JPH07116983B2 - 回転体の基準位置検出装置 - Google Patents

回転体の基準位置検出装置

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JPH07116983B2
JPH07116983B2 JP13969487A JP13969487A JPH07116983B2 JP H07116983 B2 JPH07116983 B2 JP H07116983B2 JP 13969487 A JP13969487 A JP 13969487A JP 13969487 A JP13969487 A JP 13969487A JP H07116983 B2 JPH07116983 B2 JP H07116983B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 車両用制御装置として用いられるクランク角検出装置等
に設ける回転体の信号発生手段に、不等間隔部を設けて
角度情報としてのパルスの基準位置を与え、その基準位
置に基づき回転体の回転角あるいは回転数を電気的に検
出させる、回転体の基準位置検出装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来、エンジンの点火装置および燃料噴射装置等を作動
させるために用いるクランク角検出装置では、円板状の
回転体の外周部に溝または突起を設け、近接位置に固定
したセンサによって、溝または突起を識別する型式のも
のがある。
この型式に属する装置として、回転体の外周部に設けた
溝または突起が等間隔に配置され一部不等間隔にしたも
のがあり、例えば米国特許第4,553,426号公報が挙げら
れる。
ここでは第18図で示すように、エンジン制御システム1
として回転体2の外周に矩形状突起3を等間隔に配設
し、そのうち一箇所については矩形状突起3を設けずに
不等間隔部4を形成させている。この回転体の近接位置
には矩形状突起3側に受感面5を向けたセンサ6を配置
している。センサ6の出力側には接続点Aを介して緩
衝,同期,およびパルス成形用回路7を接続し、緩衝,
同期,およびパルス成形用回路7の出力側には接続点B
を介して不等間隔部4を検出するパルス欠落検知器8
と、パルス欠落検知器8の出力側に設けた接続点C側か
らも接続させる照合回路9と、エンジン側の制御装置へ
出力ライン10aを配線させるエンジン制御回路10とを接
続させる。照合回路9では緩衝,同期,およびパルス成
形用回路7の出力側に接続点Bを介してカウンタ11の入
力側を接続し、カウンタ11の出力端子Q1,Q2,およびQ6
をANDゲート12の入力側と接続し、ANDゲート12の出力側
には接続点Eを介してもう一つのANDゲート13の一方の
入力側を接続し、さらにANDゲート13の出力側には接続
点Fを介してエンジン制御回路10の入力側の一つに接続
している。接続点Cから分岐したライン15と接続点Eか
ら分岐したライン16とを、論理および遅延のリセット回
路14の入力側に接続させ、リセット回路14の出力側をカ
ウンタ11の入力側に接続している。ANDゲート13の他方
の入力側には接続点Cから分岐したライン17を接続して
いる。接続点Fから分岐したライン18をフリップフロッ
プ回路19のセット側に接続し、フリップフロップ回路19
の出力側を接続点Gを介してエンジン制御回路10の入力
側の一つに接続している。フリップフロップ回路19のリ
セット側にはライン20により接続点Hとの間を接続し、
接続点Hにはコンデンサ21と抵抗22を並列に接続させた
回路の一端を接続し、他端をライン23を介して接地さ
せ、接続点Hには、さらに抵抗24と急速放電ダイオード
25とを並列に接続した一端を接続し、多端をライン26を
介してスイッチ27の一接続端子に接続し、そのスイッチ
27の反対側の接続端子には電源28の陽極側を接続し、陰
極側を接地させている。
この他に、ライン26からエンジン制御回路10とフリップ
フロップ回路19とに電源用ラインB+を接続させてい
る。
この装置では、上記の構成によって単一のセンサにより
検出するため、センサの出力側にパルス欠落検知器8を
不等間隔部4の識別専用回路として設けるとともに、カ
ウンタ11によって回転体2の突起個数をパルス数と付き
合せ、回転体2の不等間隔部4が検出されるたびに突起
