JPH07114660A - 硬貨処理装置 - Google Patents

硬貨処理装置

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JPH07114660A
JPH07114660A JP6133257A JP13325794A JPH07114660A JP H07114660 A JPH07114660 A JP H07114660A JP 6133257 A JP6133257 A JP 6133257A JP 13325794 A JP13325794 A JP 13325794A JP H07114660 A JPH07114660 A JP H07114660A
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Mitsugi Mikami
貢 三上
Masanori Tanaka
正則 田中
Ryoji Yamagishi
良治 山岸
Kenji Nakajima
賢治 中島
Kenji Kawamura
健志 河村
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  • Control Of Vending Devices And Auxiliary Devices For Vending Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】構造が簡単で、しかも装置の小型化を図った硬
貨処理装置を提供する。 【構成】硬貨処理装置は、オーバーフロー検出手段によ
り硬貨収容部内に蓄積収容された硬貨の収容枚数が一定
枚数以上に達したことを検知した際は、硬貨振分けレバ
ー81を作動させ、一定枚数に達した金種の硬貨を硬貨
収容部側へ案内することなく金庫側へ案内させ、またコ
イルセンサ24により複数種類の硬貨のうちの最高額の
硬貨Eが投入されたことを判別した際も、硬貨振分けレ
バー81を作動させ、該最高額の硬貨Eを硬貨収容部側
へ案内することなく前記金庫側へ案内するようにしたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動販売機、両替機、
サービス機器等に使用され、投入硬貨を金種別に選別収
容するとともに、選別収容された硬貨を釣銭として払い
出す硬貨処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動販売機、両替機、サービス機器等に
は、従来から投入硬貨を金種別に選別収容するととも
に、この選別収容された硬貨を釣銭として払い出す硬貨
処理装置が装着されている。
【0003】この硬貨処理装置は大別すると次の3つの
部分から構成されている。
【0004】その第1は硬貨処理装置の筐体を構成する
装置本体であり、この装置本体の最下部には釣銭を払い
出す硬貨払出部が配設されている。
【0005】第2は、上述した硬貨払出部の直上に配設
され、選別された硬貨を金種別に収容する硬貨収容部で
ある。なお、この硬貨収容部は複数のコインチューブか
ら構成されており、この硬貨収容部は上述した硬貨処理
装置の装置本体に対し着脱自在に装着されている。
【0006】そして、第3は、上述した硬貨収容部の直
上に配設され、投入硬貨の正偽と正貨を金種別に選別す
る硬貨選別部である。
【0007】このような構成の硬貨処理装置では、投入
硬貨は最初に硬貨選別部に入り、そこで硬貨の正偽と正
貨の金種別選別とが行われ、このうち正貨は金種別に硬
貨収容部内に選別収容され、さらに釣銭の金種が特定さ
れると、最下部に配設された硬貨払出部により硬貨収容
部内に収容された硬貨が、釣銭の金額に応じて選択され
払い出される。
【0008】一方、上述した従来の硬貨処理装置では、
硬貨収容部に蓄積収容された硬貨が一定枚数以上に達し
たか否かを検出し、オーバーフローした金種の硬貨を金
庫側へ導くオーバーフロー検出案内手段が配設されてい
る。
【0009】このオーバーフロー検出案内手段は、従来
は硬貨収容部の上部に配設されたブロックアウトレバー
と、このブロックアウトレバーにより進路が変更された
硬貨を金庫側に導く硬貨通路とから構成されている。
【0010】そして、このオーバーフロー検出案内手段
によると、硬貨収容部内に収容された硬貨の枚数が一定
枚数に達すると、つぎに収容される硬貨の重量によりブ
ロックアウトレバーを一方向に回転させ、それにより以
降に収容される硬貨を硬貨収容部の背面に形成された硬
貨通路へ案内し、これによりオーバーフローした金種の
硬貨を金庫側へ案内するようにしている。
【0011】また従来の硬貨処理装置では、選別する硬
貨の金種が増えると、その増大した金種の分だけ硬貨収
容部のコインチューブの数を増やし、また硬貨選別部に
あっては、増大した金種に対応する数だけ選別硬貨を案
内する硬貨通路の数を増大させるようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のブロックアウトレバー形式のオーバーフロー検出案
内手段を採用した硬貨処理装置では、ブロックアウトレ
バーの構造そのものが複雑であるばかりでなく、オーバ
ーフローした硬貨を金庫側に導くために硬貨収容部の背
面に新たに硬貨通路を形成しなければならず、そのため
硬貨処理装置が厚くなり、大型化する難点があった。
【0013】さらに、従来の硬貨処理装置では、選別す
る硬貨の金種が増えると、その増大した金種の分だけ硬
貨収容部のコインチューブの数を増し、また硬貨選別部
にあっては、増大した金種に対応する数だけ選別硬貨を
案内する硬貨通路の数を増大させる構成であるため、構
造全体が複雑となるばかりでなく、硬貨処理装置が大型
化する難点があった。
【0014】なお、近年路上等にはみだして自動販売機
等の機器が設置されることのないようこれらの機器の薄
型化が求められており、この内部に配設される硬貨処理
装置においても同様にその薄型化(小型化)が強く求め
られている。
【0015】この発明は上述した事情に鑑み、構造が簡
単で、しかも装置の小型化を図った硬貨処理装置を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した、目的を達成す
るため、この発明の第1の硬貨処理装置では、投入硬貨
の正偽と、正貨の金種とを判別し、偽貨を所定の硬貨通
路へ、また正貨を金種毎に格別の硬貨通路へそれぞれ振
り分け案内する硬貨選別部と、この硬貨選別部により選
別された硬貨を金種毎に蓄積収容する硬貨収容部とを少
なくとも有する硬貨処理装置において、前記硬貨選別部
に、投入された硬貨を金庫側へ案内する硬貨振分けレバ
ーを配設するとともに、前記硬貨収容部内に蓄積収容さ
れた硬貨の収容枚数が各金種毎に一定枚数以上に達した
か否かを検出するオーバーフロー検出手段を配設し、前
記オーバーフロー検出手段により前記硬貨収容部内に蓄
積収容された硬貨の収容枚数が一定枚数以上に達したこ
とを検知した際は、前記硬貨振分けレバーを作動させ、
該一定枚数に達した金種の硬貨を前記硬貨収容部へ案内
することなく金庫側へ案内させるようにしている。
【0017】またこの発明の第2の硬貨処理装置では、
複数種類の硬貨の正偽を判別するコイルセンサの判別信
号に基づき偽貨を所定の硬貨通路へ、また正貨を金種毎
に格別の硬貨通路へそれぞれ振り分け案内する硬貨選別
部と、この硬貨選別部により選別された硬貨を金種毎に
蓄積収容する硬貨収容部とを少なくとも有する硬貨処理
装置において、前記硬貨選別部に、投入された硬貨を金
庫側へ案内する硬貨振分けレバーを配設し、前記コイル
センサにより前記複数種類の硬貨のうちの最高額の硬貨
が投入されたことを判別した際は、前記硬貨振分けレバ
ーを作動させ、該最高額の硬貨を前記硬貨収容部側へ案
内することなく前記金庫側へ案内するようにしている。
【0018】また、この発明の第3の硬貨処理装置で
は、複数種類の硬貨の正偽を判別するコイルセンサの判
別信号に基づき偽貨を所定の硬貨通路へ、また正貨を金
種毎に格別の硬貨通路へそれぞれ振り分け案内する硬貨
選別部と、この硬貨選別部により選別された硬貨を金種
毎に蓄積収容する硬貨収容部とを少なくとも有する硬貨
処理装置において、前記硬貨選別部に、投入された硬貨
を金庫側へ案内する硬貨振分けレバーを配設するととも
に、前記硬貨収容部内に蓄積収容された硬貨の収容枚数
が各金種毎に一定枚数以上に達したか否かを検出するオ
ーバーフロー検出手段を配設し、該オーバーフロー検出
手段により前記硬貨収容部内に蓄積収容された硬貨の収
容枚数が一定枚数以上に達したことを検知した際は、前
記硬貨振分けレバーを作動させ、該一定枚数に達した金
種の硬貨を前記硬貨収容部側へ案内することなく金庫側
へ案内させ、また前記コイルセンサにより前記複数種類
の硬貨のうちの最高額の硬貨が投入されたことを判別し
