JPH0711428A - 金属化ポリエステルフイルム - Google Patents

金属化ポリエステルフイルム

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JPH0711428A
JPH0711428A JP15888593A JP15888593A JPH0711428A JP H0711428 A JPH0711428 A JP H0711428A JP 15888593 A JP15888593 A JP 15888593A JP 15888593 A JP15888593 A JP 15888593A JP H0711428 A JPH0711428 A JP H0711428A
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film
polyester
primer
acid
polyester film
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JP15888593A
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Shinichiro Okada
真一郎 岡田
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿性、蒸着加工性に優れた金属化ポリエス
テルフイルムを提供する。 【構成】 二軸配向ポリエステルフイルムの少なくとも
片面にプライマーを介して金属蒸着膜が形成されている
金属化ポリエステルフイルムであって、該プライマーが
ポリマー分子内にスルホン酸塩基、カルボン酸塩基及び
/又はリン酸塩基の親水性付与基を実質的に有しない、
結晶融解熱が5cal/g以下であるポリエステルを主
成分とする塗布層であることを特徴とする金属化ポリエ
ステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属化ポリエステルフイ
ルムに関し、更に詳しくは二軸配向ポリエステルフイル
ムの少なくとも片面に耐湿性の優れた特定のプライマー
を設け、その上に金属蒸着膜を形成してなる金属化ポリ
エステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向ポリエステルフイルムは、機械
的性質、耐熱性、電気的性質などに優れていることか
ら、産業上広く利用されている。
【0003】この二軸配向ポリエステルフイルムの用途
の一つにコンデンサーがある。コンデンサーは、一般
に、二軸配向ポリエステルフイルムとアルミニウム箔等
の金属箔とを重ね合わせて巻回する方法、前記フイルム
の表面にアルミニウムや亜鉛等の蒸着膜を形成させ、金
属化フイルムとした後に巻回する方法、更には前記フイ
ルムの両面に金属膜を形成せしめて両面金属化フイルム
とし、その表面に誘電体層を設け、それらを積層する方
法により製造されている。
【0004】最近では、電気あるいは電子回路の小型化
要求に伴ってコンデンサーについてもその小型化が強く
推し進められており、その基体(ベースフイルム)とな
る二軸配向ポリエステルフイルムの薄膜化が進められて
いるが、この薄膜化によってベースフイルムと金属蒸着
膜との付着強度が不十分であるという欠点が生じてい
る。
【0005】かかる欠点を改良するために、従来、例え
ばポリウレタン、水性ポリエステル、アクリル樹脂等の
樹脂のプライマー層をベースフイルム表面上に設けて金
属蒸着膜の付着強度を高めるという手段がとられてい
る。中でも、水性ポリエステルはプライマーを塗設した
ポリエステルフイルムの回収性の点から最も望ましい。
しかし、従来の水性ポリエステルはスルホン酸塩基、カ
ルボン酸塩基又はリン酸塩基で親水性が付与されている
ため、該水性ポリエステルをプライマーとする金属化フ
イルムは高湿度雰囲気中で使用すると、静電容量が低
下、また小型になるほど水分の影響を受けやすく、耐湿
性能が悪くなる。
【0006】また、かかる親水性付与基を有しないポリ
エステルは水性化が著しく困難で実用化できない状況に
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな従来の欠点を改善した金属化ポリエステルフイルム
を得るべく鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構成から
なる金属化ポリエステルフイルムがこれらの特性を高度
に満たすことを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、二
軸配向ポリエステルフイルムの少なくとも片面にプライ
マーを介して金属蒸着膜が形成されている金属化ポリエ
ステルフイルムであって、該プライマーがポリマー分子
内にスルホン酸塩基、カルボン酸塩基及び/又はリン酸
塩基の親水性付与基を実質的に有しない、結晶融解熱が
5cal/g以下のポリエステルを主成分とする塗布層
であることを特徴とする金属化ポリエステルフイルムで
ある。
【0009】本発明においてプライマーの主成分を構成
するポリエステルはスルホン酸塩基、カルボン酸塩基及
び/又はリン酸塩基の親水性付与基を実質的に有しない
ポリエステルである。そして、これら塩基はアルカリ金
属塩基、アルカリ土類金属塩基等を意味する。
【0010】このポリエステルを構成する酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6―
ナフタレンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカ
ルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、フェニルインダン
ジカルボン酸、ダイマー酸等を例示することができる。
これら成分は2種以上を用いることができる。
【0011】また、前記ポリエステルを構成するポリオ
