JPH07116177B2 - 3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフエン−1,1−ジオキサイドの製造方法 - Google Patents

3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフエン−1,1−ジオキサイドの製造方法

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JPH07116177B2
JPH07116177B2 JP30169286A JP30169286A JPH07116177B2 JP H07116177 B2 JPH07116177 B2 JP H07116177B2 JP 30169286 A JP30169286 A JP 30169286A JP 30169286 A JP30169286 A JP 30169286A JP H07116177 B2 JPH07116177 B2 JP H07116177B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフ
ェン−1,1−ジオキサイドの新規な製造方法に関するも
のである。
(従来の技術) 3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−
ジオキサイドは、次の構造式 を有する化合物で、生物学的に活性を有し、殺菌剤、殺
虫剤、除草剤、種子消毒剤、工業用水、冷却水などの殺
藻剤などとして、有用な化合物である。本化合物の製造
方法としては、2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキ
サイド(一般名スルフォレン)を出発物質として、四塩
化炭素のごとき不活性溶媒中で、塩素付加して、3,4−
ジクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド
を得、引き続いて、光線の存在下に、光塩素化して、目
的の3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−
1,1−ジオキサイドを得る方法が知られている。〔米国
特許2,957,887号、Khim.Seraorg.Soedin.,Soderzh.Neft
yas,9巻,218-224,1972年,(CA:79(19)115056w),J.O
rg.Chem.,26巻,346-351(1961年)など〕 しかし、この第二段目の光塩素化反応には、50〜60時間
という長時間を要し、反応率も不十分であった。この点
を改善するため、米国特許3,693,751号、及び日特開昭5
2-10263号では、第二段の反応を光塩素化に代えて、有
機パーオキシ化合物などのフリー・ラジカル発生剤を用
いて、塩素化する方法を提案されているが、その改善効
果は不十分であった。さらに、日特開昭60-132979号で
は、有機パーオキシン化合物に代えて、有機アゾ系ラジ
カル開始剤を使用して、反応する方法が提唱されてい
る。しかし、これらのラジカル開始剤は高価であり、反
応生成物からの除去が困難で、特異の臭気が製品につく
欠点があるほか、反応率も完全ではなかった。
(発明が解決しようとする問題点) 上述のごとく、2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキ
サイドを出発原料とする塩素化法では、第一段目の塩素
化反応には、比較的収率もよいが、第二段目の塩素化反
応は、反応率が上がりにくく、このため、苛酷な反応条
件を選べば、副反応を併発し易く、このため、収率や製
品の純度も低下し易く、また、有機パーオキサイドや、
有機アゾ化合物は、高温では分解などを起こすため、反
応温度を上げることも、限度があり、これらの試薬は高
価であり、また出来た製品に、特有の臭気を消し難い欠
点がある。この問題は出発原料として、2,5−ジヒドロ
チオフェン−1,1−ジオキサイドを使用する限り、第二
段目で、光塩素化するか、あるいはラジカル開始剤をも
ちいることは、避け難く、これに、伴って起こる性質の
ものであり、解決を困難にしているものである。
そこで、本発明者は、鋭意検討の結果、2,5−ジヒドロ
チオフェン−1、1−ジオキサイドを用いない種々の出
発原料よりの目的物の合成ルートのうち、全く、新規
で、工業的に、経済的に適用可能な新しい製造方法を確
立し、同時に、上述のこれまでの問題点を解決できるこ
とを見い出した。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明の上記の目的を達成するためには、3,
3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキサイドを、つぎの4種の出発原料よりの、全く新規
な製造方法が見い出されたことによって、工業的に、容
易に、高収率で、高純度で製造することが可能となり、
同時に上述の従来法の問題点をもすべて解決することが
出来る。
(1)2,3−ジクロロブタジエン−1,3を出発原料とする
方法 (2)2−クロロブタジエン−1,3を出発原料とする方
法。
(3)ビニル・アセチレンを出発原料とする方法 以下、これらの方法について、順をおって詳細な説明を
行う。
(1)2,3−ジクロロブタジエン−1,3を出発原料とする
方法 2,3−ジクロロブタジエン−1,3を、130℃以下の反応温
度で、二酸化硫黄を、無触媒下に、混合して、反応させ
ることによって、ほぼ定量的に近い収率で、3,4−ジク
ロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの
結晶が得られる。
得られた3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,
1−ジオキサイドは不活性溶剤溶液中で、常温から、不
活性溶剤の沸点以下の温度範囲下で、必要によって、若
干の加圧下に、無触媒で、塩素ガスを吹き込むことによ
り、ほぼ定量的収率で、目的の、3,3,4,4−テトラクロ
ロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドを得る
ことが出来る。
従って、反応液の溶剤を、留去、濃縮することによっ
て、晶析などによって、高純度の、3,3,4,4−テトラク
ロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドを得
ることが出来る。
本法は、第一段、および第二段反応とも、無触媒で行う
ことが出来るので、製品に不快な臭気を与えるラジカル
開始剤は使用されていないため、特異な臭気の問題もな
く、比較的温和な反応条件で、実施できるので、高純度
の製品が得られる。
本法の出発原料である2,3−ジクロロブタジエン−1,3
は、工業的にはポリクロロプレンゴム製造用のクロロプ
レン・モノマーとの共重合モノマーとして、生産使用さ
れているので、工業的に入手可能であり、また、トリク
ロロブテン、あるいはテトラクロロブタンなどより、脱
塩化水素反応によって、容易に得ることが出来る。
ブタジエン−1,3と二酸化硫黄との反応で、スルフォレ
ンが得られることは、公知であり、スルフォレンを水添
して、スルフォランを製造する方法の一部として、工業
的に実施されているが、2,3−ジクロロブタジエン−1,3
と二酸化硫黄との反応で、3,4−ジクロロ−2,5−ジヒド
ロチオフェン−1,1−ジオキサイドが得られることは、
これまで、知られていなし、この塩素化によって、3,3,
4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオ
キサイドが得られることも知られていない。
第一段の2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化硫黄と
の反応は、液相で、無溶剤下に行うことも、四塩化炭
素、メチルアルコール、及びトルエンなどの不活性溶剤
の存在下に、二酸化硫黄のガスを吹き込むか、液化二酸
化硫黄を注入することによって、反応させることが出来
る。2,3−ジクロロブタジエン−1,3の製造工程におい
て、メチルアルコール65と、2,3−ジクロロブタジエン
−1,3 35の組成の共沸混合物で、得られる場合には、
そのまま利用することも出来る。また、不水溶性溶剤と
亜硝酸塩水溶液との二液相でも有効に実施できる。ま
た、2,3−ジクロロブタジエンと二酸化硫黄とを、界面
活性剤と水との乳化状態の系で、有効に反応させること
が出来る。液相や気液混相にこの様に限らず、また、気
相で、2,3−ジクロロブタジエンと二酸化硫黄の蒸気を
接触させることによっても反応させることが出来る。い
ずれの場合も、無触媒で、進行し、3,4−ジクロロ2,5−
ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの結晶が、析
出してくるので、これを集めるか、四塩化炭素などの溶
剤に溶かしたまま、つぎの塩素化にまわすことも出来
る。しかし、この、上述の(3)式の反応は、可逆反応
であり、反応中、または反応後でも、高温では、逆反応
が進行する。このため、反応温度が130℃を越えること
は、好ましくない。本反応は、常温でも進行するが、反
応速度が低温では、遅すぎる。このため、反応温度は好
ましくは、60〜100℃で実施することが望ましい。反応
に使用する二酸化硫黄は、液化ガスとして、市販されて
いるものを用いることができるが、必ずしも、高純度
で、高濃度のガスは必要ではなく、反応原料や、生成物
に対して、不活性なものであれば、存在しても支障なく
実施出来る。原料の2,3−ジクロロブタジエン−1,3は、
易重合性の物資であるので、反応系に酸素の混入をさ
け、また、必要ならば、重合防止剤として、ターシャリ
ーブチル−カテコール(TBC)、ハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、N−
ニトロソジフェニ−ルアミン、N−ニトロソーシクロヘ
キシールアニリン、アルキル−ピペラジン、アンモニウ
ム・ニトロソフェニールヒドロキシルアミン、亜硝酸塩
などの一種または二種以上の混合物などの存在下に、本
反応を実施することが出来る。
第二段の塩素化反応は、3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロ
チオフェン1,1−ジオキサイドの結晶を、不活性溶剤に
溶かして、塩素を吹き込むことによって達成される。塩
素化は、通常無触媒の下で、常圧下で、行うことができ
るが、反応終期に塩素ガスでの加圧は、反応を完結する
上に有効である。反応温度は、常温から、130℃までの
範囲で行われ、常温から、不活性溶剤の沸点の温度範囲
で通常実施されるが、高温では、生成物の分解の恐れが
あるため、反応初期は出来るだけ、低温で行い、無触媒
の場合には、反応終期に40-50℃にあげて、反応率を上
げることが好ましい。本反応に用いられる不活性溶剤
は、本反応原料および生成物に不活性なもので、原料
が、反応温度で、溶解するものであれば、差し支えない
が、四塩化炭素、クロロホルム、二塩化エタン、などの
含塩素溶剤が、有効に使用される。反応は通常は常圧
で、実施されるが、必要により加圧して、反応させるこ
