JPH07118301A - 微生物セルロース分散物 - Google Patents

微生物セルロース分散物

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JPH07118301A
JPH07118301A JP26483193A JP26483193A JPH07118301A JP H07118301 A JPH07118301 A JP H07118301A JP 26483193 A JP26483193 A JP 26483193A JP 26483193 A JP26483193 A JP 26483193A JP H07118301 A JPH07118301 A JP H07118301A
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JP
Japan
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dispersion
cellulose
average
microbial cellulose
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Application number
JP26483193A
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English (en)
Inventor
Sadanori Hori
禎憲 堀
Shinya Hioki
信也 火置
Otohiko Watabe
乙比古 渡部
Yasushi Morinaga
康 森永
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Bio Polymer Research Co Ltd
Original Assignee
Bio Polymer Research Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 微生物セルロースを物理的に処理することに
より得られるセルロース分散物であって、分散処理前の
セルロースの平均FL値よりも大きいか又は同じ平均F
L値を有するセルロース分散物。分散処理前のセルロー
スに対し1.5〜1.7倍の数平均FL値、1.6〜
2.2倍の長さ加重平均FL値及び1.5〜1.9倍の
重さ加重平均FL値を有する微生物セルロース分散物。
沈降圧縮度が0.27〜0.37である微生物セルロー
ス分散物。数平均FL値が0.28〜0.32mm、長
さ加重平均FL値が0.55〜0.74mm、重さ加重
平均FL値が0.84〜1.04mmである微生物セル
ロース分散物。 【効果】 微生物セルロースの紙力増強効果を大幅に改
良することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微生物の産生するセルロ
ースの分散物に関する。より詳しくは、紙力増強効果に
優れた微生物セルロースの分散物に関する。
【0002】
【従来の技術】微生物セルロースには多くの用途が提案
されている。例えば特開昭62−36467号公報に記
載されているように、紙力増強の目的で製紙用に使用さ
れる。また、例えば特開昭62−294047号公報に
記載のように、固形食品の安定剤として使用される。
【0003】微生物セルロースは、培養生産された時点
ではセルロースのミクロフィブリルが複雑に絡み合った
状態にある。絡み合ったセルロースのミクロフィブリル
を個々に分離、分散したものが微生物セルロース分散物
である。
【0004】従来、培養により産生した微生物セルロー
スは、ミキサー等により機械的な剪断力を加えることに
よって分散物としていた。例えば、特開昭61−113
601号公報には、微生物の産生するゲル様セルロース
性物質に機械的剪断力を作用させ分散することが記載さ
れている。機械的な剪断は、具体的には回転式の離解
機、ミキサー及びホモジナイザーを用いて行い得ること
が示されている。この分散法によって得られた微生物セ
ルロース分散物は優れた水系での分散性及び保水性を有
している。特開平5−51885号公報には、乾燥状態
のバクテリアセルロースに高速剪断力を加え分散する方
法が記載されている。高速剪断は、回転式のミキサー、
ホモジナイザー、ホモミキサー等の装置で行い得、更に
高圧ホモジナイザー、ビーター、ダブルディスクリファ
イナー、ジョルダン等の装置も併用し得ることが示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】微生物セルロースを製
紙用に利用する場合、微生物セルロースは植物セルロー
