JPH07117649A - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents
車両のスリップ制御装置Info
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- JPH07117649A JPH07117649A JP5264723A JP26472393A JPH07117649A JP H07117649 A JPH07117649 A JP H07117649A JP 5264723 A JP5264723 A JP 5264723A JP 26472393 A JP26472393 A JP 26472393A JP H07117649 A JPH07117649 A JP H07117649A
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- drive wheel
- wheel
- wheel speed
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- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブレーキ解除によるスリップ再成長の防止、
ブレーキ時間の短縮。 【構成】 従動輪速度VFR.VFLから車体速度を算
出し、この車体速度から目標駆動輪速度VB0を算出し、
左右の駆動輪の各スリップ量DVR ,DVL を各駆動輪
速度VFR,VFLと目標駆動輪速度VB0の差から算出
し、更にスリップ量DVR ,DVL を時間微分して各駆
動輪のスリップ変化率GFR,GFLを算出する。基本的に
はスリップ変化率GFR,GFLに応じてブレーキ液圧変化
量ΔPR ,ΔRL を求め、これからバルブ開度Tを算出
することにより左右独立にブレーキをかけるが、スリッ
プ量DVR ,DVL が例えば10km/h以上の場合は、
スリップ変化率GFR,GFLが負であってもブレーキ液圧
変化量をΔPR =0,ΔPL =0としてブレーキ液圧を
減少せず、制動を続ける。
ブレーキ時間の短縮。 【構成】 従動輪速度VFR.VFLから車体速度を算
出し、この車体速度から目標駆動輪速度VB0を算出し、
左右の駆動輪の各スリップ量DVR ,DVL を各駆動輪
速度VFR,VFLと目標駆動輪速度VB0の差から算出
し、更にスリップ量DVR ,DVL を時間微分して各駆
動輪のスリップ変化率GFR,GFLを算出する。基本的に
はスリップ変化率GFR,GFLに応じてブレーキ液圧変化
量ΔPR ,ΔRL を求め、これからバルブ開度Tを算出
することにより左右独立にブレーキをかけるが、スリッ
プ量DVR ,DVL が例えば10km/h以上の場合は、
スリップ変化率GFR,GFLが負であってもブレーキ液圧
変化量をΔPR =0,ΔPL =0としてブレーキ液圧を
減少せず、制動を続ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のスリップ制御装置
に関し、特に、左右の駆動輪のブレーキを独立に制御す
ることにより、片方の駆動輪に過大なスリップが発生し
ても、短時間でスリップを低減でき、且つブレーキ制御
によるLSD(Limited Slip Differencial)効果が十分
発揮できる装置に関する。
に関し、特に、左右の駆動輪のブレーキを独立に制御す
ることにより、片方の駆動輪に過大なスリップが発生し
ても、短時間でスリップを低減でき、且つブレーキ制御
によるLSD(Limited Slip Differencial)効果が十分
発揮できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加速時の駆動輪のスリップを防止
する装置とし、特開昭61−85248号公報に開示さ
れたトラクションコントロール装置が知られている。こ
のトラクションコントロール装置においては、発進時な
どで駆動輪のスリップを検出すると、このスリップを低
減させるように、運転者によるアクセルペタルの操作と
は無関係にエンジンの出力トルクを低下させる制御を行
うが、スリップが低減して直ちに制御を停止すると、エ
ンジンの出力トルクが増大するため再びスリップが成長
し始めるという問題点がある。
する装置とし、特開昭61−85248号公報に開示さ
れたトラクションコントロール装置が知られている。こ
のトラクションコントロール装置においては、発進時な
どで駆動輪のスリップを検出すると、このスリップを低
減させるように、運転者によるアクセルペタルの操作と
は無関係にエンジンの出力トルクを低下させる制御を行
うが、スリップが低減して直ちに制御を停止すると、エ
ンジンの出力トルクが増大するため再びスリップが成長
し始めるという問題点がある。
【0003】上記問題点を解決するための装置として、
特開平1−269653号公報に開示された加速スリッ
プ防止装置が知られている。この加速スリップ防止装置
においては、駆動輪のスリップ量に応じてエンジンの出
力トルクを制御すると共に、左右の駆動輪別々に、スリ
ップ量の時間的な変化率(スリップ変化率)に応じて、
運転者のブレーキぺダルの操作とは無関係にブレーキの
制御を行う。このブレーキ制御により、駆動輪のスリッ
プが効果的に抑制される。また、左右の駆動輪別々にブ
レーキが制御されるから、LSDと同様の効果が期待で
きる。即ち、スプリット路(左右の車輪間で摩擦係数が
大きく異なる路面)での発進時など、片方の駆動輪に過
大なスリップが発生した場合にも、この片輪のスリップ
が抑えられる。
特開平1−269653号公報に開示された加速スリッ
プ防止装置が知られている。この加速スリップ防止装置
においては、駆動輪のスリップ量に応じてエンジンの出
力トルクを制御すると共に、左右の駆動輪別々に、スリ
ップ量の時間的な変化率(スリップ変化率)に応じて、
運転者のブレーキぺダルの操作とは無関係にブレーキの
制御を行う。このブレーキ制御により、駆動輪のスリッ
プが効果的に抑制される。また、左右の駆動輪別々にブ
レーキが制御されるから、LSDと同様の効果が期待で
きる。即ち、スプリット路(左右の車輪間で摩擦係数が
大きく異なる路面)での発進時など、片方の駆動輪に過
大なスリップが発生した場合にも、この片輪のスリップ
が抑えられる。
【0004】しかし、スリップ変化率でブレーキを制御
するため、図22に示すようにスリップが少しでも減少
すると、その時点Aでブレーキを緩めることになり、ス
リップが十分抑制される前にB点から再びスリップが成
長し出すことがある。そのため、スリップが抑制される
までの時間が長く、またブレーキ制御によるLSD効果
が低下するという問題がある。なお、図22において、
400は加速に必要な目標スリップを示し、401は実
際に発生したスリップを示し、402はブレーキ液圧を
示す。
するため、図22に示すようにスリップが少しでも減少
すると、その時点Aでブレーキを緩めることになり、ス
リップが十分抑制される前にB点から再びスリップが成
長し出すことがある。そのため、スリップが抑制される
までの時間が長く、またブレーキ制御によるLSD効果
が低下するという問題がある。なお、図22において、
400は加速に必要な目標スリップを示し、401は実
際に発生したスリップを示し、402はブレーキ液圧を
示す。
【0005】また、ブレーキ制御の応答遅れ、あるいは
エンジンの出力トルク制御の応答遅れにより、駆動輪の
回転に異常変動が生じることがあり、その周期によって
は車両のジャダーとなり乗員に不快感を与える。
エンジンの出力トルク制御の応答遅れにより、駆動輪の
回転に異常変動が生じることがあり、その周期によって
は車両のジャダーとなり乗員に不快感を与える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決した車両のスリップ制御装置を提供す
ることを目的とする。
術の問題点を解決した車両のスリップ制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1の発明の車両のスリップ制御装置は、車両の駆動輪
を制動する制動手段と、上記駆動輪のスリップを検出す
るスリップ検出手段と、同スリップ検出手段によって検
出された上記スリップの時間的変化を算出するスリップ
変化率算出手段と、同スリップ変化率算出手段によって
算出された上記スリップの時間的変化に基づき上記駆動
輪に対する上記制動手段の制動力を制御する制動力制御
手段と、上記スリップ検出手段によって検出された上記
スリップが所定値以上の場合には上記制動力制御手段に
よる制動力の減少を禁止する制動力減少禁止手段とを具
備するものである。
項1の発明の車両のスリップ制御装置は、車両の駆動輪
を制動する制動手段と、上記駆動輪のスリップを検出す
るスリップ検出手段と、同スリップ検出手段によって検
出された上記スリップの時間的変化を算出するスリップ
変化率算出手段と、同スリップ変化率算出手段によって
算出された上記スリップの時間的変化に基づき上記駆動
輪に対する上記制動手段の制動力を制御する制動力制御
手段と、上記スリップ検出手段によって検出された上記
スリップが所定値以上の場合には上記制動力制御手段に
よる制動力の減少を禁止する制動力減少禁止手段とを具
備するものである。
【0008】また請求項2の発明の車両のスリップ制御
装置は、請求項1の発明に加えて、上記駆動輪の車輪速
度を検出する駆動輪速度検出手段と、上記駆動輪速度検
出手段により検出された上記駆動輪の車輪速度に可変の
フィルタ係数を用いてなまし処理を行うフィルタ手段
と、同フィルタ手段によりなまし処理された駆動輪車輪
速度に基づき上記駆動輪の車輪加速度を算出する駆動輪
加速度算出手段と、同駆動輪加速度算出手段によって算
出された上記駆動輪の車輪加速度の振動周期を求め該振
動周期に基づき上記フィルタ手段のフィルタ係数を増減
させるフィルタ係数制御手段とを具備し、上記スリップ
検出手段は上記フィルタ手段によりなまし処理された駆
動輪の車輪速度に基づき上記駆動輪のスリップを検出す
ることを特徴とするものである。
装置は、請求項1の発明に加えて、上記駆動輪の車輪速
度を検出する駆動輪速度検出手段と、上記駆動輪速度検
出手段により検出された上記駆動輪の車輪速度に可変の
フィルタ係数を用いてなまし処理を行うフィルタ手段
と、同フィルタ手段によりなまし処理された駆動輪車輪
速度に基づき上記駆動輪の車輪加速度を算出する駆動輪
加速度算出手段と、同駆動輪加速度算出手段によって算
出された上記駆動輪の車輪加速度の振動周期を求め該振
動周期に基づき上記フィルタ手段のフィルタ係数を増減
させるフィルタ係数制御手段とを具備し、上記スリップ
検出手段は上記フィルタ手段によりなまし処理された駆
動輪の車輪速度に基づき上記駆動輪のスリップを検出す
ることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】請求項1の発明においては、スリップ検出手段
により検出された駆動輪スリップの時間的変化を求め、
このスリップの時間的変化率に基づき制動力制御手段が
上記駆動輪に対する制動力を制御することにより、上記
駆動輪のスリップを制御する。但し、上記スリップが所
定値以上の場合には、上記時間的変化率が上記制動力の
制御において上記制動力を減少させるような値を有して
いたとしても、制動力減少禁止手段が上記制動制御手段
による制動力の減少を禁止する。これにより、スリップ
が減少傾向にあっても、スリップが所定値に低下するま
では駆動輪に対する制動力が減少しないので、スリップ
の再成長がなくなると共に、スリップの抑制に要する時
