JPH07113005A - 塗料用自己乳化型ポリイソシアネートおよび該ポリイソシアネートを用いた水系塗料およびコーティング剤 - Google Patents

塗料用自己乳化型ポリイソシアネートおよび該ポリイソシアネートを用いた水系塗料およびコーティング剤

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JPH07113005A
JPH07113005A JP5282048A JP28204893A JPH07113005A JP H07113005 A JPH07113005 A JP H07113005A JP 5282048 A JP5282048 A JP 5282048A JP 28204893 A JP28204893 A JP 28204893A JP H07113005 A JPH07113005 A JP H07113005A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水分散安定性に優れ、かつ水分散後のNCO
基の安定性が高いことにより作業性、経済性に優れた塗
料用自己乳化型ポリイソシアネートを提供する。 【構成】 ポリイソシアネート及びポリイソシアネート
と反応しうる活性水素基を有する親水性界面活性剤、又
は該親水性界面活性剤、ポリイソシアネートと反応しう
る活性水素基を有する脂肪族化合物及び/又は脂肪酸エ
ステルからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用自己乳化型ポリ
イソシアネ−トに関する。さらに詳しくは、自己乳化型
ポリイソシアネ−トと水溶性樹脂及び/または水性エマ
ルジョンと添加剤等からなる水性塗料およびコ−ティン
グ剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機溶剤を含有する塗料は、人体への悪
影響、爆発火災などの安全衛生上の問題、また大気汚染
など公害問題を有するので、これらの問題点を改善する
ため、近年水系塗料開発が活発に行われている。従来か
ら、水系塗料の結合剤として、水溶性高分子溶液や水性
エマルジョンが使用されているが、これらの結合剤だけ
では、要求物性を発現できないことが多く、一般に耐候
性、密着性等向上のため架橋剤が使用される。架橋シス
テムには種々の反応があるが、これらの中でNCO基と
水酸基の反応を使用した例として、特開昭62−412
70号、特開平3−81380が挙げられる。これらは
双方ともに架橋剤として有機ポリイソシアネ−トを使用
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
水性エマルジョン塗料の添加剤として使用される有機ポ
リイソシアネ−トは、水性化されていないため塗料中で
の分散安定性が悪く、添加効果が十分現れない。そのた
め塗料中に分散するのに十分なだけの乳化剤を加えるこ
とを必要とした。また、NCO基は水および塗料中の樹
脂との反応が速いため、可使時間が短く、塗装作業が非
常に制約されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポ
リイソシアネ−トにポリアルキレンエ−テルアルコ−ル
等の親水性鎖を導入して分散安定性を向上させ、必要に
応じて適度な鎖長を有する疎水鎖をバランス良く導入し
て、水中でのNCO基の保護を界面化学的手法で積極的
に行うことにより、ポリイソシアネ−トの水性塗料中の
分散安定性とNCO基の安定性の両立を可能とすること
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、有機イソシアネ−トにポ
リオールを付加させて得られるNCO基末端プレポリマ
−に、イソシアヌレート化触媒を加えイソシアヌレート
環構造を導入し、未反応のモノマーを除去した後、NC
O基と反応しうる活性水素基を有する親水性界面活性
剤、及び/または該親水性界面活性剤とNCO基と反応
しうる活性水素基を有する炭素数が8以上の脂肪族化合
物及び/または脂肪酸とアルコ−ルの炭素数の和が8以
上となる脂肪酸エステルを反応させて得られることを特
徴とする塗料用自己乳化型ポリイソシアネートである。
また本発明は、有機イソシアネ−トにポリオ−ルとNC
O基と反応しうる活性水素基を有する親水性界面活性剤
を付加させた後に、イソシアヌレ−ト化触媒を加えてイ
ソシアヌレ−ト環構造を導入し、未反応のモノマ−を除
去したことを特徴とする塗料用自己乳化型ポリイソシア
ネ−トである。また本発明は、有機イソシアネ−トにポ
リオ−ルとNCO基と反応しうる活性水素基を有する親
水性界面活性剤およびNCO基と反応しうる活性水素基
を有する炭素数が8以上の脂肪族化合物及び/または脂
肪酸とアルコ−ルの炭素数の和が8以上となる脂肪酸エ
ステルを反応させた後に、イソシアヌレ−ト化触媒を加
えてイソシアヌレ−ト環構造を導入し、未反応のモノマ
−を除去して得られる、2.0〜4.2の平均NCO官能基数
を有することを特徴とする塗料用自己乳化型ポリイソシ
アネ−トである。さらに本発明は、特許請求の範囲第1
項、第2項、第3項または第4項記載の自己乳化型ポリ
イソシアネ−トと水溶性樹脂及び/または水性エマルジ
ョンと必要に応じて添加剤等を含有することを特徴とす
る水性塗料およびコ−ティング剤である。
【0006】本発明に用いられる有機ポリイソシアネ−
トとしては、具体的に例えば、2,4−トリレンジイソ
シアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェ
ニルエ−テルジイソシアネ−ト、2−ニトロジフェニル
−4,4’−ジイソシアネ−ト、2,2’−ジフェニル
プロパン−4,4’−ジイソシアネ−ト、3,3’−ジ
メチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシネ−ト、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、m−
フェニレンジイソシアネ−ト、p−フェニレンジイソシ