とによって、反応を完結させることが出来る。反応後
は、不活性溶剤を留去して、濃縮、晶析することよっ
て、高純度の3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオ
フェン−1,1−ジオキサイドを得ることが出来る。
(2)2−クロロブタジエン−1,3を出発原料とする方
法 2−クロロブタジエン−1,3(クロロプレン)も、上述
の(1)の場合と同様にして、二酸化硫黄を、130℃以
下の反応温度で、無触媒下に、反応させることによっ
て、ほぼ定量値に近い収率で、3−クロロ−2,5−ジヒ
ドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの結晶が得られ
る。
得られた3−クロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−
ジオキサイドは、不活性溶剤溶液中で、常温から、130
℃以下の温度範囲下で、必要によって、若干の加圧下
に、光線、および/または、有機過酸化物などのラジカ
ル開始剤の存在下に、塩素ガスを吹き込むことにより、
目的の3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン
−1,1−ジオキサイドを得ることが出来る。
すなわち、塩素化反応は、最初は低温で,無触媒で、塩
素付加が行われ、ほぼ、定量的収率で、3,3,4−トリク
ロロ−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド
が、まず得られ、次に光線、ラジカル開始剤によって3,
3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキサイドが生成されるもので、従来法の、上述の第
(2)式の3,4−ジクロロテトラヒドロチオフェン−1,1
−ジオキサイドより3,3,4,4−テトラクロロテトラヒド
ロチオフェン−1,1−ジオキサイドを、光線、ラジカル
開始剤の存在下に得る場合にくらべて、容易で、反応時
間も短縮され、収率も高い。またラジカル開始剤を用い
た場合の製品の臭気が問題となる場合には、光線のみで
も、十分な反応速度で、目的物を得ることが出来る。
2−クロロブタジエン−1,3(クロロプレン)と二酸化
硫黄の反応によって、3−クロロ−2,5−ジヒドロチオ
フェン−1,1−ジオキサイド(クロロプレンスルフォレ
ン)が得られることは公知である。〈例えば、H.J.Back
er and T.A.H.Blass,Rew.Trav.Chim.,61,785(194
2)〉。しかし、この塩素化については、知られていな
い。
本法の出発原料である2−クロロブタジエン−1,3(ク
ロロプレン)は、工業的には、ポリクロロプレンゴム製
造用の主原料モノマーとして、量産されており、工業的
に入手可能であり、原料的問題は少ない。
本法の第一段の2−クロロブタジエン−1,3と、二酸化
硫黄との反応は、前述の、2,3−ジクロロブタジエン−
1,3と、二酸化硫黄との反応と全く同様に実施すること
が出来る。本反応は気相でも、液相でも、四塩化炭素な
どの溶剤溶液でも実施出来る。いずれの場合も、無触媒
で進行し、3−クロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1
−ジオキサイドの結晶が析出してくるので、これを集め
るか、四塩化炭素などの溶剤に溶かしたまま、次の塩素
化工程にまわすことも出来る。本反応は可逆反応で、高
温では逆反応が進行するので、130℃以下の反応温度で
行うことが必要であり、好ましくは、60〜100℃で実施
することが望ましい。また、原料の2−クロロブタジエ
ン−1,3は易重合性の化合物であるため、反応系に酸素
の混入をさけ、ターシャリーブチル−カテコール(TB
C)、ハイドロキノン、メトキノ、フェノチアジン、N
−ニトロソジフェニ−ルアミン、N−ニトロソーシクロ
ヘキシールアニリン、アルキル−ピペラジン、アンモニ
ウム・ニトロソフェニールヒドロキシルアミン、亜硝酸
塩などの一種、または二種以上の混合物などの存在下
に、本反応を実施することも出来る。
第二段の塩素化反応は、3−クロロ−2,5−ジヒドロチ
オフェン−1,1−ジオキサイドの結晶を、四塩化炭素、
クロロホルム、二塩化チタン、などの不活性溶剤溶液
で、行われ、最初の塩素化は、無触媒で、常温から、不
活性溶剤の沸点以下の温度範囲で、通常60℃以下の反応
温度で、実施され、定量的に、反応が進行して、3,3,4,
4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキ
サイドに転化される。次に、紫外光の照射下、および/
または有機バーオキサイドなどのラジカル開始剤の存在
下に反応温度を、130℃以下、好ましくは、最初90-100
℃で、最後に110-115℃で塩素化を行うことによって、
目的の3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン
−1,1−ジオキサイドが得られる。反応は、通常は常圧
で、実施されるが、必要により加圧して、反応させるこ
とによって、反応率をあげることが出来る。反応後は、
不活性溶剤を留去して、濃縮、晶析することによって、
高純度の3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェ
ン−1,1−ジオキサイドを得ることが出来る。
(3)ビニルアセチレンを出発原料とする方法 ビニルアセチレン、130℃以下の反応温度で、二酸化硫
黄を、無触媒下で反応させることによって、完全に転化
