JPH0711240A - 立方晶窒化ほう素砥粒及び研磨工具 - Google Patents

立方晶窒化ほう素砥粒及び研磨工具

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JPH0711240A
JPH0711240A JP17585993A JP17585993A JPH0711240A JP H0711240 A JPH0711240 A JP H0711240A JP 17585993 A JP17585993 A JP 17585993A JP 17585993 A JP17585993 A JP 17585993A JP H0711240 A JPH0711240 A JP H0711240A
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JP
Japan
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low
boron nitride
grinding
abrasive grains
cbn
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Withdrawn
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JP17585993A
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English (en)
Inventor
Masaharu Suzuki
正治 鈴木
Koji Inoue
孝二 井上
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Noritake Co Ltd
Denka Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重研削、高速研削などの過酷な使用条件下に
耐え得る、耐摩耗性が大きくかつ切れ味の低下の少な
い、優れた研削工具用多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒を
提供する。 【構成】 低圧相窒化ほう素を粒子内部に配向した状態
で含む多結晶型立方晶窒化ほう素砥粒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は研削工具用の多結晶型の
立方晶窒化ほう素(以下cBN)砥粒に関するものであ
る。本発明の砥粒が応用される研磨工具としては、重研
削・高速研削用の研削砥石、特に、メタルボンド砥石、
電着砥石、ビトリファイドボンド砥石等、及び研磨布紙
等があげられる。
【0002】
【従来の技術】窒化ほう素の高圧相であるcBNはダイ
ヤモンドに次ぐ硬さと熱伝導率を有し、鉄系金属と反応
しないというダイヤモンドにはない特徴を持つことか
ら、鉄系金属の研削加工用砥粒としての利用が進められ
ている。
【0003】近年の研削加工は、省力化,無人化の方向
にある。その具体的な方法として重研削,高速研削が行
われているが、このような過酷な研削条件下では砥石、
特に砥粒部分に大きな負荷がかかるため、高い耐摩耗性
を持つ砥粒が要求されている。
【0004】高い耐摩耗性を持つcBN砥粒の一つとし
ては、多結晶型のものが知られており、既に一部は市販
されている。多結晶型の砥粒は、微細な結晶粒子が互い
に強固に結合した多結晶体構造を有するため、粒子一つ
が単結晶により構成される単結晶型砥粒のようにへき開
などの大破壊を起こさず、高い強度を示すために、耐摩
耗性に優れると言われている。多結晶型の砥粒は、特公
昭63−44417号公報にも述べられているように、
触媒を用いて合成される単結晶型のものと異なり、触媒
を用いない無触媒直接転換法によって得られる焼結体を
所望の粒度に粉砕することにより作られる。
【0005】しかし、このようにして得られる多結晶型
の砥粒も、実際に重研削,高速研削などの過酷な条件下
で砥石として用いると、耐摩耗性には優れても、砥石表
面に突き出している砥粒の先端が微細に摩滅してしまう
ために、加工物の表面が粗れてきたり切れ味が低下して
研削抵抗が大きくなるので、頻繁にドレッシング、ツル
ーイングを行わなければならない等の問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重研
