JPH0775674A - 薬液注入器具 - Google Patents

薬液注入器具

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JPH0775674A
JPH0775674A JP5172379A JP17237993A JPH0775674A JP H0775674 A JPH0775674 A JP H0775674A JP 5172379 A JP5172379 A JP 5172379A JP 17237993 A JP17237993 A JP 17237993A JP H0775674 A JPH0775674 A JP H0775674A
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幸子 花田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハウジング内のバル−ンの操作機構を簡略化
するとともに、バル−ン内の薬液を殆ど最後まで一定流
出速度で患者に注入することができる。 【構成】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部から薬
液を流入および流出させるバル−ンと、該バル−ンと、
バル−ンの外側で薬液を充填したバル−ンの圧力より高
い圧力でバル−ンを圧縮するバネとを収容したハウジン
グと、前記バル−ンの開口部と連結した薬液流入部およ
び薬液流出部と、前記薬液流出部から延びた薬液流通チ
ュ−ブと、該薬液流通チュ−ブに配置された薬液量を制
御するための流量制御部とからなる薬液注入器具であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定量の薬液を体内に注
入するための薬液注入器具に関し、更に詳しくは、バル
−ン内に加圧状態で貯蔵された薬液を、一定速度で患者
に注入することができる薬液注入器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗生物質、抗ガン剤、麻酔剤
等の薬液を血管、膀胱等に少しずつ注入する手段とし
て、弾性材料からなるバル−ンに薬液を収納し、バル−
ンの収縮力を利用して薬液を人体に持続注入する器具
(特開平4-67873号公報)が知られている。該公報に記
載された薬液注入器具を図5および図6に示す。図5は
該薬液注入器具の全体説明図であって、穿刺針がハウジ
ングの栓体に穿刺していない状態を示しており、図6は
図5に示すハウジングのバル−ンに薬液を充填した時の
状態を示す拡大断面図である。図5および図6の薬液注
入器具は、バル−ン42を収納するハウジング43からなる
バル−ン部eと、薬液の流量を調節するための流量制御
部44を有する薬液流通チュ−ブ部fとからなっている。
バル−ン42は図6に示す棒状内軸45と、該内軸45に滑動
自在に外装されてなる円筒状外軸46と、前記内軸45の一
端であって外軸46が外装される側と反対側の端部に内軸
と一体に形成された内軸受け47と、前記内軸45および外
軸46を被覆するようにこれら両軸の外部に設けられ、そ
の一端が内軸45に密着固定され、他端が外軸46に密着固
定された弾性材料製バル−ン42とからなっている。また
ハウジング43の一端には薬液流出入部であるアダプタ−
48が形成され、内軸45の内部を介して薬液通路51と連通
している。薬液通路51の端部には栓体49が設置され、バ
ル−ン42内部への薬液流入時には注射針50で薬液を注入
し、バル−ン42からの薬液流出時には図5の注射針50が
栓体49を穿刺することによって、薬液は薬液流通チュ−
ブ部f端部の接続具52に設けられた穿刺針(図示せず)
から人体に注入される構造をしている。
【0003】
【発明が解決しょうとする課題】かかる薬液注入器具
は、バル−ンが大きな変形をしないで一定圧力で薬液を
流出させるために、バル−ン内部に内軸と外軸を設けバ
ル−ンが長軸方向の中心軸に沿って変形するようにし、
