JPH07118978A - 超高分子量ポリエチレン製糸条体および当該糸条体を着色して成る釣糸 - Google Patents

超高分子量ポリエチレン製糸条体および当該糸条体を着色して成る釣糸

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JPH07118978A
JPH07118978A JP5282004A JP28200493A JPH07118978A JP H07118978 A JPH07118978 A JP H07118978A JP 5282004 A JP5282004 A JP 5282004A JP 28200493 A JP28200493 A JP 28200493A JP H07118978 A JPH07118978 A JP H07118978A
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yarn
ultra
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molecular weight
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JP5282004A
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Takeya Mizuno
斌也 水野
Seiichi Ohira
清一 大平
Sorio Susa
反雄 諏佐
Hisaaki Ueba
久昭 植場
Takao Cho
孝夫 長
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Kureha Gohsen Co Ltd
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Gohsen Co Ltd
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐摩擦性および洗濯堅牢性に優れた着色部を与
え得る超高分子量ポリエチレン製糸条体および当該糸条
体を着色して成る釣糸を提供する。 【構成】超高分子量ポリエチレンフィラメントを複数本
集束して成る糸条体において、当該糸条体の表面にポリ
アミドの被覆層を、その一部が糸条体の間隙部に侵入し
た状態で設ける。そして、好ましい態様においては、ア
ルコール可溶性ポリアミドが使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量ポリエチレ
ン製糸条体および当該糸条体を着色して成る釣糸に関す
るものである。本発明の超高分子量ポリエチレン製糸条
体は、その表面が被覆層によって改質され、易着色性、
親水性などの特性に優れている。
【0002】
【従来の技術】釣糸の分野においては、多種多用な素材
が開発され使用されているが、釣りの漁法が高度化する
に従い、より一層高性能の釣糸が求められている。斯か
る状況の中で、現在広く使用され始めた素材は、超高分
子量ポリエチレンである。
【0003】超高分子量ポリエチレン製釣糸は、高強力
かつ低伸度であるため、胴突仕掛けにおける道糸として
使用した場合、長尺であっても、正確に棚取りが出来、
また、魚信が取り易いと言う特徴がある。そして、胴突
仕掛けの道糸として、超高分子量ポリエチレンを組紐状
に製紐し、一定長毎に多色に着色した釣糸が上市されて
いる。超高分子量ポリエチレンの製紐は、強力化するた
めに行われ、また、定長着色は、正確な棚取りを手元で
行い得るようにするために行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超高分子量
ポリエチレンから成る釣糸は、染色性が悪いため、従来
公知の染料では着色が困難であり、また、バインダーに
顔料を分散した塗料では超高分子量ポリエチレンとバイ
ンダーとの接着力が弱いため、釣り人の手や衣服を顔料
で汚したり、釣糸をリールに繰り返し巻き上げている際
に釣糸同士の重なり合いによる色移りを生じる欠点があ
る。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、耐摩擦性および洗濯堅牢性に優れた
着色部を与え得る超高分子量ポリエチレン製糸条体およ
び当該糸条体を着色して成る釣糸を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、超高分子量ポリ
エチレン製糸条体、すなわち、フィラメントを複数本集
束して成る糸条体または当該糸条体を更に多数本製紐し
て成る糸条体の場合は、その表面に特定のポリマーの被
覆層を所定の状態で設けることにより、耐摩耗性に優れ
た且つ着色した際に優れた洗濯堅牢性が得られるとの知
見を得た。
【0007】本発明は、上記の知見を基に完成されたも
のであり、その第1の要旨は、超高分子量ポリエチレン
フィラメントを複数本集束して成る糸条体において、当
該糸条体の表面にポリアミドの被覆層を、その一部が糸
条体の間隙部に侵入した状態で設けて成ることを特徴と
する超高分子量ポリエチレン製糸条体に存し、第2の要
旨は、第1の要旨に係る超高分子量ポリエチレン製糸条
体において、ポリアミドの被覆層の表面を一定長毎に着
色して成ることを特徴とする釣糸に存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明の超高分子量ポリエチレン製糸条体について説明す
る。本発明において、超高分子量ポリエチレンとして
は、重量平均分子量が50万以上、好ましくは100万
以上のポリエチレンが使用される。超高分子量ポリエチ
