JPH07110400A - 高輝度X線又はγ線の発生方法及び装置 - Google Patents

高輝度X線又はγ線の発生方法及び装置

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JPH07110400A
JPH07110400A JP6048641A JP4864194A JPH07110400A JP H07110400 A JPH07110400 A JP H07110400A JP 6048641 A JP6048641 A JP 6048641A JP 4864194 A JP4864194 A JP 4864194A JP H07110400 A JPH07110400 A JP H07110400A
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ray
mirror
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    • H05G2/00Apparatus or processes specially adapted for producing X-rays, not involving X-ray tubes, e.g. involving generation of a plasma

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高反射率ミラーを用いた光共振器でレーザ
ー光を蓄積し、これを利用して小さな初期レーザーから
でも強力な高輝度X線又はγ線を得る。 【構成】 レーザー1からのレーザー光を光共振器2へ
送りそこでレーザー光を蓄積する。光共振器2は超高反
射率ミラー21、22を有し、ミラーの反射効率は0.
999%以上のものである。この光共振器2へ電子ビー
ムを斜めに入れて衝突させ、その相互作用域でコンプト
ン散乱によるX線又はγ線を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光子と電子の相互作
用により得られる高輝度X線又はγ線の発生方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に紫外線より短い波長10〜0.0
1nmの電磁波はX線と呼ばれ、特に0.3nm付近から長
波長のものを軟X線、短波長のものを硬X線、さらに短
波長側はγ線と呼ばれる。
【0003】X線は、加速された電子線を金属に衝突さ
せて発生させるのが一般的であり、この原理による封入
式X線管や回転陰極型X線管などが知られている。特に
軟X線源としては電子線励起軟X線源、あるいはプラズ
マ軟X線源が使用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のX線源
は、X線の発生効率が極めて低く、ターゲットに加えた
パワーの数%以下程度しかなく、大部分は熱に変換さ
れ、エネルギーが労費される。又、プラズマ軟X線源の
ようにレーザー光を使用する場合もレーザー光が使い捨
てされ、そのため発生するX線量を大きくするためには
強力なレーザー光を必要とする。また、これらのX線源
からは特性X線以外に広いスペクトルのX線が発生し、
モノクロエネルギのX線が必要な場合はより一層効率が
悪くなる。
【0005】ところで、有名なアインシュタインの一般
相対性理論で予測された超新星爆発などにより生じる重
力波の測定は、未だに直接的な観測例がなく、重力波天
文学上重要な重力波検出のためのアンテナの研究開発が
試みられている。
【0006】この重力波アンテナでは「重力波による空
間の歪み」を観測するのであるが、この歪み量は通常の
産業機器で要求されるレベルとは桁違いな極微小変位で
あり、例えばレーザー光を用いてマイケルソン干渉計を
構成したレーザー干渉計で観測される。
【0007】この場合、レーザー干渉計では上記極微小
変位の測定を可能とするために、レーザー光の光路に超
高性能な光共振器が使用される。光共振器は2枚のミラ
ーを対向して用いたファブリ・ペロー共振器であり、ミ
ラーは驚異的な反射特性のものが用いられている。この
光共振器は、ミラーの反射率が高ければ高い程多くのエ
ネルギーを蓄積し、所定の周波数の光に対して同調する
と高強度の光を蓄積する。
【0008】一方、コンプトン後方散乱効果を用いたX
線発生装置が米国特許第4,598,415号明細書に
より知られている。このX線発生装置は、レーザー発振
器の2つの反射ミラー間にレーザーを置き、加速器によ
り電子を加速して周回軌道上を周回させ反射ミラー間を
往復するレーザー光と衝突させてコンプトン散乱により
狭帯域のX線を発生させるように構成されている。
【0009】上記X線発生装置で用いられているコンプ
トン散乱方式は、放射されるX線やγ線のスペクトルが
狭くモノクロであり、且つ放射方向も前方の1/γ(γ
は電子ビームのローレンツ因子)の立体角に集中してい
るという特長を有する。
【0010】一方、この方式では、電子と光子の衝突断
面積は極めて小さく線量を大きくとれない。これを改善
するために強力なレーザーを用いたり、上記米国特許の