更にバル−ン内部の端部に内軸受けを設けることによっ
てバル−ンがハウジングの内壁に沿って変形する構造を
している。しかしながら、かかる薬液注入器具はバル−
ン内部にかかる機構を設けているために薬液注入器具の
小型化が自ずから限定され、患者が携行しながら薬液を
注入する際に問題があった。また、この薬液注入器具は
バル−ンの内圧だけで薬液を流出させるので、バル−ン
内の薬液が少なくなると、バル−ン内圧が低下したとき
薬液の流出速度が低下する問題があった。本発明者等は
かかる問題を解決するために鋭意研究した結果、従来薬
液を充填したバル−ンの収縮力だけで薬液を人体に注入
していたのを、更にバネの圧力をも加えることによっ
て、簡単な機構で薬液を人体に注入できることを見出し
本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は加圧
状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部から薬液を流入および
流出させるバル−ンと、該バル−ンと、バル−ンの外側
で薬液を充填したバル−ンの圧力より高い圧力でバル−
ンを圧縮するバネとを収容したハウジングと、前記バル
−ンの開口部と連結した薬液流入部および薬液流出部
と、前記薬液流出部から延びた薬液流通チュ−ブと、該
薬液流通チュ−ブに配置された薬液量を制御するための
流量制御部とからなる薬液注入器具である。また、本発
明は前記薬液注入器具において、バル−ン材料が弾性ゴ
ムまたは熱可塑性樹脂からなる薬液注入器具である。更
に、本発明は前記薬液注入器具において、流量制御部の
薬液上流側に定量弁が設けられてなる薬液注入器具であ
る。更にまた、本発明は前記薬液注入器具において、定
量弁が内径が変形可能な弁孔を有するゴム状弾性体から
なるオリフイス体と、該弁孔の内径を調整するための調
整手段とからなる薬液注入器具である。また、本発明は
前記薬液注入器具において、流量制御部が内径10〜5
00μの微細内径のパイプからなる薬液注入器具であ
る。
【0005】
【作用】本発明は薬液をバル−ン内に充填して膨張した
バル−ンの外側から、該バル−ンの収縮力より大きいバ
ネの圧縮力でバル−ンを圧縮することによって、バル−
ン内の薬液は薬液流通チュ−ブを経て患者に注入され
る。また、薬液流通チュ−ブに設置された流量制御部に
よって、バル−ン内の薬液は一定の注入速度に制御され
て患者に注入される。
【0006】
【実施例】以下実施例で本発明の薬液注入器具の一例を
説明する。図1は本発明の薬液注入器具の一実施例の説
明図、図2は図1のバル−ンに薬液を充填したときのバ
ル−ン部の拡大断面図、図3は本発明の薬液注入器具の
他の実施例であって、バル−ンに薬液を充填したときの
バル−ン部の拡大断面図、図4は流量制御部の薬液上流
側チュ−ブに定量弁を配設した流量制御部付近の説明
図、図5は特開平4-67873号公報に記載されている薬液
注入器具の全体説明図、図6は図5に示すハウジングの
バル−ンに薬液を充填した時の状態を示す拡大断面図で
ある。
【0007】図中、aはバル−ン部、bは薬液流通チュ
−ブ部、1および58はバル−ン、2はハウジング、3は
薬液流出部、4は薬液流入部、5は流量制御部、6はコ
ネクタ−部、7は薬液流出チュ−ブ、8は接続具、9お
よび59はバネ、10は定量弁、12および60は押圧部材、13
はクランプ、14および61は薬液流出入口、15は分岐部、
37はフイルタ−、30はオリフイス体、31は弁孔、32は筒
状体、33は栓体、34は雌型螺子部、35は雄型螺子部、36
はキャップ体を示す。
【0008】図1において、薬液注入器具はバル−ン部
aと薬液流通チュ−ブbとから構成されている。バル−
ン部aは図2に示すようにハウジング2の内部に薬液が
収容されたバル−ン1と該バル−ンの収縮力より大きい
圧縮力を有するバネ9とからなり、薬液を人体の注入箇
所へ移動せしめる駆動部分である。バル−ン1は開口部
がハウジング2の薬液流出入口14と液密に固着され、一
