JPH06211660A - 神経成長因子産生促進剤 - Google Patents
神経成長因子産生促進剤Info
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- JPH06211660A JPH06211660A JP34994092A JP34994092A JPH06211660A JP H06211660 A JPH06211660 A JP H06211660A JP 34994092 A JP34994092 A JP 34994092A JP 34994092 A JP34994092 A JP 34994092A JP H06211660 A JPH06211660 A JP H06211660A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】有効成分として、ピロロキノリンキノン類およ
び/またはそのエステルを有効成分として含有させてな
る神経成長因子産生促進剤である。 【効果】ピロロキノリンキノン類およびエステルのそれ
ぞれが、強い神経成長因子産生促進活性を示すことか
ら、本発明の神経成長因子産生促進剤は、中枢機能障
害、特に、アルツハイマー痴呆症および脳虚血病態に対
する予防薬および治療薬、ならびに、末梢機能障害、特
に、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿病性神経症および筋
萎縮性側索硬化症などに対する予防薬および治療薬など
として好適に使用される。
び/またはそのエステルを有効成分として含有させてな
る神経成長因子産生促進剤である。 【効果】ピロロキノリンキノン類およびエステルのそれ
ぞれが、強い神経成長因子産生促進活性を示すことか
ら、本発明の神経成長因子産生促進剤は、中枢機能障
害、特に、アルツハイマー痴呆症および脳虚血病態に対
する予防薬および治療薬、ならびに、末梢機能障害、特
に、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿病性神経症および筋
萎縮性側索硬化症などに対する予防薬および治療薬など
として好適に使用される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、特に老年性痴呆
症あるいはアルツハイマー病などにおける神経退行性疾
患の治療または予防、さらに、脊髄損傷、末梢神経損
傷、糖尿病性神経障害あるいは筋萎縮性側索硬化症など
の末梢神経系疾患における神経機能回復に有用な神経成
長因子(Nerve growth factor)(以下NGFと略記する)
の産生促進剤に関する。
症あるいはアルツハイマー病などにおける神経退行性疾
患の治療または予防、さらに、脊髄損傷、末梢神経損
傷、糖尿病性神経障害あるいは筋萎縮性側索硬化症など
の末梢神経系疾患における神経機能回復に有用な神経成
長因子(Nerve growth factor)(以下NGFと略記する)
の産生促進剤に関する。
【0002】
【従来技術、発明が解決しようとする課題】NGFは、神
経組織の成長や機能維持に必要な栄養、成長因子の一つ
であり、末梢神経系では、知覚、交感神経の、また、中
枢神経系では、大細胞性コリン作動性ニューロンの成
熟、分化、生命維持に不可欠なものと考えられている。
そこで、NGFレベルを上昇させることにより、アルツハ
イマー病および血管性痴呆病などの中枢機能障害、なら
びに、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿病性神経障害およ
び筋萎縮性側索硬化症などの末梢機能障害の治療が行え
ると考えられている。しかしながら、、NGFは、その分
子量が、モノマーで1万3千、ダイマーで2万6千の蛋白質
であることから、血液脳関門を通過することができな
い。従って、NGFを投与するよりも、生体中でのNGFの産
生を促進させる物質を投与し、NGFの生合成を促進せし
め、その結果、中枢機能障害および末梢機能障害を改善
することが好ましいと考えられる。そこでNGFの産生促
進物質の探索が試みられている。NGF産生促進活性を有
する薬剤として、エピネフリン、ノルエピネフリンおよ
びドーパミンなどのカテコールアミン類が見出されてい
るが、これらの化合物は、ホルモン物質であることか
ら、NGFの合成促進のために投与することは、生体内で
のホルモンの量的バランスを崩し副作用を伴う。よっ
て、未だ、実用上、満足し得る程の薬剤は見出されてい
ない。
経組織の成長や機能維持に必要な栄養、成長因子の一つ
であり、末梢神経系では、知覚、交感神経の、また、中
枢神経系では、大細胞性コリン作動性ニューロンの成
熟、分化、生命維持に不可欠なものと考えられている。
そこで、NGFレベルを上昇させることにより、アルツハ
イマー病および血管性痴呆病などの中枢機能障害、なら
びに、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿病性神経障害およ
び筋萎縮性側索硬化症などの末梢機能障害の治療が行え
