JPH07112249B2 - 撮像信号の処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、撮像信号のノイズを軽減するようにした撮像
信号の処理装置に関する。

〔発明の概要〕

本発明は撮像信号の処理装置に関し、撮像信号を供給し
て、その主画素信号を、主画素信号及び画面上に於ける
その周辺の所定範囲内の他の画素信号の加重平均信号で
置換する加重平均回路と、撮像信号のレベルを検出する
レベル検出回路と、レベル検出回路の検出レベルに応じ
て、加重平均回路の重み係数を検出する重み係数制御回
路とを有し、撮像信号のレベルが高い程主画素信号の重
み係数が大になるように、重み係数を制御するようにす
ることにより、視覚的解像度を劣化させずに、撮像信号
のノイズを軽減することができるようにしたものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、撮像信号のノイズを軽減しようとする場合、撮像
信号を、画面上に於いて局所的に平均化することが行わ
れる。これは、撮像信号の主画素信号を、主画素信号及
びその周辺の所定範囲内の他の画素信号の平均信号で置
換することによって行われる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

かかる従来技術では、撮像信号をローパスフィルタに供
給したのと略等価となるので、ノイズは軽減される代わ
りに、撮像信号の高周波成分も軽減されてしまうので、
その解像度が低下してしまい、再生画像に於いて輪郭や
線等がボケてしまうという問題があった。これは、撮像
信号の輝度の高い部分程、視覚的に目立ち易い。

又、撮像信号はγ特性を有しているので、そのS/Nはレ
ベルの低い部分程劣化している。

かかる点に鑑み、本発明は視覚的解像度を劣化させず
に、撮像信号のノイズを軽減することのできる撮像信号
の処理装置を提案しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明による撮像信号の処理装置は、撮像信号を供給し
て、その主画素信号を、その主画素信号及び画面上にお
けるその周辺の所定範囲内の他の画素信号の加重平均信
号で置換する加重平均回路（３）と、撮像信号の平均レ
ベルを検出するレベル検出回路（４）と、そのレベル検
出回路（４）の検出レベルに応じて、撮像信号のレベル
が高い程、加重平均回路（３）における主画素信号の重
み係数を大にすると共に、周辺の所定範囲内の他の画素
信号の重み係数を、主画素信号の重み係数より小さい互
いに等しい値にし、且つ、撮像信号のレベルが低い程、
加重平均回路（３）における主画素信号の重み係数と、
周辺の所定範囲内の他の画素信号の重み係数とを接近し
た互いに等しい値にするように、加重平均回路（３）の
重み係数を制御する重み係数制御回路（５）とを有する
ものである。

〔作用〕

上述せる本発明によれば、撮像信号のレベルの高い部分
（撮像手段のγ特性によりS/Nが高い）程、弱い平均化
が行われるので、ノイズが十分に軽減されると共に、解
像度の劣化は殆どなく、又、撮像信号のレベルの低い部
分（撮像手段のγ特性によりS/Nが低い）程、強い平均
化が行われて、ノイズが十分軽減されると共に、解像度
は劣化するが、視覚的には解像度の劣化はあまり目立た
ない。

〔実施例〕

以下に、第１図を参照して、本発明の一実施例を詳細に
説明しよう。撮像管、固体撮像素子等の撮像手段及びそ
の撮像出力をγ補正するγ補正回路を備えるモノクロー
ムカメラ（１）からのモノクローム撮像信号は、A/D変
換器（２）に供給されて、デジタル撮像信号に変換され
た後、加重平均回路（３）に供給される。

次ぎに、この加重平均回路（３）について説明する。こ
の加重平均回路（３）は、これに供給される撮像信号の
主画素信号を、主画素信号及び画面上に於けるその周辺
の所定範囲内の他の画素信号の加重平均信号で置換する
回路である。A/D変換器（２）よりのデジタル撮像信号
は、夫々A/D変換器（２）で用いられるクロック信号の
１クロック周期（Ｔ）の遅延量を有する遅延回路（８−
11）、（８−12）、・・・・・・・、（８−１（Ｍ−
１））の縦続回路及び夫々１水平周期（Ｈ）の遅延量を
有する遅延回路（10−１）、（10−２）、・・・・、
（10−（Ｎ−１））の縦続回路に夫々供給される。又、
遅延回路（10−１）の出力は、夫々1Tの遅延量を有する
遅延回路（８−21）、（８−22）、・・・・・・、（８
−２（Ｍ−１））の縦続回路に供給される。・・・・・ 更に、A/D変換器（２）の出力及び遅延回路（８−1
1）、（８−12）、・・・・・・・、（８−１（Ｍ−
１））の出力は、夫々乗算係数がＡ〔1,1〕、Ａ〔1,
2〕、・・、Ａ〔1,M〕の係数乗算器（９−11）、（９−
12）、・・、（９−1M）に供給され、その各出力が夫々
加算器（11−１）に供給されて加算される。

