JPH07118354A - プロピレンエチレンブロック共重合体組成物 - Google Patents
プロピレンエチレンブロック共重合体組成物Info
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- JPH07118354A JPH07118354A JP26220393A JP26220393A JPH07118354A JP H07118354 A JPH07118354 A JP H07118354A JP 26220393 A JP26220393 A JP 26220393A JP 26220393 A JP26220393 A JP 26220393A JP H07118354 A JPH07118354 A JP H07118354A
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Abstract
ロピレンエチレンブロック共重合体組成物を得る。 【構成】メルトフローレイトが0.01〜100g/1
0minであり、エチレン含有量が10〜50モル%で
あり、昇温溶離分別法により分別された、横軸を温度
(℃)、縦軸を積算重量割合(wt%)で表した溶出曲
線に於いて、30℃未満での溶出成分(A成分)が20
〜80wt%、30℃以上70℃未満での溶出成分(B
成分)が15〜75wt%、70℃以上での溶出成分
(C成分)が5〜70wt%であり、且つ、B成分の溶
出曲線における10℃ごとに区分された各溶出量が少な
くとも3wt%であるプロピレンエチレンブロック共重
合体組成物。
Description
沢、引張伸度に優れたプロピレンエチレンブロック共重
合体組成物に関する。
れた柔軟性を有し、低比重で高い耐候性を有することか
らバンパー等の自動車部品をはじめ、種々の工業部品、
家電部品、およびフィルム、シートに幅広く利用されて
いる。オレフィン系熱可塑性エラストマーは、一般にエ
チレン−プロピレンゴム(以下、EPRという。)やエ
チレン−プロピレンターポリマー(以下、EPDMとい
う。)とポリプロピレン等の熱可塑性樹脂とのブレンド
により製造されるが、最近では、高活性チタン触媒を用
いて、重合により両成分を一挙に製造する試みがなされ
ている。
では、第一段目においてポリプロピレン成分を、第二段
目においてエチレンとプロピレンの共重合を行う2段階
重合法が一般的である。しかしながら、本方法により得
られた熱可塑性エラストマーは、透明性、引張伸度、光
沢に劣るという欠点を有していた。
ている。例えば、特開昭58−162621号公報では
重合を3段階に実施し、ブロック共重合体中の各成分の
相溶性を向上させ、成形品の外観を改良する方法が提案
されている。しかしながら、この方法においても透明
性、引張伸度、光沢などの満足できる熱可塑性エラスト
マーは得られていない。
記課題に鑑み、柔軟性、透明性、引張伸度、光沢等の物
性に優れた熱可塑性エラストマーについて鋭意検討を行
った結果、特定の構造を有するブロック共重合体組成物
が上記目的を満たすものであることを見い出し本発明を
完成した。
0.01〜100g/10minであり、エチレン含有
量が10〜50モル%であり、昇温溶離分別法により分
別された、横軸を温度(℃)、縦軸を積算重量割合(w
t%)で表した溶出曲線に於いて、30℃未満での溶出
成分(A成分)が20〜80wt%、30℃以上70℃
未満での溶出成分(B成分)が15〜75wt%、70
℃以上での溶出成分(C成分)が5〜70wt%であ
り、且つ、B成分の溶出曲線における10℃ごとに区分
された各溶出量が少なくとも3wt%であることを特徴
とするプロピレンエチレンブロック共重合体組成物であ
る。
合体組成物(以下、単に共重合体組成物ともいう。)
は、メルトフローレイトが0.01〜100g/10m
inである。メルトフローレイトが上記範囲外では成形
が困難となり好ましくない。このメルトフローレイトは
ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーによる重量
平均分子量に換算すると概ね5万〜100万の範囲とな
る。
リプロピレン成分及びプロピレンエチレンランダム共重
合体成分よりなる。ポリプロピレン成分は、プロピレン
単独重合体でもよく、またプロピレンと5モル%以下の
他のα−オレフィンとのランダム共重合体であってもよ
い。他のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−
オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン等を挙げることができる。
体成分は、得られる共重合体組成物の柔軟性を勘案する
と、プロピレン20〜90モル%とエチレン80〜10