個数の算出を初期値に戻して基準位置を周期的に判定さ
せている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記、従来の装置では、不等間隔部4の識別には回転体
2の一周にわたる測定および演算を行ない、各パルス間
の経過時間の最大値を求めて不等間隔部4としている。
このような不等間隔部4の識別では回転体2の回転変動
が少ない場合には問題が生じないが、回転変動が大きい
場合にはパルス幅およびパルス間隔が各パルス毎に大き
く変化するため、不等間隔部4の位置が識別不能とな
る。
たとえば、出力電圧波形の各パルス間の時間Tsを測定し
て、その大きさを比較する場合に、測定期間内における
回転数が一定であれば、第19図で示すように、パルス数
Nに対する時間Tsが最大値MAXのパルス位置を基準位置P
sとしても最大値MAXが周期的に表われて不都合が生じな
いが、なんらかの原因で回転変動が起るときには、第20
図で示すように、基準位置Psの中間位置でも時間Tsの大
きさ値が出現することになり、基準位置Psに対応するパ
ルス以外のパルス位置で最大値MAXをとる場合が起り、
実際の不等間隔部4でない位置を不等間隔部4であるか
のように検出する。このため、不等間隔部4を識別する
ことができなくなり、不等間隔部4を基礎とする基準位
置の決定およびその基準位置に基づく制御が不正確なも
のになるという問題点が生じていた。
上記に鑑み、本発明は、回転変動の大きな場合でも正確
に基準位置を判定することができる回転体の規準位置検
出装置を提供することを技術的課題とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決するための手段として、回転
体の基準位置検出装置を構成するにあたり、回転体の外
周部に設けた複数の被検出部の少なくとも1つの不等間
隔に配置するとともに該不等間隔以外の被検出部を等間
隔に配置し、前記回転体に近接した位置に前記被検出部
を検出するセンサを配置し、該センサの出力を入力し
て、各出力間の時間Tsiとその直前の時間Tsi-1とから時
間比R=Tsi-1/Tsiまたは時間幅L=Tsi-1−Tsiを求
め、該時間比R=Tsi-1/Tsiまたは時間幅L=Tsi-1−T
siが大きい回転角位置を基準位置とするとともに、前記
各被検出部間が検出される毎に計数し、前記基準位置に
対応している計数値が再度判別された基準位置の対応す
る計数値と一致した場合に前記基準位置を真正な基準位
置として判別し、該判別した基準位置に基づき制御信号
を出力する制御装置を備えたものである。
この場合において、上記装置の実施態様では、前記時間
比R=Tsi-1/Tsiまたは前記時間幅L=Tsi-1−Tsiが大
きい回転角位置の判定は、前記時間比R=Tsi-1/Tsi
たは時間幅L=Tsi-1−Tsiが一周期内の最大値になる回
転角位置としたものである。
〔作用〕
本発明は上記構成により、回転体の規準位置を被検出部
間の広い不等間隔部が、逐次的かつ相対的に比較され、
しかも周期的に表われることが確認された場合にのみそ
の不等間隔部が基準位置として確定されるため、回転変
動が大きい場合でも容易に基準位置の識別ができ、その
基準位置に基づく制御信号の出力により精度良く各制御
対象機器が制御できるようになる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例につき第1図乃至第17図に基づき
説明する。
第1実施例としては、第1図で示すように、基準位置検
出装置30の回転体31には外周部に被検出部として複数n
個(図示例ではn=7)矩形状突起32を設け、n個の矩
形状突起32を設けた場合には外周上をn+1等分した位
置にn個の矩形状突起32を設けてn+1個目の位置には
矩形状突起32がない状態にして不等間隔部33を形成させ
る。回転体31が軸34を中心にして回転するときに矩形状
突起の有無を検出するセンサとしてパルサコイル35を回
転体31の外周部に近接した位置に設置し、コイル35aの
接続端の一方をアースし、他方を制御装置36に接続させ
る。制御装置36ではパルサコイル35側に波形整形回路37
を接続し、波形整形回路37の出力側にセントラルプロセ
ッシングユニット(以下CPUとする)38のイントラプト
