JPH07116539B2 - 金型用銅合金 - Google Patents
金型用銅合金Info
- Publication number
- JPH07116539B2 JPH07116539B2 JP15512189A JP15512189A JPH07116539B2 JP H07116539 B2 JPH07116539 B2 JP H07116539B2 JP 15512189 A JP15512189 A JP 15512189A JP 15512189 A JP15512189 A JP 15512189A JP H07116539 B2 JPH07116539 B2 JP H07116539B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、プラスチック成形用金型等の構成材として用
いて好適な金型用銅合金に関する。
いて好適な金型用銅合金に関する。
[従来の技術] 近年、事務用機器等の各種機器のハウジング、構成部品
等がプラスチック化され、かつ機器の性能を向上させる
べくそれら機器の頻繁なモデルチェンジが行なわれてい
る。これに伴い、プラスチック成形品の成形サイクルが
短くなり、多品種少量生産が実施されている。このた
め、プラスチック成形用金型の構成材としては、鋳造/
加工が容易な材料が求められている。
等がプラスチック化され、かつ機器の性能を向上させる
べくそれら機器の頻繁なモデルチェンジが行なわれてい
る。これに伴い、プラスチック成形品の成形サイクルが
短くなり、多品種少量生産が実施されている。このた
め、プラスチック成形用金型の構成材としては、鋳造/
加工が容易な材料が求められている。
従来のプラスチック成形用金型、特に射出成形用金型の
構成材としては、鋳鉄、鋳鋼等の金属が用いられてい
る。これらの金属は、機械的強度は優れるものの、鋳造
/加工が困難である。即ち、鋳鉄、鋳鋼は鋳造温度が高
いため、鋳造のための大規模な設備を必要とする。又、
簡易な鋳造は砂型でなされるが、その場合鋳造温度が約
1500℃と高いため、鋳造品の表面が粗くなり、そのた
め、表面研磨に多大の工数を必要とする。又、精密な金
型を製作するためには、切削、放電加工等の機械加工に
多大の時間を必要とする。
構成材としては、鋳鉄、鋳鋼等の金属が用いられてい
る。これらの金属は、機械的強度は優れるものの、鋳造
/加工が困難である。即ち、鋳鉄、鋳鋼は鋳造温度が高
いため、鋳造のための大規模な設備を必要とする。又、
簡易な鋳造は砂型でなされるが、その場合鋳造温度が約
1500℃と高いため、鋳造品の表面が粗くなり、そのた
め、表面研磨に多大の工数を必要とする。又、精密な金
型を製作するためには、切削、放電加工等の機械加工に
多大の時間を必要とする。
そこで近年、鋳造温度が低く、鋳造/加工が容易なプラ
スチック成形用金型の構成材として、亜鉛基合金や銅基
合金が使用されている。亜鉛基合金は、JIS H 5301が規
定するダイキャスト用亜鉛合金(ZDC−1)をベースと
しており、Znの他にAl、Cu、Mg等を含有している。又、
銅基合金は、例えば特公昭56−11380号公報に示される
ように、Cuの他にAl、Fe、Mn等を含有している。
スチック成形用金型の構成材として、亜鉛基合金や銅基
合金が使用されている。亜鉛基合金は、JIS H 5301が規
定するダイキャスト用亜鉛合金(ZDC−1)をベースと
しており、Znの他にAl、Cu、Mg等を含有している。又、
銅基合金は、例えば特公昭56−11380号公報に示される
ように、Cuの他にAl、Fe、Mn等を含有している。
[発明が解決しようとする課題] 然しながら、上記従来の亜鉛基合金や銅基合金は、機械
的強度、硬度が不十分である。即ち、これらの合金をプ
ラスチック成形用金型の構成材として用いる場合には、
金型表面にクラックを生ずるおそれがある。又、この合
金を用いて成形作業を重ねるにつれ、金型の寸法精度が
低下し、プラスチック成形品にバリを生ずるおそれがあ
り、このため、この金型は試作型程度にしか用いること
ができない。
的強度、硬度が不十分である。即ち、これらの合金をプ
ラスチック成形用金型の構成材として用いる場合には、
金型表面にクラックを生ずるおそれがある。又、この合
金を用いて成形作業を重ねるにつれ、金型の寸法精度が
低下し、プラスチック成形品にバリを生ずるおそれがあ
り、このため、この金型は試作型程度にしか用いること
ができない。
本発明は、機械的強度に優れ、かつ鋳造/加工が容易な
金型用銅合金を提供することを目的とする。
金型用銅合金を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る金型用銅合金は、重量パーセントでCu 55
〜75%、Mn 0.5〜1.5%、Fe 0.5〜1.5%、Al 0.5〜1.5
%、Sn 0.5%以下、Pb 0.05%以下、希土類元素或いは
これらの混合物であるMm(ミッシュメタル)0.01〜3.0
%、Co 0.001〜0.1%、残部Znと微量の不可避不純物と
からなるようにしたものである。
〜75%、Mn 0.5〜1.5%、Fe 0.5〜1.5%、Al 0.5〜1.5
%、Sn 0.5%以下、Pb 0.05%以下、希土類元素或いは
これらの混合物であるMm(ミッシュメタル)0.01〜3.0
%、Co 0.001〜0.1%、残部Znと微量の不可避不純物と
からなるようにしたものである。
[作用] 本発明合金によれば、Cu、Znを主成分とするため機械的
強度を確保し、鋳造/加工性を良好とすることができ
る。
強度を確保し、鋳造/加工性を良好とすることができ