レンには、5モル%以下の範囲において、プロピレン、
ブチレン等が共重合されていてもよい。
【0009】超高分子量ポリエチレンのフィラメント
は、例えば、特開昭55−5228号公報、特開昭55
−14245号公報、特開昭55−107506号公
報、特開昭59−130313号公報に記載された方法
によって製造され、高強度かつ高弾性率の特徴を有す
る。
【0010】上記のフィラメントの繊度は、0.5〜2
0デニール(d)が適当であり、特に、1〜5dが好ま
しい。そして、フィラメントの引張強度は15g/d以
上、好ましくは20g/d以上、結節強度は10g/d
以上、好ましくは15g/d以上、初期弾性率は500
g/d以上、好ましくは800g/d以上であるのがよ
い。そして、上記のフィラメントは、合計繊度50〜3
50dとなるように集束され、必要に応じて加撚や熱セ
ットを施され、本発明における糸条体と使用される。ま
た、上記のフィラメントの集束体は、その5〜20本が
製紐され、本発明における糸条体と使用される。
【0011】本発明において、ポリアミドとしては、特
に制限されず、従来公知のポリアミドを使用することが
出来る。しかしながら、本発明においては、ポリアミド
の被覆層は、後述する様に、その一部が各集束体の間隙
部に侵入した状態で設けることが必要であり、そのため
には、ポリアミドの被覆層は、通常、低粘度の状態で糸
条体の表面に塗布される。
【0012】従って、通常のポリアミドにおいては、例
えば、ギ酸などに溶解して使用する必要があるが、斯か
る塗布の容易性などからして、水可溶性ポリアミド又は
アルコール可溶性ポリアミドが好適に使用される。そし
て、本発明の超高分子量ポリエチレン製糸条体は、各種
の用途に使用されるが、その用途を広く求め得る観点か
ら、耐水性被覆層を与えるアルコール可溶性ポリアミド
が特に推奨される。そして、本発明の超高分子量ポリエ
チレン製糸条体を釣糸用途に使用する場合は、アルコー
ル可溶性ポリアミドが使用される。
【0013】アルコール可溶性ポリアミドは、従来のポ
リアミドと異なり、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等の低級脂肪族アルコールに容易に溶解する。アル
コール可溶性ポリアミドは、例えば、特公昭63−37
369号公などの公知文献に記載されている通り、通
常、ジアミン、ω−アミノ酸、ラクタム又はこれらの誘
導体と2塩基性脂肪酸とから公知の方法によって合成さ
れる線状ポリアミドである。
【0014】そして、代表的には、ナイロン3、4、
5、6、8、11、12、13、6・6、6・10、1
3・13、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からの
ポリアミド、トリメチルヘキサメチレンジアミン或いは
イソホロンジアミンとアジピン酸からのポリアミド、ε
−カプロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミ
ン/4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ε−
カプロラクタム/アジピン酸/ヘキサメチレンジアミン
/ポリエチレングリコールジアミン等の共重合ポリアミ
ド、N,N′−ジ(7−アミノプロピル)ピペラジンア
ジペート/ε−カプロラクタム共重合体などの塩基性第
3級窒素を有するポリアミド及びこれにアクリル酸など
のアンモニウムイオンを形成し得る四級化剤を加えたポ
リアミド等が挙げられる。これらのホモポリマーは、単
独で使用する他、2種以上を組み合わせ、コポリマー、
ブロックポリマー又は混合物として使用してもよい。本
発明においては、例えば、東レ(株)より市販されてい
る商品の「CM4000」や「CM8000」等を好適
に利用することが出来る。
【0015】本発明においては、ポリアミドの被覆層
は、その一部が糸条体の間隙部に侵入した状態で設ける
ことが必要である。すなわち、本発明は、単に、糸条体
の表面にポリアミドの被覆層を形成するのではなく、ポ
リアミドの被覆層が糸条体の間隙部に侵入し、いわゆる
目詰めによるアンカー的効果を利用してポリアミドの被
覆層の脱落を防止する。その結果、本発明によれば、超
高分子量ポリエチレン製糸条体のポリアミドの被覆層の
耐摩耗性が改良され、着色した際の洗濯堅牢性が改良さ
れる。
【0016】従って、本発明においては、通常のポリア
ミドを使用する場合は、高温度に溶融して低粘度の溶融
液とし、十分な時間を要して糸条体と接触させることが
肝要であり、また、ポリアミドの溶液を使用する場合
は、低濃度の溶液として使用することが肝要である。斯
かる観点からして、水可溶性ポリアミド又はアルコール
可溶性ポリアミドが好ましいとされる。
【0017】そして、例えば、アルコール可溶性ポリア
ミドを使用する場合は、アルコール溶液中のポリアミド
濃度は、通常、1〜10重量%の範囲にするのがよく、
斯かる低濃度且つ低粘度の溶液による場合は、比較的短
時間の接触により、糸条体の間隙部までポリアミド溶液
を侵入させ、強力な目詰めによるアンカー的効果を発揮
させることが出来る。
【0018】糸条体とポリアミド溶液との接触は、ポリ
アミド溶液に糸条体を浸漬せることにより行われるが、
上記の濃度範囲のアルコール溶液の場合は、浸漬時間
は、1秒以上であれば足りる。また、ポリアミドの被覆
層は、糸条体の全表面に形成してもよく、更には、一定
長毎に着色された釣糸用途に供する場合は、着色を施す
部分のみに形成してもよい。
【0019】そして、ポリアミドの被覆層の厚さは、糸
状体のポリアミド溶液への浸漬回数によって調節され