端子側を接続し、CPU38の出力側を増幅回路39の入力側
に接続する。制御装置36の出力は増幅回路39の出力側の
燃料噴射装置,点火装置,またはエンジン制御ユニット
等の制御対象機器EQに接続することにより、制御信号を
各機器EQに送信できるようにする。
パルサコイル35からの出力は、回転体31の回転に従い、
第2図で示すようにパルスPが周期的パターンで出力さ
れる。各パルス間をステージSとし、その経過時間Ts
うち不等間隔部33に対応した経過時間をTs1とし、その
後の等間隔部における経過時間をTsi(i=2,3,…,n)
と設定する。
経過時間Tsの比較には、時間比R=Tsi-1/Tsi(i=1,
2,…,n)を用い、これをR値と呼ぶことにする。第2図
に対するR値は、第3図で示すように、横軸に各パルス
間の計数値iをとり、縦軸にR値をとった場合で、等間
隔部についてはR=1となり、不等間隔部33の関係する
位置だけがR≠1となって、不等間隔部33の経過時間T
s1を分子とし、等間隔部の経過時間Ts2を分母とするR
値(R=Ts1/Ts2)が最大値Rmaxを表わす。
CPU38における基準位置検出の手順の初回目について
は、第4図で示すように、まず各ステージSの時間Ts
計測する(ステップ41)。計測した時間Tsの比Tsi-1/T
siを計算し、レジスタRにストアする(ステップ42)。
レジスタRの値が大きいか比較する(ステップ43)。こ
のレジスタRの値が大であるか否かはクランク1回転当
りに求められるRの値が最大の値であることで判断して
も良いし、所定値R0より大であるかによって判断しても
良い。もし大きければ一周期前のnステージにおけるR
値が大きいか比較する(ステップ44)。もし大きければ
R値をとったiステージが基準位置として判別され、次
の手順に移行する。ステップ43およびステップ44で比較
したR値が小さければR値をとったnステージが基準位
置としては認められず、次のステージへ進む。
初回目で見付けられた基準位置を用いて、第2回目以降
では、第5図で示すように、まずステージ数を1だけ増
す(ステップ45)。新たなステージSに対して各ステー
ジSの時間Tsを計測する(ステップ46)。計測した時間
Tsの比Tsi-1/Tsiを計算し、レジスタRにストアする
(ステップ47)。計測した時間TsのステージSが最大ス
テージ数nに該当するかを比較する(ステップ48)。も
しステージSが最大ステージ数nであれば回転体31が一
回転したことを表わし、あらためてステップ47でレジス
タRに入れた時間比Tsi-1/Tsiが大きいか比較する(ス
テップ49)。もし大きければステージSを1にする(ス
テップ50)。この時、レジスタRの値が基準位置に対応
するR値で真正な基準位置を検出したことを示す。ステ
ップ48におけるステージSが最大ステージ数nに等しく
なければ回転体31が一回転していないことを示し、位置
の不一致から初回目の基準位置が真正の基準位置ではな
いことになる。ステップ49におけるR値が大きな値にな
っていなければ、ステップ41に戻って1回目の基準位置
検出の手順を繰り返す。
このように本実施例では、1回転中の最大値を見付け出
すのではなく、大きな時間比R=Tsi-1/Tsiを見付け、
その中から回転変動によるものを区別するようにしたこ
とにより、自動車の路面走行のように路面状態の影響を
受けて不規則に回転変動が生じる場合では、第6図で示
すように、基準位置Psの最大値M1,M3,M4,およびM6の他
に、最大値M2およびM5のように基準位置Ps以外の位置に
最大値が出現してもパルス数iに対する反復性がなく、
回転変動によって生じたピークであることが容易に識別
でき、また、エンジンの圧縮,爆発による回転変動が生
じる4サイクル単気筒エンジンの場合では、第7図で示
すように、クランクシャフトが720度回転する毎に一回
の割合で圧縮および爆発が行なわれるため、第7図で示
すように、回転変動が720度に一回現われ最大値M2およ
びM5が基準位置Psの最大値M1,M3,M4,M6,…等と容易に区
別でき、除外することができて、回転変動が大きい場合
でも基準位置Psを見誤ることなく判定させることができ
る。
第2実施例としては、第8図で示すように、回転体31の
外周部に、n等分(図示例では10等分)した位置にn−
1個の矩形状突起32を設け、残りn個目の矩形状突起32
