JPH07112472A - 射出成形機の成形条件調整方法及び装置 - Google Patents

射出成形機の成形条件調整方法及び装置

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JPH07112472A
JPH07112472A JP28570593A JP28570593A JPH07112472A JP H07112472 A JPH07112472 A JP H07112472A JP 28570593 A JP28570593 A JP 28570593A JP 28570593 A JP28570593 A JP 28570593A JP H07112472 A JPH07112472 A JP H07112472A
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隆 曲尾
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形条件の調整を容易かつ確実に行うととも
に、調整時間の大幅短縮、生産性向上、製造コスト低
減、資源やエネルギの節減を図る。 【構成】 予め、成形品の充填不良の種類毎にそれぞれ
充填不良を無くする方向に特定の成形条件を変更する変
更量を設定し、当該成形条件の調整時に、成形品の充填
不良の種類と射出工程における充填不良の発生した充填
過程を選択し、かつ選択した充填不良の種類に対応する
変更量により、選択した充填過程の成形条件を変更する
とともに、変更した成形条件により再成形を行う再成形
サイクルを、充填不良が無くなるまで繰り返すことによ
り成形条件を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金型データの不明な金型
を使用する射出成形機の成形条件調整方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、射出成形機に使用する金型には
金型データが判明している場合と不明な場合がある。例
えば、製品を製造する際、金型設計を含む全ての製作工
程を社内に有している場合には、金型図面や模型等から
キャビティ容量等の金型データを知ることができる。し
かし、製造部門のみを有する製造会社等では、成形依託
を受けた際に、金型のみを渡される場合もあり、この場
合には金型データが不明であることも少なくない。
【0003】ところで、射出圧力、射出速度或いは計量
値等の成形条件を設定する場合、キャビティ容量等の金
型データが判明していれば、計量値等の成形条件に対し
て、ある程度の暫定的な初期条件を設定して成形できる
が、金型データが不明の場合には当該初期条件の設定が
容易でない。このため、従来は、熟練したオペレータが
金型のキャビティ等を目視し、勘や経験に基づいて射出
速度及び射出圧力等の初期条件を設定するとともに、最
初は少なめの計量値を設定して成形を行い、成形された
成形品の充填状態を見ながら徐々に計量値を大きくしつ
つ、成形を繰り返すことにより、目的の成形条件を試行
錯誤的に設定するとともに、さらに、最良品を得るため
の調整を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の手法では熟練したオペレータの勘や経験に頼らざるを
得ないため、設定及び調整作業を行うオペレータにかな
りの熟練度が要求され、設定及び調整を行うことができ
るオペレータが限られてしまう。また、熟練したオペレ
ータでも設定及び調整作業を容易に行えないため、作業
時間の長時間化、生産性の低下及び製造コストの上昇を
招くとともに、無駄な資源及びエネルギの消費も伴う問
題点があった。
【0005】本発明はこのような従来の技術に存在する
課題を解決したものであり、熟練度の低いオペレータで
あっても成形条件の調整を容易かつ確実に行うことがで
きるとともに、調整時間の大幅短縮、生産性向上、製造
コスト低減、資源やエネルギの節減を図ることができる
射出成形機の成形条件調整方法及び装置の提供を目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る射出成形機
の成形条件調整方法は、予め、成形品の充填不良の種類
毎にそれぞれ充填不良を無くする方向に特定の成形条件