ール成分としては、エチレングリコール、1,4―ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、1,6―ヘキサンジ
オール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、キシリ
レングリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール、更に下記式のビスフェノールAのエチレンオキ
サイド付加物やプロピレンオキサイド付加物
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】等を例示することができる。これらは2種
以上を用いることができる。
【0015】かかるポリオール成分の中でもエチレング
リコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物やプロピレンオキサイド付加物、1,4―ブタンジオ
ールが好ましく、更に好ましくはエチレングリコール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物やプロピ
レンオキサイド付加物である。
【0016】プライマーの主成分を構成するポリエステ
ルは結晶融解熱が5cal/g以下である必要がある
が、かかる点から該ポリエステルは変性ポリエステル、
例えばポリエステル共重合体と例えばアクリル樹脂、ポ
リウレタン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂等とのブロック共重合体、グラフト共重合体など
であることが好ましい。
【0017】かかるポリエステルは、従来からのポリエ
ステルの溶液又は溶融重合法によって製造することがで
きる。例えば2,6―ナフタレンジカルボン酸又はその
エステル形成性誘導体及びイソフタル酸又はそのエステ
ル形成性誘導体とエチレングリコール及びビスフェノー
ルAのプロピレンオキサイド付加物とを反応せしめてモ
ノマーもしくはオリゴマーを形成し、その後これらを真
空下で重縮合せしめることによって所定の固有粘度(o
―クロロフェノールを用いて35℃で測定した固有粘度
で0.2〜0.8が好ましい。)のポリエステルとする
方法で製造することができる。その際、反応を促進する
触媒、例えばエステル化もしくはエステル交換触媒、重
縮合触媒を用いることができ、また種々の添加剤、例え
ば安定化剤等を添加することもできる。
【0018】本発明におけるプライマーを水性塗液を用
いて形成する場合、ベースフイルムとなるポリエステル
フイルムへの濡れ性を向上させるために該水性塗液の濡
れ剤を含有させることが好ましい。濡れ剤としては、水
性塗液の表面張力を50dyne/cm以下、好ましく
は40dyne/cm以下にするアニオン型界面活性
剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の
界面活性剤が好ましく、例えばポリエチレンオキサイド
・ポリプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン―脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル
スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
塩、アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムク
ロライド塩、第4級アンモニウム硫酸エチル塩、アルキ
ルアミン塩酸塩等を挙げることができる。濡れ剤の量と
しては、プライマー全固形分の2〜30重量%が好まし
く、より好ましくは3〜20重量%である。
【0019】本発明におけるプライマーは有機溶剤の塗
液を用いて形成することも可能である。この溶剤として
は、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n―
ヘキサン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノー
ル、n―プロパノール、イソプロパノール等より選ばれ
る1つ、もしくは複数を組み合わせて用いることができ
る。
【0020】本発明の効果を消失させない範囲におい
て、例えば他の帯電防止剤も用いることができる。例え
ばアニオン、カチオン、ノニオン、ベタイン、第4級ア
ンモニウム塩基を有するアクリル系ポリマー、イオネン
ポリマー、リン酸塩化合物、リン酸エステル化合物等の
イオン伝導性のもの、酸化スズ―酸化アンチモン等の金
属酸化物、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アル
コキシジルコニウム等の金属アルコキシド及びその誘導
体、コーテッドカーボン、コーテッドシリカ等より選ば
れる1つ、もしくは複数を組み合わせて用いることがで
きる。
【0021】本発明におけるプライマーは、上述の各成
分を含むプライマー塗液をポリエステルフイルムの少な
くとも片面に塗布することで形成するが、プライマー水
性塗液を二軸配向の結晶配向が完了する前のポリエステ
ルフイルムに塗布する、いわゆるインラインコーティン
グ法で形成するのが好ましい。
【0022】この結晶配向が完了する前のポリエステル
フイルムとは、該ポリエステルを熱溶融してそのままフ
イルム状となした未延伸フイルム;未延伸フイルムを縦
方向又は横方向の何れか一方に配向せしめた一軸延伸フ
イルム;さらには縦方向及び横方向の二方向に低倍率で
延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向又は横方向に再
延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フ
イルム)等を含むものである。
【0023】フイルムへのプライマー塗液の塗布方法と