た際も、前記硬貨振分けレバーを作動させ、該最高額の
硬貨を前記硬貨収容部側へ案内することなく前記金庫側
へ案内するようにしている。
【0019】
【作用】上述した第1の硬貨処理装置によると、ブロッ
クアウトレバーを採用しないためその構造が簡単となる
とともに、硬貨収容部の背面に独立した硬貨通路をもう
ける必要が無くなるので硬貨処理装置の小型化が達成さ
れることとなる。
【0020】また第2の硬貨処理装置によると、選別硬
貨の金種が増えた場合であっても、硬貨選別部に増えた
金種に対応して新たな硬貨選別通路を設ける必要がな
く、また硬貨収容部においても、増大した金種に対応し
てコインチューブの数を増す必要がないのでその大型化
が避けられることとなる。
【0021】また第3の硬貨処理装置によると、ブロッ
クアウトレバーを採用せず、また硬貨収容部の背面に独
立した硬貨通路をもうける必要が無くなるとともに、選
別硬貨の金種が増えた場合であっても、硬貨選別部に増
えた金種に対応して新たな硬貨選別通路を設ける必要が
なく、また硬貨収容部においても、増大した金種に対応
してコインチューブの数を増す必要がないので、その構
造が簡単となるとともに、硬貨処理装置の小型化が達成
されることとなる。
【0022】
【実施例】以下、この発明に係わる硬貨処理装置の一実
施例を詳述する。
【0023】図2はこの発明に係わる硬貨処理装置10
の概念斜視図である。
【0024】この硬貨処理装置10も、従来と同様に大
別すると次の3つの部分から構成されている。
【0025】その第1は硬貨処理装置10の筐体を構成
する装置本体11であり、この装置本体11の最下部に
は釣銭を払い出す硬貨払出部12が配設されている。
【0026】第2は硬貨払出部12の直上に配設され、
選別された硬貨を金種別に収容する硬貨収容部13であ
る。なお、この硬貨収容部13も従来と同様に複数のコ
インチューブから構成されており装置本体11に対し着
脱自在に装着されている。
【0027】そして、第3は前記硬貨収容部13の直上
に配設され、投入硬貨の正偽と正貨を金種別に選別する
硬貨選別部14である。なお、この硬貨選別部14も従
来と同様に装置本体11に対し着脱自在に装着されてい
る。
【0028】なお、図2で符号15は、特に使用頻度の
高い硬貨を予め収容しておく補助チューブである。
【0029】一方、この装置本体11内から硬貨選別部
14を取り外した状態を示す図1の概念斜視図で示すよ
うに、この硬貨選別部14には、その右肩にスイッチボ
ックス16が一体形成され、このスイッチボックス16
内には、硬貨収容部13内に収容された硬貨を金種毎に
強制的に払出す等の指示を与える制御スイッチ群17
(いわゆるインベントリースイッチ群)が配設されてい
る。
【0030】またこの硬貨選別部14の背面側に形成さ
れたボックス内には、硬貨払出部12や硬貨選別部14
の内部に配設された各種の電子機器の駆動を制御するた
めの電子部品(CPU等)を搭載した制御ボード18が
密封収容されている。
【0031】なお、このような硬貨選別部14を図2で
示すように、装置本体11内に装着すると、装置本体1
1の背面内側に配設されたコネクタ(図示せず)と硬貨
選別部14の背面に配設されたコネクタ(図示せず)と
が連結し、ケーブル19を介し供給される各種の信号線
や電力供給線と制御ボード18(図1)とが電気的に接
続されることとなる。
【0032】従って、上述した硬貨処理装置10による
と、当該硬貨処理装置10内に配設された各種の電子機
器の駆動を制御する制御ボード18が、装置本体11に
対し着脱自在に装着された硬貨選別部14内に配設され
ているので、制御ボード18の保守点検作業を行う際
は、硬貨選別部14を装置本体11から取り外す簡単な
作業によって制御ボード18を硬貨選別部14から取り
出し、その調整作業を容易に行うことができることとな
る。一方、この硬貨処理装置10では、当該硬貨処理装
置10上に落下し、あるいはその内部に進入した液物
(洗剤等の液体)に対する被害を避けるため、硬貨処理
装置10上に落下した液物を迅速にその外部へ排出する
ための液物排出手段が各構成部分に形成されている。
【0033】次に上述した硬貨処理装置10の各部に形
成された液物排出手段について詳述する。
【0034】まず第1に硬貨選別部14に形成された液
物排出手段(第4の液物排出手段)について詳述する。
【0035】図3は硬貨選別部14の要部破断拡大図で
ある。
【0036】この硬貨選別部14には、メインプレート
20の上部と、ゲートプレート21との間に硬貨投入口
22が形成されている。そして、この硬貨投入口22の
略垂直下方には、この硬貨投入口22の下端に連通し、
当該硬貨投入口22から投入された硬貨を図面の右方向
に転動させる傾斜した第1の硬貨通路23が形成されて
いる。そしてこの第1の硬貨通路23の途中には、投入
された硬貨が通過する間に投入硬貨の正偽、及び正貨と
見なされた硬貨の金種とを判別するコイルセンサ24が
配設されている。なお、このコイルセンサ24は投入さ
れた硬貨が通過し得るように、所定間隔を設けて相対向
するように配設された図示せぬ発振コイルと受信コイル
とから構成されている。
【0037】一方、図3で示す前記硬貨投入口22の一
方を形成するメインプレート20には硬貨投入口22内
に投入された液物を案内する複数本の液物案内溝25が
形成されている。
【0038】この案内溝25は硬貨投入口22の壁面に
沿うメインプレート20に所定のピッチで立設され、し
かも傾斜して形成された複数のフィン26と、この複数
のフィン26の下面から所定のピッチで垂直下方に延出
された複数の堰27とから構成されている。
【0039】また、硬貨投入口22の他方を形成するゲ
ートプレート21の壁面には、当該ゲートプレート21
の要部背面図で示す図4のように、前記メインプレート
20に形成された案内溝25(図3)と対向するように
他方の案内溝28が形成されている。なお、このゲート
プレート21に形成された案内溝28は、硬貨投入口2
2の垂直下方に沿って形成された複数のフイン29と該
複数のフィン29間に傾斜して形成さた複数の堰30と
により構成されている。
【0040】なお図4で符号31はゲートプレート21
に固着され、前記第1の硬貨通路23の一部を構成する
ゲートレールで、このゲートレール31にも、落下する
液物を下方へ案内するスリット32が複数形成されてい
る。
【0041】一方、図3で示すようにメインプレート2
0の下部にはシュート33が形成されており、このシュ
ート33には複数の長孔34が形成されている。またこ
のシュート33の下端には垂直下方へ垂れ下がるように
複数の突起35が形成され、この複数の突起35の先端
は、硬貨投入口22の下方に形成されたボックス形状の
液物捕集部36内に臨むように延設されている。
【0042】この液物捕集部36は図3のAA要部拡大
断面図で示す図5のように上面が開口したボックス37
により構成されており、その左側(図3)には捕集した
液物を排出する断面矩形状のパイプ38が形成されてい
る。
【0043】そして、このパイプ38は図2で示すよう
に装置本体11の左側面に形成された切り欠孔11aを
介し装置本体11の外部へ露出している。なお、このパ
イプ38の下流端は装置本体11の左側面に配設された
液物排出チューブ39の上流端と連通している。
【0044】上述した硬貨選別部14に形成された液物
排出手段(第4の液物排出手段)によると、図5で示す
ように、硬貨投入口22内に洗剤等の液物(矢印)が流
し込まれると、この液物はメインプレート20とゲート
プレート21に形成された液物案内溝25、28間に沿
って案内され、硬貨投入口22の下方へ落下する。その
際、液物の流れはメインプレート20及びゲートプレー
ト21に形成された前記各堰27、30によって塞き止
められつつ下方へ落下し、急激に下方へ落下することは
ない。
【0045】一方、メインプレート20とゲートプレー
ト21とに形成された各液物案内溝25、28間を通過
した液物はシュート33の長孔34及び突起35を介し
て落下し、液物捕集部36を構成するボックス37内に
捕集される。
【0046】なお、液物捕集部36を構成するボックス
37内に落下する液物は上述したように堰27、30に
よって塞き止められつつ下方へ落下するので、急激に大
量の液物がボックス37内に落下することはなく、従っ
て捕集された液物がボックス37内からオーバーフロー
し、その周囲に付着することはない。
【0047】なお、ボックス37内に落下した液物は図
3の矢印で示すようにパイプ38を介し左側方に案内さ
れ、さらにパイプ38を介し案内された液物は、図2で
示すようにパイプ38と連通する液物排出チューブ39
の上流端に案内され、さらにこの液物排出チューブ39
を介し矢印の如く装置本体11の外部へ迅速に排出され
