JPH07116311B2 - ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

ポリエチレン系樹脂発泡体の製造方法

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JPH07116311B2
JPH07116311B2 JP13195290A JP13195290A JPH07116311B2 JP H07116311 B2 JPH07116311 B2 JP H07116311B2 JP 13195290 A JP13195290 A JP 13195290A JP 13195290 A JP13195290 A JP 13195290A JP H07116311 B2 JPH07116311 B2 JP H07116311B2
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foaming
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達哉 松ケ下
静 堀野
勝己 山口
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、均一で且つ微細な気泡を持ったポリエチレ
ン系樹脂発泡体を、簡単な操作でしかも能率よく製造す
る方法に関するものである。
(従来の技術) ポリエチレン系樹脂発泡体は、各方面で用いられてい
る。例えば、緩衝材、断熱材、装飾材などとして広く用
いられている。この発泡体では、気泡が均一で微細なも
のほど、良質なものであると高く評価されている。その
理由は、気泡が均一で微細なものほど、外観が良いだけ
でなく、緩衝性にもすぐれ、さらに熱伝導率も小さく
て、断熱性にすぐれていることになるからである。
ポリエチレン系樹脂発泡体を作るには、色々な方法が知
られている。例えば、ポリエチレン系樹脂に発泡剤を加
えて発泡性樹脂とし、これを押出機から押し出しただけ
で、発泡体とする方法が知られている。また、ポリエチ
レン系樹脂に発泡剤とともに過酸化物のような架橋剤を
加えて、これを押出機から押し出し、架橋させながら発
泡させる方法が知られている。そのほか、上述の架橋剤
を加える代わりに、放射線を照射して架橋させながら、
発泡させる方法も知られている。
これらの方法のうち、架橋剤を加えたり、放射線を照射
したりする方法は、ポリエチレン系樹脂を微細に、すな
わち細かい気泡を多数持つように、発泡させやすい利点
を持つが、発泡工程が複雑であるという欠点を持ってい
る。さらに、この方法は、過酸化物の使用や照射装置の
設置を必要とするので、製造コストが高くなる、という
欠点を持っていた。他方、発泡剤を加えて押し出すだけ
の方法は、製造方法として簡単で容易に実施でき、従っ
て製造コストが安いという長所を持つが、反面ポリエチ
レン系樹脂の気泡を微細にし難く、従って良質の発泡体
を作ることができない、という欠点を持っていた。
発泡剤としては、色々なもの用いられた。大きく分ける
と、物理発泡剤と化学発泡剤とがあった。このうちで
は、物理発泡剤が多く使用された。
物理発泡剤にも色々なものがあった。
大まかに言うと、二酸化炭素や窒素のような無機化合物
と、ブタンやメチルクロライドのような有機化合物とに
分類された。有機化合物も、ブタンのような脂肪族炭化
水素や、メチルクロライドのようなハロゲン化炭化水
素、シクロヘキサンのような脂環族炭化水素、エチルエ
ーテルのようなエーテル類などの各種のものが用いられ
た。
良好な発泡体を作るには、樹脂の種類に応じて適当な発
泡剤を選び、また発泡剤の量を加減し、さらに発泡させ
るときの条件を選択する必要があった。そのうちでは、
とくに発泡剤の種類の選定が重要視された。
特公昭27−2690号公報は、発泡剤として気化型のガス又
は液体を用い、ポリスチレンを揮発性有機化合物と加圧
下に混合してゲルを形成させ、このゲルを低圧下に流出