端が閉じられた円筒状、扁平状または球状の形状をして
おり、コネクタ−部6と連結した分岐器15の薬液流入部
4から薬液を充填することによって膨張する。円筒状の
バル−ンでは半径方向とともに長手方向にも膨張しうる
構造になっている。バル−ン1は、患者への薬液注入
量、注入時間などに応じて種々の大きさ、肉厚のものを
用いることができ、本発明においては特に限定されるも
のでない。
【0009】バル−ン1の材料としては弾性ゴムまたは
熱可塑性樹脂が挙げられる。弾性ゴムとしてはシリコ−
ンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジェンゴ
ム、ブタジェンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、
スチレンブタジェンゴム、ペルプレン、クレイトンゴム
などの弾性重合体または天然ゴム、これらの重合体混合
物、またはこれらの物質の添加剤を除去したのち人体に
無害の酸化防止剤を添加した加工物質、またはラミネ−
ト等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエス
テル、ポリアミド等の未延伸、1軸延伸または2軸延伸
フイルムが挙げられる。
【0010】バル−ン1の開口部はハウジング2のキャ
ップ21の壁部に固着形成された薬液流出入口14とO−リ
ング16によって液密に固着され、コネクタ−部6は薬液
流出入口14のハウジング2の外壁部に形成された雄型コ
ネクタ−17と分岐部15の基端に形成された雌型コネクタ
−18とからなり、両コネクタ−を螺合することによって
薬液流通チュ−ブbと連通するようになっている。バネ
部9は薬液流出入口14の反対側のハウジング2の室に収
納され、押圧部材12によってバル−ン1と分離されてい
る。押圧部材12はバネ9の圧縮力によって薬液流出入口
14方向に移動して薬液が充填されたバル−ン1を圧迫す
る。その結果、バル−ン1内の薬液はほぼ完全に分岐部
15の薬液流出部3から薬液流通チュ−ブbを経て人体に
注入される。
【0011】バネ9としては、コイルバネ、定荷重バネ
等が使用される。図1においては引張または押す力が一
定である定荷重バネが使用されている。定荷重バネはバ
ネ本体を巻回するドラムからでたバネの先端が、例えば
ハウジング2の開口付近の壁内に設けたボルト27で係止
される。ドラムからでたバネはハウジング2の壁内に設
けられた縦走溝28を通ってボルト27で固定され、バネを
一定の引張力でドラムに巻回することによって、押圧部
材12がハウジング2の内壁に沿って薬液流出入口14の方
向へバル−ン1を圧縮しながら移動する。定荷重バネと
しては、例えば引張り用のコンストン(商標名、三光発
条株式会社製)などがある。ハウジング2の一端面に形
成されたキャップ21はハウジング2の端部と螺合によっ
て連結されている。
【0012】図1において、薬液流通チュ−ブ部bは薬
液流出入口14と接続するコネクタ−部6と、該コネクタ
−6に連結した分岐部15と、薬液量を制御するための流
量制御部5と、薬液流出チュ−ブ7と、該薬液流出チュ
−ブ7内部の開閉を手動で調節するクランプ13および接
続具8とで構成されている。分岐部15は、図2に示すよ
うにY字管で構成されており、その一端はハウジング2
の薬液流出口14に形成された雄型コネクタ−17と螺合す
る雌型コネクタ−18からなっている。分岐部15は薬液流
出部3と薬液流入部4とからなる。薬液流入部4は内腔
にゴム状弾性体からなる薬液注入用栓体22が設けられて
なり、薬液を収納した注射器の穿刺針で刺通して薬液を
バル−ン1内に流入させる。薬液注入用栓体22の薬液流
入側端面は、薬液流入後に栓体22の表面に付着した薬液
が手などに触れるのを防止するために凹状に形成される
のが好ましい。薬液注入用栓体22としては、シリコンゴ
ム、ブチルゴム等の合成ゴム、天然ゴム等が挙げられ、
穿刺針の耐刺通性の優れたものがよい。薬液流出部3は
薬液流出チュ−ブ7と連結しており、バル−ン1から流