る。すなわち、ポリアミドの被覆層の厚さは、ポリアミ
ド溶液の濃度に依存するが、前述の通り、本発明におい
ては、ポリアミド溶液を低濃度にする必要がある。従っ
て、所望の厚さのポリアミド被覆層を得るためには、糸
状体のポリアミド溶液への浸漬回数を複数回とするのが
よい。
【0020】ポリアミドの被覆層は、例えば、アルコー
ル溶液中に浸漬した後、乾燥することによって形成され
が、乾燥温度は、使用されるアルコールの沸点以上とす
るのがよい。斯かる温度範囲においては、ポリアミドの
結晶化速度は過度に速くなく、従って、糸条体の間隙部
に十分にポリアミドの溶液が侵入した後に結晶化が開始
されて優れた目詰めによるアンカー的効果が発現され
る。なお、乾燥は、3秒以上行うのがよい。
【0021】ところで、例えば、易着色性ポリマーとし
ては、従来より、各種のポリマーが知られているが、結
晶化速度の速過ぎるポリマーの場合は、浸漬工程と乾燥
工程を効率的に且つ連続的に行う工業的実施において
は、ポリマーの溶液が糸条体の間隙部に十分に侵入する
前から結晶化が開始される。その結果、糸条体の表面に
粒状の結晶が積層した状態で被覆層が形成され、目詰め
によるアンカー的効果を発揮されず、従って、易着色性
ポリマーの被覆層の耐摩耗性が低下する。
【0022】これに対し、本発明で使用するポリアミド
は、結晶化速度が適切な範囲にあり、しかも、その被覆
層は優れた機械的物性を有する。本発明において、被覆
ポリマーとして、ポリアミドを選択した理由は斯かる点
に存する。なお、本発明においては、ポリアミド溶液中
に必要に応じて紫外線吸収剤などを添加することも出来
る。
【0023】本発明の超高分子量ポリエチレン製糸条体
は、次の複数の実施態様を包含する。すなわち、合計繊
度50〜350dのフィラメントの集束体の表面にポリ
アミドの被覆層を設けた糸条体(1)、上記のフィラメ
ントの集束体5〜20本を製紐した後、その表面にポリ
アミドの被覆層を設けた糸条体(2)、フィラメントの
集束体の表面にポリアミドの被覆層を設けた後、集束体
5〜20本を製紐した糸条体(3)等を包含する。そし
て、本発明の超高分子量ポリエチレン製糸条体は、上記
の何れの実施態様においても、各種の染料および顔料に
よって容易に着色することが出来、その着色部は優れた
洗濯堅牢性を有する。また、着色することなく使用して
も、ポリアミド被覆層により優れた親水性などを発揮す
る。
【0024】次に、本発明の釣糸について説明する。本
発明の釣糸は、前述のナイロン被覆超高分子量ポリエチ
レン製糸条体を一定長毎に着色して成る。そして、着色
剤として、媒体中に顔料と(メタ)アクリル酸系重合体
とエチレンイミン誘導体とを含有して成り、(メタ)ア
クリル酸系重合体の割合が顔料に対して8〜12重量
倍、エチレンイミン誘導体の割合が顔料に対して0.3
〜2重量倍である塗料組成物が好適に使用される。
【0025】上記の塗料組成物は、素材のしなやかな風
合いを維持して鮮明に着色することが出来、且つ、色落
ちも殆ど無く、しかも、非有機溶剤系で着色することが
出来るために素材の着色操作に際して人体に安全である
と共に環境汚染がなく、特に、超高分子量ポリエチレン
製釣糸の着色用として好適である。
【0026】顔料としては、有機顔料が主に使用される
が、必要に応じ、無機顔料の他、有機顔料に無機顔料を
配合した配合顔料も使用し得る。有機顔料は、化学構造
の観点から分類して例示すれば、フタロシアニン系、ア
ンスラキノン系、キナクリドン系、アゾ系、インジゴ
系、キノフタロン系、イソインドリノン系、キナゾリン
系、ジオキサジン系、アントロン系、ペリノン系、ペリ
レン系、ピコリン系などの種類がある。本発明におい
て、有機顔料は、顔料染色が可能である限り、その種類
は特に制限されず、目的とする色相に応じ、耐光性の良
好な有機顔料を適宜選択して使用することが出来る。
【0027】好適に使用される顔料を色相の観点から分
類して例示すれば、次の表1に示す通りである。
【0028】
【表1】 イエロー:アゾ系イエロー オレンジ:アゾ系レッド/アゾ系イエロー レッド :アゾ系レッド グリーン:銅フタロシアニングリーン ブルー :銅フタロシアニングリーン/ジオキサン ブラック:カーボン
【0029】上記の塗料組成物において、(メタ)アク
リル酸系重合体は、顔料染色における結合剤(固着剤)
として作用する。なお、上記の(メタ)アクリル酸の用
語は、アクリル酸およびメタクリル酸の何れか又は両者
の混合物を意味する。従来、顔料染色における結合剤と
しては、熱可塑性、熱硬化性の各種の樹脂が使用されて
いるが、本発明の目的を達成するためには、結合剤とし
て、(メタ)アクリル酸系重合体を使用する必要があ
る。
【0030】本発明において、(メタ)アクリル酸系重
合体としては、(メタ)アクリル酸単位を含有する重合
体である限り特に制限はなく、単独重合体または共重合
体の何れであってもよい。具体的には、例えば、次の表
2に列挙した単量体の単独重合体またはこれらの単量体
を適宜組み合わせて得られる共重合体が挙げられる。
【0031】
【表2】 (1)(メタ)アクリル酸 (2)(メタ)アクリル酸とアルカノールアミンのエス
テル (3)(メタ)アクリル酸と5−アミノベンゾトリアゾ
ールとの酸アミド
【0032】特に、単量体の(1)と(2)又は(2)
と(3)とを共重合して得られる(メタ)アクリル酸系
共重合体が好ましい。すなわち、単量体の(1)と
(2)から成る共重合体は、両性であるため、酸または
アルカリの何れにも可溶であり、製造の際などに界面活
性剤を使用する必要がなくて有利であり、また、(2)
と(3)から成る共重合体は、紫外線吸収能力を有する
