JPH04224553A - ビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリルの製造方法 - Google Patents
ビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリルの製造方法Info
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- JPH04224553A JPH04224553A JP41781290A JP41781290A JPH04224553A JP H04224553 A JPH04224553 A JP H04224553A JP 41781290 A JP41781290 A JP 41781290A JP 41781290 A JP41781290 A JP 41781290A JP H04224553 A JPH04224553 A JP H04224553A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマー製造用原料と
して有用である他、重要な有機合成中間体であるビシク
ロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリル
(以下、BHCとする。)の製造方法に関するものであ
る。BHCは、例えば、シアン化水素付加反応を行い、
続いて接触水素化反応を行うことにより、有用な脂環式
ジアミンである下記一般式(II)(化2)
して有用である他、重要な有機合成中間体であるビシク
ロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリル
(以下、BHCとする。)の製造方法に関するものであ
る。BHCは、例えば、シアン化水素付加反応を行い、
続いて接触水素化反応を行うことにより、有用な脂環式
ジアミンである下記一般式(II)(化2)
【化2】
(式中、R1 ,R2 は水素またはアミノメチル基で
あり、同一でない。)で表されるビス(アミノメチル)
ノルカンファン(以下、BANとする。)類を製造する
ことができる。上記のBAN類は、そのままエポキシ樹
脂硬化剤等として利用される他、脂肪族ジカルボン酸と
の反応によりポリアミド樹脂の製造に利用されたり、ホ
スゲン化し、ジイソシアナートとして種々の反応に利用
される等、様々な用途に使用される大変有用なジアミン
である。
あり、同一でない。)で表されるビス(アミノメチル)
ノルカンファン(以下、BANとする。)類を製造する
ことができる。上記のBAN類は、そのままエポキシ樹
脂硬化剤等として利用される他、脂肪族ジカルボン酸と
の反応によりポリアミド樹脂の製造に利用されたり、ホ
スゲン化し、ジイソシアナートとして種々の反応に利用
される等、様々な用途に使用される大変有用なジアミン
である。
【0002】
【従来の技術】従来、BHCを製造する方法としては、
アクリロニトリルとシクロペンタジエンのディールス・
アルダー反応によるものが知られている。(関連特許と
して特公昭52−49437がある。)また、アクリロ
ニトリルとジシクロペンタジエンを160℃以上の温度
に加熱反応せしめるという製造方法も知られている。 (特開昭49−48650)
アクリロニトリルとシクロペンタジエンのディールス・
アルダー反応によるものが知られている。(関連特許と
して特公昭52−49437がある。)また、アクリロ
ニトリルとジシクロペンタジエンを160℃以上の温度
に加熱反応せしめるという製造方法も知られている。 (特開昭49−48650)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】まず、前者の方法の原
料であるシクロペンタジエンは、不安定な化合物である
ことから、通常、必要に応じてジシクロペンタジエンの
熱分解により随時調製し使用される。しかしながら、シ
クロペンタジエンの収率は、せいぜい70〜90%であ
り、効率が良い方法とは言えない。そこで、この繁雑か
つ不経済な工程を経ることなく、入手容易で安定な化合
物であるジシクロペンタジエンを直接原料として反応を
行う方法として開発された方法が後者である。すなわち
、ジシクロペンタジエンの熱分解反応を反応系内にて行
い、生成したシクロペンタジエンとアクリロニトリルを
反応させるものである。しかしながら、160℃以上の