させて断面の大きな発泡体を作る方法を開示している。
揮発性有機化合物としては、メチルクロライド、プロピ
レン、ブチレンのほか、メチルエーテル、エチルエーテ
ルが使用できると記載されている。しかし、この方法
は、押出機を用いる方法ではないから、大量の揮発性有
機化合物を必要とし、従って実施が容易でない、という
欠点を持っていた。また、この方法では、気泡の粗大な
発泡体しか得られなかった。
特開昭60−243131号公報は、1−クロロ−1、1−ジフ
ルオロエタンと、1、1−ジフルオロエタンとを特定の
割合に混合したものを発泡剤として用い、ポリオレフィ
ンを押し出し発泡させることによって、発泡したあとで
収縮の少ないポリオレフィン発泡体の得られることを記
載している。しかし、こうして得られた発泡体は気泡が
粗大であって、微細に発泡したものとはならなかった。
従って、これまでは押し出し発泡によっては、微細な気
泡を持った発泡体を得ることができなかった。
そのほか、押し出し気泡によって発泡体を作ると、得ら
れた発泡体は押し出した直後10分以内に著しく収縮し、
その後室温に1ヶ月ほどの長期間放置しても、元の寸法
に戻らないという欠点があった。特開昭60−243131号公
報ではこの収縮を抑制するために安定性抑制剤を加える
こととしているが、それでも収縮の抑制は充分でなかっ
た。安定性抑制剤としては、飽和高級脂肪酸アミド、高
級アルキルアミド、多価アルコールと高級脂肪酸との完
全エステル、不飽和脂肪酸のアルキル置換アミド、飽和
脂肪酸のアルケニル置換アミドなどが使用された。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、上述の欠点を改良しようとしてなされたも
のである。すなわち、この発明は架橋剤や放射線を用い
ないで、ポリエチレン系樹脂に発泡剤を加えて押し出す
だけで、ポリエチレン系樹脂を均一微細に発泡させよう
とするものである。
また、この発明は、押し出し発泡によって得られたポリ
エチレン系樹脂発泡体の収縮を抑制しようとするもので
ある。
(課題解決のための手段) この発明者は、上述の問題を主として発泡剤の選択によ
り解決しようと企てた。この発明者は、種々の発泡剤を
ポリエチレン系樹脂に加えて押し出し発泡を試みた結
果、特定のハロゲン化脂肪族炭化水素と特定の脂肪族エ
ーテルとの混合物を発泡剤として用いると、均一微細に
発泡したポリエチレン系樹脂発泡体の得られることを見
出した。この発明は、このような知見に基づいて完成さ
れたものである。
この発明は、気化型発泡剤の少なくとも2種の有機化合
物を選び、これを混合して用いることとしている。その
うちの1つは、ハロゲン化脂肪族炭化水素に属するもの
であって、1、1−ジフルオロエタン(以下、これをF1
52aと略称する)又は、1、1、1、2−テトラフルオ
ロエタン(以下、これをF134aと略称する)であること
を必要としている。他の1つは、脂肪族エーテルに属す
るものであって、ジメチルエーテル(以下、これをDMと
略称する)であることを必要としている。しかも、その
2種のものは、一定の割合で混合して用いることを必要
としている。
また、この発明は、上述の発泡剤を用いるとともに、収
縮抑制剤として多価アルコールの高級脂肪酸部分エステ
ルを用いることを必要としている。
(発明要旨) この発明は、F152a及び/又はF134aが50−90モル%と、
ジメチルエーテルが50−10モル%含まれている混合発泡
剤を、ポリエチレン系樹脂に含ませて発泡性樹脂とし、
これを溶融状態で押出機から低圧領域へ押し出して発泡
させることを特徴とする、ポリエチレン系樹脂発泡体の
製造方法を要旨とするものである。
また、この発明は、F152a及び/又はF134aが50−90モル
%と、ジメチルエーテルが50−10モル%含まれている混
合発泡剤を、多価アルコールの高級脂肪酸部分エステル
含有のポリエチレン系樹脂に含ませて発泡性樹脂とし、
これを溶融状態で押出機から低圧領域へ押し出して発泡