置換ベンゾトリアゾール基を有するため、顔料の劣化な
どを防止出来て好ましい。
【0033】上記のアルカノールアミンとしては、具体
的には、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノー
ルアミン、ジプロピルエタノールアミン、ジブチルエタ
ノールアミン、ジメチルプロパノールアミン、ジメチル
ブタノールアミン等が挙げられる。また、上記の5−ア
ミノベンゾトリアゾールとしては、具体的には、次の表
3〜6に示す各種のトリアゾール化合物が挙げられる。
【0034】
【表3】 2−(3′−メチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5
−アミノベンゾトリアゾール 2−(3′,5′−ジメチル−2′−ヒドロキシフェニ
ル)−5−アミノベンゾトリアゾール 2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−2′−ヒドロ
キシフェニル)−5−アミノベンゾトリアゾール 2−(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシ
フェニル)−5−アミノベンゾトリアゾール
【0035】
【表4】 2−(3′,5′−ジ−t−アミル−2′−ヒドロキシ
フェニル)−5−アミノベンゾトリアゾール 2−(3′,5′−ジ−t−オクチル−2′−ヒドロキ
シフェニル)−5−アミノベンゾトリアゾール 2−[3′,5′−ジ−(α,αージメチルベンジル)
−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノベンゾトリ
アゾール 2−[3′−(α,αージメチルベンジル)−5′−メ
チル−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノベンゾ
トリアゾール
【0036】
【表5】 2−[3′−(α,αージメチルベンジル)−5′−t
−ブチル−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノベ
ンゾトリアゾール 2−[3′−(α,αージメチルベンジル)−5′−t
−オクチル−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノ
ベンゾトリアゾール 2−[3′−t−ブチル−5′−(α,αージメチルベ
ンジル)−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノベ
ンゾトリアゾール 2−[3′−t−オクチル−5′−(α,αージメチル
ベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノ
ベンゾトリアゾール
【0037】
【表6】 2−[3′−(αーメチルベンジル)−5′−t−オク
チル−2′−ヒドロキシフェニル]−5−アミノベンゾ
トリアゾール 2−(3′−ベンジル−5′−t−ブチル−2′−ヒド
ロキシフェニル)−5−アミノベンゾトリアゾール 2−(3′−N−フェニルカルボアミド−5′−t−ブ
チル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−アミノベンゾ
トリアゾール 2−(3′−t−ブチル−5′−メトキシ−2′−ヒド
ロキシフェニル)−5−アミノベンゾトリアゾール
【0038】前記の表2に示した各単量体は、通常、次
のような割合で共重合される。すなわち、単量体(1)
と(2)の場合は、単量体(2)100重量部当たり単
量体(1)が3〜20重量部の範囲、単量体(2)と
(3)の場合は、単量体(2)100重量部当たり単量
体(3)が3〜150重量部の範囲、単量体(1)と
(3)の場合は、単量体(3)100重量部当たり単量
体(1)が3〜20重量部の範囲で共重合される。
【0039】単量体の(1)と(2)又は(2)と
(3)とを共重合して得られる(メタ)アクリル酸系共
重合体は、特開昭62−283144号公報または特開
昭63−248863号公報に記載され公知であるた
め、これらの公報に記載された共重合方法に従って得る
ことが出来る。
【0040】(メタ)アクリル酸系重合体の分子量は、
特に制限されないが、一般的には、数平均分子量約1,
000〜200,000程度、好ましくは約50,00
0〜150,000程度が好適である。また、(メタ)
アクリル酸系重合体は、全単量体中15重量%未満の範
囲において、スチレン、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステ
ル等の第3の単量体を共重合していてもよく、更には、
単量体の(1)と(2)が第4級アンモニウム塩を含む
各種の塩の形であってもよい。そして、塩の形成は、重
合後に行うことも出来る。
【0041】上記の塗料組成物において、エチレンイミ
ン誘導体は架橋剤として作用する。エチレンイミン誘導
体としては、特に、末端にイソシアナート基を有するウ
レタンプレポリマーにエチレンイミンを反応させて得ら
れる実質的に水に不溶なエチレン尿素化合物が好適であ
る。
【0042】上記のエチレン尿素化合物は、例えば、特
公昭55−21780号公報によって公知であり、従っ
て、上記の公報に記載の方法に従い、末端ヒドロキシポ
リオールに有機ポリイソシアネートを過剰に加えて反応
を行って末端にイソシアナート基を有するウレタンプレ
ポリマーを得、これに末端NCO基の量とほぼ当モル量
のエチレンイミンを加えて40〜70℃で2〜4時間反
応させて得ることが出来る。
【0043】ウレタンプレポリマーの調製に当たって