間が短縮する。
により検出された駆動輪スリップの時間的変化を求め、
このスリップの時間的変化率に基づき制動力制御手段が
上記駆動輪に対する制動力を制御することにより、上記
駆動輪のスリップを制御する。但し、上記スリップが所
定値以上の場合には、上記時間的変化率が上記制動力の
制御において上記制動力を減少させるような値を有して
いたとしても、制動力減少禁止手段が上記制動制御手段
による制動力の減少を禁止する。これにより、スリップ
が減少傾向にあっても、スリップが所定値に低下するま
では駆動輪に対する制動力が減少しないので、スリップ
の再成長がなくなると共に、スリップの抑制に要する時
間が短縮する。
【0010】また請求項2の発明においては、駆動輪速
度検出手段によって検出された駆動輪の車輪速度に対し
フィルタ手段が可変のフィルタ係数を用いてなまし処理
を行い、このフィルタ手段によりなまし処理された駆動
輪の車輪速度に基づきスリップ検出手段が駆動輪のスリ
ップを検出する。この時、駆動輪加速度算出手段が上記
フィルタ手段によりなまし処理された駆動輪の車輪速度
から駆動輪の車輪加速度を求め、この車輪加速度の変動
周期に基づきフィルタ係数制御手段が上記フィルタ手段
のフィルタ係数を増減させる。このようにしてフィルタ
手段のフィルタ係数を制御することにより、駆動輪の車
輪速度に生じた異常変動を抑制し、スリップ制御によっ
て生じるジャダーの発生を防止する。
度検出手段によって検出された駆動輪の車輪速度に対し
フィルタ手段が可変のフィルタ係数を用いてなまし処理
を行い、このフィルタ手段によりなまし処理された駆動
輪の車輪速度に基づきスリップ検出手段が駆動輪のスリ
ップを検出する。この時、駆動輪加速度算出手段が上記
フィルタ手段によりなまし処理された駆動輪の車輪速度
から駆動輪の車輪加速度を求め、この車輪加速度の変動
周期に基づきフィルタ係数制御手段が上記フィルタ手段
のフィルタ係数を増減させる。このようにしてフィルタ
手段のフィルタ係数を制御することにより、駆動輪の車
輪速度に生じた異常変動を抑制し、スリップ制御によっ
て生じるジャダーの発生を防止する。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例に係
る車両のスリップ制御装置を説明する。図1は本発明の
車両のスリップ制御装置を前輪駆動型式の車両に適用し
た場合の一実施例を概念的に示す。図1において、符号
WFRは前右側の駆動輪、WFLは前左側の駆動輪、W
RRは後右側の従動輪、WRLは後左側の従動輪をそれ
ぞれ示す。また、11は前右側駆動輪WFRの車輪速度
(周速度)VFRを検出する車輪速度センサ、12は前
左側駆動輪WFLの車輪速度VFLを検出する車輪速度
センサ、13は後右側従動輪WRRの車輪速度VRRを
検出する車輪速度センサ、14は後左側従動輪WRLの
車輪速度VRLを検出する車輪速度センサをそれぞれ示
す。上記車輪速度センサ11〜14で検出された各車輪
速度VFR,VFL,VRR,VRLはトラクションコ
ントローラ15に入力される。このトラクションコント
ローラ15が駆動輪WFR,WFLの過大なスリップを
防止するために、各駆動輪独立にブレーキ制御を行い、
またエンジン16の出力トルクも制御する。
る車両のスリップ制御装置を説明する。図1は本発明の
車両のスリップ制御装置を前輪駆動型式の車両に適用し
た場合の一実施例を概念的に示す。図1において、符号
WFRは前右側の駆動輪、WFLは前左側の駆動輪、W
RRは後右側の従動輪、WRLは後左側の従動輪をそれ
ぞれ示す。また、11は前右側駆動輪WFRの車輪速度
(周速度)VFRを検出する車輪速度センサ、12は前
左側駆動輪WFLの車輪速度VFLを検出する車輪速度
センサ、13は後右側従動輪WRRの車輪速度VRRを
検出する車輪速度センサ、14は後左側従動輪WRLの
車輪速度VRLを検出する車輪速度センサをそれぞれ示
す。上記車輪速度センサ11〜14で検出された各車輪
速度VFR,VFL,VRR,VRLはトラクションコ
ントローラ15に入力される。このトラクションコント
ローラ15が駆動輪WFR,WFLの過大なスリップを
防止するために、各駆動輪独立にブレーキ制御を行い、
またエンジン16の出力トルクも制御する。
【0012】エンジン16には運転者のアクセルペダル
操作による出力調整と、これとは無関係なスリップ防止
用の出力調整とのために、図2に示すようなスロットル
弁101が備わっている。通常の運転時には、運転者が
アクセルペダルを踏んでスロットル弁101を操作する
ことにより、エンジン出力を調整する。スリップ防止の
際には、トラクションコントローラ15がスロットル弁
101のスロットル開度を制御することにより、エンジ
ン出力を調整する。図2において、このスロットル弁1
01はエンジンの燃焼室に連結される吸気管によって形
成される吸気通路100の開度を変化して吸入空気量を
調整するものであり、スロットル弁101を組み込んだ
スロットルボディ102が吸気管の途中に介装されてい
る。このスロットルボディ102にはスロットル弁10
1を一体に固定したスロットル軸103の両端部が回転
自在に支持されており、吸気通路100内に突出する該
スロットル軸103の一端部に、アクセルレバー104
とスロットルレバー105とが同軸状をなして嵌合され
ている。アクセルレバー104の筒部106とスロット
ル軸103との間には、ブシュ107とスペーサ108
が介装され、これらによってアクセルレバー104がス
ロットル軸103に対して回転自在になっている。更
に、スロットル軸103の一端側に取り付けた座金10
9とナット110により、アクセルレバー104がスロ
ットル軸103から抜けるのを防止している。また、ア
クセルレバー104と一体のケーブル受け111には、
運転者によって操作されるアクセルペダル(図示省略)
がケーブル112を介して接続されており、アクセルベ
ダルの踏み込み量に応じてアクセルレバー104がスロ
ットル軸103に対して回動するようになっている。一
方、スロットルレバー105はスロットル軸103と一
体に固定されている。従って、スロットルレバー105
を制御することにより、スロットルレバー105がスロ
ットル軸103と一緒に回動する。また、アクセルレバ
ー104の筒部106にはカラー113がこれと同軸一
体に嵌着されており、このカラー113の一部に形成し
た爪部114に係止し得るストッパ115がスロットル
レバー105の先端部に形成されている。これら爪部1
14とストッパ115とは、スロットル弁101が開く
方向にスロットルレバー105を回動させるか、あるい
はスロットル弁101が閉じる方向にアクセルレバー1
04を回動させた場合に相互に係止するような位置関係
に設定されている。前記スロットルボディ102とスロ
ットルレバー105との間には、該スロットルレバー1
05のストッパ115をアクセルレバー104の爪部1
14に押し付けてスロットル弁101を開く方向に付勢
するねじりコイルばね116が、スロットル軸103に
嵌合されている一対の筒状のばね受け117,118を
介して、スロットル軸103と同軸状をなして装着され
ている。また、スロットルボディ102から突出するス
トッパ119とアクセルレバー104との間にも、該ア
クセルレバー104の爪部114をスロットルレバー1
05のストッパ115に押し付けてスロットル弁101
を閉じる方向に付勢し、且つアクセルベダルに対してデ
ィテント感を付与するためのねじりコイルばね120
が、前記カラー113を介してアクセルレバー104の
筒部106に、スロットル軸103と同軸状をなして装
着されている。スロットルレバー105の先端部には、
トラクションコントローラ15により制御されるアクチ
ュエータの制御棒(共に図示省略)の先端部が連結され
る。従って、アクチュエータの作動により、アクセルレ
バー104とは関係なく、スロットルレバー105を操
作してスロットル弁101を開閉することができる。但
し、ねじりコイルばね120の力を、アクチュエータの
力とねじりコイルばね116の力との和よりも大きく設
定し、アクセルペダルを踏み込まない限りスロットル弁
101が開かないようにしてある。即ち、アクセルレバ
ー104によるスロットル開度内で、スロットルレバー
105によってスロットル弁101を開閉することがで
きる。
操作による出力調整と、これとは無関係なスリップ防止
用の出力調整とのために、図2に示すようなスロットル
弁101が備わっている。通常の運転時には、運転者が
アクセルペダルを踏んでスロットル弁101を操作する
ことにより、エンジン出力を調整する。スリップ防止の
際には、トラクションコントローラ15がスロットル弁
101のスロットル開度を制御することにより、エンジ
ン出力を調整する。図2において、このスロットル弁1
01はエンジンの燃焼室に連結される吸気管によって形
成される吸気通路100の開度を変化して吸入空気量を
調整するものであり、スロットル弁101を組み込んだ
スロットルボディ102が吸気管の途中に介装されてい
る。このスロットルボディ102にはスロットル弁10
1を一体に固定したスロットル軸103の両端部が回転
自在に支持されており、吸気通路100内に突出する該
スロットル軸103の一端部に、アクセルレバー104
とスロットルレバー105とが同軸状をなして嵌合され
ている。アクセルレバー104の筒部106とスロット
ル軸103との間には、ブシュ107とスペーサ108
が介装され、これらによってアクセルレバー104がス
ロットル軸103に対して回転自在になっている。更
に、スロットル軸103の一端側に取り付けた座金10
9とナット110により、アクセルレバー104がスロ
ットル軸103から抜けるのを防止している。また、ア
クセルレバー104と一体のケーブル受け111には、
運転者によって操作されるアクセルペダル(図示省略)
がケーブル112を介して接続されており、アクセルベ
ダルの踏み込み量に応じてアクセルレバー104がスロ
ットル軸103に対して回動するようになっている。一
方、スロットルレバー105はスロットル軸103と一
体に固定されている。従って、スロットルレバー105
を制御することにより、スロットルレバー105がスロ
ットル軸103と一緒に回動する。また、アクセルレバ
ー104の筒部106にはカラー113がこれと同軸一
体に嵌着されており、このカラー113の一部に形成し
た爪部114に係止し得るストッパ115がスロットル
レバー105の先端部に形成されている。これら爪部1
14とストッパ115とは、スロットル弁101が開く
方向にスロットルレバー105を回動させるか、あるい
はスロットル弁101が閉じる方向にアクセルレバー1
04を回動させた場合に相互に係止するような位置関係
に設定されている。前記スロットルボディ102とスロ
ットルレバー105との間には、該スロットルレバー1
05のストッパ115をアクセルレバー104の爪部1
14に押し付けてスロットル弁101を開く方向に付勢
するねじりコイルばね116が、スロットル軸103に
嵌合されている一対の筒状のばね受け117,118を
介して、スロットル軸103と同軸状をなして装着され
ている。また、スロットルボディ102から突出するス
トッパ119とアクセルレバー104との間にも、該ア
クセルレバー104の爪部114をスロットルレバー1
05のストッパ115に押し付けてスロットル弁101
を閉じる方向に付勢し、且つアクセルベダルに対してデ
ィテント感を付与するためのねじりコイルばね120
が、前記カラー113を介してアクセルレバー104の
筒部106に、スロットル軸103と同軸状をなして装
