JPH07114836A - 超電導線材及びその製造方法 - Google Patents

超電導線材及びその製造方法

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JPH07114836A
JPH07114836A JP5262048A JP26204893A JPH07114836A JP H07114836 A JPH07114836 A JP H07114836A JP 5262048 A JP5262048 A JP 5262048A JP 26204893 A JP26204893 A JP 26204893A JP H07114836 A JPH07114836 A JP H07114836A
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superconducting
superconducting wire
layer
inner pipe
powder
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JP5262048A
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Takeshi Sakurai
健 桜井
Kiichi Komada
紀一 駒田
Kiyoshi Kuroda
潔 黒田
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱処理時にHgが散逸せず、実用温度で臨界
電流密度Jcが比較的大きく、かつ線材にするまでの加
工性及び線材にした後での加工性に優れる。 【構成】 超電導線材10はHgBa2Ca2Cu38+y
の酸化物超電導材料からなる1本又は2本以上の線状体
11と、この線状体11を被覆したAg又はCuからな
る外皮12とを備える。外皮12の内部で線状体11が
Ag−Hgアアマルガム層13又はAu−Hgアマルガ
ム層14とAu−Hg金属間化合物層15により包囲さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はHgBa2Ca2Cu3
8+y(以下、Hg1223系という)の酸化物超電導材
料からなる線状体がAg又はCuの外皮により被覆され
た超電導線材及びその製造方法に関する。更に詳しくは
超電導体材料の線状体と外皮との間にアマルガム層が介
在する超電導線材及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】Bi系(例えばBi−Sr−Ca−Cu
−O)又はTl系(例えばTl−Ba−Sr−Ca−C
u−O)のようなBi−O面やTl−O面を含む超電導
化合物では結晶粒子に異方性があるため、実用温度で臨
界電流密度Jcを高くするためには結晶粒子の配向度を
高める必要があった。最近、揮発性の高いHgを含むH
g系の酸化物超電導材料が A.Schilling らにより発見
され、Nature 363(1993)56 に報告されている。その結
晶構造はHg1223系と推定されている。このHg系
の超電導化合物はBi系やTl系の超電導化合物に比較
して異方性が弱いことが見い出されている(Nature 364
(1993)129, A.Umezawa, et.al)。このため、Hg系の
酸化物超電導材料の結晶粒子の結合を強固にすれば、そ
の結晶粒子の配合度を高めなくても実用温度で高い臨界
電流密度Jcが期待される。これまで、揮発性の高いH
gを含むHg系の酸化物超電導材料から線材を製造する
技術は開示されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に酸化物超電導材
料から超電導線材を作るときには熱処理工程が不可欠で
あるが、酸化物超電導材料にHgのような揮発性の高い
金属を含む場合には、熱処理時に如何にこの金属を散逸
させないようにし、同時に結晶粒子の結合を如何に強固
にするのかが課題であった。本発明の目的は、熱処理時
にHgが散逸せず、実用温度で臨界電流密度Jcが比較
的大きく、かつ線材にするまでの加工性及び線材にした