モル%、さらには、プロピレン40〜90モル%とエチ
レン60〜10モル%との共重合体であることが好まし
い。また、得られる共重合体組成物の物性を阻害しない
範囲で、例えば、5モル%以下の範囲でプロピレンおよ
びエチレン以外に上記したような他のα−オレフィンを
ランダム共重合成分として含んでいても良い。
にはポリプロピレン成分及びプロピレンエチレンランダ
ム共重合体成分よりなるが、本発明の共重合体組成物の
物性を阻害しない範囲、例えば、5重量%以下の範囲
で、上記したような他のα−オレフィンの重合体をブロ
ック共重合成分として含んでいてもよい。
プロピレン成分およびプロピレンエチレンランダム共重
合体成分が一分子鎖中に配列したいわゆるブロック共重
合体の分子鎖と、ポリプロピレン成分及びプロピレンエ
チレンランダム共重合体成分のそれぞれ単独よりなる分
子鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミクロに
混合しているものと考えられる。
であるために、共重合体組成物全体としてのエチレン含
有量は10〜50モル%となっている。エチレン含有量
が10モル%未満のときは熱可塑性エラストマーとして
の十分な柔軟性が発揮されず、50モル%を越えるとき
は透明性および耐熱性の優れた熱可塑性エラストマーを
得ることができない。
法により分別された、横軸を温度(℃)、縦軸を積算重
量割合(wt%)で表した溶出曲線に於いて、30℃未
満での溶出成分(A成分)が20〜80wt%、30℃
以上70℃未満での溶出成分(B成分)が15〜75w
t%、70℃以上での溶出成分(C成分)が5〜70w
t%である。
結晶性高分子の組成又は立体現則性の分布を解析する手
段である。一般的に、昇温溶離分別法は次の操作により
行なわれる。まず高温の高分子溶液を、硅藻土又はガラ
スビーズ等の充填材を充填したカラムに導入し、カラム
温度を徐々に低下させることにより充填材表面に融点の
高い成分から順に結晶化させる。次にカラム温度を徐々
に上昇させることにより、融点の低い成分から順に溶出
させて分取する。溶媒としては、一般にo−ジブロムベ
ンゼンなどが好適である。具体的な操作方法について
は、例えば、Journal of Applied
Polymer Science; Applied
Polywer Symposium 45,1−24
(1990)に詳細に記述されている。
は、常温以下の比較的低温の温度区分で非晶性又は極め
て結晶性の低いプロピレンエチレンランダム共重合体が
分別され、溶出温度の上昇に伴い結晶性の高い成分が分
別されてくる。各分別成分量は、横軸に溶出温度、縦軸
に積算重量割合をとった溶出曲線により算出することが
できる。
る条件で昇温溶離分別法により分別したときの、横軸を
温度(℃)、縦軸を積算重量割合(wt%)で表した溶
出曲線を示した。
性のプロピレンエチレンランダム共重合体成分からな
る。この溶出成分の量が20wt%未満では柔軟性が損
なわれ、80wt%を超えると熱可塑性エラストマーと
しての耐熱性が損なわれるために好ましくない。熱可塑
性エラストマーとしてより優れた柔軟性や耐熱性を発揮
させるためには、A成分は30〜70wt%の範囲であ
ることが好ましい。
レンランダム共重合体である。このB成分の量が15w
t%未満では本発明の共重合体組成物を成形品とした場
合に良好な透明性、引張伸度、光沢等の性質が達成され
ず、また、75wt%を越える場合には耐熱性が不足す
るために好ましくない。B成分は、透明性、引張伸度、
光沢等を良好にするためには15〜60wt%の範囲で
あることが好ましい。
分よりなる。このC成分の量が5wt%未満では成形品
とした場合の耐熱性が損なわれ、また70wt%を越え
る場合には柔軟性が損なわれるために好ましくない。柔
軟性および耐熱性を勘案すると、C成分は15〜50w
t%の範囲であることが好ましい。
の溶出曲線における10℃ごとに区分された各溶出量が
少なくとも3wt%である必要がある。即ち、30℃以
上40℃未満、40℃以上50℃未満、50℃以上60
℃未満、60℃以上70℃未満の4つの温度区分におけ
る各溶出量が少なくとも3wt%である必要がある。さ
らに、各温度区分の溶出量はそれぞれ3.5wt%以上
であることが好ましい。非晶性であるA成分と結晶性で
あるC成分との中間成分は、これら両成分の相溶性を向
上させるという作用を有する。その中間成分がB成分の
ように上記した各温度区分における溶出量を有しておれ
ば、A成分とB成分との相溶性をより一層向上させるこ
とができ、その結果、優れた透明性、引張伸度、光沢、
引張伸度が発揮されるものと考えられる。
ける溶出量が3wt%未満の場合、透明性、引張伸度、
光沢、引張伸度に優れた共重合体組成物が得られないた