削,高速研削などの過酷な使用条件下に耐え得る、耐摩
耗性が大きくかつ切れ味の低下の少ない、優れた研削工
具用多結晶型cBN砥粒を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い耐摩
耗性を持ちながら、かつ切れ味の低下の少ない多結晶型
cBN砥粒を開発すべく種々検討した結果、研削中の砥
粒表面の破壊状態が研削特性に大きく影響することがわ
かった。また、ある微細組織を持つ砥粒は研削中に砥粒
先端が微小に剥離するような破壊形態を示し、このよう
な砥粒を用いると耐摩耗性に優れるばかりか、切れ味の
低下も著しく少ないことがわかった。
【0008】すなわち、従来および本発明による多結晶
型砥粒をそれぞれ用いた砥石で実際に重研削を行い研削
の前後で砥石表面に突き出している砥粒一つ一つの状態
を観察、比較した。その結果、従来の多結晶型砥粒では
研削中に砥粒先端が摩滅していき先端の形状が丸まって
いくために研削が進むと切れ味が低下してしまうのに対
し、本発明の多結晶型砥粒では研削中に砥粒先端が微小
に剥離破壊するような破壊形態を示し先端部分に常に鋭
い刃先が出現するので研削が進行しても切れ味の低下が
少ないことがわかった。
【0009】また、研削中に砥粒先端が微小に剥離破壊
するような破壊形態を示す砥粒は、低圧相窒化ほう素
(以下、低圧相BN)を粒子内部に配向した状態で含む
ことがわかった。
【0010】一方、cBN多結晶体の合成方法である直
接転換法を用い、適当な合成条件を選ぶと低圧相BNを
粒子内部に配向した状態で含むものが得られることがわ
かった。
【0011】即ち、本発明は、低圧相窒化ほう素を粒子
内部に配向した状態で含むことを特徴とする多結晶型立
方晶窒化ほう素砥粒及び該立方晶窒化ほう素砥粒を含有
するビトリファイドボンド砥石、電着砥石、メタルボン
ド砥石、研磨布紙等の研磨工具である。
【0012】以下に本発明についてさらに詳しく説明す
る。
【0013】多結晶型cBN砥粒とは、砥粒中の粒子一
つ一つが、cBN結晶の多結晶体で構成されるものであ
り、触媒を用いない無触媒直接転換法によって得られる
焼結体を所望の粒度に粉砕することによって得られる。
本発明でいう多結晶型cBNは、主成分がcBN結晶に
より構成されるものであれば特に限定されるものではな
く、たとえば、wBNなどの高圧相BNを一部含有する
ものも含まれる。直接転換焼結体の合成法は、広く一般
に知られており、例えば特公昭63−394号公報にも
述べられているように、熱分解窒化ほう素をcBNの安
定領域である高温/高圧下で処理することによって得る
ことができる。
【0014】本発明における低圧相BNとは、低圧下で
安定な結晶構造を有する窒化ほう素であり、ほう素,窒
素原子が交互に結合されることによって形成される六角
網面が積層した構造を持つものを指し、具体的には、六
方晶系の窒化ほう素(hBN),乱層構造の窒化ほう素
(tBN)、菱面体晶の窒化ほう素(rBN)の単体ま
たは混合物からなる物質である。また、これらの低圧相
BNがcBN粒子内に存在する場合はC軸方向の面間隔
が圧縮されている場合もあるが、本発明ではこのような
状態で存在するものも低圧相BNとして含まれる。
【0015】C軸方向の面間隔が圧縮された低圧相BN
とは、ほう素,窒素原子からなる六角網面の面間隔、即
ちhBN・tBNの場合はd002 、rBNの場合はd
003 が通常の値〜3.34オングストロームより小さな
値をもつものである。このような低圧相BNは、文献:
「ザ ジャーナル オブ ケミカル フィジックス(T
he Journal of Chemical Ph
ysics),vol.63,No.9,3812〜3
820(1975)」で示されているように高温/高圧
のcBNの合成条件でcBN多結晶体の中に原料として
使われた低圧相BNが未反応で残存する、もしくは、c
BNの多結晶体の中で一部が低圧相BNに逆転換した場
合に生成する。C軸方向の面間隔が圧縮される理由とし
ては、焼結体が高温/高圧状態から常温/常圧状態に戻
る際、cBN多結晶体の中に閉じこめられた低圧相BN
が、cBNとの熱膨張率差,弾性率差で圧縮されるため
に生成するものと考えられている。
【0016】このC軸方向の面間隔が圧縮された低圧相
BNは、以上の生成機構でも明らかなように、cBN多
結晶体粒子の中に閉じこめられている状態においてのみ
存在するもので、cBN多結晶体を微粉砕するなどして
