JPH07118152A - 神経成長因子産生促進剤 - Google Patents
神経成長因子産生促進剤Info
- Publication number
- JPH07118152A JPH07118152A JP28731593A JP28731593A JPH07118152A JP H07118152 A JPH07118152 A JP H07118152A JP 28731593 A JP28731593 A JP 28731593A JP 28731593 A JP28731593 A JP 28731593A JP H07118152 A JPH07118152 A JP H07118152A
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- JP
- Japan
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- substituted
- growth factor
- nerve growth
- production promoter
- factor production
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 下記式
(式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっ
て、アルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、置
換アミノ基で置換されたアルキル基、カルバモイル基で
置換されたアルキル基および/または置換カルバモイル
基で置換されたアルキル基を表わす。)で示されるイン
ドールキノン誘導体を有効成分とする神経成長因子産生
促進剤。 【効果】 上記の特定されたインドールキノン誘導体は
強い神経成長因子産生促進活性を示す。従って、これ
は、中枢機能障害、特に、アルツハイマー痴呆症および
脳虚血病態などに対する予防薬および治療薬ならびに末
梢神経機能障害、特に、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿
病性神経症および筋萎縮性側索硬化症などに対する予防
薬および治療薬として好適に実用に供される。
て、アルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、置
換アミノ基で置換されたアルキル基、カルバモイル基で
置換されたアルキル基および/または置換カルバモイル
基で置換されたアルキル基を表わす。)で示されるイン
ドールキノン誘導体を有効成分とする神経成長因子産生
促進剤。 【効果】 上記の特定されたインドールキノン誘導体は
強い神経成長因子産生促進活性を示す。従って、これ
は、中枢機能障害、特に、アルツハイマー痴呆症および
脳虚血病態などに対する予防薬および治療薬ならびに末
梢神経機能障害、特に、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿
病性神経症および筋萎縮性側索硬化症などに対する予防
薬および治療薬として好適に実用に供される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、特に、老年性痴
呆症またはアルツハイマー病などにおける神経退行性疾
患の治療または予防、さらに脊髄損傷、末梢神経損傷、
糖尿病性神経障害または筋萎縮性側索硬化症などの末梢
神経系疾患における神経機能回復に有用な神経成長因子
(Nerve growth factor 以下 NGF と記すこともあ
る)の産生を促進する薬剤に関する。
呆症またはアルツハイマー病などにおける神経退行性疾
患の治療または予防、さらに脊髄損傷、末梢神経損傷、
糖尿病性神経障害または筋萎縮性側索硬化症などの末梢
神経系疾患における神経機能回復に有用な神経成長因子
(Nerve growth factor 以下 NGF と記すこともあ
る)の産生を促進する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】NGFは、
神経組織の成長や機能維持に必要な栄養因子あるいは成
長因子の一つであり、末梢神経系では知覚、交感神経
の、また、中枢神経系では大細胞性コリン作動性ニュー
ロンの成熟、分化および生命維持に不可欠なものと考え
られている。そこで、生体中のNGFレベルを上昇させる
ことにより、アルツハイマー病および血管性痴呆病など
の中枢機能障害ならびに脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿
病性神経障害および萎縮性側索硬化症などの末梢神経機
能障害の治療が行なえると考えられている。
神経組織の成長や機能維持に必要な栄養因子あるいは成
長因子の一つであり、末梢神経系では知覚、交感神経