して、付加物の結晶が得られる。この付加物の構造は決
定されていないが、反応は次のごとく、進行するものと
推定される。
得られた付加物は、不活性溶剤溶液中で、常温から、不
活性溶剤の沸点以下の温度で、無触媒の下に、塩素を吹
き込むことによって、塩素化され、3,3,4,4−テトラク
ロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドを得
ることが出来る。
本法の出発原料であるビニルアセチレンは、工業的に
は、アセチレンより塩化銅触媒を用いて、高い収率で、
製造出来、これに塩化水素を付加させて、クロロプレン
を製造する方法が、工業的に実施されており、ビニルア
セチレンはクロロプレン製造の中間体として、量産され
ている化合物である。また、ビニルアセチレンは、ブタ
ジエン製造時に、ブタジエン抽出工程において、副生留
分として、ビニルアセチレンを濃厚に含む留分が得られ
るので、これにより、分離することも出来る。
本法の第一段のビニルアセチレンと、二酸化硫黄との反
応は、前述の二つの場合と同様に行うことが出来るが、
ビニルアセチレンが、爆発性であるため、その取り扱い
には、十分な注意が必要である。ビニルアセチレンの爆
発は、高濃度で、高温、高圧時に起こり易いので、この
ような条件を避けて反応を進める必要がある。ビニルア
セチレンは、n−ブタンなどの飽和炭化水素や不活性溶
剤で希釈することによって、著しく安全性が高められ
る。しかし、ビニルアセチレンと二酸化硫黄の付加物
は、爆発性はなく、安全であり、付加反応速度も早いの
で、付加反応は、二酸化硫黄をメチルアルコールなどの
不活性溶剤に溶かしておき、少なくとも5倍以上のn−
ブタンなどの飽和炭化水素や不活性溶剤で希釈したビニ
ルアセチレンを、反応状態に合わせて、少量ずつ注入し
て、反応させ、反応温度も、出来る限り低温で、低圧で
行うことが必要である。
あるいは、気相で、無触媒下に、5倍以上のn−ブタン
などの飽和炭化水素ガスで、希釈したビニルアセチレン
の常温、常圧のガスを、二酸化硫黄ガスを入れて、反応
温度に保った常圧の流通型反応器に、付加反応の進行を
合わせて、少量ずつ添加して行くことによって、生成し
た、付加物を結晶としてあつめて、系外に取り出して行
うことが出来る。
反応温度は130℃以下、出来れば60℃以下でよく、ビニ
ルアセチレンは重合性もあるので、反応系には、酸素の
混入を避け、ターシャリーブチルカテコール(TBC)、
ハイドロキノン、メトキノン、フェノチアジン、N−ニ
トロソジフェニ−ルアミン、N−ニトロソーシクロヘキ
シールアニリン、アルキル−ピペラジンン、アンモニウ
ム・ニトロソフェニールヒドロキシルアミン、亜硝酸塩
などの一種、または二種以上の混合物などの存在下に、
本反応を実施することも出来る。
第二段の塩素化反応は、付加物の結晶を、四塩化炭素な
どの不活性溶剤溶液で、無触媒下に、常温から、不活性
溶剤の沸点以下の温度範囲で、行われ、通常60℃以下の
反応温度で、塩素を吹き込んで実施される。反応は通常
常圧で、実施されるが、必要により、加圧して、反応さ
せることによって、反応を完結することが出来る。反応
液は、不活性溶剤を留去して、濃縮、晶析することによ
って、高収率で、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロ
チオフェン−1,1−ジオキサイドを得ることが出来る。
以下、実施例にしたがって、さらに具体的に説明する。
[I]2,3−ジクロロブタジエン−1,3を出発原料とする
3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−
ジオキサイドの合成 実施例I−1.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−1) 7001オートクレーブに、予め、4ーターシャリーブチル
−カテコール200ppmを含んだ2,3−ジクロロブタジエン
−1,3、24.6g(0.26モル)をとり、メチルアルコール30
0mlを、加えて、よく攪はんしながら、50-60℃に加熱し
て、液化二酸化硫黄13.4g(0.21モル)を、20分間かか
って、少量ずつ注入してから、60-80℃に温度を上げ
て、30分間保って反応を終了し、直ちに減圧下にメチル
アルコールを、留去して、粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒ
ドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの淡紫白色結晶、3
5.5g(0.19モル)が得られた。これを、メチルアルコー
ルから、再結晶して、白色結晶26.8g(0.143モル)が得
られた。この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 17.3 計算値 17.1 Cl% 実測値 37.9 計算値 38.0 C % 実測値 25.9 計算値 25.7 H % 実測値 2.12 計算値 2.14 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例1−2.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−2) 実施例I−1と同様に、5001オートクレーブに環流冷却
器をつけ、その出口に圧力調整弁をつけ、内容圧力が、
2気圧に保たれるように調節し、メトキノン0.1%を含
む2,3−ジクロロブタジエン−1,3、24.6g(0.20モル)
を、四塩化炭素150mlに溶かして、加え、60-80℃に加温
