JPH07113044A - 抗菌・抗かび性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

抗菌・抗かび性シリコーンゴム組成物

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JPH07113044A
JPH07113044A JP34173793A JP34173793A JPH07113044A JP H07113044 A JPH07113044 A JP H07113044A JP 34173793 A JP34173793 A JP 34173793A JP 34173793 A JP34173793 A JP 34173793A JP H07113044 A JPH07113044 A JP H07113044A
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JP
Japan
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silicone rubber
antibacterial
rubber composition
positive number
parts
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JP34173793A
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Yoshio Inoue
凱夫 井上
Susumu Sekiguchi
晋 関口
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1
価炭化水素基を示し、nは1.98〜2.02の正数で
ある。)で示されるオルガノポリシロキサンを主成分と
するシリコーンゴム組成物100重量部に、抗菌性金属
又は金属化合物がカルシウム系セラミックスに担持され
た抗菌剤或いはリン酸系抗菌剤を0.05〜50重量部
配合してなることを特徴とする抗菌・抗かび性シリコー
ンゴム組成物を提供する。 【効果】 本発明によれば、優れた抗菌性・抗かび性を
有し、かつ良好な物性のシリコーンゴムを提供すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコーンゴム製品に
抗菌性・抗かび性を付与することにより、住環境の良
化、製品寿命の延長、食品衛生の向上などの効果を与え
ることができる抗菌・抗かび性シリコーンゴム組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリコ
ーンゴムは優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪、耐
熱性、耐寒性等の特性を有しているため、近年、電子機
器、自動車、建築、医療、食品をはじめとする様々な分
野で広く使用されている。例えば、家電製品では電気炊
飯器、冷蔵庫、電気ポット等の各種パッキン、食品を保
持するケース等の食品用パッキン、カテーテル等の各種
医療用チューブなどの用途が挙げられる。シリコーンゴ
ムの需要は益々高まっており、このため優れた特性を有
するシリコーンゴムの開発が望まれる。
【0003】特に、最近では防かび剤を添加してシリコ
ーンゴムに抗かび性を付与させる提案がなされており、
防かび剤について、ベンズイミダゾール、バイナジン、
メチルスルホニル等の有機系薬剤が使用されているが、
これらの薬剤は、温度変化、紫外線等の光、湿度変化、
あるいは環境中の微量成分の影響を受けて変質するた
め、効果の持続性に問題があった。
【0004】この効果の持続のために上記有機系防かび
剤のコーティング、カプセル化が計られ、またシリコー
ンポリマーに活性物質を加える等の対策がなされている
が、コストが高くなる、有機系防かび剤はシリコー
ンゴム内部に埋もれて効果を発揮しない、防かび剤に
より処理した製品は、使用しなくてもその効果が劣化
し、保存が困難である、熱加硫した場合、有機系防か
び剤は変質してその効果が著しく低下し、シリコーンゴ
ム成型物が変色する等の問題があった。
【0005】また最近、無機系の防かび剤、抗菌剤が開
発され、例えば、特開平5−1226号公報には、銀イ
オン、亜鉛イオン、銅イオンのうちの1種以上のイオン
を含んだ水溶性硝子の例、特開平2−20559号公報
にはプロテイン銀を配合した例、特開平4−93360
号公報にはZnO、MgO及びプロピオン酸塩のうち少
なくとも一種を配合する例などが提案されているが、い
ずれの場合も抗菌性を有する金属イオンを様々な物質に
吸着あるいは混合したもので、これらの抗菌剤ではイオ
ンを十分に担持することができず、シリコーンゴムの変
色の原因になったり、高温で処理することにより担持能
が著しく低下し、その効果を失うもの、防かび性を維持
するために多量添加する必要のあるもの、食品衛生上添
加不可能のものなど、種々の問題があった。
【0006】本発明は上記欠点を解決するためになされ
