JPH07112644B2 - 歯車研削機 - Google Patents

歯車研削機

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JPH07112644B2
JPH07112644B2 JP1112859A JP11285989A JPH07112644B2 JP H07112644 B2 JPH07112644 B2 JP H07112644B2 JP 1112859 A JP1112859 A JP 1112859A JP 11285989 A JP11285989 A JP 11285989A JP H07112644 B2 JPH07112644 B2 JP H07112644B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は歯車研削機に関し、一層詳細には、マスタ軸に
軸着した研削工具を用いてワーク軸に軸着した被研削歯
車としてのはすば歯車をトラバース方向に移動しながら
同期回転を補正しつつ研削する際、前記同期回転の補正
に起因するワーク軸回転数の変化を滑らかにして被研削
歯車の歯筋精度を向上することの出来る歯車研削機に関
する。
[発明の背景] 近時、研削工具、例えば、周面に螺旋状に突条を設けた
砥石とワークである被研削歯車とを噛合させ、砥石軸と
被研削歯車軸とを同期回転させることにより被研削歯車
を所定寸法の歯車に仕上げる同期加工型の歯車研削機が
採用されるに至っている。この場合、所定寸法の歯車に
仕上げるためには砥石軸と被研削歯車軸との同期状態、
すなわち、砥石の突条と被研削歯車の歯列の谷部との一
致状態が所定範囲内に保持されて加工される必要があ
る。若し、同期状態が正常に保持されないまま歯車が加
工されると、歯筋が曲がったり、歯のピッチが変わる
等、種々の加工誤差を発生するからである。
ところで、被研削歯車がはすば歯車である場合には、ト
ラバース方向の移動に際して、ねじれ角に対応する分、
その軸線方向に沿ってワーク軸の同期回転数を補正す
る、所謂、差動補正を行う必要がある。この補正量を算
出するために、通常、トラバース軸にエンコーダを軸着
し、このエンコーダの出力パルスに応じて軸線方向の位
置検出を行い、この位置検出値に基づき同期回転に差動
補正をかけている。この際、はすば歯車の歯筋精度を向
上するためには、高分解能のエンコーダを用いる必要が
ある。
然しながら、高分解能のエンコーダは極めて高価であ
り、結局、装置全体として高価になる不都合が存在す
る。さらに、前記差動補正は同期回転という観点から考
慮すると外乱扱いとなるために速度情報に変化量、すな
わち、加速度が生じ、結局、同期が外れ易いという欠点
が内在している。
そして、仮令、高分解能エンコーダを採用するとして
も、当該エンコーダをトラバースモータに軸着する際の
偏心あるいはモータ自体に存在する着磁のアンバランス
に起因する脈動等により前記エンコーダから出力するパ
ルスにばらつきが生じて、結局、同期回転が乱れるとい
う不都合が解消されない。
[発明の目的] 本発明は前記の不都合を悉く克服するためになされたも
のであって、マスタ軸に軸着された研削工具を用いてワ
ーク軸に軸着された被研削歯車としてのはすば歯車をト
ラバース方向に移動しながら同期回転を補正しつつ研削
する際、トラバース軸に軸着したエンコーダから出力さ
れる単位時間あたりのパルス数にばらつきが発生して
も、このパルス情報から算出される速度情報に平均化処
理を行うことで前記同期回転を滑らかに制御して、はす
ば歯車の歯筋精度を向上することを可能とする歯車研削
機を提供することを目的とする。
[目的を達成するための手段] 前記の目的を達成するために、本発明は、螺子状砥石が
軸着された工具軸を駆動する第1の回転駆動源と、被研
削歯車としてのはすば歯車が軸着されたワーク軸を前記
第1の回転駆動源に同期して駆動する第2の回転駆動源
と、前記はすば歯車を螺子状砥石の方向にトラバース移
動させる第3の回転駆動源と、前記第3の回転駆動源に
軸着された位置検出器とを備えた歯車研削機において、 前記位置検出器から出力される位置情報をサンプリング
時間毎に計数する計数手段と、当該計数手段の出力デー
タから速度データを導出する微分手段と、前記微分手段
から導出される速度データを前記サンプリング時間毎に
直列にシフトする直列書込シフトレジスタと、当該シフ
