JPH0711430A - 電子ビーム蒸着装置と電子ビームを用いた溶接装置及び自由電子レーザ装置 - Google Patents

電子ビーム蒸着装置と電子ビームを用いた溶接装置及び自由電子レーザ装置

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JPH0711430A
JPH0711430A JP15962493A JP15962493A JPH0711430A JP H0711430 A JPH0711430 A JP H0711430A JP 15962493 A JP15962493 A JP 15962493A JP 15962493 A JP15962493 A JP 15962493A JP H0711430 A JPH0711430 A JP H0711430A
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JP
Japan
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electron beam
vapor deposition
electron
pulse
scanning
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Application number
JP15962493A
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English (en)
Inventor
Toshinobu Suzuki
敏允 鈴木
Yoji Ieki
洋司 家喜
Yoshifumi Minowa
芳文 美濃和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さなパワーでエネルギー密度の高いパルス
状の電子ビームを出射させることができ、蒸着材料を基
板上に効率よく蒸着させることができ、しかも蒸着膜の
厚みを均一にすることができる電子ビーム蒸着装置と電
子ビームを用いた溶接装置及び自由電子レーザ装置を提
供する。 【構成】 真空槽9と、蒸着源と、電子銃1とを備え、
基板8上に蒸発源から蒸発する蒸着材料5を蒸着させる
装置であり、電子銃1に電子ビーム3をパルス化するシ
ャドウグリッド41を設けたことを特徴とする。このシ
ャドウグリッド41の高電圧側にパルス電圧変調器42
を備え、電子ビーム3にはビームを走査する走査手段4
3を設け、蒸着源に温度計測手段61を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、真空蒸着により薄膜
を形成するのに用いて好適な電子ビーム蒸着装置と電子
ビームを用いた溶接装置及び自由電子レーザに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の電子ビーム蒸着装置を示
す構成図であり、図において、1は電子ビームを発生す
る電子銃、2は電子銃電源、3は電子ビーム、4は偏向
電磁石、5は蒸着材料、6は蒸着材料5を収納する容
器、7は蒸着材料が蒸発した蒸気、8は薄膜を形成する
基板、9は真空槽、10は真空ポンプである。なお、電
子銃1をパルスで稼動させる場合は電子銃電源2をパル
ス変調回路とする。図13は、従来のラインタイプのパ
ルス変調器の回路を示す回路図であり、図において、2
1は直流高電圧電源、22はチャージングチョーク、2
3はチャージングダイオード、24はスイッチング素
子、25はPFN(パルス形成回路)、26はパルスト
ランス、27はトリガドライバ、28は充電電圧検出回
路、29はパルス電圧設定回路、30は比較増幅回路、
31はDeQ回路である。
【0003】次に動作について説明する。電子銃電源2
を用いて電子銃1に高電圧を印加すると、該電子銃1か
ら電子ビーム3が出射される。出射された電子ビーム3
は偏向電磁石4により蒸着材料5に向かって偏向され該
蒸着材料5に照射される。照射された電子ビーム3は運
動エネルギーが熱エネルギーに変換されて該蒸着材料5
を加熱・溶融し、該蒸着材料5を蒸発させる。蒸発した
蒸気7は、一部は基板8上に蒸着され薄膜となるが、残
りは真空槽9の内壁に蒸着されたり、真空ポンプ10に
より外部に排出されたりする。真空槽9は、電子銃1、
蒸着材料5及び基板8を高真空の環境内に保つために真
空ポンプ10により高真空状態に維持されている。
【0004】また、電子銃1をパルスで稼動させる場合
には、直流電源21から供給される電流はチャージング
チョーク22及びチャージングダイオード23を通って
PFN25のコンデンサに入力され共振充電される。P
FN25のコンデンサに充電された電荷はスイッチング
素子24を通し放電されるときPFN25で形成される
パルス状の電流波形によりスイッチング素子24及びパ
ルストランス26の1次側を通して放電される。このと
きパルストランス26の2次側にも1次側と同じ波形の
電圧(又は電流)が発生する。パルス出力電圧はPFN
25の充電電圧によって決まる出力となるのでこの型の
パルス変調器はPFN25のコンデンサの充電圧を制御
することによってパルス出力を制御している。PFN2
5と充電電圧は電圧検出回路28によって検知されパル
ス電圧設定回路29と比較増幅回路30で比較増幅さ
れ、その出力信号はDeQ回路31に送られDeQ回路
31と動作させ直流電源21からPFN25のコンデン
サに流れ込む電流を遮断し、これ以上の充電電流を増加
させないようにする。このようにして、パルス電圧設定
回路29によりパルス変調器の出力を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子ビーム蒸着
装置は以上のように構成されているので、広い面積の蒸
着が不均一になる恐れがある。そこで電子ビームを走査
することにより広い面積の蒸着をしようとすると、電子
ビームパワーを大きくしなければならず、さらに、熱除
去冷却負荷が増大し熱除去の能力により投入出来る電子
ビームのパワーが制限されるので、それ以上の電子ビー
ムのパワーを投入することができないなどの問題点があ
った。
【0006】また、従来の電子ビーム蒸着装置では、蒸
気7は蒸着源からあらゆる方向に均等に蒸発するため
に、基板8に到達する蒸気7aの全蒸気7に対する割合
が小さくなり、効率が悪く、かつ蒸着を必要としない真
空槽9の壁にこの蒸気7が蒸着され真空槽9の壁を汚し
てしまう、などの問題点があった。又、パルス運転の場
合電子銃1に印加する高電圧をパルス変調するのでパル
ス変調器が大形となりかつ電力の効率が、悪くなるなど
の問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電子ビームパワーが小さく、蒸
着が均一にでき、熱負荷を軽くできかつ蒸気を効率よく
基板に蒸着することができ、真空槽の容器の汚れを少な
くすることができ、さらに、パルス変調回路を小形化し
かつ高パルスくり返しを可能とすることができる電子ビ
ーム蒸着装置と電子ビームを用いた溶接装置及び自由電
子レーザを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
子ビーム蒸着装置は、真空槽と、該真空槽内に設けられ
た蒸着源と、該蒸着源の蒸着材料に電子ビームを照射
し、該蒸着材料を加熱・溶融する電子銃とを備え、前記
真空槽内の所定位置に保持された基板上に、前記蒸着源
から蒸発し蒸気化した蒸着材料を蒸着させる装置におい
て、前記電子銃に、前記電子ビームをパルスビームとす
るための電極を設けたものである。
【0009】また、請求項2の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記電極に、電子ビームをパルス化するため
のパルス電圧を印加するパルス電圧変調器を備えたもの
である。