ような発振器内でのX線発生方式が考案されていた。
【0011】しかし、上記米国特許のような方式でのX
線発生装置の出力は、共振器内のレーザー利得の飽和レ
ベルで決定され、従って反射ミラーの反射率をいくら高
くしても一定値以上には出力を上げることができない。
又、これら媒質には必らずレーザー強度によるレーザー
媒体の破壊のしきい値(Damage Thresho
ld)があるためこれも内部パワーを制限する。このた
め共振器の反射率はせいぜい99〜98%である。さら
に、レーザーとしては発振器のみを利用するため出力も
それ程大きくはない。発振−増幅システムの大出力レー
ザーを利用することはこの方式ではできない。
【0012】以上の概説から分る通り、光共振器として
はその反射率が99%以上の驚異的なものが開発されて
いるにもかかわらず、従来のX線発生装置では共振器の
反射率としてはそれ程高効率なものを必要とせず、従っ
てこのようなレーザー光を使用してX線を発生する場合
も共振器の特性を高効率に改善してもそれが直ちに高輝
度X線又はγ線を高効率に発生することには直結しな
い。
【0013】そこで発明者は、種々の試みから超高反射
ミラーによる光蓄積空胴内にレーザー光を蓄積し、その
レーザー光に電子ビームを衝突させると強力なX線又は
γ線を得ることができることを見出したのである。
【0014】しかし、かかる原理的な方法ではX線又は
γ線を発生する相互作用域へ入る電子ビームとレーザー
光の条件やレーザー光のエネルギ集約度の検討が十分で
なく、電子ビームとレーザー光の相互作用の高効率化を
図りさらに強力なX線又はγ線を得るには上記種々の条
件を合理的に設定する必要がある。
【0015】この発明は、上述した従来のレーザー光を
用いてX線又はγ線を発生する方法における発生効率等
の問題点に留意して、超高反射率のミラーを用いてレー
ザー光を蓄積しそのレーザー光に電子ビームを衝突させ
初期レーザー光の何万倍の光エネルギによって強力なX
線又はγ線を得ることのできるX線又はγ線の発生方法
及び装置を提供することを課題とする。
【0016】さらにこの発明のもう1つの課題は、原理
的な方法での問題点に留意して、相互作用域へ導入され
る電子ビームとレーザー光の条件及びレーザー光のエネ
ルギ集約度について改善をし相互作用の高効率化をはか
りさらに強力なX線又はγ線を得ることのできるX線又
はγ線の発生方法及び装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決す
る手段としてこの発明は、2つの超高反射ミラーを互い
に対向して置いた光子蓄積空胴内にレーザー光を導入し
て空胴内に蓄積し、電子ビームを相対論的速度に加速し
た状態でミラー間を往復するレーザー光の光路に導入し
て光路に交差させその相互作用域からX線又はγ線を発
生する高輝度X線又はγ線の発生方法としたのである。
【0018】上記発生方法においては、前記電子ビーム
をレーザ光の光路に交差させる際に電子ビームの軌道を
曲げて光路と所定長さ平行に進行させこれを相互作用域
とするのが好ましい。
【0019】又、上記第二の課題を解決する手段とし
て、上記X線又はγ線の発生方法において、電子ビーム
とレーザー光の相互作用の高効率化を図りさらに強力な
X線又はγ線を得る方法として、前記光子蓄積空胴内に
導入される連続又は準連続のレーザー光を空胴内で変調
して電子ビームのパルス波形とタイミングに整合するよ
うに波形整形し、このレーザー光に超高反射ミラーの収
束焦点付近で電子ビームを衝突させる方法とするのが好
ましい。
【0020】上記第1の発明によるX線又はγ線の発生
方法を実施する装置として、レーザー光を発生するレー
ザー発生装置と、このレーザー光を導入して内部に蓄積
するため2つの超高反射ミラーを互に対向して設けた光
子蓄積空胴と、電子ビームを相対論的速度に加速する加
速器とを備え、上記光子蓄積空胴は反射ミラーの共振器
長さを微調整する長さ調整手段が設けられ、反射ミラー
間を往復するレーザー光の光路に電子ビームを導入して
衝突させその相互作用域から生じるX線又はγ線と共に
外部へ導く導入取出路を設けて成る高輝度X線又はγ線
の発生装置の構成とするのが好ましい。
【0021】この場合、前記超高反射ミラーが誘電体多
層膜から成り、反射率を99.9%以上のものとするこ
とができる。
【0022】上記いずれかの発生装置では、前記光子蓄
積空胴に対し、入射される電子ビームの軌道を曲げて光
路と所定長さ平行に進行する相互作用域を形成する磁場
形成手段を設けたものとするのが好ましい。
【0023】さらに、第二の発明によるX線又はγ線の
発生方法を実施する装置として、第三又は第四の発明に
よる発生装置において、前記光子蓄積空胴の2つの超高
反射ミラーのうち少なくとも一方を凹面鏡として空胴内
に収束焦点を設け、この収束焦点付近が相互作用域とな
るように電子ビームを導く取出路を設け、上記相互作用
域外の任意の位置に光学変調器を挿入設置して空胴内に
導入される連続波状又は準連続波状のレーザー光を変調
し、電子ビームのパルス波形とタイミングに整合するよ
うに波形整形するのが好ましい。
【0024】別の態様として、前記光子蓄積空胴内の相
