JPH07110329B2 - 溶剤含有ガス濃縮装置 - Google Patents

溶剤含有ガス濃縮装置

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JPH07110329B2
JPH07110329B2 JP1034809A JP3480989A JPH07110329B2 JP H07110329 B2 JPH07110329 B2 JP H07110329B2 JP 1034809 A JP1034809 A JP 1034809A JP 3480989 A JP3480989 A JP 3480989A JP H07110329 B2 JPH07110329 B2 JP H07110329B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は低濃度溶剤含有ガスを活性炭による吸脱着作用
により高濃度溶剤含有ガスに濃縮する溶剤含有ガス濃縮
装置に関し、特に、溶剤吸収塔に高濃度の溶剤含有ガス
を供給することによってその回収効率を高めるために使
用される溶剤含有ガス濃縮装置に関する。
[従来の技術] 近時、フロンガスによる大気汚染が重大な問題として注
目されており、このためフロンガスの排出規制がなされ
ようとしている。このフロンガス排出規制に対処するた
めの技術として、従前大気に放散されていたフロンガス
を回収して再使用しようとするフロンガス回収装置があ
る。
而して、この排気中のフロンガスは回収装置においてそ
のまま冷却したり、又は、従来の活性炭流動床若しくは
活性炭固定床により濃縮した後、冷却回収したり、オイ
ルに吸収して精製回収したりしていた。しかしこのよう
な方法によると、排気中のフロンガスは一般的に低濃度
であるため、回収装置が大型化せざるを得なくなるか、
又は回収率が極めて低下して実用には供し得なくなると
いう問題点がある。そこで、フロンガス回収の前処理と
して、低濃度フロン含有ガスを濃縮する手段が講じられ
ている。
この従来のガス中成分の濃縮装置としては特開昭61−16
7430号に開示されたものがある。この技術においては、
シート状吸着部材を波形に折り曲げて形成される多数の
通気孔が円筒体の回転軸と平行になるようにして前記シ
ート状吸着部材を円筒体内部に配置し、吸着用ガスと着
脱用ガスとが交互にその回転軸と平行に通過するように
前記円筒体を回転させることにより、吸着用ガス中の成
分を着脱用ガス中に高濃度に濃縮させて得るように構成
されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上述した従来の濃縮装置は、一般の溶剤
回収装置で使用されてきたものであり、回収が困難なフ
ロンガスに適用した場合には、得られる濃縮率が低いた
め、装置が大型化したり、十分な回収率でフロンを回収
することができないという難点を有する。このため、従
来の濃縮装置は屋外に排出されるフロンを極力少なくす
るという近似の要望を満足するものではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、
装置を小型化することができると共に、フロン含有ガス
濃縮率が極めて高い溶剤含有ガス濃縮装置を提供するこ
とを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る溶剤含有ガス濃縮装置は、活性炭のハニカ
ム成形体からなるロータと、このロータをそのガス通過
方向に平行の回転中心の周りに一方向に回転させる回転
手段と、低濃度溶剤含有ガスを前記ロータに対しその一
端面から導入し溶剤を前記ロータに吸着させて他端面か
ら清浄ガスを排出させる低濃度溶剤含有ガス供給手段
と、前記清浄ガス又は前記低濃度溶剤含有ガスの一部を