解放した場合には、通常の面間隔を示す低圧相BNとな
る。したがって、C軸方向の面間隔が圧縮された低圧相
BNはcBN多結晶体の中に存在する場合においてのみ
安定で、その存在はcBN多結晶体の中に閉じこめられ
た状態でエックス線回折法で六角網面の面間隔、d002
もしくはd003 回折線を観測することにより確かめるこ
とができる。
【0017】これら低圧相BNの含有量は、通常の粉末
エックス線による定量法で行われるように、試料中の低
圧相BNのd002 もしくはd003 回折線の強度と、あら
かじめ作成しておいた検量線とを比較することで測定す
ることができる。ステップスキャン法などを用いれば、
精度の高い測定が可能であり、0.01重量%程度の極
微量の定量も可能である。
【0018】本発明においては、低圧相BNを多結晶c
BN中に意図的に配向した状態で存在させるものであ
り、微量でも存在すれば効果があるので、低圧相BNの
存在量は特に限定されるものではないが、0.1重量%
以上5重量%以下であることが好ましい。この理由とし
ては、0.1重量%未満では剥離するような破壊形態を
起こさないために、砥石の摩耗速度が増加する、換言す
れば砥石の切れ味が低下する傾向にあるからである。5
%を越えると粒子(砥粒)全体の強度が低下するためか
耐摩耗性が著しく低下する傾向にあるからである。
【0019】粒子内部に低圧相BNを配向した状態で含
むとは、cBN粒子の多結晶体中に低圧相BNの各々の
領域が配向して存在することを示す。配向の対象となる
のは低圧相BNの結晶軸の一つであるC軸である。
【0020】配向して存在する低圧相BNの大きさや存
在する周期等は特に限定されるものではないが、cBN
の結晶粒子の大きさが数ミクロン以下になるように低圧
相BNとcBNのそれぞれの結晶子が積み重なった微細
組織を持つものが、砥石として用いた場合に、特に耐摩
耗性に優れかつ切れ味の低下の著しく少ない結果となっ
た。
【0021】粒子内部に低圧相BNが配向した状態で含
まれることを調べる方法としては、たとえば、後述する
実施例中で示すようなエックス線回折法を用いる方法が
ある。エックス線法では、測定試料中で、ある結晶面が
配向している場合と、ランダムに分布している状態では
異なった回折強度を示す。特に結晶面がブラッグの回折
条件を満たす方向に配向した場合には、際だって強い回
折強度を示す。この原理を用いて多結晶体中のある結晶
の結晶方位分布を決定する方法は、透過法やシュルツ法
などとして広く知られており、たとえば、日本金属学会
発行の「多結晶の結晶方位分布の制御と材料特性」(平
成4年6月発行)に紹介されている。
【0022】一般に研削砥石に用いられるcBN砥粒は
粒度が60メッシュから200メッシュ、粒径で250
μmから70μmであるので、前述した透過法を用い
て、砥粒内部で低圧相BNが配向しているかどうかを容
易に測定することができる。低圧相BNの含有量が少な
い場合は、強度の大きいエックス線もしくは長時間の測
定時間を取ればよい。
【0023】本発明において、低圧相BNの配向の度合
についてはランダムでなければ良く、特に規定されるも
のではないが、後述する実施例中でも示すように、透過
法を用いて、低圧相BNのd002 (hBN、tBNの場
合)もしくはd003 (rBNの場合)回折線の強度分布
を測定した際に、最強部と最弱部の強度比が2.0以上
となるものが、好ましい。d002 (hBN、tBNの場
合)もしくはd003 (rBNの場合)回折線を用いるの
は、c軸の配向状態を測定する必要があるからである。
また、このような測定で得られる強度比はある程度の誤
差をもつので、測定には複数の粒子を用いて、その平均
値を用いた方がよい。また、強度比が1.2以下のもの
は、誤差等を考慮すると、粒子内部で低圧相BNが、ほ
とんど配向せずランダムに分布していることを示してい
ると思われる。
【0024】また、透過型電子顕微鏡を用いて、cBN
粒子内を直接観察する方法がある。特に、低圧相BNの
002 (hBN、tBNの場合)もしくはd003 (rB
Nの場合)の電子回折線だけを用い暗視野像を結像させ
ると、粒子内部で低圧相BNがどのような状態で存在し
ているかを観察することが可能であり、この方法により
配向の有無を見ることもできる。
【0025】以下に、本発明の多結晶型cBN砥粒を得
る方法を具体的に述べる。
【0026】多結晶型cBN砥粒は前述したように、触