互作用域外の任意の位置に光学変調器と共に、反射透過
ミラーを挿入するようにすることもできる。
【0025】
【作用】上記第一の発明のX線又はγ線の発生方法で
は、超高反射率ミラーから成る光子蓄積空胴内に所定波
長のレーザー光を蓄積する。レーザー光を光子蓄積空胴
内に蓄積する際に2つのミラー間を往復運動するレーザ
ー光は定在波を形成し共振器長さに同調する。このた
め、予めレーザー光を同調させるための共振器長さはレ
ーザー光の波長のλ/10のオーダ以上の極めて高精度
で長さ調整を行なう。
【0026】上記のようにして蓄積されたレーザー光に
対して相対論的速度に加速した電子ビームを衝突させる
と、その際に電子と光子との相互作用によりX線又はγ
線がコンプトン散乱により散乱光として得られる。
【0027】散乱光の強度Ps は次式で表わされる。
【0028】Ps ∝Ib ・PL (1) ここで、PL はレーザー光強度、Ib は電子ビーム電流
である。従って、レーザー光強度を強めるとPs は比例
して強くなる。
【0029】一方、光子蓄積空胴を形成する光共振器で
は、その内部に蓄積されるレーザー光の波長選択の鋭さ
を表わすフィネスFは次式で表わされる。
【0030】F−π√R/(1−R) (2) ここで、Rはミラーの反射率である。そして、光子蓄積
空胴内に蓄積されるレーザー光のパワーは、入射レーザ
ー光のパワーをIiとすると次式で表わされる。
【0031】Is =F・Ii (3) 以上から分るように、本発明の方法によれば初期レーザ
光を超高反射率空胴でフィネス倍強くすることにより散
乱光、即ちX線又はγ線の強度がその分強くなる。例え
ば、R=0.99999%のミラーではFは大略F=3
×105 となり、蓄積されるレーザーパワーは入射レー
ザーパワーの3×105 倍となる。
【0032】上述した第一の発明では駆使蓄積空胴内で
レーザー光と電子ビームを相互作用させるから、両者は
互に相互作用に適する条件で導入されなければならな
い。従って、レーザー光が連続光であれば電子ビームも
連続状、レーザー光がパルス状であれば電子ビームもパ
ルス状で導入されることが望ましい。もし電子ビームが
連続状でレーザーがパルス状又はその反対の組合せとす
ると、互いに相互作用のないところにエネルギが存在す
ることになり効率が低下するからである。
【0033】次に、以上のようにして得られるX線又は
γ線の波長λは、入射レーザー光の波長をλiとすると
次の式で表わされる。
【0034】λ=λi/4γ2 (4) ここでγは入射レーザー光のエネルギである。入射レー
ザー光の波長λiを1μmとして10MeVの電子であ
ればおよそγ=20であり、λ=6A(オングストロー
ム)の光子が得られる。
【0035】そして、このときの発生する光のひろがり
角Δθは、 Δθ∝γ-1 (5) であり、上記パラメータでは50mradとなる。これ
は極めて発散角の小さなX線と言える。このように発散
角の小さいX線やγ線は相当離れた位置でも線幅が広が
らず、例えば核廃棄物の処理に利用することができる。
【0036】上記第二の発明の方法では、電子ビームの
軌道が光子蓄積空胴内で曲げられ光路と所定長さ平行に
進行し、これにより相互作用域が長く確保され、より高
輝度のX線又はγ線が発生する。
【0037】第三の発明による方法では、電子ビームは
パルス状で光子蓄積空胴内に導入され、レーザー光は連
続又は準連続状で導入された後、空胴内で変調されて電
子ビームのパルス波形とタイミングに整合するように波
形整形され、パルス波状のレーザー光となる。
【0038】これによって、電子ビームとレーザー光の
相互作用の高効率化が図られ、さらに強力な高輝度X線
又はγ線が得られる。電子ビームをレーザー光に衝突さ
せてX線又はγ線を得る際に、電子ビームとレーザー光
を共に連続状又はパルス状にするというだけでなく、レ
ーザー光を電子ビームに整合させることによって相互作
用の高効率化が図られるのである。
【0039】図12に示すように、電子ビームとレーザ
ー光が衝突する際にそれぞれのパルス幅τb(=ll/
vb)、τl(=ll/c)を同程度にしておけば、相
互作用域において最も効率よく相互作用が生じる。その
際レーザー光が収束され焦点位置に乗るタイミングに合
わせて電子ビームもそのタイミングで空間位置も合わせ
て入射させる。タイミングも狂い、パルス幅も一致しな
い場合は相互作用する領域はレーザー光のほんの一部と
なり効率が落ちるため、これを整合することによって高
効率化を図るのである。
【0040】又、レーザー光を連続状とすると空胴内へ
のレーザー光の入射効率も上昇する。空胴内のフィネス
が高い場合、入射光のバンド幅(Δ)は、Δ∝
(F1/2 -1の制限を受ける。このような場合、連続光
の方が狭いバンド幅を作り易いので入射効率があがるこ
とになるからである。
【0041】さらに、レーザー光が空胴内で変調される
ため、この変調状態を種々変化させることによって電子
ビームを加速する加速器として種々の形式のものを選択
でき、技術の多様化が図れる。
【0042】例えば、レーザー光を連続状のままとする
と、電子ビームも連続状で送り込むことになるが、この
場合は静電加速器により発生する連続電子ビームとの相