トレジスタの出力データが供給される平均化手段とを備
え、 前記サンプリング時間は、前記螺子状砥石の1回転でサ
ンプリング回数が複数回になる時間に選択され、 前記平均化手段は、加算手段と当該加算手段に接続され
る割算手段と当該割算手段による演算結果の剰余データ
を記憶する記憶手段とを有し、前記加算手段には、前記
シフトレジスタの出力データが供給されるとともに、前
記剰余データが供給され、これらの加算結果が前記割算
手段によって割算演算され、その商が前記トラバース方
向の平均化速度データにされるとともに、新たな剰余デ
ータが前記記憶手段に記憶されるようにされ、 前記平均化手段によって得られた前記トラバース方向の
平均化速度データに基づき前記第2の回転駆動源を駆動
して前記トラバース移動に伴う前記第1の回転駆動源と
前記第2の回転駆動源との同期回転の差動補正を行うこ
とを特徴とする。
[実施態様] 次に、本発明に係る歯車研削機についてこれを実施する
装置との関係において好適な実施態様を挙げ、添付の図
面を参照しながら以下詳細に説明する。
第1図は本実施態様に係る歯車研削機の概略構成図であ
り、第1図において、参照符号10は砥石12(ここでは、
1条の歯を刻設した砥石とする)を回転駆動する第1の
回転駆動源としての工具モータを示す。当該工具モータ
10は工具軸であるマスタ軸14を介して砥石12と軸着し、
当該マスタ軸14には第1の位置検出器である、例えば、
パルスジェネレータ16が同軸的に軸着されている。本実
施態様において、モータ10の回転数、すなわち、マスタ
軸14の回転数NMは3000rpmで一定であり、パルスジェネ
レータ16の分解能、すなわち、マスタ軸エンコーダ分解
能RMは60000p/r(PULSES/REVOLUTION)である。前記パ
ルスジェネレータ16の出力信号PG1はフィードフォワー
ド制御パネル18内のカウンタ20を介してフィードフォワ
ード演算器22に導入される。フィードフォワード演算器
22の演算結果はD/Aコンバータ24を介してフィードフォ
ワード指令信号Sffとして加算器26の第1の入力端子に
導入される。
一方、フィードフォワード演算器22の演算データである
マスタ軸速度データSMはクローズドループ制御パネル28
内のクローズドループ演算器30の所定の入力端子に導入
される。この場合、クローズドループ演算器30の他の入
力端子には第2の回転駆動源としてのサーボモータ32に
軸着された第2の位置検出器であるパルスジェネレータ
33から出力信号PG2がカウンタ34を介しフィードバック
信号として導入されている。前記クローズドループ演算
器30はこのフィードバック出力信号PG2を基にD/Aコンバ
ータ38を介してクローズドループ指令信号Sf2を加算器2
6の第2の入力端子に導入する。加算器26の出力信号で
あるスレーブ軸速度データSSによってサーボアンプ40を
介してワーク駆動用のサーボモータ32の回転数が制御さ
れる。
この場合、サーボモータ32に軸着したスレーブ軸42の他
端側にはカップリング43、軸45を介してシステムの慣性
力を吸収するイナーシャダンパ44と第1のギヤ46が同軸
的に軸着されている。この第1ギヤ46には第2のギヤ48
が噛合し、当該第2ギヤ48は軸50を介してその軸線方向
が変えられる第3のギヤ52と軸着し、第3ギヤ52は第4
のギヤ54と噛合する。この場合、第4ギヤ54はワーク軸
56に同軸的に固着され、ワーク軸56の一端部には被研削
歯車としてのはすば歯車であるワーク31が固定して配設
される。
なお、前記ワーク軸56には第1のプーリ68、ベルト70、
第2のプーリ72を介してヒステリシスブレーキ74が介装
され、当該ヒステリシスブレーキ74は調整されたポテン
ショメータ76の出力信号が増幅器78によって増幅された
後の電圧信号によってその制動力が可変されるように構
成されている。
前記サーボモータ32およびワーク31等はクロステーブル
80上に載置される。この場合、当該クロステーブル80に
はボールねじ82、84が取着され、前記サーボモータ32お
よびワーク31等が夫々、矢印A方向(トラバース方向)
および紙面と直交するB方向(切込方向)に進退自在に
移動される。前記ボールねじ84はカップリング98、切込
軸100を介して切込モータ102と軸着する。この切込モー
タ102の入力端子にはNC制御装置92の出力信号が切込モ
