JPH07112023A - 骨形成材 - Google Patents

骨形成材

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JPH07112023A
JPH07112023A JP5262014A JP26201493A JPH07112023A JP H07112023 A JPH07112023 A JP H07112023A JP 5262014 A JP5262014 A JP 5262014A JP 26201493 A JP26201493 A JP 26201493A JP H07112023 A JPH07112023 A JP H07112023A
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JP
Japan
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bone
powder
oxide
forming material
inorg
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Pending
Application number
JP5262014A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Ito
充雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATSUMOTO SHIKA, University of
Matsumoto Dental University
Original Assignee
MATSUMOTO SHIKA, University of
Matsumoto Dental University
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化マグネシウムによって、崩壊時間をコン
トロールすること。 【構成】 酸化物粉体は、ケイ酸カルシウム、酸化カル
シウム及び酸化マグネシウムとを有し、無機質粉体は、
ハイドロキシアパタイト、動物骨、α型リン酸三カルシ
ウム、β型リン酸三カルシウムのうち少なくとも一つを
有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨形成材に関し、特
に、歯科又は成形外科の分野において、根管充填、骨補
填、膿漏歯の固定などに用いる充填材、補填材として有
用な骨形成材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の骨形成材としては、キトサンゾ
ル、ハイドロキシアパタイト、ならびに酸化亜鉛及び/
または酸化マグネシウムを混合して製造したものが知ら
れている。この骨形成材では、アパタイトを含有してい
るので歯、骨などの親和性に優れており、中性付近で硬
化するという特徴を有している。(特開平1−2083
47号公報を参照)。
【0003】また、他の骨形成材としては、キトサンゾ
ル、β型リン酸三カルシウムならびに酸化亜鉛及び/ま
たは酸化マグネシウムを混合して製造したものが知られ
ている。この骨形成材においても、β型リン酸三カルシ
ウムを含有しているので歯、骨などの親和性に優れてお
り、中性付近で硬化するという特徴を有している。(特
開平3−261643号公報を参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、骨形成
材は、術後に、通常、約2週間で生体内に骨形成がなさ
れるが、患者の治療部位に充填した骨形成材の密度や強
度が大きい(生体内に充填した骨形成材が硬化すると魂
状となる)と骨形成材の中に細胞や血管が骨形成材中に
侵入することができないために骨形成に時間(崩壊時
間)がかかるという問題がある。このような状態下で
は、骨形成は早期に起こり得ない。また、生体内では異
物として認識されることになる。
【0005】それ故に本発明の課題は、骨の近傍もしく
は骨内に骨成形材を充填した術後における骨成形材の崩
壊時間をコントロールすることにより、骨形成材の中に
細胞や血管を早期に作ることができる骨形成に優れた骨
形成材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ケイ酸
カルシウム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムから
なる酸化物粉体と、ハイドロキシアパタイト、動物骨、
α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウムのう
ち少なくとも一つの無機質粉体とを混合した混合体、該
混合体とともに練和したキトサンゾルとを有しているこ
とを特徴とする骨形成材が得られる。
【0007】
【実施例】本発明の骨形成材は、硬化型中性の骨伝導物
である。骨伝導物は、歯科医療の分野において骨の近傍
もしくは骨内に物質を充填した場合に骨を作り出す性質
のものをいう。
【0008】以下、本発明の骨形成材の一実施例を以下
に説明する。骨形成材は、酸化物粉体及び無機質粉体か
らなる混合体と、この混合体とともに練和したキトサン
ゾルとを含む。酸化物粉体は、ケイ酸カルシュム、酸化
カルシウム及び酸化マグネシウムを用いる。無機質粉体
は、ハイドロキシアパタイト、動物骨、α型リン酸三カ
ルシウム、β型リン酸三カルシウムのうち少なくとも一
つを用いる。
【0009】混合体は、酸によって溶解されたキトサン
ゾルとともに練和することによって練和泥が得られ、中
性の均一な硬化型骨形成材となる。動物骨粉は、人間以
外の動物の骨を焼成した後に粉砕したものをいう。例え
ば、動物骨粉は、牛骨、豚骨など陸上に生息する動物の
骨、並びに海中に生息する動物の骨などから選択される
ものである。
【0010】酸化物粉体は、キトサンの硬化材として用
い、α型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウ
ム、動物骨(牛骨粉)、ハイドロキシアパタイトの混合
体とキトサンゾルとを混合するることによって硬化す
る。そして、生体内で骨形成材が崩壊する時間を酸化マ
グネシウムの添加量でコントロールすることが可能とな
る。練和した骨形成材は硬化して硬化物となる。この硬
化物が生体内で骨を形成するためには、早い時期に崩壊
し、血管や細胞が硬化物の中に侵入し、骨を形成するこ
とが必要となる。硬化物は時間とともに生体内に吸収さ
れていく。
【0011】以下に、本発明の骨形成材における酸化物
粉体及び無機質粉体の混合比率、及びキトサンゾル及び
酸の比率について示す。
【0012】 [混合体] 酸化カルシウム 0.5〜35wt% ケイ酸カルシウム 0.5〜35wt% 酸化マグネシウム 0.05〜20wt% 無機質粉体 10〜99wt% [キトサンゾル] キトサン 0.5〜30wt% 生理食塩水 40〜90wt% キトサンの溶解に使用される酸 0.5〜30wt% キトサンの溶解に使用される酸は、酢酸、ギ酸、乳酸、
リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、酒石酸、マロン酸な
どから少なくとも一つを選択して用いる。酸によって溶
解されキトサンは酸性ゾルとすることができる。特に、
酸は、リンゴ酸、クエン酸、もしくは酒石酸、マロン酸
の一つを選定することが望ましい結果が得られる。混合
体とキトサンゾルとを混合するとき、混合体 2に対し
てキトサンゾルを1とする。
【0013】図1は、骨形成材の崩壊日と、崩壊日をコ
ントロールするための酸化マグネシウムとの関係を示し
ている。この実験例では、酸化カルシウム(CaO)
4.5wt%、ケイ酸カルシウム(CaSiO2
6.0wt%に対し、酸化マグネシウム(MgO)が添
加されてない状態と、酸化マグネシウムを1.5wt
%,3.0wt%をそれぞれ添加した場合の崩壊日を示
している。
【0014】図1によると、酸化マグネシウム 0wt
%の場合は、崩壊が練和した日から5日ほどであった
か、酸化マグネシウム 1.5wt%のときは13日、
酸化マグネシウム 3.0wt%のときは18日と添加
量を多くすると、崩壊する日数も増加することが明かに
なった。
【0015】したがって、酸化マグネシウムの量を所定
量に添加することによって、崩壊する日数をコントロー
ルして骨形成材の中に細胞や血管を侵入させることがで
きることが明かとなった。
【0016】また、図2は、硬化時間、図3は、圧縮強
さ、図4は練和開始から10分後のpH値を21日後の
pH値を測定した結果を示す。図1乃至図4により、咬
合圧に耐えるかどうかの目安がわかる。生体ではpH値
が問題になり、酸性でもアルカリでも強くなると細胞が
生きられない。したがって、pH値は中性なるほどよ
い。
【0017】次に、実施例に示した骨形成材の製造方法
を説明する。
【0018】骨形成材は、無機質粉体に動物骨及びハイ
ドロキシアパタイトを採用した場合、図5に示すように
製造が行われる。製造工程は、動物骨を焼成し無機質の
みとする焼成工程S1 と、この動物骨を粉砕して動物骨
粉を作る粉砕工程S2 と、化学的に合成したアパタイト
顆粒(ヒドロキシアパタイト、α型三カルシウムホスヘ
イト、β型三カルシウムホスヘイト)、動物骨粉、酸化