出した薬液を流量制御部5を経て人体に注入する。図2
では、分岐部15はY字管で説明したが、V字管でもよ
い。
【0013】流量制御部5は薬液の流量を制御する箇所
であり、例えば図4に示すような内径10〜 500μの微細
内径のパイプを設置すると、バル−ン1内の薬液の流出
速度が遅くなり、人体への薬液注入時間を長くすること
ができる。パイプの長さは1cm以上で外径は内径の5〜
500倍の大きさである。パイプの長さが30mmを越える
と、図4に示すような捲縮構造をした微細内径パイプ25
を収納したケ−ス26を使用すると薬液流出チュ−ブ7の
長さが短くなって好ましい。流量制御部5としては、本
出願人が既に出願した特開平2-11160 号公報あるいは特
開平3-140163号公報に記載された金属製パイプ、合成樹
脂製パイプ、ガラス製パイプなども用いられることがで
きる。流量制御部5は薬液流出チュ−ブ7の任意の位置
に設置されうるが、接続具8から離れた位置に設置され
るのが操作上好ましい。流量制御部5からその下流に位
置する接続具8までの薬液下流側チュ−ブdは、その内
径が流量制御部5からその上流に位置する薬液流出部3
方向へ延びた薬液上流側チュ−ブcの内径に比較して小
さい。薬液下流側チュ−ブdの内径は薬液上流側チュ−
ブcの内径に対して15%〜85%、好ましくは30%〜70%
である。薬液上流側チュ−ブcと薬液下流側チュ−ブd
の内径の比率は、薬液下流側チュ−ブdの長さによって
も異なる。
【0014】分岐部15と流量制御部5との間には、バル
−ン1内の薬液に含有されている微小物質を除去するた
めのフイルタ−が設けられていてもよい。フイルタ−は
流量制御部5の先端部に設置されるのが好ましく、繊維
状物、焼結物等が使用される。クランプ13は薬液流出チ
ュ−ブ7の内腔を流れる薬液を随時停止させたり、流通
させる作用をする。クランプ13は薬液流出チュ−ブ7の
任意の位置に設置することができるが、分岐部15と流量
制御部5間の薬液流出チュ−ブ7の位置に設けるのが好
ましい。薬液流出チュ−ブ7としては、軟質ポリ塩化ビ
ニル、ポリプロピレン、ポリエステルなどが挙げられ、
その他端にはルア−テ−パ−状の接続具8が設けられ、
接続具8を介して静脈針やPSVセットなどが接続され
る。接続具8には静脈圧などにより薬液が逆流するのを
防止するための逆止弁(表示せず)を装備してもよい。
【0015】図1の薬液注入器具の使用方法は、バル−
ン1の薬液流出入口14と薬液流通チュ−ブ部bの基端を
コネクタ−6で連結した後、薬液流通チュ−ブ部bの分
岐部15の薬液流入部4から注射針でバル−ン1内に薬液
を流入させ、次いでクランプ13で薬液流出チュ−ブ7を
閉止させ、薬液が人体側に流出するのを防止する。次い
でバネ9の一端を係止部27で固定し、バネ9のドラムの
ロッドを外すと、バネ9が作動し押圧部材12が前方へ移
動し薬液が充填されたバル−ン1を押圧する。それと同
時に、閉止していたクランプ13を開放することによって
バル−ン1内の薬液は分岐部15の薬液流出部3、流量制
御部5および接続具8を経て人体に注入される。
【0016】図3は本発明薬液注入器具の他の実施例で
バル−ンに薬液を充填したときのバル−ン部の拡大断面
図である。ハウジング2は上蓋部55と下蓋部56とからな
り、薬液を人体に注入するときには、上蓋部55と下蓋部
56とはそれぞれの開口に設けられた雄ネジと雌ネジとで
螺合して閉じられた状態になっている。上蓋部55にはコ
イルバネ59とバル−ン58を押圧するための押圧部材60と
が収容されている。該バネ59の基端は上蓋部55の内壁の
係止部62で固定され、バネ59の他端は押圧部材60の内壁
の係止部63で固定されている。下蓋部56には扁平形状の
バル−ン58が収容され、その開口部である薬液流出入口
61には薬液流通チュ−ブ部bの基端のチュ−ブが接着剤
等で直接接着された構造をしている。バル−ン58と薬液
流通チュ−ブ部bとが一体になっているので、下蓋部56
