JPH07116440A - バグフィルター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろ布の清掃交換作業が容易で、且つ交換作業
中に粉塵が装置外に飛散することのないバグフィルター
装置を提供すること。 【構成】 ケーシング１内にフィルターエレメント２と
ろ布３を収容し、ケーシングの上部からフィルターエレ
メント２とろ布３を着脱するように構成されたバグフィ
ルター装置において、ケーシング１の上部にフィルター
エレメント２とろ布３を人が内部に入って着脱作業でき
る大きさの空間を有する出口ダクト室１１を設け、出口
ダクト室１１の所定位置に人及び機材が搬出入できるマ
ンホール又は扉１２を設けると共に、出口ダクト室１１
とケーシング１の境界部及び該出口ダクト室１１とマン
ホール又は扉１２の接触部を空気の出入りの無い機密構
造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は火力発電所やゴミ焼却炉
等で発生する煤塵等の粉塵を含むガスから粉塵を除去す
るバグフィルター装置に関するものである。

【０００２】

【従来技術】バグフィルターは、従来から、大きいもの
は火力発電所やゴミ焼却炉から排出される燃焼排ガス中
の粉塵を除去するために、小さいものは電気掃除機の埃
除去等に広く利用されている。近年は煤塵除去の機能に
加え、ろ布上に石灰や活性炭等を塗布し、反応器や吸着
器としても着目され、脱ＨＣｌやＳＯｘ或いは重金属の
除去、更には世界的な関心を集めているダイオキシン除
去等に注目されている。

【０００３】図４はこの種のバグフィルター装置の構成
を示す図である。図４において、１はケーシングであ
り、該ケーシング１内に籠状のフィルターエレメント２
や円筒状のろ布３を収容し、該ケーシングの所定位置に
設けられたガス流入口４から流入した燃焼排ガス等の粉
塵（煤塵）を含むガスをろ布３を通して、該粉塵を除去
し、該ケーシング１の所定位置に設けられたガス流出口
５から粉塵が除去されたガスを排出するように構成され
ている。ろ布３に付着した粉塵は自重で自然落下する
か、バルブ７の開閉動作により、エアマニホールド８内
の高圧空気をノズル６を通してパルス状にろ布３内に吹
き付け、該高圧空気をろ布３を通過させると共に振動さ
せて強制的に落下させる。落下した粉塵はケーシング１
の下端に設けられたホッパー９に集められ、ホッパー９
の下端に設けられたロータリーバルブ１０により外部に
排出される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記構成のバグフィル
ター装置において、ろ布３を交換する場合、ケーシング
１の上部１ａを取外した後、図２に示す籠状のフィルタ
ーエレメント２を抜き出し、続いてろ布３を抜き取ると
いう作業を行なわなければならず、このケーシング１の
上部１ａの取外し作業が困難であると同時に、取付けに
も粉塵等の飛散を防止するため密封構造を維持しなけれ
ばならず、この取付け作業も困難であった。また、交換
作業中にろ布３に付着した粉塵がケーシング１の外に飛
散し、環境を汚染するという問題もあった。

【０００５】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去し、ろ布の清掃交換作業が容易
で、且つ交換作業中に粉塵が装置外に飛散することのな
いバグフィルター装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、図１に示すように、ケーシング１内にフィル
ターエレメント２とろ布３を収容し、該ケーシングの所
定位置に設けられたガス流入口４から流入した粉塵を含
むガスをろ布３を通して該粉塵を除去し、該ケーシング
１の所定位置に設けられたガス流出口５から粉塵が除去
されたガスを排出するように構成され、且つ該ケーシン
グの上部からフィルターエレメント２とろ布３を着脱す
るように構成されたバグフィルター装置において、ケー
シング１の上部にフィルターエレメント２とろ布３を人
が内部に入って着脱作業できる大きさの空間を有する出
口ダクト室１１を設け、出口ダクト室１１の所定位置に
人及び機材が搬出入できるマンホール又は扉１２を設け
ると共に、出口ダクト室１１とケーシング１の境界部及
び該出口ダクト室１１とマンホール又は扉１２の接触部
を空気の出入りの無い機密構造としたことを特徴とす
る。