たもので、シリコーンゴム本来の特性を損なうことな
く、優れた抗菌性・抗かび性を長期間に亘って発揮する
シリコーンゴムを与える抗菌・抗かび性シリコーンゴム
組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、シリコ
ーンゴム組成物100重量部に対し、抗菌性金属もしく
は金属化合物がカルシウム系セラミックスに担持された
抗菌剤、或いは下記平均組成式(A)、(B)もしくは
(C)で示されるリン酸塩系抗菌剤を0.05〜50重
量部配合することにより、かかる抗菌剤が分散したシリ
コーンゴムが得られると共に、この抗菌剤分散シリコー
ンゴムが優れた抗菌性・抗かび性を有し、しかもシリコ
ーンゴム組成物の加硫時の温度変化、加硫成型後の湿度
変化や紫外線等の環境変化などによって抗菌性・抗かび
性が変化しないこと、また上記抗菌剤が分散されていて
もシリコーンゴム本来の特性が十分維持されることを見
い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】従って、本発明は、下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1
価炭化水素基を示し、nは1.98〜2.02の正数で
ある。)で示されるオルガノポリシロキサンを主成分と
するシリコーンゴム組成物100重量部に、抗菌性金属
もしくは金属化合物がカルシウム系セラミックスに担持
された抗菌剤、又は下記平均組成式(A)、(B)もし
くは(C)で示されるリン酸塩系抗菌剤を0.05〜5
0重量部配合してなることを特徴とする抗菌・抗かび性
シリコーンゴム組成物を提供する。
【0009】 M12 xy1 z(PO42・mH2O …(A) (但し、M1は4価金属より選ばれる1種、M2 は銀、
銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、コバルト、砒素、アンチモ
ン、ビスマス、バリウム、カドミウム及びクロムより選
ばれる1種、A1はアルカリ金属イオン、アルカリ土類
金属イオン及びアンモニウムイオンより選ばれる1種、
mは0≦m≦6を満たす正数、M2 の価数をkとした場
合、x、y及びzは0<kx<2、0<y<2、0≦z
<0.5及びkx+y+z=2を満たす正数である。) M1 a2 b1 c(PO4d・mH2O …(B) (但し、M1、M2 、A1、mは上記と同様の意味を示
し、a、b、c及びdは0<a、0<b、0<c、0<
dで、M2 の価数をk、A1の価数をeとした場合、ka
+ec=1のときb=2かつd=3、ka+ec=2の
ときb=1かつd=2を満たす正数である。) M3 2Agp gA2 r(PO43 …(C) (但し、M3はジルコニウム、チタン及び錫より選ばれ
る1種、A2はアルカリ金属から選ばれる1種、p、q
及びrは0<p<1、0<q<1、0<r<1及びp+
q+r=1を満たす正数である。)
【0010】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明に係るシリコーンゴム組成物の第一必須成分のオルガ
ノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で示される
ものである。 R1 nSiO(4-n)/2 …(1)
【0011】ここで、上記式中、R1はメチル基,エチ
ル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基、シクロヘ
キシル基等のシクロアルキル基、ビニル基,アリル基,
ブテニル基,ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル
基,トリル基等のアリール基、またはこれらの基の炭素
原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原
子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフル
オロプロピル基、シアノエチル基などから選択される、
同一又は異種の好ましくは炭素数1〜10、より好まし
くは炭素数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基で
ある。また、nは1.98〜2.02の正数である。
【0012】上記式(1)のオルガノポリシロキサンは
その分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニル
基、ジメチルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基
等で封鎖されたものであることが好ましく、また基本的
には直鎖状であることが好ましいが、分子構造が異なる
1種又は2種以上の混合物であってもよい。
【0013】更に、上記オルガノポリシロキサンは、平
均重合度が100〜30,000、特に3,000〜1
0,000であるものが好ましく、また25℃における