めに好ましくない。さらに、本発明の共重合体組成物
は、B成分において温度の上昇に伴って積算溶出量が漸
増する連続した溶出曲線となっていることが好ましい。
このことはある温度における溶出量が常に一定量存在す
ることを意味する。
に限定されるものではないが、例えば、以下の方法で得
ることができる。
び/またはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.電子供与体 D.一般式(i) R−I (i) (但し、Rはヨウ素原子または炭素原子数1〜7のアル
キル基またはフェニル基である。)で示されるヨウ素化
合物の存在下にプロピレンを重合した後、重合系中のエ
チレン濃度を連続的または多段階に変化させてプロピレ
ンとエチレンのランダム共重合を行い、さらに、エチレ
ン濃度をほぼ一定にしてプロピレンとエチレンとのラン
ダム共重合を行う方法である。
重合に使用されることが公知のチタン化合物が何ら制限
なく採用される。この触媒の製法は、公知の方法が何ら
制限なく採用される。例えば、特開昭56−15520
6号公報、同56−136806、同57−3410
3、同58−8706、同58−83006、同58−
138708、同58−183709、同59−206
408、同59−219311、同60−81208、
同60−81209、同60−186508、同60−
192708、同61−211309、同61−271
304、同62−15209、同62−11706、同
62−72702、同62−104810等に示されて
いる方法が採用される。具体的には、例えば、四塩化チ
タンを塩化マグネシウムのようなマグネシウム化合物と
共粉砕する方法、アルコール、エーテル、エステル、ケ
トン又はアルデヒド等の電子供与体の存在下にハロゲン
化チタンとマグネシウム化合物とを共粉砕する方法、又
は溶媒中でハロゲン化チタン、マグネシウム化合物及び
電子供与体を接触させる方法が挙げられる。
他に公知のα、β、γまたはδ−三塩化チタンも好適に
用いられる。これらのチタン化合物の調製方法は、例え
ば、特開昭47−34478号公報、同50−1265
90、同50−114394、同50−93888、同
50−123091、同50−74594、同50−1
04191、同50−98489、同51−13662
5、同52−30888、同52−35283等に示さ
れている方法が採用される。
レフィンの重合に使用されることが公知の化合物が何ら
制限なく採用される。例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−nプロピルアルミ
ニウム、トリ−nブチルアルミニウム、トリ−iブチル
アルミニウム、トリ−nヘキシルアルミニウム、トリ−
nオクチルアルミニウム、トリ−nデシルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類;ジエチルアルミニウ
ムモノクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド等
のジエチルアルミニウムモノハライド類;メチルアルミ
ニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキク
ロライド、エチルアルミニウムジクロライド等のアルキ
ルアルミニウムハライド類などが挙げられる。他のモノ
エトキシジエチルアルミニウム、ジエトキシモノエチル
アルミニウム等のアルコキシアルミニウム類を用いるこ
とができる。
の立体規則性改良に使用されることが公知の化合物が何
ら制限なく採用される。例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール、イソプロピルアルコール、イソ
アミルアルコールなどのアルコール類;フェノール、ク
レゾール、クミルフェノール、キシレノール、ナフトー
ルなどのフェノール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン、ベンゾフェノンなどのケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアル
デヒドなどのアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸
エチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、安息香酸エチル、トル
イル酸メチル、アニス酸メチル、フタル酸エチル、炭酸
メチル、ブチロラクトンなどの有機酸エステル類;ケイ
酸エチル、フェニルトリエトキシシランなどのケイ酸エ
ステル類;メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロ
ピルエーテル、イソアミルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ルなどのエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、マ
レイン酸アミドなどのアミド類等の含酸素電子供与体:
メチルアミン、エチルアミン、ピペリジン、ピリジン、
アニリンなどのアミン類;アセトニトリル、ベンゾニト
リルなどのニトリル類;イソシアナート等の含窒素電子
供与体:含硫黄電子供与体:および含リン電子供与体な
どをあげることができる。
〔A〕、有機アルミニウム化合物〔B〕及び電子供与体
〔C〕に加えて、一般式(i)で示されるヨウ素化合物
〔D〕を用いると、得られる共重合体粒子に高流動性を
付与できるメリットがあるためしばしば好適である。
具体的に示すと次のとおりである。例えば、ヨウ素、ヨ
ウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブ
チル、ヨードベンゼン、p−ヨウ化トルエン等である。
特にヨウ化メチル、ヨウ化エチルは好適である。
における本重合に先立ち、同成分の存在下においてプロ
ピレンの予備重合を行なうことが、得られる共重合体の
粒子性状を高流動性とすることができるために好適であ
る。
て使用される〔C〕及び/または〔D〕の各成分の予備
重合での使用量は、触媒の種類、重合の条件に応じて異
なるため、これらの各条件に応じて最適の使用量を予め
決定すればよい。一般的に好適に使用される範囲を例示
すれば下記の通りである。
用割合はチタン化合物〔A〕に対してA1/Ti(モル
比)で0.1〜100、好ましくは0.1〜20の範囲
が、また必要に応じて使用される電子供与体〔C〕の使
用割合はチタン化合物〔A〕に対して〔C〕/Ti(モ
ル比)で0.01〜100、好ましくは0.01〜10
の範囲がそれぞれ好適である。また、必要に応じて使用
されるヨウ素化合物〔D〕の使用割合はチタン化合物
〔A〕に対してI/Ti(モル比)で0.1〜100、
好ましくは0.5〜50の範囲が好適である。
する予備重合量は、予備重合条件等によって異なるが、
一般に0.1〜500g/g・Ti化合物、好ましくは
1〜100g/g・Ti化合物の範囲から選べば十分で
ある。また予備重合で使用するプロピレンはプロピレン
単独のモノマーを使用するのが得られる共重合体の粒子
性状の制御面で好適であるが、該共重合体の物性に悪影
響を及ぼさない範囲で、例えば5モル%以下の他のα−
オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1等を混合
することとは許容されうる。また、各予備重合の段階で
水素を共存させることも可能である。
るのが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭化
水素若しくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの混
合溶媒を用いることができる。該予備重合温度は、−2
0〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましい。予備
重合時間は、予備重合温度及び予備重合での重合量に応
じ適宜決定すればよく、予備重合における圧力は限定さ
れるものではないが、スラリー重合の場合は、一般に大
気圧〜5kg/cm2G程度である。該予備重合は、回
分、半回分、連続のいずれの方法で行ってもよい。
る。本重合は前記予備重合で得られた触媒含有予備重合
体の存在下に、まずプロピレンの重合を経て、次はプロ
ピレン−エチレンのランダム共重合がそれぞれ実施され
る。またプロピレンの重合を行う前に他のα−オレフィ
ン、例えば1−ブテンの重合を施すことが、得られる共
重合体の粒子性状が向上するために、しばしば好適とな
る。
記予備重合で使用したのと同じ触媒成分及びその組み合
わせ又は、本重合工程で化学的変性を施して使用すると
よい。また各触媒成分は予備重合時に添加されたものを
そのままの状態で使用することも出来るが、一般にはチ
タン化合物以外は本重合時に新たに添加して調節するの
が好ましい。
物は、前述の予備重合に用いたものが使用できる。有機
アルミニウム化合物の使用量は触媒含有予備重合体中の
チタン原子に対し、A1/Ti(モル比)で、1〜10
00、好ましくは2〜500である。
もまた既述の化合物が何ら制限なく採用される。本重合
で用いる電子供与体の使用量は触媒含有予備重合体中の
Ti原子に対し〔C〕/Ti(モル比)で0.001〜
1000、好ましくは0.1〜500である。更にまた
必要に応じて使用されるヨウ素化合物は触媒含有予備重
合体中のチタン原子に対してI/Ti(モル比)で0.