を変更する変更量を設定し、当該成形条件の調整時に、
成形した成形品の充填不良の種類と射出工程における充
填不良の発生した充填過程を選択し、かつ選択した充填
不良の種類に対応する変更量により、選択した充填過程
の成形条件を変更するとともに、変更した成形条件によ
り再成形を行う再成形サイクルを、充填不良が無くなる
まで繰り返すことにより成形条件を調整するようにした
ことを特徴とする。
【0007】この場合、充填不良の種類毎に、充填不良
の度合に対するランクと各ランクに対応する複数の変更
量を設定するとともに、充填不良の度合の大きいランク
に対応して変更量が大きくなるように、各変更量の大き
さを異ならせて設定することが望ましい。また、成形条
件として射出速度又は射出圧力に適用できる。
【0008】一方、本発明に係る射出成形機の成形条件
調整装置Mは、成形品の充填不良の種類毎にそれぞれ充
填不良を無くする方向に特定の成形条件を変更する変更
量を設定する変更量設定手段Aと、成形した成形品の充
填不良の種類を選択する充填不良選択手段Bと、射出工
程における充填不良の発生した充填過程を選択する充填
過程選択手段Cと、選択した充填不良の種類に対応する
変更量により、選択した充填過程の成形条件を変更する
成形条件変更手段Dを備えてなることを特徴とする。
【0009】この場合、変更量設定手段Aは、充填不良
の種類毎に、充填不良の度合に対するランクと各ランク
に対応する複数の変更量を設定するとともに、充填不良
の度合の大きいランクに対応して変更量が大きくなるよ
うに、各変更量の大きさを異ならせて設定することが望
ましい。また、成形条件として射出速度又は射出圧力に
適用できる。
【0010】
【作用】本発明に係る成形条件調整方法及び装置Mによ
れば、変更量設定手段Aによって、予め、成形品の充填
不良の種類毎にそれぞれ充填不良を無くする方向に特定
の成形条件を変更する変更量が設定される。この場合、
望ましくは充填不良の種類毎に、充填不良の度合に対す
るランクと各ランクに対応する複数の変更量が設定され
るとともに、充填不良の度合の大きいランクに対応して
変更量が大きくなるように、各変更量の大きさが異なっ
て設定される。
【0011】したがって、成形条件の調整時に、設定さ
れている成形条件(未調整)により成形を行えば、最初
の成形品を得れるため、得られた成形品を目視し、充填
不良選択手段Bにより、成形した成形品の充填不良の種
類を選択し、充填過程選択手段Cにより、射出工程にお
ける充填不良の発生した充填過程を選択し、さらに、充
填不良の度合に対するランクを選択すれば、成形条件変
更手段Dにより、選択した充填過程の成形条件が、選択
した充填不良の種類及びランクに対応する変更量によっ
て変更せしめられる。
【0012】そして、変更した成形条件により再成形を
行う再成形サイクルを繰り返せば、選択した充填過程の
充填不良を無くすことができる。即ち、各変更量の大き
さは充填不良の度合の大きいランクに対応して大きく設
定されているため、再成形サイクルの繰り返しにより、
選択するランクは次第に小さくなるとともに、最終的に
充填不良を無くすことができる。よって、成形条件は最
良品が得られるように調整される。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0014】まず、本発明に係る成形条件調整方法を実
施できる射出成形機1の概略構成について、図4を参照
して説明する。
【0015】射出成形機1は機台3を備え、この機台3
の上面一側には射出装置4を備えるとともに、上面他側
には安全カバー6で覆われた金型データの不明な金型5
を備える。この場合、金型5は図に現れない型締装置に
より支持されるとともに、射出装置4は進退移動装置7
により進退移動する。射出装置4は先端に射出ノズル9
を、後部にホッパー10をそれぞれ有する加熱筒8を備
え、この加熱筒8にはスクリュを内蔵する。他方、加熱
筒8の後端にはスクリュを回転及び進退移動させるスク
リュ駆動装置11を備える。スクリュ駆動装置11とし
てはサーボモータを利用した電動駆動式、油圧回路を利
用した油圧駆動式が知られている。
【0016】一方、図3中、Mは成形条件調整装置であ
る。成形条件調整装置Mにおいて、12は前記機台3に
内蔵し、かつ射出成形機1全体の制御を司るコントロー
ラである。また、13は機台3の側面パネル3pに取付