後での加工性に優れた超電導線材及びその製造方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】図1(a),(b)に示
すように、本発明の第1の超電導線材10は、酸化物超
電導材料からなる線状体11と、この線状体11を被覆
したAg又はCuからなる外皮12とを備え、前記酸化
物超電導材料がHg1223系の酸化物超電導化合物か
らなり、外皮12の内部で線状体11がAg−Hgアマ
ルガム層13により包囲されたことを特徴とする。第1
の超電導線材10は3つの構成要素からなる。
【0005】図2(a),(b)に示すように、本発明
の第2の超電導線材20は、第1の超電導線材10にお
いてその外皮12の内部で線状体11を包囲するAg−
Hgアマルガム層13がセレン化水銀層又はテルル化水
銀層16により更に包囲されたことを特徴とする。図3
(a),(b)に示すように、本発明の第3の超電導線
材30は、第1の超電導線材10においてその外皮12
の内部で線状体11を包囲するAg−Hgアマルガム層
13がAg層又はAgを主成分とする層17により包囲
されたことを特徴とする。図4(a),(b)に示すよ
うに、本発明の第4の超電導線材40は、第1の超電導
線材10において外皮12の内部で線状体11がAg−
Hgアマルガム層13の代わりにAu−Hgアマルガム
層14とAu−Hg金属間化合物層15により包囲され
たことを特徴とする。第2、第3及び第4の超電導線材
20,30,40はそれぞれ4つの構成要素からなる。
【0006】図5(a),(b)に示すように、本発明
の第5の超電導線材50は、第4の超電導線材40にお
いてその外皮12の内部で線状体11を包囲するAu−
Hgアマルガム層14とAu−Hg金属間化合物層15
が更にAu層又はAuを主成分とする層18により更に
包囲されたことを特徴とする。第5の超電導線材50は
5つの構成要素からなる。
【0007】図6に示すように、本発明の超電導線材は
線状体11が1芯に限らず、2本以上の多芯構造の超電
導線材60でもよい。なお、この多芯構造の超電導線材
60は実際は縮径加工により空隙を作ることなく線材化
されるが、図6では理解を容易にするために、模式的に
その断面構造を示している。
【0008】次にこれらの超電導線材の製造方法につい
て述べる。 (a) 第1、第2及び第3の超電導線材の製造方法 この方法は、Ag又はCuからなる外パイプの中にこの
外パイプより小径の貴金属からなる1本又は2本以上の
内パイプを挿入し、内パイプの中に内パイプの挿入前又
は挿入後に酸化物超電導体粉末を充填し、この粉末を充
填した内パイプと外パイプを等方的に縮径し、熱処理す
る超電導線材の製造方法である。その方法では、酸化物
超電導体粉末がHg1223系の超電導化合物の化学量
論量より過剰なHgを含むHg1+xBa2Ca2Cu3
8+yからなり、内パイプがAg又はその合金からなり、
過剰なHgが内パイプを構成するAg成分と全て反応し
切る量のときには、内パイプの外周面に予め金属Se又
は金属Teをスパッタリング法、真空蒸着法等により被
着しておくことが好ましい。過剰なHgが内パイプを構
成するAg成分と全て反応し切らない量のときには、内
パイプの外周面には何も被着しなくてもよい。上記熱処
理は300〜400℃で行われる。Agの合金として
は、例えばAg/Auが挙げられる。
【0009】上記温度範囲の熱処理により、過剰なHg
が内パイプのAg成分と反応し、Ag−Hgアマルガム
が線状体11を包囲するように形成される。300℃未
満ではHgとAg成分の反応が乏しく、400℃を越え
るとHgが蒸気となって散逸する。この過剰なHgが内
パイプを構成するAg成分と全て反応し切るときには、
内パイプが全てAg−Hgアマルガム層となり、図1に
示す第1の超電導線材10が得られる。内パイプの外周
面に金属Se又は金属Teが被着してあるときには、H
gがこの金属と反応してセレン化水銀(HgSe)層又
はテルル化水銀(HgTe)層となり、図2に示す第2
の超電導線材20が得られる。内パイプの厚さが過剰な
Hgの量に対して厚く、Ag量が余剰となれば、内パイ
プの内面部分にAg−Hgアマルガム層が形成され、そ
の外側にAg層が形成され、図3に示す超電導線材30
が得られる。
