JPH07118085A - パッド印刷用の貴金属ペースト組成物 - Google Patents

パッド印刷用の貴金属ペースト組成物

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JPH07118085A
JPH07118085A JP28755393A JP28755393A JPH07118085A JP H07118085 A JPH07118085 A JP H07118085A JP 28755393 A JP28755393 A JP 28755393A JP 28755393 A JP28755393 A JP 28755393A JP H07118085 A JPH07118085 A JP H07118085A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のパッド印刷用貴金属ペースト組成物
はつぎの(i)〜(iv)の成分を含有する。 (i) 金、白金、パラジウムおよびロジウム並びにこれ
らの化合物から選ばれた少なくとも1種の貴金属、(ii)
脂肪酸アマイド、(iii) セルロース系樹脂および硫化
ロジン樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂、並びに
(iv) 有機溶剤 【効果】 本発明の貴金属ペースト組成物を用いてパッ
ド印刷を行うと、陶磁器の曲面に高精度で、かつ効率よ
く絵付けを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陶磁器などの非平面への
絵付けを行うに適したパッド印刷用の貴金属ペースト組
成物に関する。本発明の組成物によれば、皿、茶碗、ス
ープ碗等の陶磁器の曲面あるいは非平面上に容易に装飾
を施すことができる。
【0002】
【従来の技術および課題】従来より、曲面への印刷法と
してパッド印刷法が知られている。この印刷法では、ま
ずエッチング等によりパターンを刻み込んだ平板(例え
ば銅製、樹脂製)に、顔料を含むインクをドクターブレ
ードなどを用いてかき込む。つぎに、このパターンの上
に柔軟な凸面を有するシリコーン樹脂製パッドを押しあ
てて平板上のパターンをパッドの表面に移しとる。つい
で、このパッド表面のパターンを陶磁器など曲面を有す
る素地の上に転写する。このような方法で行った印刷で
はスクリーンに印刷されたパターンが最終の絵付け対象
に転写される割合が非常に低い。
【0003】このような欠点を解消した厚膜用の印刷用
インクおよび印刷法として、特開平4−294005号
公報には導電性粉末あるいは顔料および樹脂に対して特
定の混合溶剤を含有する厚膜印刷用の印刷用ペーストが
開示されている。しかしながら、陶磁器などの絵付け用
の貴金属ペーストを曲面印刷する場合には、完全な転写
を行うことのできる貴金属ペーストは得られていない。
【0004】本発明の目的は、食器、つぼなど各種陶磁
器の非平面に絵付けを行うのに適した貴金属ペースト組
成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題について種々研究を行ったところ、特定の樹脂をバイ
ンダーとして用いることにより、優れた転写性が得られ
るとの知見を得て本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は(i) 金、白金、パラジウムおよ
びロジウム並びにこれらの化合物から選ばれた少なくと
も1種の貴金属、(ii) 脂肪酸アマイド、(iii) セルロ
ース系樹脂および硫化ロジン樹脂から選ばれた少なくと
も1種の樹脂、並びに(iv) 有機溶剤を含有してなるパ
ッド印刷用貴金属ペースト組成物を提供するものであ
る。
【0007】本発明ペースト組成物に用いられる貴金属
としては、従来、陶磁器の絵付けに用いられている公知
の貴金属顔料がいずれも用いられてよい。例えば、金、
白金、パラジウム、ロジウムおよびこれらの合金の粉
末、あるいはこれら貴金属と硫化バルサムとを反応させ
て得られた貴金属化合物などが挙げられる。これら貴金
属顔料は2種以上を併用してもよい。これら貴金属の配
合量は、ペースト組成物全体に対して、貴金属として5
〜30重量%、好ましくは8〜25重量%である。
【0008】本発明のペースト組成物には第2の必須成
分として脂肪酸アマイドが配合される。かかる脂肪酸ア
マイドとしては、ステアリン酸アマイド、オレイン酸ア
マイド、ベヘン酸アマイド、ミリスチン酸アマイドなど
が挙げられる。これら脂肪酸アマイドの配合量は、ペー
スト組成物全体に対して1〜12重量%、好ましくは3
〜8重量%である。脂肪酸アマイドの配合量がこれより
少ないと充分に実用的な転写率が得られず、またこれよ
り多くても効果の向上はない。