の、また、中枢神経系では大細胞性コリン作動性ニュー
ロンの成熟、分化および生命維持に不可欠なものと考え
られている。そこで、生体中のNGFレベルを上昇させる
ことにより、アルツハイマー病および血管性痴呆病など
の中枢機能障害ならびに脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿
病性神経障害および萎縮性側索硬化症などの末梢神経機
能障害の治療が行なえると考えられている。
【0003】しかしながら、NGFは、その分子量がモノ
マーで1万3千、ダイマーで2万6千の蛋白質であるこ
とから、血液脳関門を通過することが出来ない。従っ
て、NGFを投与するよりも、生体中でのNGFの産生を促進
する物質を投与し、NGFの生合成を促進せしめ、その結
果、中枢機能障害および末梢神経機能障害を改善するこ
とが好ましいと考えられる。そこで、NGFの産生を促進
する物質の探索が試みられている。NGF産生促進活性を
有する薬剤として、エピネフリン、ノルエピネフリンお
よびド−パミンなどのカテコールアミンが見出されてい
る。しかしながら、これらの物質はホルモン様物質であ
ることから、NGFの合成促進のために投与することは、
すなわち生体内でのホルモンの量的バランスを崩し種々
の副作用を伴うことになる。このように、実用上、満足
し得るような神経成長因子促進剤は、未だ見出されてい
ない。
マーで1万3千、ダイマーで2万6千の蛋白質であるこ
とから、血液脳関門を通過することが出来ない。従っ
て、NGFを投与するよりも、生体中でのNGFの産生を促進
する物質を投与し、NGFの生合成を促進せしめ、その結
果、中枢機能障害および末梢神経機能障害を改善するこ
とが好ましいと考えられる。そこで、NGFの産生を促進
する物質の探索が試みられている。NGF産生促進活性を
有する薬剤として、エピネフリン、ノルエピネフリンお
よびド−パミンなどのカテコールアミンが見出されてい
る。しかしながら、これらの物質はホルモン様物質であ
ることから、NGFの合成促進のために投与することは、
すなわち生体内でのホルモンの量的バランスを崩し種々
の副作用を伴うことになる。このように、実用上、満足
し得るような神経成長因子促進剤は、未だ見出されてい
ない。
【0004】
【課題を解決するための手段、作用】本発明者らは、前
記の見地から、実用性の高い神経成長因子産生促進剤を
得るべく鋭意、研究を進めた結果、特定されたインドー
ルキノン誘導体が、副作用を誘起することなく、生体中
のNGFの産生を促進する作用を有するとの新知見を得、
この新知見に基づいて本発明に到達した。すなわち、本
発明は、下記の一般式(I)で示されるインドールキノ
ン誘導体を有効成分として含有させて成る神経成長因子
産生促進剤である。
記の見地から、実用性の高い神経成長因子産生促進剤を
得るべく鋭意、研究を進めた結果、特定されたインドー
ルキノン誘導体が、副作用を誘起することなく、生体中
のNGFの産生を促進する作用を有するとの新知見を得、
この新知見に基づいて本発明に到達した。すなわち、本
発明は、下記の一般式(I)で示されるインドールキノ
ン誘導体を有効成分として含有させて成る神経成長因子
産生促進剤である。
【0005】
【化2】
【0006】(但し、式中、R1およびR2は、互いに同
一または異なって、アルキル基、アミノ基で置換された
アルキル基、置換アミノ基で置換されたアルキル基、カ
ルバモイル基で置換されたアルキル基および/または置
換カルバモイル基で置換されたアルキル基を表わす。)
前記の一般式(I)におけるR1およびR2の好適な代表
例として、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基およびデシル基などの炭素数1乃至10のアルキ
ル基、アミノ基で置換されたアルキル基としてはアミノ
メチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基およびア
ミノヘキシル基など、カルバモイル基で置換されたアル
キル基としてはカルバモイルメチル基、カルバモイルエ
チル基およびカルバモイルプロピル基ならびに置換カル
バモイル基で置換されたアルキル基としてはアミノカル
バモイルメチル基、α−アミノカルバモイルエチル基、
α−アミノカルバモイルプロピル基およびβ−アミノカ
ルバモイルブチル基などを挙げることができる。就中、
炭素数1乃至6のアルキル基が、実用上、好ましく、R
1およびR2がいずれもメチル基であるインドールキノン
誘導体が、実用上、最も好ましい。本発明の神経成長因
子産生促進剤は、たとえば、中枢機能障害および末梢神
経系疾患のそれぞれの治療薬または予防薬などとして好
適に使用され得る薬剤である。
一または異なって、アルキル基、アミノ基で置換された
アルキル基、置換アミノ基で置換されたアルキル基、カ
ルバモイル基で置換されたアルキル基および/または置