る。
【0048】従って上述した構成の硬貨選別部14によ
ると、仮に洗剤等の粘着質な液物が硬貨投入口22から
流し込まれても、その液物は硬貨投入口22の下端から
迅速に硬貨処理装置10を構成する装置本体11の外部
へ排出されることとなり、このため洗剤等の粘着質な液
物が硬貨選別部14の硬貨通路下流に配設された各種の
選別機器等に付着し、その機能を低下させる虞を可及的
に低減させることができることとなる。
【0049】なお、上記実施例では、硬貨投入口22内
から落下した液物を排出する液物排出手段(第4の液物
排出手段)について詳述したが、この発明の硬貨処理装
置10では、それ以外の部分に落下した液物を排出する
液物排出手段も同様に形成されている。
【0050】次に、上述した硬貨選別部14の硬貨投入
口22以外の部分に落下した液物を排出する液物排出手
段について詳述する。
【0051】図6及び図7は、前記硬貨選別部14の詳
細正面図及び背面図で図1と同一部分を同一符号で示す
とともに、この硬貨選別部14の外面に形成された液物
排出手段(第2の液物排出手段)を詳細に示したもので
ある。
【0052】図7で示すように、硬貨選別部14の背面
は着脱自在なリヤカバー40で覆われている(なお、こ
のリヤカバー40を取外すと図1に示す制御ボード18
が露出する)。
【0053】このリヤカバー40には、その表面に3本
の堰41、42、43が突設され、この3本の堰41、
42、43によって硬貨選別部14の上面14aに落下
した液物を案内する液物案内溝44、45、46、47
を形成している。
【0054】なお硬貨選別部14の上面14aは、当該
硬貨選別部14の背面側へ向け傾斜するように形成され
ている。
【0055】このような傾斜した上面14aと案内溝4
4、45、46、47とによると、図1に示す硬貨選別
部14の上面14aに落下した液物(矢印)は硬貨選別
部14の側方と背面側へ流れるが、このうち、硬貨選別
部14の側方へ流れた液物は、図1及び図7で示すよう
に、案内溝44、45、46を介し、図7で示す硬貨選
別部14の背面右側へ案内される。
【0056】また図1の矢印で示すように硬貨選別部1
4の背面側に流れた液物は、図7の矢印で示すように案
内溝47、46を介し、これも図7で示す硬貨選別部1
4の背面右側へ案内される。
【0057】そして、図7で示す硬貨選別部14の背面
右側へ案内された液物は、後述する装置本体11内に形
成された液物捕集部内に落下し、しかる後、図1で示す
装置本体11の左側方に形成された孔11bとこの孔1
1bに連設した溝11cとを介し装置本体11の外部へ
迅速に排出される。
【0058】従って上述した第2の液物排出手段による
と、仮に洗剤等の粘着質な液物が硬貨選別部14の上面
14aに落下しても、その液物は硬貨選別部14の背面
を覆うリヤカバー40に形成された傾斜した上面14a
と案内溝44、45、46、47とを介し装置本体11
の外部へ排出されるので、硬貨選別部14の上面14a
に落下した液物が硬貨選別部14内に侵入し、各種の選
別機器等に付着して、その機能を低下させることはな
い。
【0059】次に、図1の矢印で示すように装置本体1
1の上面50に落下した液物を排出する液物排出手段
(第1の液物排出手段)について詳述する。
【0060】この硬貨処理装置10の装置本体11の上
面50には、その周縁に沿って凹部51が形成されてい
る。また、この凹部51の底面は装置本体11の背面5
2側へ向け傾斜するように形成され、またその背面52
側の中央部には切り欠53が前記凹部51内と連通する
ように形成されている。
【0061】従って、装置本体11の上面50に落下し
た液物は、凹部51により装置本体11の背面52側に
案内され、さらに切り欠53を介し背面52の下方へ落
下する。
【0062】一方、装置本体11の背面には、図8及び
図8の一部破断拡大上面図で示す図9のように複数本の
溝54からなる第1の液物案内溝55が形成されてい
る。この液物案内溝55は図8で示すように、上流端が
前記切り欠53に臨み、途中で右側に折れ曲がり、その
まま下流端が装置本体11の右側縁に沿って下方へ延出
するように形成されている。
【0063】また、前記第1の液物案内溝55の途中に
は、装置本体11の背面途中から右方向に横切って形成
された、これも複数本の溝56からなる第2の液物案内
溝57が交わっている。
【0064】従って、上述した凹部51と第1及び第2
の液物案内溝55、57とからなる第1の液物排出手段
によると、装置本体11の上面50に落下した液物は、
凹部51と、この凹部51に連通する第1の液物案内溝
55を介し装置本体11の背面右側へ案内され、さらに
下方に落下して装置本体11の外部へ迅速に排出され
る。
【0065】また図8で示すように、第1の液物案内溝
55からオーバーフローした液物(矢印)は、装置本体
11の背面途中から右方向に横切って形成された第2の
液物案内溝57により捕集され、これも同様に装置本体
11の背面右側へ案内されて落下し、装置本体11の外
部へ迅速に排出されることとなる。
【0066】一方、図1で示すように装置本体11の上
面50に落下した液物のうち、ケーブル19が露出する
周辺に落下した液物は、このケーブル19を伝わって下
方へ落下するので、このケーブル19を伝わって下方へ
落下する液物を排出するため、この発明の硬貨処理装置
10では以下に詳述するような液物排出手段(第3の液
物排出手段)が形成されている。
【0067】図10は図8のBB要部断面図である。
【0068】この図10で示すように、ケーブル19
は、装置本体11と一体に形成された複数の取付リブ6
0によって、装置本体11の内側から装置本体11の背
面52側へ向けて密着するように取り付けられている。
【0069】一方、ケーブル19が密着する装置本体1
1の背面52には、図8で示すようにケーブル19の延
出方向に沿って、複数個の液物排出孔61が形成されて
いる。 この複数個の液物排出孔61は図10で示すよ
うにそれぞれケーブル19の表面に臨んで開口し、その
底面61aは装置本体11の背面52側へ向けて傾斜す
るように形成されている。
【0070】また図8で示すようにケーブル19の延設
方向に沿って形成された複数の液物排出孔61のうち、
最上部の液物排出孔61を除く各液物排出孔61は、前
記第1の液物案内溝55の下流に臨んで開口している。
【0071】従って、上述した液物排出手段によると、
図10で示すように、ケーブル19を伝わって下方に落
下する液物(矢印)の一部は、液物排出孔61を介し装
置本体11の背面52に排出され、さらに図8で示す第
1の液物案内溝55を介して装置本体11の外部へ迅速
に排出される。
【0072】一方、ケーブル19の下流端は、図2のC
C概念断面図で示す図11のように、ピン62によって
L字形状に折り曲げられているが、その折り曲げ部19
aの下方にはボックス63によって構成された液物捕集
部64が装置本体11と一体に形成されている。またこ
の液物捕集部64であるボックス63の左端は、図2で
示す装置本体11の左側面下方に形成された前記孔11
bに連通している。
【0073】よって上述した第3の液物排出手段による
と、図11で示すようにケーブル19を伝わって下方に
落下する液物(矢印)は液物捕集部64であるボックス
63に捕集され、さらに装置本体11の左側面下方に形
成された孔11bと、この孔11bに連設された溝11
cとを介して装置本体11の外部へ迅速に排出されるこ
ととなる。
【0074】なお、図7で示した第2の液物排出手段の
案内溝44、45、46、47を介し硬貨選別部14の
背面右側へ案内された液物も、図11の矢印で示すよう
に、液物捕集部64であるボックス63内に落下し、次
に孔11bと、この孔11bに連設された液物案内溝1
1cとを介して装置本体11の外部へ迅速に排出される
こととなる。
【0075】従って、上述した第1乃至第4の各液物排
出手段によると、実施例の硬貨処理装置10では、その
上面に落下した液物は、全て第1乃至第4の各液物排出
手段を介し硬貨処理装置10の外部に迅速に排出される
こととなり、このため液物が硬貨処理装置10内に侵入
して各電子機器に付着し、そして各電子機器の作動を不
良ならしめる等の弊害が可及的に除去されることとな
る。
【0076】次に、上述した硬貨処理装置10を構成す
る本願発明に係わる硬貨選別部14の選別機構を詳述す
る。
【0077】図12は、硬貨選別部14の硬貨選別機能
を簡単に説明するための概念正面図で図3と同一部分を
同一符号で示してある。なお、この図12では図3乃至
図5に示した硬貨選別部14の液物排出手段の記載は省
略している。
【0078】この硬貨選別部14は、基本的に互いに相
異なる4種類の硬貨(正貨)A、B、C、Dと偽貨の選
別を行うものである。