互作用に適する。又、パルス的な電子ビーム波形を持つ
蓄積リングによる加速方式の場合は、連続状のレーザー
光を変調し蓄積リングによる電子ビームとレーザー光の
変調による間隔を合せ、かつパルス幅を同程度に圧縮す
ることによって相互作用の最適化ができる。
【0043】上記方法によりX線又はγ線を発生する際
に、空胴内のレーザー光に対して電子ビームを衝突させ
る相互作用域は光子蓄積空胴の超高反射ミラーの収束焦
点付近となるようにする。収束焦点付近ではレーザー光
が最小径に収束され、エネルギの集約度が大きいからで
ある。
【0044】光子蓄積空胴の超高反射ミラーとしては、
両側共に凹面鏡とするが、一方が平面鏡、他方が凹面鏡
とする場合があり、いずれの場合も収束焦点が得られ
る。レーザー光を空胴内に閉じ込めておくための条件
は、 0<(1−L/R1 )(1−L/R2 )<1 で表される。R1 、R2 は入射側、反対側のミラーの曲
率半径、Lは共振器長さであり、一方が平面鏡の場合は
1 =∞となる。
【0045】両方が平面鏡の場合は上式=1となりレー
ザー光を安定に閉じ込めておくことができないが、平面
鏡と凹面鏡、もしくは凹面鏡と凹面鏡であれば適当なR
の値を選定することによって必ず上式を満足することが
できるからである。このため、上記ミラーの組合せによ
って収束焦点もその軸上のいずれかの点に設定すること
ができる。
【0046】しかし、平面鏡と凹面鏡の組合せではレー
ザー光が最小径となるのは平面鏡上であり、反対側の凹
面鏡の収束焦点まではレーザー光はほぼ平行ではあるが
若干径は大きくなりつつ収束主点から少しずつ大きくな
る。
【0047】これに対し、両側共凹面鏡の場合は両方の
収束焦点の中央又はその付近で径が最小となり、エネル
ギ密度が最大となるため、この付近で電子ビームを衝突
させるようにすると有利である。
【0048】上記第一乃至第三の発明のいずれの場合
も、相互作用域で非常に強いレーザー光が電子ビームと
相互作用を行ない強力なX線又はγ線を発生し、この放
射光発生の反作用として電子ビームは冷却加速される。
放射光発生の反作用として電子ビームがエネルギを失い
(γ0 →γ)、その分エネルギ拡がりや角度拡がりが減
少するからである。
【0049】第四の発明は、第一の発明のX線又はγ線
の発生方法を実施する装置であり、レーザー発生装置、
光子蓄積空胴、加速器とを備え、光子蓄積空胴内で電子
ビームをレーザー光に衝突させ第一の発明の方法により
X線又はγ線を発生させることができる。この装置で
は、光子蓄積空胴の共振器長さを調整手段により調整し
た空胴内にレーザー光を蓄積することができる。
【0050】発生したX線又はγ線は、相互作用により
X線又はγ線を発生したその反作用として冷却加速され
た電子ビームと所定角度に進行するが、これらは共に導
入取出路を介して外部へ導かれる。
【0051】第五の発明では、上記光子蓄積空胴の反射
ミラーの反射率R=99.9%以上としており、これに
よって従来の方式のものに比較して十分なる強度のX線
又はγ線が得られる。
【0052】第六の発明は、第四又は第五の発明の装置
において、光子蓄積空胴内での電子ビーム軌道を曲げる
ための磁場形成手段を設けており、電子ビームは空胴内
を往復動するレーザー光の光路上を進行して相互作用域
内でレーザー光と衝突し、これによって強力なX線又は
γ線を発生する。
【0053】第七の発明は、第二の発明のX線又はγ線
の発生方法を実施する装置であり、基本的な構成は第三
の発明と同じであるが、空胴内に収束焦点を設け、この
付近を相互作用域として電子ビームを導入取出路により
導き、空胴内の相互作用域外の任意の位置に光学変調器
を挿入している。
【0054】この場合、レーザー発生装置は連続波状又
は準連続波状のレーザー光を発生し、加速器はパルス状
の電子ビームを加速するものである。そして、光学変調
器によりレーザー光を変調して電子ビームのパルス波形
とタイミングに整合するように波形整形が行なわれ、こ
のレーザー光に電子ビームを衝突させる。
【0055】従って、第二の発明と同様に、電子ビーム
とレーザー光の相互作用の高効率化が図られ、レーザー
光の空胴内の入射効率が向上し、加速器として種々の形
式のものを選択できるようになる。
【0056】第八の発明では、第五の発明の光学変調器
を設ける位置に光学変調器と共に反射透過ミラーを挿入
するようにしている。これによって、レーザー光の共振
長さを変化させより簡易にレーザー光のパルス間隔、パ
ルス幅を最適化して、さらに強力なX線又はγ線を得
る。
【0057】
【実施例】以下この発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は実施例のX線又はγ線の発生装置の
概略図である。この発生装置はレーザー1、光共振器
2、及び電子ビームの加速器3とから成る。レーザー1
の形式についてはどんなものでもよく、例えば半導体レ
ーザー、固定レーザー、ガスレーザー、あるいは自由電
子レーザー等のいずれかを用いることができる。
【0058】加速器3から発射される電子ビームは、偏
光電磁石4で軌道を曲げられて光共振器2を通過した後
再び偏光電磁石4で曲げられてビームダンパ5で処理さ