換カルバモイル基で置換されたアルキル基を表わす。)
前記の一般式(I)におけるR1およびR2の好適な代表
例として、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノ
ニル基およびデシル基などの炭素数1乃至10のアルキ
ル基、アミノ基で置換されたアルキル基としてはアミノ
メチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基およびア
ミノヘキシル基など、カルバモイル基で置換されたアル
キル基としてはカルバモイルメチル基、カルバモイルエ
チル基およびカルバモイルプロピル基ならびに置換カル
バモイル基で置換されたアルキル基としてはアミノカル
バモイルメチル基、α−アミノカルバモイルエチル基、
α−アミノカルバモイルプロピル基およびβ−アミノカ
ルバモイルブチル基などを挙げることができる。就中、
炭素数1乃至6のアルキル基が、実用上、好ましく、R
1およびR2がいずれもメチル基であるインドールキノン
誘導体が、実用上、最も好ましい。本発明の神経成長因
子産生促進剤は、たとえば、中枢機能障害および末梢神
経系疾患のそれぞれの治療薬または予防薬などとして好
適に使用され得る薬剤である。
【0007】本発明において有効成分として使用される
前記の一般式(I)で示されるインドール誘導体は、た
とえば、JACS 第114巻,第7294〜7295頁(1992)
に記載された方法などの公知の方法で製造することがで
きる。すなわち、7−メトキシ−3−メチルインドール
−2−カルボン酸の4位をフリーデルクラフツ反応によ
ってアシル化してエステルを得、次いで、このエステル
を加水分解により脱炭酸した後、フィッシャー法により
インドールを導入し、その後、酸化して得られる。
前記の一般式(I)で示されるインドール誘導体は、た
とえば、JACS 第114巻,第7294〜7295頁(1992)
に記載された方法などの公知の方法で製造することがで
きる。すなわち、7−メトキシ−3−メチルインドール
−2−カルボン酸の4位をフリーデルクラフツ反応によ
ってアシル化してエステルを得、次いで、このエステル
を加水分解により脱炭酸した後、フィッシャー法により
インドールを導入し、その後、酸化して得られる。
【0008】本発明の神経成長因子産生促進剤は、経口
および非経口のいずれの投与形態とすることも可能であ
る。経口投与の場合は、カプセル剤、錠剤および粉剤な
どの通常使用される剤型とすることができる。また、非
経口投与の場合には、注射剤および輸液剤などの通常使
用される剤型とすることができる。徐放剤とすることも
できる。
および非経口のいずれの投与形態とすることも可能であ
る。経口投与の場合は、カプセル剤、錠剤および粉剤な
どの通常使用される剤型とすることができる。また、非
経口投与の場合には、注射剤および輸液剤などの通常使
用される剤型とすることができる。徐放剤とすることも
できる。
【0009】本発明の神経成長因子産生促進剤の投与量
および投与回数などは、症状、年齢、体重、投与方法お
よび投与される剤型などによって異なり、一概に特定し
得ないが、実用上、通常は、たとえば、成人に対する1
日当りの有効成分量は、経口投与の場合には、1〜500mg
程度とされ、非経口投与の場合には0.1〜100mg程度とさ
れる。これらの投与量を1回にまたは2回以上に分けて
投与することができる。
および投与回数などは、症状、年齢、体重、投与方法お
よび投与される剤型などによって異なり、一概に特定し
得ないが、実用上、通常は、たとえば、成人に対する1
日当りの有効成分量は、経口投与の場合には、1〜500mg
程度とされ、非経口投与の場合には0.1〜100mg程度とさ
れる。これらの投与量を1回にまたは2回以上に分けて
投与することができる。
【0010】本発明の神経成長因子産生促進剤の有効成
分である一般式(I)で示されるインドールキノンの製
剤化に際して、常法のように、所望により、たとえば、
界面活性剤、賦形剤、着色料、保存剤およびコーティン
グ剤などの薬学上、許容される各種添加剤を使用するこ
とができる。また、他の薬剤との併用も可能である。
分である一般式(I)で示されるインドールキノンの製
剤化に際して、常法のように、所望により、たとえば、
界面活性剤、賦形剤、着色料、保存剤およびコーティン
グ剤などの薬学上、許容される各種添加剤を使用するこ
とができる。また、他の薬剤との併用も可能である。
【0011】
【実施例】以下の実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、この実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 マウス結合組織由来の線維芽細胞樹立株L-M細胞を0.5%
ペプトン(Difco Laboratories社製)含有199培地(Flo