して、二酸化硫黄ガス17.9g(0.28モル)を4気圧の圧
力で、同容量の窒素ガスでうすめて、15分間で吹き込
み、直ちに40℃に冷却した。窒素ガスを、圧力調整弁の
バイパス弁を開いて、大気圧下に、吹き込んで、残存す
る二酸化硫黄ガスを追い出してから、減圧下に溶剤を留
去して、粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−
1,1−ジオキサイドの白色結晶33.7g(0.18モル)が得ら
れた。このGLC分析では、原料の2,3−ジクロロブタジエ
ン−1,3が0.4%、溶剤0.2%、2,3−ジクロロブタジエン
の二量体とみられるピーク、1.8%が不純物として、含
まれていた。
実施例I−3.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−3) 7001オートクレーブに、予めフェノチアジンを、0.2重
量%含んだ2,3−ジクロロ−ブタジエン−1,3、24.6g
(0.20モル)をとり、実施例I−1と全く同様に処理し
て、粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1
−ジオキサイドの淡灰白色結晶、36.4g(0.195モル)が
得られた。
これを、メチルアルコールから、再結晶して、白色結晶
30.9g(0.165モル)が得られた。
この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 17.4 計算値 17.1 Cl% 実測値 37.8 計算値 38.0 C % 実測値 25.7 計算値 25.7 H % 実測値 2.14 計算値 2.14 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例I−4.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−4) 7001オートクレーブに、予め、N−ニトロソジフェニー
ルアミンの0.2重量%を含んだ2,3−ジクロロブタジエン
−1,3、24.6g(0.20モル)をとり、実施例I−1と全く
同様に処理して、粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオ
フェン−1,1−ジオキサイドの淡灰白色結晶、36.0g(0.
193モル)が得られた。
これを、メチルアルコールから、再結晶して、白色結晶
30.4g(0.163モル)が得られた。
この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 17.3 計算値 17.1 Cl% 実測値 37.9 計算値 38.0 C % 実測値 25.5 計算値 25.7 H % 実測値 2.12 計算値 2.14 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例I−5.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−5) 7001オートクレーブを、一酸化窒素と窒素の混合ガスで
置換し、亜硝酸ナトリウム0.1g,2,3−ジクロロブタジエ
ン−1,3、24.6g(0.20モル)をとり、実施例I−1と全
く同様に処理して、粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチ
オフェン−1,1−ジオキサイドの淡灰白色結晶、36.1g
(0.193モル)が得られた。
これを、メチルアルコールから、再結晶して、白色結晶
30.4g(0.163モル)が得られた。
この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 17.5 計算値 17.1 Cl% 実測値 37.7 計算値 38.0 C % 実測値 25.6 計算値 25.7 H % 実測値 2.14 計算値 2.14 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例I−6.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−6) 7001オートクレーブを、一酸化窒素と窒素の混合ガスで
置換し、亜硝酸ナトリウム0.1gと、N−ニトロソジフェ
ニ−ルアミン0.1g,2,3−ジクロロブタジエン−1,3、24.
6g(0.20モル)をとり、実施例I−1と全く同様に処理
して、粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,
1−ジオキサイドの淡灰色の結晶、36.4g(0.194モル)
が得られた。
これを、メチルアルコールから、再結晶して、白色結晶
30.9g(0.165モル)が得られた。
この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 17.3 計算値 17.1 Cl% 実測値 38.2 計算値 38.0 C % 実測値 25.8 計算値 25.7 H % 実測値 2.12 計算値 2.14 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例I−7.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応−7) 7001オートクレーブを、一酸化窒素と窒素の混合ガスで
置換し、亜硝酸ナトリウム1%水溶液100mlと、4塩化
炭素100mlとをとり、これにN−ニトロソジフェニ−ル
アミン0.1g,2,3−ジクロロブタジエン−1,3、24.6g(0.