スに比べ価格が高いため、より少ない量の微生物セルロ
ースの使用により充分な紙力増強効果を得ることが求め
られている。
【0006】従って、本発明の目的は、微生物セルロー
ス分散物の持つ紙力増強効果を従来の微生物セルロース
分散物よりも更に改良した、製紙用に適する微生物セル
ロース分散物を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するため鋭意検討を行った。その結果、微生物セ
ルロース分散物の平均FL値又は沈降圧縮度(定義等は
後述する)と製造された紙の紙力との間に密接な関係が
あることを見出だし本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、微生物が産生するセ
ルロースを物理的に処理することにより得られるセルロ
ース分散物であって、分散処理前のセルロースの平均F
L値よりも大きいか又は同じ平均FL値を有することを
特徴とする分散物である。
【0009】分散処理前の微生物セルロースの平均FL
値よりも微生物セルロース分散物の平均FL値が小さく
なると、抄紙工程における濾水性が悪化する。
【0010】本発明における平均FL値は、以下に記載
の方法で測定した値であり、微生物セルロースが集合し
た塊の大きさを反映していると思われる。しかし他の方
法、例えば電気抵抗法[コールターカウンター(商品
名)を使用した測定方法]、沈降法、密度勾配遠心法、
光散乱法、超音波散乱法、光学顕微鏡又は電子顕微鏡下
での観察、画像処理法、篩分け法、表面積測定法、光路
遮蔽法等によっても測定可能と思われる。
【0011】微生物セルロース−水懸濁液をKajaa
ni繊維長分布測定装置FS−200(Kajaani
Oy Electronics社製)を使用して測定
し、各平均FL値を0〜1.75mmの範囲の測定値の
平均値として求める。
【0012】分散処理前の微生物セルロースは微小繊維
が絡まった状態(繊維集合体)で存在しており、これを
分散すると見掛けの平均FL値が変化する。従来法によ
る微生物セルロース分散物の各平均FL値は分散処理前
の微生物セルロースの各平均FL値よりも小さいが、本
発明の微生物セルロース分散物の各平均FL値は分散処
理前の微生物セルロースの各平均FL値よりも大きいか
または同じ各平均FL値を有することを特徴とする。す
なわち、本発明の微生物セルロース分散物は、分散操作
によって、微生物セルロースの繊維又は繊維集合体を破
壊又は切断する効果よりも、繊維同士の絡まりをほぐす
効果のほうが大きい分散によって得られる。
【0013】分散前のセルロースに対し1.5〜1.7
倍の数平均FL値、1.6〜2.2倍の長さ加重平均F
L値及び1.5〜1.9倍の重さ加重平均FL値を有す
る微生物セルロース分散物が好ましい。各平均FL値が
上記の値よりも大きいと、紙のシートを製造した時地合
いが悪くなり、シートの強度が低下するという欠点が生
じる。
【0014】特に好ましい微生物セルロース分散物の平
均FL値は数平均FL値が0.28〜0.32mm、長
さ加重平均FL値が0.55〜0.74mm、重さ加重
平均FL値が0.84〜1.04mmである。
【0015】各平均FL値が上記の各値よりも大きい
と、紙のシートを製造した時地合いが悪くなり、シート
の強度が低下するという欠点が生じ、上記の各値より小
さいと濾水性が悪くなり生産効率が劣る。
【0016】また、本発明は、沈降圧縮度が0.27〜
0.37であることを特徴とする微生物セルロース分散
物にも関する。
【0017】沈降圧縮度が上記の値よりも小さいと微生
物セルロース分散物の懸濁液の安定性が悪くなる等によ
りシートの強度が低下し、上記の値より大きいと濾水性
が悪くなるという欠点が生じる。
【0018】本発明の微生物セルロース分散物が上記し
た平均FL値又は沈降圧縮度の少なくとも一方の条件を
満足すれば本発明の目的を達成できるが、同時に両方の
条件を満足するのがより好ましい。
【0019】本発明における微生物セルロースは、静置
培養、撹拌培養、通気培養、振盪培養又はそれらの組合
わせによって得ることができる。例えば、特開昭59−
120159号公報、特開昭61−152296号公
報、特開昭61−212295号公報、特開昭62−2
65990号公報、特開昭62−175190号公報、
特開昭63−202394号公報、特開昭62−364
67号公報、特開昭63−74490号公報、特表平2
−500116号公報、特表昭62−500630号公
報等に記載の方法によって得ることができる。好ましく
は撹拌培養、通気培養、振盪培養、特に好ましくは通気
撹拌培養により得られた微生物セルロースである。
【0020】本発明における沈降圧縮度は次の方法で測
