JPH07116250A - 薬液注入器具 - Google Patents

薬液注入器具

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JPH07116250A
JPH07116250A JP5287357A JP28735793A JPH07116250A JP H07116250 A JPH07116250 A JP H07116250A JP 5287357 A JP5287357 A JP 5287357A JP 28735793 A JP28735793 A JP 28735793A JP H07116250 A JPH07116250 A JP H07116250A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部から薬
液を注入および流出するバル−ンと、該バル−ンを収納
しその開口と連通した薬液流出入口を開口部付近に有す
るハウジングと、前記薬液流出入口から延びた薬液流出
アセンブリと、該薬液流出アセンブリに配置された薬液
量を制御するための流量制御部とからなる薬液注入器具
において、前記バル−ンがその中空内面が前記薬液に対
して不活性な耐薬品性樹脂からなる内層とその外層がバ
ル−ンに薬液を充填したときの収縮応力が内層より高い
弾性ゴムからなり、内層と外層との間に潤滑性物質が存
在してなる薬液注入器具である。 【効果】 内層と外層との間に潤滑性物質が存在してい
るので、両層間に部分的な空隙や応力の集中が発生した
りしないでバル−ンは膨張し、常時一定速度で薬液を人
体に注入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定量の薬液を血管、膀
胱等に、少しずつ持続して注入するための薬液注入器具
に関し、更に詳しくはバル−ン内に加圧状態で貯蔵した
薬液を、一定速度で少しずつ持続して患者に注入するこ
とができる薬液注入器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗生物質や抗ガン剤等の薬液
を血管、膀胱等に少しずつ注入する方法として、特開昭
50−108790号公報に弾性材料からなるバル−ンに薬液を
収納し、バル−ンの収縮力を利用して薬液を長時間にわ
たって人体に持続注入する器具が紹介されている。また
バル−ン材料として本発明者は既に特開平4−2360号で
天然ゴム製管状体の中空内面がシリコ−ン樹脂膜で覆わ
れた多層構造をしたバル−ンを用いて、薬液を充填した
バル−ンから薬液をほぼ一定速度で供給する器具を特許
出願している。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、かかる
多層構造をしたバル−ン材料は天然ゴムとシリコ−ンと
の収縮率および膨張率との差異のために、バル−ンの膨
張時および収縮時に内層と外層との間に空隙が生じた
り、時には部分的に応力の集中が発生したりして膨張時
のバル−ンの形態が変形したりするために、バル−ン内
部の薬液を流出させるとき、バル−ン流出口での薬液の
流出速度が変動し、流量制御部入口での薬液流入圧の変
動によって常時一定速度で薬液を人体に注入するという
本発明の目的が達成されないことがしばしば起こった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの欠点
を解決するために鋭意研究した結果、これらの原因がバ
ル−ン膨張時の内層と外層との間の摩擦であることを見
出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は加圧状態
で薬液を貯蔵し、かつ開口部から薬液を注入および流出
するバル−ンと、該バル−ンを収納しその開口と連通し
た薬液流出入口を開口部付近に有するハウジングと、前
記薬液流出入口から延びた薬液流出アセンブリと、該薬
液流出アセンブリに配置された薬液量を制御するための
流量制御部とからなる薬液注入器具において、前記バル
−ンがその中空内面が前記薬液に対して不活性な耐薬品
性樹脂からなる内層とその外層がバル−ンに薬液を充填
したときの収縮応力が内層より高い弾性ゴムからなり、
内層と外層との間に潤滑性物質が存在してなる薬液注入
器具である。また、本発明は前記薬液注入器具におい
て、内層と外層との間に存在する潤滑性物質が液体潤滑
油の膜または層からなり、その厚さが少なくとも0.01μ
m である薬液注入器具である。