ータ制御部104、サーボアンプ106を介して導入される。
一方、ボールねじ82の一端部はカップリング86、トラバ
ース軸88を介してトラバースモータ90と軸着する。この
場合、トラバースモータ90の入力端子側には前記NC制御
装置92から出力された信号がトラバースモータ制御部9
4、サーボアンプ96を介して導入されている。前記ボー
ルねじ82の他端部はカップリング108、軸109を介して第
3の位置検出器であるパルスジェネレータ110と軸着さ
れている。このパルスジェネレータ110から出力される
位置情報としての出力信号PG3は計数手段であるカウン
タ112を介して前記クローズドループ演算器30に導入さ
れる。従って、トラバースモータ90の回転によるワーク
31のトラバース方向(矢印A方向)への移動量に応じて
クローズドループ演算器30は後述する所定の差動補正演
算を行いその演算結果をD/Aコンバータ38を介して前記
クローズドループ指令信号Sf2に加味して加算器26の第
2の入力端子に導入する。
第2図はこのような差動補正演算を実行する際にクロー
ズドループ演算器30で実施されるソフトウエアを機能手
段の結合として表現した図である。なお、第2図におい
て第1図に示す構成要素と同一の構成要素には同一の参
照符号を付している。図において、トラバース軸88に軸
着したパルスジェネレータ110からの出力信号PG3は前記
したカウンタ112を介してクローズドループ演算器30を
構成するラッチ114に位置データとして導入される。ラ
ッチ114の出力データは微分器116を介して速度データに
変換され、この速度データは五入力加算器118の第1入
力端子118aに出力データX1として導入される。一方、こ
の出力データX1は3個の直列に接続された直列書込型の
第1乃至第3シフトレジスタ120、122、124の中、第1
シフトレジスタ120に導入され、夫々のシフトレジスタ1
20、122、124の出力データX2、X3、X4は前記加算器118
の第2乃至第4入力端子118b、118c、118dに導入され
る。加算器118の出力データY0は出力端子118fから割算
器126を介しトラバース軸平均化速度データStaとして前
記出力信号Sf2に加味される。この場合、割算器126によ
って割算した結果の剰余Mはレジスタ128に記憶され、
レジスタ128に記憶された剰余Mは出力データX5として
前記加算器118の第5の入力端子118eに導入されるよう
に構成されている。
なお、前記フィードフォワード演算器22、前記クローズ
ドループ演算器30、前記NC制御装置92、前記カウンタ2
0、34、112、ラッチ114、微分器116、第1乃至第3シフ
トレジスタ120、122、124およびレジスタ128のクロック
入力端子CKにはその発振周期が300μsであるクロック
ジェネレータ130からサンプリングクロックTSが導入さ
れている。
本実施態様に係る歯車研削機は基本的には以上のように
構成されるものであり、次にその作用並びに効果につい
て添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
先ず、本実施態様に係るワーク31の諸元並びにパルスジ
ェネレータ16、33、110の分解能等の諸元を表1に示
す。これらの諸元は図示しない入力手段からフィードフ
ォワード演算器22およびクローズドループ演算器30の夫
々のメモリ部(図示せず)に入力される。
そこで、先ず、砥石12とワーク31の同期回転作用、換言
すれば工具モータ10とサーボモータ32の同期回転作用に
ついて説明する。
この場合、砥石12を工具モータ10により回転数NM=3000
rpmで回転駆動すると、パルスジェネレータ16から連続
するパルス信号としての出力信号PG1が発生し、当該出
力信号PG1はフィードフォワード制御パネル18の中、カ
ウンタ20を介してフィードフォワード演算器22に導入さ
れる。従って、工具としての砥石12がNM=3000rpmで回
転した時にサンプリング時間tS=300μs毎にパルスジ
ェネレータ16から発生するパルス、換言すれば、マスタ
軸速度データSMは次の第(1)式に示すように900p/sam
pleとなる。
次に、回転数NM=3000rpmの砥石12に対してワーク31の
歯数ZをZ=60とした時のワーク回転数NWは次の第