w Laboratories社製)に細胞数が2×104個/穴になるよ
うに懸濁させ、平底96穴マイクロプレート(Nunc社製)
に入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2−95%空
気の雰囲気下)で3日間培養した。次いで、前記の培養
液を、所定の各濃度の4−(3'−メチルインド−ル−
2'−イル)−3−メチル6,7−インドールキノン[一
般式(I)において、R1およびR2がいずれもメチル基
であるインドールキノン誘導体](以下 試料 と記す
こともある)および0.5%牛血清アルブミン(Armour Ph
armaceutical社製)を含有する199培地、または4−
(3'−メチルインド−ル−2'−イル)−3−メチル
6,7−インドールキノン無添加の前記培地で交換し、C
O2インキュベーター中で培養した。得られたそれぞれの
培養液の上透液に含まれているNGF量を酵素免疫測定法
(KorshingとThoenen、Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,8
0.3513-3516,1983)で測定した。
に説明するが、本発明は、この実施例によって限定され
るものではない。 実施例1 マウス結合組織由来の線維芽細胞樹立株L-M細胞を0.5%
ペプトン(Difco Laboratories社製)含有199培地(Flo
w Laboratories社製)に細胞数が2×104個/穴になるよ
うに懸濁させ、平底96穴マイクロプレート(Nunc社製)
に入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2−95%空
気の雰囲気下)で3日間培養した。次いで、前記の培養
液を、所定の各濃度の4−(3'−メチルインド−ル−
2'−イル)−3−メチル6,7−インドールキノン[一
般式(I)において、R1およびR2がいずれもメチル基
であるインドールキノン誘導体](以下 試料 と記す
こともある)および0.5%牛血清アルブミン(Armour Ph
armaceutical社製)を含有する199培地、または4−
(3'−メチルインド−ル−2'−イル)−3−メチル
6,7−インドールキノン無添加の前記培地で交換し、C
O2インキュベーター中で培養した。得られたそれぞれの
培養液の上透液に含まれているNGF量を酵素免疫測定法
(KorshingとThoenen、Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.,8
0.3513-3516,1983)で測定した。
【0012】すなわち、ポリスチレン製の96穴マイクロ
プレート(住友ベークライト社製MS-3496F)に抗マウス
βNGF抗体(マウス顎下腺から調製されたβNGFを抗原と
して作製したもの)溶液(pH 8.3)を各孔に50μlずつ
分注し、37℃で4時間放置した。抗体溶液を除去後、洗
浄液で各孔を3回洗浄することにより該マイクロプレー
トに吸着されなかった抗マウスβNGF抗体を取り除い
た。引続き、標準βNGF(東洋紡社製)溶液および試料
溶液のそれぞれを40μlずつを各孔に分注し、4℃で18
時間放置した後、標準βNGF溶液および試料溶液のそれ
ぞれを除去し、各孔を3回洗浄した。次に、β−ガラク
トシダーゼ標識抗βNGFモノクローナル抗体(Boehringe
r Mammheim社製)溶液(40mU/ml,pH 7.6)を各孔に50
μlずつ分注し、37℃で4時間放置した後、酵素標識抗
体溶液を除去し、各孔を3回洗浄した。
プレート(住友ベークライト社製MS-3496F)に抗マウス
βNGF抗体(マウス顎下腺から調製されたβNGFを抗原と
して作製したもの)溶液(pH 8.3)を各孔に50μlずつ
分注し、37℃で4時間放置した。抗体溶液を除去後、洗
浄液で各孔を3回洗浄することにより該マイクロプレー
トに吸着されなかった抗マウスβNGF抗体を取り除い
た。引続き、標準βNGF(東洋紡社製)溶液および試料
溶液のそれぞれを40μlずつを各孔に分注し、4℃で18
時間放置した後、標準βNGF溶液および試料溶液のそれ
ぞれを除去し、各孔を3回洗浄した。次に、β−ガラク
トシダーゼ標識抗βNGFモノクローナル抗体(Boehringe
r Mammheim社製)溶液(40mU/ml,pH 7.6)を各孔に50
μlずつ分注し、37℃で4時間放置した後、酵素標識抗
体溶液を除去し、各孔を3回洗浄した。
【0013】4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガ
ラクトシド(Sigma社製)溶液(20μg/ml,pH 7.6)を
各孔に100μlずつ分注し、室温で1.5時間反応させた
後、0.2Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 10.