粘度が100cs(センチストークス)以上、特に10
0,000〜10,000,000csであるものが好
ましい。
【0014】この種のオルガノポリシロキサンは、通常
選択されたオルガノハロゲノシランの1種又は2種以上
を共加水分解縮合することによって、あるいは環状ポリ
シロキサン(シロキサンの3量体あるいは4量体など)
をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合すること
によって得ることができる。
【0015】本発明のシリコーンゴム組成物には、必要
により補強性シリカ粉末を配合することができる。この
補強性シリカ粉末は機械的強度の優れたシリコーンゴム
を得るために必須とされるものであるが、この目的のた
めには比表面積が50m2 /g以上、好ましくは100
〜300m2 /gである必要がある。比表面積が50m2
/gに満たないと硬化物の機械的強度が低くなってしま
う。
【0016】このような補強性シリカとしては、例えば
煙霧質シリカ、沈降シリカ等が挙げられる。
【0017】また、補強性シリカ粉末の添加量は、第1
成分のオルガノポリシロキサン100部(重量部、以下
同様)に対して5〜70部、特に30〜50部とするこ
とが好ましく、5部未満では添加量が少なすぎて補強効
果が得られない場合があり、70部を超えると加工性が
悪くなって得られるシリコーンゴムの機械的強度が低下
してしまう場合がある。
【0018】本発明のシリコーンゴム組成物には、上述
したように抗菌性金属又は金属化合物が担持されたカル
シウム系セラミックスよりなる抗菌剤或いはリン酸塩系
抗菌剤を配合する。
【0019】この抗菌性金属又は金属化合物が担持され
たカルシウム系セラミックスよりなる抗菌剤において、
カルシウム系セラミックスとしては、ハイドロキシアパ
タイト、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭
酸カルシウム、珪酸カルシウムなどのカルシウム化合物
の1種又は2種以上を焼成することによって得られるも
のを使用することができる。
【0020】一方、抗菌性金属又は金属化合物の例とし
ては、金、銀、銅、亜鉛、水銀、鉛、錫、ビスマス、白
金、バリウム、カドミウム、クロム、タリウムやこれら
の化合物が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以
上を併用することができる。なお、これらのうち、特に
好ましいものは銀、銅、亜鉛、及びこれらの化合物であ
る。
【0021】上記金属又は金属化合物の担持量は、上記
カルシウム系セラミックスに対し飽和量以下であり、特
に0.0001〜15重量%であることが好ましい。
【0022】この抗菌剤を得る方法としては、例えば特
開平4−13605号公報に開示されているような方法
が採用されるが、特に上記抗菌性金属塩を含む水溶液を
上記カルシウム化合物に吸着させた後、乾燥、焼結する
方法が好適に採用される。この場合、焼結温度は限定さ
れないが、できるだけ高温であることが望ましく、80
0℃以上であることが好ましい。ただし、金属の沸点を
超えると、金属が蒸発するおそれがあるので、1300
℃以下の焼結が好ましい。このカルシウム系セラミック
スは、吸着量が大きく約800〜1300℃の加熱によ
り焼成収縮を起こすため、抗菌性金属又は金属化合物を
しっかりと保持することができ、この焼結により吸着さ
れた抗菌性金属又は金属化合物は、溶媒処理されても溶
媒中に溶出し難いものである。
【0023】なお、上記抗菌剤としては、このように抗
菌性金属塩を吸着させたカルシウム化合物を焼結したも
のを用いる以外に、カルシウム化合物を予めセラミック
化したものに抗菌性金属又は金属化合物を吸着させたも
のなどを使用することもできる。
【0024】リン酸塩系抗菌剤としては、下記式
(A)、(B)及び(C)で示されるものを使用するこ
とができる。 M12 xy1 z(PO42・mH2O …(A) 式中、M1は4価金属より選ばれる1種、M2 は銀、銅、
亜鉛、錫、水銀、鉛、コバルト、砒素、アンチモン、ビ
スマス、バリウム、カドミウム及びクロムより選ばれる
1種、A1はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イ
オン及びアンモニウムイオンより選ばれる1種、mは0
≦m≦6を満たす正数、M2 の価数をkとした場合、
x、y及びzは0<kx<2、0<y<2、0≦z<
0.5及びkx+y+z=2を満たす正数である。
【0025】 M1 a2 b1 c(PO4d・mH2O …(B) 式中、M1、M2 、A1、mは上記と同様の意味を示し、
a、b、c及びdは0<a、0<b、0<c、0<d
で、M2 の価数をk、A1の価数をeとした場合、ka+
ec=1のときb=2かつd=3、ka+ec=2のと
きb=1かつd=2を満たす正数である。
【0026】 M3 2Agp gA2 r(PO43 …(C) 式中、M3はジルコニウム、チタン及び錫より選ばれる