(2)式で示す式から導かれ、その値は50rpmとなる。
なお、第(2)式において参照符号Pは工具の条数であ
り、この場合、砥石12の条数に対応し、この値は前記の
ように1である。
次に、サーボモータ32によって駆動されるワーク31の間
に介装される回転伝達手段であるギヤトレン60の減速比
Qが24:1(Q=24)であることを考慮するとサーボモー
タ32の回転数NSは次の第(3)式に示すように1200rpm
で回転させればよい。
NS=NW×Q(rpm)=50×24=1200(rpm) …(3) そこで、サーボモータ32に与えるべき電圧値はサーボモ
ータ32およびサーボアンプ40の定格仕様値から、例え
ば、定格回転数NSR=3000rpmの時のサーボモータ32の定
格入力電圧VRがVR=6Vであるとすれば、1V当たりの回転
数は500rpm/Vであることが諒解され、結局、1200rpmで
回転させるためにはサーボモータ32に2.4Vを供給すれば
よいことになる。
この場合、D/Aコンバータ24のビット数を12ビットと
し、12ビットに対応する出力電圧を±10VとしてNS=120
0rpmで回転させるための電圧2.4Vを得るには、第(4)
式に示すように、D/Aコンバータ24に値V(D/A24)=25
39を供給するようにすればよい。
従って、フィードフォワード指令信号Sffの値はこの値
(D/A24)をアナログ信号に変換した値として与えら
れる。なお、本実施態様においてサーボアンプ40はボル
テージフォロアとして動作している。そこで、この状態
で、砥石12がNM=3000rpmで回転している限りワーク31
はNW=50rpmで同期回転する。
以上がマスタ軸とスレーブ軸の同期回転作用についての
説明である。
本実施態様において、ワーク31ははすば歯車であるの
で、この場合にはトラバース方向(歯車の軸線方向)の
移動量を検出して前記同期関係に差動補正をかけなけれ
ばならない。この差動補正はトラバース軸88に軸着した
パルスジェネレータ110によりトラバース移動量を検出
しワークねじれ角βを含めた演算によって得られる値に
より前記の同期回転に差動補正を実施すればよい。
すなわち、先ず、はすば歯車のピッチ円周上の直径dは
次の第(5)式に示すように165.5mmとなる(各記号の
意味については表1参照)。
この場合、ワーク幅W=29.5mmによるピッチ円周上のず
れ角Yは、次の第(6)式に示すように:略9.524゜に
なる。
すなわち、ワーク幅W=29.5mmをトラバース移動した場
合にワークのピッチ円周上で9.524゜の同期補正をかけ
る必要がある。これをワーク軸56の1回転当たりのフィ
ードバックパルス数に換算し、パルスジェネレータ110
の出力信号PG3に対応する前記クローズドループ指令信
号Sf2に加味されるフィードバックパルスPdの必要量を
算出すると、次の第(7)式に示すように、6349パルス
となる。同様に、フィードバックパルスPdの必要量をピ
ッチ円周上のずれ角Yから算出すると同一の結果が得ら
れる(第(8)式参照。
従って、ワーク幅W=29.5mmをトラバース移動する際約
6349パルス分のフィードバックパルスPdを補正すること
になる。実際には、サンプリング時間tS=300μs毎に
演算され、例えば、トラバース速度を本実施態様では1m
m/secとしているのでサンプリング1回当たりの発生パ
ルス、すなわち、トラバース軸速度データStは次の第
(9)式から演算され25(p/sample)となる。この時、
差動速度指令データSdは第(10)式に示すように表され
る。
St=1×Rt×tS =1×500000/6×300×10-6=25(p/sample) …(9) 従って、1サンプリング時間tS当たり0.06457パルスの
補正をかけることになる。この値は小数部のみの値のた
め整数演算が出来ないので所定倍して正規化してから演
算する。換言すれば、差動速度指令データSd=0.06457
は無理数であり、誤差が累積してしまうことになるが、
正規化のための所定倍数αを大なる値、この場合、差動
速度指令データSdが整数となるように選択する限り、ワ
ーク幅Wが数十mm内での加工誤差は実用上問題のない範
囲に抑えることが出来ることを確認している。なお、本
実施態様において、所定倍数αの実際の値は約10万以上
であれば問題ない。
ところで、前記したように、フィードバックパルスPd