【0010】(b) 第4及び第5の超電導線材の製造方法 この方法は、Ag又はCuからなる外パイプの中にこの
外パイプより小径の貴金属からなる1本又は2本以上の
内パイプを挿入し、内パイプの中に内パイプの挿入前又
は挿入後に酸化物超電導体粉末を充填し、この粉末を充
填した内パイプと外パイプを等方的に縮径し、熱処理す
る超電導線材の製造方法である。その方法では、酸化物
超電導体粉末がHg1223系の超電導化合物の化学量
論量より過剰なHgを含むHg1+xBa2Ca2Cu3
8+yからなり、内パイプがAu又はその合金からなり、
上記熱処理が300〜400℃で行われる。
【0011】上記温度範囲の熱処理により、過剰なHg
が内パイプのAu成分と反応し、先ずAu−Hgアマル
ガムが線状体11を包囲するように形成され、次いでこ
のアマルガム層を包囲するようにAu−Hg金属間化合
物が形成される。300℃未満ではHgとAu成分の反
応が乏しく、400℃を越えるとHgが蒸気となって散
逸する。この過剰なHgの量と内パイプの厚さ、即ちA
u量とが相均衡すれば、内パイプが全てAu−Hgアマ
ルガム層とAu−Hg金属間化合物層となり、図4に示
す第4の超電導線材40が得られる。内パイプの厚さが
過剰なHgの量に対して厚く、Au量が余剰となれば、
内パイプの内面部分にAu−Hgアマルガム層とAu−
Hg金属間化合物層が形成され、更にその外側にAu層
が形成され、図5に示す超電導線材50が得られる。
【0012】本発明のHg1+xBa2Ca2Cu38+y
末はHgO、BaO、BaO2、CaO、CaO2、Cu
O等の酸化物及び過酸化物を所定の組成比で混合し、仮
焼と粉砕を繰返して作られる。この超電導材料の被覆材
となる外パイプとしては、Ag又はCuが用いられる。
Agは耐酸化性、超電導材料との不反応性、酸素透過
性、低電気抵抗等の特性を有するため、またCuは製造
コストをより低減し、また低電気抵抗特性を有するため
用いられる。上記粉末において、Hg1223系の超電
導化合物の化学量論量より過剰に含ませるHgの量は、
内パイプの肉厚、即ちこのパイプを構成するAg,Au
等の貴金属成分量に応じて決められる。
【0013】本発明の内パイプとその中に充填する酸化
物超電導材料との関係は、アマルガム層を所定量生成さ
せ、これにより臨界電流密度を高めるために、内パイプ
の断面積を酸化物超電導体粉末が充填される断面積で除
算した値αが少なくとも2であることが好ましい。内パ
イプに上記超電導材料を充填するには、粉末の形態でパ
イプ内に充填する方法以外に、粉末をペレット化して充
填する方法も採ることができる。またAg、Au又はこ
れらの合金からなる帯状体を用意し、この帯状体を樋状
に湾曲させながらその上に上記超電導体粉末又は超電導
体ペレットを均一に配列した後、粉末やペレットを帯状
体で包み込んで内パイプを形成してもよい。
【0014】本発明の縮径加工には、スエージング、ロ
ールダイス圧延、溝ロール圧延、ダイス引抜き等の種々
の加工が挙げられる。製品となる超電導線材の径に応じ
て、上記種々の加工法の中から所望の加工法が単独で或
いは組合せて採用される。この加工は過剰なHgを内パ
イプと反応させながら行うことが好ましく、従って30
0〜400℃の温度範囲の熱間加工が望ましい。この縮
径と熱処理は超電導材料の結晶粒を十分にc軸に配向さ
せるために繰返し行うことが好ましい。この繰返し数は
生産性及び過度の圧延による配向率の低下を避けるため
2回程度が好ましい。
【0015】
【作用】第1〜第5の超電導線材のいずれの場合も、ア
マルガム層の形成により外皮内部で静水圧が生じて、こ
の圧力が芯材であるHg1223系超電導化合物の結晶
粒子の結合を強固にし、実用温度での臨界電流密度Jc
を大きくする。縮径と熱処理を繰返すことにより、最初
の熱処理で生じたアマルガム層が超電導線材を可撓性の
あるものにし、その後の縮径加工を容易にするととも
に、製品となった後の超電導線材の加工を容易にする。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、H
gを含有する酸化物超電導材料をパウダーインチューブ
法により線材化する際に、外パイプ及び内パイプの2重
のシースを用い、外皮となる外パイプに上記超電導材料
