JPH07118307A - (メタ)アクリル酸エステルの重合抑制方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの重合抑制方法

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JPH07118307A
JPH07118307A JP28748493A JP28748493A JPH07118307A JP H07118307 A JPH07118307 A JP H07118307A JP 28748493 A JP28748493 A JP 28748493A JP 28748493 A JP28748493 A JP 28748493A JP H07118307 A JPH07118307 A JP H07118307A
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acrylate
acrylic acid
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glycol
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Hiroto Naruoka
宏人 成岡
Kunihiko Suzuki
邦彦 鈴木
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エス
テルモノマー、(メタ)アクリル酸エステルオリゴマ
ー、又はこれらを含有する組成物に重合が発生した場合
に、重合反応を充分に抑制することができる方法を提供
する。 【構成】(メタ)アクリル酸、そのエステル又はこれら
の1種以上を含有する組成物に重合が発生した場合に、
(メタ)アクリル酸、そのエステル又はこれらの1種以
上を含有する組成物に対して300ppm〜5重量%と
なる量のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩
を、その溶液として添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリ
ル酸エステルオリゴマー、又はこれらを含有する組成物
に重合が発生した場合の、重合抑制方法に関するもので
あり、(メタ)アクリル酸やそのエステルを製造する業
界、或いはこれらを使用する業界で広く賞用され得るも
のである。尚、本明細書においては、アクリル酸又はメ
タクリル酸を(メタ)アクリル酸と、アクリル酸エステ
ル又はメタクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸エス
テルと、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メ
タ)アクリロイル基、アクリレート又はメタクリレート
を(メタ)アクリレートという。又、(メタ)アクリル
酸とそのエステルを(メタ)アクリル酸化合物といい、
(メタ)アクリル酸エステルという用語には、(メタ)
アクリル酸エステルモノマー又は/及び(メタ)アクリ
ル酸エステルオリゴマーが含まれる。
【0002】
【従来の技術及び問題点】(メタ)アクリル酸化合物を
製造し又は貯蔵する場合、(メタ)アクリル酸化合物か
らなる組成物を製造し又は貯蔵する場合等において、種
々の原因により急激な重合反応が発生することがある。
このような重合反応が一旦発生すると、重合熱により比
較的低沸点分が蒸発して反応器或いは混合器等(以下単
に混合器という)の内部が加圧状態になり、混合器が加
圧に耐えられない場合にはこれらの破壊を引き起こし、
最悪の場合には爆発・事故につながる可能性がある。
又、混合器の破壊までに至らない場合でも、(メタ)ア
クリル酸化合物或いはこれを含有する組成物の全てが樹
脂化してしまい、目的物が得られないばかりか、混合器
内壁から重合物を取り除き、さらに混合器を洗浄すると
いった煩雑な操作が必要となるため、重合反応を抑制す
る方法が検討されている。このような(メタ)アクリル
酸化合物又はこれを含有する組成物の重合反応を抑制す
る方法としては、重合が発生した場合に、混合器を放水
等により外部冷却する方法や、ヒドロキノン、ヒドロキ
ノンモノメチルエーテル又はフェノチアジン等を添加す
る方法が知られている。しかしながら、これらの方法で
は、(メタ)アクリル酸化合物の重合反応を充分に抑制
することができなかった。
【0003】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
現状に鑑み鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸化合
物又はこれを含有する組成物に重合反応が発生した場
合、特定の化合物を含む溶液を特定量添加することが有
効であることを見い出し本発明を完成した。即ち、(メ
タ)アクリル酸、そのエステル又はこれらの1種以上を
含有する組成物に重合が発生した場合に、(メタ)アク
リル酸、そのエステル又はこれらの1種以上を含有する
組成物に対して300ppm〜5重量%となる量のN−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩を、その溶液と
して添加することを特徴とする(メタ)アクリル酸エス
テルの重合抑制方法に関する。以下に本発明を詳細に説
明する。
【0004】本発明の重合抑制方法は、(メタ)アクリ
ル酸化合物を製造する場合、種々の(メタ)アクリル酸
化合物とその他の成分を混合して組成物を製造する場
合、又は(メタ)アクリル酸化合物或いはこれを含有す
る組成物を貯蔵する場合等において適用される。本発明
は、(メタ)アクリル酸エステルを製造する場合の、特
に重合が発生し易い脱溶剤工程において、又は種々の
(メタ)アクリル酸エステル及びその他の成分を混合し
て組成物を製造する場合に好ましく適用できる。
【0005】本発明において適用可能な(メタ)アクリ
ル酸化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリロイル基を1個有する(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリロイル基を2個有する(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリロイル基を3個以上有する(メタ)
アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、
エポキシアクリレート、カルボキシル基を有する(メ
タ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレート等
の種々の(メタ)アクリレートモノマー又は(メタ)ア
クリレートオリゴマーが挙げられる。
【0006】(メタ)アクリロイル基を1個有する(メ
タ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及
び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキ
ル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイ
ド変性(メタ)アクリレート、フェノールプロピレンオ
キサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノール
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニル
フェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレ
ート等のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート及びテトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0007】(メタ)アクリロイル基を2個有する(メ
タ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−
ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド付加
物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレ
ンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)
アクリレート、水添ビスフェノールAエチレンオキサイ
ド変成ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA
プロピレンオキサイド付加物の付加物ジ(メタ)アクリ
レート及びペンタエリスリトールージアクリレートモノ
ステアレート等が挙げられる。
【0008】(メタ)アクリロイル基を3個以上有する
(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキ
サイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリン
トリ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキ
サイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリン
のプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物
のテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
のプロピレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)
アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メ
タ)アクリレート及びイソシアヌール酸のエチレンオキ
サイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0009】水酸基を有する(メタ)アクリレートとし
ては、2価以上の多価アルコールと(メタ)アクリル酸
より製造される部分化合物化物等が挙げられる。この具
体例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−
ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,9−
ノナンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルのエチレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールのプロピレンオキサイド
付加物のモノ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の
モノ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエ
チレンオキサイド付加物のモノ(メタ)アクリレート、
水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の
モノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アク
リレート、グリセリンのエチレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリレート、グリセリンのプロピレンオキサ
イド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキサイド
付加物のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールの
エチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加
物のトリ(メタ)アクリレート及びジトリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0010】エポキシ(メタ)アクリレートの具体例と
しては、ブチルグリシジルエーテルのエポキシ(メタ)
アクリレート、フェニルグリシジルエーテルのエポキシ
(メタ)アクリレート、アルキル置換フェニルグリシジ
ルエーテルのエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェ
ノールA型エポキシ化合物のモノ又はジ(メタ)アクリ
レート、フェノールノボラック型エポキシ化合物のモノ
又はジ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型
エポキシ化合物のモノ又はジ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。
【0011】カルボキシル基を有する(メタ)アクリレ
ートとしては、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ
(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー等が挙げら
れる。
【0012】ウレタン(メタ)アクリレートとしては、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール
モノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール
モノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール
モノ(メタ)アクリレート及び1,9−ノナンジオール
モノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートとヘキサメチレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニ
ルメタンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネ
ート等の有機ジイソシアネートから製造されるウレタン
(メタ)アクリレート等が挙げられる。この他に、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン及びペンタ
エリスリトール等のポリオール、又はジエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリジプロピレングリコール等のポリアルキレング
リコールに上記有機ジイソシアネートを反応させ、さら
に上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを反応
させて得られるウレタン(メタ)アクリレートや、上記
ポリオールにマロン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル
酸及びヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボン酸を反応
させて得られるポリ化合物ポリオールに、上記有機ジイ
ソシアネートを反応させ、さらに上記ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートを反応させて得られるウレタン
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0013】本発明においては、(メタ)アクリル酸化
合物又はこれを含有する組成物に重合が発生した場合
に、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン塩を含む
溶液(以下重合抑制溶液という)を添加する。N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミン塩の添加割合として
は、(メタ)アクリル酸化合物又はこれを含有する組成
物に対して300ppm〜5重量%でなければならず、
好ましくは500ppm〜2重量%である。300pp
mに満たない場合は、重合抑制効果が得られず、他方5