3)を各孔に100μlずつ分注して酵素反応を停止させ
て、生成された4−メチルウンベリフェロンの蛍光強度
をプレートリーダーで測定し、標準曲線からNGF量を算
出した。結果を図1に示す。なお、試料のNGF産生促進
活性は、試料を添加しなかった無処理細胞が産生したNG
F量(対照)に対する試料処理細胞が産生したNGF量の倍
数(%)で表わした。 この結果によれば、試料処理細
胞が産生したNGF量は、試料濃度を高くすることに伴っ
て増加し、試料濃度が14μg/mlの場合に最大に達し、
試料を添加しなかった無処理細胞が産生したNGF量に対
して2500%にもなり、試料のNGF産生促進活性が極めて
強いことが明かである。
ラクトシド(Sigma社製)溶液(20μg/ml,pH 7.6)を
各孔に100μlずつ分注し、室温で1.5時間反応させた
後、0.2Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 10.
3)を各孔に100μlずつ分注して酵素反応を停止させ
て、生成された4−メチルウンベリフェロンの蛍光強度
をプレートリーダーで測定し、標準曲線からNGF量を算
出した。結果を図1に示す。なお、試料のNGF産生促進
活性は、試料を添加しなかった無処理細胞が産生したNG
F量(対照)に対する試料処理細胞が産生したNGF量の倍
数(%)で表わした。 この結果によれば、試料処理細
胞が産生したNGF量は、試料濃度を高くすることに伴っ
て増加し、試料濃度が14μg/mlの場合に最大に達し、
試料を添加しなかった無処理細胞が産生したNGF量に対
して2500%にもなり、試料のNGF産生促進活性が極めて
強いことが明かである。
【0014】NGF産生誘導の経時変化 L-M細胞を、0.5%Bactopepton(Difco Laboratories社
製)を含む199培地に対して2×104/mlの濃度になるよ
うに調製し、その20mlをカルチャーフラスコ(スミロ
ン、MS20250)に接種した。これを3日間培養した後、
培地を除去して、新たに試料1.4μg/mlおよび0.5%牛
血清アルブミンを含む199培地を加えた。この時点を培
養0時間目とし、3時間後、17.5時間後および24時間後
の培養液をそれぞれ100μlずつ採取し、その中に含まれ
ているNGF量を測定した。その結果を図2に示す。これ
によれば、試料で処理した後、NGFの濃度は時間の経過
に伴って増加し、培養時間24時間後では約19000pg/ml
にもなり、無添加の場合に対して4.75倍にも達したこと
が判る。
製)を含む199培地に対して2×104/mlの濃度になるよ
うに調製し、その20mlをカルチャーフラスコ(スミロ
ン、MS20250)に接種した。これを3日間培養した後、
培地を除去して、新たに試料1.4μg/mlおよび0.5%牛
血清アルブミンを含む199培地を加えた。この時点を培
養0時間目とし、3時間後、17.5時間後および24時間後
の培養液をそれぞれ100μlずつ採取し、その中に含まれ
ているNGF量を測定した。その結果を図2に示す。これ
によれば、試料で処理した後、NGFの濃度は時間の経過
に伴って増加し、培養時間24時間後では約19000pg/ml
にもなり、無添加の場合に対して4.75倍にも達したこと
が判る。
【0015】
【発明の効果】本発明の神経成長因子産生促進剤の有効
成分である一般式(I)で示されるインドールキノン誘
導体が強いNGF産生促進活性を示すことから、本発明の
神経成長因子産生促進剤は中枢機能障害、特に、アルツ
ハイマー痴呆症や脳虚血病態に対する予防薬および治療
薬ならびに末梢神経機能障害、特に、脊髄損傷、末梢神
経損傷、糖尿病性神経症および筋萎縮側索硬化症などに
対する予防薬および治療薬として好適に実用に供され
る。
成分である一般式(I)で示されるインドールキノン誘
導体が強いNGF産生促進活性を示すことから、本発明の
神経成長因子産生促進剤は中枢機能障害、特に、アルツ
ハイマー痴呆症や脳虚血病態に対する予防薬および治療
薬ならびに末梢神経機能障害、特に、脊髄損傷、末梢神
経損傷、糖尿病性神経症および筋萎縮側索硬化症などに
対する予防薬および治療薬として好適に実用に供され
る。
【図1】L-M細胞における本発明の神経成長因子産生促
進剤の有効成分である4−(3'−メチルインド−ル−
2'−イル)−3−メチル6,7−インドールキノンのNG