着されている。スロットルレバー105の先端部には、
トラクションコントローラ15により制御されるアクチ
ュエータの制御棒(共に図示省略)の先端部が連結され
る。従って、アクチュエータの作動により、アクセルレ
バー104とは関係なく、スロットルレバー105を操
作してスロットル弁101を開閉することができる。但
し、ねじりコイルばね120の力を、アクチュエータの
力とねじりコイルばね116の力との和よりも大きく設
定し、アクセルペダルを踏み込まない限りスロットル弁
101が開かないようにしてある。即ち、アクセルレバ
ー104によるスロットル開度内で、スロットルレバー
105によってスロットル弁101を開閉することがで
きる。
【0013】また、図1において、17は前右側駆動輪
WFRの制動を行うためのホイールシリンダ、18は前
左側駆動輪WFLの制動を行うためのホイールシリンダ
をそれぞれ示し、19は油圧源、20はリザーバをそれ
ぞれ示す。なお、従動輪WRR,WRLの制動を行うた
めのホイールシリンダについては、図示を省略してあ
る。ホイールシリンダ17への油圧源19からの圧油の
供給はインレットバルブ17iを介して行われ、このホ
イールシリンダ17からリザーバ20への圧油の排出は
アウトレットバルブ17oを介して行われる。同様に、
ホイールシリンダ18への油圧源19からの圧油の供給
はインレットバルブ18iを介して行われ、このホイー
ルシリンダ18からリザーバ20への圧油の排出はアウ
トレットバルブ18oを介して行われる。そして、スリ
ップ防止の際には、トラクションコントローラ15が上
記インレットバルブ17iと18i、上記アウトレット
バルブ17oと18oの開閉を制御することにより、左
右独立に駆動輪WFR,WFLのブレーキ制御を行う。
WFRの制動を行うためのホイールシリンダ、18は前
左側駆動輪WFLの制動を行うためのホイールシリンダ
をそれぞれ示し、19は油圧源、20はリザーバをそれ
ぞれ示す。なお、従動輪WRR,WRLの制動を行うた
めのホイールシリンダについては、図示を省略してあ
る。ホイールシリンダ17への油圧源19からの圧油の
供給はインレットバルブ17iを介して行われ、このホ
イールシリンダ17からリザーバ20への圧油の排出は
アウトレットバルブ17oを介して行われる。同様に、
ホイールシリンダ18への油圧源19からの圧油の供給
はインレットバルブ18iを介して行われ、このホイー
ルシリンダ18からリザーバ20への圧油の排出はアウ
トレットバルブ18oを介して行われる。そして、スリ
ップ防止の際には、トラクションコントローラ15が上
記インレットバルブ17iと18i、上記アウトレット
バルブ17oと18oの開閉を制御することにより、左
右独立に駆動輪WFR,WFLのブレーキ制御を行う。
【0014】次に、図3〜図10を参照して、トラクシ
ョンコントローラ15を詳細に説明する。
ョンコントローラ15を詳細に説明する。
【0015】図3はトラクションコントローラ15のう
ちのブレーキ制御に関する構成を示し、目標駆動輪速度
算出部21と、スリップ検出部22,23と、乗算部2
4,25,26,27と、加算部28,29と、スリッ
プ変化率算出部30,31と、クリップ部32,33
と、ブレーキ液圧変化量の演算部34,35と、スイッ
チ36,37と、変換部38,39と、スイッチ40,
41と、加算部42,43と、メモリ44,45と、ス
イッチ制御部46,47と、ブレーキ制御の開始及び終
了の判定部48,49と、フィルタ係数が可変のフィル
タ50,51と、駆動輪加速度算出部52,53と、フ
ィルタ係数制御部54,55とが備えられている。演算
部34,35と、変換部38,39と、加算部42,4
3とが夫々左右の制動力制御手段を構成する。また、ス
イッチ36,37と、メモリ44,45と、スイッチ制
御46,47とが夫々左右の制動力減少禁止手段を構成
する。
ちのブレーキ制御に関する構成を示し、目標駆動輪速度
算出部21と、スリップ検出部22,23と、乗算部2
4,25,26,27と、加算部28,29と、スリッ
プ変化率算出部30,31と、クリップ部32,33
と、ブレーキ液圧変化量の演算部34,35と、スイッ
チ36,37と、変換部38,39と、スイッチ40,
41と、加算部42,43と、メモリ44,45と、ス
イッチ制御部46,47と、ブレーキ制御の開始及び終
了の判定部48,49と、フィルタ係数が可変のフィル
タ50,51と、駆動輪加速度算出部52,53と、フ
ィルタ係数制御部54,55とが備えられている。演算
部34,35と、変換部38,39と、加算部42,4
3とが夫々左右の制動力制御手段を構成する。また、ス
イッチ36,37と、メモリ44,45と、スイッチ制
御46,47とが夫々左右の制動力減少禁止手段を構成
する。
【0016】目標駆動輪速度算出部21は従動輪の車輪
速センサ13,14から得られた左右の従動輪速度VR
R,VRLを用いてブレーキ制御用の目標駆動輪速度V
B0を算出するものであり、その具体的構成例を図4によ
り説明する。図4において、目標駆動輪速度算出部21
は高車輪速選択部(SH)211と、乗算部212と、
平均演算部213と、補正係数記憶部214と、加算部
215と、微分演算部216と、フィルタ217と、補
正量記憶部218とから構成されている。高車輪速選択
部(SH)211は左右の従動輪速度VRRとVRLの
うち大きい方の値を選択し、これをブレーキ制御用の車
両走行速度(以下、車体速度という)VB として出力す
る。この車体速度VB に乗算部212にて補正係数K
LMT を乗じ、更に加算部215にてスリップ補正量VK
を加算して、ブレーキ制御用目標駆動輪速度VBOとして
出力する。ここで、従動輪速度VRRとVRLのうち大
きい方の値を選択するのは、車両の加速性を良くするた
めに配慮したものである。また、補正係数KLMT を乗算
するのも車両の加速性を良くするためであり、補正係数
KLMT は平均車速VAVに応じて可変する。即ち、補正係
数KLMT は図5に示すように平均車速VAVに応じて予め
マップとして記憶部214に設定されており、平均演算
部213にて左右の従動輪速VRRとVRLを平均化し
て平均車速VAVを得、これを用いてマップから補正係数
KLMT を読み出すようにしている。更に、スリップ補正
量VK を加算するのも車両の加速性を良くするためであ
り、この補正量VK は車両の前後加速度GBFに応じて可
変する。即ち、スリップ補正量VK は図6に示すように
車両前後加速度GBFに応じて予めマップとして記憶部2
18に設定されており、微分演算部216にて車体速度
VB を微分しこれにフィルタ217にてノイズ除去処理
等を施して車両前後加速度GBFを得、これを用いてマッ
プからスリップ補正量VK を読み出すようにしている。
速センサ13,14から得られた左右の従動輪速度VR
R,VRLを用いてブレーキ制御用の目標駆動輪速度V
B0を算出するものであり、その具体的構成例を図4によ
り説明する。図4において、目標駆動輪速度算出部21
は高車輪速選択部(SH)211と、乗算部212と、
平均演算部213と、補正係数記憶部214と、加算部
215と、微分演算部216と、フィルタ217と、補
正量記憶部218とから構成されている。高車輪速選択
部(SH)211は左右の従動輪速度VRRとVRLの
うち大きい方の値を選択し、これをブレーキ制御用の車
両走行速度(以下、車体速度という)VB として出力す
る。この車体速度VB に乗算部212にて補正係数K
LMT を乗じ、更に加算部215にてスリップ補正量VK
を加算して、ブレーキ制御用目標駆動輪速度VBOとして
出力する。ここで、従動輪速度VRRとVRLのうち大
きい方の値を選択するのは、車両の加速性を良くするた
めに配慮したものである。また、補正係数KLMT を乗算
するのも車両の加速性を良くするためであり、補正係数
KLMT は平均車速VAVに応じて可変する。即ち、補正係
数KLMT は図5に示すように平均車速VAVに応じて予め
マップとして記憶部214に設定されており、平均演算
部213にて左右の従動輪速VRRとVRLを平均化し
て平均車速VAVを得、これを用いてマップから補正係数
KLMT を読み出すようにしている。更に、スリップ補正
量VK を加算するのも車両の加速性を良くするためであ
り、この補正量VK は車両の前後加速度GBFに応じて可
変する。即ち、スリップ補正量VK は図6に示すように
車両前後加速度GBFに応じて予めマップとして記憶部2
18に設定されており、微分演算部216にて車体速度
VB を微分しこれにフィルタ217にてノイズ除去処理
等を施して車両前後加速度GBFを得、これを用いてマッ
プからスリップ補正量VK を読み出すようにしている。
【0017】図3において、左右2つのスリップ検出部
22,23はそれぞれ車輪速センサ11,12から得ら
れる左右の駆動輪速度VFR,VFLをフィルタ50,
51を通して入力し、これからブレーキ制御用目標駆動
輪速度VB0を減算して、各駆動輪のブレーキ制御用スリ
ップ量を出力する。但し、本実施例では、右用のスリッ
プ検出部22の出力に乗算部24にて重み付け係数KB
(0.5≦KB ≦1)を乗じたものと、左用のスリップ
検出部23の出力に乗算部26にて重み付け係数1−K
B を乗じたものとを加算部28にて加算することによ
り、前右側駆動輪のブレーキ制御用スリップ量DVR と
している。また、左用のスリップ検出部23の出力に乗
算部25にて重み付け係数KB (0.5<KB ≦1)を
乗じたものと、右用のスリップ検出部22の出力に乗算
部27にて重み付け係数1−KB を乗じたものとを加算
部29にて加算することにより、前左側駆動輪のブレー
キ制御用スリップ量DVL としている。重み付け係数
は、図7に示すように、ブレーキ制御開始後に時間経過
とともに変化させている。このように重み付けをした加
算(加重平均)を行うのは、以下のような理由による。
すなわち、左右の駆動輪WFR,WFLのうちスリップ
が発生している方にだけ制動を行うと、スリップしてい
た駆動輪はそのスリップが抑制されるが、制動された駆
動輪に供給されていた駆動力がディファレンシャルギヤ
を介して反対側の駆動輪に供給されるようになる。この
ため、今度は上記反対側の駆動輪に供給される駆動力が
過大になって、上記反対側の駆動輪にスリップが発生す
る。そこで、上記反対側の駆動輪を制動すると、同様に
して最初にスリップが発生していた駆動輪が再びスリッ
プし、このように左右の駆動輪WFR,WFLが交互に
スリップを繰り返してスリップの収束が遅れることにな
る。そこで、駆動輪WFR,WFLの一方のみがスリッ
プしていても、スリップしている駆動輪だけでなく他方
の駆動輪もある程度制動することにより、このような現
象の発生を防止しているのである。
22,23はそれぞれ車輪速センサ11,12から得ら
れる左右の駆動輪速度VFR,VFLをフィルタ50,
51を通して入力し、これからブレーキ制御用目標駆動
輪速度VB0を減算して、各駆動輪のブレーキ制御用スリ
ップ量を出力する。但し、本実施例では、右用のスリッ
プ検出部22の出力に乗算部24にて重み付け係数KB
(0.5≦KB ≦1)を乗じたものと、左用のスリップ
検出部23の出力に乗算部26にて重み付け係数1−K
B を乗じたものとを加算部28にて加算することによ
り、前右側駆動輪のブレーキ制御用スリップ量DVR と
している。また、左用のスリップ検出部23の出力に乗
算部25にて重み付け係数KB (0.5<KB ≦1)を
乗じたものと、右用のスリップ検出部22の出力に乗算
部27にて重み付け係数1−KB を乗じたものとを加算