る。
又、Mn、Fe、Alの添加によって機械的強度の向上が図ら
れ、Co、Mmの添加によって耐酸化性及び硬度の向上が図
られている。
れ、Co、Mmの添加によって耐酸化性及び硬度の向上が図
られている。
Sn、Pbは主成分であるCuに対する溶解度が小さく、粒界
に折出し耐食性に悪影響を及ぼすため、より少量とする
のが望ましい。特に、Pbについてはできるだけ低濃度で
あることが必要である。
に折出し耐食性に悪影響を及ぼすため、より少量とする
のが望ましい。特に、Pbについてはできるだけ低濃度で
あることが必要である。
以下、合金の成分組成を前述の通りに限定した理由につ
いて説明する。
いて説明する。
Cu含有量 Cuは機械的強度を向上する作用があるが、その含有量が
55%未満では所期の強度向上効果を得ることができず、
他方75%を越えて含有させると加工性を阻害することと
なるから、55〜75%と定めた。
55%未満では所期の強度向上効果を得ることができず、
他方75%を越えて含有させると加工性を阻害することと
なるから、55〜75%と定めた。
Mn含有量 Mnは機械的強度を向上する作用があるが、その含有量が
0.5%未満では所期の強度向上効果を図ることができ
ず、他方1.5%を越えて含有させると脆化することとな
るから、0.5〜1.5%と定めた。
0.5%未満では所期の強度向上効果を図ることができ
ず、他方1.5%を越えて含有させると脆化することとな
るから、0.5〜1.5%と定めた。
Fe含有量 Feは機械的強度、硬度を向上する作用があるが、その含
有量が0.5%未満では所期の強度、硬度向上効果を得る
ことができず、他方1.5%を越えて含有させると脆化す
ることとなるから、0.5〜1.5%と定めた。
有量が0.5%未満では所期の強度、硬度向上効果を得る
ことができず、他方1.5%を越えて含有させると脆化す
ることとなるから、0.5〜1.5%と定めた。
Al含有量 Alは機械的強度、硬度を向上する作用があるが、その含
有量が0.5%未満では所期の強度、硬度向上効果を得る
ことができず、他方1.5%を越えて含有させると脆化す
ることとなるから、0.5〜1.5%と定めた。
有量が0.5%未満では所期の強度、硬度向上効果を得る
ことができず、他方1.5%を越えて含有させると脆化す
ることとなるから、0.5〜1.5%と定めた。
Sn含有量 Snは0.5%を越えて含有させると耐食性を悪化すること
となるから、0.5%以下と定めた。
となるから、0.5%以下と定めた。
Pb含有量 Pbは0.05%を越えて含有させると耐食性を悪化すること
となるから、0.05%以下と定めた。
となるから、0.05%以下と定めた。
希土類元素或いはこれらの混合物であるMm含有量 La、Ce、Pr、Nd等の希土類元素、或いはこれらの混合物
であるMm(ミッシュメタル)は耐食性、硬度を向上する
作用があるが、その含有量が0.01%未満では所期の耐食
性、硬度向上効果を得ることができず、他方3%を越え
て含有させると脆化することとなり、高価でもあること
から、0.01〜3%と定めた。
であるMm(ミッシュメタル)は耐食性、硬度を向上する
作用があるが、その含有量が0.01%未満では所期の耐食
性、硬度向上効果を得ることができず、他方3%を越え
て含有させると脆化することとなり、高価でもあること
から、0.01〜3%と定めた。
Co含有量 Coは耐食性、硬度を向上する作用があるが、その含有量
が0.001%未満では所期の耐食性、硬度向上効果を得る
ことができず、他方0.1%を越えて含有させると脆化す
ることとなり、高価でもあることから、0.001〜0.1%と
定めた。
が0.001%未満では所期の耐食性、硬度向上効果を得る
ことができず、他方0.1%を越えて含有させると脆化す
ることとなり、高価でもあることから、0.001〜0.1%と
定めた。
Zn含有量 Znは機械加工性を向上する作用があるが、その含有量が
過多となると機械的強度を低下させる。Znの含有量を他
の金属元素の上記組成に対する残部とする場合には、機
械的強度を阻害することなく、機械加工性を向上でき
る。
過多となると機械的強度を低下させる。Znの含有量を他
の金属元素の上記組成に対する残部とする場合には、機
械的強度を阻害することなく、機械加工性を向上でき
る。
即ち、本発明合金にあっては、上記の各金属元素を上記
の含有量で混合組成することにより、機械的強度及び表
面硬度を上げ、かつ鋳造/加工性を向上させることがで
きる。
の含有量で混合組成することにより、機械的強度及び表
面硬度を上げ、かつ鋳造/加工性を向上させることがで
きる。
尚、本発明合金は、Cuを主成分とする合金であるから、
上記各金属元素の他にNiを成分元素として添加する場合
には、Niが更に加工性の向上に寄与するのでより好まし
い。
上記各金属元素の他にNiを成分元素として添加する場合
には、Niが更に加工性の向上に寄与するのでより好まし
い。
[実施例] 本発明合金の引張強度及び硬度を、比較合金と対比して
表1に示す。
表1に示す。
表1に示す組成のCu−Zn−Mn−Fe−Al−Sn−Pb−Mm−Co
系の本発明合金A〜EのそれぞれにNiを0.2%添加した
合金を作成し、各成分が均一に溶解したことを確認した
後、JIS H 5301参考図Aに示す引張試験片を作成した。
これらの引張試験片について、JIS H 2241の規定に従い
引張試験を施し、それらの引張破断強度を求めた。又、
上記の各合金について、JIS Z 2243の規定に従いブリネ
ル硬度を測定した。その結果は表1の通りである。
系の本発明合金A〜EのそれぞれにNiを0.2%添加した