しては、公知の任意の塗布法が適用できる。例えば、ロ
ールコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコ
ート法、リバースコート法、ロールブラッシュ法、スプ
レーコート法、エアーナイフコート法、含浸法及びカー
テンコート法等を単独又は組み合わせて適用するとよ
い。このプライマー塗液として水性塗液を用いる場合に
は、塗液の安定性又は塗液の塗布性を助ける目的で若干
量の有機溶剤を含んでもよい。塗布量は走行しているフ
イルム1m2 当たり0.5〜50g、さらには5〜30
gが好ましい。最終乾燥塗膜としては、0.001〜5
μmが好ましく、0.005〜1μmが更に好ましい。
【0024】塗布はフイルムの用途に応じて片面のみに
行うことも両面に行うこともできる。塗布後、乾燥する
ことにより、均一な塗膜となる。
【0025】本発明においてベースフイルムの二軸配向
ポリエステルフイルムを構成するポリエステルとは、芳
香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコー
ルを主たるグリコール成分とするポリエステルである。
かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイ
ルム形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有す
る。
【0026】芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジ
フェニルエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、ア
ンスラセンジカルボン酸等を挙げることができる。
【0027】脂肪族グリコールとしては、例えばエチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコール、デカメチレングリコール等の如き炭素
数2〜10のアルキレングリコール、ポリエチレングリ
コール、あるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂
環族ジオール等を挙げることができる。
【0028】本発明において、ポリエステルとしては例
えばアルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナ
フタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用い
られる。
【0029】かかるポリエステルのうちでも、特にポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフ
タレートをはじめとして、例えば全ジカルボン酸成分の
80モル%以上がテレフタル酸及び/又は2,6―ナフ
タレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80モ
ル%以上がエチレングリコールである共重合体が好まし
い。
【0030】その際、全酸成分の20モル%以下はテレ
フタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸以外の上記
芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えばアジ
ピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;シク
ロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジカル
ボン酸等であることができる。
【0031】また、全グリコール成分の20モル%以下
はエチレングリコール以外の上記グリコールであること
ができ、また例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,
2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン等の如き
芳香族ジオール;1,4―ジヒドロキシメチルベンゼン
の如き芳香環を有する脂肪族ジオール;ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等の如きポリアルキレングリコール(ポ
リオキシアルキレングリコール)等であることもでき
る。
【0032】また、本発明におけるポリエステルには、
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸;ω―
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重
合あるいは結合するものも包含される。
【0033】さらに本発明におけるポリエステルには実
質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モ
ル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポリ
ヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリ
スリトール等を共重合したものをも包含される。
【0034】本発明においては、また、ポリエステルが
85重量%以上(好ましくは90重量%以上)を占め、
他の重合体が15重量%以下(好ましくは10重量%以
下)であるようなポリマーブレンドであってもよい。ブ
レンドできる他の重合体としてポリアミド、ポリオレフ
ィン、他種ポリエステル(ポリカーボネートを含む)が
例示される。また前記ポリエステルは、必要に応じて、
安定剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を含有するもの
であってもよい。
【0035】上記ポリエステルは、それ自体公知であ