れる。なお、光共振器2内の空胴や電子ビームの進行す
る経路は真空状態とされているが、電子ビーム等の経路
のダクトは簡略化するため図示省略している。
【0059】光共振器2は、2つの超高反射率ミラーが
対向して設けられたものから成り、一方のミラー21は
例えば反射面がフラット、他方のミラー22は反射面が
所定曲率の凹面から成る。それぞれの反射面は、超低損
失の誘電体薄膜コーティングを超高真空下で超高精度基
板にイオンビームスパッタリング法で蒸着して形成され
ている。上記コーティングは、例えばTa25 /SiO
2 を用いる。
【0060】ミラー21、22はそれぞれホルダー2
3、24でシールして取付けられており、ミラー21は
固定され、ミラー22にはピエゾ圧電素子(PZT)2
5がテフロンのシール材2aを介して取付けられて変位
自在になっている。ピエゾ圧電素子25に電圧を印加し
てミラー22を押圧し、共振器長さを調整できる。
【0061】光共振器2の空胴部には電子ビームBが通
過するための小孔26、27が斜めに上下に設けられて
いる。
【0062】上記の構成とした実施例の装置によりX線
又はγ線が発生される。まず、レーザー1により所定の
波長のレーザー光を光共振器2へ送る。例えばλ=85
0nmの波長のレーザー光をミラー21、22を距離4mm
の間隔に設置した光共振器2へ送る。ミラー22は、例
えば球面の曲率半径がλ/10以下の球形で面粗度が
0.1nm程度に仕上げておく。ミラー21は完全にフラ
ットで、面粗度は同程度に仕上げておく。
【0063】上記光共振器2ではその反射率R=1−L
=0.9999984が得られる。フィネスFは、F=
π√R/(1−R)よりF=2×106 となる。
【0064】光共振器2内では、レーザー光は2つのミ
ラー21、22間で往復運動し、光の進行波同士が干渉
しあって定在波を作る。この定在波は、2つのミラー2
1、22間の距離が極めて高精度で所定長さに調整され
ていなければ存在できず、このためこの実施例ではピエ
ゾ圧電素子25に所定の電圧を付加してλ/10以上の
精度で距離を調整する。
【0065】このような状態で加速器3から送られてき
た電子ビームを光共振器2内へ導入しレーザー光と衝突
させるとその相互作用域からX線又はγ線が発生する。
【0066】この場合、反射ミラー21は平面鏡、他方
の反射ミラー22は凹面鏡であるから、レーザー光の径
は平面鏡上で最も小さくなるが、図2に示すように、あ
る程度これから離れても径はそれほど急激に増加はせ
ず、凹面鏡の焦点付近から径が大きくなる。従って、こ
の径が増加し始める少し手前付近で電子ビームと相互作
用させると効率よくX線又はγ線を発生する。このと
き、電子ビームは1mm以下に収束させ、レーザー光もこ
れに合わせて絞り込んで衝突させるとよい。
【0067】そして、上記方法で発生したX線又はγ線
の強度は前述したように光共振器のフィネスに比例する
から、レーザー1からの弱いレーザー光を用いた場合で
も、その強度は106 程度の光共振器エネルギに比例す
る強力なX線又はγ線が得られる。又、このX線又はγ
線は電子ビームBの進行方向とある所定の角度で発生す
る。従って、そのX線又はγ線を取り出した後図示省略
しているが他のミラー等で適当な方向に導き、例えばX
線リソグラフィー等に応用する。
【0068】なお、上記実施例ではR=0.99999
84の場合について説明したが、R=0.999以上で
あれば得られるX線の強度は従来の方式の場合に比して
十分であり、種々の用途への可能性が広がる。
【0069】図3〜図6は、上記原理的な構成のX線又
はγ線の発生装置を電子蓄積リング、静電加速器、線形
加速器を用いて形成する場合の変形例を示す。
【0070】図3ではレーザー1のレーザー光をビーム
スプリッタBSで分割し、複数の光共振器2へ導く形式
のものである。図1と同じ機能部材には同じ符号を付し
て説明を省略する。図4、図5、図6の場合も同様であ
る。
【0071】この方式では、X線やγ線はほぼ電子線と
同方向に進むのでキャビティの数だけ強度が重畳され
る。また、キャビティ内にたまる光子はミラーの損傷し
きい値により決まるが、この方式ではレーザー光はキャ
ビティ数だけ強い光をシステムに入射できる。
【0072】図4では静電加速器3を用いた電子回収型
の場合を示す。3aはコレクタ、3bはカソードであ
る。
【0073】図5では線型加速器を用いて複数の光共振
器2へ電子ビームBを導入する場合を示す。電子ビーム
のエネルギー回収を行なうことにより全システムの効率
の向上が図られる。
【0074】図6は図5の線型加速器による方式をさら
に複雑な形式としたもので、電子ビームを周回させる軌
道に導入し、その軌道上にレーザーと複数の光共振器2
から成るX線発生部とγ線発生部を設けている。6は電
子ビーム発生部である。
【0075】図7は上記実施例の発生装置で得たX線を
X線リソグラフィに応用する場合を示す。X線マスク、
レジスト、ウェファから成る回路基板等に照射してX線
リソグラフィにより回路基板等を作成する。(a)は直
接照射の場合、(b)はミラーM1 〜M4 により照射す
る場合である。この場合、電子ビームとして5〜10M