【0005】
【作用】本発明は薬液をバル−ン内に充填して膨張した
バル−ンの収縮力を利用して、バル−ン内の薬液を患者
に注入するものであり、バル−ンから流出した薬液は薬
液流通チュ−ブに設置された薬液流出速度を制御する流
量制御部を経て該チュ−ブ下端部の接続部に連結された
穿刺針から患者に注入される。バル−ン内への薬液の流
入は、注射器のシリンジ内に充填された薬液をシリンジ
先端をバル−ン開口部に設置された薬液注入部に連通し
て流入する。多層構造したバル−ンは外層の膨張時の応
力が内層より大きいので内層は外層の膨張応力に従って
膨張する。そのとき、内層と外層との間に潤滑性物質が
存在しているので、両層間に部分的な空隙が発生しない
で膨張する。そして、薬液が充満されたバル−ンは、バ
ル−ン流出口での薬液の流出速度の変動がないので、流
量制御部入口での薬液流入圧の変動もなく、常時一定速
度で薬液を人体に注入することができる。
【0006】
【実施例】以下実施例で本発明の一例を説明する。図1
は本発明の薬液注入器具の一実施例の説明図であって、
バル−ンを薬液流出アセンブリに接続していない状態を
示す説明図、図2はバル−ンに薬液を充填したときの薬
液注入用バル−ン体の拡大断面図、図3は図1に示す薬
液流出アセンブリのコネクタ−とバル−ンのルア−テ−
パ−状アダプタ−の拡大断面図、図4は図3に示すコネ
クタ−をルア−テ−パ−状アダプタ−に挿入したときの
状態を示す説明図、図5はシリンジ内薬液をバル−ンに
注入する際の説明図であってシリンジと薬液注入用バル
−ン体が接続していない状態を示す説明図、図6は図5
に示すシリンジから薬液をバル−ン内へ充填していると
きの説明図である。
【0007】図1は本発明の薬液注入器具の一実施例の
説明図であって、薬液注入用バル−ン体aと薬液流出ア
センブリbとから構成されている。薬液注入用バル−ン
体aは薬液が収容される部分であるとともに、該薬液を
人体の注入箇所へ移動せしめる駆動部分であり、棒状内
軸1と、該内軸1に滑動自在に外装されてなる円筒状外
軸2と、これらの両軸の外部に設けられたバル−ン3
と、内軸1と一体に形成された内軸受け4とで構成され
ている。外軸2の一端であって、内軸1に外装される側
と反対側の端部には傘状部材5が固着されている。
【0008】バル−ン3は内軸1および外軸2を被覆す
るようにこれら両軸の外部に設けられており、その一端
は内軸1に、他端は外軸2にO−リングなどのシ−ル手
段6によって気密に密着固定されている。バル−ン3
は、球状または筒状の形状をしており、患者への薬液注
入量、注入時間などに応じて種々の大きさ、肉厚のもの
を用いることができ、本発明においては特に限定される
ものでない。バル−ン3は薬液を充填することによって
膨張し、長方形状のバル−ンでは半径方向とともに長手
方向にも膨張しうる構造になっている。
【0009】本発明で使用するバル−ン3はその中空内
面が薬液に対して不活性な耐薬品性樹脂からなる内層
と、その外層がバル−ンに薬液を充填したときの収縮応
力が内層より高い弾性ゴムからなり、内層と外層との間
に潤滑性物質が存在する多層構造からなっている。外層
材料である弾性ゴムとしてはシリコ−ンゴム、ブチルゴ
ム、アクリロニトリルブタジェンゴム、ブタジェンゴ
ム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジェ
ンゴム、ペルプレン、クレイトンゴムなどの弾性重合体
または天然ゴム、これらの重合体混合物、またはこれら
の物質の添加剤を除去したのち人体に無害の酸化防止剤
を添加した加工物質、またはラミネ−ト等が挙げられ
る。また、内層としては、外層で使用された弾性ゴムよ
り収縮応力の小さい弾性ゴムや熱可塑性樹脂が使用され
る。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミド等の
未延伸、1軸延伸または2軸延伸フイルムが挙げられ
る。
【0010】内層と外層との間には潤滑性物質が存在し
ており、バル−ン3が膨張または収縮するとき、内層と
外層間に部分的な空隙が形成されるのを防止している。
潤滑性物質としてはシリカ、二硫化モリブデン、タルク
等の固体潤滑剤、シリコ−ン、ポリグリコ−ル、炭化水
素、ポリフェニルエ−テル、グリ−ス等の液体潤滑油等
が挙げられる。液体潤滑油の場合、内層と外層との間に
は薄い膜または層が形成され、その膜または層の厚さは
少なくとも0.01μm が好ましい。膜または層の厚さが0.