定する。0.1%(微生物セルロース乾燥重量/容量)
の微生物セルロース−水懸濁液を調製し、該懸濁液10
〜15mlを遠心分離可能な試験管(内径14mm×長
さ120mm、容量15ml)中に計り取りとる。その
試験管を3000rpm(約1700×G)で30分間
遠心し微生物セルロースを沈降させる。懸濁液の体積
(V)に対する遠心分離終了後の沈降した微生物セルロ
ースの占める体積(v)の比、すなわちv/Vを求め、
沈降圧縮度とする。
【0021】本発明における微生物セルロースは、パル
プ、有機合成繊維、無機合成繊維等他の繊維状物や無機
フィラー、ウィスカー等と一緒に培養したものであって
もよい。
【0022】また、微生物セルロースはメチル化、アセ
チル化等の化学修飾したものであってもよい。
【0023】微生物セルロースの分散は、機械的外力が
セルロース内部に応力を発生させこれを変形し破壊する
ことよるものと考えられる。機械的外力には、引っ張
り、曲げ、圧縮、ねじり、衝撃、剪断などが挙げられる
が、一般的には圧縮、衝撃、剪断が主体である。
【0024】ミキサーによる分散においては、機械的外
力は撹拌翼と微生物セルロースが衝突することによる衝
撃力と、媒体の速度差によるズレ現象によって発生する
剪断応力が主体となる。
【0025】ポリトロンによる分散においては、機械的
外力は微生物セルロースが外歯と内歯に挟まることによ
る圧縮力、高速に回転する歯と微生物セルロースが衝突
することによる衝撃力、静止している外歯と高速で回転
する内歯の隙間に存在する媒体に発生する剪断応力が主
体となる。
【0026】超音波破砕機による分散においては、機械
的外力は超音波発振部の発振により媒体中にキャビテー
ション(空洞現象)が連続的に発生し、局部的に生じる
著しい剪断応力が主体となる。
【0027】本発明の微生物セルロース分散物は、前述
のように、微生物セルロースの繊維又は繊維集合体を破
壊又は切断する効果よりも、繊維同士の絡まりをほぐす
効果のほうが大きい分散操作によって得られる。
【0028】本発明の微生物セルロース分散物は、例え
ば、次の方法で製造し得る。培養により得た微生物セル
ロースを遠心分離法又濾過法等により培養液から分離す
る。分離した微生物セルロースを必要に応じ洗浄する。
洗浄は水又は酸、アルカリ、中性洗剤、界面活性剤、漂
白剤等の水溶液で行い得る。次いで水、溶媒等を加えて
分散濃度を調整した後、該懸濁液に物理的な力を加えて
分散する。物理的な力を加える装置としては、上記した
微生物セルロースの平均FL値及び/又は圧縮沈降度が
得られるものであれば任意の装置が使用できる。例えば
ミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、ポリトロン
(商品名)、超音波破砕機などが挙げられる。これらの
装置を組合わせて使用しても良い。好ましい装置は超音
波破砕機である。分散の程度を調整することにより、微
生物セルロース分散物の平均FL値及び/又は沈降圧縮
度が上記範囲に入るようにできる。分散の程度の調整
は、例えば装置の出力を変化させること、または分散時
間を変化させること等により行い得る。
【0029】分散は水、溶媒等に塩化カルシウム、塩化
ナトリウム等の電解質、顔料、活性炭微粒子等の無機化
合物、サイズ剤、歩留まり向上剤、蛍光剤、防カビ剤、
帯電防止剤、ラッテクス等の有機化合物を予め混合して
行ってもよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、実施例は本発明を限定するものではない。
【0031】実施例及び比較例微生物セルロースの培養条件 セルロース生産性酢酸菌をフラスコ培養法及びジャーフ
ァーメンター培養法を用いて培養した。
【0032】微生物セルロースのフラスコ培養法 フラクトース40g/L,リン酸一カリウム1.0g/
L、硫酸マグネシウム0.3g/L,硫酸アンモニウム
3g/L、バクト−ペプトン5g/L、乳酸1.4ml
/L,初発pH5.0の組成の基本培地100mlを張
り込んだ750ml容Rouxフラスコに、セルロース
生産性酢酸菌アセトバクタースピーシーズBPR200
1(FERM P13466)の凍結保存菌液1mlを
植菌し、定温培養器内で28℃で3日間静置培養を行っ
た。このシード培養後、前記Rouxフラスコをよく振
盪した後、無菌条件下で内容物をガーゼ濾過しセルロー
ス片と菌体を分離した。次に10,000rpmで15
分間遠心分離し、培地成分と菌体(+微小セルロース)
を分離し、さらに滅菌生理食塩水で1〜2回菌体(+微
小セルロース)を洗浄、遠心分離を繰り返した。洗浄さ
れた菌体に必要量の滅菌生理食塩水を加え、撹拌後これ
をシード菌液とした。
【0033】次に、シード菌液7.5mlを上記基本培