【0010】また、請求項3の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記パルス電圧変調器が、前記パルス電圧を
変化させて前記電子ビームの尖頭値を変化させる制御手
段を有するものである。
【0011】また、請求項4の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記電子ビーム近傍に、該電子ビームを所定
の方向へ走査するための走査手段を設けたものである。
【0012】また、請求項5の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記走査手段が、前記電極に印加されるパル
ス電圧に同期して前記電圧ビームを走査するものであ
る。
【0013】また、請求項6の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記走査手段が、前記電子ビームを階段状に
走査するための走査機構を有するものである。
【0014】また、請求項7の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記電子ビーム近傍に、該電子ビームを集束
または発散させるためのビーム径制御手段を設けたもの
である。
【0015】また、請求項8の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記パルス電圧のパルス幅または前記電子ビ
ームの走査速度を変えることにより該電子ビームの照射
面積を変えるための照射制御手段を備えたものである。
【0016】また、請求項9の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記パルス電圧変調器が複数のスイッチング
素子を備えたものである。
【0017】また、請求項10の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記パルス電圧変調器のスイッチング素子
及びトリガドライブ回路を複数個とし、トリガ信号をこ
れらトリガドライブ回路に時系列的に分配するものであ
る。
【0018】また、請求項11の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記蒸着源の蒸着材料を収納する容器の収
納部の断面形状をV字状としたものである。
【0019】また、請求項12の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記容器を、蒸着される基板面に対して平
行な一直線上または前記基板面と平行な平面上に複数個
配列したものである。
【0020】また、請求項13の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記容器に蒸着材料の温度を計測する温度
計測手段を設け、該温度計測手段の出力する信号に基づ
き前記パルス電圧を制御するものである。
【0021】また、請求項14の発明に係る電子ビーム
を用いた溶接装置は、真空槽と、該真空槽内に設けられ
被溶接物を移動する移動機構と、該移動機構に保持され
た被溶接物の溶接すべき位置に設けられた溶接材料に電
子ビームを照射し、該ビームの発する熱エネルギーによ
り前記溶接材料を加熱・溶融し、前記被溶接物を溶接す
る電子銃とを備えたものである。
【0022】また、請求項15の発明に係る電子ビーム
を用いた自由電子レーザは、真空槽と、該真空槽内に設
けられた電子ビーム捕獲部材と、該電子ビーム捕獲部材
に電子ビームを照射する電子銃と、前記電子ビームを挾
むように設けられ該電子ビームを蛇行させて放射光を発
生させるためのウィグラまたはアンジュレータのいずれ
か1種と、前記電子銃の陽極側に設けられ前記電子ビー
ムをバーストビームとするためのバーストパルス発振器
とを備えたものである。
【0023】
【作用】請求項1の発明における電子ビーム蒸着装置
は、前記電子銃に電子ビームをパルスビームとするため
の電極を設けたことにより、該電子銃からパルス状の電
子ビームが発生する。
【0024】また、請求項2の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記電極にパルス電圧変調器を備えたこと
により、該パルス電圧変調器から出力するパルス電圧に
応じて電子銃からパルス状の電子ビームが発生する。
【0025】また、請求項3の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記パルス電圧変調器が電子ビームの尖頭
値を変化させる制御手段を有することにより、該電子ビ
ームの尖頭値を正確に制御することが可能になる。
【0026】また、請求項4の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記電子ビーム近傍に走査手段を設けたこ
とにより、該電子ビームを所定の方向へ走査させること
が可能になる。
【0027】また、請求項5の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記走査手段が前記電極に印加されるパル
ス電圧に同期して前記電子ビームを走査することによ
り、パルス状の電子ビームを常に一定の位置に照射さ
せ、該照射点における電子ビームのエネルギー密度が高
まる。例えば、電子ビーム走査周期を電子ビームパルス
周期のn倍とすると、電子ビームは空間的に走査方向に
n個のスポット照射を行なうこととなり、照射点に電子
ビームのエネルギーを集中させることが可能になり、し
たがって、該照射点の電子ビームのエネルギー密度が高
まる。
【0028】また、請求項6の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記走査手段が電子ビームを階段状に走査
する走査機構を有することにより、電子ビームを所定の
方向へ階段状に走査させることが可能になる。
【0029】また、請求項7の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記電子ビーム近傍にビーム径制御手段を
設けたことにより、該電子ビームの径を制御し該電子ビ
ームのエネルギー密度を目的に応じて変化させることが
可能になる。例えば、ビーム径を小さくすれば該電子ビ
ームのエネルギー密度が高まり、照射点の電子ビームの
エネルギー密度がさらに高まる。
【0030】また、請求項8の発明における電子ビーム
蒸着装置は、照射制御手段を備えたことにより、電子ビ
ームの照射面積を任意に変えることが可能になる。
【0031】また、請求項9の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記パルス電圧変調器が複数のスイッチン
グ素子を備えたことにより、スイッチング回路の各々の
デューティを低下させ、電子ビームの平均パワーを小さ
くする。
【0032】また、請求項10の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、トリガ信号を複数のトリガドライブ回路
に時系列的に分配することにより、トリガ信号を印加す
るタイミングを個々のトリガドライブ回路に対して少し
づつずらすことが可能になり、スイッチング回路の各々
のデューティをさらに低下させ、電子ビームの平均パワ
ーをさらに小さくする。
【0033】また、請求項11の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、容器の収納部の断面形状をV字状とした
ことにより、余分な空間に蒸気を散逸させることなく効
率的に基板上に蒸着材料を蒸着させる。
【0034】また、請求項12の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、基板面に対して平行な一直線上または平
面上に前記容器を複数個配列したことにより、蒸着膜の
厚みが均一になり、大面積の蒸着膜の形成が可能にな