ると考えられている。しかしながら、、NGFは、その分
子量が、モノマーで1万3千、ダイマーで2万6千の蛋白質
であることから、血液脳関門を通過することができな
い。従って、NGFを投与するよりも、生体中でのNGFの産
生を促進させる物質を投与し、NGFの生合成を促進せし
め、その結果、中枢機能障害および末梢機能障害を改善
することが好ましいと考えられる。そこでNGFの産生促
進物質の探索が試みられている。NGF産生促進活性を有
する薬剤として、エピネフリン、ノルエピネフリンおよ
びドーパミンなどのカテコールアミン類が見出されてい
るが、これらの化合物は、ホルモン物質であることか
ら、NGFの合成促進のために投与することは、生体内で
のホルモンの量的バランスを崩し副作用を伴う。よっ
て、未だ、実用上、満足し得る程の薬剤は見出されてい
ない。
【0003】
【課題を解決するための手段、作用】本発明者らは、前
記した見地から、NGFの産生を促進する薬剤について鋭
意研究を進めたところ、ピロロキノリンキノン類および
そのエステルがNGFの産生を促進する作用を示すことを
見出し、この新知見に基づいて本発明を完成した。すな
わち、本発明は、ピロロキノリンキノン類および/また
はそのエステルを有効成分として含有させて成るNGF産
生促進剤であり、本発明のNGF産生促進剤は、たとえ
ば、中枢機能障害および末梢神経系疾患のそれぞれの治
療薬および予防薬などとして好適に使用され得る薬剤で
ある。ピロロキノリンキノン類(以下PQQ類と略す)と
は、メタノール資化性細菌のメタノール脱水素酵素の補
酵素として見出され、別名4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキ
ソ−1H−ピロロ[2,3−f]キノリン−2,7,9−トリカル
ボン酸およびその塩であり、PQQ類およびそのエステル
は次の一般式で示される。
記した見地から、NGFの産生を促進する薬剤について鋭
意研究を進めたところ、ピロロキノリンキノン類および
そのエステルがNGFの産生を促進する作用を示すことを
見出し、この新知見に基づいて本発明を完成した。すな
わち、本発明は、ピロロキノリンキノン類および/また
はそのエステルを有効成分として含有させて成るNGF産
生促進剤であり、本発明のNGF産生促進剤は、たとえ
ば、中枢機能障害および末梢神経系疾患のそれぞれの治
療薬および予防薬などとして好適に使用され得る薬剤で
ある。ピロロキノリンキノン類(以下PQQ類と略す)と
は、メタノール資化性細菌のメタノール脱水素酵素の補
酵素として見出され、別名4,5−ジヒドロ−4,5−ジオキ
ソ−1H−ピロロ[2,3−f]キノリン−2,7,9−トリカル
ボン酸およびその塩であり、PQQ類およびそのエステル
は次の一般式で示される。
【0004】
【化2】
【0005】本発明において使用されるPQQ類は、有機
化学的合成法(例えば、JACS、第103巻、第5599〜5600
頁(1981))および発酵法(例えば、特開平1-218597)
などにより製造することが可能である。本発明における
PQQ類とは、PQQならびにPQQのナトリウム塩およびPQQの
カリウム塩などのPQQ塩類を意味する。また、PQQエステ
ル類の前記の一般式におけるR1、R2、R3は、同一でも異
なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、
ベンジル基、プロパルギル基またはアルコキシカルボニ
ルアルキル基などであり、モノエステル、ジエステルあ
るいはトリエステルを形成する。なお、アルキル基とし
ては、メチル基およびエチル基などがあり、アルケニル
基としてはアリル基などがある。PQQトリエステル類
は、PQQ類とアルコール類などを反応させること(例え
ば、特開平3-123781、特開平3-145492)により容易に合
成することが出来る。また、PQQモノエステルあるいはP
QQジエステルは、PQQトリエステルを塩基性条件下での
部分加水分解反応により得ることが出来る。また、PQQ
ジエステルは、PQQモノエステルとアルコール類など
を、反応温度、反応時間を適宜選択して反応させること
により得ることも可能である。
化学的合成法(例えば、JACS、第103巻、第5599〜5600
頁(1981))および発酵法(例えば、特開平1-218597)
などにより製造することが可能である。本発明における
PQQ類とは、PQQならびにPQQのナトリウム塩およびPQQの
カリウム塩などのPQQ塩類を意味する。また、PQQエステ
ル類の前記の一般式におけるR1、R2、R3は、同一でも異
なってもよく、水素原子、アルキル基、アルケニル基、
ベンジル基、プロパルギル基またはアルコキシカルボニ
ルアルキル基などであり、モノエステル、ジエステルあ
るいはトリエステルを形成する。なお、アルキル基とし
ては、メチル基およびエチル基などがあり、アルケニル
基としてはアリル基などがある。PQQトリエステル類
は、PQQ類とアルコール類などを反応させること(例え
ば、特開平3-123781、特開平3-145492)により容易に合