温度に加熱し、アクリロニトリルとジシクロペンタジエ
ンの反応を行った場合には、一段目の反応であるジシク
ロペンタジエンの熱分解反応が吸熱反応であるのに対し
、主反応であるディールス・アルダー反応が発熱反応で
あること、およびこの発熱反応の発熱量が大きいことか
ら、温度制御が極めて困難であり、暴走反応が進行する
可能性が高いことがわかった。最悪の場合、暴走反応に
よる高温・高圧に起因する爆発の恐れもあり、工業的規
模においては、大きな危険を伴い、災害が起きたことも
ある。
料であるシクロペンタジエンは、不安定な化合物である
ことから、通常、必要に応じてジシクロペンタジエンの
熱分解により随時調製し使用される。しかしながら、シ
クロペンタジエンの収率は、せいぜい70〜90%であ
り、効率が良い方法とは言えない。そこで、この繁雑か
つ不経済な工程を経ることなく、入手容易で安定な化合
物であるジシクロペンタジエンを直接原料として反応を
行う方法として開発された方法が後者である。すなわち
、ジシクロペンタジエンの熱分解反応を反応系内にて行
い、生成したシクロペンタジエンとアクリロニトリルを
反応させるものである。しかしながら、160℃以上の
温度に加熱し、アクリロニトリルとジシクロペンタジエ
ンの反応を行った場合には、一段目の反応であるジシク
ロペンタジエンの熱分解反応が吸熱反応であるのに対し
、主反応であるディールス・アルダー反応が発熱反応で
あること、およびこの発熱反応の発熱量が大きいことか
ら、温度制御が極めて困難であり、暴走反応が進行する
可能性が高いことがわかった。最悪の場合、暴走反応に
よる高温・高圧に起因する爆発の恐れもあり、工業的規
模においては、大きな危険を伴い、災害が起きたことも
ある。
【0004】また、高温高圧に耐えうる反応器を用いた
としても、初期反応から160℃以上の温度で反応を行
うと、BHCとシクロペンタジエンの付加物である下記
式(III )(化3)
としても、初期反応から160℃以上の温度で反応を行
うと、BHCとシクロペンタジエンの付加物である下記
式(III )(化3)
【化3】
で表される化合物1,2,3,4,4a,5,8,8a
‐オクタヒドロ‐1,4:5,8‐ジメタノナフタレン
‐2‐カルボニトリル(以下、BCAとする。)および
シクロペンタジエンの三量体等の高沸点副生物の生成が
顕著となり、原単位の低下を招き、経済的にも好ましく
ない。
‐オクタヒドロ‐1,4:5,8‐ジメタノナフタレン
‐2‐カルボニトリル(以下、BCAとする。)および
シクロペンタジエンの三量体等の高沸点副生物の生成が
顕著となり、原単位の低下を招き、経済的にも好ましく
ない。
【0005】さらに詳細に説明すると、原料の一つであ
るジシクロペンタジエンは、シクロペンタジエンの二量
体であり、シクロペンタジエンは、室温においても容易
に二量化して、ジシクロペンタジエンとして安定に存在
する。また、ジシクロペンタジエンは、140〜170
℃で分解し、シクロペンタジエンに戻る。この際、約1
8kcal/g・moleの熱を吸収することが知られ
ている。 (Kirk−Othmer, Encyclopedi
a Chem. Technology, 6 , p
.689, Wiley−Interscience,
(1979) )これに対し、こうして生成したシク
ロペンタジエンとアクリロニトリルの反応熱は、約28
kcal/g・moleであることが計算により求めら
れ、実験によっても確認できた。この温度領域における
アクリロニトリルとシクロペンタジエンの反応は、直ち
に化学量論的に進行する。それゆえ、ジシクロペンタジ
エンの分解反応がこの反応の律速になっていると考えら
れ、差引約10kcal/g・moleの熱が放出され
る発熱反応である。実際、特開昭49−48650に開
示されている160℃以上の温度に加熱し、反応を開始
すると、反応温度の上昇が著しく、加熱を中止してもこ
の傾向は変わらず、冷却除熱を行う必要が生じることが
、実験により明らかとなった。これは、160℃以上で
は、前記のとおり律速反応であるジシクロペンタジエン
の分解反応の速度が大き過ぎることが考えられる。 (速度定数として次の値が与えられているK=6×10
12EXP(−34000/RT)(1/sec ),
Kirk−Othmer, Encyclopedia
Chem. Technology, 7 , p.