アネ−ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネ−ト、ナ
フチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、3,3’−ジメ
トキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネ−トなどの
芳香族イソシアネ−ト、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネ−ト、1,4−テトラメチレンジイソシアネ−
ト、リジンジイソシアネ−ト等の脂肪族イソシアネ−
ト、キシリレン−1,4−ジイソシアネ−ト、キシリレ
ン−1,3−ジイソシアネ−ト等の芳香脂肪族ジイソシ
アネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、水添加トリレ
ンジイソシアネ−ト、水添加キシレンジイソシアネ−
ト、水添加ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、水添加
テトラメチルキシレンジイソシアネ−ト等の脂環族ジイ
ソシアネ−トおよびこれらの化合物と活性水素基含有化
合物との反応によるNCO基末端化合物が適当である。
また、有機イソシアネ−トにポリオ−ルを付加させ、さ
らにイソシアヌレ−ト化触媒を加えイソシアヌレ−ト環
構造を導入したポリイソシアネ−トの代わりに、前記ジ
イソシアネ−トの重合体や2官能以上のポリオ−ル等と
前記のジイソシアネ−トあるいはポリメリック体との反
応で得られるポリイソシアネ−トが適当である。すなわ
ち、ポリイソシアネ−トのポリメリック体やポリイソシ
アネ−トのポリオ−ルアダクトは、いずれも本発明に使
用できる。あるいはこれら化合物の反応、例えばウレト
ジオン化反応、カルボジイミド化反応、ウレトンイミン
化反応、ビュレット反応などによるイソシアネ−ト変性
体などを含有しても良い。これらポリイソシアネ−トは
単独または2種以上の混合物で使用することができる。
これらポリイソシアネートのうちで、水分散安定性、水
分散後のNCO基の安定性、無黄変性等を考慮した場
合、脂肪族あるいは脂環式ポリイソシアネ−トが好まし
い。
【0007】本発明の有機ポリイソシアネ−トの全NC
O基の0.5〜15重量%をウレタン化するためのイソ
シアネ−ト基と反応性を有するポリオ−ルとしては、エ
チレングリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパン
ジオ−ル、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペン
タンジオ−ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオ−
ル、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコ−
ル、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコ−
ル、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコ−
ル、水添加ビスフェノ−ルA、ジプロピレングリコ−
ル、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−
ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネ−ト等が挙げ
られる。これらの分子量は62〜3000で好ましくは
100〜1000である。これらのポリオ−ルを導入す
ることにより、水溶性高分子溶液や水性エマルジョンと
の相溶性を向上することができる。
【0008】本発明の有機ポリイソシアネ−ト付加体
は、耐熱性や架橋性をさらに良好にするため、イソシア
ヌレ−ト化触媒を加えて反応させることよりイソシアヌ
レ−ト環構造を導入できる。例えば、イソシアヌレ−ト
化触媒である第3級アミン類、アルキル置換エチレンイ
ミン類、第3級アルキルフォスフィン類、アセチルアセ
ン金属塩類、各種有機酸の金属塩類等を単独使用あるい
は併用し、必要に応じて助触媒、例えばフェノ−ル性ヒ
ドロキシル基含有化合物、アルコール性ヒドロキシル基
含有化合物等を用い、通常0〜90℃の反応温度で溶剤
不存在下またはポリウレタン工業に常用の不活性溶剤、
例えばトルエン、キシレン等の芳香族系、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系、プロピレングリコ−
ルメチルエ−テルアセテ−ト、エチル−3−エトキシプ
ロピオネ−ト等のグリコ−ルエ−テルエステル系の存在
下および場合によっては反応温度で液状のポリオ−ルま
たはDOP等の可塑剤中において製造される。触媒は、
停止剤として例えばリン酸、パラトルエンスルホン酸メ
チル、硫黄等を使用することにより不活性化し停止する
ことができる。
【0009】本発明の塗料用自己乳化型ポリイソシアネ
−トを得るためのNCO基と反応しうる活性水素基を有
する親水性界面活性剤のうち、ノニオン性化合物として
は、ポリアルキレンエ−テルアルコ−ル、ポリオキシア
ルキレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。ポリアルキ
レンエ−テルアルコ−ルの製造に開始剤として用いられ
る活性水素化合物としては、例えばメタノ−ル,n−ブ
タノ−ル、シクロヘキサノ−ル、フェノ−ル、エチレン
グリコ−ル、プロピレングリコ−ル、アニリン、トリメ
チロ−ルプロパン、グリセリンなどが挙げられる。これ
らのうちでは、分散安定性を考慮した場合、短鎖アルコ
−ルを用いる方が親水性がより高いものとなるため好ま
しい。またポリオキシアルキレン脂肪酸エステルの製造
に用いられる脂肪酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪
酸などが挙げられる。これらのうちでは、分散安定性を
考慮した場合、低級脂肪酸を用いる方が親水性がより高
いものとなるため好ましい。該ポリアルキレンエ−テル