成することが出来る。また、PQQモノエステルあるいはP
QQジエステルは、PQQトリエステルを塩基性条件下での
部分加水分解反応により得ることが出来る。また、PQQ
ジエステルは、PQQモノエステルとアルコール類など
を、反応温度、反応時間を適宜選択して反応させること
により得ることも可能である。
【0006】本発明剤は、経口または非経口のいずれの
投与形態も可能である。経口投与の場合は、カプセル
剤、錠剤、粉剤などの通常の剤型で投与することができ
る。また、非経口投与の場合には、注射剤および輸液剤
などの剤型で投与される。さらに徐放剤も効果的であ
る。また、本発明剤の投与量および投与回数などは、症
状、年齢、体重および投与される剤型などによって異な
り、一概に特定し得ないが、たとえば、成人に対して1
日あたり有効成分量として、経口投与の場合には、実用
上、通常は、1〜500mg程度とされ、非経口投与の場合に
は、0.1〜100mg程度とされる。これらの量を1回乃至は
数回に分けて投与することができる。本発明の有効成分
であるPQQ類およびそのエステルを製剤化するには、界
面活性剤、賦形剤、着色料、保存料およびコーティング
助剤などの各種添加剤が適宜使用される。また、他の薬
剤との併用も可能である。
投与形態も可能である。経口投与の場合は、カプセル
剤、錠剤、粉剤などの通常の剤型で投与することができ
る。また、非経口投与の場合には、注射剤および輸液剤
などの剤型で投与される。さらに徐放剤も効果的であ
る。また、本発明剤の投与量および投与回数などは、症
状、年齢、体重および投与される剤型などによって異な
り、一概に特定し得ないが、たとえば、成人に対して1
日あたり有効成分量として、経口投与の場合には、実用
上、通常は、1〜500mg程度とされ、非経口投与の場合に
は、0.1〜100mg程度とされる。これらの量を1回乃至は
数回に分けて投与することができる。本発明の有効成分
であるPQQ類およびそのエステルを製剤化するには、界
面活性剤、賦形剤、着色料、保存料およびコーティング
助剤などの各種添加剤が適宜使用される。また、他の薬
剤との併用も可能である。
【0007】
【実施例】以下に、本発明剤に係わるPQQ類およびその
エステルのNGF産生促進作用を示す実施例を示すが、本
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 マウス結合組織由来の線維芽細胞樹立株L-M細胞を0.5%
ペプトン(Difco Laboratories社製)含有199培地(Flo
w Laboratories社製)に細胞数が2×104個/穴になるよ
うに懸濁させ、平底96穴マイクロプレート(Nunc社製)
に入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2−95%空気
の雰囲気下)で3日間培養した。次いで、前記の培養液
を、所定の各濃度のPQQおよび0.5%牛血清アルブミン
(ArmourPharmaceutical社製)を含有する199培地、ま
たは、PQQ無添加の前記培地で交換し、CO2インキュベー
ター中で培養した。培養24時間後に、培養上澄液中に含
まれるNGF量を酵素免疫測定法(KorschingとThoenen、P
roc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 80. 3513-3516, 198
3.)で測定した。結果を表1に示す。
エステルのNGF産生促進作用を示す実施例を示すが、本
発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 マウス結合組織由来の線維芽細胞樹立株L-M細胞を0.5%
ペプトン(Difco Laboratories社製)含有199培地(Flo
w Laboratories社製)に細胞数が2×104個/穴になるよ
うに懸濁させ、平底96穴マイクロプレート(Nunc社製)
に入れ、CO2インキュベーター(37℃、5%CO2−95%空気
の雰囲気下)で3日間培養した。次いで、前記の培養液
を、所定の各濃度のPQQおよび0.5%牛血清アルブミン
(ArmourPharmaceutical社製)を含有する199培地、ま
たは、PQQ無添加の前記培地で交換し、CO2インキュベー
ター中で培養した。培養24時間後に、培養上澄液中に含
まれるNGF量を酵素免疫測定法(KorschingとThoenen、P
roc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 80. 3513-3516, 198
3.)で測定した。結果を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】NGFの測定法 ポリスチレン製の96穴マイクロプレート(住友ベークラ
イト社製 MS-3496F)に抗マウスβNGF抗体(マウス顎下
腺より調製されたβNGFを抗原にして作製されたもの)
溶液(pH8.3)を各孔に50μlずつ分注し、37℃で4時間
放置した。抗体を除去後、洗浄液で各孔を3回洗浄し