424, Wiley−Interscience,
(1979) )これに伴い発熱量も大きくなり、さら
に反応が加速され、温度の制御が困難となり、冷却の時
期が遅れた場合に反応が暴走する危険が生じるものと考
えられる。これに加えて、反応温度が高くなるにつれ、
前記のBCA等に代表される副生物の生成が多くなり、
経済的にも好ましくない。そこで、安全かつ高選択率、
高収率でBHCを製造する方法の開発が望まれていた。
るジシクロペンタジエンは、シクロペンタジエンの二量
体であり、シクロペンタジエンは、室温においても容易
に二量化して、ジシクロペンタジエンとして安定に存在
する。また、ジシクロペンタジエンは、140〜170
℃で分解し、シクロペンタジエンに戻る。この際、約1
8kcal/g・moleの熱を吸収することが知られ
ている。 (Kirk−Othmer, Encyclopedi
a Chem. Technology, 6 , p
.689, Wiley−Interscience,
(1979) )これに対し、こうして生成したシク
ロペンタジエンとアクリロニトリルの反応熱は、約28
kcal/g・moleであることが計算により求めら
れ、実験によっても確認できた。この温度領域における
アクリロニトリルとシクロペンタジエンの反応は、直ち
に化学量論的に進行する。それゆえ、ジシクロペンタジ
エンの分解反応がこの反応の律速になっていると考えら
れ、差引約10kcal/g・moleの熱が放出され
る発熱反応である。実際、特開昭49−48650に開
示されている160℃以上の温度に加熱し、反応を開始
すると、反応温度の上昇が著しく、加熱を中止してもこ
の傾向は変わらず、冷却除熱を行う必要が生じることが
、実験により明らかとなった。これは、160℃以上で
は、前記のとおり律速反応であるジシクロペンタジエン
の分解反応の速度が大き過ぎることが考えられる。 (速度定数として次の値が与えられているK=6×10
12EXP(−34000/RT)(1/sec ),
Kirk−Othmer, Encyclopedia
Chem. Technology, 7 , p.
424, Wiley−Interscience,
(1979) )これに伴い発熱量も大きくなり、さら
に反応が加速され、温度の制御が困難となり、冷却の時
期が遅れた場合に反応が暴走する危険が生じるものと考
えられる。これに加えて、反応温度が高くなるにつれ、
前記のBCA等に代表される副生物の生成が多くなり、
経済的にも好ましくない。そこで、安全かつ高選択率、
高収率でBHCを製造する方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来の課題を踏まえ、鋭意研究した結果、アクリロニトリ
ルとジシクロペンタジエンを加熱反応させる際、少なく
とも初期反応の温度を140℃以上160℃未満とする
ことにより、安全かつ高選択率、高収率にてBHCを製
造できることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、アクリロニトリルとジシクロペンタジエンを無
溶媒下で加熱反応させる際に、初期反応の温度を140
℃以上160℃未満とすることを特徴とする上記式(I
)(化1)で表されるビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘ
プテン‐2‐カルボニトリルの製造方法である。
来の課題を踏まえ、鋭意研究した結果、アクリロニトリ
ルとジシクロペンタジエンを加熱反応させる際、少なく
とも初期反応の温度を140℃以上160℃未満とする
ことにより、安全かつ高選択率、高収率にてBHCを製
造できることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、アクリロニトリルとジシクロペンタジエンを無
溶媒下で加熱反応させる際に、初期反応の温度を140
℃以上160℃未満とすることを特徴とする上記式(I
)(化1)で表されるビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘ
プテン‐2‐カルボニトリルの製造方法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。アクリロ
ニトリルとジシクロペンタジエンの初期反応の温度は、
140℃以上160℃未満であり、特に好ましくは、1
50〜155℃の範囲である。140℃未満では、ジシ
クロペンタジエンの分解反応がほとんど進行せず、実質
的に十分なBHC収率を得ることは困難である。160
℃以上では、前記の通り、安定した反応温度の制御を行
うことは困難となる。また、反応終了まで140℃以上
160℃未満の温度を継続し反応を行ってもよいが、長
い反応時間を要するため、反応途中より、昇温を行うこ
とも可能である。昇温開始の時期は、ジシクロペンタジ
エンの転化率を経時的に分析することにより見当をつけ
ることができ、50%を越えた時を一つの目安とするこ
とができる。昇温は、160℃以上200℃以下が好ま
しく、170〜180℃の範囲が特に好ましい。さらに
、昇温は、急激に行なわず、少しずつ段階的に行うのが
よい。例えば、一旦170℃に昇温を行いしばらく反応
を行った後、再び180℃まで昇温を行い反応を完結さ
せるという方法を挙げることができる。
ニトリルとジシクロペンタジエンの初期反応の温度は、