媒を用いない無触媒直接転換法によって得られる焼結体
を所望の粒度に粉砕することによって得られる。直接転
換焼結体の合成法は、広く一般に知られており、例えば
特公昭63−394号公報に述べられているように、熱
分解窒化ほう素をcBNの安定領域である高温/高圧下
で処理することによって得ることができる。ただし、本
発明においては、原料、高温/高圧を発生する反応室,
保持する温度を以下に述べるように精密に制御して、純
度とともに、cBN焼結体の微細組織を制御した焼結体
を得る必要がある。
【0027】特に原料については、cBN粒子内部に低
圧相BNが配向した状態で含まれるような微細組織を得
やすいようなものを用いる必要がある。たとえば、後述
する実施例でも示すように、結晶性の異なるものを交互
に積層した微細組織を有するものを合成して、原料とし
て用いると良い。このような微細組織を持つものは、各
層の結晶性の違いに対応してcBNへの転換性が異なる
ために、適当な高温/高圧処理をすると、焼結体中に、
転換性の低い部分が低圧相BNとして配向して分布する
本発明の微細組織を持つものを容易に得ることができ
る。
【0028】結晶性の異なるものを交互に積層した微細
組織を有する低圧相BNを原料として入手する方法とし
ては、たとえば次の方法がある。低圧相BNの一つであ
る熱分解窒化ほう素を合成する際に、原料ガスの濃度を
周期的に変化させて蒸着速度を変えることで、結晶性が
周期的に変化する微細組織を有するものを合成する。ま
た、この方法を用いると、一定の蒸着条件で合成したも
のよりも、良く配向した微細組織をもつものが得られる
ので好都合である。
【0029】一方、原料や反応室には高純度のものを用
いる必要がある。この理由として、cBN合成時に焼結
体中に不純物が存在すると、その部分で異常粒成長など
が起きるためか、均質な組織を持つ焼結体が得られない
からである。そのため、原料として、熱分解窒化ほう素
などの高純度の低圧相BNを用いる必要がある。低圧相
BNの純度としては、99.0%以上が好ましい。
【0030】また、高温/高圧処理過程で汚染がおきな
いように、反応室の材質も、cBNと反応せず純度の高
いものを用いる必要がある。具体的には半導体グレード
の99.9%以上の高純度カーボンを加熱用ヒーターと
して用い、高純度のNaCl粉末の成形体からなるスリ
ーブをヒーター内部に配し、さらにタンタルの金属箔で
包んだ低圧相BN原料をその中に入れる構造を用いると
良い。このような反応室構造だと、Taが不純物を吸収
するゲッターとなるので、カーボンヒーターやその外部
からの不純物の拡散をTa箔で食い止めることができ
る。また、NaClは電気伝導率が小さいので、これを
電気良導体であるTaとカーボンの間にスリーブとして
配すことで、Taとカーボンを接触させることなく安定
した加熱ができる。
【0031】高温高圧下で保持する温度、圧力は得られ
る焼結体の純度および微細組織に深く影響するので重要
である。cBN粒子内部に低圧相BNが配向した状態で
含まれるような微細組織のものを得るためには、熱力学
的にcBNが安定な圧力下で、かつ、1800℃以上1
900℃以下の温度で処理する必要がある。この理由と
して、1800℃未満では、低圧相BN原料がcBNに
転換せず、強度の大きい焼結体が得られないこと、ま
た、1900℃を越えると、焼結体全体が完全にcBN
に転換してしまうために、本発明のcBN粒子内部に低
圧相BNが配向した状態で含まれるような微細組織をも
つものが得られないからである。
【0032】
【作用】本発明の粒子内部に低圧相BNが配向した状態
で含む多結晶型cBN砥粒が、研削中に砥粒先端が微小
に剥離するような破壊形態を示し、このような砥粒を用
いると耐摩耗性に優れるばかりか、切れ味の低下も著し
く小さい。この理由としては以下のことが考えられる。
【0033】砥粒には研削中に衝撃的な大きい剪断力が
かかる。機械的特性は微細組織に大きく影響すると思わ
れる。すなわち、低圧相BNを粒子内部に配向した状態
に含む多結晶型cBN粒子に剪断力が作用すると、cB
Nに比べて強度の小さい低圧相BNの部分で選択的に破
壊を起こすと考えられる。低圧相BNはc軸方向に垂直
な面がへき開面であるので、粒子内部に低圧相BNのc
軸が配向した状態で存在すると、剥離するような破壊形
態を示すと考えられる。また、衝撃力の作用が大きい先
端部分に近い低圧窒化ほう素の層の部分で破壊が起こ
