JPH07113187A - 高炭素クロム含有鋼帯の酸洗方法 - Google Patents

高炭素クロム含有鋼帯の酸洗方法

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JPH07113187A
JPH07113187A JP25716093A JP25716093A JPH07113187A JP H07113187 A JPH07113187 A JP H07113187A JP 25716093 A JP25716093 A JP 25716093A JP 25716093 A JP25716093 A JP 25716093A JP H07113187 A JPH07113187 A JP H07113187A
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JP
Japan
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nitric acid
pickling
chromium
steel strip
high carbon
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP25716093A
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English (en)
Inventor
Rie Abe
理枝 安倍
Yuji Hiramoto
祐二 平本
Masaki Hatta
正樹 八田
Hironobu Tagawa
太宣 田川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高炭素クロム含有鋼帯の酸洗時にス
マット汚れのない酸洗方法を提供するものである。 【構成】 Cを0.1%以上含有するCr含有熱延鋼帯
を硫酸酸洗ののちに硝酸によってホワイトニング処理す
る一連の酸洗処理において、硝酸中に含有される硫酸イ
オン、鉄イオン、クロムイオンを下記(1)式の範囲と
する。 〔鉄イオン濃度/4.0 〕+〔クロムイオン濃度/5.0 〕
+〔硫酸イオン濃度/6.0 〕≦1.0 ……(1) ただし濃度の単位g/l(リットル) 【効果】 高炭素クロム含有鋼帯をスマット汚れを発生
させることなく、硫酸酸洗+硝酸ホワイトニング処理で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炭素(Cを0.1%
以上含有)でかつCrを含有するクロム含有熱延鋼帯の
酸洗方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロム含有鋼帯は、厨房用品等に使用さ
れる表面光沢、耐蝕性の両方を具備した鋼である。特
に、Cを0.1%以上含有した高炭素のクロム含有鋼帯
は、表面光沢、耐蝕性に加えて、高硬度も要求される包
丁やカッター等に使用される。ところで、クロム含有鋼
帯の酸洗時にはスマットと呼ばれるFeの水酸化物を主
成分とした反応物が生じることが一般的に知られてい
る。このスマットは鋼板の汚れの原因となるためこれを
発生させないこと、或は速やかに除去することが必要で
ある。
【0003】クロム含有鋼帯の酸洗方法は、大別すると
2種類ある。第一の方法は、硫酸酸洗を行って熱延時の
スケールを除去し、しかる後に硝酸でホワイトニングと
称する表面処理を行い、表面の白色化を図るものであ
る。第二の方法は硝酸と弗酸の混合物(以下硝弗酸とい
う。)を使用して、熱延時のスケール除去とホワイトニ
ングを同時に行うものであり、第一の方法に比較して、
スマットは発生しにくいものの、酸洗コストが高く、又
酸洗時に発生したNOx を集め排出する装置(脱硝装
置)を設置する必要があり設備費が高くなる。
【0004】Cが0.1%未満のクロム含有鋼帯は、ス
マットが発生しにくいため、第一の方法で酸洗が可能で
あるが、Cが0.1%以上のクロム含有鋼帯は、特開昭
63−295011号公報、特開昭58−73777号
公報に開示されているような、第二の硝弗酸による酸洗
を実施せざるを得なかった。この場合、一度発生したス
マットを、特開昭62−4891号公報に開示されてい
るような研磨装置で除去する方法も考えられるが、研磨
ブラシの磨耗によって、必ずしも均一な除去ができず第
一の酸洗方法(硫酸酸洗+硝酸ホワイトニング)によっ
てもスマットの発生しにくい高炭素含有クロム含有鋼帯
の酸洗条件の確立が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を鑑み、高炭素クロム含有熱延鋼帯のスマット汚れの
発生しない安価な酸洗方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の第
一の酸洗方法即ち硫酸酸洗+硝酸ホワイトニングにおけ
るスマット汚れの発生メカニズムについて種々の検討を
行った結果、これまで知られていなかったスマット汚れ
の新たな発生メカニズムを知見した。即ち、硫酸酸洗+
硝酸ホワイトニングにおける低炭素クロム含有鋼帯のス
マットの発生は、硫酸酸洗において発生しているとされ
ているのに対し、高炭素クロム含有鋼帯のスマットは、
硝酸液中で発生していることを知見したのである。そし
て、スマットの発生を防ぐためには、硝酸液中の、硫酸
イオン、鉄イオン、クロムイオンの濃度を 〔鉄イオン濃度/4.0 〕+〔クロムイオン濃度/5.0 〕
+〔硫酸イオン濃度/6.0 〕≦1.0 ただし濃度の単位:g/l(リットル) の範囲とすればよいことを見出した。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。図1は、
C:0.28%、Cr:13.1%、Si:0.8%の
高炭素クロム含有鋼帯の硝酸中(硝酸濃度50〜80g
/l)のアノード分極曲線1とカソード分極曲線2を示
したものである。カソード分極曲線は、通常は2′の位
置にあり、この時には鋼帯の溶解は起こらない。しか
し、硝酸液中に数種類のイオンを濃度を変更して添加し
た実験を行ったところ、硫酸イオン単独含有の場合6g
/l超、鉄イオン単独含有の場合4g/l超、クロムイ
オン単独含有の場合5g/l超含有されると、カソード
分極曲線は2″の溶解域に移動した。この時鋼帯の表面
から気泡が発生し鋼帯の表面からは水素が発生した。