部29にて加算することにより、前左側駆動輪のブレー
キ制御用スリップ量DVL としている。重み付け係数
は、図7に示すように、ブレーキ制御開始後に時間経過
とともに変化させている。このように重み付けをした加
算(加重平均)を行うのは、以下のような理由による。
すなわち、左右の駆動輪WFR,WFLのうちスリップ
が発生している方にだけ制動を行うと、スリップしてい
た駆動輪はそのスリップが抑制されるが、制動された駆
動輪に供給されていた駆動力がディファレンシャルギヤ
を介して反対側の駆動輪に供給されるようになる。この
ため、今度は上記反対側の駆動輪に供給される駆動力が
過大になって、上記反対側の駆動輪にスリップが発生す
る。そこで、上記反対側の駆動輪を制動すると、同様に
して最初にスリップが発生していた駆動輪が再びスリッ
プし、このように左右の駆動輪WFR,WFLが交互に
スリップを繰り返してスリップの収束が遅れることにな
る。そこで、駆動輪WFR,WFLの一方のみがスリッ
プしていても、スリップしている駆動輪だけでなく他方
の駆動輪もある程度制動することにより、このような現
象の発生を防止しているのである。
【0018】左右のスリップ変化率算出部30,31は
それぞれスリップ検出部から得られるスリップ量D
VR .DVL を時間微分して、スリップの時間的変化即
ちスリップ変化率GFR,GFLを得る。但し、本実施例で
は、クリップ部32,33によりそれぞれスリップ変化
率GFR,GFLを上限は3.4Gに、下限は−3.4G
(Gは重力加速度)に制限している。
それぞれスリップ検出部から得られるスリップ量D
VR .DVL を時間微分して、スリップの時間的変化即
ちスリップ変化率GFR,GFLを得る。但し、本実施例で
は、クリップ部32,33によりそれぞれスリップ変化
率GFR,GFLを上限は3.4Gに、下限は−3.4G
(Gは重力加速度)に制限している。
【0019】次に、演算部34,35と、変換部38,
39と、加算部42,43とが左右駆動輪に対するホイ
ールシリンダ17,18の制動力を制御する各制動力制
御手段を構成している。
39と、加算部42,43とが左右駆動輪に対するホイ
ールシリンダ17,18の制動力を制御する各制動力制
御手段を構成している。
【0020】演算部34,35はスリップ変化率GFR,
GFLをブレーキ液圧変化量ΔPR ,ΔPL に変換するも
のであり、それぞれスリップ変化率GFR,GFLに基づ
き、図8に示す如き予め設定したマップから、インレッ
トバルブ17i,18iを介してホイールシリンダ1
7,18に供給しまたはアウトレットバルブ17o,1
8oを介してホイールシリンダ17,18から排出する
ブレーキ液(圧油)の圧力変化量ΔPR ,ΔPL を読み
出し、スイッチ36,37を通して変換部38,39に
与える。図8のマップにおいて、スリップ変化率GFR,
GFLが正の領域(スリップ量が増加傾向の領域)では、
変速機の変速段が2速以上と、それ以外の場合とで、ブ
レーキ液圧変化量ΔPR ,ΔPL とスリップ変化率
GFR,GFLとの関係を途中から変えている。また、スリ
ップ変化率GFR,GFLのゼロ近傍は不感帯としてある。
GFLをブレーキ液圧変化量ΔPR ,ΔPL に変換するも
のであり、それぞれスリップ変化率GFR,GFLに基づ
き、図8に示す如き予め設定したマップから、インレッ
トバルブ17i,18iを介してホイールシリンダ1
7,18に供給しまたはアウトレットバルブ17o,1
8oを介してホイールシリンダ17,18から排出する
ブレーキ液(圧油)の圧力変化量ΔPR ,ΔPL を読み
出し、スイッチ36,37を通して変換部38,39に
与える。図8のマップにおいて、スリップ変化率GFR,
GFLが正の領域(スリップ量が増加傾向の領域)では、
変速機の変速段が2速以上と、それ以外の場合とで、ブ
レーキ液圧変化量ΔPR ,ΔPL とスリップ変化率
GFR,GFLとの関係を途中から変えている。また、スリ
ップ変化率GFR,GFLのゼロ近傍は不感帯としてある。
【0021】変換部38,39はそれぞれブレーキ液圧
変化量ΔPR ,ΔPL に対応してインレットバルブ17
i及びアウトレットバルブ17oの基準開弁時間
TBRI ,T BRO と、インレットバルブ18i及びアウト
レットバルブ18oの基準開弁時間TBLI ,TBLO とを
算出するものであり、スイッチ40,41を通して加算
部42,43に出力する。なお、ブレーキ液圧変化量Δ
PR ,ΔPL が正の場合は、インレットバルブ17i,
18iの基準開弁時間TBRI ,TBLI が算出され、負の
場合はアウトレットバルブ17o,18oの基準開弁時
間TBRI ,TBLI が算出される。
変化量ΔPR ,ΔPL に対応してインレットバルブ17
i及びアウトレットバルブ17oの基準開弁時間
TBRI ,T BRO と、インレットバルブ18i及びアウト
レットバルブ18oの基準開弁時間TBLI ,TBLO とを
算出するものであり、スイッチ40,41を通して加算
部42,43に出力する。なお、ブレーキ液圧変化量Δ
PR ,ΔPL が正の場合は、インレットバルブ17i,
18iの基準開弁時間TBRI ,TBLI が算出され、負の
場合はアウトレットバルブ17o,18oの基準開弁時
間TBRI ,TBLI が算出される。
【0022】加算部42,43ではそれぞれ、基準開弁
時間TBRI ,TBLI にブレーキ制御中の無効液量の補正
のための開弁補正時間ΔTR ,ΔTL を加算し、左右の
ホイールシリンダ17,18の作動力指令TR ,TL と
して出力する。これにより、ホイールシリンダ17,1
8に対するブレーキ液量の増量操作から、実際に制動が
始まるまでの時間的な遅れが補正される。ここで、開弁
補正時間ΔTR ,ΔTL は次の数1,数2に示す式から
算出している。但し、開弁補正時間ΔTR ,ΔTL は最
大でも40ミリ秒あれば遅れを補正できるので、最大値
を40ミリ秒でクリップしている。
時間TBRI ,TBLI にブレーキ制御中の無効液量の補正
のための開弁補正時間ΔTR ,ΔTL を加算し、左右の
ホイールシリンダ17,18の作動力指令TR ,TL と
して出力する。これにより、ホイールシリンダ17,1
8に対するブレーキ液量の増量操作から、実際に制動が
始まるまでの時間的な遅れが補正される。ここで、開弁
補正時間ΔTR ,ΔTL は次の数1,数2に示す式から
算出している。但し、開弁補正時間ΔTR ,ΔTL は最
大でも40ミリ秒あれば遅れを補正できるので、最大値
を40ミリ秒でクリップしている。
【数1】ΔTR =−ΣTBRI +(1/10)ΣTBRO
【数2】ΔTL =−ΣTBLI +(1/10)ΣTBLO
【0023】スイッチ36,37と、メモリ44,45
と、スイッチ制御部46,47とが左右の制動力制御手
段による制動力の減少を禁止する各制動力減少禁止手段
を構成している。
と、スイッチ制御部46,47とが左右の制動力制御手
段による制動力の減少を禁止する各制動力減少禁止手段
を構成している。
【0024】メモリ44,45にはそれぞれ、ブレーキ
液圧変化量がゼロ、即ちΔPR =0,ΔPL =0という
データが設定されている。スイッチ制御部46,47は
それぞれ、スリップ量DVR ,DVL とスリップ変化率
GFR,GFLを入力し、GFRが負で且つDVR が所定値例
えば10km/h以上の時はメモリ44のデータΔPR =
0を右用の制動力制御手段の変換部38に与えるように
スイッチ36を制御し、GFLが負で且つDVL が所定値
例えば10km/h以上の時はメモリ45のデータΔPL
=0を左用の制動力制御手段の変換部39に与えるよう
にスイッチ37を制御する。これにより、図9に示すよ
うに、ブレーキ制御によってスリップ量が点Aから減少
し始めても、これだけではブレーキ液圧は減少せず従前
の値に保持され、この状態はスリップ量が10km/h未
満になる時点Cまで続く。このように、スリップ量が十
分抑制されるまで(A−C間)制動力の減少を禁止する
ことから、C点以降にブレーキが解除されてもスリップ
が再成長することがない。また、スリップが抑制される
までの時間が短縮される。更に、ブレーキ制御によるL
SD効果が良く効き、加速性が向上する。図9におい
て、301は駆動輪の車輪速を示し、302はブレーキ
液圧を示す。即ち、発進時等では車速の増加を大きく上
回って駆動輪速度が増大するためにスリップが生じる。
駆動輪にスリップが発生し始めると、基本的にはスリッ
プ量DVR ,DVL を検出し、更にスリップの時間的変
化を算出し、得られたスリップ変化率GFR,GFLに応じ
てブレーキ液圧を増圧または減圧して駆動輪に対する制
動力を制御することにより、駆動輪のスリップを抑制す
る。但し、スリップ量DVR ,DVL が所定値例えば1
0km/h以上の場合には、図9中のA時点以降に示すよ
うに、スリップの時間的変化率GFR,GFLが制動力の制
御において制動力を減少させるような値を有していたと
しても、ブレーキ液圧を従前の値に保持することによ
り、制動力の減少を禁止する。これにより、スリップが
減少傾向にあっても、スリップ量DVR ,DVL が所定
値例えば10km/hに低下する時点Cまでは、駆動輪に
対する制動力が減少しない。従って、スリップの再成長
がなくなると共に、スリップの抑制に要する時間が短縮
する。
液圧変化量がゼロ、即ちΔPR =0,ΔPL =0という
データが設定されている。スイッチ制御部46,47は
それぞれ、スリップ量DVR ,DVL とスリップ変化率
GFR,GFLを入力し、GFRが負で且つDVR が所定値例
えば10km/h以上の時はメモリ44のデータΔPR =
0を右用の制動力制御手段の変換部38に与えるように
スイッチ36を制御し、GFLが負で且つDVL が所定値
例えば10km/h以上の時はメモリ45のデータΔPL
=0を左用の制動力制御手段の変換部39に与えるよう
にスイッチ37を制御する。これにより、図9に示すよ
うに、ブレーキ制御によってスリップ量が点Aから減少
し始めても、これだけではブレーキ液圧は減少せず従前
の値に保持され、この状態はスリップ量が10km/h未
満になる時点Cまで続く。このように、スリップ量が十
分抑制されるまで(A−C間)制動力の減少を禁止する
ことから、C点以降にブレーキが解除されてもスリップ
が再成長することがない。また、スリップが抑制される
までの時間が短縮される。更に、ブレーキ制御によるL
SD効果が良く効き、加速性が向上する。図9におい
て、301は駆動輪の車輪速を示し、302はブレーキ
液圧を示す。即ち、発進時等では車速の増加を大きく上
回って駆動輪速度が増大するためにスリップが生じる。
駆動輪にスリップが発生し始めると、基本的にはスリッ
プ量DVR ,DVL を検出し、更にスリップの時間的変
化を算出し、得られたスリップ変化率GFR,GFLに応じ
てブレーキ液圧を増圧または減圧して駆動輪に対する制
動力を制御することにより、駆動輪のスリップを抑制す
る。但し、スリップ量DVR ,DVL が所定値例えば1
0km/h以上の場合には、図9中のA時点以降に示すよ
うに、スリップの時間的変化率GFR,GFLが制動力の制
御において制動力を減少させるような値を有していたと
しても、ブレーキ液圧を従前の値に保持することによ
り、制動力の減少を禁止する。これにより、スリップが
減少傾向にあっても、スリップ量DVR ,DVL が所定
値例えば10km/hに低下する時点Cまでは、駆動輪に
対する制動力が減少しない。従って、スリップの再成長
がなくなると共に、スリップの抑制に要する時間が短縮
する。
【0025】フィルタ50,51と、駆動輪加速度算出