1種、A2はアルカリ金属から選ばれる1種、p、q及
びrは0<p<1、0<q<1、0<r<1及びp+q
+r=1を満たす正数である。
【0027】上記式(A)、(B)及び(C)で示され
るリン酸塩化合物としては特開平3−83905号、3
−83906号、4−273803号公報に記載された
ものが使用でき、具体的には下記に示すものが挙げられ
る。
【0028】ZrAg0.201.80(PO42・H2O,
ZrCu0.40Na0.041.16(PO42・H2O,Ag
0.200.75Na0.05Ti2(PO43,Ag0.05Na
0.95Zr2(PO43
【0029】上記抗菌剤の添加量は、第1成分のオルガ
ノポリシロキサンを主成分とするシリコーンゴム組成物
100部に対して0.05〜50部、特に0.5〜10
部とすることが好ましく、0.05部に満たないと満足
な効果が得られない場合があり、50部を超えると加工
性が悪くなり、シリコーンゴムの機械的強度が充分では
なくなる場合やシリコーンゴムが変色するおそれがあ
る。
【0030】本発明のシリコーンゴム組成物には、常法
に従い、上記オルガノポリシロキサンを硬化させるため
に硬化剤が配合される。この場合、硬化剤としては公知
のものを使用することができ、この硬化剤に従った公知
方法で硬化を行うことができる。
【0031】具体的には、架橋反応が炭化水素同志で行
われる場合、硬化剤としては有機過酸化物、例えばベン
ゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、
2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエー
トなどが好適に使用される。この有機過酸化物の添加量
は、第1成分のオルガノポリシロキサン100部に対し
0.1〜5部とすることが好ましい。
【0032】更に、第1成分のオルガノポリシロキサン
がけい素原子に直結したアルケニル基を有するものであ
るときには、けい素原子に直結した水素原子を1分子中
に少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンを硬化剤として使用して、これらの付加反応
によって架橋を行わせて硬化させてもよい。ここに使用
されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、直鎖
状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよいが、重合度
が300以下のものが好ましく、ジメチルハイドロジェ
ンシリル基で末端が封鎖されたジオルガノポリシロキサ
ン、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシ
ロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重
合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(C
32SiO0.5単位)とSiO2単位とからなる低粘度
流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1
−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、
1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンなど
が例示される。
【0033】この硬化剤としてのオルガノハイドロジェ
ンポリシロキサンの添加量は、第1成分のオルガノポリ
シロキサンのアルケニル基に対してけい素原子に直結し
た水素原子が50〜500モル%となる割合で用いられ
ることが望ましい。
【0034】なお、この付加反応には公知の白金系触媒
を添加することが好ましく、具体的には白金単体、白金
化合物、白金複合体、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコ
ール化合物、アルデヒド化合物、エーテル化合物、各種
オレフィン類とのコンプレックスなどが例示される。白
金系触媒の添加量は、第1成分のオルガノポリシロキサ
ンに対し白金原子として1〜2,000ppmの範囲と
することが望ましい。
【0035】本発明に係るシリコーンゴム組成物には、
上記成分に加え、任意成分として、本発明の効果を妨げ
ない範囲で必要に応じ増量剤として粉砕石英、炭酸カル
シウムなどの充填剤を添加してもよい。更には、スポン
ジを成形するための無機、有機の発泡剤を添加してもよ
い。この発泡剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、
ジニトロペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルフォ
ンヒドラジド等が例示され、その添加量はシリコーンゴ
ムコンパウンドに対し3〜10部の範囲が好適である。
このように本発明組成物に発泡剤を添加すると、スポン