01μm 未満であると、バル−ン3が膨張または収縮する
とき内層と外層間に部分的な空隙が形成される傾向があ
る。
【0011】バル−ン3を形成するには、一端が閉じた
管状体(内部バル−ン)を縦軸方向に折りたたみ、その
閉端付近を潤滑性物質が液体潤滑油の場合にはその外面
を塗布した後、一端が閉じた管状体(外部バル−ン)の
内部に挿入する。潤滑性物質が固体潤滑剤の場合には、
内層と外層の間に固体潤滑剤が全面にいきわたるように
注入する。また、潤滑性物質が液体潤滑油の場合には、
外部バル−ンの開口部を内部バル−ンの外面に固定する
前に、更に両層間に液体潤滑油を注入する。その後、内
部バル−ンの開口部から圧縮空気を流入してバル−ン3
を膨張させる。次いで、内部バル−ン内の空気を流出さ
せ、外部バル−ンの端部を適当な長さに切断して切断し
た外部バル−ンの端部を閉鎖することによってバル−ン
3が形成される。
【0012】外軸2はバル−ン3の動きに付随して内軸
1をガイドとして軸方向に移動し、その位置とバル−ン
3内に残っている薬液の量との関係は一定であるので内
軸1またはハウジング7に目盛りを設けることで薬液の
流出量を確認することができる。外軸2の一端であっ
て、内軸1に外装されている側と反対側の端部には、耐
水圧フイルタ−8が設けられている。この耐水圧フイル
タ−8は薬液注入時にバル−ン3内に残存している空気
を外部に追い出す役割をする部材であり、ポリエステ
ル、弗素樹脂またはこれらをラミネ−トしたものなどで
作製することができる。
【0013】内軸1の一端であって、外軸2が外装され
る側と反対側の端部には、内軸受け4が該内軸1と一体
に形成されている。該内軸受け4は短円筒状部材であ
り、その内軸1側端部には薬液流出入口が形成されてい
る。薬液流出入口は内軸受け4内部を介してハウジング
7の薬液通路と連通している。ハウジング7はバル−ン
3が外部の鋭利な物体に触れて破損するのを防止すると
ともに、バル−ン自体のピンホ−ルなどの欠陥によって
バル−ン3から液洩れが発生した場合に外部に薬液が飛
散しないように薬液を密封する機能を果たす部分であ
る。ハウジング7の適宜の箇所には空気抜きの開口部10
が形成されており、該開口部10に空気は通過させるが薬
液は通過させない疎水性フイルタ−11を設けるのが好ま
しい。
【0014】ハウジング7の一端面はキャップ12により
閉じられており、該キャップ12の中央部分には薬液をバ
ル−ン3内に注入したり、該バル−ン3より薬液を所定
箇所に注入する際に薬液の流路となる薬液通路13が形成
されている。薬液通路13には、第2図〜第4図に示され
るようにバル−ン3側からダックビルタイプの逆止弁1
4、固定デイスク15およびシ−ル手段16が設けられてい
る。ダックビルタイプの逆止弁14は弁の閉鎖端がカモノ
ハシの嘴のような尖った形状をしており、バル−ン3内
部への薬液の流通は許すが、その逆方向の流れは阻止す
る構造となっている。逆止弁14としては、前記ダックビ
ルタイプの弁のほかにも傘弁、フラップ弁、ポペット
弁、ボ−ル弁などを用いることができ、これらの弁材料
としては弗素樹脂、ナイロン、ポリオレフイン、ポリ塩
化ビニル、ポリカ−ボネ−ト、シリコ−ン樹脂などが挙
げられる。固定デイスク15は逆止弁14の基板を支持する
ものであり、中央部には薬液の流出流入のための開口部
17が形成されている。
【0015】接続具であるロックアダプタ−19と固定デ
イスク15により形成された環状凹所18内には、シ−ル手
段16たるO−リングが配設されている。このO−リング
の内径は連通パイプの外径と同一もしくはそれより小さ
く、これによって連通パイプを薬液通路13内に挿入した
ときのシ−ル性が高められるようになっている。ロック