けた入力装置(キーボード)であり、コントローラ12
に接続する。入力装置13とコントローラ12は各種条
件を設定する設定機能をはじめ、特に、本発明に従っ
て、成形品の充填不良の種類毎にそれぞれ充填不良を無
くする方向に射出速度(特定の成形条件)の大きさを変
更する変更量を設定する変更量設定手段Aを構成する。
さらにまた、入力装置13は、図1に示すように、成形
した成形品の充填不良の種類を選択する充填不良選択手
段Bを構成する複数の選択キーK1、K2、K3…を備
えるとともに、射出工程における充填不良の発生した充
填過程を選択する充填過程選択手段Cを構成する複数の
選択キーK7、K8、K9を備える。なお、実施例で
は、充填不良として、選択キーK1に「バリ」、選択キ
ーK2に「ショートショット」、選択キーK3に「ヒ
ケ」、選択キーK4に「シェッティング」、選択キーK
5に「クラック」、選択キーK6に「フローマーク」を
設定するとともに、充填過程として、選択キーK7に
「ランナ」、選択キーK8に「充填途中」、選択キーK
9に「充填末期」を設定した。K0は充填不良が発生し
ていない場合の選択キーである。
【0017】他方、変更量設定手段Aにより、充填不良
の種類毎に、充填不良の度合に対するランクと各ランク
に対応する複数の変更量を設定するとともに、充填不良
の度合の大きいランクに対応して変更量が大きくなるよ
うに、各変更量の大きさを異ならせて設定する。この場
合、例えば、充填不良がバリの場合には、バリの度合を
「大」、「中」、「小」にランク分けする。実施例では
図1に示すように、選択キーKaに「大」、選択キーK
bに「中」、選択キーKcに「小」を設定した。そし
て、図3に示すように、「大」のときは速度変更率(変
更量)を「−10%」、「中」のときは速度変更率を
「−5%」、「小」のときは速度変更率を「−2%」を
それぞれ設定する。なお、ランクは「大」、「中」、
「小」としたが勿論数値化してもよい。また、変更量と
して速度変更率を用いたが、その理由は、通常、射出速
度は最高速度の比率で設定されるためである。したがっ
て、例えば、「大」が選択されたなら、射出速度の値か
ら10%減算される。このように、変更量は絶対量又は
比率で設定してもよいし、射出速度に対して加減算又は
乗除算により設定してもよい。
【0018】さらに、コントローラ12は選択した充填
不良の種類及びランクに対応する変更量により、選択し
た充填過程の成形条件を変更する成形条件変更手段Dを
構成する。
【0019】一方、14はスクリュ位置検出器であり、
例えば、電動駆動式の場合にはサーボモータの回転数を
検出するロータリエンコーダ、油圧駆動式の場合にはス
クリュ位置を直接検出するリニアスケール等を利用でき
る。スクリュ位置検出器14は直接コントローラ12に
接続するとともに、速度変換器15を介してコントロー
ラ12に接続する。速度変換器15はスクリュ位置検出
器14からの位置信号を微分してスクリュの速度信号に
変換する機能を備える。
【0020】また、16は射出圧力検出器であり、例え
ば、電動駆動式の場合にはスクリュの後端の背圧を検出
するロードセル、油圧駆動式の場合には油圧シリンダの
油圧を検出する油圧センサ等を利用できる。なお、17
は側面パネル3pに取付けたディスプレイであり、各種
表示を行うとともに、図1に示すように本発明に係る調
整装置M、さらに、入力装置13の補助装置として用い
られる。また、コントローラ12は光通信方式(無線方
式)等によりシステムコンピュータ18に接続する。
【0021】次に、本発明に係る成形条件調整方法を含
む成形条件の全体的な設定手順について、図1〜図9を
参照して説明する。
【0022】図5には成形条件の設定手順をフローチャ
ートで示す。成形条件の設定に際しては、入力装置1
3、さらにディスプレイ17を利用して、成形材料、仕
様スクリュ等に関する既知データを入力する。コントロ
ーラ12には材料特性、成形機性能仕様、基本成形条件
等に関するデータベースが格納されており、コントロー
ラ12は入力した既知データと格納されているデータベ
ースによって温度に関する成形条件、スクリュの最大ス
トローク等の基本的な成形条件を求めてコントローラ1
2に設定する。なお、温度に関する成形条件、即ち、加
熱筒温度及び金型温度は成形材料の種類に基づいて自動