の側壁には薬液流通チュ−ブ部bを挿入するための挿入
孔57が設置されている。図3の薬液注入器具の使用方法
は、薬液流通チュ−ブ部bの分岐部15の薬液流入部4か
ら注射針でバル−ン58内に薬液を流入させた後、クラン
プ13で薬液流出チュ−ブ7を閉止させ、薬液が人体側に
流出するのを防止する。次いで上蓋部55と下蓋部56とを
螺合することによって、上蓋部55と下蓋部56とが閉じら
れ、コイルバネ59が押圧部材60を介して薬液が充填され
たバル−ン58を押圧する。引続き、クランプ13を開放す
ることによって薬液流出チュ−ブ7内に薬液が流出し、
流量制御部5および接続具8を経て人体に薬液が注入さ
れる。
【0017】図4は流量制御部5の薬液上流側に定量弁
10を設けた流量制御部5付近の説明図である。流量制御
部5の薬液上流側入口に定量弁10を設けることによっ
て、流量制御部5に流入する薬液量をほぼ一定にするこ
とができるので、更に正確に流量を制御することができ
る。図4の定量弁10は一例であるが、変形可能なゴム状
弾性体からなるオリフイス体30を固着する筒状体32の薬
液上流側に栓体33、薬液下流側にキャップ体36が装着さ
れており、オリフイス体30の弁孔31の前後で、その同軸
方向に薬液チュ−ブ38、39、薬液通路40、41が配設され
た構造をしている。オリフイス体30は薬液上流側から薬
液下流側に通じる弁孔31を有し、該弁孔31は弁孔入口か
ら入った途中で内径が最小になり、該最小位置から薬液
下流側に行くに従って次第に内径が大きくなった形状を
している。弁孔31の内径は所望する薬液流出速度によっ
て随意変更できる。オリフイス体30は筒状体32の内壁に
固着される。筒状体32の薬液流入側の内壁には雌型螺子
部34が形成され、栓体33の雄型螺子部35と螺合し、栓体
33を回転させることによってオリフイス体30を押圧し、
弁孔31の内径を調整する。弁孔31と薬液上流側チュ−ブ
cとの間には、バル−ン1内の薬液に含有されている微
小物質を除去するためのフイルタ−37が設けられていて
もよい。フイルタ−37は薬液上流側チュ−ブcの先端部
に設置されるのが好ましい。
【0018】栓体33はオリフイス体30の弁孔31の入口と
連通するための薬液上流側通路40と、該薬液上流側通路
40と連結した薬液上流側チュ−ブcが装着されており、
栓体33の先端部はオリフイス体30と接し、薬液上流側通
路40の出口とオリフイス体30の弁孔31の入口とは同軸方
向に連通している。栓体33の先端側面部には筒状体32の
雌型螺子部34と螺合する雄型螺子部35が形成されてお
り、栓体33を回転させることによって雄型螺子部35が雌
型螺子部34を移動してオリフイス体30の弁孔31の内径の
大きさを調整し薬液の流出速度を調節する。キャップ体
36はオリフイス体30の弁孔31の出口と連通するための薬
液下流側通路41と、該薬液下流側通路41と連結した薬液
下流側チュ−ブdが配設されている。キャップ体36の一
端はオリフイス体30と接し、筒状体32の内腔に嵌着さ
れ、薬液下流側通路41の入口とオリフイス体30の弁孔31
の出口とは同軸方向に連通している。
【0019】図4の定量弁10において、オリフイス体30
のほぼ中央部には弁孔31が形成され、栓体33を回転させ
ることによって栓体33の先端はゴム状弾性体からなるオ
リフイス体30の環状足部を押圧し、弁孔31の内径が僅か
に変化して薬液流出速度が設定される。弁孔31は弁孔入
口から入った途中で内径が最小になり、該最小位置から
薬液下流側に行くに従って次第に内径が大きくなった形
状をしている。かかる状態で薬液上流側チュ−ブcから
薬液上流側通路40を経て供給された薬液は、オリフイス
体31の入口に形成された凹状空間部を経て弁孔31の入口
に達し、その入口に与える圧力によって弁孔31の内径の
最小位置が微妙に変化する。その結果、常時弁孔31の出
口から流出する薬液の圧力はほぼ一定に保たれる。
【0020】オリフイス体30は変形可能なゴム状弾性体