地67.5mlを張り込んだ300ml容バッフルフラ
スコに植菌した。振盪培養機を用い、振幅2cm、回転
速度180rpm、温度28℃の条件で回転振盪しなが
ら4日間培養を行った。フラスコ内の固形物を水洗して
培地成分を除去した後、1%NaOH水溶液中で110
℃、20分間処理して菌体を除去し、さらに洗浄液が中
性付近になるまでセルロースを水洗し、微生物セルロー
スを得た。この微生物セルロースを分散等の後の実験に
用いた。
【0034】微生物セルロースのジャーファーメンター培養法 上記基本培地100mlを張り込んだ750ml容Ro
uxフラスコに、セルロース生産性酢酸菌アセトバクタ
ースピーシーズBPR2001(FERM P1346
6)の凍結保存菌液1mlを植菌し、定温培養器内で2
8℃で3日間静置培養を行った。静置培養終了後、前記
Rouxフラスコをよく振盪した後、無菌条件下で内容
物をガーゼ濾過しセルロース片と菌体を分離した。得ら
れた菌液7.5mlを上記基本培地67.5mlを張り
込んだ300ml容バッフルフラスコに植菌し、振盪培
養機を用い、振幅2cm、回転速度180rpm、温度
28℃の条件で回転振盪しながら3日間シード培養を行
った。
【0035】培養終了後、フラスコの内容物をシード菌
液とし、以下のジャーファーメンター培養に使用した。
【0036】上記シード菌液60mlを滅菌済みの後述
するジャーファーメンター培養用の培地540mlを張
り込んだ小型のジャーファーメンター(全容量1000
ml)に無菌的に植菌し、30℃で20時間又は30時
間、pHを1N NaOH又は1N H2 SO4 で5.
0にコントロールしながら、また、撹拌回転数を初発4
00rpmで、溶存酸素量(DO)が3.0〜21.0
%内に入るように回転数を自動制御しながらジャーファ
ーメンターで培養を行った。
【0037】ジャーファーメンター培養には、以下の組
成の培地を用いた。
【0038】 フラクトース 40g/L、 KH2 PO4 1.0g/L、 MgSO4 0.3g/L、 (NH4 2 SO4 3g/L、 Bacto−Soyton(Difco社製) 5g/L 及び 豆濃(大豆蛋白質の酸加水分解濃縮液) 5g/L 初発pH 5.0 培養終了後、ジャーファーメンター内の固形物を集積
し、水洗して培地成分を除去した後、1%NaOH水溶
液中で110℃、20分間処理して菌体を除去した。さ
らに、洗浄液が中性付近になるまで生成セルロースを水
洗した後、分散等の後の実験に使用した。
【0039】微生物セルロースの分散 上記のフラスコ培養法又はジャーファーメンター培養法
により得た洗浄微生物セルロースに水を加え、分散濃度
を0.1%(微生物セルロース乾燥重量/容量)に調整
した。次いでこの懸濁液を超音波破砕機により25℃で
3分間分散した。得られた分散物及び未分散物の平均F
L値、沈降圧縮度を測定した。
【0040】比較のため、上記のフラスコ培養法又はジ
ャーファーメンター培養法により得た洗浄微生物セルロ
ースに水を加え、分散濃度を0.1%(微生物セルロー
ス乾燥重量/容量)に調整した懸濁液を従来法(ミキサ
ーを使用)により25℃で1分間分散した。得られた分
散物の平均FL値、沈降圧縮度を測定した。
【0041】培養工程を含む上記の一連の操作を10回
繰り返して行った。測定結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】測定値は10回測定した値の平均値を示
し、括弧内の値は10回測定した値の範囲を示す。
【0044】微生物セルロース含有紙の調製 微生物セルロース分散物又は未分散物とJIS−P−8
209に準拠して離解したLBKPを乾燥固形物重量比
で40:60の割合で混合したパルプ100部に対し、
軽質炭酸カルシウム100部及び陽性澱粉1部を添加
し、標準型手漉きシートマシーンで坪量100g/m2
の紙を抄造した。
【0045】裂断長 上記で調製した微生物セルロース含有紙の裂断長をJI
S−P−8113に準拠して測定し、紙力増強効果の指
標とした。
【0046】表2に裂断長を示す。
【0047】
【表2】
【0048】測定値は10回測定した値の平均値を示
す。
【0049】
【発明の効果】本発明の微生物セルロース分散物は、従
来の分散物に比べ紙力増強効果を大幅に改良することが
できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】本発明の微生物セルロース分散物は、例え
ば、次の方法で製造し得る。培養により得た微生物セル
ロースを遠心分離法又濾過法等により培養液から分離す
る。分離した微生物セルロースを必要に応じ洗浄する。
洗浄は水又は酸、アルカリ、中性洗剤、界面活性剤、漂