させることを特徴とする、ポリエチレン系樹脂発泡体の
製造方法を要旨とするものである。
(要件の説明) この発明では、樹脂としてポリエチレン系樹脂を用い
る。ポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体だけ
でなく、エチレンと他の単量体との共重合体を含んでい
る。他の単量体とは、酢酸ビニル、プロピレン、スチレ
ン、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、塩化ビニ
ル、ブテン、ブタジエン、ヘキセン、メチルペンテン、
オクテン等である。他の単量体の分量は50重量%以下で
あることが必要とされる。エチレンの単独重合体は、低
密度ポリエチレンでも、高密度ポリエチレンでもよい。
そのほか、ポリエチレン系樹脂は、上述のエチレンの単
独重合体又は共重合体に、他の熱可塑性樹脂を加えて作
られた混合物をも含んでいる。この場合、混合物はその
中でのエチレン含有量が50重量%以上であることが必要
とされる。他の熱可塑性樹脂とは、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアク
リロニトリル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン共重合体、天然又は合成ゴム等である。
この発明では、発泡剤として、F152a及びF134aから成る
ハロゲン化炭化水素(以下、これをHCと略称する)と、
DMとの混合物とを用いる。その混合物は、HCが50−90モ
ル%を占め、DMが50−10モル%を占めることが必要とさ
れる。
一般に塩化弗化炭化水素類、とくに飽和の塩化弗化炭化
水素類は、安定な化合物であり、空気中に放出される
と、地表を取り巻く対流圏で分解されないまま成層圏に
達し、オゾン層を破壊すると言われていう。オゾン層が
破壊されると、紫外線などの宇宙船がオゾン層で吸収さ
れなくなって、直接生物を強く照射することとなり、例
えば人体にガンなどを発生させるおそれが多くなる、と
言われている。従って、塩化弗化炭化水素類の使用は、
避けなければならない、とされている。
この発明では、HCを用いるが、そのHCはF152aとF134aと
から成るものである。このうち、F152aは、特開昭60−2
43131号公報が述べているように、これまで発泡剤とし
て用いられて来たジクロロジフロオロメタンよりは分解
し易く、従って大気中に放出しても、オゾン層破壊力が
無いとされている。他方、F134aは、上記公報中では全
く言及されていない化合物であって、オゾン層の破壊力
が無いとされているものである。だから、この発明で用
いられるHCは、オゾン層破壊のおそれが無く、従って公
害を招くおそれを少なくして、実施することができる。
この発明では、HCと並んでDMを発泡剤として用いる。DM
は、いうまでもなくオゾン層破壊力が問題にされない化
合物である。従って、DMをHCと混合して用いることによ
り、オゾン層破壊のおそれを一層少なくしている。
この発明では、HCとDMとの混合割合を、HC50−90モル%
に体しDM50−10モル%とすることが必要とされる。具体
的には、F152a単独、又はF152aとF134aとの混合物又はF
134a単独を50−90モル%とし、DMを残り50−10モル%と
する。このような割合に限定した理由は、実験上の事実
に由来している。すなわち、このような割合にしたと
き、樹脂の気泡径が微細となり、樹脂が均一に発泡する
こととなるからである。
この発明では、HCとDMとから成る発泡剤をポリエチレン
系樹脂に含ませる。その含ませる割合は、樹脂1kgあた
り発泡剤が0.3〜5モルとなるようにする。この割合
も、実験から導かれた値である。この割合は、従来の発
泡剤が用いられて来た割合と大きく異ならない。
ここで、HCとDMとが上述のような割合で混合して用いら
れたとき、HCとDMとの相乗効果が現われることは驚くべ
きことである。すなわち、発泡剤としてHCだけを用いた