遅延回路（10−１）の出力及び遅延回路（８−21）、
（８−22）、・・・・・・・、（８−２（Ｍ−１））の
出力は、夫々乗算係数がＡ〔2,1〕、Ａ〔2,2〕、・・、
Ａ〔2,M〕の係数乗算器（９−21）、（９−22）、・
・、（９−2M）に供給され、その各出力が夫々加算器
（11−２）に供給されて加算される。・・・。

そして、加算器（11−１）、（11−２）、・・・・・、
（11−Ｎ）の各加算出力が加算器（12）に供給されて加
算される。加算器（12）の加算出力はD/A変換器（６）
に供給されて、アナログ撮像信号に変換された後、出力
端子（７）に出力される。

A/D変換器（２）よりのデジタル撮像信号は、レベル検
出回路（４）に供給されて、そのレベルが検出される。
このレベル検出回路（４）よりのレベル検出出力は、重
み係数制御回路（５）に供給される。この重み係数制御
回路（５）により、加重平均回路（３）の各係数乗算器
（９−11）、（９−12）、・・・、（９−1M）、（９−
21）、（９−22）、・・・、（９−2M）、・・・、（９
−MN）の各乗算係数が夫々所定値に制御される。

次ぎに、第１図の撮像信号の処理装置の動作を、加重平
均回路（３）のＭ、Ｎの値が、Ｍ＝Ｎ＝３となる場合を
例にとって説明する。第２図は、主画素信号Pe及び画面
上に於けるその周辺の画素信号Pa〜Pd、Pf〜Piを示す。
画素信号Pd、Pfは画素信号Peに対し、夫々1Tだけ遅れ及
び進んでいる。画素信号Pb、Phは画素信号Peに対し、夫
々1Hだけ遅れ及び進んでいる。画素信号Pa、Pcは画素信
号Pbに対し、夫々1Tだけ遅れ及び進んでいる。画素信号
Pg、Piは画素信号Phに対し、夫々1Tだけ遅れ及び進んで
いる。

そこで、画素信号Pa〜Piを加重平均回路（３）に供給し
て、各遅延回路によって遅延させて同時信号となし、こ
れら同時化された画素信号Pa〜Piに、各係数乗算器によ
って乗算係数Ａ〔1,1〕＝ａ、Ａ〔1,2〕＝ｂ、Ａ〔1,
3〕＝ｃ、Ａ〔2,1〕＝ｄ、Ａ〔2,2〕＝ｅ、Ａ〔2,3〕＝
ｆ、Ａ〔3,1〕＝ｇ、Ａ〔3,2〕＝ｈ、Ａ〔3,3〕＝ｉを
乗算した後、各加算器によって加算する。尚、乗算係数
ａ〜ｉは、ａ＋ｂ＋ｃ・・＋ｉ＝１となるように選定さ
れる。

レベル検出回路（４）では、加重平均回路（３）に於い
て得られた同時化された画素信号を利用して、画素信号
Pa〜Piのレベルを平均し、得られた平均レベルを検出レ
ベルとする。

そして、各乗算係数ａ〜ｉは、検出レベルが低い程乗算
係数ｅが小さくなるように、即ち、乗算係数ａ〜ｄ、ｆ
〜ｉと乗算係数ｅとが接近した互いに等しい値となるよ
うに、又、検出レベルが高い程乗算係数ｅが大となるよ
うに、即ち乗算係数ａ〜ｄ、ｆ〜ｉが乗算係数ｅに比し
小さい互いに等しい値となるように選定される。

検出レベルかなり低いとき（画面の画素信号Pa〜Piの画
素の部分が全体的にかなり暗いとき）は、各乗算係数ａ
〜ｉを、略ａ＝ｂ＝ｃ＝・・・＝ｉ＝1/9に選定する。
又、検出レベルがかなり高いとき（画面の画素信号Pa〜
Piの画素の部分が全体的にかなり明るいとき）は、各乗
算係数ａ〜ｉを、略ｅ＝１、ａ＝ｂ＝ｃ＝ｄ＝ｆ＝ｇ＝
ｈ＝ｉ＝０に選定する。又、検出レベルが中間レベルの
ときは、各乗算係数ａ〜ｉを、例えばｅ＝0.68、ａ＝ｂ
＝ｃ＝ｄ＝ｆ＝ｇ＝ｈ＝ｉ＝0.04に選定する。