アダプタ−19は内面がルア−テ−パ−状に形成されたほ
ぼ円筒状の接続具である。このロックアダプタ−19はキ
ャップ12に形成された凹所20内に嵌め込まれている。ロ
ックアダプタ−19の端部外周には薬液流出アセンブリb
を接続するためのネジ部21が形成されている。
【0016】薬液流出アセンブリbはロックアダプタ−
19に接続される接続具であるコネクタ−部30と、薬液量
を制御するための流量制御部31と、薬液流通チュ−ブ32
と、接続具33とで構成されている。コネクタ−部30の一
端にはロックアダプタ−19に接続されたときに、逆止弁
14を押し開いてバル−ン3内部に連通しうる長さを有す
る連通パイプ34が設けられている。この連通パイプ34は
ポリカ−ボネ−ト、ポリ塩化ビニル、ポリオレフインな
どの合成樹脂やステンレスなどの金属で作製することが
できる。連通パイプ34はコネクタ−部30の内周面に固着
されている。連通パイプ34の突出長さLは、図4に示さ
れるようにコネクタ−部30とロックアダプタ−19が接続
されたときにダックビルタイプの逆止弁14を押し広げう
る長さに設定されている。これにより逆止弁14の逆止効
果が強制的に解除されて、注入針を用いなくともバル−
ン3 内に充填された薬液の流出が可能になる。コネクタ
−部側のネジ部35はロクアダプタ−19に形成されたネジ
部21との螺合により薬液注入用バル−ン体aと薬液流出
アセンブリbとの接続が行われる。この接続は螺合以外
に嵌合で行うようにしてもよい。
【0017】流量制御部31は薬液の流量を制御する部分
であり、本出願人が既に出願した特開平1-135356号や特
開平2-11160号で提案した下流側先端の閉塞されたパ
イプであって少なくとも1個の微細孔を有するパイプ、
多孔質ガラスパイプなどの有孔パイプ、内径が小径
のステンレスパイプなどを用いることができる。流量制
御部31は薬液流通チュ−ブ32の先端より前のコネクタ−
部30の中、あるいは薬液流通チュ−ブ32の先端より後で
接続具33とコネクタ−30との間に設けられる。薬液流通
チュ−ブ32は軟質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポ
リエステルなどからなり、その他端にはルア−テ−パ−
状の接続具33が設けられ、接続具を介して静脈針やPS
Vセットなどが接続される。接続具33には静脈圧などに
より薬液が逆流するのを防止するための逆止弁(図示せ
ず)を装備してもよい。
【0018】次に、本発明の薬液注入器具の使用方法の
一例について説明する。薬液のバル−ンへの注入は、図
5および図6に示すように薬液通路内に注射器のシリン
ジを挿入し、このシリンジをロックアダプタ−19のルア
−テ−パ−状の内周面に押しつけるようにして行われ
る。このときシリンジ22の針基先端は逆止弁14の入口側
にある。挿入部は注入口が広くなった分だけ、従来の注
射針による場合に比較して充填圧が小さくなり、注入が
容易になるとともに短時間で注入操作を終了させること
ができる。
【0019】薬液を充填するにつれて、バル−ン3は膨
張する。この際、バル−ン3内に残存している内部空気
は耐水圧フイルタ−8を通って外部に追い出される。ま
た、バル−ン3の拡張とともに内軸1に外装されている
外軸2は長手方向にスライドし、ハウジング7面に沿っ
て進んでいく。所定量の薬液充填が終わると注射器をロ
ックアダプタ−19から抜き取る。薬液充填完了時には、
傘状部材5とハウジング7の端部内面とが合致し、バル
−ン3膨張時の曲がりと振動によるバル−ンの破裂が防
止される。次に図4に示されるように薬液流出アセンブ
リbのコネクタ−部30とロックアダプタ−19内とを接続
する。この際、コネクタ−部30の連通パイプ34は逆止弁