冷却ガスとして前記ロータに導入して冷却する冷却手段
と、前記ロータに再生ガスを循環供給する循環経路と、
この循環経路内に配設され前記ロータに導入されるガス
を加熱する加熱手段と、前記循環経路における前記加熱
手段の上流側に再生用ガスを供給する再生用ガス供給手
段と、前記循環経路に対する前記再生用ガス供給手段の
再生用ガス供給位置よりも上流側の位置から再生ガスの
一部を濃縮ガスとして抽出する濃縮ガス抽出手段と、を
有し、前記ロータはその回転中心に再生ガス、冷却ガス
及び低濃度溶剤含有ガスの通過を受けることを特徴とす
る。
[作用] 本発明においては、低濃度溶剤含有ガスはその供給手段
により前記ロータに供給され、このロータを通過するこ
とにより、活性炭のハニカム成形体にガス中の溶剤成分
が吸着してガス中から除去される。
この溶剤の吸着により清浄化された清浄ガス又は前記低
濃度溶剤含有ガスの一部は冷却ガスとして、ロータを通
過してロータを冷却する。また、循環経路により再生ガ
スがロータを通過するようになっており、再生ガスは加
熱手段により加熱された後、ロータを通過してロータに
吸着されていた溶剤を脱着(離脱)させる。従って、ロ
ータを通過してきた再生ガス中には溶剤が高濃度で含有
されており、濃縮ガス抽出手段により、この高濃度溶剤
含有ガスが前記循環経路から抽出されて適宜の溶剤回収
装置に送給される。また、前記循環経路には、再生用ガ
ス供給手段から再生用ガスが供給される。この再生用ガ
ス供給手段は例えば請求項3に記載のように前記清浄ガ
スの一部を再生用ガスとして他の加熱手段により加熱し
た後、再生用ガス供給経路を介して前記循環経路に供給
する。
本発明においては、ロータはその回転中に先ず低濃度溶
剤含有ガスの通過を受けてガス中の溶剤を吸着し、次い
で、高温の再生ガスの通過を受けて吸着していた溶剤を
脱着(離脱)する。その後、ロータは冷却ガス(清浄ガ
ス)の通過を受けて一旦冷却された後、再度低濃度溶剤
含有ガスを通過させて溶剤を吸着する。このため、再生
ガスの通過により加熱されたロータは冷却ガスにより冷
却されてその溶剤脱着作用が十分に停止した後、低濃度
溶剤含有ガスの通過を受けることになり、高温のロータ
から脱着された溶剤が清浄ガス中に混入してしまうこと
が防止される。従って、本発明は低濃度溶剤含有ガスか
らの溶剤の回収率が極めて高い。
また、本発明においては、循環経路を循環している再生
ガスの流量を低濃度溶剤含有ガスの供給流量とは独立し
て別個に制御することができる。
ハニカム成形体ロータに吸着保持されている溶剤を高温
の再生ガス中に高効率で放出させるためには、再生ガス
の熱量が可及的に多いほうが好ましい。この場合に、熱
量QはQ=cGTと表すことができる。但し、cはガス比
熱、Gはガス流量、Tはガスの温度である。この熱量Q
を高めるためには、上述の式から明らかなように、温度
Tを高くするか、又は流量Gを高くする。しかしなが
ら、温度Tを高くし過ぎると再生ガスとロータの活性炭
とが反応してロータが燃えてしまうため、温度Tを高く
することには制約がある。
そこで、本発明においては、流量Gを高めることにより
熱量Qを増大させ、これにより再生ガス中への溶剤濃縮
度を向上させることにした。この場合に、溶剤の濃縮度
は、ロータに導入される低濃度溶剤含有ガスの流量を
G1、濃縮装置から排出されて回収装置に供給される溶剤
濃縮ガスの流量をG2とすると、G1/G2で表される。従っ
て、清浄ガスの一部を加熱した後再生ガスとしてロータ
に通過させ、そのまま回収装置に供給したのでは、所要
の濃縮度を得るための低濃度溶剤含有ガスの流量G1及び
高濃度溶剤含有ガス(即ち、再生ガス)の流量G2は一義
的に決まってしまう。従って、再生ガスの流量は所要の