eV、レーザー光波長1μm〜10μmを用いると5〜
100A(オングストローム)付近のX線が得られる。
【0076】図8はγ線を用いて核廃棄物の処理をする
場合の応用例を示す。この例では、電子ビームとして数
百MeV、レーザー光波長〜1μmを用いて1〜10M
eVのγ線を得る。
【0077】この場合注目すべきことは、γ線の発散角
が1mrad以下と極めて小さく、γ線が小さい広がり
角で直進する点である。
【0078】7は核廃棄物処理管であり、この細い処理
管内に核廃棄物を詰めておき、その中をγ線が広がらず
に通過することによって核廃棄物を有効に処理する。γ
線を寿命の長い超ウラン元素(TRU)や核分裂生成物
(FP)などの放射性核種に衝突させると短半滅期の核
種に変換することができる。従って、この発生装置によ
って核廃棄物中の長寿命核種を短半滅期の核廃棄物とし
て効率的に処理できることとなる。
【0079】図9に別の実施例の全体概略構成図を示
す。この実施例では、図1の光子蓄積空胴である光共振
器2の外部に一対の磁場形成手段である偏光電磁石11
が設けられている。偏光電磁石11は、(b)に示すよ
うに鉄心12にコイル13を巻回し、これによって生じ
る磁場の方向が電子ビームの進行方向と直交して横方向
成分を与えられ、軌道が曲げられる。
【0080】上記軌道を曲げられた電子ビームは、光共
振器2内で往復するレーザー光の光路上を所定長さ分進
行し、その後再びもう1組の偏光電磁石11により軌道
を曲げられて光共振器2から外部へと導かれる。上記所
定長さ分レーザー光の光路上を進行する領域が相互作用
域となり、電子ビームがレーザー光と衝突して強力なX
線又はγ線が発生する。
【0081】図10はさらに別の実施例の全体概略構成
図を示す。第一実施例と同じ部材には同じ符号を付して
説明は省略する。この実施例では光共振器2の両側の反
射ミラー21’、22が共に凹面鏡であること、かつ光
学変調器28とその高周波電源29が設けられている点
が第一実施例と異なっている。
【0082】反射ミラー21’を凹面鏡としたのは、両
方の反射ミラー21’、22の収束焦点付近にレーザー
光の最小収束点を設け、レーザー光を収束してスポット
ビーム径を最小に絞り相互作用域のエネルギ密度を高め
るためである。
【0083】図示の場合は、両側の反射ミラーの収束焦
点が互いに一定距離を置いて形成されているが、この他
にも、一方の反射ミラーの収束焦点が他方のミラーの領
域内に互いにクロスして形成される場合、あるいは両方
の収束焦点が一点で重なる共焦点形となるようにしても
よい。いずれの場合もそれぞれの収束焦点付近に最小収
束点が得られる。
【0084】光学変調器28は、よく知られているよう
に、電気光学変調器あるいは音響光学変調器などが用い
られる(さらに他の形成のものでもよい)。電気光学変
調器は、例えばポッケルス素子による電気光学効果を利
用して位相、周波数などを変調するものである。音響光
学変調器は、例えば超音波に対応して屈折率が変化する
形式のものである。いずれの場合も高周波電源からの高
周波電圧の印加によって作動する。高周波電源は必要に
応じて周波数を可変とするものとする。
【0085】光学変調器28を設ける位置は、なるべく
反射ミラー21’、22のいずれかの近くが好ましい
が、相互作用域外であれば左右どこに設けてもよい。
【0086】さらに、この実施例では光共振器2に導入
される電子ビームとレーザー光の組合せが異なってい
る。即ち、第一実施例では電子ビームとレーザー光は共
に連続波(CW)状又は共にパルス波状のものであるの
に対し、この実施例では電子ビームはパルス状、レーザ
ー1からのレーザー光は連続波状又は準連続波状であ
り、但し光共振器2内で光学変調器28によりパルス状
に変調する方式が採用されている。
【0087】なお、準連続状とは超高繰返しパルス状で
殆ど連続状に近いものをいう。
【0088】以上の構成としたこの実施例では、電子ビ
ームとレーザー光の相互作用が高効率化されてさらに一
層強力な高輝度X線又はγ線が生じる。
【0089】レーザー1から送り込まれるレーザー光
は、光共振器2への入射時には連続(CW)又は準連続
状の光であるが、光学変調器28を通過すると、光学変
調器28で設定される位相又は周波数のパルスレーザー
光に変調され、反射ミラー21’〜22間を往復して内
部に蓄積される。
【0090】上記レーザー光に相互作用域で電子ビーム
を衝突させると、その相互作用でX線又はγ線が発生す
るが、このとき電子ビームはパルス状で導入され、従っ
て電子ビームのパルス間隔、パルス幅に合わせてパルス
レーザー光のパルス間隔、パルス幅も光学変調器28に
より変調されている。このため、両者の相互作用の高効
率化が図られ、より一層強力なX線又はγ線が生じるの
である。なお、得られるX線又はγ線もパルス状である
ことは言うまでもない。
【0091】光共振器2内に導入される電子ビームは、
レーザー光を収束焦点付近で最小径となるようにしてい
るのと同様に、相互作用域で衝突させる際に、ビーム拡
がりが最小となるように絞り込むようにするのが好まし
い。このため、図示省略しているが、電子ビームを光共
振器2内に導入する前に予め電磁石を用いた電磁レンズ