り、DMを単独で用いたのでは、ポリエチレン系樹脂は発
泡しても粗大な気泡を持つだけで、微細な気泡を持つに
至らない。ところが、HCとDMとを混合して用いると、ポ
リエチルン系樹脂は微細に発泡して、極く小さな気泡を
多数含むに至り、ここに均一微細化の効果が顕著に現わ
れることとなる。
他方、この発明では収縮抑制剤として多価アルコールの
高級脂肪酸部分エステルを樹脂に加える。部分エステル
を構成するための多価アルコールとしては、グリセリ
ン、ペンタエリスリット、ソルビット、ソルビタン、マ
ンニット、マンニタン、ジペンタエリスリット、ジグリ
セリン等を用いることができる。また、部分エステルを
構成するための高級脂肪酸としては、カプリン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノー
ル酸等の飽和または不飽和の炭素数10−30の一価の酸を
用いることができる。そのほか、これらの高級脂肪酸が
混在する牛脂脂肪酸、糟油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸を用い
ることができる。
この発明で用いられる収縮抑制剤は、部分エステルであ
る。すなわち、収縮抑制剤は、多価アルコールの水酸基
がすべてエステル化されなで、1分子中に1個以上の水
酸基を残している。収縮抑制剤の例は、ラウリン酸モノ
(ジ)グリセライド、パルミチン酸モノ(ジ)グリセラ
イド、ステアリン酸モノ(ジ)グリセライド、ペンタエ
リスリットモノカプレート、ペンタエリスリットモノラ
ウレート、ジペンタエチスリットジステアレート、ソル
ビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、
ソルビタンモノステアレート、マンニタンモノオレエー
ト、マンニタンモノラウレートである。この中でとくに
好ましいのは、ステアリン酸モノグリセライドである。
収縮抑制剤は、樹脂100重量部に対し0.1−5重量部とす
ることが望ましい。その理由は、抑制剤を5重量部以上
に増加しても、発泡体の寸法安定化がそれ以上向上しな
いからであり、また抑制剤の増加とともに別の欠点が現
われるからである。別の欠点とは、樹脂が滑りやすくな
って、押出機内の樹脂の移送に支障を来たし、樹脂を一
定の割合で押し出し難くなり、発泡にバラツキを生じ
る、ということでいる。逆に、抑制剤が0.1重量部以下
では、抑制剤添加の効果が現われなくなるからである。
そのうちでは、0.5−2.0重量部とするのがさらに好まし
い。
上述の収縮抑制剤は、ポリエチレン系樹脂に添加される
と、押し出し直後のポリエチレン系樹脂発泡体の収縮を
顕著に抑制する。例えば、この抑制剤を全く使用しない
場合には、押し出し直後の発泡体は押し出した時から10
分以内に著しく収縮し、その後20℃の室温中に1ヶ月放
置しても、押し出し直後の寸法に戻らない。ところが、
ステアリン酸モノグリセライドを樹脂100重量部に対し
て0.5重量部の少量でも添加しておくと、押し出し直後
に一旦収縮するが、その後20℃の室温中に5−10日放置
すれば、ほぼ押し出し直後の寸法にまで戻る。また、ス
テアリン酸モノグリセライドの使用量を増し、樹脂100
重量部に対して1重量部とした場合には、押し出し直後
から発泡体は殆ど収縮しなくなる。
上述の収縮抑制剤の効果は、HCとDMとを混合したものを
発泡剤として用いた場合に顕著であって、F152a又はF13
4aからなるHCを単独で用いた場合には、さほど顕著でな
い。例えば、発泡剤としてF152a又はF134aのうち1つだ
けを用い、これをステアリン酸モノグリセライド含有の
ポリエチレン系樹脂に含有させて押し出し発泡させる
と、押し出し後30分以内に大きく収縮し、その後20℃の
室温中に10日間放置しても、押し出し直後の寸法まで回
復しない。
この発明では、収縮抑制剤のほかに、押し出し発泡の際
に通常添加される種々のものを添加することができる。