【0079】この硬貨選別部14の硬貨投入口22の直
下には図面の右方向に傾斜した第1の硬貨通路23が形
成され、その途中には硬貨の正偽と正貨の金種とを判別
するコイルセンサ24が配設されている。
【0080】一方、この第1の硬貨通路23の終端に
は、該第1の硬貨通路23から転送された硬貨を正偽貨
に振分け、正貨と偽貨とを格別の硬貨通路へ案内する第
1の硬貨振分けレバー70が配設されている。なお、こ
の第1の硬貨振分レバー70は下端の軸70aを中心に
上端が図面に対し垂直方向に開閉するタイプの硬貨振分
レバーである。
【0081】そしてこの第1の硬貨振分レバー70によ
り、前記第1の硬貨通路23の終端は、投入された硬貨
のうち偽貨のみを案内する第2の硬貨通路71と正貨の
硬貨グループのみを案内する第3の硬貨通路72とに分
岐されている。
【0082】一方、前記第3の硬貨通路72の下流端に
は、該第3の硬貨通路72内に転送された正貨の硬貨グ
ループ、即ちA、B、C、Dの4種類の正貨のうち、硬
貨A、Bのグループと、硬貨C、Dのグループとに振分
ける第2の硬貨振分レバー73が配設されている。そし
て、この第2の硬貨振分レバー73により前記第3の硬
貨通路72は硬貨グループA、Bのみを案内する図面の
左側へ傾斜した第4の硬貨通路74と、硬貨グループ
C、Dのみを案内する第5の硬貨通路75とに分岐して
いる。
【0083】なお、上述した第2の硬貨振分レバー73
は図12で示す如く全体として正面形状が略L字形状に
形成されている。この第2の硬貨振分レバー73は、そ
の要部斜視図で示す図13のように、メインプレート2
0から突出した際に第4の硬貨通路74を開放し、また
図14で示すようにメインプレート20側に吸引された
際に第4の硬貨通路74を閉塞する第1のゲート73a
と、図13で示すように、メインプレート20から突出
した際に第5の硬貨通路75を閉塞し、また図14で示
すようにメインプレート20側に吸引された際に第5の
硬貨通路75を開放する第2のゲート73bとから構成
されている。
【0084】このような、第2の硬貨振分レバー73に
よると、当該第2の硬貨振分レバー73が図15で示す
ようにメインプレート20から突出すると、第4の硬貨
通路74が開放され、かつ第5の硬貨通路75が閉塞す
るので、硬貨グループA、Bのみが図面の左側へ傾斜し
た第4の硬貨通路74へ案内される。
【0085】また、第2の硬貨振分レバー73が図16
で示すようにメインプレート20側に吸引されると第4
の硬貨通路74が閉塞され、かつ第5の硬貨通路75が
開放されるので、硬貨グループC、Dのみが下方の第5
の硬貨通路75へ案内されることとなる。
【0086】一方、図12で示すように、前記第4の硬
貨通路74の下流端には、該第4の硬貨通路74内に転
送された硬貨グループA、Bを硬貨Aと硬貨Bとに振り
分ける第3の硬貨振分レバー76が配設されている。そ
して、この第3の硬貨振分レバー76により前記第4の
硬貨通路74は硬貨Aのみを案内する第6の硬貨通路7
7と、硬貨Bのみを案内する第7の硬貨通路78とに分
岐している。なお、この第3の硬貨振分レバー76は左
端の軸76aを中心に右端76bが図面に対し垂直方向
に開閉するタイプの硬貨振分レバーである。
【0087】一方、図12で示すように、前記第5の硬
貨通路75の下流端には、メインプレート20の背面側
に形成され、図示せぬ金庫側へ通ずる第8の硬貨通路7
9と第5の硬貨通路75下流の第9の硬貨通路80とに
振り分ける本願発明に係わる第4の硬貨振分レバー81
が配設されている。
【0088】そして、この本願発明に係わる第4の硬貨
振分レバー81により、後述する硬貨収容部に蓄積され
た特定金種の硬貨がオーバーフローした際は、そのオー
バーフローした金種の硬貨を前記金庫側へ通じる第8の
硬貨通路79へ振分案内するとともに、硬貨収容部に蓄
積された硬貨がオーバーフローしない通常時には、第5
の硬貨通路75を通過した硬貨グループC、Dを第9の
硬貨通路80へ振分案内する。なお、この第4の硬貨振
分レバー81も下端の軸81aを中心に上端が図面に対
し垂直方向に開閉するタイプの硬貨振分レバーである。
【0089】一方、上述した第4の硬貨振分レバー81
と前記第3の硬貨振分レバー76は一つのソレノイドプ
ランジャにより連動して駆動される。
【0090】図17は第4の硬貨振分レバー81と前記
第3の硬貨振分レバー76とを連動させる連動装置90
の概念斜視図で、図12と同一部分を同一符号で示す。
【0091】この連動装置90は、第3の硬貨振分レバ
ー76の先端部に固着されたピン91と、第4の硬貨振
分レバー81の軸81aにアーム92を介して固着され
たピン93と、この各ピン91、93に係合する凹部9
4、95を有するL字形状のスライダ96とからなるリ
ンク機構により構成されている。
【0092】このようなリンク機構からなる連動装置9
0によると、スライダ96の背面96aに配設された図
示せぬソレノイドプランジャを介して、スライダ96を
矢印で示す方向に往復運動させると、第4の硬貨振分レ
バー81と前記第3の硬貨振分レバー76とが連動し、
それぞれ軸76a、81aを中心に所定の回転角度回動
する。
【0093】即ち、スライダ96を矢印左側方向へ移動
させると、第3の硬貨振分レバー76は軸76aを中心
に反時計方向へ回動し、また第4の硬貨振分レバー81
は軸81aを中心に時計方向に回動する。
【0094】このように、第3の硬貨振分レバー76が
軸76aを中心に反時計方向へ回動し、また第4の硬貨
振分レバー81が軸81aを中心に時計方向に回動する
と、第3の硬貨振分レバー76により図12で示す第6
の硬貨通路77が閉塞されて、第7の硬貨通路78が開
放されることとなり、また第4の硬貨振分レバー81に
より第8の硬貨通路79が閉塞されて第9の硬貨通路8
0が開放されることとなる。
【0095】一方、スライダ96を図17で示すよう
に、矢印右側方向へ移動させると、第3の硬貨振分レバ
ー76は軸76aを中心に時計方向へ回動し、また第4
の硬貨振分レバー81は軸81aを中心に反時計方向に
回動する。
【0096】このように、第3の硬貨振分レバー76が
軸76aを中心に時計方向へ回動し、また第4の硬貨振
分レバー81が軸81aを中心に反時計方向に回動する
と、第3の硬貨振分レバー76により図12で示す第6
の硬貨通路77が開放されて、第7の硬貨通路78が閉
塞されることとなり、また第4の硬貨振分レバー81に
より第8の硬貨通路79が開放されて第9の硬貨通路8
0が閉塞されることとなる。
【0097】つまり、上述したリンク機構からなる連動
装置90によると、通常2つの硬貨振分レバーを駆動す
るためには2つのソレノイドプランジャが必要である
が、上述した連動装置90により、一つのソレノイドプ
ランジャにより2つの硬貨振分レバーを駆動させること
ができ、このため部品点数を削減させることができると
いう作用効果がある。
【0098】一方、図12で示すよう、第9の硬貨通路
80の下流端には、この第9の硬貨通路80に案内され
る硬貨グループC、Dを硬貨Dと硬貨Cとに振り分ける
第5の硬貨振分レバー100が配設されている。そし
て、この第5の硬貨振分レバー100により前記第9の
硬貨通路80は硬貨Cのみを案内する図面の左側へ傾斜
した第10の硬貨通路101と、メインプレート20の
背面側に形成された硬貨Dのみを案内する第11の硬貨
通路102とに分岐されている。
【0099】なお、上述した第1乃至第5の硬貨振分レ
バー(70、73、76、81、100)は、概念的に
はそれぞれ図18で示すように、ソレノイド104によ
り、スライダ105及びこのスライダ105に係合する
ピン106を介して開閉駆動されるが、実施例のスライ
ダ105は特に磁力により吸着される金属(例えば鉄
板)により構成されている。
【0100】このような鉄製のスライダ105による
と、ソレノイド104の消磁状態では、図18で示すよ
うにメインプレート20とスライダ105との間に配設
されたコイルスプリング107の付勢力F1と、ソレノ
イド104のプランジャ104aを常時は図面の左方向
へ付勢するコイルスプリング108の付勢力とが平衡し
て硬貨振分レバー109を図示の初期位置に停止させて
いるが、一方、ソレノイド104が励磁され、図19で
示すようにプランジャ104aを図面の右側へ吸引する
と、スライダ105はスプリング107の付勢力F1に
加え、当該鉄製のスライダ105を吸着するプランジャ
104aの磁力F3が加わるので瞬時に図面の右側へ移
動し、このため硬貨振分レバー109を軸109aを中
心に迅速に反時計方向へ回転駆動する。なお、図18、
19で硬貨振分レバー109は第1乃至第5の硬貨振分
レバー70、73、76、81、100を概念的に総称
したものである。
【0101】従って、上述した鉄製のスライダ105を