aをn等分した位置よりも他の矩形状突起32側へ寄せて
設けることにより間隔が広い箇所と狭い箇所が隣り合せ
になった不等間隔部33を形成させ、広い不等間隔部33a
と狭い不等間隔部33bとを合わせた間隔(または角度)W
1が等分された間隔(または角度)W2の倍の間隔(また
は角度)W1=2W2になるようにするセンサとしてパルサ
コイル35を設け、制御装置36を接続させることは第1実
施例と同様とする。
制御装置36の出力側に接続させる機器EQとして、たとえ
ばトランジスタ型点火装置51を接続させるものとする
と、第8図で示すように、制御装置36の増幅回路39の出
力側にパワートランジスタ52のベース側へ接続し、パワ
ートランジスタ52のエミッタ側をアースさせ、コレクタ
側をイグニッションコイル53を一次側の一接続端に接続
させるとともに一次側の他の接続端を電源54に接続し、
イグニッションコイル53の二次側にスパークプラグ55を
接続させ、制御装置36の出力信号によってパワートラン
ジスタ52をオン−オフさせることによりスパークプラグ
55をスパークさせる。
このようなスパークプラグ55の発火タイミングを行なわ
せるための規準位置を選定させるためには、回転体31を
クランクシャフトに組み付け、クランクシャフトの回転
角を回転体31の回転角としてパルサコイル35により検出
させる。
パルサコイル35からの出力は、第1実施例と同様に、パ
ルス間をステージSとし、その経過時間Tsのうち広い不
等間隔部33aに対応してパルス間の時間Ts1が長くなり、
等間隔に設けられた矩形状突起32の間では一定のパルス
間の時間Tsi(i=2,3,…,n)がえられるものとする。
経過時間Tsの比較には時間比R=(Tsi-1/Tsi(i=1,
2,…,n)を用いる。
また、エンジンの回転変動の大きい回転域が始動時から
3000rpm(回転/分)以下と限定されるものとし、始動
時にはスタータモータで回転させるため回転変動が少な
く、高回転域ではクランクマスの慣性により回転変動が
少なくなることから、始動時と3000rpm以上の高回転域
ではより簡単な検出方法を適用して検出速度を早めると
ともに計測および制御の追従性を良くするものとする。
規準位置の検出手段としては、始動時には一回転中の時
間比R=Tsi-1/Tsiの最大値を規準位置とし、3000rpm以
下の場合には割り込み処理により、3000rpm以上の場合
にはメインルーチン処理により規準位置を求める。
割り込み処理手順としては、第9図で示すように、制御
装置36のCPU38がエンジン回転数3000rpm以下の場合に割
り込み処理の規準位置検出手段に切り換え(ステップ6
1,62)、ステージ数を1つ繰り上げ(ステップ63)、記
憶している経過時間Tsを直前の時間Ts-1に置き換えて、
新たに計測して得られた時間をTsに記憶させる(ステッ
プ64)。得られた経過時間Tsとその直前の時間Ts-1とか
ら時間比R=Ts-1/Tsを算出する(ステップ65)。時間
比Rとそれ以前に得られた時間比の最大値R1との大小を
比較する(ステップ66)。時間比RがR1よりも大きけれ
ば、時間比Rとステージ数Sを新しい時間比の最大値R1
にするとともに旧最大値R1を第2位の値としてR2に置き
換える(ステップ67,68)。また、時間比RがR1よりも
小さければ、Rと第2位の値R2との大小を比較する(ス
テップ69)。時間比RがR2よりも大きければ、時間比R
とステージ数Sを第2位の値R2,S2に記憶させる(ステ
ップ70)。もし時間比Rが第2位の値R2よりも小さけれ
ば、ステージ数Sが従前の基準位置のステージ数に等し
いか比較する(ステップ71)。ステージ数Sが基準位置
のステージ数でなければ再度基準位置検出手順を繰り返
す(ステップ72)。ステージ数Sが基準位置のステージ
数であれば最大値R1のステージ数S1に等しいか比較する
(ステップ73)。ステージ数Sが最大値R1のステージ数
S1に等しければ最大値R1が基準位置に対応する時間比に
なっているので、基準位置が判定したものとして次に進
む(ステップ74)。ステージ数Sが最大値R1のステージ
数S1に等しくなければ、ステージ数Sと第2位の値R2の
ステージ数S2に等しいか比較する(ステップ75)。ステ
ージ数SとS2とが等しければ第2位の値R2もまた基準位
置に対応する時間比であり、基準位置が判定したものと
