JPH0711800Y2 - 塗料スプレイガンの後垂れ防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、塗料スプレイガンの塗料通路の開閉弁を閉じ
た後、塗料がノズルから漏れて垂れるのを防止する装置
に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 塗料通路の開閉弁を開いてその先端に設けたノズルから
塗料を噴出し、開閉弁を閉じて塗料の噴出を停止するよ
うにした塗料スプレイガンでは、塗装を中断するために
開閉弁を閉じた後、塗料通路内に残つた塗料がなおしば
らく流動してノズルから漏れて垂れ、特に、ガンの銃身
を長くして塗料通路を長く取つてあるものほどその傾向
が顕著であつて、内面塗装用のガンにおいては、垂れ落
ちた塗料が被塗装面に付着して塗装不良を生じたり、ま
た、普通のガンにおいてもその周りに塗料が付着して汚
れる欠点があり、従来、その防止対策が色々と講じられ
て来たが十分に有効なものが無かつた。

問題点を解決するための手段 本考案の塗料スプレイガンの後垂れ防止装置は、このよ
うな要望に基づいて案出されたものであつて、塗料スプ
レイガンの塗料通路の開閉弁とノズルの間、または、そ
の塗料通路に形成したオリフイスを迂回して接続したバ
イパスに、塗料の流動によつて生ずる圧力によりばねの
付勢に抗してノズル側へ移動し、圧力の低下により開閉
弁側へ後退する作動板を介入した構成とした。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、塗料通路の開閉弁を開くと、
塗料の流動に伴つて生ずる圧力によつて、塗料通路また
はバイパスに介入した作動板がばねの付勢に抗してノズ
ル側へ移動した状態で、塗料が塗料通路を流れてノズル
から噴出し、開閉弁を閉じると、上記の圧力が低下する
ことによつて、作動板が塗料通路内またはバイパス内の
開閉弁側へ後退し、この作動板の後退により、そのノズ
ル側の面の前方の塗料が後方に引き戻されて、ノズル側
への流動が抑えられのであり、これによつて、ノズルか
ら塗料が漏れて垂れるのが有効に防止される。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説明する。

ガン本体１内の先端部には、外周面に形成した塗料供給
口２に連通する塗料供給室３が形成されて、その先端に
弁口５を形成した弁シート４が嵌着され、塗料供給室３
内に挿通されたニードル６が、常には圧縮コイルばね７
の弾拡力で前進して弁口５を閉じ、トリガ８を引いてニ
ードル６をばね７力に抗して後退させることによつて弁
口５を開くようになつており、このガン本体１の先端部
に、上記の弁口５に連通する塗料通路11を形成した接続
管体10を介して、この塗料通路11に連通する塗料通路13
を形成した細長い銃身12が取り付けられ、銃身12の先端
に塗料を噴出するノズル14が装着されている。

上記の接続管体10の塗料通路11内の略中央部には、オリ
フイス16を形成したオリフイス体15が緊密に嵌着されて
いるとともに、接続管体10の下面側に形成した膨出部18
内に、上記のガン本体１の塗料供給室３付近の位置から
オリフイス体15の前方の位置に達するバイパス20が塗料
通路11と平行に形成され、このバイパス20内に、摺動板
21とその全面に突設したロツド22の先端に固定された作
動板23が緊密にかつ摺動自由に嵌装され、摺動板21とバ
イパス20の後端面との間に装着された引張コイルばね25
の弾縮力により、作動板23に後方への移動力が付勢さ
れ、図の実線に示すように、常には、作動板23がオリフ
イス体15の略直下に位置するようになつており、塗料通
路11のオリフイス体15の前方位置に、バイパス20の先端
部に連通する通孔27が、また、オリフイス体15の後方位
置に、バイパス20の作動板23の後面側に連通する通孔28
が夫々形成されている。

本実施例はこのような構造になり、トリガ８の操作によ
りニードル６を引いて弁口５を開くと、塗料供給口２か
ら塗料供給室３内に供給された高圧の塗料が弁口５を通
つて塗料通路11を流れ、オリフイス16を通ることにより
塗料圧が低下して、オリフイス16の前後に前側が低く後
側が高い圧力差が生じて、オリフイス16の前後に夫々連
通する作動板23の前後の部屋23a、23bに同様の圧力差が
生じることによつて、作動板23が、引張コイルばね２後
を弾拡しつつ、図の鎖線に示すように、先端側の通孔27
の少し手前まで前進し、かかる状態で、塗料は銃身12の
塗料通路13を通つてノズル14から噴出される。そして、
トリガ８を戻して弁口５を閉じると、塗料通路11への塗
料の流入が停止することから、オリフイス16の前後に生
じていた圧力差が無くなつて作動板23の前後の圧力差も
無くなることにより、作動板23が引張コイルばね25の復
元弾縮力で実線位置に後退し、作動板23の前面室23aの
容積が広がつて負圧になることによつて、塗料通路11及
び13内の塗料が通孔27を通つて前面室23a内に吸い込ま
れて引き戻され、塗料がノズル14から漏れて垂れるのが
阻止される。

第２図は他の実施例を示し、ガン本体１の先端部に接続
した接続管体10aに、上面がその塗料通路11aに開口する
斜め方向の引戻用通路30が形成され、前記実施例と同様
に、摺動板31の前面に突設したロツド32の先端に作動板
33が固定されて、その摺動板31が引戻用通路30内に緊密
に嵌装され、引戻用通路30の奥端との間に装着された引
張コイルばね35の弾縮力で後方への移動力が付勢され、
常には、作動板33が、図の実線に示すように、その上縁
部を塗料通路11a内に臨ませた状態に保持されるように
なつており、弁口５を開いて塗料通路11a内に塗料が流
れると、塗料の動圧が作動板33の後面に作用して、作動
板33が、図の鎖線に示すように引張コイルばね35の弾力
に抗して塗料通路11a内に進出し、作動板33で塗料通路1
1aの前面の圧力が後面側よりも低くくなつて、作動板33
が進出位置に保持され、この状態で塗料が銃身12の塗料
通路13を通つてノズルから噴出され、弁口５を閉じて塗
料の流入が停止すると、作動板33の後面側の圧力が低下
することにより、前後の圧力差が無くなつて作動板33が
引張コイルばね35の復元弾縮圧で実線位置に後退し、こ
の作動板33の後退によつて、その前面の塗料が後方に引
き戻され、これによつて、塗料がノズルから漏れて垂れ
るのが阻止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部切欠断面図、第２図は
他の実施例の部分断面図である。 5:弁口、6:ニードル、11、11a:塗料通路、16:オリフイ
ス、20:バイパス、23、33:作動板、25、35:引張コイル
ばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】塗料スプレイガンの塗料通路の開閉弁とノ
   ズルの間、または、該塗料通路に形成したオリフイスを
   迂回して接続したバイパスに、塗料の流動によつて生ず
   る圧力によりばねの付勢に抗してノズル側へ移動し、前
   記圧力の低下により開閉弁側へ後退する作動板を介入し
   たことを特徴とする塗料スプレイガンの後垂れ防止装置