アルコ−ル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルなど
に存在するポリエ−テル鎖は、一般には3〜90個、特
に好ましくは5〜50個のアルキレンオキシドユニット
を有する純粋なエチレンオキシド鎖であるが、あるいは
全アルキレンオキシドユニット中でエチレンオキシドユ
ニットを少なくとも70%以上含む混合アルキレンオキ
シド鎖でも良い。イオン性化合物としては、脂肪酸塩、
スルホン酸塩、リン酸エステル、硫酸エステル塩等のア
ニオン性化合物、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第
3級アミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩
等のカチオン性化合物、スルホベタイン等の両性化合物
が挙げられる。イオン性は、イソシアネ−トの反応性や
塗膜の着色、劣化にも影響する場合が多く、水系樹脂、
コ−ティング剤の主剤として用いられる樹脂のイオン性
によっては沈澱、凝集物などを発生することがあるた
め、ノニオン性を使用することが望ましい。
【0010】本発明の塗料用自己乳化型ポリイソシアネ
−トを得るためのNCO基と反応しうる活性水素基を有
する、炭素数が8以上の脂肪族化合物としては、例え
ば、オクチルアルコ−ル、カプリルアルコ−ル、ノニル
アルコ−ル、デシルアルコ−ル、ウンデシルアルコ−
ル、ラウリルアルコ−ル、トリデシルアルコ−ル、ミリ
スチルアルコ−ル、ペンタデシルアルコ−ル、セチルア
ルコ−ル、シンナミルアルコ−ル等が挙げられる。本発
明の塗料用自己乳化型ポリイソシアネ−トを得るための
イソシアネ−ト基と反応しうる活性水素基を有する、原
料となる脂肪酸とアルコールの炭素数の和が8以上の脂
肪酸エステルの原料としての脂肪酸としては、α−オキ
シプロピオン酸、オキシコハク酸、ジオキシコハク酸、
ε−オキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒ
ドロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステア
リン酸、リシノ−ル酸、リシノエライジン酸、リシノス
テアロール酸、サリチル酸、マンデル酸等を挙げること
ができ、アルコ−ルとしては、例えば、メチルアルコ−
ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ル、イソプロ
ピルアルコ−ル、ブチルアルコ−ル等が挙げられる。
【0011】該脂肪族化合物及び/または脂肪酸エステ
ルは、ポリイソシアネ−トと反応した後、親油性鎖部分
により、付近に存在する未反応のNCO基とその周りに
存在している水分子との反応を、立体障害的あるいはそ
の親油性に基づいて界面化学的に抑制しているものと考
えられる。したがって親油性鎖はある程度の長さを有し
た方がより有効であり、炭素数は8以上、好ましくは1
2以上であるのが望ましい。また、NCO基と反応する
活性水素基の部位も末端ではなく主鎖の中心付近に存在
するほうが好ましい。
【0012】本発明の自己乳化型ポリイソシアネ−ト組
成物の製造において、該脂肪族化合物または脂肪酸エス
テルは、該NCOのNCO含有量を基準として、その相
対活性水素基含有量が0〜25.0mol%、好ましく
は0〜15.0mol%となる量を用いるのが望まし
い。該脂肪族化合物または脂肪酸エステルの導入量が多
すぎた場合は、分散安定性が低下するため好ましくな
い。
【0013】本発明の自己乳化型ポリイソシアネ−トの
製造において、該親水性界面活性剤は、該ポリイソシア
ネ−トのNCO含有量を基準として、その相対活性水素
基含有量が0.1〜30.0mol%、好ましくは1.
0〜20.0mol%となる量を用いるのが望ましい。
親水性界面活性剤の導入量が少なすぎる場合は、これに
より変性されたポリイソシアネ−トの水分散性が悪くな
り、例えば沈降などするため好ましくない。逆に親水性
界面活性剤の導入量が多すぎる場合は、それに応じて該
脂肪族化合物または脂肪酸エステルの導入量を増やさな
ければ、変性されたポリイソシアネ−トと水との親和性
が強くなりすぎるため、水中でのイソシアネ−ト基の安
定性が悪化してしまう。また親水性界面活性剤、該脂肪
族化合物あるいは脂肪酸エステルの導入量の過度の増大
は、相対的に変性されたポリイソシアネ−トのNCO含
有量を減少させるため避けられるべきである。従って、
該親水性界面活性剤、該脂肪族化合物あるいは脂肪族エ
ステルによる該ポリイソシアネ−トの変性量の上限は、
平均NCO官能基数が2.0以上となる量とすべきであ
る。このように、該ポリイソシアネ−トは該親水性界面
活性剤を導入して分散安定性を向上させ、必要に応じて
疎水性である該脂肪族化合物または脂肪酸エステルをバ
ランス良く導入することにより、約2.0〜4.2の平
均NCO官能基数を有する自己乳化型ポリイソシアネ−
トが製造される。本発明の自己乳化型ポリイソシアネ−
トは、親水鎖を導入して分散安定性を向上させ、必要に
応じて適当な長さの疎水鎖を親水鎖とのバランスを考慮
して導入したことにより、同時に水中でのNCO基と水
との反応を界面化学的に抑制している。
【0014】本発明の自己乳化型ポリイソシアネ−トを
得るには、(1)有機イソシアネ−トにポリオ−ルを付
加させて得られるNCO基末端プレポリマ−に、イソシ
アヌレ−ト化触媒を加えイソシアヌレ−ト環構造を導入
し、未反応のモノマーを除去した後、さらにNCO基と
反応しうる活性水素基を有する親水性界面活性剤を付加
し、必要に応じてNCO基と反応しうる活性水素基を有
する炭素数が8以上の脂肪族化合物及び/または脂肪酸
とアルコ−ルの炭素数の和が8以上となる脂肪酸エステ
ルを反応させてもよいし、(2)有機イソシアネ−トに
ポリオ−ルとNCO基と反応しうる活性水素基を有する
親水性界面活性剤を付加させ、必要に応じてNCO基と
反応しうる活性水素基を有する炭素数が8以上の脂肪族
化合物及び/または脂肪酸とアルコ−ルの炭素数の和が
8以上となる脂肪酸エステルを反応させた後に、イソシ
アヌレ−ト化触媒を加えてイソシアヌレ−ト環構造を導