ジ状のシリコーンゴムを得ることができる。
【0036】また、本発明組成物には、必要に応じて着
色剤、耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離
型剤あるいは充填剤用分散剤などを添加することは任意
とされるが、この充填剤用分散剤として使用されるジフ
ェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボ
ンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子シ
ロキサンなどは本発明の効果を損なわないように最小限
の添加量に止めることが好ましい。
【0037】本発明に係るシリコーンゴム組成物は、上
記した成分を2本ロール、バンバリーミキサー、ドウミ
キサー(ニーダー)などのゴム混練り機を用いて均一に
混合して、必要に応じ加熱処理を施すことにより得るこ
とができるが、この場合、例えば第1成分のオルガノポ
リシロキサン、第2成分の補強性シリカ等を予め混合し
てベースコンパウンドを調製しておき、これに第3成分
の抗菌剤、更には第4成分の硬化剤を添加、混合しても
差し支えない。
【0038】このようにして得られたシリコーンゴム組
成物は注型成形、金型加圧成形、押し出し成形などの種
々の成形法によって必要とされるシリコーンゴムに成形
することができるが、これらの成形物は必要に応じて1
00〜200℃で30分〜24時間ポストキュアーする
ことがよい。
【0039】上記シリコーンゴム組成物を硬化して得ら
れるシリコーンゴムは、上記抗菌剤が分散されているも
のであり、優れた抗菌性、抗かび性を長期間に亘り安定
して発揮すると共に、良好なゴム物性を有しているた
め、電気炊飯器、冷蔵庫、電気ポット、電子レンジなど
の家電製品の各種パッキン類や食品用容器のパッキン
類、自動飲料販売機のチューブやホース類、化粧品用容
器のパッキン類、化粧用パフ、医用チューブなどの用途
に好適に用いられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0041】〔実施例1〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025モ
ル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガ
ノポリシロキサン100部に、分散剤としてのジフェニ
ルシランジオール3部、末端シラノール基ジメチルポリ
シロキサン(重合度n=10)4部及び比表面積が20
0m2 /gであるフュームドシリカ〔日本アエロジル
(株)製〕40部を添加し、2時間熱処理してベースコ
ンパウンドを作った。
【0042】このベースコンパウンド100gにサンギ
(株)製の抗菌性セラミックス(ハイドロキシアパタイ
トセラミックスに銀0.1%、亜鉛1%を含有)0.5
〜5gを二本ロールにて添加し、三本ロールにて分散さ
せた後、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン/日本アエロジル(株)製フュー
ムドシリカの80%ペースト1部を添加し、165℃に
て10分プレスキュアーした後、200℃で4時間ポス
トキュアーして、抗菌性シリコーンゴムシートを得た。
【0043】〔実施例2〕上記ベースコンパウンド10
0gにサンギ(株)製の抗菌性セラミックス(リン酸カ
ルシウムセラミックスに銀2%、亜鉛0.5%を含有)
0.5〜5gを添加し、実施例1と同様にして抗菌性シ
リコーンゴムシートを得た。
【0044】〔実施例3〕上記ベースコンパウンド10
0gにサンギ(株)製の抗菌性セラミックス(リン酸カ
ルシウムセラミックスに銀2%、亜鉛1%を含有)0.
5〜5gを添加し、実施例1と同様にして抗菌性シリコ
ーンゴムシートを得た。
【0045】〔実施例4〜7〕上記ベースコンパウンド
100gに表1に示す抗菌性リン酸塩系化合物(東亜合
成化学工業(株)製)0.5〜5gを二本ロールにて添
加し、次いで三本ロールを用いて分散させた後、2,5
−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン/日本アエロジル(株)製フュームドシリカの8
0%ペースト1部を添加し、165℃で10分間プレス
キュアーした後、200℃で4時間ポストキュアーして
抗菌性シリコーンゴムシートを得た。
【0046】
【表1】
【0047】〔比較例1〕上記ベースコンパウンド10
0gに抗菌性物質を添加することなく、実施例1と同様
にしてシリコーンゴムシートを得た。
【0048】次に、上記シリコーンゴムシートの抗菌性
及び防かび性を下記方法により評価した。
【0049】〔抗菌試験〕各試料(50×50mm)を
流水で1時間処理した後、黄色ブドウ球菌(Staph
ylococcus aureus)の菌液(105
/ml)及び大腸菌(Escherichia col
i)の菌液(105個/ml)1mlを滴下し、37℃