は、ポリオール成分として、アルキレンジオールと脂肪
族ジカルボン酸とを反応して得られる各種のポリエステ
ルポリオール等やその他のポリオール成分を使用するこ
とが出来、また、ポリイソシアネート成分としては、ヘ
キサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネ
ートやその他のポリイソシアネート成分を使用すること
が出来、反応は常法によって行うことが出来る。
【0044】上記の塗料組成物の特徴は、架橋剤として
エチレンイミン誘導体を使用し、且つ、(メタ)アクリ
ル酸系重合体およびエチレンイミン誘導体を特定量の範
囲で使用した点にある。すなわち、上記の塗料組成物に
おいて、耐光性、耐摩擦性、洗濯堅牢性などの塗膜物性
の観点から、(メタ)アクリル酸系重合体は、顔料に対
して8〜12重量倍、エチレンイミン誘導体は、顔料に
対して0.3〜2重量倍、好ましくは0.5〜1.5重
量部の範囲で使用する。
【0045】上記の各原料成分は、いずれも、水を媒体
とするスラリー状態で調製するのが取扱が簡便である。
例えば、前述の表1に示した顔料は、通常、ノニオン系
の界面活性剤を分散剤とし、固形分濃度25〜45重量
%、PH7.5〜9.5の懸濁液として、前述の(メ
タ)アクリル酸系重合体は、通常、固形分濃度30〜4
0重量%、PH7前後のアニオン系懸濁液として、ま
た、前述のエチレンイミン誘導体は、固形分濃度10〜
25重量%、PH9.5前後のアニオン系懸濁液として
調製するのがよい。
【0046】そして、前記のエチレン尿素化合物の水媒
体スラリーの調製に当たっては、特公昭55−2178
0号公報に記載に従い、乳化剤として、末端に水酸基を
有するポリエチレンオキサイド化合物と等モル以上の有
機ポリイソシアネート化合物との反応生成物であって、
その末端のイソシアネート基がマスクッド化合物によっ
てマスクされた化合物を使用するのが好ましい。
【0047】上記のポリエチレンオキサイド化合物は、
エチレングリコール等のアルコール類、アミン、アミノ
化合物を開始剤とし、これにエチレンオキサイド等のア
ルキレンオキサイドを付加反応することにより得られ、
通常、数平均分子量が1000〜20000のものが好
適である。そして、上記のポリエチレンオキサイド化合
物と反応させられる有機ポリイソシアネート化合物とし
ては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート
等が使用され、マスクッド化合物としては、イソシアネ
ート基のマスクに常用されている化合物、例えば、ε−
カプロラクタム、フェノール等が挙げられる。
【0048】上記の乳化剤を使用したエチレン尿素化合
物の水媒体スラリーは、エチレン尿素化合物100重量
部に上記の乳化剤3〜100重量部、好ましくは10〜
80重量部を配合し、これをミキサーにより、温度5〜
30℃、好ましくは20〜30℃で均一に混合し、これ
に、温度5〜20℃、好ましくは15〜20℃の水50
0〜800重量部を徐々に滴下し、ホモミキサー等の攪
拌機で乳化処理することによって調製される。上記の水
性媒体においては、エチレン尿素化合物のみならず、乳
化剤自身も加熱処理によって架橋反応するため、乳化剤
を除去するソーピング等の操作は不要である。
【0049】上記の塗料組成物中の顔料の濃度は、任意
に選択することが出来るが、通常1〜10重量%の範囲
とされる。従って、原料成分として、上記の懸濁液を利
用した場合は、当該懸濁液に水を添加して所定の濃度に
希釈する必要がある。塗料組成物における(メタ)アク
リル酸系重合体およびエチレンイミン誘導体の顔料に対
する好ましい使用割合は、前述の通りであるが、水媒体
中における濃度で示せば次の通りである。すなわち、顔
料濃度が3重量%の場合、(メタ)アクリル酸系重合体
は約25〜35重量%、エチレンイミン誘導体は約1〜
5重量%である。
【0050】上記の塗料組成物による着色は、塗料組成
物の浴中に前述した本発明の超高分子量ポリエチレン製
糸条体を1秒以上滞浴させた後、80〜130℃で90
秒以上乾燥させることにより行うことが出来る。そし
て、適宜の手段により、一定長毎に多色に着色して胴突
仕掛けにおける道糸に仕上げることが出来る。
【0051】そして、本発明の釣糸は、次の複数の実施
態様を包含する。すなわち、合計繊度50〜350dの
フィラメントの集束体の表面にポリアミドの被覆層を設
け、当該ポリアミドの被覆層を着色した釣糸(1)、上
記のフィラメントの集束体5〜20本を製紐した後、そ
の表面にポリアミドの被覆層を設け、当該ポリアミドの
被覆層を着色した釣糸(2)、フィラメントの集束体の
表面にポリアミドの被覆層を設け、当該ポリアミドの被
覆層を着色した後、集束体5〜20本を製紐した釣糸
(3)、フィラメントの集束体の表面にポリアミドの被
覆層を設け、その5〜20本を製紐した後、露出するポ
リアミドの被覆層を着色した釣糸(4)等を包含する。
しかしながら、通常、釣り糸としては、上記の(2)〜
4の実施態様が採用される。そして、本発明の釣糸は、
しなやかな風合と鮮明な色相を有し、色落ちも殆ど無
く、市販品に比べて優れた品質を有する。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0053】<高分子量ポリエチレン製糸条体(組紐)
>超高分子量ポリエチレン繊維(東洋紡績株式会社製
「ダイニーマSK60」、150d:1d×150f)
を使用し、市販の製紐機により8本打ちして作成した6
号糸の組紐(1200d)を使用した。
【0054】<ポリアミド>アルコール可溶性ポリアミ
ドとして、東レ(株)製の商品「CM8000」を使用