る。
【0035】また、請求項13の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、前記容器に温度計測手段を設けたことに
より、該温度計測手段により検出された蒸着材料の温度
を電子ビーム出力にフィードバックし、該蒸着材料の温
度制御を行う。
【0036】また、請求項14の発明における溶接装置
は、真空槽内で、溶接材料に電子ビームを照射し、該溶
接材料を加熱・溶融することにより、大気中において溶
接し難い溶接材料のスポット溶接を短時間で行う。
【0037】また、請求項15の発明における自由電子
レーザは、前記電子ビームを挾むようにウィグラまたは
アンジュレータのいずれか1種を設けたことにより、バ
ーストビームである電子ビームが蛇行し、領域〜領域の
放射光(SR光)を放射する。
【0038】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、41は電子銃1に設けられた第3
の電極であるアノード電極、42はアノード電極41に
高電圧パルスを印加するアノード変調器(パルス電圧変
調器)であり、該アノード変調器42によりアノード電
極41に高電圧パルスを印加した場合にのみ、パルス状
の電子ビーム3を出射させることができる。また43は
アノード変調器42のパルス電圧に同期して電子ビーム
3を走査する電磁石(走査手段)、44は電磁石43を
駆動させる走査電源で鋸歯状または階段状の波形の電流
を発生させる回路を有するものであり、45は電子銃1
から出射された電子ビーム3を集束または発散するため
の集束コイル(ビーム径制御手段)、46は蒸気7の蒸
発方向と範囲を限定するために収納部の断面がV字状と
された容器、47は差動排気真空槽、48はオリフィ
ス、49は真空ポンプであり、差動排気真空槽47、オ
リフィス48、真空ポンプ49により差動排気系が構成
されている。
【0039】また、50a及び50bはアノード変調器
42から電子銃1のカソード1a及びアノード電極41
に接続されるケーブルで、これらケーブル50a,50
bによりパルス状の高電圧がカソード1a及びアノード
電極41に印加される。また、51は同期信号回路、5
2はトリガ信号発生器であり、トリガ信号発生器52か
ら出力されたトリガ信号は同期信号回路51においてア
ノード変調器42のトリガ信号と同期がとられ走査電源
44に送られる。
【0040】図2は、電子ビーム3の動作を示す図であ
る。電子銃1から出射されたパルス状の電子ビーム3は
偏向電磁石4で所定の方向に偏向され、偏向電磁石4と
蒸着材料5の間におかれた電磁石43によりパルス状の
電子ビーム3は所定の方向に走査される。ここで、パル
ス状の電子ビーム3の単位時間当りのくり返しと電磁石
43の単位時間あたりのくり返しの比を整数倍にとると
パルス状の電子ビーム3は特定の位置にのみ照射され
る。
【0041】今、電子ビーム3の走査幅をL、直径を
D、パルス幅をτ、単位時間当りのパルスくり返しをf
b 、走査の単位時間当りのくり返しをfs とし、電子ビ
ーム3の平均電力をPa とすると、単位断面積当りのエ
ネルギー密度ρp は近似的に ρp =Pa /(τ・fs ・L・D)……………………………(1) で表わされる。また、連続ビームでパルス状の電子ビー
ム3と同じように走査した場合、単位断面積当りのエネ
ルギー密度ρc は ρc =Pa /(D・L) ………………………………………(2) で表わされるので、(1)式と(2)式より比ρp /ρ
c を求めると、 ρp /ρc =n/(τ・fb ) ………………………………(3) となる。ここで、nは走査のくり返し周波数fs に対す
るビームのくり返し周波数fb の比であり n=fb /fs …………………………………………………(4) と表わされる。
【0042】τ・fp はパルス状の電子ビーム3のデュ
ーティファクターと呼ばれるパラメータで電子ビーム3
の平均パワーPa が一定であれば、照射される電子ビー
ム3の単位断面積当りのエネルギー密度ρp はデューテ
ィファクタτ・fp に反比例し、電子ビーム3の走査の
くり返しに比例して増加するので、電子ビーム3のエネ
ルギー密度が一定であれば電子ビーム3のデューティフ
ァクタを下げ、走査のくり返しを増すことによって電子
ビーム3の平均パワーPa を小さくすることが出来る。
【0043】図3はアノード変調回路の一例を示す回路
図である。ここでは、放電回路に用いられているスイッ
チング素子24及びトリガドライブ回路27を各々複数
個とし、トリガ信号発生器52より出力されたトリガ信
号をマルチプレクサ53によりトリガドライブ回路2
7,27各々に時系列的に分配する。以上により、スイ
ッチング回路の各々のデューティを低下させることがで
き、電子ビーム3の平均パワーを小さくすることができ
る。
【0044】実施例2.図4は実施例2の電子ビーム蒸
着装置を示す構成図である。図において、61は測温体
(温度計測手段)、62は信号増幅回路、63は設定温
度信号発生回路、64は信号増幅回路62の出力信号と
設定温度信号発生回路63からの出力信号とを比較し、
増幅する比較増幅回路、65は比較増幅回路64からの
出力信号である。ここでは設定温度と蒸着材料5近傍の
測温体61との温度差が出力信号65となる。
【0045】図5はこの電子ビーム蒸着装置のアノード
変調器42を示す回路図である。図において、66は差
動増幅回路であり、蒸着材料5の温度と設定温度との差
である出力信号65の電圧と、PFNコンデンサ充電電
圧とパルス電圧設定回路29からの電圧との差を比較増
幅し、その出力信号でチャージングチョーク22の二次
側回路にあるサイリスタを開閉し、PFNのコンデンサ
の充電電圧を制御する。PFN充電電圧によりアノード
パルス変調器出力を制御し、この出力により電子銃1か
ら出射される電子ビーム3の電流を制御することによ
り、蒸着材料5に照射される電子ビームパワーを制御し
蒸着材料5の温度制御を行うことが出来る。
【0046】図6はアノード変調器42の他の実施例を
示す回路図である。図6において、67はパルス変調回
路、68はパルス変調素子67のドライバー、69はド
ライバー68に信号を伝送する光ケーブル、70はパル
ス信号増幅及びE/P変換回路、71はパルス信号発生
器である。パルス信号発生器71からのパルス信号はパ
ルス信号増幅及びE/P変換回路70で増幅及び光信号
に変換され、光ケーブル69によりドライバ68に伝送
され、かつ増幅される。パルス変調回路67の入力回路
にこの信号が入力されるとアノード変調器42の出力回
路から、高電圧のパルス出力が得られる。パルス信号発
生器71のパルス幅を変えることによりアノード変調器
42の出力パルス幅も変えることが出来るので電子銃1
から取り出せる電子ビーム3のパルス幅も可変すること
が出来、従って電子ビーム3のパルス当りの照射面積も
変えることが出来る。
【0047】実施例3.図7は実施例3の電子ビーム蒸
着装置を示す構成図であり、図において、81は電磁石
43に階段状の磁界を発生させて電子ビームを階段状に
走査するために、該電磁石43に階段状の電流を供給す
る走査電源である。電磁石43と走査電源81により走
査機構が構成される。この走査電源81は図8に示すよ
うな階段状の電流を出力することができる。
【0048】図9は走査電源81を示す回路図であり、
図において82は直流電源、83は制御用トランジス
タ、84は高速切換器、85は階段状信号発生器、86
は高速切換器84に切換信号を与える切換信号発生器で
ある。直流電源82からの電流は制御用トランジスタ8
3を通して電磁石43に流されるが、制御用トランジス
タ83のベースは高速切換器84で切換えられた階段状
の制御信号によって負荷に流れる電流が制御される。高
速切換器の切換のタイミングは、切換信号発生器86の
信号によって電子ビーム3のパルスに同期して送り込ま
れる。これによって電子ビーム3のパルスの各パルス毎