部52,53と、フィルタ係数制御部54,55とが左
右の駆動輪に対する各ジャダー抑制の作用をする。
部52,53と、フィルタ係数制御部54,55とが左
右の駆動輪に対する各ジャダー抑制の作用をする。
【0026】フィルタ50,51はそれぞれフィルタ係
数が上限値と下限値の間で可変のものであり、それぞれ
可変のフィルタ係数を用いて、例えば次の数3,数4に
示すデジタル演算により車輪速度センサ11,12から
の駆動輪速度VFR,VFLになまし処理を施すものと
している。但し、VFR(n) ,VFL(n) は今回サンプ
リングした駆動輪速度、VFRF(n),VFLF(n)は今回
のなまし処理で得た駆動輪速度、VFRF(n-1),VFL
F(n-1)は前回のなまし処理で得た駆動輪速度、KF /2
56,KL /256はフィルタ係数である。
数が上限値と下限値の間で可変のものであり、それぞれ
可変のフィルタ係数を用いて、例えば次の数3,数4に
示すデジタル演算により車輪速度センサ11,12から
の駆動輪速度VFR,VFLになまし処理を施すものと
している。但し、VFR(n) ,VFL(n) は今回サンプ
リングした駆動輪速度、VFRF(n),VFLF(n)は今回
のなまし処理で得た駆動輪速度、VFRF(n-1),VFL
F(n-1)は前回のなまし処理で得た駆動輪速度、KF /2
56,KL /256はフィルタ係数である。
【数3】VFRF(n)=(KF /256)VFR(n) +{1−
(KF /256)}VFRF(n-1)
(KF /256)}VFRF(n-1)
【数4】VFLF(n)=(KL /256)VFL(n) +{1−
(KL /256)}VFLF(n-1)
(KL /256)}VFLF(n-1)
【0027】駆動輪加速度算出部52,53はそれぞれ
なまし処理された駆動輪速度VFR F , VFLF を時間
微分して、各駆動輪の車輪加速度即ち駆動輪加速度G
VFR ,GVFL を算出する。
なまし処理された駆動輪速度VFR F , VFLF を時間
微分して、各駆動輪の車輪加速度即ち駆動輪加速度G
VFR ,GVFL を算出する。
【0028】フィルタ係数制御部54,55はそれぞれ
駆動輪加速度GVFR ,GVFL を入力し、図10に示すよ
うに駆動輪加速度GVFR ,GVFL が正負の所定値例えば
±1.0g(gは重力加速度)を越えた場合のみ、振動
周期TJR,TJLを算出する。そして、例えば4.8Hz
≦1/TJR≦8.3Hzであれば、これの成立の都度、
前右側駆動輪速度VFRに対するフィルタ50のフィル
タ係数KR /256を、128/256→64/256
→32/256→16/256という如く下限値16/
256まで順次減少させる。1/TJR<4.8Hz又は
8.3Hz<1/TJRであれば、その都度、前右側駆動
輪速度VFRに対するフィルタ50のフィルタ係数KR
/256を、16/256→32/256→64/25
6→128/256という如く上限値128/256ま
で順次増大させる。同様に、例えば4.8Hz≦1/T
JL≦8.3Hzであれば、これの成立の都度、前左側駆
動輪速度VFLに対するフィルタ51のフィルタ係数K
L /256を、128/256→64/256→32/
256→16/256という如く下限値16/256ま
で順次減少させる。1/TJL<4.8Hz又は8.3H
z<1/TJLであれば、その都度、前左側駆動輪速度V
FLに対するフィルタ51のフィルタ係数KL /256
を、16/256→32/256→64/256→12
8/256という如く上限値128/256まで順次増
大させる。但し、駆動輪加速度GFR,FFLが±1.0G
未満であれば、フィルタ係数は変更せず、従前の値を保
持する。
駆動輪加速度GVFR ,GVFL を入力し、図10に示すよ
うに駆動輪加速度GVFR ,GVFL が正負の所定値例えば
±1.0g(gは重力加速度)を越えた場合のみ、振動
周期TJR,TJLを算出する。そして、例えば4.8Hz
≦1/TJR≦8.3Hzであれば、これの成立の都度、
前右側駆動輪速度VFRに対するフィルタ50のフィル
タ係数KR /256を、128/256→64/256
→32/256→16/256という如く下限値16/
256まで順次減少させる。1/TJR<4.8Hz又は
8.3Hz<1/TJRであれば、その都度、前右側駆動
輪速度VFRに対するフィルタ50のフィルタ係数KR
/256を、16/256→32/256→64/25
6→128/256という如く上限値128/256ま
で順次増大させる。同様に、例えば4.8Hz≦1/T
JL≦8.3Hzであれば、これの成立の都度、前左側駆
動輪速度VFLに対するフィルタ51のフィルタ係数K
L /256を、128/256→64/256→32/
256→16/256という如く下限値16/256ま
で順次減少させる。1/TJL<4.8Hz又は8.3H
z<1/TJLであれば、その都度、前左側駆動輪速度V
FLに対するフィルタ51のフィルタ係数KL /256
を、16/256→32/256→64/256→12
8/256という如く上限値128/256まで順次増
大させる。但し、駆動輪加速度GFR,FFLが±1.0G
未満であれば、フィルタ係数は変更せず、従前の値を保
持する。
【0029】このように、フィルタ50,51のフィル
タ係数KR /256,KL /256を変化させることに
より、左右の駆動輪独立にジャダーの発生を効果的に抑
制することができる。
タ係数KR /256,KL /256を変化させることに
より、左右の駆動輪独立にジャダーの発生を効果的に抑
制することができる。
【0030】ブレーキ制御に必要な上記の各種演算はデ
ジタル処理で常時行われており、ブレーキ制御を実際に
開始すべきか、終了すべきかの判定を判定部48,49
がそれぞれ行い、開始から終了までの間はスイッチ4
0,41にブレーキ制御指令FBR ,FBL を与えてス
イッチをオンにさせる。
ジタル処理で常時行われており、ブレーキ制御を実際に
開始すべきか、終了すべきかの判定を判定部48,49
がそれぞれ行い、開始から終了までの間はスイッチ4
0,41にブレーキ制御指令FBR ,FBL を与えてス
イッチをオンにさせる。
【0031】判定部48は、下記(1)〜(5)の条件
が全て満足された場合にブレーキ制御開始と判定し、ス
イッチ40をオンにする。 (1)駆動輪加速度GVFR が所定値例えば0.4G(G
は重力加速度)以上であること。 (2)スリップ量DVR が正の第1所定値例えば2km/
h以上で且つスリップ変化率GFRが所定値例えば1G以
上であること、あるいは、スリップ量DVR が第1より
大きい第2所定値例えば5km/h以上であること。 (3)エンジントルクが車両走行に必要最小限の値例え
ば4kgm 以上であること。 (4)ブレーキ制御のための手動スイッチTCLがオン
であること。 (5)ABSが正常で且つABSが非制御中であるこ
と。
が全て満足された場合にブレーキ制御開始と判定し、ス
イッチ40をオンにする。 (1)駆動輪加速度GVFR が所定値例えば0.4G(G
は重力加速度)以上であること。 (2)スリップ量DVR が正の第1所定値例えば2km/
h以上で且つスリップ変化率GFRが所定値例えば1G以
上であること、あるいは、スリップ量DVR が第1より
大きい第2所定値例えば5km/h以上であること。 (3)エンジントルクが車両走行に必要最小限の値例え
ば4kgm 以上であること。 (4)ブレーキ制御のための手動スイッチTCLがオン
であること。 (5)ABSが正常で且つABSが非制御中であるこ
と。
【0032】なお、ブレーキ制御開始条件(2)のう
ち、DVR ≧2km/h且つGFR≧1Gが成立してブレー
キ制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始後からスリ
ップ変化率がGFR<0.5Gとなるまでは、変速段に関
係なく、連続込めとし、それ以後のみ100ms毎に図3
に示した通りの液圧制御即ち100ms毎のパルス・ステ
ップ・コントロールを行う。一方、ブレーキ制御開始条
件(2)のうち、DVR ≧5km/hが成立してブレーキ
制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始時から図3に
示した通りの液圧制御を100ms毎のパルス・ステップ
・コントロールで行う。また、ブレーキ制御開始後、
0.8秒間を除き、DVR >6km/h且つ0G<GFR<
0.3Gが成立する場合は、無条件にΔPR =0.84
kg/m2として100ms毎に液圧制御を行う。更に、前述
した通り、DVR >10km/hではブレーキ液圧の減圧
を禁止する。DVR <0km/hが成立した場合は、20
ms毎のタイミングでブレーキ液圧を強制的にリリースす
る。
ち、DVR ≧2km/h且つGFR≧1Gが成立してブレー
キ制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始後からスリ
ップ変化率がGFR<0.5Gとなるまでは、変速段に関
係なく、連続込めとし、それ以後のみ100ms毎に図3
に示した通りの液圧制御即ち100ms毎のパルス・ステ
ップ・コントロールを行う。一方、ブレーキ制御開始条
件(2)のうち、DVR ≧5km/hが成立してブレーキ
制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始時から図3に
示した通りの液圧制御を100ms毎のパルス・ステップ
・コントロールで行う。また、ブレーキ制御開始後、
0.8秒間を除き、DVR >6km/h且つ0G<GFR<
0.3Gが成立する場合は、無条件にΔPR =0.84
kg/m2として100ms毎に液圧制御を行う。更に、前述
した通り、DVR >10km/hではブレーキ液圧の減圧
を禁止する。DVR <0km/hが成立した場合は、20
ms毎のタイミングでブレーキ液圧を強制的にリリースす
る。
【0033】また判定部48は、下記(6)〜(9)の
条件のいずれかが満足された場合にブレーキ制御終了と
判定し、スイッチ40をオフにする。 (6)スリップ量DVR が負の所定値例えば−1.5km
/h未満となった状態が所定時間例えば1秒以上継続す
ること。 (7)アイドルスイッチIDSWのオフからオンへの移
行が所定時間例えば0.5秒以上継続すること。 (8)平均車速VAVが所定値例えば80km/h以上であ
ること。 (9)ABSが制御中であること。
条件のいずれかが満足された場合にブレーキ制御終了と
判定し、スイッチ40をオフにする。 (6)スリップ量DVR が負の所定値例えば−1.5km
/h未満となった状態が所定時間例えば1秒以上継続す
ること。 (7)アイドルスイッチIDSWのオフからオンへの移
行が所定時間例えば0.5秒以上継続すること。 (8)平均車速VAVが所定値例えば80km/h以上であ
ること。 (9)ABSが制御中であること。
【0034】一方、判定部49も、下記(1′)〜
(3′)の条件が全て満足された場合にブレーキ制御開
始と判定し、スイッチ41をオンにする。 (1′)駆動輪加速度GVFL が所定値例えば0.4G
(Gは重力加速度)以上であること。 (2′)スリップ量DVL が正の第1所定値例えば2km
/h以上で且つスリップ変化率GFLが所定値例えば1G
以上であること、あるいは、スリップ量DVLが第1よ
り大きい第2所定値例えば5km/h以上であること。 (3′)エンジントルクが車両走行に必要最小限の値例
えば4kgm 以上であること。 (4′)ブレーキ制御のための手動スイッチTCLがオ
ンであること。 (5′)ABSが正常で且つABSが非制御中であるこ