濃縮度から決まってしまい、流量を高めることによって
熱量Qを増大させるということはできない。
しかしながら、本発明においては、循環経路により、再
生ガスを循環させつつロータに通し、定常状態では再生
用ガス供給手段により前記循環経路内に再生用ガスを補
給しつつ、濃縮ガス抽出手段により前記循環経路からロ
ータを通過してきた再生ガスの一部を濃縮ガスとして抽
出し、これを回収装置に供給するようにしたから、ロー
タを通過する再生ガスの流量と、濃縮ガスとして本発明
の濃縮装置から排出されるガスの流量G2とは同一ではな
い。換言すれば、所要の濃縮度とは別個にロータを通過
する再生ガスの流量G3を設定することができる。従っ
て、本発明によれば、高温再生ガスの熱量を任意に制御
することができ、ロータに吸着されている溶剤を高効率
で再生ガス中に放出させることができる。
[実施例] 次に、本発明の実施例について添付の図面を参照して説
明する。
第1図は本発明をフロン含有ガスからフロンを濃縮する
フロン含有ガス濃縮装置に適用した第1実施例を示すブ
ロック図であり、第2図はそのロータ1の左端面及び右
端面を示す模式図である。ロータ1は第1図及び第2図
に示すように、円柱状又は円板状をなし、その中心軸を
水平にしてこの中心軸の周りに回転可能に設置されてい
る。そして、ロータ1は適宜の駆動源により第2図に矢
印にて示す方向に定速回転駆動される。
而して、ロータ1はフロンに対する吸着効率が優れた活
性炭でハニカム状に成形されており、ロータ1はこのハ
ニカム成形体からその細孔の延長方向(即ち、ガス通過
方向)がロータ中心軸と平行になるように切り出されて
いる。
ロータ1には、その一端面(左端面)に、冷却ガス排出
室D用のシール部材2と、再生用ガス排出室F用のシー
ル部材3と、再生ガス排出室H用のシール部材4とが相
互に隣接して配設されており、一方、ロータ1の他端面
(右端面)には、再生用ガス(高温ガス)導入室E用の
シール部材5がシール部材3と整合する位置に配設され
ており、再生ガス(高温ガス)導入室G用のシール部材
6がシール部材4と整合する位置に配設されている。各
シール部材2乃至6は、ロータ1に対し、適宜の力で押
付けられており、回転するロータ1に摺動してロータ1
との間で各室を気密的に仕切るようになっている。これ
により、シール部材2,3,4に囲まれた内側室間が夫々冷
却ガス排出室D、再生用ガス排出室F及び再生ガス(高
濃度フロン含有ガス)排出室Hになり、シール部材2,4
の外側空間が低濃度フロン含有ガス導入室Aとなる。一
方、シール部材5,6に囲まれた内側空間は夫々再生用ガ
ス導入室E及び再生ガス導入室Gとなり、シール部材5,
6の外側空間はフロン吸着後の清浄ガス排出室Bとな
る。この清浄ガス排出室Bのうち、冷却ガス排出室D
(シール部材2)と整合する領域は冷却ガスの導入領域
Cとなる。
第1図に示すように、工場等から排出された低濃度フロ
ン含有ガスは配管7を介し、配管7に介装されたブロア
7に吸引されてその導入室Aに供給され、ロータ1内に
導入される。清浄ガスは大気中に放散される部分を除
き、その一部が冷却ガス導入領域Cからロータ1内に供
給されると共に、残部がヒータ10にも供給される。
冷却ガス排出室D内のガスは配管9を介して配管7にお
けるブロア8の上流側に返戻される。また、ヒータ10に
供給された清浄ガスは再生用ガスとしてヒータ10により
加熱された後、再生用ガス導入室Eに供給される。そし
て、再生用ガス導入室Eからロータ1を通過して再生用
ガス排出室Fに排出された再生用ガスは配管11を介して
循環経路12の配管に供給される。この循環経路12はロー
タ1の再生ガス導入室Gと再生ガス排出室Hとの間を連
結しており、再生ガスをロータ1の再生ガス通過ゾーン
に対して循環供給するようになっている。この配管12に