に設定された電流が走査機構に流され電子ビーム3を階
段状に走査することができる。
【0049】実施例4.図10は実施例4の電子ビーム
溶接装置の構成図であり、図において、91は被溶接
物、92は被溶接物の溶接すべき位置に設けられた溶接
材料、93は被溶接物91を水平方向に移動させる移動
機構である。この溶接装置によれば、溶接材料92に電
子ビーム3を照射し、該溶接材料92を加熱・溶融する
ことにより、大気中において溶接し難い材料のスポット
溶接を短時間で多数行なうことができる。
【0050】実施例5.図11は実施例5の自由電子レ
ーザを示す構成図である。図において、101はバース
トビーム発生用のバーストパルス発振器、102はウィ
グラ、103はミラー、104はビームキャッチャー
(電子ビーム捕獲部材)である。
【0051】この自由電子レーザでは、発振ゲインを下
げパルスビーム電流を増加させて、電子ビーム3をバー
ストビームとするために、電子銃1のアノード側に高速
のバーストパルスを印加するバーストパルス発振器10
1を設けたことにより、高速のバーストビームを発生さ
せることができる。また、ウィグラ102が電子ビーム
3を挾むように設けられているので、バーストビームで
ある電子ビーム3を蛇行させ、遠赤外領域〜X線領域の
放射光「可視光〜赤外線(SR光)」を放射することが
できる。
【0052】なお、ウィグラ102の替りにアンシュレ
ータを用いても同様の効果を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、前記電子銃に、前記電子ビームをパルス化する電極
を設けるように構成したので、該電子銃からパルス状の
電子ビームを発生させることができる効果がある。
【0054】また、請求項2の発明によれば、前記電極
にパルス電圧変調器を設けるように構成したので、該パ
ルス電圧変調器から出力するパルス電圧に応じてパルス
状の電子ビームを発生させることができ、電子銃電源を
小型化することができ、装置が安価にできる効果があ
る。
【0055】また、請求項3の発明によれば、前記パル
ス電圧変調器が電子ビームの尖頭値を変化させる制御手
段を有するように構成したので、該電子ビームの尖頭値
を正確に制御できる効果がある。
【0056】また、請求項4の発明によれば、前記電子
ビーム近傍に走査手段を設けるように構成したので、該
電子ビームを所定の方向へ走査させることができる効果
がある。
【0057】また、請求項5の発明によれば、前記走査
手段を、前記電極に印加されるパルス電圧に同期して前
記電子ビームを走査するように構成したので、バルス状
の電子ビームを常に一定の位置に照射させることがで
き、該照射点における電子ビームのエネルギー密度を高
める効果がある。
【0058】また、請求項6の発明によれば、前記走査
手段が、電子ビームを階段状に走査する走査機構を有す
るように構成したので、電子ビームを所定の方向へ階段
状に走査させることができる効果がある。
【0059】また、請求項7の発明によれば、前記電子
ビーム近傍に、該電子ビームを集束または発散させるビ
ーム径制御手段を設けるように構成したので、該電子ビ
ームの径を最適の大きさに制御することができ、該電子
ビームのエネルギー密度を目的に応じて変化させること
ができる効果がある。
【0060】また、請求項8の発明によれば、電子ビー
ムの照射面積を変える照射制御手段を備えるように構成
したので、電子ビームの照射面積を任意に変えることが
できる効果がある。
【0061】また、請求項9の発明によれば、前記パル
ス電圧変調器が複数のスイッチング素子を備えるように
構成したので、スイッチング回路の各々のデューティを
低下させることができ、電子ビームの平均パワーを小さ
くできる効果がある。
【0062】また、請求項10の発明によれば、トリガ
信号を複数のトリガドライブ回路に時系列的に分配する
ように構成したので、スイッチング回路の各々のデュー
ティをさらに低下させることができ、電子ビームの平均
パワーをさらに小さくできる効果がある。
【0063】また、請求項11の発明によれば、容器の
収納部の断面形状をV字状とするように構成したので、
余分な空間に蒸気を散逸させることなく効率的に基板上
に蒸着材料を蒸着させることができ、同時に真空槽の壁
の汚れを減少させる効果がある。
【0064】また、請求項12の発明によれば、前記容
器を、基板面に対して平行な一直線上または平面上に複
数個配列するように構成したので、蒸着膜の厚みを均一
にすることができ、大面積の蒸着膜を形成できる効果が
ある。
【0065】また、請求項13の発明によれば、前記容
器に温度計測手段を設けるように構成したので、該温度
計測手段により検出された蒸着材料の温度を電子ビーム
出力にフィードバックすることができ、該蒸着材料の温
度を効率的に制御することができ、該蒸着材料の熱除去
を容易に行うことができる効果がある。
【0066】また、請求項14の発明によれば、真空槽
内において、溶接材料に電子ビームを照射し、該溶接材
料を加熱・溶融するように構成したので、大気中におい
て溶接し難い溶接材料のスポット溶接を短時間で行うこ
とができる効果がある。
【0067】また、請求項15の発明によれば、前記電
子ビームを挾むようにウィグラまたはアンジュレータの
いずれか1種を設けるように構成したので、バーストビ
ームである電子ビームを蛇行させ、遠赤外領域〜X線領
域の放射光(SR光)を放射することができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による電子ビーム蒸着装置
を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例1による電子ビーム蒸着装置
の電子ビームの動作を示す説明図である。
【図3】アノード変調回路の一例を示す回路図である。
【図4】この発明の実施例2による電子ビーム蒸着装置
を示す構成図である。
【図5】アノード変調器を示す回路図である。
【図6】アノード変調器の他の実施例を示す回路図であ
る。
【図7】この発明の実施例3による電子ビーム蒸着装置
を示す構成図である。
【図8】走査電源の電流出力の一例を示す図である。
【図9】走査電源を示す回路図である。
【図10】この発明の実施例4による電子ビーム溶接装
置を示す構成図である。
【図11】この発明の実施例5による自由電子レーザを
示す構成図である。
【図12】従来の電子ビーム蒸着装置を示す構成図であ
る。
【図13】従来のパルス変調器を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電子銃 3 電子ビーム 5 蒸着材料 7 蒸気 8 基板 9 真空槽 24 スイッチング素子 27 トリガドライブ回路 41 アノード電極(第3の電極) 42 アノード変調器(パルス電圧変調器) 43 電磁石(走査手段) 45 集束コイル(ビーム径制御手段) 46 容器 61 測温体(温度計測手段) 65 出力信号 81 走査電源(走査機構) 91 被溶接物 92 溶接材料 93 移動機構 101 バーストパルス発振器 102 ウィグラ 104 ビームキャッチャー(電子ビーム捕獲部材)
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電子ビーム蒸着装置と電子ビームを用
いた溶接装置及び自由電子レーザ装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、真空蒸着により薄膜
を形成するのに用いて好適な電子ビーム蒸着装置と電子
ビームを用いた溶接装置及び自由電子レーザ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の電子ビーム蒸着装置を示
す構成図であり、図において、1は電子ビームを発生す
る電子銃、2は電子銃電源、3は電子ビーム、4は偏向
電磁石、5は蒸着材料、6は蒸着材料5を収納する容