【0009】さらにペーストに配合される第3の必須成
分であるバインダー樹脂としては、硫化ロジン樹脂、セ
ルロース系樹脂が配合される。これらは単独であるいは
混合して配合される。エチセルロース系樹脂としてはエ
チルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース
などが挙げられる。これらバインダー樹脂の配合量は、
ペースト組成物全体に対して10〜30重量%、好まし
くは15〜20重量%である。配合量がこれより少ない
とペーストを形成することができない。
【0010】有機溶剤としては、貴金属ペーストに従来
用いられている公知の溶剤がいずれも採用されてよく、
例えばキシレンなどの芳香族系溶剤、テレピン油などの
テレピン系溶剤、テルピネオール、サフロール(商品
名:寿香料(株)製)などが適宜用いられる。
【0011】本発明のペースト組成物には、陶磁器など
の基材への密着性の向上をはかるため、1重量%以下の
ビスマスまたはビスマス化合物を配合してもよく、例え
ばナフテン酸ビスマスなどが好ましい。また、貴金属顔
料の素地への密着性を向上させるためには、ガラスフリ
ットを配合してもよい。かかるガラスフリットとして
は、ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系、酸化鉛
系、酸化ビスマス系、酸化ケイ素系など公知のガラスフ
リットがいずれも用いられてよい。
【0012】また、10重量%以下の銀を配合すること
により焼成後の貴金属の発色の調整を行うことができ
る。本発明のペースト組成物にはさらに各種の添加剤を
加えてもよい。このような添加剤としてはジオクチルフ
タレート(DOP)、ジエチルフタレート(DEP)などの
可塑剤などが挙げられる。
【0013】本発明のペースト組成物は、これら貴金
属、樹脂、溶剤、その他の成分をトリロールなどの公知
の混合機にて混合して調製する。
【0014】つぎに、本発明のペースト組成物を用いた
非平面印刷法について説明する。図1(a)〜(c)は、本
発明ペーストを用いた印刷法の説明図である。図1(a)
に示すごとく、所定のパターンがエッチングされた樹脂
製、金属製などの平板11上に貴金属ペーストを塗布
し、所望の絵付け用パターン12を形成する。
【0015】図1(b)に示すごとく、平板上に貴金属
ペーストのパターン12が形成されると、直ちに柔軟で
弾性のある凸面を備えたパッド13を前記平板のパター
ンの上に押し付ける。このようなパッドとしては、従来
の曲面印刷に用いられている公知のシリコーンゴム製パ
ッドなどが用いられてよい。ここで、貴金属ペーストは
樹脂平板よりも弾性パッドのほうに強く吸着され転写さ
れる。
【0016】つぎに、図1(c)に示すごとく、パッド1
3を最終印刷対象の素地14の上に押し付け、パッド1
3の表面に乗っていたインクのパターン12を素地14
の上に転写する。この工程においてパッドから印刷対象
への転写はほぼ完全である。このように本発明の貴金属
ペーストは、ウレタンなどの平板からシリコーンパッド
への転写、およびシリコーンパッドから素地への吸着を
極めて効率的に行い得る。転写対象としては、陶磁器、
ガラス、あるいはホウロウなどが挙げられる。ついで、
500〜1100℃、好ましくは600〜850℃の適
当な温度で焼成して有機物を除去すると、所望の装飾が
得られる。
【0017】なお、前記の絵付け用パターンを形成する
にはスクリーン印刷法を用いてもよい。スクリーン印刷
に用いられる平板は樹脂製であるのが好ましく、ウレタ
ン樹脂板、シリコーン樹脂板などが特に好ましい。ま
た、離形剤(シリコーン樹脂)などにより表面が離形処理
された樹脂板がより好ましい。
【0018】本発明の貴金属ペーストを用いると凹凸な
どを有する非平面上の印刷対象にほぼ完全な転写を行う
ことができ、精度の高い絵付けがほぼ1回の操作で行え
る。このため容易に絵付けができ、従来のように転写紙
を用いる必要もない。
【0019】
【実施例】つぎに本発明を実施例および比較例にもとづ
きさらに具体的に説明する。
【0020】[実施例1] 成 分 配合量(重量部) 硫化バルサム金化合物(金属換算重量として) 12.0 エチルセルロース 2.5 硫化ロジン樹脂 10.0 ステアリン酸アマイド 6.0 キシレン 10.0 テルピネオール 10.0 サフロール(寿香料(株)製) 10.0 銀粉末 2.0 上記成分を3本ロールを用いて混合、分散して貴金属ペ
ースト組成物を調製した。得られたペースト組成物を用
いて下記のごとくパッド印刷を行ったところ、その転写
率は100%であった。
【0021】パッド印刷条件 貴金属ペーストを絵付け用パターンを彫り込んだ樹脂平
板に刷り込んだ。この平板上にシリコーンゴムのパッド