り、砥粒先端に近い箇所から順番に破壊していくので、
粒子先端部分から徐々に破壊していく形態を示すものと
思われる。
【0034】また、本発明による砥粒の摩耗速度が小さ
い理由としては以下のことが挙げられる。砥粒の摩耗
は、衝撃的なせん断力によるcBN結晶粒子の破壊およ
び欠落によって起こると考えられる。本発明の砥粒は、
前述したように、衝撃力の作用が大きい先端部分に近い
層の部分で破壊が起こり、砥粒先端に近い箇所から剥離
するような破壊形態を示すので、粒子全体が大破壊を起
こすことなく、先端部分から徐々に微小破壊を繰り返し
ていくので、摩耗速度が小さいものと考えられる。
【0035】また、切れ味の低下が著しく少ない理由
は、砥粒先端で微小破壊を起こすので、常に新鮮な刃先
が表面に露出する、いわゆる自生発刃作用を有するため
と思われる。また、層状に剥離するような破壊形態を示
すので、層状cBNの端の鋭利な部分が刃先として作用
していることも、一因と思われる。
【0036】
【実施例】次に本発明に実施例を挙げて、さらに具体的
に説明する。 (実施例1〜6、比較例1)cBN砥粒の製造 熱分解窒化ほう素板を、温度1940℃,圧力1.5t
orrで、原料ガスにBC13 とNH3 を用い、作製し
た。蒸着速度に関しては、原料ガス濃度を交互に変える
ことで、表1中に示すような蒸着条件およびを交互
に繰り返して、意図的に結晶性の異なる層を交互に蒸着
し、全部で厚み約1mmの熱分解窒化ほう素板を作製し
た。
【0037】得られた熱分解窒化ほう素板を用い、半導
体グレードの99.9%以上の高純度カーボンを加熱用
ヒーターとし、高純度のNaCl粉末の成形体からなる
スリーブをヒーター内部に配し、さらにタンタルの金属
箔で包んだ熱分解窒化ほう素原料をその中に入れる構造
の反応セルを組み立てた。この反応セルを、フラットベ
ルト型超高圧高温発生装置に装填して1880℃の温
度、8.5GPaの圧力、40分間処理して直接転換c
BN多結晶体を合成した。
【0038】回収した多結晶体をロールクラッシャーで
粉砕した後、分級して80/100メッシュの砥粒をよ
り分けた。この砥粒から、JIS R6003の方法で
サンプリングし、一部を微粉砕して、理学電機社製の粉
末エックス線回折装置で、CuKα2θのステップスキ
ャン速度,0.01度/分の条件で測定した。得られた
低圧相BNの(002)回折線の強度とcBNの(11
1)回折線の強度の比を、あらかじめ作製しておいた検
量線と比較することで、砥粒中に存在する低圧相BNの
重量%を求めた。
【0039】また、サンプリングした試料から10個の
粒子を選び、その各々について、透過法を用いて、低圧
相BNの(002)回折線(hBN、tBNの場合)も
しくは(003)回折線(rBNの場合)の強度分布を
測定した。表1に、10個の粒子を用い得られた最強部
と最弱部の強度比の平均を示す。
【0040】更に、比較例1として、多結晶型cBN砥
粒として唯一市販されているゼネラルエレクトリック社
製ボラゾンBZ550、粒度80/100メッシュを入
手し、JIS R6003の方法でサンプリングし、一
部を微粉砕して、上記と同様の方法で、砥粒中に存在す
る低圧相BNの重量%を測定したが、低圧相BNは検出
されなかった。
【0041】ビトリファイドボンド砥石の作製 上記、実施例1〜6、比較例1にもとづくcBN砥粒に
ついて下記に示す割合で配合し、ビトリファイドボンド
砥石を作製した。
【0042】 ・cBN砥粒( #80/100) 50容量部 (比較例1,実施例1〜6) ・ビトリファイドボンド 15容量部 ・糊料 7容量部 上記ビトリファイドボンドは、特公昭52−27394
号公報に準ずる。
【0043】表1に示す実施例1〜6、比較例1のcB
N砥粒を配合してなる上記各配合物をプレス成形し、9
00℃で5時間焼成して、外径:300mm,厚さ:1
5mm,穴径127mmの砥石を作製し、円筒研削を行
い研削性能すなわち(a)消費電力値,(b)研削比,
(c)加工物面粗度変化(ドレスインターバル)につい
て調べた。その結果を表2に示す。
【0044】ここで表2において、(a)消費電力値
は、砥石として定常状態となった領域、つまり本試験に
おいては研削量が150,000mm3 の時点での電力
を示しており、(b)研削比についても150,000
mm3 研削を行なった状態での砥石摩耗寸法から求めた
値となっている。
【0045】また、(c)加工物面粗度変化(ドレスイ