入し、未反応のモノマーを除去してもよい。ただし、自
己乳化型ポリイソシアネ−トの粘度が低いほうが好まし
い場合、例えば組み合わせる水溶性高分子及び/または
水性エマルジョンの粘度が低く、自己乳化型ポリイソシ
アネ−トの粘度が高いと分散性が悪くなり作業性に悪影
響を及ぼすときなどは、(2)のように先にウレタン化
を行った後、イソシアヌレ−ト環構造を導入する方が粘
度が低くなるため望ましい。
【0015】本発明の自己乳化型ポリイソシアネ−トの
製造方法は、公知の方法で一般には溶剤の不存在下でお
こなわれるが、必要に応じてウレタン工業では常用の不
活性溶剤、触媒等を使用することもでき、一般には50
〜100℃の中程度に高められた温度にて行われる。
【0016】本発明の塗料用自己乳化型ポリイソシアネ
−ト組成物には、必要に応じて他の物質、例えば顔料、
分散安定剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止
剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐熱性向上
剤、無機および有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電防止
剤、補強材、触媒などを添加することができる。
【0017】本発明の塗料用自己乳化型ポリイソシアネ
−トは、水溶性高分子及び/または水性エマルジョンと
配合して塗料、コ−ティング剤または繊維、ガラス繊維
等の繊維処理剤、サイジング剤として使用することがで
きる。これらの添加効果としては、従来品と比べて優れ
た塗膜物性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性、密着性向上等
が挙げられる。また、本発明の自己乳化型イソシアネ−
トで、適度な長さの疎水鎖を親水鎖とのバランスを考慮
して導入した場合は、水中でのNCO基と水との反応が
導入した疎水鎖により抑制されているため、これらの性
能改善効果は、より長時間にわたりしかも高度に安定し
て継続する。なお添加は、自己乳化型ポリイソシアネー
ト組成物を水に分散した形またはウレタン工業で常用の
溶剤で希釈した形で添加するか、必要に応じて直接添加
してもよい。
【0018】本発明に使用される水溶性高分子溶液とし
ては、ポリビニルアルコ−ル、水溶性エチレン酢ビ共重
合体、ポリエチレンオキサイド、水溶性アクリル樹脂、
水溶性エポキシ樹脂、水溶性セルロ−ス誘導体、水溶性
ポリエステルおよび水溶性リグニン誘導体等が挙げられ
る。
【0019】また本発明に使用される水性エマルジョン
とは、いわゆるラテックス、エマルジョンと表現される
ものすべてを包含する。例えば、スチレンブタジエン共
重合体ラテックス、アクリロニトリルブタジエン共重合
体ラテックス、メチルメタアクリレ−トブタジエン共重
合体ラテックス、クロロプレンラテックス、ポリブタジ
エンラテックス等のゴム系ラテックス、ポリアクリル酸
エステルラテックス、ポリ塩化ビニリデンラテックス、
ポリブタジエンラテックス、あるいはこれらのラテック
スをカルボキシル変性したものなどが挙げられ、また、
ポリ塩化ビニルエマルジョン、ウレタンアクリルエマル
ジョン、シリコンアクリルエマルジョン、酢酸ビニルア
クリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、アクリル
エマルジョン等が列挙される。また、優れた耐候性、耐
汚染性を有するフッ素エマルジョンは非架橋のため耐溶
剤性は乏しいが、本発明の自己乳化型ポリイソシアネ−
トを使用することにより、耐候性、耐汚染性をさらに向
上できることはもちろんのこと、耐溶剤性も改善するこ
とができる。
【0020】本発明に使用される水溶性高分子及び/ま
たは水性エマルジョンは、NCO基と反応しうる活性水
素基を含有していない場合でも、自己乳化型ポリイソシ
アネ−トが水溶性高分子及び/または水性エマルジョン
の中の水と反応し、ポリウレア化合物となり、硬く強靱
な塗膜となるため、耐候性が向上する。また、NCO基
が被着剤表面に存在する活性水素基と反応するため、密
着性も向上する。しかし、常温においてNCO基と反応
しうる活性水素基を含有する水溶性高分子及び/または
水性エマルジョンを使用した場合は、高分子中の活性水
素基と自己乳化型ポリイソシアネ−ト中のNCO基が反
応し、架橋構造を形成するため、耐候性、耐溶剤性など
がさらに向上する。ゆえに、水溶性高分子及び/または
水性エマルジョンはNCO基と反応しうる活性水素基を
含有するほうがより好ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明の塗料用自己乳化型ポリイソシア
ネ−トは、ポリイソシアネ−トに分散安定性を向上させ
る親水鎖を導入することにより、水溶性高分子及び/ま
たは水性エマルジョン中の分散安定性が向上した。さら
に親水鎖とのバランスを考慮して、疎水鎖を導入してN
CO基を界面化学的手法で積極的に保護することによ
り、優れた分散安定性と分散後のNCO基の安定性が得
られた。ゆえに、水溶性高分子及び/または水性エマル
ジョンに用いると本発明のポリイソシアネ−トは分散状
態での安定した使用が長時間可能となった。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例について
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。特にことわりのない限り、実施例中の部
及び%はそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味す
る。
【0023】[塗料用自己乳化型ポリイソシアネートの
製造] 実施例1 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI 300部、1,3-ブタンジオ−ル2.4部
を入れ、反応器内を窒素置換して、攪はんしながら反応
温度80℃に加温し、同温度で2時間反応させた。この
ときの反応液のNCO含有量を測定したところ、48.