した。ポリアミド5重量%、エタノール95重量%の溶
液として使用した。
【0055】<塗料原料> (1)顔料:次の表7に示す市販品を使用した(何れも
ノニオン系界面活性剤を含有)。
【0056】
【表7】 ──────────────────────────────────── 色相 顔料成分 固形分濃度(重量%) PH イエロー:アゾ系イエロー 30.0 9.2 オレンジ:アゾ系レッド/アゾ系イエロー 29.5 9.2 レッド :アゾ系レッド 32.5 9.2 グリーン:銅フタロシアニングリーン 39.0 8.2 ブルー :銅フタロシアニングリーン/ジオキサン 26.0 8.8 ブラック:カーボン 43.5 7.5 ────────────────────────────────────
【0057】(2)固着剤((メタ)アクリル酸系重合
体):固着剤(A)として、(メタ)アクリル酸系重合
体(メタクリル酸:ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト=1:24重量比、数平均分子量=約100,00
0)の懸濁液(固形分濃度35重量%、PH7.0のア
ニオン系懸濁液)を使用した。
【0058】固着剤(B)として、(メタ)アクリル酸
系重合体(メタクリル酸:ジブチルアミノエチルメタク
リレート=1:15重量比、数平均分子量=約100,
000)の懸濁液(固形分濃度35重量%、PH7.0
のアニオン系懸濁液)を使用した。
【0059】固着剤(C)として、(メタ)アクリル酸
系重合体(メタクリル酸:ジメチルアミノプロピルメタ
クリレート=1:10重量比、数平均分子量=約10
0,000)の懸濁液(固形分濃度35重量%、PH
7.0のアニオン系懸濁液)を使用した。
【0060】固着剤(D)として、(メタ)アクリル酸
系重合体(メタクリル酸:ジメチルアミノブチルメタク
リレート=1:7重量比、数平均分子量=約100,0
00)の懸濁液(固形分濃度35重量%、PH7.0の
アニオン系懸濁液)を使用した。
【0061】固着剤(E)として、(メタ)アクリル酸
系重合体(ジメチルアミノエチルメタクリレート:2−
[3′,5′−ジ−(α,α−ジメチルベンジル)−
2′−ヒドロキシフェニル]−5−メタクリロイルアミ
ノベンゾトリアゾール=1:0.5重量比、数平均分子
量=約100,000)の懸濁液(固形分濃度35重量
%、PH7.0のアニオン系懸濁液)を使用した。
【0062】固着剤(F)として、(メタ)アクリル酸
系重合体(ジエチルアミノエチルアクリレート:2−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−2′−ヒドロキシフェ
ニル)−5−アクリロイルアミノベンゾトリアゾール=
1:0.1重量比、数平均分子量=約100,000)
の懸濁液(固形分濃度35重量%、PH7.0のアニオ
ン系懸濁液)を使用した。
【0063】(3)架橋剤(エチレンイミン誘導体):
特公昭55−21780号公報の実施例1に記載の方法
に従って調製したエチレン尿素化合物の懸濁液(固形分
濃度20重量%、PH9.5のアニオン系懸濁液)を使
用した。上記の懸濁液は、次のエチレン尿素化合物と乳
化剤とを温度30℃で5対1の重量比で混合し、当該混
合物に1.5重量倍の水(20℃)を加えて乳化処理し
て得たものである。
【0064】(エチレン尿素化合物)末端OH価130
のヒドロキシアジペート(1,6−ヘキサンジオール使
用)と過剰のヘキサメチレンジイソシアネートとから得
た末端NCOのウレタンプレポリマーにエチレンイミン
を反応させて得たエチレン尿素化合物を使用した。
【0065】(乳化剤)数平均分子量2000の混合ア
ルキレンオキサイド(エチレンオキサイド/プロピレン
オキサイド=9/1重量比)とキシリレンジイソシアネ
ートとから得た末端NCOのウレタンプレポリマーにε
−カプロラクタムを反応させて得た化合物を使用した。
【0066】<評価項目および評価条件> (1)耐光性:フェードメータを使用し、48時間、1
50時間、300時間の露光試験を行い、次の表8に示
す4段階の基準で評価した。なお、評価は、年令階層無
作為抽出で性別比50%のモニター(10人)による目
視試験によって実施した(以下の耐摩擦性、洗濯堅牢性
についても同じ)。
【0067】
【表8】 ◎:殆ど色抜け無しの状態 ○:僅かな色抜け有りの状態 △:かなりの色抜け有りの状態 ×:完全に色抜けした状態
【0068】(2)耐摩擦性:円筒状の治具に綿100
%の布を巻き付け、これに試料を接触させて3Kgの荷
重を掛け摩擦運動を行う(ストローク:100mm、速
度:50往復/分)。そして、摩擦運動は、試料の次の
3つの状態、すなわち、乾燥状態(A状態)、25℃の
水中に30分浸漬後の状態(B状態)、90℃の水中に
30分浸漬後の状態(C状態)について行った。そし
て、摩擦運動による色落ちの程度を次の表9に示す5段
階の基準で評価した。
【0069】
【表9】 5:全く色落ち無しの状態 4:殆ど色落ち無しの状態 3:僅かな落ち有りの状態 2:かなりの色落ち有りの状態 1:完全に色落ちした状態
【0070】(3)洗濯堅牢性:25℃の水、90℃の
水、30℃の人工海水および25℃の洗剤水溶液(界面
活性剤の含有量が27重量%の洗剤を10容量%の割合
で溶解した水溶液)の各試験液中に、試験液50重量部
に対して1重量部の割合で試料を浸漬し、30分間スタ
ーラーにて攪拌を行う。そして、攪拌後の色落ちの程度
を前記の表9に示す5段階の基準で評価した。
【0071】(4)風合い:前述のモニターにより、ブ
ラインド試験を行い、次の表10に示す4段階の基準で
評価した。風合いの評価は、耐摩擦性評価で行った試験