は、ブロア13が配設されていると共に、ヒータ14が介装
されている。このブロア13によりロータ1の再生ガス通
過ゾーンに供給する再生ガスを加圧すると共に、このガ
スを所定の再生温度に加熱するようになっている。循環
経路12における配管11の連結点(再生用ガスの供給点)
16とロータ1との間には濃縮ガスの抽出用配管15が連結
されており、この配管15により、ロータ1の再生ガス通
過ゾーンを通過して溶剤を高濃度で含有する再生後ガス
の一部が抽出されてフロン回収装置(図示せず)に供給
される。
次に、上述の如く構成されたフロン含有ガス濃縮装置の
動作について第1図、第2図を参照して説明する。ブロ
ア8によりガス導入室Aに供給された低濃度フロン含有
ガスは、吸着ゾーン1aに回転してきているロータ1の部
分を通過し、この間にロータ1のハニカム成形体にフロ
ンが吸着し、フロンがガス中から除去される。得られた
清浄ガスはその排出室Bに排出される。排出室B内の清
浄ガスはその一部が冷却ガスとして冷却領域Cからロー
タ1の冷却ゾーン1bを通過し、この間にロータ1を冷却
した後、冷却ガス排出室Dに排出される。この冷却後の
ガスは配管9を介して配管7におけるブロア8の上流側
に供給される。一方、清浄ガスの一部はヒータ10にも供
給される。そして、この清浄ガスはヒータ10により加熱
され、高温の再生用ガスとなって再生用ガス導入室Eに
供給される。この再生用ガスは再生用ガス通過ゾーン1c
において、ロータ1を通過し、ロータ1に吸着している
フロンを加熱してロータ1から離脱させる。このように
して、フロンを高濃度に含有する再生用ガス(高濃度フ
ロン含有ガス)が配管11を介して循環経路12内にその連
結点16から供給される。そして、この再生用ガスは循環
経路12内をロータ1から排出されてきた再生後ガスと合
流して再生ガスとなり、この再生ガスはブロア13により
吸引され、ヒータ14により加熱された後、ロータ1の再
生ガス導入室Gに供給される。この高温の再生ガスは、
ロータ1の再生ガス通過ゾーン1dを通過してロータ1に
吸着しているフロンを加熱し、ロータ1から離脱させ
る。従って、再生ガス通過ゾーン1dを通過してきた再生
後ガスは極めて高濃度のフロンを含有している。そこ
で、この再生後ガスの一部を前述の再生用ガスの供給点
16よりも上流側の循環経路12に連結された配管15を介し
て抽出し、適宜のフロン回収装置に送給する。これによ
り、極めて高濃度のフロン含有ガスをフロン回収装置に
送給してフロンの回収に供することができる。
このように、ロータ1が第2図中矢印で示す方向に定速
回転する間に、ロータ1は吸着ゾーン1aにおいて、低濃
度フロン含有ガスの通過を受けてフロンを吸着し、その
後再生用ガス通過ゾーン1c及び再生ガス通過ゾーン1dに
おいて夫々高温の再生用ガス及び再生ガスの通過を受け
てフロンを着脱する。次いで、ロータ1は冷却ゾーン1b
において冷却ガスの通過を受けて冷却される。このよう
な工程を繰返すことにより、フロンが極めて高い濃縮率
で濃縮されて高濃度フロン含有ガスが得られる。
なお、フロン濃縮率を高めるために、再生用ガス通過ゾ
ーン1c及び再生ゾーン1dにおいて、ロータ1に吸着され
ていたフロンを全量脱着させることとせず、若干残存さ
せた状態で吸着ゾーン1aに移るようにすることが好まし
い。
これは活性炭のフロン離脱速度が、高温ガスにより加熱
された後、一定時間経過すると著しく低下するためであ
り、このため再生ガス通過ゾーン1d及び再生用ガス通過
ゾーン1cを長くしてロータの加熱時間を長くしてもフロ
ン離脱効果上無意味であるからである。
また、上記実施例においては、再生用ガスの通過を受け
た後、ロータ1は冷却ゾーン1bを通過して冷却される。