14を押し広げて、バル−ン3内部と連通パイプ34とが連
通状態になる。その後は接続具33を介してPSVセット
などに接続し空気抜きなどの所定の操作を行った後に患
者の体内に薬液の注入が行われる。本発明の実施例では
薬液注入用バル−ン体aと薬液流出アセンブリbの接続
を図3〜図6で説明したが、他に本出願人が既に出願し
た特開平1-135360号公報に図示されている穿刺針と栓
体、あるいは予め薬液注入用バル−ン体aと薬液流出ア
センブリbとを接続しておいて三方活栓で薬液の流入流
出を行う方法、あるいは特開平2-11160号公報に図示さ
れたY字管で薬液の流入流出を行う方法も本発明に含ま
れるものである。また、本発明のバル−ン材料は特公平
3-55142号公報、特表平1-501451号公報、特開平2-111
60号公報、特開平3-170163号公報等に記載された薬液注
入器具にも使用されることができる。
【0020】
【実施例1】以下実施例で本発明の一例を説明する。一
端が閉鎖したポリエチレン製管状体(内径 4.3mm、外径
4.6mm、長さ41mm)を縦軸方向に折り畳んだ後、閉鎖端
付近の外面をシリコ−ンオイルに浸漬させてシリコ−ン
オイルの膜を形成させた。一方、一端が閉鎖した加硫さ
れた天然ゴム製管状体(小峰ゴム社製)をアセトン・ヘ
キサン混合溶剤(混合容積比1:2)でソックスレ−抽
出を3時間行い、天然ゴム製管状体中の添加剤を抽出除
去した。次いで該管状体を1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン(以下BHTという)のア
セトン・ヘキサン混合溶剤(混合容積比1:2)の溶液
(濃度0.01g/ml)中に25℃の温度で24時間浸漬し、該管
状体中に酸化防止剤であるBHTを含浸させた。その後
管状体をエタノ−ルで洗浄し25℃の温度で12時間乾燥さ
せて処理済天然ゴム製管状体(内径 5.0mm、外径 7.0m
m、長さ78mm)を製造した。
【0021】閉鎖端付近の外面がシリコ−ンオイルで塗
布されたポリエチレン製管状体を処理済天然ゴム製管状
体の内部に挿入してその隙間に更にシリコ−ンオイルを
注入し両管状体の開口部を固定させた後、ポリエチレン
製管状体内部に圧縮空気を注入することによって両管状
体を膨張させた。処理済天然ゴム製管状体の長さをポリ
エチレン製管状体に合うように切断した後天然ゴム製管
状体の切断部を閉鎖した。次いで、両管状体内部の空気
を放出してバル−ン部を製造した。両管状体の隙間に存
在するシリコ−ンオイル層は全面にいきわたっており、
その平均厚さは0.09μm であった。このようにして製造
したバル−ンを用いて薬液注入用バル−ン体aを成形
し、図5および図6に示すようにして60mlの水を注射器
のシリンジからバル−ン内部に注入した。ポリエチレン
製管状体と天然ゴム製管状体の間には空隙箇所はなく、
天然ゴム製管状体の内面がポリエチレン製管状体の外面
に密着してバル−ンは膨張した。次いで、図4に示す薬
液流出アセンブリbのコネクタ−部30とロックアダプタ
−19とを接続することによってバル−ン内の水は薬液流
通チュ−ブ側へ流出した。流量制御部は捲縮構造をした
極細のポリ塩化ビニル製パイプ(外径1.00mm、内径 0.1
0mm 、長さ250mm)をケ−スに収納したものを使用した。
バル−ン3の薬液流出側を下方にして該管状体内の水を
接続具に取りつけた静脈針からヘッド差約50mmにして滴
下した。バル−ン内の水は平均流出速度2.5ml/時でほぼ
均一に流出し約23時間で流出は完了した。水の流出速度
の標準偏差は0.05ml/ 時であった。
【0022】
【比較例1】実施例1と同じ一端が閉鎖したポリエチレ
ン製管状体(内径 4.3mm、外径 4.6mm、長さ41mm)を縦