で24時間培養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝溶液
にて菌を洗いだした。この洗いだした液中の生菌数を菌
数測定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。測定結
果を表2,3に示す。
【0050】〔防かび性試験〕各試料を直径50mm×
2mmに調製し、JISZ2911に準拠した方法にて
評価した。すなわち、ポテトデキストロース寒天培地を
用い、培養条件は28℃、14日とした。また、試験菌
種はアスペルギルス・テレウス(ATと略す)、ペニシ
リアム・フニクロスム(PFと略す)、クラドスポリウ
ム クラドスポリオイデス(CCと略す)、ケトミウム
・グロボスム(CGと略す)を用いた。試験結果を表
4,5に示すが、表4,5中の数値は以下の通りであ
る。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】〔実施例8〕上記ベースコンパウンド10
0gにサンギ(株)製の抗菌性セラミックス(ハイドロ
キシアパタイトセラミックスに銀2%、亜鉛1%を含
有)1.0部を添加し、実施例1と同様にして抗菌性シ
リコーンゴムシートを得た。この抗菌性シリコーンゴム
の各種耐久試験を行った。結果を表6〜8に示す。
【0056】〔実施例9〕上記ベースコンパウンド10
0gに実施例1で使用したものと同様の東亜合成化学工
業(株)製の抗菌性リン酸塩化合物1.0部を添加し、
実施例1と同様にして抗菌性シリコーンゴムシートを得
た。この抗菌性シリコーンゴムの各種耐久試験を行っ
た。結果を表9〜12に示す。耐熱試験 サンプルシートを100℃、200℃、250℃のオー
ブンに3日間放置し、物性変化を測定した。耐温水浸漬試験 サンプルシートを50℃、80℃の温水にそれぞれ7〜
14日間浸漬し、室温にて1日風乾した後、物性を測定
した。耐加圧スチーム試験 各サンプルをオートクレーブ中に放置し、物性変化を測
定した。オートクレーブ条件としては、150℃にて密
閉スチームで行った。耐塩素水性試験 シリコーンゴムシートを1000ppmに調整した塩素
水に浸漬し、密閉した後、80℃にて24時間放置し
た。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、優れた抗菌性・抗かび
性を有し、かつ良好な物性のシリコーンゴムを提供する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1
    価炭化水素基を示し、nは1.98〜2.02の正数で
    ある。)で示されるオルガノポリシロキサンを主成分と
    するシリコーンゴム組成物100重量部に、抗菌性金属
    又は金属化合物がカルシウム系セラミックスに担持され
    た抗菌剤を0.05〜50重量部配合してなることを特
    徴とする抗菌・抗かび性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 下記平均組成式(1) R1 nSiO(4-n)/2 …(1) (但し、式中R1は同一又は異種の非置換又は置換の1
    価炭化水素基を示し、nは1.98〜2.02の正数で
    ある。)で示されるオルガノポリシロキサンを主成分と
    するシリコーンゴム組成物100重量部に、下記平均組
    成式(A)、(B)もしくは(C)で示される抗菌剤を
    0.05〜50重量部配合してなることを特徴とする抗
    菌・抗かび性シリコーンゴム組成物。 M12 xy1 z(PO42・mH2O …(A) (但し、M1は4価金属より選ばれる1種、M2 は銀、
    銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、コバルト、砒素、アンチモ
    ン、ビスマス、バリウム、カドミウム及びクロムより選
    ばれる1種、A1はアルカリ金属イオン、アルカリ土類
    金属イオン及びアンモニウムイオンより選ばれる1種、
    mは0≦m≦6を満たす正数、M2の価数をkとした場
    合、x、y及びzは0<kx<2、0<y<2、0≦z
    <0.5及びkx+y+z=2を満たす正数である。) M1 a2 b1 c(PO4d・mH2O …(B) (但し、M1、M2 、A1、mは上記と同様の意味を示
    し、a、b、c及びdは0<a、0<b、0<c、0<
    dで、M2 の価数をk、A1の価数をeとした場合、ka
    +ec=1のときb=2かつd=3、ka+ec=2の
    ときb=1かつd=2を満たす正数である。) M3 2Agp gA2 r(PO43 …(C) (但し、M3はジルコニウム、チタン及び錫より選ばれ
    る1種、A2はアルカリ金属から選ばれる1種、p、q
    及びrは0<p<1、0<q<1、0<r<1及びp+
    q+r=1を満たす正数である。)
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