設定される。
【0023】一方、入力装置13における選択キーKs
を押すことにより初期条件設定モードを選択し、初期条
件の設定を行う(ステップ21、22)。初期条件の設
定は図6に示すフローチャートに従って行う。
【0024】まず、射出条件として、射出速度を高速側
の一速値Vhに設定する(ステップ41)。この場合、
高速側の一速値Vhとは使用する射出成形機における設
定レンジの中間点よりも高速側であり、望ましくは最大
速度に対して90%以上の値を選定する。また、スクリ
ュの射出開始位置を最後退位置Xbに設定する(ステッ
プ42)。この場合、最後退位置Xbとは完全な後端を
意味するものではなく、金型5の容積に対して十分な樹
脂を計量可能な任意の後方位置を含む概念である。さら
にまた、射出圧力は低圧側の一圧値Pdに設定する(ス
テップ43)。この場合、低圧側の一圧値Pdとは使用
する射出成形機における設定レンジの中間点よりも低圧
側であり、望ましくは最大圧力に対して30%以下の値
に選定する。以上の設定の他、初期条件の設定では保圧
切換位置、背圧、冷却時間、スクリュ回転速度等の各種
成形条件を設定する(ステップ44)。
【0025】また、スクリュの射出終了位置Xfを検出
するための設定速度Vsと設定時間Tsを設定する。設
定速度Vsは金型5に対する樹脂の充填終了を検出する
ための射出速度に対するしきい値であり、ほぼ停止状態
に近い数m/秒程度を設定できる。設定時間Tsは設定
速度Vs以下になった後、より確実な充填を確保するた
めの時間であり、例えば、数秒程度に設定できる。
【0026】次に、背圧をオフ(零)にし、無背圧で計
量を行う(ステップ23)。この際、スクリュは最後退
位置Xbまで後退する。そして、半自動成形モードを選
択することにより、射出装置4(射出ノズル9)が前進
する(ステップ24、25)。一方、ノズルタッチによ
り射出が開始する。即ち、設定された初期条件によりス
クリュが前進し、金型5に樹脂が射出充填される(ステ
ップ26)。このとき、コントローラ12は速度変換器
15から得る充填時の射出速度を監視する。射出速度は
金型5に樹脂が充填途中であれば、設定速度Vsよりも
はるかに大きくなり、樹脂の充填が終了すれば、急速に
低下して設定速度Vs以下になる。したがって、射出速
度を監視し、射出速度が設定速度Vs以下になった時
に、設定時間Tsを計時する(ステップ27、28)。
そして、設定時間Tsを経過したなら、スクリュの射出
終了位置Xfをモニタする(ステップ29、30)。こ
の場合、しきい値として設定圧力Psを設定することに
より、射出圧力検出器16から得る射出圧力を監視して
もよい。即ち、射出圧力は金型5に樹脂が充填途中であ
れば、設定圧力Psよりもはるかに小さくなるが、樹脂
の充填が終了すれば、急激に上昇して設定圧力Ps以上
となる。したがって、射出圧力が設定圧力Psになった
ことに基づいて、上記同様に射出終了位置Xfを検出で
きる。
【0027】次に、射出圧力の変更処理を行う(ステッ
プ31)。この変更処理は主に低圧側に設定した射出圧
力(一圧値Pd)を適切な大きさまで高めるもので、図
7に変更処理手順をフローチャートで示す。
【0028】この際、まず、背圧をオンにし、背圧を付
与した状態で計量を行うとともに、射出装置4(射出ノ
ズル9)を後退させ、金型5の型開を行う(ステップ5
1、52、53)。そして、取出した成形品に対する充
填不良の判断を行うとともに、必要なデータ収集、例え
ば、肉厚、ゲート圧等のデータ収集を行う(ステップ5
4)。この際、収集した肉厚及びゲート圧に関するデー
タから冷却時間を自動で算出する。
【0029】ところで、入力装置13には、充填不良の
種類及び各充填不良の度合に対するランクを選択できる
選択キーK10、K11、K12(図4参照)を設ける
とともに、コントローラ12には充填不良を無くする方
向に射出圧力を変更するための各ランクに対応した複数
の変更量を設定しておく。
【0030】例えば、ショートショットの場合には、図
8に示すように、ショートショットの度合を「大」、
「中」、「小」の三段階にランク分けし、「大」のとき
は圧力変更率(変更量)を「+20%」、「中」のとき
は圧力変更率を「+10%」、「小」のときは圧力変更
率を「+5%」にそれぞれ設定する。この場合、ランク
は「大」、「中」、「小」としたが勿論数値化してもよ