軸方向に折り畳んだ後、それを同じく実施例1で処理し
た天然ゴム製管状体(内径 5.0mm、外径 7.0mm、長さ78
mm)の内部に挿入し、両管状体の開口部を固定させた。
ポリエチレン製管状体内部に圧縮空気を注入することに
よって両管状体を膨張させ、処理済天然ゴム製管状体の
長さをポリエチレン製管状体に合うように切断した後天
然ゴム製管状体の切断部を閉鎖した。次いで、両管状体
内部の空気を放出してバル−ンを製造した。このように
して製造したバル−ンを用いて薬液注入用バル−ン体a
を成形し、実施例1と同様に図5および図6に示すよう
にして60mlの水を注射器のシリンジからバル−ン内部に
注入した。ポリエチレン製管状体と天然ゴム製管状体の
間には、無数の小さな空隙と大きな空隙が2個存在して
バル−ンは膨張した。次いで、実施例1と同じ薬液流出
アセンブリbを使用して同じ条件でバル−ン内の水を薬
液流通チュ−ブ側へ流出させたところ、バル−ン内の水
は平均流出速度2.3ml/時で約24時間で流出は完了した。
水の流出速度の標準偏差は0.42 ml/時あり、実施例1と
比較すると流出速度の変動が大きい。
【0023】
【発明の効果】外層の膨張時の応力が内層より大きい多
層構造したバル−ンは、内層と外層との間に潤滑性物質
が存在しているので、両層間に部分的な空隙や応力の集
中が発生したりしないでバル−ンは膨張する。そして、
薬液が充満されたバル−ンは、バル−ン流出口での薬液
の流出速度の変動がないので、流量制御部入口での薬液
流入圧の変動もなく、常時一定速度で薬液を人体に注入
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバル−ンインフュ−ザ−の一実施例の
説明図であって、薬液注入用バル−ン体を薬液流出アセ
ンブリに接続していない状態を示す説明図。
【図2】バル−ンに薬液を充填したときのバル−ン部の
拡大断面図。
【図3】図1に示す薬液流出アセンブリのコネクタ−と
薬液注入用バル−ン体のルア−テ−パ−状アダプタ−の
拡大断面図。
【図4】図3に示すコネクタ−をルア−テ−パ−状アダ
プタ−に挿入したときの状態を示す説明図。
【図5】シリンジ内薬液をバル−ンに注入する際の説明
図であってシリンジとバル−ン体が接続していない状態
を示す説明図。
【図6】図5に示すシリンジから薬液をバル−ン内へ充
填しているときの説明図。
【符号の説明】
a 薬液注入用バル−ン体 b 薬液流出アセンブリ 1 内軸 2 外軸 3 バル−ン 7 ハウジング 14 逆止弁 19 ロックアダプタ− 30 コネクタ−部 31 流量制御部 32 チュ−ブ 34 連通パイプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部か
    ら薬液を注入および流出するバル−ンと、該バル−ンを
    収納しその開口と連通した薬液流出入口を開口部付近に
    有するハウジングと、前記薬液流出入口から延びた薬液
    流出アセンブリと、該薬液流出アセンブリに配置された
    薬液量を制御するための流量制御部とからなる薬液注入
    器具において、前記バル−ンがその中空内面が前記薬液
    に対して不活性な耐薬品性樹脂からなる内層とその外層
    がバル−ンに薬液を充填したときの収縮応力が内層より
    高い弾性ゴムからなり、内層と外層との間に潤滑性物質
    が存在してなる薬液注入器具。
  2. 【請求項2】 内層と外層との間に存在する潤滑性物質
    が液体潤滑油の膜または層からなり、該膜または層の厚
    さが少なくとも0.01μm である請求項1記載の薬液注入
    器具。
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