1〜100好ましくは0.5〜50である。
ンの重合が実施される。プロピレンの重合は、プロピレ
ンと5モル%までの許容され得るα−オレフィンの混合
物を供給して実施すればよい。該プロピレンの重合条件
を例示すると、重合温度は、共重合体の嵩比重を大きく
するためになるべく低温で行うのが好ましく、例えば、
80℃以下、さらに20〜70℃の範囲から採用するこ
とが好適である。また必要に応じて分子量調節剤として
水素を共存させることもできる。更にまた、重合はプロ
ピレン自身を溶媒とするスラリー重合、気相重合、溶液
重合等のいずれの方法でもよい。プロセスの簡略性、更
には、反応速度、また生成する共重合体の粒子性状を勘
案するとプロピレン自身を溶媒とするスラリー重合が最
も好ましい態様である。重合形式、回分式、半回分式、
連続式のいずれの方法でもよく、更に重合を条件の異な
る2段以上に分けて行なうこともできる。
合が行われる。プロピレンとエチレンのランダム共重合
は前段と後段に分けられ、前段では重合系中のエチレン
濃度を連続的または多段階に変化させてプロピレンとエ
チレンのランダム共重合が行われ、後段では、エチレン
濃度をほぼ一定にした通常のプロピレンとエチレンとの
ランダム共重合が行われる。
本発明の共重合体組成物のB成分に該当する。このB成
分は前述のように昇温溶離分別法により、30℃以上7
0℃未満での溶出成分であり、この温度範囲において1
0℃ごとに区分された各温度区分における溶出量が少な
くとも3wt%である成分である。したがって、前段の
ランダム共重合は、上記したようなB成分となるように
重合系中のエチレン濃度を連続的または多段階に変化さ
せて重合が行われる。
に導入され、後段のランダム共重合において重合系中で
の濃度がほぼ一定の値となる。したがって、前段のラン
ダム共重合は、プロピレンの重合と後段のランダム共重
合の過渡段階に相当し、この過渡段階においてエチレン
が重合系中に導入され、後段のランダム共重合における
エチレン濃度に至るまでその濃度が連続的または多段階
的に変化させられるのである。この過渡段階におけるエ
チレン濃度の変化のさせかたは特に制限されず、プロピ
レンとエチレンの共重合速度を勘案してエチレンの供給
速度を連続的に上昇させることによってエチレン濃度を
連続的に上昇させ、後段のランダム共重合におけるエチ
レン濃度に到達させる方法、又はエチレンの供給速度を
連続的に上昇と下降を繰り返してエチレン濃度を連続的
に上昇および下降させる方法、また、エチレンの供給速
度を上昇させるか又は上昇と下降を組み合わせてエチレ
ン濃度を多段階に上昇させるか又は上昇と下降を繰り返
しながら後段のランダム共重合におけるエチレン濃度に
到達させてもよい。
させる方法におけるエチレンの供給速度は、プロピレン
とエチレンの共重合速度を勘案すると、ガスクロマトグ
ラフで確認される気相中のエチレン濃度で一般には0.
1〜3mol%/10分、好ましくは0.2〜2mol
%/10分の範囲から採用することが、昇温溶離分別法
におけるB成分の10℃毎の温度区分の溶出量を本発明
で特定した量とするために好適である。また、エチレン
の供給速度を多段階に上昇させる方法においては、少な
くとも4段階に分けてエチレン濃度を上昇させることが
上記と同様の理由により好適である。
レンの供給は、最終的なプロピレンとエチレンの共重合
組成が、プロピレンに基づく単量体単位20〜90モル
%、エチレンに基づく単量体単位80〜10モル%とな
るように行えば良い。
は、前記プロピレンの重合条件に等しく、80℃以下、
好ましくは、20〜70℃の範囲から採用される。ま
た、必要に応じて分子量調節剤として、水素を用いるこ
ともできる。この場合、本発明の効果を更に向上するた
めに、前記プロピレンの重合で得られた成分の重量平均
分子量と本工程での重量平均分子量の比が、0.5〜
2.0となるように調節することがしばしば好ましい態
様となる。
半回分式、連続式のいずれの方法でもよく、重合を多段
階に分けて実施することもできる。また、本工程の重合
は、スラリー重合、気相重合、溶液重合のいずれの方法
を採用しても良い。
は、エーテル、アミン、アミド、含硫黄化合物、ニトリ
ル、カルボン酸、酸アミド、酸無水物、酸エステルなど
の電子供与体を共存させることができる。
を蒸発させ粒子状の共重合体を得ることができる。この
粒子状共重合体は、炭素数7以下の炭化水素で公知の洗
浄又は向流洗浄を行うことができる。
の流動性を向上させて取り扱いを良好にするために、共
重合体を超高分子量、例えば、重量平均分子量を80万
〜400万とすることが好ましい。そして、重合後にこ
れを有機過酸化物の存在下に溶融混練して分子量を調節
する方法が好適である。溶融混練を行うにあたり、共重
合体と有機過酸化物が混合されるが、その混合方法は特
に制限されない。例えば、ブレンダ、ミキサー等の混合
機を用いて機械的に混合する方法、有機過酸化物を適当
な溶剤に溶解させて共重合体に付着させ、該溶剤を乾燥
することによって混合する方法等がある。
でかつ有機過酸化物の分解温度以上の温度が採用され
る。しかし、あまり加熱温度が高いとポリマーの熱劣化
を招く。一般に該溶融温度は、170〜300℃、特
に、180〜250℃の範囲内に設定することが好まし
い。
が一般に使用される。代表的な有機過酸化物としては、
メチルエチルパーオキサイド、メチルイソブチルパーオ
キサイド等のパーオキサイド;イソブチリルパーオキサ
イド、アセチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサ
イド;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、その他のハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)
ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド;1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン、その他のパー
オキシケタール;t−ブチルパーオキシアセテート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエス
テル;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、その他のパーカーボネート等を挙げられる。前記有
機過酸化物の使用量は、得られる共重合体のメルトイン
デックスの設定値等によって異なり一概に決定されない
が、共重合体100重量部に対して0.001〜1.0
重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部が一般的で
ある。
合体組成物のメルトインデックスは0.01〜100g
/minであり、この時の分子量分布はGPCで測定し
た重量平均分子量と数平均分子量との比(パーMw/パ
ーMn)で、4.0以下、好ましくは3.0以下であ
る。
剤、顔料、分散剤、造核剤等の添加剤及び無機フィラー
等を含有させることができる。
は、柔軟性、透明性、光沢、引張伸度に優れており、従
来の熱可塑性エラストマーが用いられている種々の分野
に好適に用いることができる。例えば、射出成形分野で
は自動車部品に於けるバンパー、マッドガード、ランプ
パッキン類、また、家電部分に於いては、各種パッキン
類、及びスキーシューズ、グリップ、ローラースケート
類が挙げられる。一方、押出成形分野では、各種自動車
内装材、家電・電線材として各種絶縁シート、コード、
ケーブル類の被覆材料及び土木建材分野における防水シ
ート、止水材、目地材等に好適に用いることができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の実施例に於いて用いた測定方法について
説明する。
い、以下の測定条件により行った。
0mesh カラム冷却速度;1.5℃/H 2)メルトフローレイト(以下MIと略す) ASTM D−1238に準拠した。
トロメーターを用いて測定した。
ー)法により測定した。ウォーターズ社製GPC−15
0Cによりo−ジクロロベンゼンを溶媒として135℃
で行った。用いたカラムは東ソー製TSK−gel G
MH6−HT、ゲルサイズ10〜15μである。較正曲
線は標準試料として、重量平均分子量が950、290
0、1万、5万、49.8万、270万、490万のポ
リスチレンを用いて作成した。
測定した。
K6714に準拠した。
製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した
後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を2
0℃に保ち、ジエチレングリコールジメチルエーテル
0.18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、ジ
エチルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び
三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−1
7」)22.7mmolを加えた後、プロピレンを三塩
化チタン1g当り3gとなる様に30分間連続的に反応
器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持し
た。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガ
スで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレン
を精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化チ
タン1g当り2.9gのプロピレンが重合されていた。
オートクレーブに、液体プロピレンを1リットル、ジエ
チルアルミニウムクロライド0.70mmolを加え、
オートクレーブの内温を55℃に昇温した。チタン含有
ポリプロピレンを三塩化チタンとして0.087mmo
l加え、55℃で30分間のプロピレンの重合を行っ
た。この間水素は用いなかった(工程1)。次いでエチ
ルアルミニウムセスキエトキシド(Et3 Al2(OE
t)3)0.50mmol、及びメタクリル酸メチル
0.014mmolの混合溶液を加え、エチレンを供給
し、気相中のエチレンガス濃度をガスクロマトグラフで
確認しながら2mol%/10minの速度で上昇させ
最終的に12mol%となる様にエチレンの供給を行な
い60分間の重合を行った(工程2)。更に55℃で気
相中のエチレンガス濃度が12mol%を維持する様に
エチレンの供給を行い60分間の重合を行った(工程
3)。
合体120gを得た。得られた顆粒状の共重合体を、プ
ロピレンオキサイド−H2O混合溶液と接触させ、70
℃で1時間乾燥した。次に、酸化防止剤、熱安定剤、塩
素捕捉剤を添加して、混合した後、更に有機過酸化物と
して、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)−ベンゼンを0.10wt%添加し、20mmφ
押出機を用い250℃で押出してペレットを得た。結果
を表1に示した。また、図1に昇温溶離分別法による溶
出曲線を示した。これはB成分において温度の上昇に伴
って積算溶出量が漸増する連続した溶出曲線となってい
る。
ガス濃度を、1mol%/10minの速度で上昇させ
6mol%となる様に60分間の重合を行ない、工程3
として、55℃で気相中のエチレンガス濃度が6mol
%を維持する様に60分間の重合を行った以外は実施例