140℃以上160℃未満であり、特に好ましくは、1
50〜155℃の範囲である。140℃未満では、ジシ
クロペンタジエンの分解反応がほとんど進行せず、実質
的に十分なBHC収率を得ることは困難である。160
℃以上では、前記の通り、安定した反応温度の制御を行
うことは困難となる。また、反応終了まで140℃以上
160℃未満の温度を継続し反応を行ってもよいが、長
い反応時間を要するため、反応途中より、昇温を行うこ
とも可能である。昇温開始の時期は、ジシクロペンタジ
エンの転化率を経時的に分析することにより見当をつけ
ることができ、50%を越えた時を一つの目安とするこ
とができる。昇温は、160℃以上200℃以下が好ま
しく、170〜180℃の範囲が特に好ましい。さらに
、昇温は、急激に行なわず、少しずつ段階的に行うのが
よい。例えば、一旦170℃に昇温を行いしばらく反応
を行った後、再び180℃まで昇温を行い反応を完結さ
せるという方法を挙げることができる。
【0008】アクリロニトリルとジシクロペンタジエン
の仕込みモル比は、化学量論的な反応を行うためには2
:1であるが、目的物BHCとシクロペンタジエンの付
加物の副生を抑制することを考えると、アクリロニトリ
ルを過剰に用いることがよい結果を与える。したがって
、アクリロニトリルとジジシクロペンタジエンの仕込み
モル比は、2:1以上3:1以下の範囲が好ましい。 特に好ましくは、2.05:1〜2.25:1の範囲で
ある。2:1未満では、副生物の生成が顕著となり、好
ましくない。一方、3:1を越える範囲では、アクリロ
ニトリルの重合による損失および反応後の分離、回収を
考慮に入れると、好ましくない。
の仕込みモル比は、化学量論的な反応を行うためには2
:1であるが、目的物BHCとシクロペンタジエンの付
加物の副生を抑制することを考えると、アクリロニトリ
ルを過剰に用いることがよい結果を与える。したがって
、アクリロニトリルとジジシクロペンタジエンの仕込み
モル比は、2:1以上3:1以下の範囲が好ましい。 特に好ましくは、2.05:1〜2.25:1の範囲で
ある。2:1未満では、副生物の生成が顕著となり、好
ましくない。一方、3:1を越える範囲では、アクリロ
ニトリルの重合による損失および反応後の分離、回収を
考慮に入れると、好ましくない。
【0009】また、本発明においては反応に際し、重合
禁止剤を添加することは、必ずしも必要ではないが、添
加しておくことが望ましい。使用される重合禁止剤は、
通常の重合禁止効果を有する化合物であれば特に限定さ
れることはないが、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノ
ンモノメチルエーテル、フェノチアジンおよびクペロン
等を用いることができる。これらは、単独に用いること
はもちろん、二種以上を同時に使用することも可能であ
る。重合禁止剤の使用量は、仕込みアクリロニトリルお
よびジシクロペンタジエンの1重量部につき、0.00
1〜1重量%が好ましい。特に好ましくは、0.01〜
0.5重量%の範囲である。0.001重量%未満の範
囲では、期待する効果は、ほとんど得られず、一方、1
重量%を超えても、効果は、ほとんど変わらず、特に意
味はなく、不経済となる。
禁止剤を添加することは、必ずしも必要ではないが、添
加しておくことが望ましい。使用される重合禁止剤は、
通常の重合禁止効果を有する化合物であれば特に限定さ
れることはないが、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノ
ンモノメチルエーテル、フェノチアジンおよびクペロン
等を用いることができる。これらは、単独に用いること
はもちろん、二種以上を同時に使用することも可能であ
る。重合禁止剤の使用量は、仕込みアクリロニトリルお
よびジシクロペンタジエンの1重量部につき、0.00
1〜1重量%が好ましい。特に好ましくは、0.01〜
0.5重量%の範囲である。0.001重量%未満の範
囲では、期待する効果は、ほとんど得られず、一方、1
重量%を超えても、効果は、ほとんど変わらず、特に意
味はなく、不経済となる。
【0010】反応方式は、回分式または連続式のいずれ
でもよい。また、反応器についても特に制限はなく、例
えば、回分式反応の場合には層型反応器、また、連続式
反応の場合には層型または管型反応器等を選択すること
ができる。また、反応に際して溶媒を使用することも可
能であるが、釜効率を落とすと共に反応後の分離回収を
考えると特に意味はない。
でもよい。また、反応器についても特に制限はなく、例
えば、回分式反応の場合には層型反応器、また、連続式
反応の場合には層型または管型反応器等を選択すること
ができる。また、反応に際して溶媒を使用することも可
能であるが、釜効率を落とすと共に反応後の分離回収を
考えると特に意味はない。
【0011】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、これらは、説明のための単なる代表的な
例示であって、本発明は、これらの例によって何ら制限
されるものではない。反応液組成の分析は、ガスクロマ
トグラフィーを用いて行った。実施例1電磁誘導式撹拌
機を備えた内容積1リットルの層型ステンレス製オート
クレーブにアクリロニトリル334.3g(6.30m
ol )、ジシクロペンタジエン396.6g(3.0
0mol )およびヒドロキノン0.05重量%(0.