が直接充填され包囲される内パイプを挿入した後、これ
を縮径加工、望ましくは熱間加工し、熱処理することに
より、アマルガム層が形成される。その結果、アマルガ
ム層の静水圧による内圧上昇で超電導化合物の結晶粒子
の結合が強固になり、実用温度で臨界電流密度Jcが比
較的大きく、かつ線材にするまでの加工性及び線材にし
た後での加工性に優れた超電導線材が得られる。特に従
来のBi系又はTl系の超電導化合物と異なり、本発明
のHg1223系超電導化合物は結晶粒子に異方性がな
いため、結晶粒子の配向度を高める必要がなく、熱処理
工程の数を低減できる。また揮発性の高いHgが外皮で
被包されるため、製造中にHgが散逸しない。更に過剰
なHgは貴金属の固溶体として固定されるため、本発明
の超電導線材が廃材になった後のHgのリサイクル時に
その取扱いが容易になる利点もある。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1〜8及び比較例1〜3>表1に示す内径及
び外径を有するAgからなる内パイプの中に予め表1
に示すセラミック組成の酸化物超電導体粉末を3g/c
3の密度になるように充填した。この粉末を充填した
内パイプを内径及び外径を有するAgからなる外パ
イプに挿入し、この粉末を充填した内パイプと外パイプ
を400℃の温度下、溝ロール圧延機及びスエージング
マシンにより等方的に縮径して丸線加工した。丸線加工
後、この線状体をマッフル炉に入れ、大気圧下、400
℃で50時間加熱した。次に熱処理した線状体を再び押
し出しにより等方的に更に縮径して丸線加工し、マッフ
ル炉に入れ、同様に加熱した。
【0018】セラミック組成、内パイプ及び外パイプの
内外径をそれぞれ変えて11種類の超電導線材を得た。
内パイプの断面積を酸化物超電導体粉末が充填される断
面積で除算してその除算値αをアマルガム層の生成率の
目安とした。得られた超電導線材の液体窒素(77K)
中における超電導特性である臨界電流密度Jc(A/c
2)を直流四端子法により測定した。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、除算値αが1未
満の比較例1〜3の超電導線材は臨界電流密度Jcが2
0A/cm2以下の低い値を示したのに対して、除算値
αが2以上の実施例1〜8の超電導線材は臨界電流密度
Jcが110〜250A/cm2の高い値を示した。
【0021】<実施例9〜16及び比較例4〜6>内径
及び外径を有するAuからなる内パイプを用いた以
外は表1の各実施例及び比較例と同様にして表2に示す
11種類の超電導線材を得て、これらの超電導線材の臨
界電流密度Jc(A/cm2)を実施例1と同様に測定し
た。
【0022】
【表2】
【0023】表2から明らかなように、除算値αが1未
満の比較例4〜6の超電導線材は臨界電流密度Jcが2
0A/cm2以下の低い値を示したのに対して、実施例
9〜16の超電導線材は除算値αが2未満であるにも拘
わらず、臨界電流密度Jcが140〜210A/cm2
高い値を示した。
【0024】<実施例17〜28及び比較例7〜12>
表3に示す内径及び外径を有するAgからなる内パ
イプの外面に予め金属Se又は金属Teをスパッタリン
グ法により被着した。この内パイプの中に実施例1と同
じ密度で表3に示すセラミック組成の酸化物超電導体粉
末を充填した。この粉末を充填した内パイプを内径及
び外径を有する3種類のCu,Cu−Ag又はAgか
らなる外パイプに挿入し、この粉末を充填した内パイプ
と外パイプを実施例1と同様に縮径して丸線加工した。
丸線加工後、この線状体を実施例1と同様に再度縮径し
て丸線加工し、熱処理した。
【0025】セラミック組成、内パイプ及び外パイプの
内外径をそれぞれ変えて18種類の超電導線材を得た。
これらの超電導線材の臨界電流密度Jc(A/cm2)を
実施例1と同様に測定した。表3においては外パイプ
の材質を示す。は内パイプの外面に被着する金属を示
す。予め金属Se又は金属Teを被着しないものを比較
例7〜12とした。
【0026】
【表3】
【0027】表3から明らかなように、除算値αが2未
満で内パイプの外面にSe又はTeを被着しない比較例