カルシウム、酸化マグネシウム及びケイ酸カルシウムを
それぞれ所定の混合比で混合して混合体を作る混合工程
3 と、混合体を酸で溶解したキトサンゾルで練和する
練和工程S4 とによって練和泥を得る。
【0019】アパタイト顆粒を含んでいる骨形成材で
は、アパタイト顆粒が移動したり排除されることがな
い。即ち、キトサンゾルがゲル化してアパタイト顆粒を
固定する。キトサンが生体に吸収される時期には類骨が
認められ骨に置換していく。
【0020】なお、無機質の動物骨粉として牛骨粉を用
いた場合、上述したように、牛骨粉がアパタイトよりも
生体の骨を伝導する速度が速い特徴を有しているため、
生体の骨が形成される時間が短時間となる。そこで、牛
骨粉とアパタイトとの比率を示す。
【0021】さらに、本発明の骨形成材の組織組織親和
性について、3〜4kgの雄性成熟家兎を用いて組織観
察を行った。家兎の脛骨内側面で、膝間接頭から約2c
m遠位に設定し、皮膚切開を加えて筋膜上を剥離し、骨
膜とともに剥離して脛骨を露出させた。
【0022】脛骨上に直接キトサンゾルと混合体とを練
和した骨形成材(練和泥)をシリンジを用いて填入し
た。填入後、骨膜縫合、皮膚縫合を緊密に行った。
【0023】対照群としては同じ方法にて、従来の酸化
亜鉛を含むキトサンゾルで練和した骨形成材は、短時間
での骨形成の変化がほとんど認められなかった。
【0024】本発明の骨形成材では、脛骨と接触した部
位で類骨の形成が認められ骨形成材の中に侵入した毛細
血管とともに骨芽細胞が認められた。さらに、骨形成材
の内部に線維性結合組織の侵入も認められた。これをア
ザン染色を施したところ、線維性結合組織は、膠原線維
であることが判明した。
【0025】したがって、骨を早期に形成するために
は、このように早い時期に骨形成材の内部に骨芽細胞や
毛細血管、膠原線維の侵入を容易に生じるように、酸化
マグネシウムによってコントロールすればよいことが明
確となった。
【0026】
【発明の効果】以上、実施例により説明したように、本
発明の骨形成材によれば、骨の近傍もしくは骨内に骨成
形材を充填した術後における骨成形材の崩壊時間を、酸
化マグネシウムによってコントロールすることにより、
骨形成材の中に細胞や血管を早期に作ることができる。
【0027】また、調製された硬化後の生成物のpH値
がいずれも6〜8の範囲であるので生体にとって生成物
が中性付近で硬化して骨形成材となる。
【0028】したがって、生体内では、歯髄障害などが
発生せず、根管充填材、骨補填材、顎炎再建、ボーンセ
メント、膿漏歯の固定等の骨形成に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における骨形成材の崩壊日と
酸化マグネシウムの添加量との関係を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の一実施例における骨形成材の硬化時間
と酸化マグネシウムの添加量との関係を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の一実施例における骨形成材の圧縮強さ
と酸化マグネシウムの添加量との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の一実施例における骨形成材のpH値と
酸化マグネシウムの添加量との関係を示すグラフであ
る。
【図5】図5は本発明の骨形成材の一実施例による製造
方法を示す工程の説明図である。
【符号の説明】
1 焼成工程 S2 粉砕工程 S3 混合工程 S4 練和工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C04B 28/34 24:38) Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物粉体及び無機質粉体からなる混合
    体と、該混合体とともに練和したキトサンゾルとを含む
    骨形成材において、前記酸化物粉体は、ケイ酸カルシウ
    ム、酸化カルシウム及び酸化マグネシウムとを有し、前
    記無機質粉体は、ハイドロキシアパタイト、動物骨、α
    型リン酸三カルシウム、β型リン酸三カルシウムのうち
    少なくとも一つを有していることを特徴とする骨形成
    材。
JP5262014A 1993-10-20 1993-10-20 骨形成材 Pending JPH07112023A (ja)

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Effective date: 20020703