対応するトラバース軸速度データStの値は25(p/sampl
e)になるが、この差動補正演算は、D/Aコンバータを使
用し量子化処理により実行しているので、その際、量子
化誤差の±1(P)が発生する。さらに、パルスジェネ
レータ110自体の偏心あるいはボールねじ82の偏心、ト
ラバースモータ90の脈動等による誤差を加えると25(p/
sample)に対して、例えば、±3(P)、すなわち、22
乃至28(p/sample)の変動を生じることとなり、その誤
差が±10%を超えてしまう場合が生ずる。ここで、第3
図aにこの場合の、すなわち、本発明に係る歯車研削機
を実施しない場合のフィードバックパルスPdに対応する
トラバース軸速度データStの例を示し、その加速度デー
タを第3図bに示す。なお、横軸に対応する区分はサン
プリング時間tSを示している。図から容易に諒解される
ように、速度変動はワーク31の軸線方向中央部に対応す
る時間Ta中において±3(p/sample)の誤差を有してお
り、加速度変動は±4(p/sample2)と大きく変動して
いる。このままの状態で差動補正が実施された場合には
結果として研削されるはすば歯車31の歯筋精度が極めて
低いものとなる。
ただし、±10%でもその変化が滑らかであればさほどの
影響はないが、加速度が大きいとサーボループ内に大き
な外乱が与えられたことになり、当該サーボループが振
動状態に至る虞が発生し、その結果、研削精度はさらに
低下するに至る。
そこで、本発明においては、この速度変動を少なくする
ため、第2図に示す回路により信号処理を行って滑らか
な差動補正が行なえるようにしている。次に、この滑ら
かな差動補正について説明する。
先ず、パルスジェネレータ110からの出力信号PG3をカウ
ンタ112においてサンプリングクロックTS毎に計数し、
その計数出力データをクローズドループ演算器30内のラ
ッチ114でラッチする。このラッチデータは微分器116に
よってサンプリング時間tS毎の単位で微分されトラバー
ス軸速度データStが算出される。このトラバース軸速度
データStはサンプリングクロックTS毎に第1乃至第3シ
フトレジスタに転送され、結局、加算器118において現
在のトラバース軸速度データSt(前記出力データX1に対
応する)とその3回サンプリング前までのトラバース軸
速度データSt(前記出力データX2乃至X4に対応する)お
よび出力データX5(割算器126で発生する前回の剰余M
に対応する)とが加算され、その加算出力データY0が割
算器126に導入される。そして、割算器126で次の第(1
2)式に示す演算がなされ、トラバース軸平均化速度デ
ータStaが出力される。
この場合、割算器126では前記した剰余Mが生じる。こ
の剰余Mはレジスタ128に導入されこの剰余Mに対応す
る出力データX5がサンプリングクロックTS毎に加算器11
8の第5の入力端子118eに導入され、次回の加算演算に
供される。一方、割算器126から算出されたトラバース
軸平均化速度データStaに基づきフィードバックパルスP
dが算出されこのフィードバックパルスPdが前記クロー
ズドループ指令信号Sf2に加味されて加算器26、サーボ
アンプ40を介してサーボモータ32に導入される。
ここで、第4図に上記した演算手順によって算出された
トラバース軸平均化速度データSta等を示す。図におい
て、第I欄はサンプリング番号を示し、そのサンプリン
グ回数は50回である。第II欄は微分器116によって算出
されたトラバース軸速度データSt(前記第3図aの特性
図に対応する)を示している。第III欄は加算器118の出
力データY0を示し、第IV欄は割算器126の出力データで
あるトラバース軸平均化速度データStaを示す。また、
第V欄は割算器126による除算演算によって発生した剰
余M(出力データX5)を示している。そこで、例えば、
18番目のサンプリング番号について演算過程を説明す
る。この場合、加算器118では15乃至18番目のサンプリ
ング番号に対応する出力データX4=25、X3=22、X2=26
およびX1=27と17番目のサンプリング番号の剰余Mに対
応する出力データX5=1とが加算され出力データY0=X1
+X2+X3+X4+X5=101が算出される。そして、トラバ
ース軸平均化速度データStaは除数が4である割算器126
の商としてSta=[Y0/4]=25(記号[ ]は整数部分