白剤等の水溶液で行い得る。次いで水、溶媒等を加えて
分散濃度を調整した後、該懸濁液に物理的な力を加えて
分散する。物理的な力を加える装置としては、上記した
微生物セルロースの平均FL値及び/又は圧縮沈降度が
得られるものであれば任意の装置が使用できる。例えば
ミキサー、ホモジナイザー、ホモミキサー、ポリトロン
(商品名)、超音波破砕機などが挙げられる。これらの
装置を組合わせて使用しても良い。なお、これらの装置
のうち、好ましい装置は超音波破砕機である。微生物セ
ルロースを媒体に懸濁し破砕機で分散する場合は、破砕
機が媒体中で発生させる剪断応力が分散の駆動力にな
る。しかし、通常の破砕機では、同時に媒体の乱流が発
生し、微生物セルロース繊維の絡まりが発生し、分散の
障害になる。よって、破砕機のなかで最も媒体の乱流の
発生が少ない、超音波破壊機が分散機として有効である
と考えられるからである。分散の程度を調整することに
より、微生物セルロース分散物の平均FL値及び/又は
沈降圧縮度が上記範囲に入るようにできる。分散の程度
の調整は、例えば装置の出力を変化させること、または
分散時間を変化させること等により行い得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 19/04 C12R 1:02)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物が産生するセルロースを物理的に
    処理することにより得られるセルロース分散物であっ
    て、分散処理前のセルロースの平均FL値よりも大きい
    か又は同じ平均FL値を有することを特徴とする分散
    物。
  2. 【請求項2】 分散処理前のセルロースに対し1.5〜
    1.7倍の数平均FL値、1.6〜2.2倍の長さ加重
    平均FL値及び1.5〜1.9倍の重さ加重平均FL値
    を有することを特徴とする請求項1に記載のセルロース
    分散物。
  3. 【請求項3】 微生物が産生するセルロースを物理的に
    処理することにより得られるセルロース分散物であっ
    て、沈降圧縮度が0.27〜0.37であることを特徴
    とするセルロース分散物。
  4. 【請求項4】 分散処理前のセルロースの平均FL値よ
    りも大きいか又は同じ平均FL値を有することを特徴と
    する請求項3に記載のセルロース分散物。
  5. 【請求項5】 分散処理前のセルロースに対し1.5〜
    1.7倍の数平均FL値、1.6〜2.2倍の長さ加重
    平均FL値及び1.5〜1.9倍の重さ加重平均FL値
    を有することを特徴とする請求項3に記載のセルロース
    分散物。
  6. 【請求項6】 微生物が産生するセルロースを物理的に
    処理することにより得られるセルロース分散物であっ
    て、数平均FL値が0.28〜0.32mm、長さ加重
    平均FL値が0.55〜0.74mm、重さ加重平均F
    L値が0.84〜1.04mmであることを特徴とする
    セルロース分散物。
  7. 【請求項7】 分散処理前のセルロースの平均FL値よ
    りも大きいか又は同じ平均FL値を有することを特徴と
    する請求項6に記載のセルロース分散物。
  8. 【請求項8】 分散処理前のセルロースに対し1.5〜
    1.7倍の数平均FL値、1.6〜2.2倍の長さ加重
    平均FL値及び1.5〜1.9倍の重さ加重平均FL値
    を有することを特徴とする請求項6に記載のセルロース
    分散物。
  9. 【請求項9】 沈降圧縮度が0.27〜0.37である
    ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の
    セルロース分散物。
JP26483193A 1993-10-22 1993-10-22 微生物セルロース分散物 Pending JPH07118301A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004270064A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Asahi Kasei Corp 構造体

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JP2004270064A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Asahi Kasei Corp 構造体

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