20モル)をとり、実施例I−1と全く同様に処理して、
粗3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキサイドの淡灰色の結晶、36.8g(0.197モル)が得ら
れた。
これを、メチルアルコールから、再結晶して、白色結晶
30.7g(0.164モル)が得られた。
この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 17.3 計算値 17.1 Cl% 実測値 38.2 計算値 38.0 C % 実測値 25.8 計算値 25.7 H % 実測値 2.12 計算値 2.14 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例I−8.(2,3−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化
硫黄との液相反応) 内径10mm、長さ300mmのパイレックスガラス製の横型気
相反応器を、電熱で加温して、100℃に保って、出口側
を急冷して、受器をつけ、これを500mmHgの減圧にひき
ながら、123g(1モル)/時の速度で、ガス化した2,3
−ジクロロブタジエン−1,3を窒素ガスで、うすめて、1
00℃に予熱して、反応器に通じ、二酸化硫黄を64g(1
モル)/時の速度で気化して、別に100℃に予熱して、
反応器に供給した。30分間反応後、受器にたまった粗結
晶78.5g(0.42モル)で3,4−ジクロロ−2、5−ジヒド
ロチオフェン−1,1−ジオキサイドの純度はGLC分析で、
96.2%であった。
実施例I−9.(3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフェ
ン−1,1−ジオキサイドの塩素化反応−1) 500ml三口フラスコに、実施例I−1で得られた3,4−ジ
クロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド
18.7g(0.10モル)および、四塩化炭素200mlを加え、30
-45℃に保って、無触媒で、塩素ガス9.2g(0.13モル)
を2時間かけて、通じて反応した。減圧下に、四塩化炭
素を留去して、白色針状結晶の3,3,4,4−テトラクロロ
テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド25.3g(0.
098モル)が得られた。収率90%このGLC分析値は、3,4
−ジクロル体,0.0%,3,3,4−トリクロロ−体,5.5%,3,
3,4,4−テトラクロル−体,94.2%、ペンタ以上の高次塩
素化物,0.3%で、融点,177℃であった。この結晶を、さ
らにメチルアルコール・水混合溶剤を用いて、2回、再
結晶して、白色針状結晶14.5gが得られ、このGLC分析値
は、3,3,4−トリクロロ−体:0.8%,3,3,4,4−テトラク
ロル−体:99.0%、ペンタ以上の高次塩素化物:0.2%
で、融点は179℃であった。この元素分析値は次の通り
であった。
S % 実測値 12.6 計算値 12.4 Cl% 実測値 55.4 計算値 55.0 C % 実測値 18.6 計算値 18.7 H % 実測値 1.53 計算値 1.55 実施例I−10.(3,4−ジクロロ−2,5−ジヒドロチオフ
ェン−1,1−ジオキサイドの塩素化反応−2) グラスライニング製オートクレープに、3,4−ジクロロ
−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド18.7g
(0.10モル)および、四塩化炭素200mlを加え、30-45℃
に保って、無触媒で、塩素ガス7.1g(0.10モル)を1時
間かけて通じてから、塩素圧を、3気圧あげて、反応温
度を50℃保って、1時間反応させて、反応を完結した。
反応液の四塩化炭素を留去して、3,3,4,4−テトラクロ
ロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの針状
結晶25.5g(0.099モル)(収率99%)が得られ、このGL
C分析では、3,3,4−トリクロロ−体:1.5%,3,3,4,4−テ
トラクロル−体:98.2%、ペンタ以上の高次塩素化物:0.