等を設けることによりビーム径を所定径に絞るようにす
るとよい。
【0092】図11はさらに別の実施例の概略構成図を
示す。この場合図示を簡略化するため図10の実施例か
ら変更される部分を含む光共振器2のみを示し、他は図
示省略している。図9の実施例と同様に同じ部材には同
じ符号を付して説明は省略する。
【0093】この実施例では、図10の実施例の光共振
器2内にさらに反射・透過ミラー30が設けられてい
る。この反射・透過ミラー30は、例えば反射率が90
%、透過率が10%の性質を有する反射ミラーから成
る。又、この反射・透過ミラーは平面鏡でも凹面鏡でも
よい。
【0094】図11の(a)と(b)は反射・透過ミラ
ー30を相互作用域外であれば光共振器2内のどこに設
けてもよいことを示している。
【0095】上記反射・透過ミラー30は、このミラー
で反射されるレーザー光に対しては共振器長さが変化す
ることになり、従って光共振器2内に入射されるレーザ
ー光が光学変調器28で変調されて得られるパルス光と
パルス状の電子ビームのパルス幅、パルス間隔に適合す
る位置に設定する際にその条件が大きく変化する場合及
びその位置での微調整をする必要がある場合は、予め内
部にガイドベース31を設けておき、ガイドベース31
上を移動するガイド32にテフロンのシール材33を介
して反射、透過ミラー30を取り付け、ガイド32に取
り付けたピエゾ圧電素子(PZT)34で微調整自在と
しておくとよい。ガイド32は外部より手動又は自動で
移動自在とするねじ、モータ等による移動機構を設けて
おく。
【0096】この実施例では、図10の実施例と同様に
光学変調器28が設けられているから、図10の実施例
と同様な作用が得られるが、さらに反射透過ミラー30
が挿入されているため、レーザー光のパルス間隔、パル
ス幅が最適化され、電子ビームとレーザー光の相互作用
がより高効率になるのである。
【0097】
【効果】以上詳細に説明したように、第一の発明のX線
又はγ線の発生方法は、超高反射率ミラーを用いた光子
蓄積空胴内にレーザー光を送ってレーザー光を蓄積し、
その蓄積された光エネルギーによりレーザー光と電子ビ
ームが衝突する際の相互作用で発生する強力なX線散乱
光を得るようにしたから、小型のレーザーからであって
も従来に比して桁違いに強力なX線又はγ線が得られ、
X線リソグラフィやγ線による核廃棄物処理などに応用
すれば小型レーザーと小型加速器により安価でかつより
輝度の高いX線が得られるなど種々の利点がある。
【0098】第二の発明の方法では、電子ビームの軌道
を光子蓄積空胴内で曲げて光路の一部と所定長さ平行な
相互作用域を形成するようにしたから、電子ビームはレ
ーザー光と確実にかつ所要長さの相互作用域で衝突して
より強力なX線又はγ線を発生するという利点がある。
【0099】第三の発明による方法では、レーザー光は
連続波状又は準連続状で導入され、電子ビームはパルス
状で導入され、この電子ビームのパルス波形とタイミン
グに整合するように空胴内で変調されて波形整形が行わ
れ、このレーザー光に電子ビームを反射ミラーの収束焦
点付近の相互作用域で衝突させるから、これによって第
一の発明の方法よりさらに電子ビームとレーザー光の相
互作用が高効率化され、より強力なX線又はγ線が得ら
れ、電子ビームを加速する加速器形式の選択の幅が広が
ると共に、電子ビームの冷却、加速効果が得られるとい
う極めて有用な効果が得られる。
【0100】第四の発明による装置は、レーザー発生装
置、電子ビーム加速器、光子蓄積空胴から成り、長さ調
整手段を設け、共振器長さを微調整自在としてレーザー
光エネルギを完全に閉じ込め、導入取出路を介して電子
ビームを相互作用域へ送り衝突させてX線又はγ線を発
生させるものとしたから、この装置により従来より桁違
いに強力なX線又はγ線が得られる。
【0101】第五の発明では超高反射ミラーの反射率を
99.9%以上としており、これによって従来の方式の
ものに比較して十分な強度のX線又はγ線が得られる。
【0102】第六の発明の装置では、光子蓄積空胴内で
電子ビームの軌道を曲げて光路の一部と所定長さ平行な
相互作用域を形成するために磁場形成手段を光子蓄積空
胴に対し設けたから、これによって光子蓄積空胴内で確
実に有効な所定長さの相互作用域で電子ビームをレーザ
ー光と衝突させることができ、装置から発生するX線又
はγ線の強度をより一層強力なものとすることができ
る。
【0103】第七の発明は第四の発明と基本的な構成は
同じであるが、空胴内に収束焦点を設けこの付近を相反
作用域として電子ビームを導き、相互作用域外の任意の
位置に挿入した高周波の光学変調器により連続状又は準
連続状のレーザー光を変調して電子ビームのパルス波形
とタイミングに整合するように波形整形し、このレーザ
ー光に電子ビームを衝突させるようにしたから、この装
置により電子ビームとレーザー光の相互作用の高効率化
が図られると共に、レーザー光の空胴内への入射効率が
向上し、加速器として種々の形式のものを選択できると
いう種々の利点が得られる。
【0104】第八の発明では、第七の発明の高周波の光
学変調器を設ける位置に光学変調器と共に反射透過ミラ
