糸物性に合わせて4つの制動部材15〜18のうちか
ら適切な1つ、例えば制動部材15を選択し、選択され
た制動部材15が予め設定基準位置に配置される。設定
基準位置に配置する制動部材15〜18の選定基準とし
て、緯糸の糸強度や糸表面特性などの糸物性が考慮され
る。例えば、双糸や強撚糸等の糸強度が比較的強く糸切
れの心配がほとんどないスパン糸等には摩擦係数の大き
なものを選定し、糸強度が比較的弱いフィラメント糸等
には摩擦係数の小さなものを選定する。又、毛糸のよう
に綿糸の3分の1程度の糸強度しかない材質のものには
摩擦係数の小さ目のものを選定する。又、フィラメント
糸はその種類によって糸表面状態が異なるので、その糸
表面状態に応じた摩擦係数を有するものを選定する。
又、織機の運転に先立ち、エアタンクT1,T2内は図
示しないエアポンプの駆動に基づき所定圧力とされてい
る。又、チーズ3から緯糸測長貯留装置2へ導出された
糸yは、測長ドラム2aに所定糸長だけ巻付けられた後
にABS装置の糸ガイド10を介して2つの制動部材1
5の両ガイド孔15aを挿通してタンデムノズル5及び
メインノズル4に挿通された状態にセットされている。
【0021】織機の運転が開始されると、緯糸測長貯留
装置2、各電磁バルブV1,V2、カッタ8及びロータ
リソレノイド19がロータリエンコーダからの機台回転
角度検出情報に基づいて織機コントローラCにより所定
タイミングで駆動される。織機の各駆動サイクルにおけ
る緯糸yの緯入れ開始時には、係止ピン2bが測長ドラ
ム2aに係止する状態にあり、各電磁バルブV1,V2
は閉状態にある。又、ABS装置6内ではブレーキワイ
ヤ20が図3に鎖線で示す待機位置に配置された状態に
ある。
【0022】そして、各駆動サイクルにおける緯糸解舒
時期に、各電磁バルブV1が閉状態から開状態へ駆動さ
れてメインノズル4及びタンデムノズル5からエアが噴
射されると同時に緯糸測長装置2の測長ドラム2aへの
係止ピン2bの係止が解除される。その結果、測長ドラ
ム2aに巻付けられた緯糸yが送出されるとともにタン
デムノズル5を介してメインノズル4から経糸開口内に
緯糸yが射出される。各電磁バルブV1の駆動開始後、
各電磁バルブV2が図2の左側から順次に開弁駆動され
る。メインノズル4から射出された緯糸yは、補助ノズ
ル7群のリレー噴射作用により経糸開口内を高速で飛走
する。そして、緯糸が緯入れ末端に到達する直前、すな
わち測長ドラム2aからの緯糸yの解舒を阻止すべく係
止ピン2bが駆動される時期より早いタイミングでロー
タリソレノイド19が駆動される。
【0023】ロータリソレノイド19の駆動に基づきブ
レーキワイヤ20が待機位置から図3に実線で示す作用
位置へ移動配置される。ブレーキワイヤ20は待機位置
から作用位置へ至る途中で解舒されて設定基準位置に配
置された両制動部材15の各ガイド孔15a間を高速で
移動する緯糸yと係合する。その結果、緯糸yはブレー
キワイヤ20に引っ掛けられるとともに正規の緯糸経路
と直交する方向へ誘導されて両制動部材15のガイド孔
15a内面に押圧される。緯糸yは両制動部材15と摺
動し、両制動部材15の表面における摩擦係数に応じた
摺動摩擦抵抗を受け、その摺動摩擦に基づく制動作用に
より減速される。そして、このロータリソレノイド19
の駆動直後に、測長ドラム2aからの緯糸yの解舒を阻
止すべく係止ピン2bが駆動され、緯糸yの解舒が阻止
される。そのため、緯糸yはその先端が緯入れ末端位置
に到達する直前に制動されて減速し、減速した緯糸yの
先端が緯入れ末端位置に到達した位置で停止する。つま
り、緯糸yは測長ドラム2aへの係止ピン2bの離接動
作に基づき許容される緯入れ糸長だけ送出される。この
係止ピン2bの駆動とほぼ同時に各電磁バルブV1,V