た。標準βNGF(東洋紡社製)溶液あるいは、試料溶液4
0μlを各孔に分注し、4℃で18時間放置した後、標準βN
GFあるいは試料溶液を除去し、各孔を3回洗浄した。β
−ガラクトシダーゼ標識抗βNGFモノクローナル抗体(B
oehringer Mammheim社製)溶液(40mU/ml、pH7.6)を各
孔に50μlずつ分注し、37℃で4時間放置した後、酵素標
識抗体を除去し、3回洗浄した。4-メチルウンベリフェ
リル-β-D-ガラクトシド(Sigma社製)溶液(20μg/m
l、pH7.6)を各孔に100μlずつ分注し、室温で1.5時間
反応させた後、0.2Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH10.3)を各孔に100μlづつ分注して酵素反応を停止
させて、生成された4−メチルウンベリフェロンの蛍光
強度をプレートリーダーで測定し、標準曲線よりNGF量
を算出し、結果を表1に示した。なお、被験化合物のNG
F産生促進活性は、被験化合物を添加しなかった無処理
細胞が産生したNGF量に対する被験化合物処理細胞が産
生したNGF量の相対値(%)で表わした。
イト社製 MS-3496F)に抗マウスβNGF抗体(マウス顎下
腺より調製されたβNGFを抗原にして作製されたもの)
溶液(pH8.3)を各孔に50μlずつ分注し、37℃で4時間
放置した。抗体を除去後、洗浄液で各孔を3回洗浄し
た。標準βNGF(東洋紡社製)溶液あるいは、試料溶液4
0μlを各孔に分注し、4℃で18時間放置した後、標準βN
GFあるいは試料溶液を除去し、各孔を3回洗浄した。β
−ガラクトシダーゼ標識抗βNGFモノクローナル抗体(B
oehringer Mammheim社製)溶液(40mU/ml、pH7.6)を各
孔に50μlずつ分注し、37℃で4時間放置した後、酵素標
識抗体を除去し、3回洗浄した。4-メチルウンベリフェ
リル-β-D-ガラクトシド(Sigma社製)溶液(20μg/m
l、pH7.6)を各孔に100μlずつ分注し、室温で1.5時間
反応させた後、0.2Mグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH10.3)を各孔に100μlづつ分注して酵素反応を停止
させて、生成された4−メチルウンベリフェロンの蛍光
強度をプレートリーダーで測定し、標準曲線よりNGF量
を算出し、結果を表1に示した。なお、被験化合物のNG
F産生促進活性は、被験化合物を添加しなかった無処理
細胞が産生したNGF量に対する被験化合物処理細胞が産
生したNGF量の相対値(%)で表わした。
【0010】実施例2 被験化合物としてPQQ二カリウム塩(PQQ・K2)を用いた
以外は実施例1と同様にして、PQQ・K2のNGF産生促進活
性を調べた。結果を表2に示す。
以外は実施例1と同様にして、PQQ・K2のNGF産生促進活
性を調べた。結果を表2に示す。
【0011】
【表2】
【0012】実施例3 被験化合物としてPQQの2位がメチル基であるモノメチ
ルエステル(PQQ-2-ME)を用いた以外は実施例1と同様
にして、PQQ-2-MEのNGF産生促進活性を調べた。結果を
表3に示す。
ルエステル(PQQ-2-ME)を用いた以外は実施例1と同様
にして、PQQ-2-MEのNGF産生促進活性を調べた。結果を
表3に示す。
【0013】
【表3】
【0014】実施例4 被験化合物としてPQQの7位がメチル基であるモノメチ
ルステル(PQQ-7-ME)を用いた以外は実施例1と同様に
して、PQQ-7-MEのNGF産生促進活性を調べた。結果を表
4に示す。
ルステル(PQQ-7-ME)を用いた以外は実施例1と同様に
して、PQQ-7-MEのNGF産生促進活性を調べた。結果を表
4に示す。
【0015】
【表4】
【0016】実施例5 被験化合物としてPQQの2位および9位のそれぞれがメ
チル基であるジメチルステル(PQQ-2,9-ME)を用いた以
外は実施例1と同様にして、PQQ-2,9-MEのNGF産生促進
活性を調べた。結果を表5に示す。
チル基であるジメチルステル(PQQ-2,9-ME)を用いた以
外は実施例1と同様にして、PQQ-2,9-MEのNGF産生促進
活性を調べた。結果を表5に示す。
【0017】
【表5】
【0018】実施例6 被験化合物としてPQQのトリメチルステル(PQQ-TME)を
用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TMEのNGF産生
促進活性を調べた。結果を表6に示す。
用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TMEのNGF産生
促進活性を調べた。結果を表6に示す。
【0019】
【表6】
【0020】実施例7 被験化合物としてPQQのトリエチルステル(PQQ-TEE)を
用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TEEのNGF産生
促進活性を調べた。結果を表7に示す。