3%で、融点,178℃であった。
この結晶を、実施例I−4と同様にメチルアルコール・
水混合溶剤を用いて、1回、再結晶して、白色針状結晶
19.2gが得られ、このGLC分析値は、3,3,4−トリクロロ
−体:0.2%,3,3,4,4−テトラクロル−体:99.6%、ペン
タ以上の高次塩素化物:0.2%で、融点は180℃であっ
た。この元素分析値は次の通りであった。
S % 実測値 12.5 計算値 12.4 Cl% 実測値 55.3 計算値 55.0 C % 実測値 18.6 計算値 18.7 H % 実測値 1.57 計算値 1.55 実施例I−11.(2,4−ジクロロブタジエン−1,3から3,
3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキサイドの一貫合成) フェノチアジン0.1%を含む2,3−ジクロロブタジエン−
1,3、61.5g(0.50モル)を、環流冷却器を備えた11グラ
スライニング製オートクレープにとり、四塩化炭素溶剤
200mlをくわえて、よく攪はんしながら、液化二酸化硫
黄,40g(0.625モル)を、30-45℃に保って、30分間かか
って、注入してから、温度を60-90℃に上げて、30分間
反応させた後、30℃以下に冷却した。つぎに、環流冷却
器を通じて、圧力を抜き、さらに窒素ガスを吹き込みな
がら、減圧をひいて、残存する二酸化硫黄ガスを追い出
した。GLC分析により、2,3−ジクロロブタジエン−1,3
が完全に転化していることを確認した後、四塩化炭素,2
00mlを追加した。30-45℃に保って、無触媒で、塩素ガ
ス37g(0.52モル)を1時間かけて通じてから、塩素圧
を3気圧にあげて、反応温度を50℃に保って、1時間反
応させて、反応を完結した。反応液の四塩化炭素を留去
して、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン
−1,1−ジオキサイドの白色針状結晶の116.0g(0.450モ
ル,収率90%)が得られ、このGLC分析では、3,3,4−ト
リクロロ−体:2.8%,3,3,4,4−テトラクロル−体:94.0
%,2,3,3,4−テトラクロル−体:2.2%、ペンタ以上の高
次塩素化物,0.3%、その他0.7%で、融点は173℃であっ
た。
[II]2−クロロブタジエン1,3(クロロプレン)を出
発原料とする3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオ
フェン−1,1−ジオキサイドの合成 実施例II-1.(2−ジクロロブタジエン−1,3と二酸化硫
黄との液相反応) 10001オートクレーブに、予め、4−ターシャリーブチ
ル−カテコール200ppmを含んだ2−クロロブタジエン1,
3、44.3g(0.50モル)をとり、メチルアルコール500ml
を、加えて、よく攪はんしながら、50-60℃に加熱し
て、液化二酸化硫黄33.9g(0.53モル)を、20分間かか
って、少量ずつ注入してから、60-80℃に温度を上げ
て、30分間保って反応を終了し、直ちに減圧下にメチル
アルコールを、留去して、粗3−クロロ−2,5−ジヒド
ロチオフェン−1,1−ジオキサイドの淡紫白色結晶,71.7
g(0.47モル,粗収率94%)が得られた。これを、メチ
ルアルコールから、再結晶して、白色結晶48.3g(0.317
モル)が得られた。この元素分析値は次の通りであっ
た。
S % 実測値 20.8 計算値 21.0 Cl% 実測値 23.2 計算値 23.3 C % 実測値 32.0 計算値 31.5 H % 実測値 3.33 計算値 3.28 また、GLC分析では、他の不純物のピークは認められな
かった。
実施例II-2.(3−クロロ2,5−ジヒドロチオフェン−1,
1−ジオキサイドの塩素化反応) 10001オートクレーブに、実施例II-1で得られた3−ク
ロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド3
0.5g(0.20モル)および、四塩化炭素400mlを加え、30-
45℃に保って、無触媒で、塩素ガス17.8g(0.25モル)
を2時間かけて、通じて反応した。内容液のGLC分析か
ら、原料の3−クロロ−2,5−ジヒドロチオフェン−1,1
−ジオキサイドはほぼ全量転化していた。次に、オート
クレーブに取り付けた石英製の透明保護管中に、エンゲ
ルハルドーハノービアNo.8A1号のランプを装入して、紫
外光線を照射しながら、120℃にたもって、塩素圧を3
気圧として、6時間反応させた。四塩化炭素を留去濃縮
して、冷却し、生成する結晶をロ過した。粗結晶の3,3,
4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオ
キサイド45.5g(0.175モル)が得られ、このGLC分析値
は、3,3,4−トリクロロ−体:6.3%、3,3,4,4−テトラク
ロル−体:92.5%、ペンタ以上の高次塩素化物:1.2%
で、融点は174℃であった。メチルアルコールで、2回
再結晶して、白色結晶23.6g(0.091モル)が得られ、そ
のGLC分析値は、3,3,4−トリクロロ−体 1.4%、3,3,
4,4−テトラクロル−体 98.1%、ペンタ以上の高次塩
素化物 0.5%で、その元素分析値は次の通りであり、
融点,177.5℃であった。
S % 実測値 12.7 計算値 12.4 Cl% 実測値 55.5 計算値 55.0 C % 実測値 18.3 計算値 18.7 H % 実測値 1.51 計算値 1.55 [III]ビニルアセチレンを出発原料とする3,3,4,4−テ
トラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイ
ドの合成 実施例III-1.(ビニルアセチレンと二酸化硫黄との反応
−1) 700mlオートクレーブ中に、二酸化硫黄35.8g(0.56モ
ル)を、メチルアルコール200mlを入れて、35-40℃に保
って、4−ターシャリーブチルカテコール300ppmを含む
ビニルアセチレン26g(0.50モル)をメチルアルコール2
00mlにとかして、2時間かかって、少量ずつ添加した。
反応器のガス相のGLC分析で、ガス相中のビニルアセチ
レン濃度が20%をこ越えない様に注意した。ビニルアセ
チレンを装入後、15分間40℃、さらに15分間60℃にあげ
て、反応を終わった。
反応液中のメチルアルコールを、減圧下に留去し、付加
物の淡紫白色の粗結晶57.4g(0.495モル),粗収率99
%,これを、メチルアルコール・水混合溶剤で、2回再
結晶を行って、付加物のビニルアセチレンスルフォンの
白色針状結晶,28.4g(0.245モル)が得られ、その元素
分析値はつぎの通りである。
S % 実測値 27.9 計算値 27.6 C % 実測値 41.3 計算値 41.4 H % 実測値 3.40 計算値 3.45 また、GLC分析では、他の不純物のピークは、認められ
なかった。
実施例III-2.(ビニルアセチレンと二酸化硫黄との反応
−2) 1000mlに内容積のフラスコを利用した流通型反応器の出
口を水封して、反応器内の圧力が150mm水柱以上に上が
らない様にした反応器に窒素ガスを満たしておき、内部
の温度を60℃に保って、ビニルアセチレン26g(0.5モ
ル)を、n−ブタン 171g(3.0モル)と混合希釈し
て、気化して、2時間かかって、反応器に装入し、別
に、二酸化硫黄ガス,38.4g(0.6モル)を同じく、2時
間かてけ反応器へ入れた。余剰のガスは出口の水封より
逃がし、付加物は結晶として、析出して、反応器内にた
まるので、最後に、これを集めて粗付加物の結晶47.6g
(0.41モル)が、粗収率82%で得られた。この粗結晶
を、メチルアルコール・水の混合溶剤で再結晶を行っ
て、付加物のビニルアセチレンスルフォンの白色針状結
晶,32.8g(0.28モル)が得られ、その元素分析値はつぎ
の通りである。
S % 実測値 27.5 計算値 27.6 C % 実測値 41.7 計算値 41.4 H % 実測値 3.49 計算値 3.45 また、GLC分析では、他の不純物のピークは、認められ
なかった。
実施例III-3.(ビニルアセチレンスルフォンの塩素化反
応) グラスライニング製オートクレーブに、実施例III-1で
得られた、ビニルアセチレンスルフォン,23.2g(0.20モ
ル)および、四塩化炭素400mlを加え、30-45℃に保っ
て、無触媒で、塩素ガス14.2g(0.20モル)を1時間か
けて通じてから、塩素圧を3気圧にあげて、反応温度を
50℃に保って、1時間反応させて、反応を完結した。反
応液の四塩化炭素を留去して、3,3,4,4−テトラクロロ
テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの粗針状
結晶51.1g(0.198モル)(粗収率99%)が得られた。こ
の結晶を、メチルアルコール・水混合溶剤を用いて、1
回、再結晶して、白色針状結晶38.4g(0.149モル)が得
られ、このGLC分析は、トリクロロ−体 0.3%,テトラ
クロル−体 99.3%,ペンタ以上の高次塩素化物 0.4
%で、融点は179℃であった。この元素分析値は次の通
りであった。
S % 実測値 12.6 計算値 12.4 Cl% 実測値 55.4 計算値 55.0 C % 実測値 18.3 計算値 18.7 H % 実測値 1.53 計算値 1.55

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,3−ジクロロブタジェン−1,3と二酸化硫
    黄を130℃以下の温度下で反応させ、こうして得られた
    生成物に塩素を反応させることを特徴とする3,3,4,4−
    テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサ
    イドの製造方法。
  2. 【請求項2】2−クロロブタジェン−1,3と二酸化硫黄
    を130℃以下の温度下に反応させ、こうして得られた生
    成物に塩素を反応させて3塩素化物を作り、次いで光線
    および/またはラジカル開始剤の存在下に塩素を反応さ
    せることを特徴とする3,3,4,4−テトラクロロテトラヒ
    ドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの製造方法。
  3. 【請求項3】ビニルアセチレンと二酸化硫黄を130℃以
    下の温度下で反応させ、こうして得られた生成物に塩素
    を反応させることを特徴とする3,3,4,4−テトラクロロ
    テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイドの製造方
    法。
JP30169286A 1986-12-19 1986-12-19 3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフエン−1,1−ジオキサイドの製造方法 Expired - Lifetime JPH07116177B2 (ja)

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