器、7は蒸着材料が蒸発した蒸気、8は薄膜を形成する
基板、9は真空槽、10は真空ポンプである。なお、電
子銃1をパルスで稼動させる場合は電子銃電源2をパ
ルス変調回路とする構成、または、該電子銃1に制御電
極を設け、該制御電極に該制御電極をパルス変調させる
パルス変調回路を設けた構成としている。図13は、従
来のラインタイプのパルス変調器の回路を示す回路図で
あり、図において、21は直流高電圧電源、22はチャ
ージングチョーク、23はチャージングダイオード、2
4はスイッチング素子、25はPFN(パルス形成回
路)、26はパルストランス、27はトリガドライブ回
、28は充電電圧検出回路、29はパルス電圧設定回
路、30は比較増幅回路、31はDeQ回路である。
【0003】次に動作について説明する。電子銃電源2
を用いて電子銃1に高電圧を印加すると、該電子銃1か
ら電子ビーム3が出射される。出射された電子ビーム3
は偏向電磁石4により蒸着材料5に向かって偏向され該
蒸着材料5に照射される。照射された電子ビーム3は運
動エネルギーが熱エネルギーに変換されて、該蒸着材料
5を蒸発させる。蒸発した蒸気7は、一部は基板8上に
蒸着され薄膜となるが、残りは真空槽9の内壁に蒸着さ
れたり、真空ポンプ10により外部に排出されたりす
る。真空槽9は、電子銃1、蒸着材料5及び基板8を高
真空の環境内に保つために真空ポンプ10により高真空
状態に維持されている。
【0004】また、電子銃1をパルスで稼動させる場合
には、直流電源21から供給される電流はチャージング
チョーク22及びチャージングダイオード23を通って
PFN25のコンデンサに入力され共振充電される。P
FN25のコンデンサに充電された電荷はスイッチング
素子24を通し放電されるときPFN25で形成される
パルス状の電流波形によりスイッチング素子24及びパ
ルストランス26の1次側を通して放電される。このと
きパルストランス26の2次側にも1次側と同じ波形の
電圧(又は電流)が発生する。パルス出力電圧はPFN
25の充電電圧によって決まる出力となるのでこの型の
パルス変調器はPFN25のコンデンサの充電電圧を制
御することによってパルス出力を制御している。PFN
25と充電電圧は電圧検出回路28によって検知されパ
ルス電圧設定回路29と比較増幅回路30で比較増幅さ
れ、その出力信号はDeQ回路31に送られDeQ回路
31と連動させ直流電源21からPFN25のコンデン
サに流れ込む電流を遮断し、これ以上の充電電流を
せないようにする。このようにして、パルス電圧設定回
路29によりパルス変調器の出力を制御している。
た、制御電極により電子ビームをパルス化する場合にお
いても、上記と同様の方法により該電子ビームをパルス
変調している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子ビーム蒸着
装置は以上のように構成されているので、広い面積の蒸
着が不均一になる恐れがある。そこで電子ビームを走査
することにより広い面積の蒸着をしようとすると、電子
ビームパワーを大きくしなければならず、さらに、熱除
去冷却負荷が増大し熱除去の能力により投入出来る電子
ビームのパワーが制限されるので、それ以上の電子ビー
ムのパワーを投入することができないなどの問題点があ
った。
【0006】また、パルス運転の場合電子銃1に印加す
る高電圧をパルス変調するのでパルス変調器が大型とな
りかつ電力の効率が、悪くなる。また、制御電極をパル
ス変調する場合、該制御電極をアノード電極とするので
パルス変調器が高電圧となり大がかりな設備となる。ま
た、パルス変調器を小型化するために制御電極をグリッ
ドとした場合、グリッドにトラップされる電子ビームパ
ワーにより熱的に制限され、大出力の電子ビームを取り
出すことが出来ないなどの問題点があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電子ビームパワーが小さく、蒸
着が均一にでき、熱負荷を軽くできかつ蒸気を効率よく
基板に蒸着することができ、さらに、パルス変調回路を
小形化しかつ高パルスくり返しを可能とすることができ
る電子ビーム蒸着装置と電子ビームを用いた溶接装置及
び自由電子レーザ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
子ビーム蒸着装置は、真空槽と、該真空槽内に設けられ
た蒸着源と、該蒸着源の蒸着材料に電子ビームを照射
し、該蒸着材料を蒸発させる電子銃とを備え、前記真空
槽内の所定位置に保持された基板上に、前記蒸着源から
蒸発し蒸気化した蒸着材料を蒸着させる装置において、
前記電子銃に、前記電子ビームをパルスビームとするた
めのシャドウグリッドを設けたものである。
【0009】また、請求項2の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記シャドウグリッドの高電圧側に、電子ビ
ームをパルス化するためのパルス電圧を印加するパルス
電圧変調器を備えたものである。
【0010】また、請求項3の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記パルス電圧変調器が、前記パルス電圧を
変化させて前記電子ビームの尖頭値を変化させる制御手
段を有するものである。
【0011】また、請求項4の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記電子ビーム近傍に、該電子ビームを所定
の方向へ走査するための走査手段を設けたものである。
【0012】また、請求項5の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記走査手段が、前記シャドウグリッドに印
加されるパルス電圧に同期して前記電圧ビームを走査す
るものである。
【0013】また、請求項6の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記走査手段が、前記電子ビームを階段状に
走査するための走査機構を有するものである。
【0014】また、請求項7の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記電子ビーム近傍に、該電子ビームを集束
または発散させるためのビーム径制御手段を設けたもの
である。
【0015】また、請求項8の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記パルス電圧のパルス幅または前記電子ビ
ームの走査速度を変えることにより該電子ビームの照射
面積を変えるための照射制御手段を備えたものである。
【0016】また、請求項9の発明に係る電子ビーム蒸
着装置は、前記パルス電圧変調器が複数のスイッチング
素子を備えたものである。
【0017】また、請求項10の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記パルス電圧変調器のスイッチング素子
及びトリガドライブ回路を複数個とし、トリガ信号をこ
れらトリガドライブ回路に時系列的に分配するものであ
る。
【0018】また、請求項11の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記蒸着源の蒸着材料を収納する容器を、
蒸着される基板面に対して平行な一直線上または前記基
板面と平行な平面上に複数個配列したものである。
【0019】また、請求項12の発明に係る電子ビーム
蒸着装置は、前記容器に蒸着材料の温度を計測する温度
計測手段を設け、該温度計測手段の出力する信号に基づ
き前記パルス電圧を制御するものである。
【0020】また、請求項13の発明に係る電子ビーム
を用いた溶接装置は、真空槽と、該真空槽内に設けられ
被溶接物を移動する移動機構と、該移動機構に保持され
た被溶接物の溶接すべき位置に設けられた溶接材料に電
子ビームを照射し、該ビームの発する熱エネルギーによ