用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TEEのNGF産生
促進活性を調べた。結果を表7に示す。
【0021】
【表7】
【0022】実施例8 被験化合物としてPQQのトリアリルステル(PQQ-TAE)を
用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TAEのNGF産生
促進活性を調べた。結果を表8に示す。
用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TAEのNGF産生
促進活性を調べた。結果を表8に示す。
【0023】
【表8】
【0024】実施例9 被験化合物としてPQQのトリエトキシカルボニルメチル
ステル(PQQ-TECM)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、PQQ-TECEのNGF産生促進活性を調べた。結果を表9
に示す。
ステル(PQQ-TECM)を用いた以外は実施例1と同様にし
て、PQQ-TECEのNGF産生促進活性を調べた。結果を表9
に示す。
【0025】
【表9】
【0026】実施例10 被験化合物としてPQQのトリプロパルギルステル(PQQ-T
PGE)を用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TPGE
のNGF産生促進活性を調べた。結果を表10に示す。
PGE)を用いた以外は実施例1と同様にして、PQQ-TPGE
のNGF産生促進活性を調べた。結果を表10に示す。
【0027】
【表10】
【0028】実施例11 NGF産生促進剤として知られているエピネフリンを被験
化合物として使用した以外は、実施例1と同様にしてL
−M細胞を培養し、エピネフリンのNGF産生促進活性を調
べた。結果を表11に示す。
化合物として使用した以外は、実施例1と同様にしてL
−M細胞を培養し、エピネフリンのNGF産生促進活性を調
べた。結果を表11に示す。
【0029】
【表11】
【0030】エピネフリン12.5μg/ml以上の添加でNGF
の産生促進効果が認められ、100μg/ml添加で最大の活
性値(約500%)が得られた。一方、実施例1〜10に
示されるようにPQQ類およびPQQのエステルは、低濃度で
しかもその活性値は高く、エピネフリンに比べてNGF産
生促進活性は著しく高いものであった。
の産生促進効果が認められ、100μg/ml添加で最大の活
性値(約500%)が得られた。一方、実施例1〜10に
示されるようにPQQ類およびPQQのエステルは、低濃度で
しかもその活性値は高く、エピネフリンに比べてNGF産
生促進活性は著しく高いものであった。
【0031】実施例12 実施例1と同様にしてL−M細胞の培養を行った。培養の
系を3群(A、B、C)とし、A群には、被験化合物を加え
ず、B群にはPQQNa2を100μg/ml添加し、C群にはエピネ
フリン275μg/mlを添加し、実施例1と同様にして、L−
M細胞の培養を行い、経時的(培養開始3, 6, 9, 12, 2
4, 30, 36,48時間後)に産生するNGF量を測定した。結
果を表12に示す。PQQ・Na2を添加することにより、無
添加あるいはエピネフリン添加に比べてNGFの産生が著
しく増大しており、NGF産生促進剤として好ましいこと
がわかる。
系を3群(A、B、C)とし、A群には、被験化合物を加え
ず、B群にはPQQNa2を100μg/ml添加し、C群にはエピネ
フリン275μg/mlを添加し、実施例1と同様にして、L−
M細胞の培養を行い、経時的(培養開始3, 6, 9, 12, 2
4, 30, 36,48時間後)に産生するNGF量を測定した。結
果を表12に示す。PQQ・Na2を添加することにより、無
添加あるいはエピネフリン添加に比べてNGFの産生が著
しく増大しており、NGF産生促進剤として好ましいこと
がわかる。
【0032】
【表12】
【0033】実施例13 SD雌性ラット(7週齢、160〜190g)を塩酸ケタミン25m
gおよびドロペリドロール0.25mgの筋肉内投与で麻酔
し、左大腿部の坐骨神経を露出させて切断し、断端の間
に約2mmの隙間を設けてシリコンチューブ(内径1mm、長
さ6mm)で繋ぎ合わせた。この断端の隙間に生理食塩水
を満たし、手術創を整復後、所定の各濃度のPQQ・Na2を
含む2%アラビアゴム水溶液0.5mlを腹腔内投与した。な
お、対照としてPQQ・Na2の代りに2%アラビアゴム水溶液
0.5mlを腹腔内投与し、陽性対照として坐骨神経の断端
の隙間にNGEを1mg/ml含む生理食塩を満たした。なお、
この場合には、薬剤を腹腔内投与しなかった。手術4週
間後に頸椎脱臼により動物を殺し、再生した坐骨神経を
採取し、再生坐骨神経の横断面の切片をつくり、ヘマト
キシリン−エオジン染色し、再生神経繊維の本数を数え
た。結果を表13に示す。PQQ・Na2を投与することによ
り、再生した坐骨神経の数は大幅に増加せしめられ、NG
Fの直接注入に匹敵した。