い。なお、変更量として圧力変更率を用いたが、通常、
射出圧力は最高圧力に対する比率で設定されるためであ
る。したがって、例えば、ショートショットの度合とし
て「大」を選択すれば、圧力変更率「+20%」が選択
され、設定されている射出圧力の比率に20%加算され
る。このように、変更量は絶対量又は比率で設定しても
よいし、射出圧力の対して加減算又は乗除算により変更
してもよい。
【0031】また、同様に、過充填の場合には、図9に
示すように、過充填の度合を「小」、「中」、「大」の
三段階にランク分けし、「小」のときは圧力変更率を
「−2%」、「中」のときは圧力変更率を「−5%」、
「大」のときは圧力変更率を「−10%」にそれぞれ設
定する。このように、いずれの場合も圧力変更率は充填
不良の度合の大きいランクに対応して大きくなるように
設定する。
【0032】したがって、成形品を目視し、充填不足に
よるショートショットが発生していたなら、射出圧力を
増加させる処理を行う(ステップ55、56)。即ち、
ショートショットの度合を判断し、例えば、度合が
「大」であれば、入力装置13における対応する選択キ
ーK10を押せばよい。この場合、射出圧力は初期条件
として低圧側の一圧値Pdに設定されているため、一圧
値Pdが20%に設定されていれば、コントローラ12
は射出圧力20%に対して圧力変更率の20%を加算す
ることにより、射出圧力を40%に変更する。そして、
変更(増加)した射出圧力により再成形、即ち、図5に
示すステップ25〜31及び図7に示すステップ51〜
54の工程である再成形サイクルを実行する(ステップ
57)。そして、成形した成形品に、さらに、ショート
ショットが発生していれば、再度、射出圧力を増加させ
る処理を行う。即ち、ショートショットの度合が「中」
になっていれば、同様に、射出圧力に対して圧力変更率
の10%を加算して、再成形サイクルを実行する。各圧
力変更率の大きさはそれぞれ異なるとともに、充填不良
の度合の大きいランクに対応して大きく設定されている
ため、このような射出圧力を変更した後の再成形サイク
ルを繰り返せば、選択するランクは次第に小さくなると
ともに、最終的に良品を得ることができる(ステップ5
8)。
【0033】他方、成形した成形品を目視した際に、過
充填によるバリ等の充填不良が生じていたなら、射出圧
力を減少させる処理を行う(ステップ59、60)。こ
の場合、過充填の度合を判断し、例えば、度合が「小」
であれば、入力装置13における選択キーを押すことに
より、コントローラ12は設定されている射出圧力の大
きさから、圧力変更率の2%を減算する。そして、変更
(減少)した射出圧力による再成形、即ち、再成形サイ
クルを良品が得れるまで繰り返す(ステップ61、6
2)。
【0034】よって、最終的に良品が得られれば、コン
トローラ12はスクリュ位置検出器14から得るそのと
きの射出終了位置Xfを取込み、得られた射出終了位置
Xfと最後退位置Xbから、射出ストロークSi(=X
b−Xf)を算出するとともに、予め設定したクッショ
ンストロークScを加えて計量値Mdを求める。そし
て、この計量値Mdを成形条件としてコントローラ12
に設定する。
【0035】また、最終的に良品を得たときの射出圧力
と射出速度を利用して成形条件を求め、求めた成形条件
をコントローラ12に設定する。この場合、良品が得ら
れたときの射出ストロークSiにおける平均した射出速
度を求める。射出速度は初期条件により、高速側の一速
値に設定されているが、実際の成形時における射出速度
はこれよりもはるかに小さくなるため、平均した射出速
度を求め、求めた射出速度を成形条件としてコントロー
ラ12に設定する。この場合、平均した射出速度は一定
の短時間置きにサンプリングした射出速度を、サンプリ
ング回数で割って求めてもよいし、スクリュ2の位置に
対する速度特性の面積を求め、この面積を位置で割って
平均化してもよい。
【0036】一方、射出圧力は補正圧力を加算して設定
する。射出速度は初期条件により、高速側の一速値に設
定され、上述したように平均化した後に設定されること
から、平均した射出速度は初期条件の一速値よりも小さ
くなる。このため、小さくなった射出速度の安定化を図
るために、比例ポンプ等のオーバライド特性に基づく変
動圧力を考慮して、射出圧力に対し一定のオーバライド