り前記溶接材料を加熱・溶融し、前記被溶接物を溶接す
る電子銃とを備えたものである。
【0021】また、請求項14の発明に係る電子ビーム
を用いた自由電子レーザ装置は、真空槽と、該真空槽内
に設けられた電子ビーム捕獲部材と、該電子ビーム捕獲
部材に電子ビームを照射する電子銃と、前記電子ビーム
を挾むように設けられ該電子ビームを蛇行させて光を発
生させるためのウィグラまたはアンジュレータのいずれ
か1種と、前記電子銃の陽極側に設けられ前記電子ビー
ムをバーストビームとするためのバーストパルス発振器
とを備えたものである。
【0022】
【作用】請求項1の発明における電子ビーム蒸着装置
は、前記電子銃に電子ビームをパルスビームとするため
シャドウグリッドを設けたことにより、該電子銃から
パルス状の電子ビームが発生する。
【0023】また、請求項2の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記シャドウグリッドにパルス電圧変調器
を備えたことにより、該パルス電圧変調器から出力する
パルス電圧に応じて電子銃からパルス状の電子ビームが
発生する。
【0024】また、請求項3の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記パルス電圧変調器が電子ビームの尖頭
値を変化させる制御手段を有することにより、該電子ビ
ームの尖頭値を正確に制御することが可能になる。
【0025】また、請求項4の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記電子ビーム近傍に走査手段を設けたこ
とにより、該電子ビームを所定の方向へ走査させること
が可能になる。
【0026】また、請求項5の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記走査手段が前記シャドウグリッドに印
加されるパルス電圧に同期して前記電子ビームを走査す
ることにより、パルス状の電子ビームを常に一定の位置
に照射させ、該照射点における電子ビームのエネルギー
密度が高まる。例えば、電子ビーム走査周期を電子ビー
ムパルス周期のn倍とすると、電子ビームは空間的に走
査方向にn個のスポット照射を行なうこととなり、照射
点に電子ビームのエネルギーを集中させることが可能に
なり、したがって、該照射点の電子ビームのエネルギー
密度が高まる。
【0027】また、請求項6の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記走査手段が電子ビームを階段状に走査
する走査機構を有することにより、電子ビームを所定の
方向へ階段状に走査させることが可能になる。
【0028】また、請求項7の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記電子ビーム近傍にビーム径制御手段を
設けたことにより、該電子ビームの径を制御し該電子ビ
ームのエネルギー密度を目的に応じて変化させることが
可能になる。例えば、ビーム径を小さくすれば該電子ビ
ームのエネルギー密度が高まり、照射点の電子ビームの
エネルギー密度がさらに高まる。
【0029】また、請求項8の発明における電子ビーム
蒸着装置は、照射制御手段を備えたことにより、電子ビ
ームの照射面積を任意に変えることが可能になる。
【0030】また、請求項9の発明における電子ビーム
蒸着装置は、前記パルス電圧変調器が複数のスイッチン
グ素子を備えたことにより、スイッチング回路の各々の
デューティを低下させ、電子ビームのパルス径を小さく
することにより、走査されてターゲット物質に当る電流
密度が高まり、電子ビームの平均パワーを小さくする
とが可能となる
【0031】また、請求項10の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、トリガ信号を複数のトリガドライブ回路
に時系列的に分配することにより、トリガ信号を印加す
るタイミングを個々のトリガドライブ回路に対して少し
づつずらすことが可能になり、スイッチング回路の各々
のデューティをさらに低下させ、電子ビームの平均パワ
ーをさらに小さくすることが可能となる
【0032】また、請求項11の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、前記蒸着源の蒸着材料を収納する容器
を、基板面に対して平行な一直線上または平面上に複数
個配列したことにより、蒸着膜の厚みが均一になり、大
面積の蒸着膜の形成が可能になる。
【0033】また、請求項12の発明における電子ビー
ム蒸着装置は、前記容器に温度計測手段を設けたことに
より、該温度計測手段により検出された蒸着材料の温度
を電子ビーム出力にフィードバックし、該蒸着材料の温
度制御を行う。
【0034】また、請求項13の発明における溶接装置
は、真空槽内で、溶接材料に電子ビームを照射し、該溶
接材料を加熱・溶融することにより、大気中において溶
接し難い溶接材料のスポット溶接を短時間で行う。
【0035】また、請求項14の発明における自由電子
レーザ装置は、前記電子ビームを挾うにウィグラまたは
アンジュレータのいずれか1種を設けたことにより、バ
ーストビームである電子ビームが蛇行し、遠赤外領域の
を放射する。
【0036】
【実施例】 実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、41は電子銃1に設けられた第3
の電極であるシャドウグリッド、42はシャドウグリッ
41に高電圧パルスを印加するグリッド変調器(パル
ス電圧変調器)であり、該グリッド変調器42により
ャドウグリッド41に高電圧パルスを印加した場合にの
み、パルス状の電子ビーム3を出射させることができ
る。また43はグリッド変調器42のパルス電圧に同期
して電子ビーム3を走査する電磁石(走査手段)、44
は電磁石43を駆動させる走査電源で鋸歯状または階段
状の波形の電流を発生させる回路を有するものであり、
45は電子銃1から出射された電子ビーム3を集束また
は発散するための集束コイル(ビーム径制御手段)、4
6は蒸気7の蒸発方向と範囲を限定するために収納部の
断面がV字状とされた容器、47は差動排気真空槽、4
8はオリフィス、49は真空ポンプであり、差動排気真
空槽47、オリフィス48、真空ポンプ49により差動
排気系が構成されている。
【0037】また、50a及び50bはグリッド変調器
42から電子銃1のカソード1a及びシャドウグリッド
41に接続されるケーブルで、これらケーブル50a,
50bによりパルス状の高電圧がカソード1a及びシャ
ドウグリッド41に印加される。また、51は同期信号
回路、52はトリガ信号発生器であり、トリガ信号発生
器52から出力されたトリガ信号は同期信号回路51に
おいてグリッド変調器42のトリガ信号と同期がとられ
走査電源44に送られる。
【0038】図2は、電子ビーム3の動作を示す図であ
る。電子銃1から出射されたパルス状の電子ビーム3は
偏向電磁石4で所定の方向に偏向され、偏向電磁石4と
蒸着材料5の間におかれた電磁石43によりパルス状の
電子ビーム3は所定の方向に走査される。ここで、パル
ス状の電子ビーム3の単位時間当りのくり返しと電磁石
43の単位時間あたりのくり返しの比を整数倍にとると
パルス状の電子ビーム3は特定の位置にのみ照射され
る。
【0039】今、電子ビーム3の走査幅をL、直径を
D、パルス幅をτ、単位時間当りのパルスくり返しをf
b 、走査の単位時間当りのくり返しをfs とし、電子ビ
ーム3の平均電力をPa とすると、単位断面積当りのエ
ネルギー密度ρp は近似的に ρp =Pa /(τ・fs ・L・D)……………………………(1) で表わされる。また、連続ビームでパルス状の電子ビー
ム3と同じように走査した場合、単位断面積当りのエネ
ルギー密度ρc は ρc =Pa /(D・L) ………………………………………(2) で表わされるので、(1)式と(2)式より比ρp /ρ