使用したものでは、硬貨振分レバーの作動時にソレノイ
ド104の磁力を、その作動力に加えることができるの
で硬貨振分レバーの駆動レスポンスを一層向上させるこ
とができるという作用効果を生ずる。なお、図18で示
す実施例ではスライダ105全体を磁力により吸着され
る金属(鉄板)により形成したが、スライダ105の略
全体をプラスチック等の合成樹脂(非磁性体)で形成
し、さらにプランジャ104aの先端部と対向する部分
のみ磁力により吸着される金属で構成するようにしても
よい。
【0102】次に、上述した本願発明に係わる硬貨選別
部14の硬貨選別動作を以下に詳述する。
【0103】図12と同一部分を同一符号で示す図20
のように、硬貨投入口22から投入された硬貨Gが、コ
イルセンサ24の検出信号に基づき偽貨と判定される
と、その判定信号に基づいて第1の硬貨振分レバー70
は第2の硬貨通路71を拡開して、同時に第3の硬貨通
路72の上流を閉塞する。すると、第1の硬貨通路23
内を転動する偽貨Gは第1の硬貨振分レバー70により
第2の硬貨通路71内に案内され、さらに、この第2の
硬貨通路71に連通する偽貨排出シュート120を介し
て図示せぬ硬貨返却口に返却される。
【0104】次に、図12と同一部分を同一符号で示す
図21のように、硬貨投入口22から硬貨が投入され、
その硬貨がコイルセンサ24の検出信号に基づき硬貨A
と判断されると、その判定信号に基づいて第1の硬貨振
分レバー70が作動し、第2の硬貨通路71の上流を閉
塞して第3の硬貨通路72の上流を拡開するとともに、
同時に第2の硬貨振分レバー73が作動し第5の硬貨通
路75の上流を閉塞して第4の硬貨通路74の上流を拡
開し、さらに、第3の硬貨振分レバー76が作動し第7
の硬貨通路78の上流を閉塞して第6の硬貨通路77の
上流を拡開する。 すると、図21の如く、第1の硬貨
通路23内を転動する硬貨Aは第1の硬貨振分レバー7
0により第3の硬貨通路72内に案内され、さらに第3
の硬貨通路72内に案内された硬貨Aは第2の硬貨振分
レバー73により傾斜した第4の硬貨通路74に案内さ
れ、さらにこの第4の硬貨通路74に案内された硬貨A
は第3の硬貨振分レバー76により第6の硬貨通路77
に案内され、その下方から落下して後述する硬貨収容部
13の硬貨A専用のコインチューブ内に蓄積収容される
こととなる。
【0105】次に、図12と同一部分を同一符号で示す
図22のように、硬貨投入口22から硬貨が投入され、
その硬貨がコイルセンサ24の検出信号に基づき硬貨B
と判断されると、その判定信号に基づいて第1の硬貨振
分レバー70が作動し、第2の硬貨通路71の上流を閉
塞して第3の硬貨通路72の上流を拡開するとともに、
同時に第2の硬貨振分レバー73が作動し第5の硬貨通
路75の上流を閉塞して第4の硬貨通路74の上流を拡
開し、さらに、第3の硬貨振分レバー76が作動し第7
の硬貨通路78の上流を開放して第6の硬貨通路77の
上流を閉塞する。 すると、図22の如く、第1の硬貨
通路23内を転動する硬貨Bは第1の硬貨振分レバー7
0により第3の硬貨通路72内に案内され、さらに第3
の硬貨通路72内に案内された硬貨Bは第2の硬貨振分
レバー73により傾斜した第4の硬貨通路74に案内さ
れ、さらにこの第4の硬貨通路74に案内された硬貨B
は第3の硬貨振分レバー76により第7の硬貨通路78
に案内され、その下方から落下して後述する硬貨収容部
13の硬貨B専用のコインチューブ内に蓄積収容される
こととなる。
【0106】次に、図12と同一部分を同一符号で示す
図23のように、硬貨投入口22から硬貨が投入され、
その硬貨がコイルセンサ24の検出信号に基づき硬貨C
と判断されると、その判定信号に基づいて第1の硬貨振
分レバー70が作動し、第2の硬貨通路71の上流を閉
塞して第3の硬貨通路72の上流を拡開するとともに、
同時に第2の硬貨振分レバー73が作動し第5の硬貨通
路75の上流を拡開して第4の硬貨通路74の上流を閉
塞し、さらに、同時に第4の硬貨振分レバー81が作動
し第9の硬貨通路80の上流を開放して第9の硬貨通路
79の上流を閉塞し、さらに、同時に第5の硬貨振分レ
バー100が作動し第10の硬貨通路101の上流を開
放して第11の硬貨通路102の上流を閉塞する。
【0107】すると、図23の如く、第1の硬貨通路2
3内を転動する硬貨Cは第1の硬貨振分レバー70によ
り第3の硬貨通路72内に案内され、さらに第3の硬貨
通路72内に案内された硬貨Cは第2の硬貨振分レバー
73により下方の第5の硬貨通路75に案内され、さら
にこの第5の硬貨通路75に案内された硬貨Cは第4の
硬貨振分レバー81により第9の硬貨通路80に案内さ
れ、さらにこの第9の硬貨通路80に案内された硬貨C
は第5の硬貨振分レバー100により第10の硬貨通路
101に案内され、さらにその下方から落下して後述す
る硬貨収容部13の硬貨C専用のコインチューブ内に蓄
積収容されることとなる。
【0108】次に、図12と同一部分を同一符号で示す
図24のように、硬貨投入口22から硬貨が投入され、
その硬貨がコイルセンサ24の検出信号に基づき硬貨D
と判断されると、その判定信号に基づいて第1の硬貨振
分レバー70が作動し、第2の硬貨通路71の上流を閉
塞して第3の硬貨通路72の上流を拡開するとともに、
同時に第2の硬貨振分レバー73が作動し第5の硬貨通
路75の上流を拡開して第4の硬貨通路74の上流を閉
塞し、さらに、同時に第4の硬貨振分レバー81が作動
し第9の硬貨通路80の上流を開放して第9の硬貨通路
79の上流を閉塞し、さらに、同時に第5の硬貨振分レ
バー100が作動し第10の硬貨通路101の上流を閉
塞して第11の硬貨通路102の上流を開放する。
【0109】すると、図24の如く、第1の硬貨通路2
3内を転動する硬貨Dは第1の硬貨振分レバー70によ
り第3の硬貨通路72内に案内され、さらに第3の硬貨
通路72内に案内された硬貨Dは第2の硬貨振分レバー
73により下方の第5の硬貨通路75に案内され、さら
にこの第5の硬貨通路75に案内された硬貨Dは第4の
硬貨振分レバー81により第9の硬貨通路80に案内さ
れ、さらにこの第9の硬貨通路80に案内された硬貨D
は第5の硬貨振分レバー100により第11の硬貨通路
102に案内され、さらにその下方から落下して後述す
る硬貨収容部13の硬貨D専用のコインチューブ内に蓄
積収容されることとなる。
【0110】なお、上述した硬貨選別部14の選別動作
により、各硬貨A、B、C、Dが選別されると、各硬貨
A、B、C、Dは後述する硬貨収容部13の各専用コイ
ンチューブ毎に順次蓄積収容されることとなる。
【0111】しかし、このコインチューブ内に蓄積され
る硬貨の枚数がその収容枚数を越えると、オーバーフロ
ーすることとなるので、この硬貨処理装置10では後述
する各専用コインチューブ毎に配設された本願発明に係
わるオーバーフロー検出手段により、硬貨収容部13の
各専用コインチューブ毎に、その収容された硬貨の枚数
が一定枚数に達するとそれを検知するようにしている。
【0112】そこで、仮に硬貨Bが硬貨収容部13の専
用コインチューブ内に蓄積収容され、その収容枚数が一
定枚数に達したとオーバーフロー検出手段により検出さ
れたと仮定すると、上述した硬貨選別部14は以下のよ
うな選別動作を行う。
【0113】図12と同一部分を同一符号で示す図25
のように、硬貨投入口22から硬貨が投入され、その硬
貨がコイルセンサ24の検出信号に基づき硬貨Bと判断
され、かつ後述するオーバーフロー検出手段により、硬
貨収容部13の各専用コインチューブ内に収容された硬
貨Bの枚数が一定枚数に達したことが検知されると、こ
れらの判定信号に基づいて第1の硬貨振分レバー70が
作動し、第2の硬貨通路71の上流を閉塞して第3の硬
貨通路72の上流を拡開するとともに、同時に第2の硬
貨振分レバー73が作動し第5の硬貨通路75の上流を
拡開して第4の硬貨通路74の上流を閉塞する。さら
に、同時に本願発明に係わる第4の硬貨振分レバー81
が作動し第9の硬貨通路80の上流を閉塞して第9の硬
貨通路79の上流を開放する。
【0114】すると、図25の如く、第1の硬貨通路2
3内を転動する硬貨Bは第1の硬貨振分レバー70によ
り第3の硬貨通路72内に案内され、さらに第3の硬貨
通路72内に案内された硬貨Bは第2の硬貨振分レバー
73により下方の第5の硬貨通路75に案内される。さ
らにこの第5の硬貨通路75に案内された硬貨Bは第4
の硬貨振分レバー81により第8の硬貨通路79に案内
され、さらにこの第8の硬貨通路79に案内された硬貨
Bは下方に落下し、さらにこの第8の硬貨通路79に連
通するシュート(図1の符号66)を介し処理装置10
下方の図示せぬ金庫内に収容される。
【0115】なお、上述したオーバーフロー時における
硬貨選別部14の硬貨選別処理は硬貨Bにかかわらず、