の前後について行った。
【0072】
【表10】 ◎:良好 ○:やや良好 △:やや不良 ×:不良
【0073】(5)外観:前述のモニターにより、表面
のざらつき(ピックアップ現象)の有無を調査し、次の
表11に示す3段階の基準で評価した。
【0074】
【表11】 ◎:ざらつきが全くない状態 ○:ざらつきが僅かにある状態 ×:ざらつきが顕著な状態
【0075】実施例1〜16 先ず、ポリアミドのアルコール溶液中に超高分子量ポリ
エチレン製組紐を60秒間浸漬した後、80℃で60秒
間乾燥して組紐の表面にポリアミドの被覆層を形成し
た。組紐の切断面の顕微鏡観察の結果、ポリアミドの被
覆層は、その一部が各集束体の間隙部に侵入した状態で
設けられていた。
【0076】次に、顔料懸濁液、固着剤懸濁液および架
橋剤懸濁液の所定量を秤量して混合した後、水を添加
し、後述の表13及び14に示した各種の塗料組成物を
調製した。次いで、上記の各塗料組成物を使用し、次の
表12に示す加工条件で上記のポリアミド被覆組紐の着
色試験を行った。すなわち、一定長毎に多色に着色して
道糸に仕上げた。
【0077】
【表12】 滞浴時間:1秒以上 乾燥温度:110〜130℃ 乾燥時間:90秒以上
【0078】得られた各道糸について、前記の評価項目
の試験を行い、得られた結果を次の表13及び14に示
した。表中の記号は、モニター試験の結果から基準ごと
の度数分布を作成し、その最大値を与える基準である
(他の表中の記号についても同じである)。なお、表中
の濃度は、水媒体中の重量%を表し、残余は実質的に水
である(以下の表においても同じ)。
【0079】
【表13】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 6 顔料色相 イエロー イエロー イエロー イエロー イエロー イエロー 顔料濃度 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 固着剤種類 A B C D E F 固着剤濃度 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0架橋剤濃度 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 <耐光性> 48時間 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 150時間 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 300時間 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ <耐摩擦性> A状態 5 5 5 5 5 5 B状態 5 5 5 5 5 5 C状態 5 5 5 5 5 5 <洗濯堅牢性> 25℃水 5 5 5 5 5 5 90℃水 5 5 5 5 5 5 30℃人工海水 5 5 5 5 5 5 25℃洗剤水溶液 5 5 5 5 5 5 <風合い> 耐摩擦性試験前 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐摩擦性試験後 ○ ○ ○ ○ ○ ○ <外観> ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ────────────────────────────────────
【0080】
【表14】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 7 8 9 10 11 12 顔料色相 イエロー イエロー イエロー レッド レッド レッド 顔料濃度 3.0 3.0 1.0 3.0 3.0 1.0 固着剤種類 A A A A A A 固着剤濃度 25.0 35.0 10.0 25.0 35.0 10.0架橋剤濃度 1.0 5.0 0.8 1.0 5.0 0.8 <耐光性> 48時間 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 150時間 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 300時間 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ <耐摩擦性> A状態 5 5 5 5 5 5 B状態 5 5 5 5 5 5 C状態 5 5 5 5 5 5 <洗濯堅牢性> 25℃水 5 5 5 5 5 5 90℃水 5 5 5 5 5 5 30℃人工海水 5 5 5 5 5 5 25℃洗剤水溶液 5 5 5 5 5 5 <風合い> 耐摩擦性試験前 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐摩擦性試験後 ○ ○ ○ ○ ○ ○ <外観> ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ────────────────────────────────────
【0081】比較例1〜6 超高分子量ポリエチレン製組紐にポリアミドの被覆層を
設けることなく、実施例1と同様の各塗料組成物を使用
して組紐の着色試験を行った。着色条件は、実施例1と
同一とした。得られた釣糸について、実施例1と同様に
各評価項目の試験を行い、結果を次の表15に示した。
【0082】