これは、再生用ガズ及び再生ガスの通過を受けて加熱さ
れたままの状態で活性炭ロータが吸着ゾーン1aに入る
と、ロータに吸着されているフロンと清浄ガス排出室B
におけるフロンとの間にフロンの蒸気分圧差が存在する
ため、未だ高温の状態のロータからフロンが離脱し、清
浄ガス排出室Bにフロンが排出されてしまうからであ
る。このため、冷却ゾーン1bを通過させた後吸着ゾーン
1aに入らせるようにして、再生用ガス通過ゾーン1c及び
再生ガス通過ゾーン1dにて加熱されて高温になっている
ロータ1の部分を冷却してフロンが離脱されにくい状態
におく。これにより、清浄ガス中には離脱フロンガスが
混入しないので、フロン濃度が極めて低い清浄ガスを得
ることができ、換言すれば極めて高濃度の濃縮フロンガ
スが得られる。
更に、上述の如く、再生ガスは循環経路12を介してロー
タ1の再生ゾーン1dを循環通流している。そして、再生
後ガスの一部が回収装置で必要とする量だけ配管15を介
して抽出され、回収装置に送給されると共に、抽出され
た分の流量を補充するだけの量の再生用ガスが配管11を
介して循環経路12に供給される。従って、この場合の濃
縮倍率は、清浄ガス中のフロン量が無視できる位少ない
ので、低濃度溶剤含有ガスの流量G1と配管15から抽出さ
れた再生後ガスの流量G2との比G1/G2で与えられる。換
言すれば、所要の濃縮度を得るために必要な流量だけ、
低濃度溶剤含有ガスを本実施例の濃縮装置に供給すると
共に、高濃度溶剤含有ガスのこの濃縮装置から抽出すれ
ば良い。
一方、再生ガスのロータ通過流量G3は循環経路12内をブ
ロア13により吸引されて通流する流量であり、この流量
G3は前述の流量G1及びG2に拘らず、独立して設定し、制
御することができる。従って、再生ガスが有する熱量Q
はcG3Tとなり、この流量G3を調節することにより、前述
の濃縮倍率とは別個にこの再生ガス熱量を制御すること
ができる。これにより、濃縮倍率が約20倍以上と極めて
高い装置においても、即ち濃縮装置から排出される濃縮
ガスの流量G2が少ない装置においても、ロータ1の再生
ガス通過ゾーン1dを通過する再生ガスの流量G3は十分多
くすることができ、従って、ロータ1からフロンを高効
率で離脱させるのに十分な熱量を再生ガスに具有させる
ことができる。このため、回収装置に送給する再生後ガ
ス中のフロン濃度を著しく高めることができる。また、
ロータ1に残留するフロン量が極めて少なくなり、ロー
タ1の耐久性又は交換寿命を高めることができる。
第3図はロータ1の厚さ方向についてのフロン濃度(重
量%)の分布を示す模式図である。第3図(a)は吸着
ゾーン1aにおけるフロン濃度分布であり、低濃度フロン
含有ガスの入り口側の濃度が高く、出口側になるにつれ
て濃度が低下している。そして、第3図(b)に示すよ
うに、再生ガス通過ゾーン1dにおいては、高温の再生ガ
スの通過を受けてフロンがロータから離脱し、フロン濃
度が全体的に低下している。次いで、第3図(c)に示
すように、再生用ガス通過ゾーン1cにおいて、同様に高
温の再生用ガスの通過を受けて更にフロンの離脱が進行
し、フロン濃度が更に一層低下する。なお、再生ガス及
び再生用ガスは低濃度フロン含有ガスの通過方向と逆方
向に通過する。この場合に、再生用ガス通過ゾーン1cを
出たロータ中には、第3図(c)に示すように、フロン
が不可避的残量30として残存する。この不可避的残量30
は低濃度フロン含有ガスの入り口側の方が吸着量が多
く、また再生ガスの温度低下も大きくなることから、低
濃度フロン含有ガスの入り口側の方が出口側よりも多
い。
次に、本発明の第2の実施例について第4図のフローチ
ャートを参照して説明する。
本実施例は循環経路を通流する再生ガスのロータ1に対
する通過方向が第1の実施例と異なり、その他の構成は