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
【0036】上記ポリエステルとしては、o―クロロフ
ェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘
度が約0.4〜約0.9のものが好ましい。
【0037】本発明における二軸配向ポリエステルフイ
ルムは必要に応じて不活性粒子を含有する。
【0038】この不活性粒子はポリマーに不活性、不溶
性でかつ常温で固体のものであれば特に制限がなく、外
部添加粒子でも内部生成粒子でもよい。例えば酸の金属
塩でもよく、また無機物でもよい。好ましい不活性粒子
としては、(1)炭酸カルシウム、(2)二酸化ケイ素
(水和物、ケイ砂、石英等を含む)、(3)アルミナ、
(4)SiO2 分を30重量%以上含有するケイ酸塩
(例えば非晶質あるいは結晶質の粘土鉱物、アルミノシ
リケート化合物(焼成物や水和物を含む)、温石綿、ジ
ルコン、フライアッシュ等)、(5)Hg、Zn、Z
r、及びTiの酸化物、(6)Ca、及びBaの硫酸
塩、(7)Li、Na、及びCaのリン酸塩(1水素塩
や2水素塩を含む)、(8)Li、Na、及びKの安息
香酸塩、(9)Ca、Ba、Zn、及びMnのテレフタ
ル酸塩、(10)Hg、Ca、Ba、Zn、Cd、P
b、Sr、Mn、Fe、Co、及びNiのチタン酸塩、
(11)Ba、及びPbのクロム酸塩、(12)ガラス
(例えばガラス粉、ガラスビーズ等)、(13)Ca、
及びMgの炭酸塩、(14)ホタル石、(15)Zn
S、(16)耐熱性高分子粒子(例えばシリコーン樹脂
粒子、架橋ポリスチレン粒子等)が例示される。特に好
ましいものとして、無水ケイ酸、含水ケイ酸、酸化アル
ミニウム、ケイ酸アルミニウム(焼成物、水和物等を含
む)、燐酸1リチウム、燐酸3リチウム、燐酸ナトリウ
ム、燐酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、安息
香酸リチウム、これらの化合物の複塩(水和物を含
む)、ガラス粉、粘土(カオリン、ベントナイト、白土
等を含む)、タルク、CaCO3 、シリコーン樹脂粒
子、架橋ポリスチレン粒子等が例示される。これらは単
独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0039】本発明における二軸配向ポリエステルフイ
ルムは、二軸方向(すなわち縦及び横方向)に、それぞ
れ延伸倍率2倍以上で延伸したものが好ましい。二軸方
向の延伸倍率は相等しくても、等しくなくてもよい。ま
た該フイルムは単一膜であっても、積層フイルムであっ
てもよい。
【0040】このポリエステルフイルムは、例えば通常
の押出温度、すなわち融点(Tm)以上(Tm+70)
℃以下の温度で溶融押出し、急冷した固有粘度[η]が
0.4〜0.9のポリエステル未延伸フイルムを、ポリ
エステルの二次転移点(Tg)以上(Tg+70)℃以
下の温度で縦あるいは横方向に2.5〜5.0倍の延伸
倍率で延伸し、次いで前記延伸方向と直角方向(前記延
伸方向が縦方向であるならば今度は横方向)にTg〜
(Tg+70)℃の温度で2.5〜5.0倍の延伸倍率
で延伸する(延伸はこのような逐次二軸延伸であっても
よく、また同時二軸延伸であってもよく、その製造法は
特に限定されない。)と得られる。このようにして得ら
れた二軸配向フイルムは(Tg+70)℃以上Tm以下
で1〜60秒間熱固定するのが通例である。
【0041】本発明において金属蒸着膜は、前述した二
軸配向ポリエステルフイルムの少なくとも片面にプライ
マーを介して設ける、換言すると該ポリエステルフイル
ムの表面に形成したプライマーの上に設けるが、該金属
蒸着膜の形成方法は従来から知られている方法を用いる
ことができる。例えば、アルミニウムや亜鉛等の金属を
前記プライマーの上に蒸着することで形成することがで
き、そしてこの蒸着の条件等は従来から採用されている
のを用いることができる。
【0042】本発明の金属化ポリエステルフイルムを使
用したコンデンサーは、従来のコンデンサーにみられる
ような高湿度における静電容量の低下がなく、電気的性
質に優れ、品質のバラツキの少ないコンデンサーであ
る。
【0043】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を更に説明す
る。なお、本発明における種々の物性値及び特性は以下
の如く測定されたものである。
【0044】(1)粒子の平均粒径 島津製作所CP―50型セントリフュグル パーティク
ル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle Siz
e Analyzer)を用いて測定する。得られた遠心沈降曲線
を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との累積曲線
から、50マスパーセント(mass percent)に相当する
粒径を読み取り、この値を上記平均粒径とする(「粒度
測定技術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242
〜247参照)。
【0045】(2)フイルム表面粗さ(Ra) 中心線平均粗さ(Ra)としてJIS―B0601で定
義される値であり、本発明では(株)小坂研究所の触針
式表面粗さ計(SURFCORDER SE―30C)を用いて測
定する。測定条件等は次の通りである。 (a)触針先端半径:2μm (b)測定圧力 :30mg (c)カットオフ :0.25mm (d)測定長 :2.5mm (e)データーのまとめ方 同一試料について5回繰返し測定し、最も大きい値を1
つ除き、残り4つのデーターの平均値の少数点以下4桁
目を四捨五入し、小数点以下3桁目まで、単位μmで表
示する。
【0046】(3)蒸着加工性の評価 フイルム巾500mm、巻長さ20,000mの原フイ
ルムに、アルミニウム純度99.99%、蒸着源温度1