を押し当ててパッド表面にパターンを転写した。つい
で、このパッドを陶磁器にあてて転写した。平板上のエ
ッチングの面積と陶磁器に転写されたパターンの面積の
比を求め転写率とした。
【0022】[実施例2] 成 分 配合量(重量部) 硫化バルサム白金化合物(金属換算重量として) 2.0 硫化バルサム金化合物(金属換算重量として) 8.0 ニトロセルロース 15.0 ステアリン酸アマイド 6.0 キシレン 10.0 テルピネオール 10.0 サフロール(寿香料(株)製) 10.0 上記の成分を実施例1と同様に処理して貴金属ペースト
組成物を調製した。また、実施例1と同様の方法でパッ
ド印刷を行ったところ転写率は90%であった。
【0023】[実施例3] 成 分 配合量(重量部) 硫化バルサム金化合物(金属換算重量として) 15.0 金粉 8.0 硫化ロジン樹脂 15.0 ステアリン酸アマイド 6.0 キシレン 10.0 テレピン油 10.0 サフロール(寿香料(株)製) 10.0 銀粉末 2.0 ナフテン酸ビスマス 0.4 上記の成分を実施例1と同様に処理して貴金属ペースト
組成物を調製した。また、実施例1と同様の方法でパッ
ド印刷を行ったところ転写率は90%であった。
【0024】[比較例1] 成 分 配合量(重量部) 硫化バルサム金化合物(金属換算重量として) 5.0 硫化バルサムパラジウム化合物(金属換算重量として) 2.0 エチルセルロース 2.5 硫化ロジン樹脂 10.0 キシレン 10.0 テルピネオール 10.0 サフロール 10.0 上記の成分を実施例1と同様に処理して貴金属ペースト
組成物を調製した。また、実施例1と同様の方法でパッ
ド印刷を行ったところ転写率は60%であった。
【0025】[比較例2] 成 分 配合量(重量部) 硫化バルサム白金化合物(金属換算重量として) 2.0 硫化バルサム金化合物(金属換算重量として) 8.0 アクリル樹脂 2.5 硫化ロジン樹脂 10.0 石油系樹脂(ハイレッツ (株)製) 6.0 キシレン 10.0 サフロール 10.0 テレピン油 10.0 上記の成分を実施例1と同様に処理して貴金属ペースト
組成物を調製した。また、実施例1と同様の方法でパッ
ド印刷を行ったところ転写率は20%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の貴金属ペースト組成物を用いて
パッド印刷を行うと、陶磁器の曲面に高精度で、かつ効
率よく絵付けを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペースト組成物を用いた非平面印刷を
示す説明図である。
【符号の説明】
11:平板 12:パターン 13:パッド 14:素地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i) 金、白金、パラジウムおよびロジウ
    ム並びにこれらの化合物から選ばれた少なくとも1種の
    貴金属、 (ii) 脂肪酸アマイド、 (iii) セルロース系樹脂および硫化ロジン樹脂から選ば
    れた少なくとも1種の樹脂、並びに (iv) 有機溶剤を含有してなるパッド印刷用貴金属ペー
    スト組成物。
  2. 【請求項2】 さらにビスマスまたはビスマス化合物を
    配合してなる請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 【請求項3】 さらに銀または銀化合物を配合してなる
    請求項1に記載のペースト組成物。
JP28755393A 1993-10-22 1993-10-22 パッド印刷用の貴金属ペースト組成物 Expired - Lifetime JP3528215B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000327462A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Aida Kagaku Kogyo Kk 貴金属焼結用組成物及び貴金属装飾製品の製造方法
KR100632190B1 (ko) * 1998-07-11 2006-10-11 페로 게엠베하 귀금속 조성물 및 이를 사용하여 직접 날염과 간접 날염으로 귀금속 장식물을 제조하는 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100632190B1 (ko) * 1998-07-11 2006-10-11 페로 게엠베하 귀금속 조성물 및 이를 사용하여 직접 날염과 간접 날염으로 귀금속 장식물을 제조하는 방법
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