365g)を仕込み、攪拌下、昇温を行い、153℃で
反応を開始した。その後、この温度を維持し、5時間反
応を行ったところで反応液のサンプリングを行い、組成
の分析を行った。このサンプリング液を1−Aとし、そ
の結果を表1に示す。そこで、さらに昇温を行い、17
0℃で2時間反応を行った後再びサンプリングを行い、
反応液の組成の分析を行った。このサンプリング液を1
−Bとし、その結果を、表1に示す。次に、さらに昇温
し、180℃で2時間反応を行い、加熱を終了した。こ
の、反応終了液を1−Cとする。この組成分析結果を表
1に示す。また、それぞれの組成分析より求めた反応成
績は、表2の通りである。
に説明するが、これらは、説明のための単なる代表的な
例示であって、本発明は、これらの例によって何ら制限
されるものではない。反応液組成の分析は、ガスクロマ
トグラフィーを用いて行った。実施例1電磁誘導式撹拌
機を備えた内容積1リットルの層型ステンレス製オート
クレーブにアクリロニトリル334.3g(6.30m
ol )、ジシクロペンタジエン396.6g(3.0
0mol )およびヒドロキノン0.05重量%(0.
365g)を仕込み、攪拌下、昇温を行い、153℃で
反応を開始した。その後、この温度を維持し、5時間反
応を行ったところで反応液のサンプリングを行い、組成
の分析を行った。このサンプリング液を1−Aとし、そ
の結果を表1に示す。そこで、さらに昇温を行い、17
0℃で2時間反応を行った後再びサンプリングを行い、
反応液の組成の分析を行った。このサンプリング液を1
−Bとし、その結果を、表1に示す。次に、さらに昇温
し、180℃で2時間反応を行い、加熱を終了した。こ
の、反応終了液を1−Cとする。この組成分析結果を表
1に示す。また、それぞれの組成分析より求めた反応成
績は、表2の通りである。
【0012】実施例2
内径8mmの管型反応器に、実施例1の仕込みと同様の
組成のヒドロキノンを含むアクリロニトリル、ジシクロ
ペンタジエン混合液を反応原料として50ml/hの速
度で連続的に供給する。その際、反応液の滞留時間が5
時間までは、153℃、その後7時間までは、170℃
、そして、最終的に9時間まで180℃となるよう反応
温度を制御した。その結果、反応が定常化した後、表1
に示す組成の反応液が、300時間を過ぎても、安定し
て得られた。これより求めた反応成績は、表2の通りで
ある。
組成のヒドロキノンを含むアクリロニトリル、ジシクロ
ペンタジエン混合液を反応原料として50ml/hの速
度で連続的に供給する。その際、反応液の滞留時間が5
時間までは、153℃、その後7時間までは、170℃
、そして、最終的に9時間まで180℃となるよう反応
温度を制御した。その結果、反応が定常化した後、表1
に示す組成の反応液が、300時間を過ぎても、安定し
て得られた。これより求めた反応成績は、表2の通りで
ある。
【0013】比較例1
実施例1において、初期反応より反応温度を165℃と
すること以外、全く同じ操作を行おうとしたところ、反
応温度の上昇がみられ、約30分で175℃となったた
め、その時点でヒーターによる加熱を終了した。しかし
ながら、反応温度の低下が見られないばかりか、さらに
反応温度は、急激に上昇し、加熱終了後からわずか15
分あまりで250℃に達した。したがって、直ちに冷却
を行い、その後、反応液の組成分析を行った。その結果
を表1に示す。また、これより求めた反応成績は表2の
通りである。
すること以外、全く同じ操作を行おうとしたところ、反
応温度の上昇がみられ、約30分で175℃となったた
め、その時点でヒーターによる加熱を終了した。しかし
ながら、反応温度の低下が見られないばかりか、さらに
反応温度は、急激に上昇し、加熱終了後からわずか15
分あまりで250℃に達した。したがって、直ちに冷却
を行い、その後、反応液の組成分析を行った。その結果
を表1に示す。また、これより求めた反応成績は表2の
通りである。
【0014】比較例2
実施例2において、反応器の全長を短くすることにより
全滞留時間を3時間とし、加熱温度を180℃とするこ
と以外、全く同様の実験を行った。(原料供給速度は、
変えない。)その結果、反応が定常化した後、約50時
間までは、表1および表2に示した組成、反応成績の反
応液が得られたが、反応器内でのポリマー生成による管
閉塞のため、運転が不可能となった。
全滞留時間を3時間とし、加熱温度を180℃とするこ
と以外、全く同様の実験を行った。(原料供給速度は、
変えない。)その結果、反応が定常化した後、約50時
間までは、表1および表2に示した組成、反応成績の反
応液が得られたが、反応器内でのポリマー生成による管
閉塞のため、運転が不可能となった。
【0015】
【表1】
【表2】
【0016】
【発明の効果】本発明は、アクリロニトリルとジシクロ
ペンタジエンを加熱反応せしめる際、少なくとも初期反
応の温度を140℃以上160℃未満とすることにより
、律速反応であるジシクロペンタジエンの分解反応を穏
和に進行させ、その結果、反応温度の制御が容易となり
、安全かつ高選択率、高収率でBHCを製造することを
可能とするものである。したがって、本発明は、ポリマ
ー製造用原料、有機合成中間体として非常に重要な化合
物であるBHCの工業的な製造方法として、保安の見地
から見て非常に安全で、かつ経済的にも極めて優れた方
法である。
ペンタジエンを加熱反応せしめる際、少なくとも初期反
応の温度を140℃以上160℃未満とすることにより
、律速反応であるジシクロペンタジエンの分解反応を穏
和に進行させ、その結果、反応温度の制御が容易となり
、安全かつ高選択率、高収率でBHCを製造することを