【０００７】

【作用】本発明は上記構成を採用することにより、作業
員は出口ダクト室１１の開閉容易なマンホール又は扉１
２を開け、出口ダクト室１１内に入り、該出口ダクト室
１１内でフィルターエレメント２とろ布３の着脱作業が
できるので、上記従来のように密封構造のケーシング上
部１ａの取外し取付けという困難な作業が不必要にな
る。また、着脱作業が密封構造の出口ダクト室１１の内
部で行なうので、粉塵の装置外への飛散がなく、環境を
汚染することもない。また、出口ダクト室１１内にホイ
スト等の吊り上げ装置等にフィルターエレメント２とろ
布３の着脱作業に必要な治具を設けることにより、着脱
作業が更に容易になる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は本発明のバグフィルター装置の構成を示す
図である。図１において、１はケーシングであり、該ケ
ーシング１内にフィルターエレメント２やろ布３を収容
している。該フィルターエレメント２は図２に示すよう
に円筒状の籠状であり、袋状のろ布３を円筒状に保持す
るための作用を奏する。該ケーシング１の下方所定位置
に設けられたガス流入口４から流入した燃焼排ガス等の
粉塵（煤塵）を含むガスはろ布３を通って粉塵が除去さ
れ、該ケーシング１の上方所定位置に設けられた排ガス
流出口５から粉塵が除去されガスを排出するように構成
されている。

【０００９】ろ布３に付着した粉塵は自重で自然落下す
るか、バルブ７の開閉動作により、エアマニホールド８
内の高圧空気をノズル６を通してパルス状にろ布３内に
吹き付け、該高圧空気をろ布３を通過させると共にろ布
３を振動させることにより強制的に落下させる。落下し
た粉塵はケーシング１の下端に設けられたホッパー９に
集められ、ホッパー９の下端に設けられたロータリーバ
ルブ１０により排出される。上記の点は図４の従来構成
と同一である。

【００１０】本発明のバグフィルター装置は、ケーシン
グ１の上部に出口ダクト室１１を設けている。そして該
出口ダクト室１１とケーシング１の境界部を空気の出入
りの無い機密構造としている。該出口ダクト室１１は内
部に人が入ってフィルターエレメント２やろ布３の着脱
清掃作業が容易にできる大きさとする。例えば、高さ寸
法Ｈはフィルターエレメント長さＬとすれば、Ｈ＝０．
８×Ｌ以上、フィルターエレメントが分割され組立てら
れる構造であれば、フィルターエレメントり最小単位長
さｌとすれば、Ｈ＝０．８×ｌ以上、通常はＨ＝１．５
ｍ以上となる。出口ダクト室１１の所定位置に人及び機
材が搬出入できるマンホール又は扉１２を設ける。該マ
ンホール又は扉１２は閉じた時出口ダクト室１１の接触
部は空気の出入りの無い機密構造としている。

【００１１】図３（ａ）乃至（ｃ）は上記構成のバグフ
ィルター装置において、ろ布３の清掃交換作業の手順を
示す図である。先ず（ａ）に示すように運転を停止し、
ガス流入口４からガスの流入を停止すると同時に、ノズ
ル６からの高圧空気のパルス状の吹き付けも停止する。
続いて（ｂ）に示すようにノズル６や該ノズル６に高圧
空気を送るパイプ６ａを除去する。これによりケーシン
グ１内から出口ダクト室１１にフィルターエレメント２
やろ布３を取り出せる状態となる。次に（ｃ）に示すよ
うにフィルターエレメント２やろ布３を出口ダクト室１
１に取り出し、該取り出したエレメント２やろ布３の清
掃交換作業を出口ダクト室１１内で行なう。この時、粉
塵は出口ダクト室１１内に飛散するが、出口ダクト室１
１の外には飛散しないから、環境を汚染する恐れはな
い。