からなる。ゴム状弾性体の材料としてはスチレン・ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタ
ジエンゴム、ブタジエンゴム、オレフイン系ゴム、フッ
ソ系ゴム、シリコ−ンゴム、ウレタンゴム、クレイトン
ゴム、ペルプレンなどの合成ゴム、天然ゴムなどが挙げ
られる。弾性体の硬度はJIS-A 型によるスプリング式硬
さ試験機で測定した硬度が25〜70度、好ましくは35〜60
度である。硬度が25度未満であると、オリフイス体30が
薬液の圧力によって簡単に変形しすぎる傾向があり、弁
孔31の内径の調整が困難であり、硬度が70度を越えると
僅かの薬液流出圧力の変化に対してオリフイス体30が反
応せず、弁孔31の内径が変化しない傾向がある。弁孔31
の内径は所望する薬液流出速度によって任意に変更可能
であるが、通常は 100〜1000μが好ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明薬液注入器具は薬液をバル−ン内
に充填して膨張したバル−ンの外側から、該バル−ンの
収縮力より大きいバネ圧でバル−ンを圧縮することによ
ってバル−ン内の薬液を患者に注入する機構であるの
で、ハウジング内のバル−ンの操作機構を従来の薬液注
入器具より簡略化するとともに、バル−ン内の薬液を殆
ど最後まで一定流出速度で患者に注入することができ
る。また、流量制御部の薬液上流側入口に定量弁を設置
することによって流量制御部に流入する薬液量をほぼ一
定にすることができ、更に正確に薬液量を制御すること
ができ、患者へ薬液を長時間一定速度で注入することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液注入器具の一実施例の説明図。
【図2】図1のバル−ンに薬液を充填したときのバル−
ン部の拡大断面図。
【図3】本発明の薬液注入器具の他の実施例であって、
バル−ンに薬液を充填したときのバル−ン部の拡大断面
図。
【図4】流量制御部の薬液上流側チュ−ブに定量弁を配
設した流量制御部付近の説明図。
【図5】特開平4-67873号公報に記載されている薬液注
入器具の全体説明図。
【図6】図5に示すハウジングのバル−ンに薬液を充填
した時の状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
a バル−ン部 b 薬液流通チュ−ブ部 1、58 バル−ン 2 ハウジング 5 流量制御部 7 薬液流出チュ−ブ 8 接続具 9、59 バネ 10 定量弁 12、60 押圧部材 13 クランプ 14、61 薬液流出入口 15 分岐部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧状態で薬液を貯蔵し、かつ開口部か
    ら薬液を流入および流出させるバル−ンと、該バル−ン
    と、バル−ンの外側で薬液を充填したバル−ンの圧力よ
    り高い圧力でバル−ンを圧縮するバネとを収容したハウ
    ジングと、前記バル−ンの開口部と連結した薬液流入部
    および薬液流出部と、前記薬液流出部から延びた薬液流
    通チュ−ブと、該薬液流通チュ−ブに配置された薬液量
    を制御するための流量制御部とからなる薬液注入器具。
  2. 【請求項2】 バル−ン材料が弾性ゴムまたは熱可塑性
    樹脂からなる請求項1記載の薬液注入器具。
  3. 【請求項3】 流量制御部の薬液上流側に定量弁が設け
    られてなる請求項1または2記載の薬液注入器具。
  4. 【請求項4】 定量弁が内径が変形可能な弁孔を有する
    ゴム状弾性体からなるオリフイス体と、該弁孔の内径を
    調整するための調整手段とからなる請求項3記載の薬液
    注入器具。
  5. 【請求項5】 流量制御部が内径10〜500μの微細
    内径のパイプからなる請求項1〜4のいずれかに記載の
    薬液注入器具。
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