【表15】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 1 2 3 4 5 6 顔料色相 イエロー イエロー イエロー イエロー イエロー イエロー 顔料濃度 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 固着剤種類 A B C D E F 固着剤濃度 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0架橋剤濃度 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 <耐摩擦性> A状態 3 3 3 3 3 3 B状態 3 3 3 3 3 3 C状態 3 3 3 3 3 3 <洗濯堅牢性> 25℃水 4 4 4 4 4 4 90℃水 4 4 4 4 4 4 30℃人工海水 4 4 4 4 4 4 25℃洗剤水溶液 2 2 2 2 2 2 <風合い> 耐摩擦性試験前 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐摩擦性試験後 ○ ○ ○ ○ ○ ○ <外観> ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ────────────────────────────────────
【0083】比較例7〜12 超高分子量ポリエチレン製組紐にポリアミドの被覆層を
設けることなく、実施例1と同様の各塗料組成物を使用
して組紐の着色試験を行った。着色条件は、実施例1と
同一とした。次いで、得られた釣糸の表面に実施例1と
同様の条件下にポリアミドの被覆層を設けた。実施例1
と同様に各評価項目の試験を行い、結果を次の表16に
示した。なお、組紐の切断面の顕微鏡観察の結果、組紐
の着色部においては、ポリアミドの被覆層は、実質的に
着色部の表面のみに存在し、組紐の各集束体の間隙部に
は侵入していなかった。
【0084】
【表16】 ──────────────────────────────────── 比 較 例 7 8 9 10 11 12 顔料色相 イエロー イエロー イエロー イエロー イエロー イエロー 顔料濃度 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 固着剤種類 A B C D E F 固着剤濃度 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0 30.0架橋剤濃度 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 <耐摩擦性> A状態 4 4 4 4 4 4 B状態 3 3 3 3 3 3 C状態 3 3 3 3 3 3 <洗濯堅牢性> 25℃水 5 5 5 5 5 5 90℃水 5 5 5 5 5 5 30℃人工海水 5 5 5 5 5 5 25℃洗剤水溶液 3 3 3 3 3 3 <風合い> 耐摩擦性試験前 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐摩擦性試験後 △ △ △ △ △ △ <外観> ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ────────────────────────────────────
【0085】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、例えば、
釣糸用として好適な超高分子量ポリエチレン製糸条体が
提供され、また、しなやかな風合いを有し、鮮明に着色
され、且つ、色落ちも殆ど無ない超高分子量ポリエチレ
ン製の釣糸が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/59 (72)発明者 植場 久昭 栃木県下都賀郡壬生町藤井603−19 (72)発明者 長 孝夫 栃木県下都賀郡壬生町元町11−14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高分子量ポリエチレンフィラメントを
    複数本集束して成る糸条体において、当該糸条体の表面
    にポリアミドの被覆層を、その一部が糸条体の間隙部に
    侵入した状態で設けて成ることを特徴とする超高分子量
    ポリエチレン製糸条体。
  2. 【請求項2】 糸条体が超高分子量ポリエチレンフィラ
    メントの集束体を多数本製紐して成る組紐である請求項
    1に記載の超高分子量ポリエチレン製糸条体。
  3. 【請求項3】 ポリアミドがアルコール可溶性ポリアミ
    ドである請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレ
    ン製糸条体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の超高分子
    量ポリエチレン製糸条体において、ポリアミドの被覆層
    の表面を一定長毎に着色して成ることを特徴とする釣
    糸。
  5. 【請求項5】 水性媒体中に顔料と(メタ)アクリル酸
    系重合体とエチレンイミン誘導体とを含有して成り、
    (メタ)アクリル酸系重合体の割合が顔料に対して8〜
    12重量倍、エチレンイミン誘導体の割合が顔料に対し
    て0.3〜2重量倍である塗料組成物にて着色して成る
    請求項4に記載の釣糸。
JP5282004A 1993-10-15 1993-10-15 超高分子量ポリエチレン製糸条体および当該糸条体を着色して成る釣糸 Withdrawn JPH07118978A (ja)

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