と。
(3′)の条件が全て満足された場合にブレーキ制御開
始と判定し、スイッチ41をオンにする。 (1′)駆動輪加速度GVFL が所定値例えば0.4G
(Gは重力加速度)以上であること。 (2′)スリップ量DVL が正の第1所定値例えば2km
/h以上で且つスリップ変化率GFLが所定値例えば1G
以上であること、あるいは、スリップ量DVLが第1よ
り大きい第2所定値例えば5km/h以上であること。 (3′)エンジントルクが車両走行に必要最小限の値例
えば4kgm 以上であること。 (4′)ブレーキ制御のための手動スイッチTCLがオ
ンであること。 (5′)ABSが正常で且つABSが非制御中であるこ
と。
【0035】なお、ブレーキ制御開始条件(2′)のう
ち、DVL ≧2km/h且つGFL≧1Gが成立してブレー
キ制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始後からスリ
ップ変化率がGFL<0.5Gとなるまでは、変速段に関
係なく、連続込めとし、それ以後のみ100ms毎に図3
に示した通りの液圧制御即ち100ms毎のパルス・ステ
ップ・コントロールを行う。一方、ブレーキ制御開始条
件(2′)のうち、DVL ≧5km/hが成立してブレー
キ制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始時から図3
に示した通りの液圧制御を100ms毎のパルス・ステッ
プ・コントロールで行う。また、ブレーキ制御開始後、
0.8秒間を除き、DVL >6km/h且つ0G<GFL<
0.3Gが成立する場合は、無条件にΔPL =0.84
kg/m2として100ms毎に液圧制御を行う。更に、前述
した通り、DVL >10km/hではブレーキ液圧の減圧
を禁止する。DVL <0km/hが成立した場合は、20
ms毎のタイミングでブレーキ液圧を強制的にリリースす
る。
ち、DVL ≧2km/h且つGFL≧1Gが成立してブレー
キ制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始後からスリ
ップ変化率がGFL<0.5Gとなるまでは、変速段に関
係なく、連続込めとし、それ以後のみ100ms毎に図3
に示した通りの液圧制御即ち100ms毎のパルス・ステ
ップ・コントロールを行う。一方、ブレーキ制御開始条
件(2′)のうち、DVL ≧5km/hが成立してブレー
キ制御を開始した場合は、ブレーキ制御開始時から図3
に示した通りの液圧制御を100ms毎のパルス・ステッ
プ・コントロールで行う。また、ブレーキ制御開始後、
0.8秒間を除き、DVL >6km/h且つ0G<GFL<
0.3Gが成立する場合は、無条件にΔPL =0.84
kg/m2として100ms毎に液圧制御を行う。更に、前述
した通り、DVL >10km/hではブレーキ液圧の減圧
を禁止する。DVL <0km/hが成立した場合は、20
ms毎のタイミングでブレーキ液圧を強制的にリリースす
る。
【0036】また判定部49は、下記(6′)〜
(9′)の条件のいずれかが満足された場合にブレーキ
制御終了と判定し、スイッチ41をオフにする。 (6′)スリップ量DVL が負の所定値例えば−1.5
km/h未満となった状態が所定時間例えば1秒以上継続
すること。 (7′)アイドルスイッチIDSWのオフからオンへの
移行が所定時間例えば0.5秒以上継続すること。 (8′)平均車速VAVが所定値例えば80km/h以上で
あること。 (9′)ABSが制御中であること。
(9′)の条件のいずれかが満足された場合にブレーキ
制御終了と判定し、スイッチ41をオフにする。 (6′)スリップ量DVL が負の所定値例えば−1.5
km/h未満となった状態が所定時間例えば1秒以上継続
すること。 (7′)アイドルスイッチIDSWのオフからオンへの
移行が所定時間例えば0.5秒以上継続すること。 (8′)平均車速VAVが所定値例えば80km/h以上で
あること。 (9′)ABSが制御中であること。
【0037】次に、スリップ防止のためのエンジントル
ク制御について説明する。図11は、図1に示したトラ
クションコントローラ15のうちのエンジントルク制御
に関する構成を示し、平均演算部61と、低車輪速選択
部(SL)62と、乗算部63,64と、加算部65
と、微分演算部66と、減算部67と、基準トルク演算
部68と、トルク下限値制限部69と、TSn 演算部7
0と、TPn 演算部71と、減算部72と、トルク下限
値制限部73と、減算部74と、目標トルク演算部75
と、最低トルク制限部76と、スイッチ77と、補正部
78と、Tφ′−θs ′変換部79と、θm −θs 変換
部80と、リミッタ81とを具備している。
ク制御について説明する。図11は、図1に示したトラ
クションコントローラ15のうちのエンジントルク制御
に関する構成を示し、平均演算部61と、低車輪速選択
部(SL)62と、乗算部63,64と、加算部65
と、微分演算部66と、減算部67と、基準トルク演算
部68と、トルク下限値制限部69と、TSn 演算部7
0と、TPn 演算部71と、減算部72と、トルク下限
値制限部73と、減算部74と、目標トルク演算部75
と、最低トルク制限部76と、スイッチ77と、補正部
78と、Tφ′−θs ′変換部79と、θm −θs 変換
部80と、リミッタ81とを具備している。
【0038】平均演算部61と、低車輪速選択部(S
L)62と、乗算部63,64と、加算部65はエンジ
ントルク制御用駆動輪速度VFを検出するためのもので
ある。平均演算部61は駆動輪の車輪速センサ11,1
2から得られる左右の駆動輪速度VFR,VFLの平均
値を算出し、低車輪速選択部(SL)62は左右の駆動
輪速度VFR,VFLのうちで小さい方を選択する。乗
算部63は平均演算部61から出力される平均駆動輪速
度(VFR+VFL)/2に重み付け係数Kを乗算し、
他方の乗算部64は低車輪速選択部62から出力される
小さい方の駆動輪速度に重み付け係数(1−K)を乗算
し、これらの出力を加算部65にて加算してエンジント
ルク制御における駆動輪速度の検出値VFとする。な
お、重み付け係数Kは、図12〜図14に示すように、
旋回時に発生する求心加速度GY に応じて変化する変数
KG (図12)、ブレーキ制御開始後の経過時間tに応
じて変化する変数KT (図13)、図4で得られる平均
車速VAVに応じて変化する変数KV (図14)のうち最
大のものが選択されるようにしてある。求心加速度GY
は、左右の従動輪速度VRR,VRLから演算により得
るものとしている。
L)62と、乗算部63,64と、加算部65はエンジ
ントルク制御用駆動輪速度VFを検出するためのもので
ある。平均演算部61は駆動輪の車輪速センサ11,1
2から得られる左右の駆動輪速度VFR,VFLの平均
値を算出し、低車輪速選択部(SL)62は左右の駆動
輪速度VFR,VFLのうちで小さい方を選択する。乗
算部63は平均演算部61から出力される平均駆動輪速
度(VFR+VFL)/2に重み付け係数Kを乗算し、
他方の乗算部64は低車輪速選択部62から出力される
小さい方の駆動輪速度に重み付け係数(1−K)を乗算
し、これらの出力を加算部65にて加算してエンジント
ルク制御における駆動輪速度の検出値VFとする。な
お、重み付け係数Kは、図12〜図14に示すように、
旋回時に発生する求心加速度GY に応じて変化する変数
KG (図12)、ブレーキ制御開始後の経過時間tに応
じて変化する変数KT (図13)、図4で得られる平均
車速VAVに応じて変化する変数KV (図14)のうち最
大のものが選択されるようにしてある。求心加速度GY
は、左右の従動輪速度VRR,VRLから演算により得
るものとしている。
【0039】駆動輪速度VFは、微分演算部66に与え
られて駆動輪加速度GWが算出されると共に、減算部6
7に与えられてエンジントルク制御用の駆動輪スリップ
量DVが算出される。ここで、DV=VF−VB0であ
り、VB0は図4で得られる目標駆動輪速度である。
られて駆動輪加速度GWが算出されると共に、減算部6
7に与えられてエンジントルク制御用の駆動輪スリップ
量DVが算出される。ここで、DV=VF−VB0であ
り、VB0は図4で得られる目標駆動輪速度である。
【0040】ところで、エンジントルクの制御は、基本
的には、図4で得られる車両前後加速度GBFから基準ト
ルクを算出すること、駆動輪スリップ量DVから補正ト
ルクを算出すること、基準トルクから補正トルクを減算
して目標トルクを求めること、目標トルクとなるように
エンジンを制御することである。
的には、図4で得られる車両前後加速度GBFから基準ト
ルクを算出すること、駆動輪スリップ量DVから補正ト
ルクを算出すること、基準トルクから補正トルクを減算
して目標トルクを求めること、目標トルクとなるように
エンジンを制御することである。
【0041】まず基準トルクの算出について説明する。
図4に示した微分演算部216では、サンプリングによ
り得た車体速度VB を順次入力し、今回入力された車体
速度VBnと、前回入力された車体速度VBn-1との差をサ
ンプリング間隔Tで割算することにより、車体加速度G
B を算出している。即ち、GBn=(VBn−VBn-1)/T
とされる。つまり、従動輪速度VRR,VRLから車体
加速度GB を算出することにより、駆動輪から路面に伝
達できる駆動トルクを算出する。例えば前輪駆動車であ
れば、駆動輪が路面に伝達できる力Fは、F=μWF =
MB ×GB である。但し、μは路面摩擦係数、WF は駆
動力分担荷重、MB は車両質量である。この場合、WF
とMB がそれぞれ一定値であれば、路面摩擦係数μと車
体加速度GB とは比例関係にある。しかし、図15に示
すように、駆動輪がスリップして「2」の領域より大き
くなるとμのピークを越えてしまい、「1」の領域の方
にμが近付く。そして、スリップが収まる場合には、
「1」から「2」のピークを通って、「2」及び「3」
の領域に入る。そこで、「2」の領域での車体加速度を
測定できれば、その時の路面摩擦係数μを有する路面に
伝達可能な最大トルクを推定できる。そして、この最大
トルクを基準トルクとする。そのために、車体加速度G
B をフィルタ217に通して車体前後加速度GBFとして
いる。即ち、路面摩擦係数μが図15の「1」領域に存
在する時には、「2」領域に素早く移行するように、前
回求めたGBFn-1 と、今回検出したGBnとを同じ重み付
けで平均してGBFn =(GBFn-1 +GBn)/2とする。
逆に、μが図15の「2」領域と「3」領域に存在する
時には、応答を遅くしてなるべく「2」領域に対応する
加速度に近い加速度で最大トルクを推定することによっ
て、一層大きな最大トルクを推定して加速性を良くする
ように、前回求めたGBFn-1 の方に大きな重みを持たせ
て、例えばGBFn =(27GBFn-1 +5GBn)/32と
している。
図4に示した微分演算部216では、サンプリングによ
り得た車体速度VB を順次入力し、今回入力された車体
速度VBnと、前回入力された車体速度VBn-1との差をサ
ンプリング間隔Tで割算することにより、車体加速度G
B を算出している。即ち、GBn=(VBn−VBn-1)/T
とされる。つまり、従動輪速度VRR,VRLから車体
加速度GB を算出することにより、駆動輪から路面に伝
達できる駆動トルクを算出する。例えば前輪駆動車であ
れば、駆動輪が路面に伝達できる力Fは、F=μWF =
MB ×GB である。但し、μは路面摩擦係数、WF は駆
動力分担荷重、MB は車両質量である。この場合、WF