圧力を補正圧力として加算して設定する。なお、油圧駆
動式に用いる比例ポンプの場合には、通常、10%前後
の値を加算することができる。
【0037】以上により、成形条件の変更処理が終了
し、次に、本発明に係る調整処理を行う(ステップ3
2)。この場合の調整は基本的に前述した射出圧力の変
更処理と同一原理により行われる。異なる点は変更処理
の場合、一圧値又は一速値のまま設定されるため、成形
品において部分的に発生する不良を完全に無くすること
が困難となり、相対的に最も良好な状態を良品として判
断せざるを得ないが、本発明に係る調整処理は、変更さ
れた一速値の射出速度又は一圧値の射出圧力に対し、射
出工程における充填過程に着目することにより、充填過
程単位で成形条件(射出速度又は射出圧力)を微調整
し、最良品を得ようとするものである。したがって、具
体的には射出速度が多段多速度に、また、射出圧力が多
段多圧力に調整される。
【0038】以下、調整手順について詳細に説明する。
まず、変更設定された成形条件により成形を行えば、最
初の成形品を得れるため、得られた成形品を目視する。
この際、例えば、成形品の一部に過充填によるバリが発
生していた場合、オペレータが、そのバリの位置により
「充填末期」に起因するものと判断し、さらに、その度
合のランクが「大」と判断すれば、入力装置13におけ
る対応する選択キーK1、選択キーK9及び選択キーK
aを押せばよい。これにより、コントローラ12におい
て、選択されたランク「大」に対応する変更量、即ち、
図3に示す速度変更率「−10%」が選択され、「充填
末期」の充填過程における対応する射出速度の大きさか
ら10%減算される。即ち、図2(a)に示すように、
変更処理後における一速値の射出速度Vが最大速度に対
して、例えば、50%に設定されているものと想定した
場合、図2(b)に示すように、「充填末期」の充填過
程に対応する射出速度Vaが40%に変更されることに
なる。
【0039】そして、低下した射出速度Vaにより再成
形を行うとともに、成形した成形品に、さらに、バリが
発生していれば、再度、射出速度を低下させる操作を行
う。即ち、この際に、バリの度合のランクが「中」に低
下していれば、入力装置13における対応する選択キー
Kbを押す。これにより、コントローラ12において
は、選択されたランク「中」に対応する変更量、即ち、
速度変更率「−5%」が選択され、図2(c)に示すよ
うに、上記射出速度Vaから5%減算された射出速度V
bが設定される。よって、「充填末期」の充填過程に対
して、このような射出速度を変更して再成形する再成形
サイクルを、バリが完全に無くなるまで繰り返せばよ
い。この場合、各変更量の大きさはそれぞれ異なるとと
もに、充填不良の度合の大きいランクに対応して大きく
設定されているため、再成形サイクルの繰り返しによ
り、選択するランクは次第に小さくなり、最終的に「充
填末期」におけるバリを完全に無くすことができる。。
【0040】なお、図1に示すように、ディスプレイ1
7にスクリュ位置に対する射出速度特性を表示するとと
もに、特に、調整前の特性Eaと調整後の特性Ebを重
ね表示することが望ましい。これにより、より調整を容
易かつ的確に行うことができるなど、補助的に利用でき
る。
【0041】以上、実施例について詳細に説明したが、
本発明はこのような実施例に限定されるものではない。
例えば、調整を行う成形条件は射出速度を例示したが、
射出圧力に対しても同様に適用できる。その他、細部の
構成、手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で任意に変更できる。
【0042】
【発明の効果】このように、本発明に係る射出成形機の
成形条件調整方法は、予め、成形品の充填不良の種類毎
にそれぞれ充填不良を無くする方向に特定の成形条件を
変更する変更量を設定し、当該成形条件の調整時に、成
形した成形品の充填不良の種類と射出工程における充填
不良の発生した充填過程を選択し、かつ選択した充填不
良の種類に対応する変更量により、選択した充填過程の
成形条件を変更するとともに、変更した成形条件により
再成形を行う再成形サイクルを、充填不良が無くなるま
で繰り返すことにより成形条件を調整するようにしたた
め、熟練度の低いオペレータであっても成形条件を容易