【００１２】例えば、出口ダクト室１１に真空清掃設備
を設けて置けば、粉塵をろ布３やエレメント２のセット
完了後に清掃することにより、出口ダクト室１１内に飛
散した粉塵は簡単に除去することができる。

【００１３】バグフィルター装置を上記の如く構成する
ことにより、従来のように密封構造のケーシング１の上
部を取り外すことがないから、ろ布３の交換作業を大幅
に低減できる。また、ケーシング上部に保温がなされて
いることが多いが、取り外すことがないから、取外し時
に損傷させることがなくなる。また、従来はケーシング
１の上部は取り外す必要があるから、重量を軽くし、簡
単な取付け構造とし、更に密封構造にする必要があるこ
とから長いパッキンシールを用いている。しかしながら
これらを全て満足させることが困難で、装置内部と外部
のシールはある程度犠牲にしなければならない。そのた
め内部ガスがリークし外部の汚染、外気の混入による処
理ガスの増大化を招くという問題があったが、本装置で
はこれを略完全に除去できる。

【００１４】また、図示を省略するが、出口ダクト室１
１内にホイスト等の吊り上げ装置等にフィルターエレメ
ント２とろ布３の着脱作業に必要な治具を設けることに
より、着脱作業が更に容易になる。

【００１５】なお、上記実施例では、所謂パルスジェッ
ト式のバグフィルター装置を例に説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、ケーシングの上部から
フィルターエレメントやろ布を着脱するように構成され
たバグフィルター装置であればよい。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば下記
のような優れた効果が得られる。 （１）ケーシング上部にフィルターエレメントやろ布を
人が内部に入って着脱作業できる大きさの空間を有する
出口ダクト室を設けたので、従来のようにケーシングの
上部を取り外すことがないから、ろ布の交換作業を大幅
に低減できる。

【００１７】（２）出口ダクト室の所定位置に人及び機
材が搬出入できるマンホール又は扉を設け、該出口ダク
ト室とケーシングの境界部及び該出口ダクト室とマンホ
ール又は扉の接触部を空気の出入りの無い機密構造とし
たので、粉塵のケーシング外への飛散がなく、環境を汚
染することがない。

【００１８】また、従来はケーシングの上部を取り外す
必要があるから、重量を軽くし、簡単な取付け構造と
し、長いパッキンシールを用いる等をするため、装置内
部と外部のシールをある程度犠牲にしなければならず、
これが内部ガスのリークとなり外部の汚染、外気の混入
による処理ガスの増大化を招くが、本発明ではこれらの
問題を略完全に除去できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のバグフィルター装置の構成を示す図で
ある。

【図２】フィルターエレメントとろ布の構造を示す図で
ある。

【図３】同図（ａ）乃至（ｃ）は本発明バグフィルター
装置におけるろ布の交換作業の手順を示す図である。

【図４】従来のバグフィルター装置の構成を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ ケーシング ２ フィルターエレメント ３ ろ布 ４ ガス流入口 ５ ガス流出口 ６ ノズル ７ バルブ ８ エアマニホールド ９ ホッパー １０ ロータリーバルブ １１ 出口ダクト室 １２ マンホール又は扉

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシング内にフィルターエレメントや
   ろ布を収容し、該ケーシングの所定位置に設けられたガ
   ス流入口から流入した粉塵を含むガスを前記ろ布を通し
   て該粉塵を除去し、該ケーシングの所定位置に設けられ
   たガス流出口から粉塵が除去されたガスを排出するよう
   に構成され、且つ該ケーシングの上部から前記フィルタ
   ーエレメントやろ布を着脱するように構成されたバグフ
   ィルター装置において、 前記ケーシング上部に前記フィルターエレメントやろ布
   を人が内部に入って着脱作業できる大きさの空間を有す
   る出口ダクト室を設け、 前記出口ダクト室の所定位置に人及び機材が搬出入でき
   るマンホール又は扉を設けると共に、前記出口ダクト室
   と前記ケーシングの境界部及び該出口ダクト室とマンホ
   ール又は扉の接触部を空気の出入りの無い機密構造とし
   たことを特徴とするバグフィルター装置。