8%であった。次に触媒としてカプリン酸カリウム0.
06部、助触媒としてフェノ−ル0.3部を加え、60
℃で4.5時間イソシアヌレ−ト化反応を行った。この
反応液に停止剤としてリン酸を0.042部加え、反応
温度で1時間攪はん後、遊離HDIを120℃、0.0
1Torrで薄膜蒸留により除去した。得られたポリイ
ソシアネ−トA−1は、淡黄色透明液体でNCO含有量
=21.1%、粘度2200cP/25℃、遊離HDI
含有量0.4%であり、FT−IR及び13C−NMRか
らNCO基、イソシアヌレ−ト基及びウレタン基の存在
が確認された。このポリイソシアネ−トをA−1とす
る。これを100部用い、次いでポリオキシエチレンメ
チルエ−テル(水酸基価140、東邦千葉工業製、以
下、メトキシPEG#400と称する)2部を加え、昇
温し、75℃を保持しながら3時間反応させたところ、
NCO含有量20.4%、粘度2410cP/25℃、
NCO官能基数3.7の淡黄色透明の自己乳化型ポリイ
ソシアネ−ト(A)を得た。 実施例2 ポリイソシアネ−トA−1を100部用い、メトキシP
EG#400を16部加え、昇温し、75℃を保持しな
がら3時間反応させたところ、NCO含有量20.4
%、粘度2140cP/25℃、NCO官能基数3.4
の淡黄色透明の自己乳化型ポリイソシアネ−ト(B)を
得た。 実施例3 ポリイソシアネ−トA−1を100部用い、メトキシP
EG#400を8部とリシノレイン酸メチルエステル
(水酸基価160、伊藤製油社製、以下CO−FAメチ
ルエステルと称する)2部加え、昇温し、75℃を保持
しながら3時間反応させたところ、NCO含有量18.
0%、粘度2220cP/25℃、NCO官能基数3.
5の淡黄色透明の自己乳化型ポリイソシアネ−ト(C)
を得た。 実施例4 ポリイソシアネ−トA−1を100部用い、メトキシP
EG#400を12部とCO−FAメチルエステルを4
部加え、昇温し、75℃を保持しながら3時間反応させ
たところ、NCO含有量16.5%、粘度2420cP
/25℃の淡黄色透明の自己乳化型ポリイソシアネ−ト
(D)を得た。
【0024】実施例5 ポリイソシアネ−トA−1を100部用い、メトキシP
EG#400を20部とCO−FAメチルエステルを1
8部加え、昇温し、75℃を保持しながら3時間反応さ
せたところ、NCO含有量12.4%、粘度2615c
P/25℃、NCO官能基数2.9の淡黄色透明の自己
乳化型ポリイソシアネ−ト(E)を得た。 実施例6 ポリイソシアネ−トA−1を100部用い、ポリオキシ
エチレンメチルエ−テル(水酸基価51、東邦千葉工業
製、以下、メトキシPEG#1000と称する)を12
部とCO−FAメチルエステルを4部加え、昇温し、7
5℃を保持しながら3時間反応させたところ、NCO含
有量17.2%、粘度2600cP/25℃、NCO官
能基数3.5の淡黄色透明の自己乳化型ポリイソシアネ
−ト(F)を得た。 実施例7 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI3000部と触媒としてトリオクチルホス
フィン6.0部を仕込み、攪はんしながら反応温度65
〜70℃に加熱し、同温度で6時間反応させ、ついでリ
ン酸3.5部を加え反応を停止させた。このとき得られ
た液は、淡黄色透明液体でNCO含有量=30.3%で
あった。次に遊離HDIを120℃、0.01Torrで薄
膜蒸留により除去し、NCO含有量=18.7%の淡黄
色透明液体を得た。得られたポリイソシアネ−トをA−
2とする。FT−IR及び13C−NMRからNCO基、
ウレトジオン基およびイソシアヌレ−ト基が存在するこ
とが確認された。この液のNCO含有量は30.8%、
ウレトジオン基含有量=12.1%であり、イソシアヌ
レ−ト基含有量=19.2%であった。このポリイソシ
アネ−トA−2を100部用い、メトキシPEG#40
0を12部とCO−FAメチルエステルを4部を加え、
昇温し、75℃を保持しながら3時間反応させたとこ
ろ、NCO含有量14.5%、粘度2020cP/25
℃、NCO官能基数2.5の淡黄色透明の自己乳化型ポ
リイソシアネ−ト(G)を得た。 実施例8 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI300部、ネオペンチルグリコ−ル6.5
部、触媒としてカプリン酸カリウム0.06部、フェノ
−ル0.3部、リン酸を0.042部用いて実施例1と
同様に反応を行った。を加え、60℃で4.5時間イソ
シアヌレ−ト化反応を行った。HDIにネオペンチルグ
リコ−ルを反応させた後は、NCO含有量は47.1%
であった。また、薄膜蒸留後、得られたポリイソシアネ
−トをA−3とする。NCO含有量21.1%、粘度2
300cP/25℃、遊離HDI含有量0.2%であ