重量%を越える場合には、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミン塩が組成物に溶解し難くなる。N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミン塩としては、N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンのアルカリ土類金属塩、
アルミニウム塩及びアンモニウム塩等を挙げることがで
き、重合抑制効果が優れるためアルミニウム塩又はアン
モニウム塩を使用することが好ましい。重合抑制溶液に
使用可能な溶剤としては、異常重合により系が高温にな
る恐れがあるため、高沸点を有し、N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミン塩及び(メタ)アクリル酸化合物
又はこれを含有する組成物の溶解性に優れるものが好ま
しい。具体的には、沸点が200℃以上のものが系内の
温度が上昇しても圧力が上昇しにくいため好ましく、エ
チルカルビトールアセテート(217℃、以下括弧内の
数字は沸点を示す)、ブチルカルビトールアセテート
(247℃)、ジエチレングリコール(244℃)、ジ
エチレングリコールアセテート(250℃)、トチエチ
レングリコール(278℃)、ジプロピレングリコール
(231℃)等が挙げられる。重合抑制溶液中のN−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミン塩の濃度としては、
0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは2〜1
5%である。0.1重量%に満たない場合は、多量の重
合抑制溶液を使用しないと効果が充分でなく、他方20
重量%を越える場合には、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミン塩が溶剤に溶解し難くなる。重合抑制溶液
の添加量は、(メタ)アクリル酸化合物又はこれを含有
する組成物に対して、N−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミン塩の量が300ppm〜5重量%となる量であ
り、好ましくは500ppm〜2重量%となる量であ
る。
【0014】重合抑制溶液の投入時期としては、(メ
タ)アクリル酸化合物に重合が発生した直後、又は重合
が発生した後のできるだけ早い時期が好ましい。本発明
においては、この重合発生を早期に検知することが、重
合抑制効果を高めることができるため重要である。重合
の発生は、(メタ)アクリル酸化合物又はこれを含有す
る組成物の温度上昇又は粘度上昇により検知することが
できる。重合の発生を示す温度又は粘度は、本発明を適
用する系によって異なるが、一般には、温度が(メタ)
アクリル酸化合物を製造する場合の目的の反応温度、
(メタ)アクリル酸化合物を混合して組成物を製造する
場合の目的の混合温度、又は(メタ)アクリル酸化合物
或いはこれを含有する組成物を貯蔵する場合の貯蔵温度
等(以下これらを所定値という)よりも5〜20℃上昇
した点を「異常」と判断し、又は上記のそれぞれの状態
において(メタ)アクリル酸化合物或いはこれを含有す
る組成物の粘度が、通常の粘度(以下これらを所定値と
いう)よりも20%以上上昇した点を「異常」と判断す
ればよい。従って、重合抑制溶液の投入温度としては、
(メタ)アクリル酸化合物又はこれを含有する組成物の
温度が、所定値よりも5〜20℃上昇する前に、又は粘
度が所定値よりも20%上昇する前に投入することが好
ましい。該温度を越える温度又は該粘度を越える粘度で
重合抑制溶液の投入すると、重合の抑制効果が薄れる。
重合抑制溶液の投入の際には、対象物の攪拌を十分に行
うなうこと、及び混合器の冷却を併用することが重合抑
制効果を高めることができるため好ましい。
【0015】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげて、本発明
をより具体的に説明する。尚、以下において、部は重量
部を意味し、%は重量%を意味する。
【0016】実施例1 攪拌器を備えたセパラブルフラスコに、フタル酸モノヒ
ドロキシエチルアクリレート〔アロニックスM−540
0、東亞合成化学(株)製〕50部、トリプロピレング
リコールジアクリレート〔アロニックスM−220、東
亞合成化学(株)製〕40部、レベリング剤〔日本ユニ
カー(株)製〕5部及び光開始剤であるイルガキュアー
184〔日本チバガイギー(株)製〕5部からなる組成
物(以下組成物Aという)を250g仕込んだ。この中
にロンガリット0.75g(組成物に対して0.3%)
を攪拌下に添加し、オイルバスを使用して加熱し、内温
を55〜56℃に維持した。この液に、パーブチルハイ
ドロオキサイド0.75g(組成物に対して0.3%)
を添加したところ、液温の異常上昇が認められたので、
温度が70℃に達した時点で、オイルバスを外し、N−
ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩〔Q
−1301,和光純薬(株)社製〕を10%溶解させた
エチルカルビトールアセテート溶液18.5gを添加
し、温度変化及び組成物の液の状態を観測した。この結
果を、表1に示す。
【0017】実施例2 組成物として、ポリ化合物ポリオールのウレタンアクリ
レート〔アロニックスM−1310、東亞合成化学
(株)製〕30部、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート〔アロニックスM−305、東亞合成化学(株)
製〕30部、N−ビニル−2−ピロリドン30部、30
部及び光開始剤であるイルガキュアー651〔日本チバ
ガイギー(株)製〕10部からなる組成物(以下組成物
Bという)を使用した以外は、実施例1と同様に評価を
行った。この結果を表1に示す。
【0018】実施例3 組成物として、エポキシアクリレート〔SP−150
9、昭和高分子(株)製〕30部、トリメチロールプロ
パントリアクリレート〔アロニックスM−309、東亞
合成化学(株)製〕40部、ノニルフェノールエチレン
オキサイド変性アクリレート20部及び光開始剤である
ダロキュアー651〔メルクジャパン(株)製〕10部
からなる組成物(以下組成物Cという)を使用した以外
は、実施例1と同様に評価を行った。この結果を表1に
示す。
【0019】
【表1】 1)NPHA:N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン
アルミニウム塩 2)ECaA:エチルカルビトールアセテート
【0020】比較例1〜9 N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩
の代わりに、表2に示した重合禁止剤を使用し、又一部
の例においては溶剤の種類も変えた以外は、実施例1〜
3と同様に評価を行った。その結果を表2に示す。
【0021】
【表2】 1)DEG :ジエチレングリコール 2)ECaA:エチルカルビトールアセテート
【0022】
【発明の効果】本発明の(メタ)アクリル酸エステルの
重合抑制方法によれば、(メタ)アクリル酸化合物又は
これを含有する組成物に重合が発生した場合、簡便な方
法により速やかに該組成物の重合を抑制することがで
き、混合器の破壊或いは爆発等による事故を未然に防ぐ
ことができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリル酸、そのエステル又はこ
    れらの1種以上を含有する組成物に重合が発生した場合
    に、(メタ)アクリル酸、そのエステル又はこれらの1
    種以上を含有する組成物に対して300ppm〜5重量
    %となる量のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
    塩を、その溶液として添加することを特徴とする(メ
    タ)アクリル酸エステルの重合抑制方法。
JP28748493A 1993-10-22 1993-10-22 (メタ)アクリル酸エステルの重合抑制方法 Pending JPH07118307A (ja)

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