とMB がそれぞれ一定値であれば、路面摩擦係数μと車
体加速度GB とは比例関係にある。しかし、図15に示
すように、駆動輪がスリップして「2」の領域より大き
くなるとμのピークを越えてしまい、「1」の領域の方
にμが近付く。そして、スリップが収まる場合には、
「1」から「2」のピークを通って、「2」及び「3」
の領域に入る。そこで、「2」の領域での車体加速度を
測定できれば、その時の路面摩擦係数μを有する路面に
伝達可能な最大トルクを推定できる。そして、この最大
トルクを基準トルクとする。そのために、車体加速度G
B をフィルタ217に通して車体前後加速度GBFとして
いる。即ち、路面摩擦係数μが図15の「1」領域に存
在する時には、「2」領域に素早く移行するように、前
回求めたGBFn-1 と、今回検出したGBnとを同じ重み付
けで平均してGBFn =(GBFn-1 +GBn)/2とする。
逆に、μが図15の「2」領域と「3」領域に存在する
時には、応答を遅くしてなるべく「2」領域に対応する
加速度に近い加速度で最大トルクを推定することによっ
て、一層大きな最大トルクを推定して加速性を良くする
ように、前回求めたGBFn-1 の方に大きな重みを持たせ
て、例えばGBFn =(27GBFn-1 +5GBn)/32と
している。
【0042】このようなフィルタ処理後の車体前後加速
度GBFを用いることにより、図11において、演算部6
8が基準トルクTGをTG=GBF×W×Re として算出
する。ここで、Wは車重、Re はタイヤ半径である。な
お、演算部68で算出された基準トルクTGは、制限部
69に送られて、トルク下限値Ta 例えば45kgm 以下
に制限される。
度GBFを用いることにより、図11において、演算部6
8が基準トルクTGをTG=GBF×W×Re として算出
する。ここで、Wは車重、Re はタイヤ半径である。な
お、演算部68で算出された基準トルクTGは、制限部
69に送られて、トルク下限値Ta 例えば45kgm 以下
に制限される。
【0043】一方、前述したエンジントルク制御用の駆
動輪スリップ量DVはサンプリング時間T例えば15ms
毎に、TSn 演算部70に送られ、ここでスリップ量D
Vに係数KIを乗算しながら積分して補正トルクTSn
を求める。つまり、TSn =KI×ΣDVi として、積
分型補正トルクTSn がサンプリング時間毎に求められ
る。なお、上記係数KIは、図16に示すように、スリ
ップ量DVに応じて変化するようにしている。また、ス
リップ量DVはサンプリング時間T毎にTPn 演算部7
1に送られ、ここでスリップ量DVに比例する補正トル
クTPn を求める。つまり、TPn =KP ×DV(KP
は係数)として、比例型補正トルクTPn がサンプリン
グ毎に求められる。この時の係数KP も、図17に示す
ように、スリップ量DVに応じて変化するようにしてい
る。但し、図17中のΔKP は、図18に示すように求
心加速度G Y に応じて変化する。
動輪スリップ量DVはサンプリング時間T例えば15ms
毎に、TSn 演算部70に送られ、ここでスリップ量D
Vに係数KIを乗算しながら積分して補正トルクTSn
を求める。つまり、TSn =KI×ΣDVi として、積
分型補正トルクTSn がサンプリング時間毎に求められ
る。なお、上記係数KIは、図16に示すように、スリ
ップ量DVに応じて変化するようにしている。また、ス
リップ量DVはサンプリング時間T毎にTPn 演算部7
1に送られ、ここでスリップ量DVに比例する補正トル
クTPn を求める。つまり、TPn =KP ×DV(KP
は係数)として、比例型補正トルクTPn がサンプリン
グ毎に求められる。この時の係数KP も、図17に示す
ように、スリップ量DVに応じて変化するようにしてい
る。但し、図17中のΔKP は、図18に示すように求
心加速度G Y に応じて変化する。
【0044】そして、基準トルクTGと積分型補正トル
クTSn との減算が減算部72にて行われ、更に、その
値TG−TSn が制御部73にてトルク下限値Tb 例え
ば45kgm 以下に制限されたのち、減算部74にて比例
型補正トルクTPn を減算され、TG−TSn −TPn
が目標トルクTφとされる。
クTSn との減算が減算部72にて行われ、更に、その
値TG−TSn が制御部73にてトルク下限値Tb 例え
ば45kgm 以下に制限されたのち、減算部74にて比例
型補正トルクTPn を減算され、TG−TSn −TPn
が目標トルクTφとされる。
【0045】演算部75は、上記の目標トルクTφに基
づき、変速比ρM,減速比ρD及びトルク比tを考慮し
たエンジントルクTφ′を新たな目標トルクとして、T
φ′=Tφ/(ρM×ρD×t)の演算により求める。
制限部76は、目標トルクTφ′の最低トルクを制限す
るものであり、ここでは最低トルクを0kgm として、0
kgm 以上の目標トルクTφ′だけをスイッチ77を通し
て補正部78に与える。補正部78では目標トルクT
φ′をエンジン水温,大気圧,吸気温等に応じて補正す
る。
づき、変速比ρM,減速比ρD及びトルク比tを考慮し
たエンジントルクTφ′を新たな目標トルクとして、T
φ′=Tφ/(ρM×ρD×t)の演算により求める。
制限部76は、目標トルクTφ′の最低トルクを制限す
るものであり、ここでは最低トルクを0kgm として、0
kgm 以上の目標トルクTφ′だけをスイッチ77を通し
て補正部78に与える。補正部78では目標トルクT
φ′をエンジン水温,大気圧,吸気温等に応じて補正す
る。
【0046】スイッチ77は或る条件が満足されるとオ
ンあるいはオフされる。スイッチ77のオンによって、
エンジンのスロットル開度が制御されてエンジントルク
が目標トルクTφ′になるように制御する処理が開始さ
れ、この処理はスイッチ77のオフにより終了される。 「制御開始条件」以下のからのすべてが成立したと
きに制御開始。 エンジントルクが4kgm 以上。 スリップ量DVが2km/h以上。 スリップ量変化率ΔDVが0.2G以上。 駆動輪加速度GWが0.2G以上。 スリップ制御のための手動スイッチTCLがオンであ
ること。 ABSが正常で且つ非制御中であること。 「制御終了条件」以下のまたはが成立したときに制
御終了。但しブレーキ制御が終了していない場合は終了
しない。 目標トルクTφ′がアクセル開度に対応したエンジン
トルク以上で、且つスリップ量DVが−2km/h以下の
状態が0.5秒継続。 アイドルスイッチがオフからオンになって0.5秒継
続。
ンあるいはオフされる。スイッチ77のオンによって、
エンジンのスロットル開度が制御されてエンジントルク
が目標トルクTφ′になるように制御する処理が開始さ
れ、この処理はスイッチ77のオフにより終了される。 「制御開始条件」以下のからのすべてが成立したと
きに制御開始。 エンジントルクが4kgm 以上。 スリップ量DVが2km/h以上。 スリップ量変化率ΔDVが0.2G以上。 駆動輪加速度GWが0.2G以上。 スリップ制御のための手動スイッチTCLがオンであ
ること。 ABSが正常で且つ非制御中であること。 「制御終了条件」以下のまたはが成立したときに制
御終了。但しブレーキ制御が終了していない場合は終了
しない。 目標トルクTφ′がアクセル開度に対応したエンジン
トルク以上で、且つスリップ量DVが−2km/h以下の
状態が0.5秒継続。 アイドルスイッチがオフからオンになって0.5秒継
続。
【0047】補正後の目標トルクTφ′は変換部79に
送られる。変換部79では、目標トルクTφ′を得るた
めの目標スロットル開度θs ′を求める。図19に、目
標トルクTφ′と目標スロットル開度θs ′との関係を
示す。Tφ′−θs ′関係はエンジン回転数Ne をパラ
メータとして設定される。
送られる。変換部79では、目標トルクTφ′を得るた
めの目標スロットル開度θs ′を求める。図19に、目
標トルクTφ′と目標スロットル開度θs ′との関係を
示す。Tφ′−θs ′関係はエンジン回転数Ne をパラ
メータとして設定される。
【0048】目標スロットル開度θs ′は変換部80に
送られる。この変換部80では、スロットル開度センサ
から出力される実際のスロットル開度θm と目標スロッ
トル開度θs ′とが入力された時、θm をθs ′まで下
げる為にθs ′とθm の偏差θs を求める。
送られる。この変換部80では、スロットル開度センサ
から出力される実際のスロットル開度θm と目標スロッ
トル開度θs ′とが入力された時、θm をθs ′まで下
げる為にθs ′とθm の偏差θs を求める。
【0049】この偏差θs はリミッタ81に送られ、こ
こを通してスロットルレバー105による偏差θs に応
じたスロットル弁の制御が行われ、実際のスロットル開
度θ m が目標スロットル開度θs ′まで下げられる。リ
ミッタ81は、エンジン回転数Ne が低い時にスロット
ル開度が小さすぎるとエンジンストロールを起すので、
これを防止するように、スロットル開度に下限値を与え
る。この下限値とエンジン回転数Ne との関係を図20
に示す。図20において、下限値はNe の減小に伴って
大きくなっている。なお、スロットル弁がメインスロッ
トル弁とサブスロットル弁とに分かれている場合は、メ
インスロットル弁とサブスロットル弁が1つであると考
えた場合の等価スロットル開度が目標スロットル開度と
して使用される。
こを通してスロットルレバー105による偏差θs に応
じたスロットル弁の制御が行われ、実際のスロットル開
度θ m が目標スロットル開度θs ′まで下げられる。リ
ミッタ81は、エンジン回転数Ne が低い時にスロット
ル開度が小さすぎるとエンジンストロールを起すので、
これを防止するように、スロットル開度に下限値を与え
る。この下限値とエンジン回転数Ne との関係を図20
に示す。図20において、下限値はNe の減小に伴って
大きくなっている。なお、スロットル弁がメインスロッ
トル弁とサブスロットル弁とに分かれている場合は、メ
インスロットル弁とサブスロットル弁が1つであると考
えた場合の等価スロットル開度が目標スロットル開度と
して使用される。
【0050】ところで、前述した積分係数KI も比例係
数KP も図16,図17に示すようにスリップ量DVが
正(DV>0)の場合には、負の場合よりも小さい。こ
れは、図21における目標駆動輪速度VB0よりも実際の
駆動輪速度VF が大きい領域にDV>0が該当するが、
この領域ではDVの変動範囲が広いので、これらの係数
KI ,KP を大きくすると、ゲインが大きくなって制御
が不安定になるためである。逆にDV<0の場合、つま
り図21の斜線で示す領域では、同図21に示すよう
に、スリップ量DVの変動範囲が目標駆動輪速度VB0と
車体速度VB との間しかないため小さくなるので、係数
KI ,KP を大きくしてゲインを大きくとり、応答性を
良くしている。また、図17,図18から判るように、
求心加速度GY が大きくなると、即ち車両の旋回傾向が
大きくなると、ΔKP を大きくして、DV>0の場合の
係数K P を増大させることにより、制御が不安定になら
ない程度にゲインを大きくしてカーブでのスリップの発
生を抑え、旋回性能の向上を図っている。
数KP も図16,図17に示すようにスリップ量DVが
正(DV>0)の場合には、負の場合よりも小さい。こ
れは、図21における目標駆動輪速度VB0よりも実際の
駆動輪速度VF が大きい領域にDV>0が該当するが、
この領域ではDVの変動範囲が広いので、これらの係数
KI ,KP を大きくすると、ゲインが大きくなって制御
が不安定になるためである。逆にDV<0の場合、つま
り図21の斜線で示す領域では、同図21に示すよう