り、FT−IR及び13C−NMRからNCO基、イソシ
アヌレ−ト基およびウレタン基の存在が確認された。こ
のポリイソシアネ−トA−3を100部用い、メトキシ
PEG#400を12部とCO−FAメチルエステルを
4部を加え、昇温し、75℃を保持しながら3時間反応
させたところ、NCO含有量16.5%、粘度2480
cP/25℃、NCO官能基数3.5の淡黄色透明の自
己乳化型ポリイソシアネ−ト(H)を得た。
【0025】実施例9 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI300部、2−n−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオ−ル11.9部、触媒としてプロ
ピオン酸カリウム0.06部、フェノ−ル0.3部、リ
ン酸0.072部用いて実施例1と同様に反応を行っ
た。HDIに2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオ−ルを反応させた後は、イソシアネ−ト含有
量は46.0%であった。また、薄膜蒸留後、得られた
ポリイソシアネ−トをA−4とする。NCO含有量2
0.9%、粘度2600cP/25℃、遊離HDI含有
量0.1%であり、FT−IR及び13C−NMRからN
CO基、イソシアヌレ−ト基およびウレタン基の存在が
確認された。このポリイソシアネ−トA−4を100部
用い、メトキシPEG#400を12部とCO−FAメ
チルエステルを4部を加え、昇温し、75℃を保持しな
がら3時間反応させたところ、NCO含有量16.4
%、粘度2770cP/25℃、NCO官能基数3.4
の淡黄色透明の自己乳化型ポリイソシアネ−ト(I)を
得た。 実施例10 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI300部、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオ−ル7.8部、触媒としてカプリン酸
カリウム0.06部、フェノ−ル0.3部、リン酸0.
042部用いて実施例1と同様に反応を行った。HDI
に2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル
を反応させた後は、イソシアネート含有量は47.2%
であった。また薄膜蒸留後、得られたポリイソシアネ−
トをA−5とする。NCO含有量21.4%、粘度21
00cP/25℃、遊離HDI含有量0.4%であり、
FT−IRおよび13C−NMRからNCO基、イソシア
ヌレ−ト基およびウレタン基の存在が確認された。この
ポリイソシアネ−トA−5を100部用い、メトキシP
EG#400を12部とCO−FAメチルエステルを4
部を加え、昇温し、75℃を保持しながら3時間反応さ
せたところ、NCO含有量16.8%、粘度2350c
P/25℃、NCO官能基数3.5の淡黄色透明の自己
乳化型ポリイソシアネ−ト(J)を得た。 実施例11 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI300部、1,3-ブタンジオ−ル2.4部、
メトキシPEG#400を16部を加え、反応器内を窒
素置換して、攪はんしながら反応温度75℃に加温し、
同温度で3時間反応させた。このときの反応液のNCO
含有量を測定したところ、45.8%であった。次に触
媒としてカプリン酸カリウム0.06部、助触媒として
フェノ−ル0.3部を加え、60℃で4.5時間イソシ
アヌレ−ト化反応を行った。この反応液に停止剤として
リン酸を0.042部加え、反応温度で1時間攪はん
後、遊離HDIを120℃、0.01Torrで薄膜蒸
留により除去したところ、淡黄色透明液体でNCO含有
量=21.0%、粘度550cP/25℃、遊離HDI
含有量0.4%、NCO官能基数3.0の淡黄色透明の
自己乳化型ポリイソシアネ−ト(K)を得た。このサン
プルからFT−IR及び13C−NMR測定より、NCO
基、イソシアヌレ−ト基及びウレタン基の存在が確認さ
れた。液性の評価を表1に示す。
【0026】実施例12 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器に、HDI300部、2−n−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオ−ル11.9部、メトキシPEG
#400を12部、CO−FAメチルエステルを4部を
加え、反応器内を窒素置換して、攪はんしながら反応温
度75℃に加温し、同温度で3時間反応させた。このと
きの反応液のNCO含有量を測定したところ、43.2
%であった。次に触媒としてプロピオン酸カリウム0.