例えば、タルクのような気泡核剤、顔料、染料のような
着色剤、滑剤、界面活性剤、樹脂改質剤などを添加する
ことができる。
樹脂改質剤の中では、シリコーン系改質剤を少量添加す
ると、気泡微細化の効果は一層顕著となる。シリコーン
系改質剤は、ポリオレフィンにポリオルガノシロキサン
をグラフト重合させて得られた共重合樹脂である。それ
は、例えばダウコーニング社からSP−300の名称で販売
されている。このようなシリコーン系改質剤をポリエチ
レン系樹脂に添加して、ポリオルガノシロキサン含有量
が0.2−2.0重量%となるようにすると、最も微細な発泡
体が得られる。
この発明方法による発泡体の製造は、発泡剤の選択と抑
制剤の添加とを除けば、従来法と変わりなく実施するこ
とができる。すなわち、通常の押出機を用いて、従来ど
おりの押し出し条件で発泡体とすることができる。例え
ば、低密度ポリエチレンに少量のタルクを加え、これに
この発明で用いることとした収縮抑制剤を加え、この混
合物を押出機に供給し、押出機のバレルの途中から、こ
の発明で用いることとした発泡剤を圧入し、これらを十
分に溶融混練し、これを100−120℃に加熱された口金か
ら大気中に押し出すことによって、発泡体とすることが
できる。
(発明の効果) この発明によれば、発泡剤として、F152a及び/又はF13
4aが50−90モル%含まれ、DMが50−10モル%含まれてい
る混合物を用い、この発泡剤をポリエチレン系樹脂に含
ませて発泡性樹脂とし、これを押し出し発泡させて発泡
体とするので、得られた発泡体は微細な気泡を持ち、且
つ均一に発泡したものとなる。だから、この発泡体は、
外観がよく緩衝性にすぐれ、さらに熱伝導率も小さて断
熱性にすぐれたものとなっている。また、こうして得ら
れた発泡体は押出直後の収縮が大きいが、この収縮は樹
脂にさらに多価アルコールの高級脂肪酸部分エステルを
加えることにより殆ど目立たない程に小さくすることが
できる。従って、、こうして収縮を小さくしたものは寸
法の厳格さが要求される緩衝材、断熱材、装飾材の何れ
に用いても、高い評価を受ける良質のものである。ま
た、その製造は、普通の押出機を用いて、従来方法と変
わりなく実施できるから、操作が容易であって、しかも
能率がよい。その上に、発泡材がF152a及び又はF134aと
DMとの混合物であるから、空気中に放出されてもオゾン
層の破壊が無く、従って公害を起こすおそれも少ない。
この発明は、このような利点をもたらすものである。
(実 施 例) 以下に、実施例と比較例とを挙げて、この発明のすぐれ
ている所以を具体的に明らかにする。以下で、単に部と
いうのは重量部の意味である。
また、得られた発泡体の密度というのは、押し出し後10
分以内に測定した密度であり、気泡径は同じ時期にASTM
D3576に準拠して測定した気泡寸法であり、熱伝導率は
同じ時期にASTM C−518に準拠して測定した断熱性能を
表す値である。
寸法安定性は、押し出し直後の発泡体容積に対する30分
後の容積収縮率(処理収縮率)と、その後20℃の恒温室
内に10日間放置したときの体積変化から評価したもので
ある。寸法安定性のVGは、初期収縮率が10%以下で、一
日放置後に完全に収縮が回復し、その後変化しなかった
ことを表す。Gは、初期収縮率が10−20%であるが、放
置により徐々に収縮が回復し、5日以内で完全に収縮が
回復したことを表す。また、Bは、初期収縮率が20%以
上であり、放置により徐々に収縮が回復したが、10日放
置後も完全には収縮が回復しなかったことを表す。
また、発泡体の外観は4段階に分け、極めて良好◎、良
好○、普通△、不良×とした。
実施例1 低密度ポリエチレン(メルトインデックス0.3、密度0.9
21g/cm3)100部に、微粉末タルク0.5部を添加して混合
物とし、口径40mmの通常の押出機2台を縦に連結して押
出機とし、この押出機に上記混合物を1時間あたり8kg
の割合で供給した。
発泡剤としては、F152aが80モル%、DMが20モル%から