オーバーフロー検出センサにより一定枚数に達した他の
全ての硬貨に対しても同様に行われる。
【0116】つまり、この発明に係わる硬貨処理装置1
0では、硬貨収容部13内に蓄積収容された硬貨のうち
のいずれの硬貨であっても、その収容枚数が一定以上に
達すると、その硬貨は硬貨収容部13内に収容されるこ
となく、本願発明に係わる第4の硬貨振分レバー81に
より第8の硬貨通路79に案内され金庫内に収容される
こととなる。
【0117】なお、上記実施例では、硬貨収容部13内
からオーバーフローした硬貨を全て第4の硬貨振分レバ
ー81により第8の硬貨通路79に案内し金庫内に収容
するようにしたが、この第4の硬貨振分レバー81によ
る硬貨振分動作は硬貨のオーバーフロー処理だけでな
く、選別金種の増大に対応させることができる。
【0118】即ち、この発明に係わる硬貨処理装置10
では、上述したオーバーフロー処理に加え、硬貨の正偽
の選別と硬貨(正貨)A、B、C、Dの選別に加えて、
更に高額の硬貨Eを選別することも可能である。
【0119】つまり、図26で示すように、コイルセン
サー24の選別機能に新たな高額の硬貨Eの判定機能を
加え、このコイルセンサー24の検出信号に基づき以下
のような硬貨選別処理を行えばよい。
【0120】図12と同一部分を同一符号で示す図26
のように、硬貨投入口22から硬貨が投入され、その硬
貨がコイルセンサ24の検出信号に基づき硬貨Eと判断
されると、この判定信号に基づいて第1の硬貨振分レバ
ー70が作動し、第2の硬貨通路71の上流を閉塞して
第3の硬貨通路72の上流を拡開するとともに、同時に
第2の硬貨振分レバー73が作動し第5の硬貨通路75
の上流を拡開して第4の硬貨通路74の上流を閉塞す
る。さらに、同時に第4の硬貨振分レバー81が作動し
第9の硬貨通路80の上流を閉塞して第9の硬貨通路7
9の上流を開放する。
【0121】すると、図26の如く、第1の硬貨通路2
3内を転動する硬貨Eは第1の硬貨振分レバー70によ
り第3の硬貨通路72内に案内され、さらに第3の硬貨
通路72内に案内された硬貨Eは第2の硬貨振分レバー
73により下方の第5の硬貨通路75に案内される。ま
たこの第5の硬貨通路75に案内された硬貨Eは第4の
硬貨振分レバー81により第8の硬貨通路79に案内さ
れ、さらにこの第8の硬貨通路79に案内された硬貨E
は下方に落下し、この第8の硬貨通路79に連通するシ
ュート66(図1)を介して金庫内に収容される。
【0122】このようにして、本願発明に係わる硬貨選
別部14では、第4の硬貨振分レバー81による硬貨振
分処理により、硬貨のオーバーフロー処理と金種の増大
に伴う選別処理の双方を同時に行うことができる。
【0123】次に、前述した硬貨収容部13の各専用コ
インチューブ内に収容された硬貨の枚数が、それぞれ一
定枚数に達するとそれを検知する本願発明に係わるオー
バーフロー検出手段について詳述する。
【0124】図1で示すように、硬貨処理装置10の装
置本体11内に装着された硬貨収容部13は複数のコイ
ンチューブ110、111、112、113により構成
されており、このうち、コインチューブ110は硬貨A
の、コインチューブ111は硬貨Bの、コインチューブ
112は硬貨Cの、コインチューブ113は硬貨Dの専
用コインチューブである。
【0125】一方、上述したコインチューブ110、1
11、112、113のうち、コインチューブ111、
112、113の上端と硬貨選別部14の下端14bと
には、図27の概念一部破断斜視図で示すように、本願
発明に係わるオーバーフロー検出手段300が配設され
ている。なお、この図27は、図2で示すように硬貨選
別部14を装置本体11内に装着した状態の概念一部破
断斜視図である。
【0126】このオーバーフロー検出手段300は、硬
貨収容部13の背面に配設されたシャッター部121
と、硬貨選別部14の下端14b内に配設された検出部
122とから構成されている。
【0127】このうち、シャッター部121は、硬貨収
容部13背面に立設された複数のリブ123に嵌着した
軸124と、この軸124にそれぞれ回動自在に支承さ
れた3枚のシャッタ130、131、132とから構成
されている。
【0128】この各シャッタ130、131、132の
うち、シャッタ130は硬貨Bを収容するコインチュー
ブ111の上部に、シャッタ131は硬貨Cを収容する
コインチューブ112の上部に、またシャッタ132は
硬貨Dを収容するコインチューブ113の各上部にそれ
ぞれ配設されている。
【0129】この各シャッタ130、131、132は
各コインチューブ111、112、113に臨む面が断
面くの字形状部130a、131a、132aに形成さ
れ、また検出部122に臨む面が扇形形状部130b、
131b、132bに形成されている。
【0130】一方、検出部122は、図27及び図6で
示すように硬貨収容部13の下端14bであって、その
突出する中央部14cに形成された3つのスリット14
d、14e、14f内に配設された、3つのホトセンサ
140、141、142から構成されている。なお、こ
の3つのホトセンサ140、141、142のうち、ホ
トセンサ140はシャッタ130の動きを、またホトセ
ンサ141はシャッタ131の動きを、またホトセンサ
142はシャッタ132の動きを検出するものである。
【0131】なお、この各ホトセンサ140、141、
142は互いにスリット幅Lの間隔を設けて離間し配設
された一対の発光及び受光センサにより構成されてい
る。なお、この発光及び受光センサは具体的には発光及
び受光ダイオード等により構成されている。
【0132】なお、図27において、符号145は各コ
インチューブ111、112、113の上部を各コイン
チューブ111、112、113毎に覆うカバーであ
る。
【0133】次に、上述した本願発明に係わるオーバー
フロー検出手段300の作用を説明する。
【0134】コインチューブ111とホトセンサ140
の要部断面図で示す図28のように、コインチューブ1
11内に硬貨Bが所定枚数以上収容されるとシャッタ1
30のくの字形状部130aが収容された硬貨Bにより
押圧されて軸124を中心に時計方向へ回動するので、
これに応じて扇形形状部130bも時計方向へ回動し、
このため扇形形状部130bが、ホトセンサ140の発
光及び受光センサ間の光の通過が遮断されるので、コイ
ンチューブ111内に硬貨Bが所定枚数以上収容された
ことが検出される。
【0135】なお、他のコインチューブにおいても、上
述したと同様の動作により各コインチューブ内に一定枚
数収容されたことが検出される。
【0136】従って、上述した本願発明のオーバーフロ
ー検出手段300によると、従来の如くブロックアウト
レバーを使用して、硬貨収容部からオーバーフローした
硬貨を金庫側へ導くものと比較して構造が簡単となるば
かりでなく、オーバーフロー検出手段の検出部122を
構成するホトセンサ140、141、142を硬貨選別
部14側に配置したので、この硬貨選別部14を装置本
体11から取り外す簡単な作業で検出部122の保守点
検作業を行うことができることとなる。
【0137】次に、上述した硬貨収容部13に収容され
た硬貨を釣銭の額に応じて払い出す硬貨払出部12につ
いて詳述する。
【0138】図1に示すように、硬貨払出部12は装置
本体11の最下部に配設され、コインチューブ110、
111、112、113と補助チューブ15に収容され
た各硬貨を釣銭の額に応じて払い出す。
【0139】図29は上述した硬貨払出部12の概念斜
視図である。
【0140】この硬貨払出部12は、一つの駆動モータ
150と、この駆動モータ150の駆動力を伝達する歯
車伝動手段(後述する)が内部に配設されたギャボック
ス151と、このギャボックス151内の歯車伝動手段
を介し伝達された駆動力により一方向に回転する一対の
ペイアウトカム152、153と、このペイアウトカム
152、153の下面に突設されたピン152a、15
3aと係合する溝154a、154bを有し、ペイアウ
トカム152、153が矢印方向へ一回転すると、図の
初期位置から矢印の方向へ往復運動するペイアウトリン
ク154と、このペイアウトリンク154に対し着脱自
在に係合し、ペイアウトリンク154の往復運動に従動
して矢印方向へ往復運動するペイアウトスライド155
とから構成されている。
【0141】このペイアウトスライド155には、図1
に示すコインチューブ111の最下面に収容された硬貨
Bを一枚だけ収容する孔155aと、コインチューブ1
12の最下面に収容された硬貨Cを一枚だけ収容する孔
155bと、コインチューブ113の最下面に収容され
た硬貨Dを一枚だけ収容する孔155cと、補助コイン
チューブ15の最下面に収容された硬貨を一枚だけ収容
する孔155dとがそれぞれ形成されている。なお、こ