06部、フェノ−ル0.3部、リン酸0.072部を用
いて、60℃で4.5時間イソシアヌレ−ト化反応を行
った。この反応液に停止剤としてリン酸を0.042部
加え、反応温度で1時間攪はん後、遊離HDIを120
℃、0.01Torrで薄膜蒸留により除去したとこ
ろ、淡黄色透明液体でNCO含有量=20.9%、粘度
650cP/25℃、遊離HDI含有量0.4%、NC
O官能基数2.9の淡黄色透明の自己乳化型ポリイソシ
アネ−ト(L)を得た。このサンプルからFT−IR及
13C−NMR測定より、NCO基、イソシアヌレ−ト
基及びウレタン基の存在が確認された。
【0027】比較例1 実施例1において、MPEG400およびCO−FAメ
チルエステルを導入していないポリイソシアネ−トA−
1を比較例1とした。 比較例2 実施例7において、MPEG400およびCO−FAメ
チルエステルを導入していないポリイソシアネ−トA−
2を比較例2とした。 比較例3 実施例8において、MPEG400およびCO−FAメ
チルエステルを導入していないポリイソシアネ−トA−
3を比較例3とした。 比較例4 実施例9において、MPEG400およびCO−FAメ
チルエステルを導入していないポリイソシアネ−トA−
4を比較例4とした。 比較例5 実施例10において、MPEG400およびCO−FA
メチルエステルを導入していないポリイソシアネ−トA
−5を比較例5とした。
【0028】[水性エマルジョン分散安定性、水性エマ
ルジョン分散後NCO安定性評価]アクリルエマルジョ
ンA(固形分50%、粘度300cP/25℃、亜細亜
工業製、商品名WA−1015ND)100部に実施例
1〜10の自己乳化型ポリイソシアネート及び比較例1
〜5のポリイソシアネ−ト10部を加え、ガラス棒にて
攪はん混合し、水性エマルジョン−ポリイソシアネ−ト
分散液を得た。それぞれの水性エマルジョン−ポリイソ
シアネ−ト分散液について分散安定性、可使時間を評価
した。評価結果を表1、表2に示す。親水鎖を導入する
ことにより分散安定性は良好となり、さらに疎水鎖をバ
ランス良く導入することにより、NCO基の安定性が高
くなり、可使時間が長くなった。
【0029】分散安定性の評価方法 ○ 均一 × 2相分離及び増粘 − 2相分離のため測定不能
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】[水系塗料の調製及び塗膜試験]以下に示
す実施例13〜17及び比較例6〜8の塗膜の耐水性、
硬度、耐ブロッキング性を評価した。評価結果を表3に
示す。耐水性は20℃の水道水に1日間浸漬して塗面状
態及び付着性を試験した。塗膜の硬度は鉛筆硬度で求め
た。耐ブロッキング性は、塗板上にガ−ゼを敷きその上
に500gの分銅を乗せ、20℃に1日放置し、塗面上
へのガ−ゼの紋模様のつき具合より判定した。自己乳化
型ポリイソシアネ−トを用いることにより、耐水性、硬
度、耐ブロッキング性は良好となった。
【0033】判定方法 耐水性 ; 異常無し ○>△>× 白化 耐ブロッキング性; 異常無し ○>× 模様のあ
とが残る
【0034】ウレタンエマルジョンA(常温において反
応しうる活性水素基を含有する水性エマルジョン)の製
攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器にニッポラン980N(ポリカ−ボネ−ト系ポリエス
テル、分子量2000、日本ポリウレタン工業製)46
1.1部、IPDI 150.1部、ジブチルチンジラ
ウリレ−ト0.06部を仕込み昇温し75℃を保持しな
がら2時間反応させ、NCO含有量6.0%の反応液を
得た。次いでこの反応液を40℃まで冷却した後、ジメ
チロ−ルプロピオン酸29.6部、アセトン252.8
部を加えて3時間反応させ,NCO含有量1.8%の反
応液を得た。さらにこの反応液にアセトン273.2
部、イソホロンジアミン30.3部、モノエタノ−ルア
ミン2.4部を加えて、20分間反応させた。この液に
水1562.5部加えて高速攪はんし、相転換させた。
そしてこの液よりアセトンを留去して粘度100cP/
25℃のウレタンエマルジョンを得た。このウレタンエ
マルジョンをエマルジョンAとする。
【0035】ウレタンエマルジョンB(常温において反
応しうる活性水素基を含有しない水性エマルジョン)の
製造 攪はん機、温度計、窒素シ−ル管、冷却器のついた反応
器にニッポラン981(ポリカーボネート系ポリエステ
ル、分子量1000、日本ポリウレタン工業製)31
7.2部、IPDI 133.4部、ジブチルチンジラ
ウリレ−ト0.08部を仕込み昇温し75℃を保持しな
がら2時間反応させ、NCO含有量5.2%の反応液を
得た。次いでこの反応液に、ポリオキシエチレンメチル
エ−テル(水酸基価80、日本乳化剤工業製)を加え
て、3時間反応させ、NCO含有量4.6%の反応液を
得た。さらにこの反応液を25℃まで冷却した後、アセ
トン474.8部、イソホロンジアミン45.2部を加
えて、20分間反応させた。この液に水1231.3部
加えて高速攪はんし、相転換させた。そしてこの液より
アセトンを留去して粘度700cP/25℃のウレタン
エマルジョンを得た。このウレタンエマルジョンをエマ
ルジョンBとする。
【0036】実施例13 ウレタンエマルジョンA80部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部を配合し、さらに実施例