第1の実施例と同様であるので、第4図において第1図
と同一物には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例においては、循環経路17により再生ガスがロー
タ1の再生ガス通過ゾーン1dに循環供給されるが、循環
経路17に介装されたブロア18はこの再生ガスをロータ1
における低濃度溶剤含有ガスの導入面側に導入し、再生
後ガスをロータ1における清浄ガスの排出面側から排出
する。そして、ブロア18の下流側に介装したヒータ19に
より再生ガスを加熱した後ロータ1に供給する。
また、ブロア18の上流側には、再生用ガス供給点20が設
けられており、配管11がこの循環経路17の供給点20に連
結されていて、ロータ1の再生用ガス通過ゾーン1cを通
過した再生用ガスが配管11を介して循環経路17に供給さ
れるようになっている。
更に、循環経路17における再生用ガス供給点20の上流側
には、配管21が連結されていて、ロータ1を通過してき
た再生後ガスの一部がこの配管21を介して抽出され、適
宜の回収装置に送給されるようになっている。
上述の如く構成された本実施例においては、再生ガスの
ロータ通過方向が前述の第1の実施例と異なり、低濃度
溶剤含有ガスの通過方向と同一である。その他の構成は
第1の実施例と同様であるので、本実施例も第1の実施
例と基本的には同様の作用効果を奏する。
而して、前述の第1の実施例の場合には、清浄ガスが排
出される側のロータ端面に、高濃度で溶剤を含有する再
生後ガスがブロア14により高圧で供給される。従って、
この再生後ガスが清浄ガス中に漏洩することを防止する
ためには、再生ガス導入室Gと清浄ガス排出室Bとを仕
切るシール部材5,6によるシール性を極めて高度に確保
する必要がある。また、このようにシール性を高めて
も、高濃度溶剤含有ガスが清浄ガス中に漏洩する虞を解
消することはできない。
しかしながら、本実施例は再生後ガスの排出面と、低濃
度溶剤含有ガスの排出面とが同一であり、これらのガス
排出室がロータ1の同一面側に設けられている。従っ
て、負圧となるガス排出室が再生ガスと清浄ガスとでロ
ータ1の同一面側に位置するので、高濃度で溶剤フロン
を含有する再生後ガスが清浄ガス排出室B内に漏出する
ことが抑制される。
第5図はこの第2の実施例におけるロータ1の厚さ方向
についてのフロン濃度分布の変化を示す模式図である。
吸着ゾーン1aにおいては、第5図(a)に示すように、
低濃度溶剤含有ガスの通過方向にフロン濃度が低下する
分布を有する。一方、再生ガス通過ゾーン1dにおいて
は、高温の再生ガスが低濃度溶剤含有ガスと同一方向に
通過するので、第5図(b)に示すように、再生ガスの
導入面側で高温の再生ガスによるフロンの離脱作用を受
けて大量にフロンが離脱し、再生ガスの排出面側では再
生ガスの温度が比較的低下するためフロンの離脱作用が
鈍化する。また、再生用ガス通過ゾーン1cにおいては、
高温の再生用ガスが前述の再生ガスと逆方向にロータ1
を通過するので、その導入面側の方が高効率でフロンが
離脱するため、第5図(c)に示すように、ロータ1の
厚さ方向中央にて比較的大量のフロンが残存する。本実
施例においては、前述の如く、濃縮ガスの漏洩の虞がな
い替わりに、ロータ1に残存するフロンの不可避的残量
31は第1の実施例よりも若干多い。
第6図は本発明の第3の実施例を示すフロー図である。
第6図において第5図と同一物には同一符号を付して説
明を省略する。
本実施例は、再生ガスの通過方向の外に、再生用ガスの
通過方向も、低濃度溶剤含有ガスの通過方向と同一の方
向にしたものである。循環経路22に介装されたブロア23
及びヒータ24により再生ガスは加熱された後ロータ1の
一端面側に導入される。この一端面側は低濃度溶剤含有