2が所定のタイミングで閉弁駆動され、次いでカッタ8
が駆動されて緯入れされた緯糸yがメインノズル4の射
出口近傍にて切断される。
【0024】この緯入れ時に緯糸yは、設定基準位置に
配置された制動部材15〜18の糸に対する摩擦係数に
応じた制動力を受けるが、設定基準位置に配置された制
動部材15(16〜18)は織成される緯糸yの糸強度
や糸表面状態等の糸物性に応じて選定されているので、
制動部材15との摺動摩擦により適度な制動力が得られ
る。そのため、ABS装置6の作動時に、設定基準位置
に配置された制動部材15との摺動摩擦により緯糸yに
その糸強度を越える過度な負荷がかかることが回避され
るので、緯糸yに糸切れが発生することがなくなる。
又、緯糸yは解舒阻止に基づく停止直前に、制動部材1
5との摺動摩擦に基づき適度に制動される。つまり、緯
糸yは解舒阻止に基づき一気に停止されるのではなく、
ABS装置6の作動に基づく制動部材15との摺動によ
り適度に制動されつつ停止する。その結果、解舒阻止時
に緯糸yにかかる衝撃が緩和され、緯糸yに発生する張
力が小さくて済む。そして、その張力に起因する緯糸y
の伸び量も僅かとなってその復元力も小さくなるので、
緯糸yの自由端となっ先端側に織布の品質に影響する程
の糸弛みが発生することがなくなる。その結果、織機に
より織成された織布にメインノズル4と反対側端部周辺
にて歪みが発生することがなくなる。
【0025】以上詳述したように本実施例によれば、ブ
レーキ盤11に糸との摩擦係数が相異なる4つの制動部
材15〜18を設け、そのブレーキ盤11を嵌着するシ
ャフト12を回転させることにより、4つの制動部材1
5〜18のうちの1つを緯糸yの経路となる設定基準位
置に配置可能とした。そのため、織成に使用される緯糸
yの糸強度や糸表面状態等の糸物性に応じた適切な摩擦
係数を有する制動部材15〜18を相異なる4つの摩擦
係数を有する制動部材15〜18の中から選定すること
ができる。その結果、本実施例のABS装置6は多種類
の糸yに対してその糸物性に応じた効果的な制動力を付
与することができる。そのため、毛糸や細い種類のフィ
ラメント糸のような弱糸に対しては糸切れの発生がほぼ
確実に防止されるとともに緯糸yの糸弛みもほぼ確実に
回避される。又、双糸や強撚糸等の糸強度の強い糸に対
しては弱糸の糸切れを考慮せずその糸独自の有効な制動
力を付与することにより糸弛みを一層確実に防止するこ
とができる。さらに、フィラメント糸のように種類に応
じて糸表面状態が異なる糸に対しても、その糸表面状態
に応じた制動力を付与することが可能となる。 (第2実施例)次に本発明を具体化した第2実施例につ
いて図4に従って説明する。本実施例は緯糸yを制動部
に押圧する糸押圧手段の構成が前記第1実施例と大きく
異なっている。図4に示すように、ブレーキ盤24を構
成する円板プレート25はシャフト26に嵌着されてい
る。円板プレート25上には糸に対する摩擦係数が相異
なる円板状の4つの制動部材27〜30がシャフト26
に対して等間隔に固着されている。緯糸測長貯留装置2
から図示しない糸ガイドを介してタンデムノズルへ至る
緯糸yは、ガイドアーム31に形成されたガイド孔31
a,31bにそのほぼ中心位置を通って挿通されてい
る。
【0026】シャフト26はその下端側で織機に固定さ
れたブラケット(図示せず)に対して回動及び固定可能
に設けられ、シャフト26の回動により4つの制動部材
27〜30のうちいずれか1つをガイド孔31a,31
b間を通る緯糸yと対応する設定基準位置に配置可能と
なっている。ブレーキ盤24の上方にはエアタンクと電
磁バルブ(いずれも図示せず)を介して接続されたエア
ノズル32が配設され、エアノズル32の噴射口が設定
基準位置に配置された制動部材27〜30と緯糸yを挟