c を求めると、 ρp /ρc =n/(τ・fb ) ………………………………(3) となる。ここで、nは走査のくり返し周波数fs に対す
るビームのくり返し周波数fb の比であり n=fb /fs …………………………………………………(4) と表わされる。
【0040】τ・fp はパルス状の電子ビーム3のデュ
ーティファクターと呼ばれるパラメータで電子ビーム3
の平均パワーPa が一定であれば、照射される電子ビー
ム3の単位断面積当りのエネルギー密度ρp はデューテ
ィファクタτ・fp に反比例し、電子ビーム3の走査の
くり返しに比例して増加するので、電子ビーム3のエネ
ルギー密度が一定であれば電子ビーム3のデューティフ
ァクタを下げ、走査のくり返しを増すことによって電子
ビーム3の平均パワーPa を小さくすることが出来る。
【0041】図3はアノード変調回路の一例を示す回路
図である。ここでは、放電回路に用いられているスイッ
チング素子24及びトリガドライブ回路27を各々複数
個とし、トリガ信号発生器52より出力されたトリガ信
号をマルチプレクサ53によりトリガドライブ回路2
7,27各々に時系列的に分配する。以上により、スイ
ッチング回路の各々のデューティを低下させることがで
き、電子ビーム3の平均パワーを小さくすることができ
る。
【0042】実施例2.図4は実施例2の電子ビーム蒸
着装置を示す構成図である。図において、61は測温体
(温度計測手段)、62は信号増幅回路、63は設定温
度信号発生回路、64は信号増幅回路62の出力信号と
設定温度信号発生回路63からの出力信号とを比較し、
増幅する比較増幅回路、65は比較増幅回路64からの
出力信号である。ここでは設定温度と蒸着材料5近傍の
測温体61との温度差が出力信号65となる。
【0043】図5はこの電子ビーム蒸着装置のグリッド
変調器42を示す回路図である。図において、66は差
動増幅回路であり、蒸着材料5の温度と設定温度との差
である出力信号65の電圧と、PFNコンデンサ充電電
圧とパルス電圧設定回路29からの電圧との差を比較増
幅し、その出力信号でチャージングチョーク22の二次
側回路にあるサイリスタを開閉し、PFNのコンデンサ
の充電電圧を制御する。PFN充電電圧によりグリッド
パルス変調器出力を制御し、この出力により電子銃1か
ら出射される電子ビーム3の電流を制御することによ
り、蒸着材料5に照射される電子ビームパワーを制御し
蒸着材料5の温度制御を行うことが出来る。
【0044】図6はグリッド変調器42の他の実施例を
示す回路図である。図6において、67はパルス変調回
路、68はパルス変調素子67のドライブ回路、69は
ドライブ回路68に信号を伝送する光ケーブル、70は
パルス信号増幅及びE/P変換回路、71はパルス信号
発生器である。パルス信号発生器71からのパルス信号
はパルス信号増幅及びE/P変換回路70で増幅及び光
信号に変換され、光ケーブル69によりドライブ回路
8に伝送され、かつ増幅される。パルス変調回路67の
入力回路にこの信号が入力されるとグリッド変調器42
の出力回路から、高電圧のパルス出力が得られる。パル
ス信号発生器71のパルス幅を変えることによりグリッ
変調器42の出力パルス幅も変えることが出来るので
電子銃1から取り出せる電子ビーム3のパルス幅も可変
することが出来、従って電子ビーム3のパルス当りの照
射面積も変えることが出来る。
【0045】実施例3.図7は実施例3の電子ビーム蒸
着装置を示す構成図であり、図において、81は電磁石
43に階段状の磁界を発生させて電子ビームを階段状に
走査するために、該電磁石43に階段状の電流を供給す
る走査電源である。電磁石43と走査電源81により走
査機構が構成される。この走査電源81は図8に示すよ
うな階段状の電流を出力することができる。
【0046】図9は走査電源81を示す回路図であり、
図において82は直流電源、83は制御用トランジス
タ、84は高速切換器、85は階段状信号発生器、86
は高速切換器84に切換信号を与える切換信号発生器で
ある。直流電源82からの電流は制御用トランジスタ8
3を通して電磁石43に流されるが、制御用トランジス
タ83のベースは高速切換器84で切換えられた階段状
の制御信号によって負荷に流れる電流が制御される。高
速切換器の切換のタイミングは、切換信号発生器86の
信号によって電子ビーム3のパルスに同期して送り込ま
れる。これによって電子ビーム3のパルスの各パルス毎
に設定された電流が走査機構に流され電子ビーム3を階
段状に走査することができる。
【0047】実施例4.図10は実施例4の電子ビーム
溶接装置の構成図であり、図において、91は被溶接
物、92は被溶接物の溶接すべき位置に設けられた溶接
材料、93は被溶接物91を水平方向に移動させる移動
機構である。この溶接装置によれば、溶接材料92に電
子ビーム3を照射し、該溶接材料92を加熱・溶融する
ことにより、大気中において溶接し難い材料のスポット
溶接を短時間で多数行なうことができる。
【0048】実施例5.図11は実施例5の自由電子レ
ーザ装置を示す構成図である。図において、101はバ
ーストビーム発生用のバーストパルス発振器、102は
ウィグラ、103はミラー、104はビームキャッチャ
ー(電子ビーム捕獲部材)である。
【0049】この自由電子レーザ装置では、発振ゲイン
上げパルスビーム電流を増加させているため、電子ビ
ーム3をバーストビームとする。そのため電子銃1の
ャドウグリッド41に高速のバーストパルスを印加する
バーストパルス発振器101を設けたことにより、高速
のバーストビームを発生させることができる。また、ウ
ィグラ102が電子ビーム3を挾むように設けられてい
るので、バーストビームである電子ビーム3を蛇行さ
せ、遠赤外領域の光を放射することができる。
【0050】なお、ウィグラ102の替りにアンシュレ
ータを用いても同様の効果を得ることができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、前記電子銃に、前記電子ビームをパルス化するシャ
ドウグリッドを設けるように構成したので、小さい電力
のパルス信号で該電子銃からパルス状の電子ビームを発
生させることができる効果がある。
【0052】また、請求項2の発明によれば、前記シャ
ドウグリッドの高電圧側にパルス電圧変調器を設けるよ
うに構成したので、該パルス電圧変調器から出力するパ
ルス電圧に応じてパルス状の電子ビームを発生させるこ
とができ、電子銃電源を小型化することができ、装置が
安価にできる効果がある。
【0053】また、請求項3の発明によれば、前記パル
ス電圧変調器が電子ビームの尖頭値を変化させる制御手
段を有するように構成したので、該電子ビームの尖頭値
を正確に制御できる効果がある。
【0054】また、請求項4の発明によれば、前記電子
ビーム近傍に走査手段を設けるように構成したので、該
電子ビームを所定の方向へ走査させることができる効果
がある。
【0055】また、請求項5の発明によれば、前記走査
手段を、前記シャドウグリッドに印加されるパルス電圧
に同期して前記電子ビームを走査するように構成したの
で、バルス状の電子ビームを常に一定の位置に照射させ
ることができ、該照射点における電子ビームのエネルギ
ー密度を高める効果がある。
【0056】また、請求項6の発明によれば、前記走査
手段が、電子ビームを階段状に走査する走査機構を有す
るように構成したので、電子ビームを所定の方向へ階段
状に走査させることができる効果がある。
【0057】また、請求項7の発明によれば、前記電子
ビーム近傍に、該電子ビームを集束または発散させるビ
ーム径制御手段を設けるように構成したので、該電子ビ
ームの径を最適の大きさに制御することができ、該電子
ビームのエネルギー密度を目的に応じて変化させること
ができる効果がある。
【0058】また、請求項8の発明によれば、電子ビー