合金を作成し、各成分が均一に溶解したことを確認した
後、JIS H 5301参考図Aに示す引張試験片を作成した。
これらの引張試験片について、JIS H 2241の規定に従い
引張試験を施し、それらの引張破断強度を求めた。又、
上記の各合金について、JIS Z 2243の規定に従いブリネ
ル硬度を測定した。その結果は表1の通りである。
又、表1に示す比較合金F〜Iについても、上記と同様
な方法により、引張強度と硬度を測定した。尚、比較合
金GはJIS H 5301が規定するダイキャスト亜鉛合金(ZD
C−1)、比較合金Hは三井金属鉱業(株)の鋳造金型
用亜鉛合金(ZAS)、比較合金IはJIS H 5101が規定す
る黄銅鋳物(YBsCl)である。
な方法により、引張強度と硬度を測定した。尚、比較合
金GはJIS H 5301が規定するダイキャスト亜鉛合金(ZD
C−1)、比較合金Hは三井金属鉱業(株)の鋳造金型
用亜鉛合金(ZAS)、比較合金IはJIS H 5101が規定す
る黄銅鋳物(YBsCl)である。
表1によれば、本発明合金は比較合金に比して、引張強
度、硬度に優れていることが認められる。又、本発明合
金は鋳鉄、鋳鋼に比して、融点が約900℃と比較的低温
であり、鋳造/加工性が良く、従って、高強度金型を比
較的短時間で製作でき、射出成形金型用合金等として非
常に有用であることが認められる。
度、硬度に優れていることが認められる。又、本発明合
金は鋳鉄、鋳鋼に比して、融点が約900℃と比較的低温
であり、鋳造/加工性が良く、従って、高強度金型を比
較的短時間で製作でき、射出成形金型用合金等として非
常に有用であることが認められる。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、機械的強度に優れ、か
つ鋳造/加工が容易な金型用銅合金を得ることが可能と
なる。
つ鋳造/加工が容易な金型用銅合金を得ることが可能と
なる。
Claims (1)
- 【請求項1】重量パーセントでCu 55〜75%、Mn 0.5〜
1.5%、Fe 0.5〜1.5%、Al 0.5〜1.5%、Sn 0.5%以
下、Pb 0.05%以下、希土類元素或いはこれらの混合物
であるMm 0.01〜3.0%、Co 0.001〜0.1%、残部Znと微
量の不可避不純物とからなる金型用銅合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15512189A JPH07116539B2 (ja) | 1989-06-16 | 1989-06-16 | 金型用銅合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15512189A JPH07116539B2 (ja) | 1989-06-16 | 1989-06-16 | 金型用銅合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0320426A JPH0320426A (ja) | 1991-01-29 |
JPH07116539B2 true JPH07116539B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=15599026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15512189A Expired - Lifetime JPH07116539B2 (ja) | 1989-06-16 | 1989-06-16 | 金型用銅合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116539B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220148977A (ko) * | 2021-04-29 | 2022-11-08 | 주식회사 대창 | 고력계 무연 황동 및 이를 이용한 제품 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101876012B (zh) * | 2009-12-09 | 2015-01-21 | 路达(厦门)工业有限公司 | 抗应力腐蚀性能优异的黄铜合金及其制造方法 |
CN103484717A (zh) * | 2013-09-29 | 2014-01-01 | 苏州市凯业金属制品有限公司 | 一种黄铜合金金属管 |
CN103555994B (zh) * | 2013-10-18 | 2015-10-07 | 苏州天兼新材料科技有限公司 | 一种锻造而成的具有优越塑性的合金锭及其制造方法 |
CN106978548A (zh) * | 2017-04-28 | 2017-07-25 | 浙江天马轴承有限公司 | 一种新型锰黄铜轴承保持架材料及其制备方法 |
-
1989
- 1989-06-16 JP JP15512189A patent/JPH07116539B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220148977A (ko) * | 2021-04-29 | 2022-11-08 | 주식회사 대창 | 고력계 무연 황동 및 이를 이용한 제품 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0320426A (ja) | 1991-01-29 |
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