かつ確実に調整でき、調整時間の大幅短縮、生産性向
上、製造コスト低減、資源やエネルギの節減を図ること
ができるという顕著な効果を奏する。
【0043】また、本発明に係る射出成形機の成形条件
調整装置は、成形品の充填不良の種類毎にそれぞれ充填
不良を無くする方向に特定の成形条件を変更する変更量
を設定する変更量設定手段と、成形した成形品の充填不
良の種類を選択する充填不良選択手段と、射出工程にお
ける充填不良の発生した充填過程を選択する充填過程選
択手段と、選択した充填不良の種類に対応する変更量に
より、選択した充填過程の成形条件を変更する成形条件
変更手段を備えるため、上記成形条件調整方法を容易か
つ確実に実施できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形条件調整方法を実施できる射
出成形機に備える入力装置のキーボードのパターン図、
【図2】同成形条件調整方法を説明するための射出速度
の成形条件設定特性図、
【図3】同成形条件調整方法を説明するための原理説明
図、
【図4】同成形条件調整方法を実施できる射出成形機の
構成図、
【図5】成形条件の全体的な設定手順を示すフローチャ
ート、
【図6】初期条件の設定手順を示すフローチャート、
【図7】成形条件の変更処理手順を示すフローチャー
ト、
【図8】成形条件の変更処理を説明するための原理説明
図、
【図9】成形条件の変更処理を説明するための他の原理
説明図、
【符号の説明】
1 射出成形機 M 成形条件調整装置 A 変更量設定手段 B 充填不良選択手段 C 充填過程選択手段 D 成形条件変更手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め、成形品の充填不良の種類毎にそれ
    ぞれ充填不良を無くする方向に特定の成形条件を変更す
    る変更量を設定し、当該成形条件の調整時に、成形した
    成形品の充填不良の種類と射出工程における充填不良の
    発生した充填過程を選択し、かつ選択した充填不良の種
    類に対応する変更量により、選択した充填過程の成形条
    件を変更するとともに、変更した成形条件により再成形
    を行う再成形サイクルを、充填不良が無くなるまで繰り
    返すことにより成形条件を調整することを特徴とする射
    出成形機の成形条件調整方法。
  2. 【請求項2】 充填不良の種類毎に、充填不良の度合に
    対するランクと各ランクに対応する複数の変更量を設定
    するとともに、充填不良の度合の大きいランクに対応し
    て変更量が大きくなるように、各変更量の大きさを異な
    らせて設定することを特徴とする請求項1記載の射出成
    形機の成形条件調整方法。
  3. 【請求項3】 成形条件は射出速度又は射出圧力である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の射出成形機の成
    形条件調整方法。
  4. 【請求項4】 成形品の充填不良の種類毎にそれぞれ充
    填不良を無くする方向に特定の成形条件を変更する変更
    量を設定する変更量設定手段と、成形した成形品の充填
    不良の種類を選択する充填不良選択手段と、射出工程に
    おける充填不良の発生した充填過程を選択する充填過程
    選択手段と、選択した充填不良の種類に対応する変更量
    により、選択した充填過程の成形条件を変更する成形条
    件変更手段を備えることを特徴とする射出成形機の成形
    条件調整装置。
  5. 【請求項5】 変更量設定手段は、充填不良の種類毎
    に、充填不良の度合に対するランクと各ランクに対応す
    る複数の変更量を設定するとともに、充填不良の度合の
    大きいランクに対応して変更量が大きくなるように、各
    変更量の大きさを異ならせて設定することを特徴とする
    請求項4記載の射出成形機の成形条件調整装置。
  6. 【請求項6】 成形条件は射出速度又は射出圧力である
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の射出成形機の成
    形条件設定装置。
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