1で得た自己乳化型ポリイソシアネート5部を加え、ガ
ラス棒にて攪はん混合したところ、容易に分散した。こ
の分散液を用いて、軟鋼板にバ−コ−タ−で乾燥塗膜3
0〜40μになるように塗装した後、80℃で20分間
乾燥を行い、さらに5時間放置した。 実施例14 ウレタンエマルジョンA80部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部を配合し、さらに実施例
4で得た自己乳化型ポリイソシアネート5部を加え、ガ
ラス棒にて攪はん混合したところ、容易に分散した。こ
の分散液を用いて、軟鋼板にバ−コ−タ−で乾燥塗膜3
0〜40μになるように塗装した後、80℃で20分間
乾燥を行い、さらに5時間放置した。 実施例15 ウレタンエマルジョンB80部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部を配合し、さらに実施例
1で得た自己乳化型ポリイソシアネート5部を加え、ガ
ラス棒にて攪はん混合したところ、容易に分散した。こ
の分散液を用いて、軟鋼板にバ−コ−タ−で乾燥塗膜3
0〜40μになるように塗装した後、80℃で20分間
乾燥を行い、さらに5時間放置した。 実施例16 ウレタンエマルジョンB80部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部を配合し、さらに実施例
4で得た自己乳化型ポリイソシアネート5部を加え、ガ
ラス棒にて攪はん混合したところ、容易に分散した。こ
の分散液を用いて、軟鋼板にバ−コ−タ−で乾燥塗膜3
0〜40μになるように塗装した後、80℃で20分間
乾燥を行い、さらに5時間放置した。
【0037】実施例17 アクリルエマルジョンA(固形分50%、粘度300c
P/25℃、商品名WA−1015ND、亜細亜工業
製)53部、顔料18部、助剤(分散剤、増粘剤、消泡
剤等)2部、水27部を配合し、さらに実施例1で得た
自己乳化型ポリイソシアネート5部を加え、ガラス棒に
て攪はん混合したところ、容易に分散した。この分散液
を用いて、実施例11と同様の方法で塗装した。 実施例18 アクリルエマルジョンA(固形分50%、粘度300c
P/25℃、商品名WA−1015ND、亜細亜工業
製)53部、顔料18部、助剤(分散剤、増粘剤、消泡
剤等)2部、水27部を配合し、さらに実施例4で得た
自己乳化型ポリイソシアネート5部を加え、ガラス棒に
て攪はん混合したところ、容易に分散した。この分散液
を用いて、実施例11と同様の方法で塗装した。
【0038】比較例6 ウレタンエマルジョンA80部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部、比較例3のポリイソシ
アネート5部を配合し、実施例11と同様の方法で塗装
した。 比較例7 ウレタンエマルジョンB80部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部、比較例4のポリイソシ
アネート5部を配合し、実施例11と同様の方法で塗装
した。 比較例8 アクリルエマルジョンB53部、顔料18部、助剤(分
散剤、増粘剤、消泡剤等)2部、比較例5のポリイソシ
アネート5部を、水27部を配合し、実施例11と同様
の方法で塗装した。
【0039】
【表3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機イソシアネ−トにポリオールを付加
    させて得られるNCO基末端プレポリマ−に、イソシア
    ヌレート化触媒を加えイソシアヌレート環構造を導入
    し、未反応のモノマーを除去した後、NCO基と反応し
    うる活性水素基を有する親水性界面活性剤、 及び/または該親水性界面活性剤とイソシアネート基と
    反応しうる活性水素基を有する炭素数が8以上の脂肪族
    化合物及び/または脂肪酸とアルコ−ルの炭素数の和が
    8以上となる脂肪酸エステルを反応させて得られること
    を特徴とする塗料用自己乳化型ポリイソシアネート。
  2. 【請求項2】 有機イソシアネ−トにポリオ−ルとNC
    O基と反応しうる活性水素基を有する親水性界面活性剤
    を付加させた後に、イソシアヌレ−ト化触媒を加えてイ
    ソシアヌレ−ト環構造を導入し、未反応のモノマ−を除
    去したことを特徴とする塗料用自己乳化型ポリイソシア
    ネ−ト。
  3. 【請求項3】 有機イソシアネ−トにポリオ−ルとNC
    O基と反応しうる活性水素基を有する親水性界面活性剤
    およびNCO基と反応しうる活性水素基を有する炭素数
    が8以上の脂肪族化合物及び/または脂肪酸とアルコ−
    ルの炭素数の和が8以上となる脂肪酸エステルを反応さ
    せた後に、イソシアヌレ−ト化触媒を加えてイソシアヌ
    レ−ト環構造を導入し、未反応のモノマ−を除去して得
    られる、2.0〜4.2の平均NCO官能基数を有することを
    特徴とする塗料用自己乳化型ポリイソシアネ−ト。
  4. 【請求項4】 特許請求の範囲第1項、第2項、第3項
    または第4項記載の自己乳化型ポリイソシアネ−トと水
    溶性樹脂及び/または水性エマルジョンと必要に応じて
    添加剤等を含有することを特徴とする水性塗料およびコ
    −ティング剤。
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