ーを挿入し、これによりレーザー光の共振長さを変化さ
せより簡易にレーザー光のパルス幅、パルス間隔を最適
化して、さらに強力なX線又はγ線が得られるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線又はγ線の発生装置の概略構成図
【図2】同上の作用を説明する図
【図3】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成図
【図4】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成図
【図5】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成図
【図6】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成図
【図7】X線リソグラフィへの応用例を示す概略図
【図8】γ線の核廃棄物処理への応用例の概略図
【図9】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成図
【図10】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成
【図11】X線又はγ線の発生装置の他の実施例の構成
【図12】電子ビームとレーザー光の相互作用を説明す
る図
【符号の説明】 1 レーザー 2 光共振器 3 加速器 4 偏向磁石 5 ビームダンパ 7 核廃棄物処理管 21、22 超高反射率ミラー 23、24 ホルダ 25 ピエゾ圧電素子 26、27 小孔 28 光学変調器 29 高周波電源 30 反射、透過ミラー
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/0959

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの超高反射ミラーを互いに対向して
    置いた光子蓄積空胴内にレーザー光を導入して空胴内に
    蓄積し、電子ビームを相対論的速度に加速した状態でミ
    ラー間を往復するレーザー光の光路に導入して光路に交
    差させその相互作用域からX線又はγ線を発生する高輝
    度X線又はγ線の発生方法。
  2. 【請求項2】 前記電子ビームをレーザ光の光路に交差
    させる際に電子ビームの軌道を曲げて光路と所定長さ平
    行に進行させこれを相互作用域とすることを特徴とする
    請求項1に記載の高輝度X線又はγ線の発生方法。
  3. 【請求項3】 前記光子蓄積空胴内に導入される連続又
    は準連続のレーザー光を空胴内で変調して電子ビームの
    波形とタイミングおよび時間的波形を整合するように波
    形整形し、このレーザー光に超高反射ミラーの収束焦点
    付近で電子ビームを衝突させることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の高輝度X線又はγ線の発生方法。
  4. 【請求項4】 レーザー光を発生するレーザー発生装置
    と、このレーザー光を導入して内部に蓄積するため2つ
    の超高反射ミラーを互に対向して設けた光子蓄積空胴
    と、電子ビームを相対論的速度に加速する加速器とを備
    え、上記光子蓄積空胴は反射ミラーの共振器長さを微調
    整する長さ調整手段が設けられ、反射ミラー間を往復す
    るレーザー光の光路に電子ビームを導入して衝突させそ
    の相互作用域から生じるX線又はγ線と共に外部へ導く
    導入取出路を設けて成る高輝度X線又はγ線の発生装
    置。
  5. 【請求項5】 前記超高反射ミラーが誘電体多層膜から
    成り、反射率を99.9%以上のものとしたことを特徴
    とする請求項4に記載の高輝度X線又はγ線の発生装
    置。
  6. 【請求項6】 前記光子蓄積空胴に対し、入射される電
    子ビームの軌道を曲げて光路と所定長さ平行に進行する
    相互作用域を形成する磁場形成手段を設けたことを特徴
    とする請求項4又は5に記載の高輝度X線又はγ線の発
    生装置。
  7. 【請求項7】 前記光子蓄積空胴の2つの超高反射ミラ
    ーのうち少なくとも一方を凹面鏡として空胴内に収束焦
    点を設け、この収束焦点付近が相互作用域となるように
    電子ビームを導く取出路を設け、上記相互作用域外の任
    意の位置に高周波の光学変調器を挿入設置して空胴内に
    導入される連続波状又は準連続波状のレーザー光を変調
    し、電子ビームのパルス波形とタイミングに整合するよ
    うに波形整形するようにしたことを特徴とする請求項4
    乃至6のいずれかに記載の高輝度X線又はγ線の発生装
    置。
  8. 【請求項8】 前記光子蓄積空胴内の相互作用域外の任
    意の位置に光学変調器と共に、反射透過ミラーを挿入す
    ることを特徴とする請求項7に記載の高輝度X線の発生
    装置。
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