可能とするものである。したがって、本発明は、ポリマ
ー製造用原料、有機合成中間体として非常に重要な化合
物であるBHCの工業的な製造方法として、保安の見地
から見て非常に安全で、かつ経済的にも極めて優れた方
法である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリロニトリルとジシクロペンタジ
エンを無溶媒下で加熱反応させる際に、初期反応の温度
を140℃以上160℃未満とすることを特徴とする式
(I)(化1) 【化1】 で表されるビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2
‐カルボニトリルの製造法。 - 【請求項2】 初期反応を行った後、160℃以上2
00℃以下の温度まで段階的に上げる請求項1の方法。 - 【請求項3】 アクリロニトリルとジシクロペンタジ
エンのモル比が2:1以上3:1以下である請求項1の
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41781290A JP2873100B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | ビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41781290A JP2873100B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | ビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04224553A true JPH04224553A (ja) | 1992-08-13 |
JP2873100B2 JP2873100B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=18525849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41781290A Expired - Lifetime JP2873100B2 (ja) | 1990-12-26 | 1990-12-26 | ビシクロ[2,2,1]‐5‐ヘプテン‐2‐カルボニトリルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2873100B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5631332A (en) * | 1995-01-17 | 1997-05-20 | Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. | Curing agents for epoxy resins comprising bis(aminomethyl)bicyclo[2.2.1]heptane adducts |
US5789520A (en) * | 1995-12-27 | 1998-08-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | Curing agent for resins and resin composition containing the same |
JP2014518876A (ja) * | 2011-05-23 | 2014-08-07 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | アミノポリカルボキシレートを製造するための方法 |
-
1990
- 1990-12-26 JP JP41781290A patent/JP2873100B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5631332A (en) * | 1995-01-17 | 1997-05-20 | Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. | Curing agents for epoxy resins comprising bis(aminomethyl)bicyclo[2.2.1]heptane adducts |
US5789520A (en) * | 1995-12-27 | 1998-08-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | Curing agent for resins and resin composition containing the same |
US6063893A (en) * | 1995-12-27 | 2000-05-16 | Mitsui Chemicals, Inc. | Curing agent for resins and resin composition containing the same |
JP2014518876A (ja) * | 2011-05-23 | 2014-08-07 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | アミノポリカルボキシレートを製造するための方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2873100B2 (ja) | 1999-03-24 |
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