成る混合物を、樹脂1kgあたり1.8モルの割合で、第1図
の押出機のバレル先端付近から樹脂中に圧入した。
また、収縮浴製剤としてステアリン酸モノグリセライド
を樹脂100部に対して1部の割合で押出機内に供給し
た。
第2の押出機の先端に口金を付設したが、その口金は口
径2mmの樹脂押出口を有するノズルダイであった。第1
の押出機に供給された樹脂組成物は、最高200℃に加熱
され溶融されて、続く第2の押出機で最高110℃に調整
され、110℃に設定された口金に供給された。
ノズルダイから押し出された樹脂は、大きく発泡して直
径22mmのロッド状発泡体となった。この発泡体は、均一
に発泡しており、その気泡は極めて微細で、外観が◎で
あった。この発泡体は、押し出し直後の寸法収縮が少な
く、その後数日間放置しても、殆ど寸法変化が認められ
ず、寸法安定性がVGであった。また、この発泡体は密度
が32.2kg/m3、平均気泡径が0.63mm、熱伝導率が0.035kc
al/m.hr.℃であった。従って、この発泡体は良好な品質
のものと認められた。
実施例2 実施例1において、発泡剤の組成を変えてF152aが70モ
ル%含まれ、DMが30モル%含まれていることとし以外
は、実施例1と全く同様に実施して発泡体を得た。
この発泡体は均一に発泡しており、その気泡は微細で、
外観は◎であった。この発泡体は、寸法安定性がVGであ
り、密度が22.6kg/m2、平均気泡性が0.88mm、熱伝導率
が0.03kcal/m.hr.℃であった。従って、この発泡体は良
い品質のものと認められた。
実施例3 実施例1において、発泡剤の組成を変えて、F152aが60
モル%含まれ、DMが40モル%含まれていることとした以
外は、実施例1と全く同様に実施して発泡体を得た。
この発泡体は均一に発泡しており、その気泡は微細で、
外観は○であった。この発泡体は、寸法安定性がGで、
で密度30.6kg/m3、平均気泡径が0.90mm、熱伝導率が0.0
39kcal/m.hr.℃であった。従って、この発泡体は良質の
ものと認められた。
実施例4 実施例1において、発泡剤の組成を変えて、F152aの代
わりにF134aを用いることとし、F134aが80モル%含ま
れ、DMが20モル%含まれているようにした以外は、実施
例1と全く同様に実施して発泡体を得た。
この発泡体は均一微細に発泡していて、外観が◎であっ
た。この発泡体は、寸法安定性がVGで、密度が33.1kg/m
3、平均気泡径が0.58mm、熱伝導率が0.033kcal/m.hr.℃
であった。従って、この発泡体は良い品質のものど認め
られた。
実施例5 実施例1において、発泡剤の組成を変えて、F134aが70
モル%含まれ、DMが30モル%含まれるようにした以外
は、実施例1と全く同様に実施して発泡体を得た。
この発泡体は均一微細に発泡しており、外観が◎であっ
た。この発泡体は、寸法安定性がVGで、密度が46.1kg/m
3、平均気泡径が0.63mm、熱伝導率が0.037kcal/m.hr.℃
であった。従って、この発泡体は良好な品質のものと認
められた。
実施例6 実施例1において、発泡剤の組成を変えて、F134aが60
モル%含まれ、DMが40モル%含まれるようにした以外
は、実施例1と全く同様に実施して発泡体を得た。
この発泡体は均一微細に発泡しており、外観が○であっ
た。この発泡体は、寸法安定性がGで、密度が33.6kg/m
3、平均気泡径が0.88mm、熱伝導率が0.037kcal/m.hr.℃
であった。従って、この発泡体は良い品質のものと認め
られた。
比較例1 実施例1において、発泡剤の組成を変えてDMを用いない
こととし、発泡剤としてはF152aだけから成るものを用
いることとした以外は、実施例1と全く同様に実施して
発泡体を得た。
この発泡体は、初期収縮率が大きく、また20℃の恒温室
中に10日間放置しても完全には収縮が回復せず、従って
寸法安定性がBであり、外観が△であった。また、この
発泡体は、密度が42.5kg/m3、平均気泡径が0.55mm、熱