んで対峙して位置している。エアノズル32と接続され
た電磁バルブは係止ピン2bが測長ドラム2aへ係止の
ために駆動されるその駆動タイミングより若干早期に駆
動されるようになっている。
【0027】緯糸yの緯入れ時には、緯入れされた緯糸
yが緯入れ末端位置に到達する直前にエアノズル32の
噴射口からエアが噴射される。その結果、緯糸yはガイ
ド孔31a,31b間にて噴射エアにより設定基準位置
に配置された制動部材27〜30に押圧される。従っ
て、本実施例によっても前記第1実施例と同様の効果が
得られる。又、エアノズル32による緯糸yの制動部材
27〜30への押圧は非接触式で行われるので緯糸yに
余分な負荷がかからない。 (第3実施例)次に本発明を具体化した第3実施例を図
5及び図6に従って説明する。本実施例においても緯糸
yを制動部に押圧する糸押圧手段の構成が前記各実施例
と大きく異なっている。図5に示すように、ブレーキ盤
33を構成する円板プレート34はシャフト35に嵌着
されている。円板プレート34の下面には糸に対する摩
擦係数が相異なる円板状の4つの制動部材36〜39が
シャフト35に対して等間隔に固着されている。
【0028】シャフト35はその下端側で織機に固定さ
れたブラケット(図示せず)に対して回動及び固定可能
に設けられている。シャフト35の回動により4つの制
動部材36〜39のうちいずれか1つを緯糸測長貯留装
置2からタンデムノズルへ至る緯糸yと対応する設定基
準位置に配置可能となっている。ブレーキ盤33の下方
には設定基準位置に配置された制動部材36〜39と対
応する位置に押圧部材40が電磁ソレノイド等の図示し
ない駆動手段により昇降動可能に設けられている。押圧
部材40は設定基準位置に配置された制動部材36〜3
9に対して離間する待機位置と、設定基準位置に配置さ
れた制動部材36〜39に対して糸yを押圧可能な作用
位置とに移動配置されるようになっている。押圧部材4
0は係止ピン2bが測長ドラム2aへ係止のために駆動
されるその駆動タイミングより若干早期に待機位置から
作用位置に駆動されるようになっている。
【0029】緯糸yの緯入れ時には、緯入れされた緯糸
yが緯入れ末端位置に到達する直前に押圧部材40が待
機位置から作用位置に上昇駆動される。その結果、緯糸
yは押圧部材40により設定基準位置に配置された制動
部材36〜39に押圧され、、その制動部材36〜39
との摺動摩擦により制動される。従って、本実施例によ
っても前記各実施例と同様の効果が得られる。
【0030】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに変更することができる。 (1)上記第1実施例ではシャフト12に2枚のブレー
キ盤11を嵌着させたが、ブレーキ盤11を1枚とする
ことも可能である。例えば、図7,図8に示すようにプ
レート41を四方に突出する突部を有する形状とし、そ
の突部の先端部に糸との摩擦係数が相異なる制動部材1
5〜18を設けた構成とし、ブレーキワイヤ20を設定
基準位置に配置された制動部材15〜18と対応する突
部を挿通する状態で揺動可能に配設する。そして、ブレ
ーキワイヤ20はロータリソレノイド19の駆動に基づ
き図8に鎖線で示す待機位置と実線で示す作用位置とに
移動配置可能とすればよい。
【0031】(2)上記各実施例において選定した制動
部材を設定基準位置に配置する際にブレーキ盤11,2
4,33を駆動手段により移動配置させる構成としても
よい。例えば、シャフト12をモータ等のアクチュエー
タにより回転可能な構成とし、織機コントローラCに緯
糸yの糸物性情報を入力してアクチュエータを織機コン
トローラCに入力された緯糸yの糸物性情報に基づいて
駆動制御する。そして、アクチュエータの駆動により適