かかる撮像信号の処理装置によれば、撮像信号の供給さ
れる加重平均回路（３）に於いて、撮像信号のレベルが
高い程主画像信号の重み係数が大になるように重み係数
が制御されるので、撮像信号のレベルの低い部分（撮像
手段のγ特性によりS/Nが低い）程、強い平均化が行わ
れて、ノイズが十分軽減されると共に、解像度が劣化す
るが、視覚的には解像度の劣化はおまり目立たず、又、
撮像信号のレベルの高い部分（撮像手段のγ特性により
S/Nが高い）程、弱い平均化が行われるので、ノイズが
十分に軽減されると共に、解像度の劣化は殆ど無い。

次ぎに第３図を参照して、本発明の他の実施例を説明し
よう。この実施例は、カラーカメラ（γ補正回路を含ま
ない）（１）よりの各原色撮像信号を信号処理する場合
である。（13）は撮像レンズで、これよりの被写体光は
色分離光学素子（14）を通じて、赤、緑、青の撮像手段
（15R）、（15G）、（15B）に入射せしめられる。各撮
像手段（15R）、（15G）、（15B）よりの各原色撮像信
号は、夫々増幅器（16R）、（16G）、（16B）を介し
て、夫々第１図のA/D変換器（２）、加重平均回路
（３）、レベル検出回路（４）、重み係数制御回路
（５）及びD/A変換器（６）から成る処理回路（17R）、
（17G）、（17B）に供給される。尚、レベル検出回路
（４）は共通とし、輝度信号あるいは緑色信号等の共通
信号のレベルを検出するようにしても良い。これら処理
回路（17R）、（17G）、（17B）の各出力は夫々γ補正
回路（18R）、（18G）、（18B）を介して出力端子（19
R）、（19G）、（19B）に胸腔される。

〔発明の効果〕

上述せる本発明によれば、撮像信号を供給して、その主
画素信号を、その主画素信号及び画面上におけるその周
辺の所定範囲内の他の画素信号の加重平均信号で置換す
る加重平均回路と、撮像信号の平均レベルを検出するレ
ベル検出回路と、そのレベル検出回路の検出レベルに応
じて、撮像信号のレベルが高い程、加重平均回路におけ
る主画素信号の重み係数を大にすると共に、周辺の所定
範囲内の他の画素信号の重み係数を、主画素信号の重み
係数より小さい互いに等しい値にし、且つ、撮像信号の
レベルが低い程、加重平均回路における主画素信号の重
み係数と、周辺の所定範囲内の他の画素信号の重み係数
とを接近した互いに等しい値にするように、加重平均回
路の重み係数を制御する重み係数制御回路とを有するの
で、視覚的解像度を劣化させずに、撮像信号のノイズを
軽減することのできる撮像信号の処理装置を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック線図、第２図
はその画素信号の説明に供する説明図、第３図は本発明
の他の実施例を示すブロック線図である。 （１）はカメラ、（２）はA/D変換器、（３）は加重平
均回路、（４）はレベル検出回路、（５）は重み係数制
御回路、（６）はD/A変換器である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】撮像信号を供給して、その主画素信号を、
   該主画素信号及び画面上におけるその周辺の所定範囲内
   の他の画素信号の加重平均信号で置換する加重平均回路
   と、 上記撮像信号の平均レベルを検出するレベル検出回路
   と、 該レベル検出回路の検出レベルに応じて、上記撮像信号
   のレベルが高い程、上記加重平均回路における上記主画
   素信号の重み係数を大にすると共に、上記周辺の所定範
   囲内の他の画素信号の重み係数を、上記主画素信号の重
   み係数より小さい互いに等しい値にし、且つ、上記撮像
   信号のレベルが低い程、上記加重平均回路における上記
   主画素信号の重み係数と、上記周辺の所定範囲内の他の
   画素信号の重み係数とを接近した互いに等しい値にする
   ように、上記加重平均回路の重み係数を制御する重み係
   数制御回路と を有することを特徴とする撮像信号の処理装置。