【0008】更に、これらを実ラインにおいて試験した
結果を図2〜4に示す。図2は硝酸中の硫酸イオンの濃
度とスマット汚れの発生率(発生コイル数の%)、図3
は硝酸中の鉄イオンの濃度とスマット汚れの発生率、図
4は硝酸中のクロムイオン濃度とスマット汚れの発生率
の関係を示す。図から明らかのようにスマット汚れの発
生率は、硫酸イオンの場合6g/l超、鉄イオンの場合
4g/l超、クロムイオンの場合5g/l超含有される
と、スマットの発生率が高くなった。即ち、硫酸イオン
の場合6g/l超、鉄イオンの場合4g/l超、クロム
イオンの場合5g/l超含有されると、高炭素含有Cr
鋼帯の表面で活性な溶解反応を起こし、新たなスマット
が生成されるようになる。
【0009】更に、上記3種類のイオンを複合で含有し
た場合の、実ライン試験におけるイオン濃度及びスマッ
ト汚れ発生率を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】上記の実験結果から、イオンを複合して含
有する場合には、各イオン濃度を、各イオンを単独に含
有した時のスマット汚れが発生しない上限値で除した値
の合計値即ち、〔鉄イオン濃度/4.0〕+〔クロムイ
オン濃度/5.0〕+〔硫酸イオン濃度/6.0〕(た
だし、濃度の単位:g/l(リットル))が1.0以下
の場合にはスマット汚れが発生しないことがわかる。こ
の範囲を図示すると図5の範囲となる。
【0012】本発明を実施するためには、硝酸中の濃度
を連続的に或は、バッチ的に分析し、その結果を基に硝
酸の入れ替え或は新硝酸による希釈を行う。更に、酸洗
槽の出側に鋼板のスマット汚れを検出するための、色調
計を設置して、これの検出値にを合せて使用して、硝酸
の入れ替え或は新硝酸による希釈を自動的に行ってもよ
い。
【0013】
【実施例】本発明のライン構成を図6に示す。高炭素ク
ロム含有鋼帯3はペイオフリール4から、硫酸酸洗槽
5、中間洗浄槽6、硝酸スプレー槽7、仕上げ洗浄槽
8、ホットリンズ槽9を通ってテンションリール10に
巻取られる。この際、硝酸スプレー槽7の硝酸11は、
循環タンク12との間でポンプ13で配管14,15に
より循環使用される。
【0014】硝酸11の補給は、配管16を使用して、
バルブ23を「開」にすることで行われる。又所定量を
超える硝酸は、配管14の途中から、分岐配管19を通
してオンライン分析装置20に送り込まれ、ここで、硝
酸中の硫酸イオン濃度、鉄イオン濃度、クロムイオン濃
度が分析される。この分析は、2時間に1回タイマーを
使用してバッチ的に分析した。分析した結果は、コンピ
ューター21に送信される。
【0015】このような装置構成によって分析された硝
酸中の硝酸イオン、鉄イオン、クロムイオン濃度が継続
的に管理される。これらのイオン濃度を上述した濃度の
90%を超えた場合にアラームを鳴らし、硝酸11の入
れ替えを行った。従来の方法(硝酸中のイオン濃度管理
を行わない方法)においてはスマット汚れの発生率
〔(発生コイル本数/処理コイル本数)×100%〕は
34%であったが、上記の本発明の方法においては0%
であった。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は高炭素クロ
ム含有熱延鋼帯をスマット汚れを発生させることなく、
硫酸酸洗+硝酸ホワイトニング処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炭素クロム含有鋼帯のカソード分極曲線とア
ノード分極曲線を示す図である。
【図2】硝酸中の硫酸イオン濃度とスマット汚れ発生率
の関係を示す図である。
【図3】硝酸中の鉄イオン濃度とスマット汚れ発生率の
関係を示す図である。
【図4】硝酸中のクロムイオン濃度とスマット汚れ発生
率の関係を示す図である。
【図5】スマット汚れの発生しない硫酸イオン濃度、鉄
イオン濃度、クロムイオン濃度の範囲を示す図である。
【図6】本発明のライン構成の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 アノード分極曲線 2 カソード分極曲線 3 高炭素クロム含有鋼帯 4 ペイオフリール 5 硫酸酸洗槽 6 中間洗浄槽 7 硝酸スプレー槽 8 仕上げ洗浄槽 9 ホットリンズ槽 10 テンションリール 11 硝酸 12 硝酸循環タンク 13 ポンプ 14 硝酸戻り配管 15 硝酸送り配管 16 新硝酸供給配管 17 新硝酸供給ポンプ 18 硝酸中のイオン濃度分析装置への硝酸送りポン
プ 19 硝酸中のイオン濃度分析装置への硝酸送り配管 20 硝酸中成分分析装置 21 コンピュータ 22 硝酸中成分分析装置とコンピュータ間のデータ
伝送ケーブル 23 新硝酸供給バルブ 24 硝酸廃棄バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田川 太宣 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cを0.1%以上含有するCr含有熱延
    鋼帯を、硫酸酸洗した後、硫酸イオン、鉄イオン、クロ
    ムイオンの濃度を下記(1)式の範囲とした硝酸によっ
    てホワイトニング処理を行うことを特徴とする高炭素ク
    ロム含有鋼帯の酸洗方法。 〔鉄イオン濃度/4.0 〕+〔クロムイオン濃度/5.0 〕 +〔硫酸イオン濃度/6.0 〕≦1.0 ‥‥(1) ただし濃度の単位:g/l(リットル)
JP25716093A 1993-10-14 1993-10-14 高炭素クロム含有鋼帯の酸洗方法 Withdrawn JPH07113187A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5976282A (en) * 1996-03-22 1999-11-02 Kawasaki Steel Corporation Method for producing austenitic steel plate with excellent surface brightness and corrosion resistance

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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