切な摩擦係数の制動部材が自動で選定されて設定基準位
置に配置される構成としてもよい。
【0032】(3)上記各実施例では糸制動部材として
のブレーキ盤11,24,33を回転運動により配置設
定する構成としたが、糸制動部材の配置設定方法として
糸制動部材を直線運動させる構成としても良く、制動部
の位置設定が可能ならば糸制動部材の移動配置方法は適
宜に変更できる。
【0033】(4)上記各実施例では制動部に緯糸を押
圧する構成としたが、緯糸に対して制動部を押圧させる
構成としてもよい。 (5)上記各実施例では制動部を4つとしたが、制動部
の個数は2つ以上の適宜な個数に設定することができ
る。
【0034】(6)ABS装置は緯糸測長貯留装置2と
メインノズル4との間の適宜な位置に配設することがで
きる。 (7)上記実施例では本発明をエアジェット織機に適用
したが、ウォータージェット織機に本発明を適用しても
よい。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、糸
に対する摩擦係数が相異なる複数の制動部を選択可能に
設けたので、緯入れされる緯糸を緯糸の糸種に応じた適
正な制動力で制動することができるという優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施例のABS装置の
一部破断側面図である。
【図2】織機の構成を示す模式図である。
【図3】ABS装置の一部破断正面図である。
【図4】第2実施例のABS装置の部分斜視図である。
【図5】第3実施例のABS装置の部分平面図である。
【図6】同じく部分側面図である。
【図7】別例のABS装置の一部破断側面図である。
【図8】同じく一部破断正面図である。
【図9】従来装置の一部破断側面図である。
【符号の説明】
1…織機機台、2…緯糸送出阻止手段としての緯糸測長
貯留装置、4…緯糸射出手段を構成するメインノズル、
5…緯糸射出手段を構成するタンデムノズル、11,2
4,33…糸制動部材としてのブレーキ盤、12,2
6,35…移動手段を構成するシャフト、13…移動手
段を構成するビス、15〜18,27〜30,36〜3
9…制動部としての制動部材、19…糸押圧手段を構成
するロータリソレノイド、20…同じくブレーキワイ
ヤ、21…同じく支持部材、32…同じくエアノズル、
40…同じく押圧部材、C…駆動制御手段としての織機
コントローラ、y…緯糸。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緯糸の緯入れ時に緯糸を経糸開口内に射
    出する緯糸射出手段と、当該緯糸射出手段により射出さ
    れた緯糸が所定の緯入れ糸長だけ送出された段階で該緯
    糸の送出を阻止する緯糸送出阻止手段とを備えた織機に
    おいて、 糸との摩擦係数が相異なる複数の制動部を有する糸制動
    部材と、 前記制動部のうちいずれか1つが前記緯糸射出手段の上
    流側で緯糸と対応可能な所定位置に前記糸制動部材を移
    動配置させる移動手段と、 前記緯糸射出手段へ至る緯糸を前記所定位置に配置され
    た前記制動部と接触させない待機状態と、前記制動部と
    圧接状態に接触させる作用状態とに移動させる糸押圧手
    段と、 前記緯糸射出手段から射出された緯糸が経糸開口内を飛
    走する飛走途中の所定時期に前記糸押圧手段を前記待機
    状態から前記作用状態に駆動させる駆動制御手段とを備
    えた織機の糸制動装置。
JP26392693A 1993-10-21 1993-10-21 織機の糸制動装置 Pending JPH07118998A (ja)

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