して次に進む(ステップ74)。ステージ数SがS2と等し
くなければ基準位置の検出作業が不要なものとしてリセ
ットする(ステップ76)。
メインルーチン処理手順としては、第10図で示すよう
に、割り込み処理で、まずステージ数iを1つ繰り上げ
(ステップ77)、新しいステージの経過時間Tsを計測し
(ステップ78)、その計測した時間TsをTsiに記憶させ
る(ステップ79)。
メインルーチン側では、第11図で示すように、ステージ
数iを1つ繰り上げ(ステップ81)、時間比Tsi-1/Tsi
を計算してRに記憶させ(ステップ82)、時間比Rを最
大値R1と比較する(ステップ83)。時間比Rが最大値R1
よりも大きい場合にはデータの入れ換えを行ない、最大
値R1を第2位の値R2に入れ、ステージ数S1を第2位のス
テージ数S2に入れ(ステップ84)、新しい最大値R1とし
てRをR1に入れ、新しい最大値R1に対応するステージ数
S1としてiをS1に入れる(ステップ85)。また、時間比
Rが最大値R1よりも小さい場合には、第2位の値R2と比
較する(ステップ86)。時間比Rが第2位の値R2よりも
大きい場合には、RをR2に入れ、ステージ数iを第2位
のステージ数S2に入れる(ステップ87)。時間比Rが第
2位の値R2よりも小さい場合には、ステージ数iが最大
ステージ数n(第8図の例ではn=10)に等しいか比較
する(ステップ88)。ステージ数iが最大ステージ数n
に等しくない場合、ステップ81に戻り、手順を繰り返
す。ステージ数iが最大ステージ数nに等しい場合に
は、ステージ数iが最大値R1に対応するステージ数S1に
等しいか比較する(ステップ89)。ステージ数iがステ
ージ数S1に等しい場合には、ステージ数iおよび最大値
R1と第2位置の値R2をクリアし、次に進む(ステップ9
0)。ステージ数iがステージ数S1に等しくない場合に
は、ステージ数iが第2位のステージ数S2に等しいか比
較する(ステップ91)。ステージ数iがステージ数S2に
等しい場合にはステップ90に行き、ステージ数iおよび
最大値R1と第2位の値R2をクリアし、次に進む。ステー
ジ数iがステージ数S2と等しくない場合にはリセットす
る。
このように第2実施例では、時間比R=Tsi-1/Tsiの最
大値R1および2番目に大きな時間比R2を見付け、基準位
置の場合と回転変動の場合とを識別するようにしたこと
により、エンジンの低温始動時では、第12図で示すよう
に、回転数Nを縦軸にし、時間tを横軸にして、エンジ
ンの回転数に変動がある始動特性Lsを基にした場合、第
13図で示すように、各ステージiにおける経過時間Ts
特性線にピークRT(図中ではPT1,PT2,…PT5)が出現
し、各ステージiにおける時間比R=Tsi-1/Tsに変換す
ると、第14図で示すように、基準位置Psにおけるステー
ジi(Ps)のピークM1,M3,M4,M5の他に、エンジンの初
爆により回転変動によって生じたピークM2が認められ、
これを除外すると周期的な特性線が明確になり、基準位
置Psを明確に識別できる。また、波状路低速走行時で
は、第15図で示すように、500rpm(回転/分)走行にお
ける時間経過に伴なうパルスP出力が得られると、第16
図で示すように、各ステージiにおける経過時間Tsの特
性線が得られ、ピークPT(図中ではPT1,PT2,PT3,PT4
が現われているが、第17図で示すように、各ステージi
における時間比R=Tsi-1/Tsに変換すると、基準位置Ps
におけるステージi(Ps)のピークM1,M2,M4と路面抵抗
により回転が低下して生じたピークM3とが識別できる。
なお、不等間隔部が等間隔部よりも狭い場合あるいは時
間比Rの小さいものを検出する場合には逆数をとれば同
様の手順で基準位置の検出ができる。
以上の実施例では時間比R=Tsi-1/Tsiを用いて行った
が、時間幅L=Tsi-1/Tsiを用いて、同様に行なうこと
ができる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明では各パルス間の経過時間Tsの時間
比R=Tsi-1/Tsi又は時間幅L=Tsi-1−Tsiが比較的大
きく、かつ周期的に得られる事によって基準位置を判定
させるため、基準位置が容易に識別でき、回転変動が大
きい場合でも見誤ることなく判定でき、この基準位置に