ムの照射面積を変える照射制御手段を備えるように構成
したので、電子ビームの照射面積を任意に変えることが
できる効果がある。
【0059】また、請求項9の発明によれば、前記パル
ス電圧変調器が複数のスイッチング素子を備えるように
構成したので、スイッチング回路の各々のデューティを
低下させることができ、電子ビームの平均パワーを小さ
くできる効果がある。
【0060】また、請求項10の発明によれば、トリガ
信号を複数のトリガドライブ回路に時系列的に分配する
ように構成したので、スイッチング回路の各々のデュー
ティをさらに低下させることができ、電子ビームの平均
パワーをさらに小さくできる効果がある。
【0061】また、請求項11の発明によれば、前記蒸
着源の蒸着材料を収納する容器を、基板面に対して平行
な一直線上または平面上に複数個配列するように構成し
たので、蒸着膜の厚みを均一にすることができ、大面積
の蒸着膜を形成できる効果がある
【0062】また、請求項12の発明によれば、前記容
器に温度計測手段を設けるように構成したので、該温度
計測手段により検出された蒸着材料の温度を電子ビーム
出力にフィードバックすることができ、該蒸着材料の温
度を効率的に制御することができ、該蒸着材料の熱除去
を容易に行うことができる効果がある。
【0063】また、請求項13の発明によれば、真空槽
内において、溶接材料に電子ビームを照射し、該溶接材
料を加熱・溶融するように構成したので、大気中におい
て溶接し難い溶接材料のスポット溶接を短時間で行うこ
とができる効果がある。
【0064】また、請求項14の発明によれば、前記電
子ビームを挾むようにウィグラまたはアンジュレータの
いずれか1種を設けるように構成したので、バーストビ
ームである電子ビームを蛇行させ、遠赤外領域の光を放
射することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による電子ビーム蒸着装置
を示す構成図である。
【図2】この発明の実施例1による電子ビーム蒸着装置
の電子ビームの動作を示す説明図である。
【図3】アノード変調回路の一例を示す回路図である。
【図4】この発明の実施例2による電子ビーム蒸着装置
を示す構成図である。
【図5】グリッド変調器を示す回路図である。
【図6】グリッド変調器の他の実施例を示す回路図であ
る。
【図7】この発明の実施例3による電子ビーム蒸着装置
を示す構成図である。
【図8】走査電源の電流出力の一例を示す図である。
【図9】走査電源を示す回路図である。
【図10】この発明の実施例4による電子ビーム溶接装
置を示す構成図である。
【図11】この発明の実施例5による自由電子レーザ
を示す構成図である。
【図12】従来の電子ビーム蒸着装置を示す構成図であ
る。
【図13】従来のパルス変調器を示す回路図である。
【符号の説明】 1 電子銃 3 電子ビーム 5 蒸着材料 7 蒸気 8 基板 9 真空槽 24 スイッチング素子 27 トリガドライブ回路 41 シャドウグリッド 42 グリッド変調器(パルス電圧変調器) 43 電磁石(走査手段) 45 集束コイル(ビーム径制御手段) 46 容器 61 測温体(温度計測手段) 65 出力信号 81 走査電源(走査機構) 91 被溶接物 92 溶接材料 93 移動機構 101 バーストパルス発振器 102 ウィグラ 104 ビームキャッチャー(電子ビーム捕獲部材)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽と、該真空槽内に設けられた蒸着
    源と、該蒸着源の蒸着材料に電子ビームを照射し、該蒸
    着材料を加熱・溶融する電子銃とを備え、前記真空槽内
    の所定位置に保持された基板上に、前記蒸着源から蒸発
    する蒸着材料を蒸着させる電子ビーム蒸着装置におい
    て、前記電子銃に、前記電子ビームをパルス化する電極
    を設けたことを特徴とする電子ビーム蒸着装置。
  2. 【請求項2】 前記電極に、パルス電圧を印加するパル
    ス電圧変調器を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    電子ビーム蒸着装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス電圧変調器は、前記パルス電
    圧を変化させて前記電子ビームの尖頭値を変化させる制
    御手段を有することを特徴とする請求項2記載の電子ビ
    ーム蒸着装置。
  4. 【請求項4】 前記電子ビーム近傍に、該電子ビームを
    所定の方向へ走査する走査手段を設けたことを特徴とす
    る請求項1,2または3のいずれか1項記載の電子ビー
    ム蒸着装置。
  5. 【請求項5】 前記走査手段は、前記電極に印加される
    パルス電圧に同期して前記電子ビームを走査することを
    特徴とする請求項4記載の電子ビーム蒸着装置。
  6. 【請求項6】 前記走査手段は、前記電子ビームを階段
    状に走査する走査機構を有することを特徴とする請求項
    4または5のいずれか1項記載の電子ビーム蒸着装置。
  7. 【請求項7】 前記電子ビーム近傍に、該電子ビームを
    集束または発散させるビーム径制御手段を設けたことを
    特徴とする請求項1,2,3,4,5または6のいずれ
    か1項記載の電子ビーム蒸着装置。
  8. 【請求項8】 前記パルス電圧のパルス幅または前記電
    子ビームの走査速度を変えることにより、該電子ビーム
    の照射面積を変える照射制御手段を備えたことを特徴と
    する請求項2,3,4,5,6または7のいずれか1項
    記載の電子ビーム蒸着装置。
  9. 【請求項9】 前記パルス電圧変調器は複数のスイッチ
    ング素子を備えたことを特徴とする請求項2記載の電子
    ビーム蒸着装置。
  10. 【請求項10】 前記パルス電圧変調器のスイッチング
    素子及びトリガドライブ回路を複数個とし、トリガ信号
    をこれらトリガドライブ回路に時系列的に分配すること
    を特徴とする請求項9記載の電子ビーム蒸着装置。
  11. 【請求項11】 前記蒸着源の蒸着材料を収納する容器
    は、その収納部の断面形状がV字状であることを特徴と
    する請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または
    10のいずれか1項記載の電子ビーム蒸着装置。
  12. 【請求項12】 前記容器を、基板面に対して平行な一
    直線上または前記基板面と平行な平面上に複数個配列し
    たことを特徴とする請求項11記載の電子ビーム蒸着装
    置。
  13. 【請求項13】 前記容器に、蒸着材料の温度を計測す
    る温度計測手段を設け、該温度計測手段の出力する信号
    に基づき前記パルス電圧を制御することを特徴とする請
    求項11記載の電子ビーム蒸着装置。
  14. 【請求項14】 真空槽と、該真空槽内に設けられ被溶
    接物を移動する移動機構と、該移動機構に保持された被
    溶接物の溶接すべき位置に設けられた溶接材料に電子ビ
    ームを照射し、該溶接材料を加熱・溶融する電子銃とを
    備えたことを特徴とする電子ビームを用いた溶接装置。
  15. 【請求項15】 真空槽と、該真空槽内に設けられた電
    子ビーム捕獲部材と、該電子ビーム捕獲部材に電子ビー
    ムを照射する電子銃と、前記電子ビームを挾むように設
    けられ該電子ビームを蛇行させるウィグラまたはアンジ
    ュレータのいずれか1種と、前記電子銃の陽極側に設け
    られ前記電子ビームをバーストビームとするためのバー
    ストパルス発振器とを備えたことを特徴とする電子ビー
    ムを用いた自由電子レーザ。
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