F産生促進活性の濃度依存性を示すグラフである。
進剤の有効成分である4−(3'−メチルインド−ル−
2'−イル)−3−メチル6,7−インドールキノンのNG
F産生促進活性の濃度依存性を示すグラフである。
【図2】L-M細胞における本発明の神経成長因子産生促
進剤の有効成分である4−(3'−メチルインド−ル−
2'−イル)−3−メチル6,7−インドールキノンのNG
F産生誘導の経時変化を示すグラフである。
進剤の有効成分である4−(3'−メチルインド−ル−
2'−イル)−3−メチル6,7−インドールキノンのNG
F産生誘導の経時変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 209/14 8217−4C (72)発明者 笹野 朱里 神奈川県相模原市相模大野5−4−7 (72)発明者 辻 智子 神奈川県横浜市金沢区能見台6−12−2 (72)発明者 近藤 聖 神奈川県大和市中央林間5−16−4 (72)発明者 浦上 貞治 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 下記の一般式(I)で示されるインドー
ルキノン誘導体を有効成分として含有させて成る神経成
長因子産生促進剤。 【化1】 (但し、式中、R1およびR2は、互いに同一または異な
って、アルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、
置換アミノ基で置換されたアルキル基、カルバモイル基
で置換されたアルキル基および/または置換カルバモイ
ル基で置換されたアルキル基を表わす。) - 【請求項2】 有効成分が、一般式(I)においてR1
およびR2が互いに同一または異なって炭素数1乃至6
のアルキル基であるインドールキノン誘導体である請求
項1記載の神経成長因子産生促進剤。 - 【請求項3】 有効成分が、一般式(I)においてR1
およびR2がいずれもメチル基であるインドールキノン
誘導体である請求項1または請求項2記載の神経成長因
子産生促進剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28731593A JPH07118152A (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | 神経成長因子産生促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28731593A JPH07118152A (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | 神経成長因子産生促進剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07118152A true JPH07118152A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17715778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28731593A Pending JPH07118152A (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | 神経成長因子産生促進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07118152A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100525706B1 (ko) * | 2002-11-20 | 2005-11-03 | 인하대학교 산학협력단 | 항암활성을 갖는 인돌퀴논 유도체 및 이의 제조방법 |
-
1993
- 1993-10-25 JP JP28731593A patent/JPH07118152A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100525706B1 (ko) * | 2002-11-20 | 2005-11-03 | 인하대학교 산학협력단 | 항암활성을 갖는 인돌퀴논 유도체 및 이의 제조방법 |
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