に、スリップ量DVの変動範囲が目標駆動輪速度VB0と
車体速度VB との間しかないため小さくなるので、係数
KI ,KP を大きくしてゲインを大きくとり、応答性を
良くしている。また、図17,図18から判るように、
求心加速度GY が大きくなると、即ち車両の旋回傾向が
大きくなると、ΔKP を大きくして、DV>0の場合の
係数K P を増大させることにより、制御が不安定になら
ない程度にゲインを大きくしてカーブでのスリップの発
生を抑え、旋回性能の向上を図っている。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、基本的にはスリップ変化率に応じて制動力を増
減してスリップを抑制するが、スリップ量が所定値以上
の場合は、スリップ変化率にかかわらず、制動力を減少
させず保持する。これにより、スリップが減少傾向にあ
っても、スリップ量が所定値に低下するまではブレーキ
が緩められないから、スリップの再成長がなくなり、ま
た、スリップの抑制に要する時間が短縮する。
よれば、基本的にはスリップ変化率に応じて制動力を増
減してスリップを抑制するが、スリップ量が所定値以上
の場合は、スリップ変化率にかかわらず、制動力を減少
させず保持する。これにより、スリップが減少傾向にあ
っても、スリップ量が所定値に低下するまではブレーキ
が緩められないから、スリップの再成長がなくなり、ま
た、スリップの抑制に要する時間が短縮する。
【0052】また、請求項2の発明によれば、駆動輪の
車輪速度に対し可変のフィルタ係数を用いてなまし処理
を行い、このなまし処理された駆動輪の車輪速度に基づ
き駆動輪のスリップを検出する際に、上記なまし処理さ
れた駆動輪の車輪速度から駆動輪の車輪加速度を求め、
この車輪加速度の変動周期に基づき上記フィルタ係数を
増減させる。このようにしてフィルタ係数を制御するこ
とにより、駆動輪の車輪速度に応じた異常変動を抑制
し、スリップ制御によって生じるジャダーの発生を防止
することができる。
車輪速度に対し可変のフィルタ係数を用いてなまし処理
を行い、このなまし処理された駆動輪の車輪速度に基づ
き駆動輪のスリップを検出する際に、上記なまし処理さ
れた駆動輪の車輪速度から駆動輪の車輪加速度を求め、
この車輪加速度の変動周期に基づき上記フィルタ係数を
増減させる。このようにしてフィルタ係数を制御するこ
とにより、駆動輪の車輪速度に応じた異常変動を抑制
し、スリップ制御によって生じるジャダーの発生を防止
することができる。
【図1】本発明の一実施例に係る車両のスリップ制御装
置の全体的構成を示す図。
置の全体的構成を示す図。
【図2】スロットル弁を示す図。
【図3】図1のトラクションコントローラのブレーキ制
御機能の部分を示す図。
御機能の部分を示す図。
【図4】図3の目標駆動速度算出部の詳細を示す図。
【図5】平均車速VAVと補正係数KLMT の関係を示す
図。
図。
【図6】車体前後加速度GBFとスリップ補正量VK の関
係を示す図。
係を示す図。
【図7】ブレーキ制御開始後の時間と重み付け係数KB
の関係を示す図。
の関係を示す図。
【図8】スリップ変化率GFR,GFLとブレーキ液圧変化
量ΔPR ,ΔPL の関係を示す図。
量ΔPR ,ΔPL の関係を示す図。
【図9】ブレーキ制御の様子を示す図。
【図10】ジャダー防止の説明図。
【図11】図1のトラクションコントローラのエンジン
トルク制御機能の部分を示す図。
トルク制御機能の部分を示す図。
【図12】求心加速度GY と重み付け係数KG の関係を
示す図。
示す図。
【図13】ブレーキ制御開始後の時間と重み付け係数K
T の関係を示す図。
T の関係を示す図。
【図14】平均車速VAVと重み付け係数KV の関係を示
す図。
す図。
【図15】スリップ率Sと路面摩擦係数μとの関係を示
す図。
す図。
【図16】スリップ量DVと積分係数KI の関係を示す
図。
図。
【図17】スリップ量DVと比例係数KP の関係を示す
図。
図。
【図18】求心加速度GY とΔKP の関係を示す図。
【図19】目標トルクTφ′と目標スロットル開度
θs ′の関係を示す図。
θs ′の関係を示す図。
【図20】エンジン回転数Ne とスロットル開度下限値
の関係を示す図。
の関係を示す図。
【図21】時間tと駆動輪速度VF ,目標駆動輪速度V
B0,車体走行速度VB の関係を示す図。
B0,車体走行速度VB の関係を示す図。
【図22】従来のブレーキ制御を示す図。
11〜14 車輪速度センサ 15 トラクションコントローラ 16 エンジン 17,18 ホイールシリンダ 17i,18i インレットバルブ 17o,18o アウトレットバルブ 19 油圧源 20 リザーバ 21 目標駆動車速度演算部 22,23 スリップ検出部 24〜27 乗算部 28,29,42,43 加算部 30,31 スリップ変化率算出部 32,33 クリップ部 34,35 演算部 36,37,40,41 スイッチ 38,39 変換部 44,45 メモリ 46,47 スイッチ制御部 48,49 制御開始/終了判定部 50,51 フィルタ 52,53 駆動輪加速度算出部 54,55 フィルタ係数制御部 101 スロットル弁 211 高車輪速選択部 212 乗算部 213 平均演算部 214 補正係数記憶部 215 加算部 216 微分演算部 217 フィルタ 218 補正量記憶部 WFR 前右側駆動輪 WFL 前左側駆動輪 WRR 後右側従動輪 WRL 後左側従動輪 VFR 前右側駆動輪速度 VFL 前左側駆動輪速度 VRR 後右側従動輪速度 VRL 後左側従動輪速度 VAV 平均車速 VB 車体速度 VB0 目標駆動輪速度 DVR ,DVL スリップ量 GBF 車体前後加速度 GFR,GFL スリップ変化率 GVFR ,GVFL 駆動輪加速度 TJR,TJL 振動周期
Claims (2)
- 【請求項1】 車両の駆動輪を制動する制動手段と、上
記駆動輪のスリップを検出するスリップ検出手段と、同
スリップ検出手段によって検出された上記スリップの時
間的変化を算出するスリップ変化率算出手段と、同スリ
ップ変化率算出手段によって算出された上記スリップの
時間的変化に基づき上記駆動輪に対する上記制動手段の
制動力を制御する制動力制御手段と、上記スリップ検出
手段によって検出された上記スリップが所定値以上の場
合には上記制動力制御手段による制動力の減少を禁止す
る制動力減少禁止手段とを具備する車両のスリップ制御
装置。 - 【請求項2】 上記駆動輪の車輪速度を検出する駆動輪
速度検出手段と、上記駆動輪速度検出手段により検出さ
れた上記駆動輪の車輪速度に可変のフィルタ係数を用い
てなまし処理を行うフィルタ手段と、同フィルタ手段に
よりなまし処理された駆動輪車輪速度に基づき上記駆動
輪の車輪加速度を算出する駆動輪加速度算出手段と、同
駆動輪加速度算出手段によって算出された上記駆動輪の
車輪加速度の振動周期を求め該振動周期に基づき上記フ
ィルタ手段のフィルタ係数を増減させるフィルタ係数制
御手段とを具備し、上記スリップ検出手段は上記フィル
タ手段によりなまし処理された駆動輪の車輪速度に基づ
き上記駆動輪のスリップを検出することを特徴とする請
求項1記載の車両のスリップ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5264723A JPH07117649A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 車両のスリップ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5264723A JPH07117649A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 車両のスリップ制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07117649A true JPH07117649A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17407290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5264723A Pending JPH07117649A (ja) | 1993-10-22 | 1993-10-22 | 車両のスリップ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07117649A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038916A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Advics:Kk | 車体速度演算装置 |
JP2007062610A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Advics:Kk | 車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 |
WO2017094630A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 株式会社アドヴィックス | 車両の電動制動装置 |
CN113386719A (zh) * | 2020-03-13 | 2021-09-14 | 丰田自动车株式会社 | 自动停车控制装置 |
JPWO2021210373A1 (ja) * | 2020-04-14 | 2021-10-21 |
-
1993
- 1993-10-22 JP JP5264723A patent/JPH07117649A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038916A (ja) * | 2005-08-04 | 2007-02-15 | Advics:Kk | 車体速度演算装置 |
JP4622729B2 (ja) * | 2005-08-04 | 2011-02-02 | 株式会社アドヴィックス | 車体速度演算装置 |
JP2007062610A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Advics:Kk | 車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 |
JP4561541B2 (ja) * | 2005-08-31 | 2010-10-13 | 株式会社アドヴィックス | 車両のトラクション制御装置、及び車両のトラクション制御方法 |
WO2017094630A1 (ja) * | 2015-11-30 | 2017-06-08 | 株式会社アドヴィックス | 車両の電動制動装置 |
CN113386719A (zh) * | 2020-03-13 | 2021-09-14 | 丰田自动车株式会社 | 自动停车控制装置 |
CN113386719B (zh) * | 2020-03-13 | 2024-04-26 | 丰田自动车株式会社 | 自动停车控制装置 |
JPWO2021210373A1 (ja) * | 2020-04-14 | 2021-10-21 | ||
WO2021210373A1 (ja) * | 2020-04-14 | 2021-10-21 | 三菱自動車工業株式会社 | 車両制御装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020108 |