7〜12の超電導線材は臨界電流密度Jcが15A/c
2以下の極めて低い値を示したのに対して、内パイプ
の外面にSe又はTeを被着した実施例17〜28の超
電導線材は除算値αが2未満であるにも拘わらず、臨界
電流密度Jcが90〜200A/cm2の高い値を示し
た。
【0028】<実施例29〜40及び比較例13〜18
>内径及び外径を有するAgとAuの合金からなる
内パイプを用いた以外は表3の各実施例及び比較例と同
様にして表4に示す18種類の超電導線材を得て、これ
らの超電導線材の臨界電流密度Jc(A/cm2)を実施
例1と同様に測定した。
【0029】
【表4】
【0030】表4から明らかなように、除算値αが2未
満で内パイプの外面にSe又はTeを被着しない比較例
13〜18の超電導線材は臨界電流密度Jcが10A/
cm以下の極めて低い値を示したのに対して、内パイ
プの外面にSe又はTeを被着した実施例29〜40の
超電導線材は除算値αが2未満であるにも拘わらず、臨
界電流密度Jcが100〜240A/cm2の高い値を
示した。
【0031】<実施例41〜46及び比較例19〜22
>内径及び外径を有するAgからなる内パイプの中
に予め表5に示すセラミック組成の酸化物超電導体粉末
を実施例1と同じ密度で表5に示すセラミック組成の酸
化物超電導体粉末を充填した。この粉末を充填した内パ
イプを内径及び外径を有する3種類のCu,Cu−
Ag又はAgからなる外パイプに挿入し、この粉末を充
填した内パイプと外パイプを実施例1と同様に縮径して
丸線加工した。丸線加工後、この線状体を実施例1と同
様に再度縮径して丸線加工し、熱処理した。セラミック
組成、内パイプ及び外パイプの内外径をそれぞれ変えて
10種類の超電導線材を得た。これらの超電導線材の臨
界電流密度Jc(A/cm2)を実施例1と同様に測定し
た。
【0032】
【表5】
【0033】表5から明らかなように、除算値αが2未
満の比較例19〜22の超電導線材は臨界電流密度Jc
が5A/cm2以下の極めて低い値を示したのに対し
て、除算値αが3以上の実施例41〜46の超電導線材
は臨界電流密度Jcが210〜290A/cm2の極めて
高い値を示した。
【0034】<実施例47〜52及び比較例23〜26
>内径及び外径を有するAgとAuの合金からなる
内パイプを用いた以外は表5の各実施例及び比較例と同
様にして表6に示す10種類の超電導線材を得て、これ
らの超電導線材の臨界電流密度Jc(A/cm2)を実施
例1と同様に測定した。
【0035】
【表6】
【0036】表6から明らかなように、除算値αが2未
満の比較例23〜26の超電導線材は臨界電流密度Jc
が10A/cm2以下の極めて低い値を示したのに対し
て、除算値αが2.2以上の実施例47〜52の超電導
線材は臨界電流密度Jcが200〜300A/cm2の極
めて高い値を示した。
【0037】<実施例53〜58及び比較例27〜32
>内径及び外径を有するAuからなる内パイプを用
いた以外は表5の各実施例及び比較例と同様にして表7
に示す12種類の超電導線材を得て、これらの超電導線
材の臨界電流密度Jc(A/cm2)を実施例1と同様に
測定した。
【0038】
【表7】
【0039】表7から明らかなように、除算値αが2未
満の比較例27〜32の超電導線材は臨界電流密度Jc
が12A/cm2以下の極めて低い値を示したのに対し
て、除算値αが2.2以上の実施例53〜58の超電導
線材は臨界電流密度Jcが150〜290A/cm2の極
めて高い値を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1の超電導線材の斜視図。 (b)その断面図。
【図2】(a)本発明の第2の超電導線材の斜視図。 (b)その断面図。
【図3】(a)本発明の第3の超電導線材の斜視図。 (b)その断面図。
【図4】(a)本発明の第4の超電導線材の斜視図。 (b)その断面図。
【図5】(a)本発明の第5の超電導線材の斜視図。 (b)その断面図。
【図6】本発明の多芯構造の超電導線材を模式的に示す