1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。また、
図2に昇温溶離分別法による溶出曲線を示した。実施例
1と同様にB成分において温度の上昇に伴って積算溶出
量が漸増する連続した溶出曲線となっている。
ガス濃度を10mol%/10minの速度で上昇する
様にエチレンの供給を行い、12分間の重合を行った以
外は実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示し
た。また、図3に昇温溶離分別法による溶出曲線を示し
た。
を70℃で120分間行った以外は、実施例1と同様の
操作を行った。結果を表1に示した。得られた共重合体
の昇温溶離分別法による溶出曲線は、実施例1と同様に
B成分において温度の上昇に伴って積算溶出量が漸増す
る連続した溶出曲線となっている。
を10mol%/10minの速度で上昇する様にエチ
レンの供給を行ない、12分間の重合を行った以外は実
施例3と同様の操作を行った。
ロピレンを1リットル、。ジエチルアルミニウムクロラ
イドを0.70mmol加え、オートクレーブの内温を
55℃に昇温した。実施例1の予備重合で得られたチタ
ン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして0.087
mmol加え、55℃で30分間のプロピレンの重合を
行った。この間水素は使用しなかった。
シド0.50mmol、及びメタクリル酸メチル0.0
14mmolの混合溶液を加え、エチレンを供給して気
相中のエチレンガス濃度をガスクロマトグラフで確認し
ながら10mol%/10分の速度で5分間供給を行っ
て5mol%とし、5mol%を維持するようにエチレ
ンの供給を続けながら50分の重合を行った。
で7分間でエチレン濃度を上昇させて12mol%と
し、12mol%を維持するようにエチレンの供給を続
けながら60分間の重合を行った。結果を表1に示し
た。
ルとした以外は実施例1と同様の操作を行った。得られ
た共重合体の昇温溶離分別法による溶出曲線は、実施例
1と同様にB成分において温度の上昇に伴って積算溶出
量が漸増する連続した溶出曲線となっている。
キシイソプロピル)−ベンゼンを、0.20wt%、及
び0.30wt%とした以外は実施例1と同様の操作を
行った。得られた共重合体の昇温溶離分別法による溶出
曲線は、いずれも実施例1と同様にB成分において温度
の上昇に伴って積算溶出量が漸増する連続した溶出曲線
となっている。
ク共重合体組成物の昇温溶離分別法の溶出曲線である。
ク共重合体組成物の昇温溶離分別法の溶出曲線である。
ク共重合体組成物の昇温溶離分別法の溶出曲線である。
Claims (1)
- 【請求項1】メルトフローレイトが0.01〜100g
/10minであり、エチレン含有量が10〜50モル
%であり、昇温溶離分別法により分別された、横軸を温
度(℃)、縦軸を積算重量割合(wt%)で表した溶出
曲線に於いて、30℃未満での溶出成分(A成分)が2
0〜80wt%、30℃以上70℃未満での溶出成分
(B成分)が15〜75wt%、70℃以上での溶出成
分(C成分)が5〜70wt%であり、且つ、B成分の
溶出曲線における10℃ごとに区分された各溶出量が少
なくとも3wt%であることを特徴とするプロピレンエ
チレンブロック共重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26220393A JP3240589B2 (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | プロピレンエチレンブロック共重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26220393A JP3240589B2 (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | プロピレンエチレンブロック共重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07118354A true JPH07118354A (ja) | 1995-05-09 |
JP3240589B2 JP3240589B2 (ja) | 2001-12-17 |
Family
ID=17372517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26220393A Expired - Fee Related JP3240589B2 (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | プロピレンエチレンブロック共重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3240589B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008782A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 熱可塑性エラストマーの発泡成形方法及び発泡成形体 |
-
1993
- 1993-10-20 JP JP26220393A patent/JP3240589B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006008782A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 熱可塑性エラストマーの発泡成形方法及び発泡成形体 |
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---|---|
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