gおよびドロペリドロール0.25mgの筋肉内投与で麻酔
し、左大腿部の坐骨神経を露出させて切断し、断端の間
に約2mmの隙間を設けてシリコンチューブ(内径1mm、長
さ6mm)で繋ぎ合わせた。この断端の隙間に生理食塩水
を満たし、手術創を整復後、所定の各濃度のPQQ・Na2を
含む2%アラビアゴム水溶液0.5mlを腹腔内投与した。な
お、対照としてPQQ・Na2の代りに2%アラビアゴム水溶液
0.5mlを腹腔内投与し、陽性対照として坐骨神経の断端
の隙間にNGEを1mg/ml含む生理食塩を満たした。なお、
この場合には、薬剤を腹腔内投与しなかった。手術4週
間後に頸椎脱臼により動物を殺し、再生した坐骨神経を
採取し、再生坐骨神経の横断面の切片をつくり、ヘマト
キシリン−エオジン染色し、再生神経繊維の本数を数え
た。結果を表13に示す。PQQ・Na2を投与することによ
り、再生した坐骨神経の数は大幅に増加せしめられ、NG
Fの直接注入に匹敵した。
【0034】
【表13】
【0035】実施例14 被験化合物としてPQQのトリメチルエステル(PQQ-TME)
を用いた以外は実施例13と同様にしてPQQ-TMEの坐骨
神経の再生促進活性を調べた。結果を表14に示す。PQ
Q-TMEを投与することにより、再生された坐骨神経の数
は大幅に増加せしめられ、NGFの直接注入に匹敵した。
を用いた以外は実施例13と同様にしてPQQ-TMEの坐骨
神経の再生促進活性を調べた。結果を表14に示す。PQ
Q-TMEを投与することにより、再生された坐骨神経の数
は大幅に増加せしめられ、NGFの直接注入に匹敵した。
【0036】
【表14】
【0037】
【発明の効果】PQQ類およびそのエステルが強いNGF産生
促進活性を示すことから、本発明の神経成長因子産生促
進剤は中枢機能障害、特に、アルツハイマー痴呆症や脳
虚血病態に対する予防薬および治療薬、ならびに、末梢
機能障害、特に、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿病性神
経症および筋萎縮性側索硬化症などに対する予防薬およ
び治療薬などとして好適に利用される。
促進活性を示すことから、本発明の神経成長因子産生促
進剤は中枢機能障害、特に、アルツハイマー痴呆症や脳
虚血病態に対する予防薬および治療薬、ならびに、末梢
機能障害、特に、脊髄損傷、末梢神経損傷、糖尿病性神
経症および筋萎縮性側索硬化症などに対する予防薬およ
び治療薬などとして好適に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦上 貞治 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】下記の一般式で示されるピロロキノリン類
および/またはそのエステルを有効成分として含有させ
て成る神経成長因子産生促進剤。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34994092A JPH06211660A (ja) | 1992-02-07 | 1992-12-03 | 神経成長因子産生促進剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-56677 | 1992-02-07 | ||
JP5667792 | 1992-02-07 | ||
JP34994092A JPH06211660A (ja) | 1992-02-07 | 1992-12-03 | 神経成長因子産生促進剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211660A true JPH06211660A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=26397642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34994092A Pending JPH06211660A (ja) | 1992-02-07 | 1992-12-03 | 神経成長因子産生促進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06211660A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2008029907A1 (fr) | 2006-09-08 | 2008-03-13 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | Agent améliorant l'hypertension |
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-
1992
- 1992-12-03 JP JP34994092A patent/JPH06211660A/ja active Pending
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