断面図。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60 超電導線材 11 線状体 12 外皮 13 Ag−Hgアマルガム層 14 Au−Hgアマルガム層 15 Au−Hg金属間化合物層 16 セレン化水銀層又はテルル化水銀層 17 Ag層又はAgを主成分とする層 18 Au層又はAuを主成分とする層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物超電導材料からなる1本又は2本
    以上の線状体(11)と、前記線状体(11)を被覆したAg又
    はCuからなる外皮(12)とを備えた超電導線材(10)であ
    って、 前記酸化物超電導材料がHgBa2Ca2Cu38+y(以
    下、Hg1223系という)からなり、前記外皮(12)の
    内部で前記線状体(11)がAg−Hgアマルガム層(13)又
    はAu−Hgアマルガム層(14)とAu−Hg金属間化合
    物層(15)により包囲されたことを特徴とする超電導線
    材。
  2. 【請求項2】 外皮(12)の内部でAg−Hgアマルガム
    層(13)がセレン化水銀層又はテルル化水銀層(16)により
    包囲された請求項1記載の超電導線材。
  3. 【請求項3】 外皮(12)の内部でAg−Hgアマルガム
    層(13)がAg層又はAgを主成分とする層(17)により包
    囲された請求項1記載の超電導線材。
  4. 【請求項4】 外皮(12)の内部でAu−Hg金属間化合
    物層(15)がAu層又はAuを主成分とする層(18)により
    包囲された請求項1記載の超電導線材。
  5. 【請求項5】 Ag又はCuからなる外パイプの中に前
    記外パイプより小径の貴金属からなる1本又は2本以上
    の内パイプを挿入し、前記内パイプの中に前記内パイプ
    の挿入前又は挿入後に酸化物超電導体粉末を充填し、前
    記粉末を充填した内パイプと外パイプを等方的に縮径
    し、熱処理する超電導線材の製造方法であって、 前記酸化物超電導体粉末がHg1223系の超電導化合
    物の化学量論量より過剰なHgを含むHg1+xBa2Ca
    2Cu38+yからなり、前記内パイプがAg又はその合
    金からなり、前記熱処理が300〜400℃で行われる
    ことを特徴とする超電導線材の製造方法。
  6. 【請求項6】 内パイプの断面積を酸化物超電導体粉末
    が充填される断面積で除算した値が少なくとも2である
    請求項5記載の超電導線材の製造方法。
  7. 【請求項7】 外パイプに挿入する前に内パイプの外周
    面に金属Se又は金属Teが被着される請求項5記載の
    超電導線材の製造方法。
  8. 【請求項8】 縮径と熱処理を繰返し行う請求項5記載
    の超電導線材の製造方法。
  9. 【請求項9】 Ag又はCuからなる外パイプの中に前
    記外パイプより小径の貴金属からなる1本又は2本以上
    の内パイプを挿入し、前記内パイプの中に前記内パイプ
    の挿入前又は挿入後に酸化物超電導体粉末を充填し、前
    記粉末を充填した内パイプと外パイプを等方的に縮径
    し、熱処理する超電導線材の製造方法であって、 前記酸化物超電導体粉末がHg1223系の超電導化合
    物の化学量論量より過剰なHgを含むHg1+xBa2Ca
    2Cu38+yからなり、前記内パイプがAu又はその合
    金からなり、前記熱処理が300〜400℃で行われる
    ことを特徴とする超電導線材の製造方法。
  10. 【請求項10】 内パイプの断面積を酸化物超電導体粉
    末が充填される断面積で除算した値が少なくとも2であ
    る請求項5記載の超電導線材の製造方法。
  11. 【請求項11】 縮径と熱処理を繰返し行う請求項9記
    載の超電導線材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997034328A3 (en) * 1996-03-13 1997-12-11 Ind Res Ltd Separated reactants processing of high tc superconductors

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