の孔155a、155b、155c、155dの下面の
一部は硬貨収容部13の底面13aに覆われている。
【0142】一方、前記ペイアウトリンク154内に
は、先端が前記ペイアウトスライド155の各孔155
a、155b、155c、155dの下面に臨み、常時
は各硬貨の払出を規制するチェンジスライド156、1
57、158、159が出没自在に嵌挿している。
【0143】このチェンジスライド156、157、1
58、159うち、チェンジスライド156の先端15
6aは孔155aに、チェンジスライド157の先端1
57aは孔155bに、チェンジスライド158の先端
158aは孔155cに、またチェンジスライド159
の先端159aは孔155dに臨むように配設されてい
る。
【0144】また、この各チェンジスライド156、1
57、158、159の後端は、図示のチェンジスライ
ド158の後端158bで代表するように、各チェンジ
スライド156、157、158、159毎に独立して
配設されたチェンジソレノイド160のプランジャ16
0aと係合し常時はその移動が規制されている。
【0145】上述した、硬貨払出部12によると、例え
ば硬貨Dを一枚払い出す信号が入力されると、その信号
に基き、モータ150の回転力によりペイアウトカム1
52、153が矢印方向に一回転しペイアウトスライド
155を矢印方向へ往復運動させて、ペイアウトスライ
ド155の各孔155a、155b、155c、155
d内に収容された硬貨B、C、Dと補助チューブ15に
収容された硬貨を一枚ずつ孔155a、155b、15
5c、155dの下方から同時払出をしようとするが、
その際、硬貨Dを一枚払い出す信号に基づき、チェンジ
スライド158の後端158bの動きを規制するチェン
ジソレノイド160のプランジャ160aのみが作動し
てチェンジスライド158の後端158bとの係合を解
除するので、チェンジスライド158のみが硬貨Dによ
り後方へスライド移動して孔155Cの底面を開放し、
そのため硬貨Dは孔155Cの下方へ落下して払い出さ
れる。 なお他のチェンジスライド156、157、1
59はその後端がチェンジソレノイドのプランジャによ
りその動きが規制されているので各孔155a、155
b、155dの底面はチェンジスライド156、15
7、159の各先端156a、157a、159aによ
り開放されず、よって他の硬貨(B、C、補助チューブ
内の硬貨)はペイアウトスライド155が矢印方向へ往
復運動しても各孔155a、155b、155dの底面
から落下して払い出されることはない。
【0146】すなわち、上述した硬貨払出部12では、
払い出す硬貨に対応したチェンジソレノイド160のプ
ランジャ160aを作動させて、払い出す硬貨に対応し
たチェンジスライドの規制を解除すれば、その硬貨を払
い出すことができるように構成されている。勿論同一種
類の硬貨を複数枚払い出す場合は、その硬貨の払出を規
制するチェンジソレノイドを作動させてチェンジスライ
ドの規制を解除し、その後その払出枚数分だけペイアウ
トスライド155を往復運動させればよく、また複数種
類の硬貨を同時に払い出す場合は、その複数種類の硬貨
に対応する複数のチェンジソレノイド160のプランジ
ャ160aを同時に作動させて、払い出す複数種類の硬
貨に対応したチェンジスライドの規制を解除すれば、そ
の複数種類の硬貨を同時に払い出すことができることと
なる。
【0147】一方、上述した硬貨払出部12には、硬貨
収容部13のコインチューブ110(図1)に収容され
た硬貨Aを払い出すための硬貨払出手段170が配設さ
れている。
【0148】図29で示すように、この硬貨払出手段1
70は、ギャボックス151内の歯車伝動手段を介し伝
達された一つの駆動モータ150の駆動力により一方向
に回転するペイアウトカム171と、このペイアウトカ
ム171の下面に突設されたピン171aと係合する溝
172aを有し、ペイアウトカム171が矢印方向へ一
回転すると、図の初期位置から矢印の方向へ往復運動す
るペイアウトスライド172から構成されている。
【0149】このペイアウトスライド172には、図1
に示すコインチューブ110の最下面に収容された硬貨
Aを一枚だけ収容する孔172bが形成されている。な
お、この孔172bの下面の一部は硬貨払出部12を構
成するプレート173により覆われている。
【0150】上述した硬貨払出手段170によると、ギ
ャボックス151内の歯車伝動手段を介しモータ150
の回転力によりペイアウトカム171が矢印方向に一回
転し、ペイアウトスライド172を矢印方向へ往復運動
させると、このペイアウトスライド172の孔172b
に収容された硬貨Aが一枚ずつ当該孔172b内から下
方に落下して払い出される。
【0151】一方、前記ギャボックス151内の歯車伝
動手段とペイアウトカム171との間にはクラッチ機構
が介在されている。
【0152】以下そのクラッチ機構について詳述する。
【0153】図30はギャボックス151内を示す概念
断面図で、このギャボックス151内には、複数の歯車
からなる歯車伝動手段180が収容されている。
【0154】この歯車伝動手段180のうち、符号18
1は図29で示すモータ150の駆動軸で、この駆動軸
181はピニオン182を介して歯車伝動手段180の
従動ギヤ183に歯合している。よってモータ150が
回転すると、ピニオン182を介して歯車伝動手段18
0の全てのギャを所定の方向へ回転させる駆動力が伝達
されることとなる。なお、図30で符号184はペイア
ウトカム152に固着された軸であり、符号185はペ
イアウトカム153に固着された軸である。
【0155】一方、上述した歯車伝動手段180の左端
には、前記ペイアウトカム171に回転力を与える軸1
90が配設されており、この軸190は当該軸190に
固着された従動ギャ191を介して常時歯車伝動手段1
80を構成する他のギヤ192と歯合している。
【0156】一方、図29の要部断面図で示す図31で
示すように、ペイアウトカム171の小径部171bと
軸190の下端との間には、クラッチ機構200が形成
されている。
【0157】このクラッチ機構200は、ペイアウトカ
ム171の小径部171b内に形成された断面半月形状
の凹部201と、軸190の下端に形成され、前記断面
半月形状の凹部201内に嵌着自在な断面半月形状の凸
部202とによって構成されている。
【0158】一方、軸190に固着された従動ギャ19
1の下面とギャボックス151の下面との間には、常時
は従動ギャ191を介して軸190を上方へ押し上げ、
断面半月形状の凹部201と断面半月形状の凸部202
との嵌合を解除するコイルバネ203が介在されてい
る。また、軸190の上端には、硬貨Aの払出信号が送
給された際に、軸190をコイルバネ203の押圧力に
抗して下方に押し下げ断面半月形状の凹部201と断面
半月形状の凸部202とを嵌合させる押圧手段210が
配設されている。
【0159】この押圧手段210は、図29で示すよう
にギャボックス151の上面に軸211を介して回動自
在に支承されたL字形状のレバー212と、このレバー
212の後端212aをリンク機構213を介して吸引
し、レバー212の先端212bを軸211を中心に反
時計方向へ回転させるソレノイドプランジヤ214とか
ら構成されている。そして、このレバー212の先端2
12bは図31で示すように、先端に鋼球215が支承
された軸190の先端と当接している。
【0160】上述した押圧手段210によると、硬貨A
の払出信号が送給されると、図32で示すようにソレノ
イドプランジヤ214が作動して、レバー212を軸2
11を中心に反時計方向へ回転させるので、軸190は
コイルバネ203の押圧力に抗して下方に押し下がり、
このため断面半月形状の凹部201と断面半月形状の凸
部202とが嵌合してペイアウトカム171が矢印方向
へ回転し、図29で示すようにペイアウトスライド17
2の孔172bに収容された硬貨Aが一枚ずつ当該孔1
72b内から下方に落下して払い出されることとなる。
【0161】なお図33は図32のII断面図で、特に
断面半月形状の凹部201と断面半月形状の凸部202
とが嵌合した状態を示している。
【0162】なお、上述した硬貨払出部12によると、
一つのモータ150により全ての硬貨(実施例では5種
類)を払い出すことができるので部品点数が削減し安価
に硬貨払出部12を提供することができるという作用効
果があり、またリンク機構による払出を採用することに
よりペイアウトスライドが往復動する際の負荷がなくな
り、円滑な払出を行うことが可能となる作用効果もあ
る。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の硬貨処
理装置では、硬貨収容部内からオーバーフローした硬貨