基づく制御信号の出力により、精度良く制御対象機器を
制御できる。また、制御装置の構成が簡素化され、コス
トが低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による回転体の基準位置検出装置の第1
実施例を示す系統説明図、 第2図は本発明による回転体の計測結果におけるパルス
パターンの一例を示す説明図、 第3図は本発明による回転体の計測結果における各ステ
ージ毎の時間比を示すグラフ、 第4図は本発明による第1実施例の初回目における基準
位置検出手順を示す流れ図、 第5図は本発明による第1実施例の第2回目以降におけ
る基準位置検出手順を示す流れ図、 第6図は本発明の第1実施例による解析結果として路面
状態の影響を受けて回転変動が生じる場合の各ステージ
毎の時間比を示すグラフ、 第7図は本発明の第1実施例による解析結果としてエン
ジン回転変動が生じる場合の各ステージ毎の時間比を示
すグラフ、 第8図は本発明による回転体の基準位置検出装置の第2
実施例を示す系統説明図、 第9図は本発明による第2実施例の割り込み処理手順を
示す流れ図、 第10図は本発明による第2実施例のメインルーチン処理
を行なう場合の割り込み処理手順を示す流れ図、 第11図は本発明による第2実施例のメインルーチン処理
手順を示す流れ図、 第12図は本発明の第2実施例により計測されるエンジン
の始動特性線図、 第13図は本発明の第2の実施例により計測されたエンジ
ン始動時の各ステージにおける経過時間を示すグラフ、 第14図は本発明の第2実施例により解析されたエンジン
始動時の各ステージにおける時間比を示すグラフ、 第15図は本発明の第2実施例により計測された波状路走
行時の時間経過に伴なうパルスを示すグラフ、 第16図は本発明の第2実施例により計測された波状路走
行時の各ステージにおける経過時間のグラフ、 第17図は本発明の第2実施例により解析された波状路走
行時の各ステージおける時間比を示すグラフ、 第18図は従来の回転体の基準位置検出装置を示す系統
図、 第19図は従来の一定回転数における各パルスとそのパル
ス間の経過時間を示すグラフ、 第20図は従来の回転変動が生じた場合における各パルス
とそのパルス間の経過時間を示すグラフ。 30……基準位置検出装置 31……回転体 32……矩形状突起 33……不等間隔部 35……パルサコイル 36……制御装置 37……波形整形回路 38……センタプロセッシングユニット 39……増幅回路 51……トランジスタ型点火装置 S……ステージ Ts……経過時間 R……時間比 Ps……基準位置 i……ステージ数

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の外周部に設けた複数の被検出部の
    少なくとも1つの不等間隔に配置するとともに該不等間
    隔以外の被検出部を等間隔に配置し、前記回転体に近接
    した位置に前記被検出部を検出するセンサを配置し、該
    センサの出力を入力して、各出力間の経過時間Tsiとそ
    の直前の経過時間Tsi-1とから時間比R(=Tsi-1/Tsi
    または時間幅L(=Tsi-1−Tsi)を求め、該時間比R
    (=Tsi-1/Tsi)または時間幅L(=Tsi-1−Tsi)が大
    きい回転角位置を基準位置とするとともに、前記各被検
    出部間が検出される毎に計数し、前記基準位置に対応し
    ている計数値が再度判別された基準位置の対応する計数
    値と一致した場合に前記基準位置を真正な基準位置とし
    て判別し、該判別した基準位置に基づき制御信号を出力
    する制御装置を備えたことを特徴とする回転体の基準位
    置検出装置。
  2. 【請求項2】前記時間比R(=Tsi-1/Tsi)または前記
    時間幅L(=Tsi-1−Tsi)が大きい回転角位置の判定
    は、前記時間比R(=Tsi-1/Tsi)または時間幅L(=T
    si-1−Tsi)が一周期内の最大値になる回転角位置であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の回転
    体の基準位置検出装置。
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