400℃、蒸着面とフイルム面との距離350mm、入
射角40°、真空度5×10-5Torr、蒸着速度30
0m/mm、蒸着テンション20kg、蒸着厚さ100
mμの条件でアルミニウム蒸着を行い、原フイルムの蒸
着加工性について蒸着加工時に横しわが全く発生しない
ものを◎、やや横しわが発生するが蒸着斑や蒸着後のス
リット不良までには到らないものを○、横しわ、あるい
は場合により縦しわが発生し、蒸着斑や蒸着後のスリッ
ト不良が頻繁に起こり、使用に供し得ないものを×とす
る。
【0047】(4)耐湿性の評価 コンデンサーを60℃、95%RHの雰囲気下で500
時間放置した後の静電容量の変化が放置前の測定値と比
較して、±5%以内であるものを○、そうでないものを
×とする。
【0048】(5)結晶融解熱 走査型熱量計を使用し、ポリエステル0.001gを1
分間当たり12℃の速度で昇温(N2 雰囲気下)して吸
熱曲線から融解による吸熱エネルギーを求め試料重量1
g当たりに換算する。
【0049】
【比較例1〜2】ジメチルテレフタレートとエチレング
リコールを、エステル交換触媒として酢酸マンガンを、
重合触媒として三酸化アンチモンを、安定剤として亜燐
酸を、更に滑剤(添加粒子)として表1に示すものを用
いて、エステル交換及び重縮合を行い、固有粘度
([η])0.65のポリエチレンテレフタレートを得
た。
【0050】なお、上記滑剤はエチレングリコールに添
加し、超音波分散処理して得られたグリコール分散液と
して添加した。
【0051】このポリエチレンテレフタレートのペレッ
トを170℃、3時間乾燥後押出機ホッパーに供給し、
溶融温度280〜300℃で溶融し、この溶融ポリマー
を開度1mmのスリット状ダイを通して表面仕上げ0.
3S程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出成
形し、80μmの未延伸フイルムを得た。
【0052】このようにして得られた未延伸フイルムを
75℃に予熱し、さらに低速、高速のロール間で15m
m上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて
加熱してから縦方向に3.6倍に延伸後急冷した。続い
てこの一軸延伸フイルムの両面にロールコート法によっ
て、表1に示す塗布剤Aのプライマー塗液を乾燥後の厚
みが0.03μmになるように塗布した。
【0053】次いでプライマー塗液を塗布した一軸延伸
フイルムをステンターに供給し105℃にて横方向に
3.7倍に延伸した。得られた二軸延伸フイルムを22
0℃の温度で5秒間熱固定し、厚み6μmの熱固定二軸
配向フイルムを得た。このフイルムを用いて蒸着フイル
ムコンデンサーを製造した。
【0054】上記フイルムの150℃、30分間におけ
る熱収縮率は縦方向1.5%、横方向1.7%であり、
蒸着加工性はすべて良好であった。更に他の特性を表2
に示す。
【0055】
【実施例1〜2】塗布剤を表2に示した塗布剤Bに変更
する以外は比較例1〜2と同様に行って、厚み6μmの
熱固定二軸配向フイルムを得た。更にこのフイルムを用
いて蒸着フイルムコンデンサーを製造した。
【0056】このフイルムの150℃、30分間におけ
る熱収縮率は縦方向1.5%、横方向1.7%であり、
蒸着加工性が良好であった。このフイルム及びコンデン
サーの特性を表2に示す。これら実施例で得たフイルム
及びコンデンサーはいずれも耐湿性に優れた品質のもの
であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、耐湿性、蒸着加工性に
優れた金属化ポリエステルフイルムを提供することがで
きる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】プライマーの主成分を構成するポリエステ
ルは結晶融解熱が5cal/g以下である必要がある
かかる点から該ポリエステルは変性ポリエステル、例え
ばポリエステル共重合体、ポリエステル共重合体と例え
ばアクリル樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂等とのブロック共重合体、グ
ラフト共重合体などであることが好ましい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸配向ポリエステルフイルムの少なく
    とも片面にプライマーを介して金属蒸着膜が形成されて
    いる金属化ポリエステルフイルムであって、該プライマ
    ーがポリマー分子内にスルホン酸塩基、カルボン酸塩基
    及び/又はリン酸塩基の親水性付与基を実質的に有しな
    い、結晶融解熱が5cal/g以下のポリエステルを主
    成分とする塗布層であることを特徴とする金属化ポリエ
    ステルフイルム。
  2. 【請求項2】 プライマーがインラインコーティング法
    で形成された塗布層である請求項1記載の金属化ポリエ
    ステルフイルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5763096A (en) * 1995-03-08 1998-06-09 Toray Industries, Inc. Film having a good adhesive property and process for producing the same

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US5763096A (en) * 1995-03-08 1998-06-09 Toray Industries, Inc. Film having a good adhesive property and process for producing the same

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