伝導率が0.048kcal/m.hr.℃であった。従って、この発
泡体は低い品質のものと認められた。
比較例2 実施例1において、発泡剤の組成を変えてDMを用いない
こととし、発泡剤としてF134aだけから成るものを用い
ることとした以外は、実施例1と全く同様に実施して発
泡体を得た。
この発泡体は、比較例1のものと同様に寸法安定性Bで
あり、外観が△であった。また、この発泡体は、密度が
44.2kg/m3、平均気泡径が0.50mm、熱伝導率が0.049kcal
/m.hr.℃であった。従って、この発泡体は低い品質のも
のと認められた。
比較例3 実施例1において、発泡剤の組成を変えてDMを多くし、
発泡剤としてはF152aが40モル%含まれ、DMが60モル%
含まれるようにした以外は、実施例1と全く同様に実施
して発泡体を得た。
この発泡体は、寸法安定性がGで、気泡が粗大で、外観
が×であった。また、この発泡体は、密度が26.5kg/
m3、平均気泡径が1.38mm、熱伝導率が0.043kcal/m.hr.
℃であった。従って、この発泡体は低い品質のものと認
められた。
比較例4 実施例1において、発泡剤の組成を変えてDMを多くし、
発泡剤としてはF134aが40モル%含まれ、DMが60モル%
含まれているようにした以外は、実施例1と全く同様に
実施して発泡体を得た。
この発泡体は、比較例3のものと同様に寸法安定性がG
で、気泡が粗大なために外観が×であった。また、この
発泡体は、密度が28.1kg/m3、平均気泡径が1.30mm、熱
伝導率が0.045kcal/m.hr.℃であった。従って、この発
泡体は低い品質のものと認められた。
比較例5 実施例1において、発泡剤の組成を変えてF152aもF134a
も用いないこととし、発泡剤としてはただDMだけを用い
ることとした以外は、実施例1の全く同様に実施して発
泡体を得た。
この発泡体は、余り大きく発泡せず、気泡が粗大なため
に外観が×であり、寸法安定性も悪くBであった。この
発泡体は、密度が40.0kg/m3、平均気泡径が1.50mm、熱
伝導率が0.048kcal/m.hr.℃であった。従って、この発
泡体は低い品質のものと認められた。
実施例7 実施例1において、寸法安定性を確認するために、収縮
抑制剤としてのステアリン酸モノグリセライドを用いな
いこととした以外は、実施例1と全く同様に実施して発
泡体を得た。
この発泡体は押し出し直後に収縮し、表面に皺の多いも
のであった。その後、35℃の恒温室に放置すると、3〜
4日間で収縮は殆ど観察されなくなった。
従って、この発泡体は寸法変化があってはならない場合
を除き、緩衝材、断熱材としては使用できるものであっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1、1−ジフルオロエタン及び/又は1、
    1、1、2−テトラフルオロエタンが50−90モル%と、
    ジメチルエーテルが50−10モル%とからなる混合物を発
    泡剤として使用し、この発泡剤をポリエチレン系樹脂に
    含ませて発泡性樹脂とし、これを溶融状態で押出機から
    低圧領域へ押し出して発泡させることを特徴とする、ポ
    リエチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】1、1−ジフルオロエタン及び/又は1、
    1、1、2−テトラフルオロエタンが50−90モル%と、
    ジメチルエーテルが50−10モル%とから成る混合物を発
    泡剤として使用し、この発泡剤を、多価アルコールの高
    級脂肪酸部分エステル含有のポリエチレン系樹脂に含ま
    せて発泡性樹脂とし、これを溶融状態で押出機から低圧
    領域へ押し出して発泡させることを特徴とする、ポリエ
    チレン系樹脂発泡体の製造方法。
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