を示す)となる。この場合、剰余MはM=1となり、こ
のデータはレジスタ128に記憶され、次のサンプリング
番号(この場合、19番目)に対応する加算演算に供され
る。
同様にして、全てのサンプリング番号に対応してトラバ
ース軸平均化速度データStaを算出し、この速度データS
taに基づいてクローズドループ演算器30内で差動速度指
令データSd(前記第(11)式参照)を算出し正規化した
後、D/Aコンバータ38、加算器26およびサーボアンプ40
を介してサーボモータ32に印加する。
第5図aに上記のように算出されたトラバース軸平均化
速度データStaを実線で示す。なお、比較のために第3
図aに示した従来技術に係るトラバース軸平均化速度デ
ータStを点線で再掲している。図から容易に諒解される
ように、補正後の、すなわち、トラバース軸平均化速度
データStaは点線で示す従来技術に係るトラバース軸速
度データStに比較してその偏差が小さく(+2乃至−
1)、結局、滑らかな差動補正を実施することが出来
る。なお、トラバース軸平均化速度データStaに基づく
加速度データは第5図bの実線に示すように、点線で示
す前記した従来技術と比較して略半分程度以下の偏差に
抑制することが出来ることが諒解されよう。なお、第4
図の第II欄および第IV欄の合計から諒解されるように、
50回サンプリング結果の合計値は従来技術に係る値と本
発明に係る値との同一の合計値938であり、この合計値
が同一であることからワークとしての研削されるはすば
歯車には誤差が発生しないことが諒解される。
また、第6図は上記したトラバース方向の移動に同期し
て回転する切込モータ102のNC制御による指令結果を示
す切込軸方向のワーク31の移動軌跡の説明図であり、こ
の場合、4ストロークで往復加工し、切込時(図の両縁
部分)は各ストローク毎に50μ乃至200μずつ前進して
ワーク幅29.5mmの間を往復加工する。なお、図におい
て、ワーク幅の両縁部分においては、クラウニング加工
を行っているために、若干深く曲線状に切り込まれてい
る。また、両縁部分において、切込軸100を斜めに切り
込んでいるのは全体としての加工時間を短縮するためで
ある。
以上のように、本実施態様によれば、歯車研削機ではす
ば歯車としてのワーク31を研削する際、パルスジェネレ
ータ110から出力される出力データPG3をサンプリング時
間tS毎にカウンタ112で計数し、この計数データをラッ
チ114でラッチした後、微分器116で微分して速度データ
を得、この速度データを直列に接続された3個のシフト
レジスタ120、122、124に転送している。そして、現在
の速度データとシフトレジスタ120、122、124の記憶値
である過去の速度データ並びに前回の演算結果の剰余M
を加算し、シフトレジスタの数+1の値(この場合、
4)で割った商、すなわち、トラバース軸平均化速度デ
ータStaを差動速度として採用している。この演算の
際、剰余Mは次のトラバース軸平均化速度データSta
算出演算のレジスタ128に記憶しておくことにより累積
誤差を除去している。このため、差動速度の偏差が小さ
くなり、結局、パルスジェネレータであるエンコーダの
分解能を実質的に向上することが出来、研削精度を著し
く向上させることが出来る。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、マスタ軸に軸着された
研削工具を用いてワーク軸に軸着された被研削歯車とし
てのはすば歯車をトラバース方向に移動しながら同期回
転を補正しつつ研削する際、トラバース軸に軸着された
エンコーダから出力される単位時間あたりのパルス数に
ばらつきが発生しても、このパルス情報から算出される
速度情報に平均化処理を行うことで前記同期回転を滑ら
かに制御してはすば歯車の歯筋精度を向上することが出
来る。このため、高精度の、すなわち、高価なエンコー
ダを使用する必要もなく、結果として歯車自体の加工コ
ストを低減することが出来る利点が得られる。
以上、本発明について好適な実施態様を挙げて説明した
が、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、
例えば、4回平均値を3回あるいは5回平均値にする
等、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良