を金庫側へ案内するのに際し、従来の如くブロックアウ
トレバーを採用せず、オーバーフローした金種の硬貨を
硬貨振り分けレバーを介し硬貨選別部から直接金庫側へ
導くようにしたため、その構造が簡単となる。また従来
の如くオーバーフローした硬貨を金庫へ導く硬貨通路を
硬貨収容部の背面にもうける必要がないので硬貨処理装
置を薄くしかも小型にすることができる。さらに選別硬
貨の金種が増えた場合であっても、硬貨選別部に増えた
金種に対応して新たな専用の硬貨選別通路を設ける必要
がなく、また硬貨収容部においても、増大した金種に対
応してコインチューブの数を増す必要がないので、選別
金種が増えた場合であっても構造が複雑とならず、また
装置を大型にすることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明に係わる硬貨処理装置の概念分
解斜視図。
【図2】図2は本願発明に係わる硬貨処理装置の概念斜
視図。
【図3】図3は硬選別部の要部破断面図。
【図4】図4はゲートレバーの背面図。
【図5】図5は図3のAA断面図。
【図6】図6は硬貨選別部の正面図。
【図7】図7は硬貨選別部の背面図。
【図8】図8は硬貨処理装置の背面図。
【図9】図9は装置本体の一部拡大上面図。
【図10】図10は装置本体の一部破断面図。
【図11】図11は装置本体の一部破断面図。
【図12】図12は硬貨選別部の概念正面図。
【図13】図13は第2の硬貨振分レバーの概念斜視
図。
【図14】図14は第2の硬貨振分レバーの概念斜視
図。
【図15】図15は第2の硬貨振分レバーの概念斜視
図。
【図16】図16は第2の硬貨振分レバーの概念斜視
図。
【図17】図17は第3と第4の硬貨振分レバーの概念
斜視図。
【図18】図18は硬貨振分レバーとソレノイドプラン
ジャの構造を示す要部破断面図。
【図19】図19は硬貨振分レバーとソレノイドプラン
ジャの構造を示す要部破断面図。
【図20】図20は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図21】図21は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図22】図22は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図23】図23は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図24】図24は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図25】図25は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図26】図26は硬貨選別部の選別機能を示す概念正
面図。
【図27】図27はオーバーフロー検出手段の概念斜視
図。
【図28】図28はオーバーフロー検出手段の作用を示
す断面図。
【図29】図29は硬貨払出部の概念斜視図。
【図30】図31はギャボックスの内部を示す図。
【図31】図31はクラッチ機構を示す断面図。
【図32】図32はクラッチ機構を示す断面図。
【図33】図33は図32のII断面図である。
【符号の説明】
10…硬貨処理装置 11…装置本体 14…硬貨選別部 13…硬貨収容部 81…硬貨振分けレバー 121…シャッター部 122…検出部 300…オーバーフロー検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 健志 埼玉県鶴ヶ島市五味ヶ谷9ー1

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投入硬貨の正偽と、正貨の金種とを判別
    し、偽貨を所定の硬貨通路へ、また正貨を金種毎に格別
    の硬貨通路へそれぞれ振り分け案内する硬貨選別部と、
    この硬貨選別部により選別された硬貨を金種毎に蓄積収
    容する硬貨収容部とを少なくとも有する硬貨処理装置に
    おいて、 前記硬貨選別部に、投入された硬貨を金庫側へ案内する
    硬貨振分けレバーを配設するとともに、 前記硬貨収容部内に蓄積収容された硬貨の収容枚数が各
    金種毎に一定枚数以上に達したか否かを検出するオーバ
    ーフロー検出手段を配設し、 前記オーバーフロー検出手段により前記硬貨収容部内に
    蓄積収容された硬貨の収容枚数が一定枚数以上に達した
    ことを検知した際は、前記硬貨振分けレバーを作動さ
    せ、該一定枚数に達した金種の硬貨を前記硬貨収容部へ
    案内することなく金庫側へ案内させるようにしたことを
    特徴とする硬貨処理装置。
  2. 【請求項2】前記オーバーフロー検出手段は、前記硬貨
    選別部の下部に配設された一対の発光及び受光センサか
    らなる検出部と、前記硬貨収容部の上部に軸を中心とし
    て回動自在に支承され、前記硬貨収容部内に収容された
    硬貨の枚数が一定枚数に達すると、つぎに収容される硬
    貨の重量により一方向への回転を開始し、前記検出部の
    発光及び受光センサ間の光の通過を遮断するシャッター
    部とからなることを特徴とする請求項(1)記載の硬貨処
    理装置。
  3. 【請求項3】複数種類の硬貨の正偽を判別するコイルセ
    ンサの判別信号に基づき偽貨を所定の硬貨通路へ、また
    正貨を金種毎に格別の硬貨通路へそれぞれ振り分け案内
    する硬貨選別部と、この硬貨選別部により選別された硬
    貨を金種毎に蓄積収容する硬貨収容部とを少なくとも有
    する硬貨処理装置において、 前記硬貨選別部に、投入された硬貨を金庫側へ案内する
    硬貨振分けレバーを配設し、 前記コイルセンサにより前記複数種類の硬貨のうちの最
    高額の硬貨が投入されたことを判別した際は、前記硬貨
    振分けレバーを作動させ、該最高額の硬貨を前記硬貨収
    容部側へ案内することなく前記金庫側へ案内するように
    したことを特徴とする硬貨処理装置。
  4. 【請求項4】前記オーバーフロー検出手段は、前記硬貨
    選別部の下部に配設された一対の発光及び受光センサか
    らなる検出部と、前記硬貨収容部の上部に軸を中心とし
    て回動自在に支承され、前記硬貨収容部内に収容された
    硬貨の枚数が一定枚数に達すると、つぎに収容される硬
    貨の重量により一方向への回転を開始し、前記検出部の
    発光及び受光センサ間の光の通過を遮断するシャッター
    部とからなることを特徴とする請求項(3)記載の硬貨処
    理装置。
  5. 【請求項5】複数種類の硬貨の正偽を判別するコイルセ
    ンサの判別信号に基づき偽貨を所定の硬貨通路へ、また
    正貨を金種毎に格別の硬貨通路へそれぞれ振り分け案内
    する硬貨選別部と、この硬貨選別部により選別された硬
    貨を金種毎に蓄積収容する硬貨収容部とを少なくとも有
    する硬貨処理装置において、 前記硬貨選別部に、投入された硬貨を金庫側へ案内する
    硬貨振分けレバーを配設するとともに、 前記硬貨収容部内に蓄積収容された硬貨の収容枚数が各
    金種毎に一定枚数以上に達したか否かを検出するオーバ
    ーフロー検出手段を配設し、 該オーバーフロー検出手段により前記硬貨収容部内に蓄
    積収容された硬貨の収容枚数が一定枚数以上に達したこ
    とを検知した際は、前記硬貨振分けレバーを作動させ、
    該一定枚数に達した金種の硬貨を前記硬貨収容部側へ案
    内することなく金庫側へ案内させ、 また前記コイルセンサにより前記複数種類の硬貨のうち
    の最高額の硬貨が投入されたことを判別した際も、前記
    硬貨振分けレバーを作動させ、該最高額の硬貨を前記硬
    貨収容部側へ案内することなく前記金庫側へ案内するよ
    うにしたことを特徴とする硬貨処理装置。
  6. 【請求項6】前記オーバーフロー検出手段は、前記硬貨
    選別部の下部に配設された一対の発光及び受光センサか
    らなる検出部と、前記硬貨収容部の上部に軸を中心とし
    て回動自在に支承され、前記硬貨収容部内に収容された
    硬貨の枚数が一定枚数に達すると、つぎに収容される硬
    貨の重量により一方向への回転を開始し、前記検出部の
    発光及び受光センサ間の光の通過を遮断するシャッター
    部とからなることを特徴とする請求項(5)記載の硬貨処
    理装置。
JP13325794A 1994-06-15 1994-06-15 硬貨処理装置 Expired - Fee Related JP3331045B2 (ja)

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