ンターバル)については、加工物の表面粗度が3μmR
maxを越えるまでの加工数(研削量)を表わしたもの
である。但し、今回の実施例1〜6および比較例1の砥
石について、初期の加工物表面粗さは、全て1μmRm
axとなっていた。
【0046】尚、研削条件,ドレス条件については、下
記の通りである。
【0047】・使用機械 円筒研削盤 ・研削方式 湿式プランジ研削 ・被削材 SCM435(HRC48)φ5
0xT 10 ・ホイール周速度 V=2700m/min ・被削材周速度 V=27m/min ・研削能率 Z’=5.2mm3 /mm・s (切込み速度 φ4mm/min) ・研削油 ノリタケクール SA02(x2
0) ドレッシング条件 ・ドレッシング方式 トラバースロータリー ・ドレッサー ロータリードレッサー ・ドレッサ周速度 VD =670m/min ・切込量 φ4μm/pass ・ドレスリード 0.05mm/r.o.w.
【0048】本結果から、本発明の砥粒、つまり実施例
1〜6の砥粒を用いた砥石は、比較例1の砥粒を用いた
砥石に比べて、下記の事柄が言える。 全て、消費電力が低くなっており、砥石として非常に
切れ味の良いものであることがわかる。 研削比も、全て高くなっており、砥石自身が非常に長
寿命である。 加工物の面粗度変化が少なく、ドレッシング間隔を長
くする事が可能である。つまり、このことは上記と合
わせて砥石寿命が長くなることを意味する。
【0049】電着砥石の作製 実施例2、実施例6及び比較例1の砥粒を用い、粒度 #
120で電着砥石を作製し、その性能評価を行なった。
【0050】その結果を表3に示す。表3において、
(a)消費電力値,(b)研削比とも、研削量が40,
000mm3 の時点での値を示している。
【0051】尚、ホイール寸法、研削条件は以下の通り
である。
【0052】ホイール寸法:外径200mm,厚み15
mm,穴径76.2mm 研削条件 ・使用機械 平面研削盤 ・被削材 SCM435(HRC48)W
X100L ・ホイール周速度 V=1600m/min ・被削材周速度 V=15m/min ・切込み量 10μm/pass ・研削油 ノリタケクール S−75T
【0053】本結果からも表2に示したビトリファイド
ボンドを用いた砥石と同様、実施例2および6の砥粒を
用いた砥石は比較例1の砥粒を用いた砥石に比べて、消
費電力が低いにもかかわらず、研削比が高くなってお
り、切れ味が良く長寿命であることがわかった。
【0054】尚、メタルボンドのホイール、研磨布紙に
おいても同様の効果が得られた。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明による低圧相BNを粒子内部に配
向した状態で含むことを特徴とする多結晶型cBN砥粒
を研削砥石に用いれば、従来にくらべ格段に寿命が長く
切れ味に優れた研削砥石を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 孝二 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番36 号 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低圧相窒化ほう素を粒子内部に配向した状
    態で含むことを特徴とする多結晶型立方晶窒化ほう素砥
    粒。
  2. 【請求項2】請求項1記載の立方晶窒化ほう素砥粒を含
    有することを特徴とする研磨工具。
  3. 【請求項3】請求項1記載の立方晶窒化ほう素砥粒を含
    有することを特徴とするビトリファイドボンド砥石。
  4. 【請求項4】請求項1記載の立方晶窒化ほう素砥粒を含
    有することを特徴とする電着砥石。
  5. 【請求項5】請求項1記載の立方晶窒化ほう素砥粒を含
    有することを特徴とするメタルボンド砥石。
  6. 【請求項6】請求項1記載の立方晶窒化ほう素砥粒を含
    有することを特徴とする研磨布紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110370176A (zh) * 2019-06-20 2019-10-25 中国有色桂林矿产地质研究院有限公司 一种复合结合剂及其制备方法、聚晶立方氮化硼复合片及其制备方法和应用

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