並びに設計の変更が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施態様に係る歯車研削機を駆動制御する電
気回路のブロック図、 第2図は第1図に示すブロック図の中、クローズドルー
プ演算器によって演算される一演算過程を電気回路で表
したブロック図、 第3図aは従来技術に係るトラバース軸速度データの特
性図、 第3図bは第3図aに示すトラバース軸速度データに基
づく加速度データの特性図、 第4図は第2図に示すブロック図に係る電気回路によっ
て演算処理されるデータの説明図、 第5図aは本発明を適用した後のトラバース軸速度デー
タの特性図、 第5図bは第5図aに示すトラバース軸速度データに基
づく加速度データの特性図、 第6図は第1図に示すブロック図の中、切込モータによ
って切込軸方向に移動させられるワークの移動を表す軌
跡の説明図である。 10……工具モータ、12……砥石 14……マスタ軸 16……パルスジェネレータ 18……フィードフォワード制御パネル 22……フィードフォワード演算器 24……D/Aコンバータ、26……加算器 28……クローズドループ制御パネル 30……クローズドループ演算器 31……ワーク、32……サーボモータ 33……パルスジェネレータ 42……スレーブ軸、60……ギヤトレン 74……ヒステリシスブレーキ 90……トラバースモータ 110……パルスジェネレータ 118a〜118e……入力端子、118f……出力端子 SM……マスタ軸速度データ SS……スレーブ軸速度データ St……トラバース軸速度データ Sta……トラバース軸平均化速度データ Sff……フィードフォワード指令信号 Sf2……クローズドループ指令信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 雄浩 埼玉県狭山市新狭山1―10―1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特公 昭61−21775(JP,B2) 特公 昭61−41697(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】螺子状砥石が軸着された工具軸を駆動する
    第1の回転駆動源と、被研削歯車としてのはすば歯車が
    軸着されたワーク軸を前記第1の回転駆動源に同期して
    駆動する第2の回転駆動源と、前記はすば歯車を螺子状
    砥石の方向にトラバース移動させる第3の回転駆動源
    と、前記第3の回転駆動源に軸着された位置検出器とを
    備えた歯車研削機において、 前記位置検出器から出力される位置情報をサンプリング
    時間毎に計数する計数手段と、当該計数手段の出力デー
    タから速度データを導出する微分手段と、前記微分手段
    から導出される速度データを前記サンプリング時間毎に
    直列にシフトする直列書込シフトレジスタと、当該シフ
    トレジスタの出力データが供給される平均化手段とを備
    え、 前記サンプリング時間は、前記螺子状砥石の1回転でサ
    ンプリング回数が複数回になる時間に選択され、 前記平均化手段は、加算手段と当該加算手段に接続され
    る割算手段と当該割算手段による演算結果の剰余データ
    を記憶する記憶手段とを有し、前記加算手段には、前記
    シフトレジスタの出力データが供給されるとともに、前
    記剰余データが供給され、これらの加算結果が前記割算
    手段によって割算演算され、その商が前記トラバース方
    向の平均化速度データにされるとともに、新たな剰余デ
    ータが前記記憶手段に記憶されるようにされ、 前記平均化手段によって得られた前記トラバース方向の
    平均化速度データに基づき前記第2の回転駆動源を駆動
    して前記トラバース移動に伴う前記第1の回転駆動源と
    前記第2の回転駆動源との同期回転の差動補正を行うこ
    とを特徴とする歯車研削機。
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JPS6141697A (ja) * 1984-07-31 1986-02-28 Matao Morita 船舶の操舵推進機

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