ガスが導入される側であり、清浄ガスの一部が再生用ガ
スとして配管25を介してヒータ26により加熱された後、
同様にこのロータ1の一端面側に供給されるようになっ
ている。そして、この再生用ガスはロータ1を通過した
後、配管25により循環経路22の再生用ガス供給点28に供
給される。一方、循環経路22における再生用ガス供給点
28の上流側には配管29が連結されていて、ロータ1を通
過して溶剤を高濃度で含有する再生後ガスの一部を配管
29により抽出し、適宜の回収装置に送給するようになっ
ている。
本実施例においては、再生用ガス通過ゾーン1cを出たロ
ータ部分には、フロンが再生ガス通過方向の出口側で多
く残留するような分布で不可避的残量が残るが、再生用
ガスの通過方向と再生ガス及び低濃度溶剤含有ガスの通
過方向とが同一であるので、第1の実施例と同様に不可
避的残量が少ない。また、再生用ガス及び再生ガスの負
圧となるロータ面は、低濃度溶剤含有ガスと同一の面で
あるから、高濃度溶剤含有ガスの漏洩も極めて少ない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、再生ガスの流量
を所望の濃縮率に拘らず独立して制御し、フロンの離脱
熱量を著しく高めることができるから、極めて高濃度の
濃縮溶剤(フロン)ガスを、極めて高い濃縮率で得るこ
とができる。このため、溶剤(フロン)の回収装置にお
ける回収効率を高めることが可能になり、フロンを使用
する産業にとって、フロンガス使用の継続が可能になる
等、本発明はフロンガス等の溶剤使用技術分野に対し著
しい貢献をなす。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例に係る溶剤濃縮装置を示
すブロック図、第2図はその同じくロータ端面を示す模
式図、第3図はロータ断面方向についての溶剤濃度分布
を示す模式図、第4図は本発明の第2の実施例に係る溶
剤濃縮装置を示すブロック図、第5図は同じくそのロー
タ断面方向についての溶剤濃度分布を示す模式図、第6
図は本発明の第3の実施例に係る溶剤濃縮装置を示すブ
ロック図である。 1;ロータ、1a;吸着ゾーン、1b;冷却ゾーン、1c;再生ガ
ス通過ゾーン、1d;再生ガス通過ゾーン、2,3,4;シール
部材、8,13,18,23;ブロア、10,14,19,24,26;ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/81

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭のハニカム成形体からなるロータ
    と、このロータをそのガス通過方向に平行の回転中心の
    周りに一方向に回転させる回転手段と、低濃度溶剤含有
    ガスを前記ロータに対しその一端面から導入し溶剤を前
    記ロータに吸着させて他端面から清浄ガスを排出させる
    低濃度溶剤含有ガス供給手段と、前記清浄ガス又は前記
    低濃度溶剤含有ガスの一部を冷却ガスとして前記ロータ
    に導入して冷却する冷却手段と、前記ロータに再生ガス
    を循環供給する循環経路と、この循環経路内に配設され
    前記ロータに導入されるガスを加熱する加熱手段と、前
    記循環経路における前記加熱手段の上流側に再生用ガス
    を供給する再生用ガス供給手段と、前記循環経路に対す
    る前記再生用ガス供給手段の再生用ガス供給位置よりも
    上流側の位置から再生ガスの一部を濃縮ガスとして抽出
    する濃縮ガス抽出手段と、を有し、前記ロータはその回
    転中心に再生ガス、冷却ガス及び低濃度溶剤含有ガスの
    通過を受けることを特徴とする溶剤含有ガス濃縮装置。
  2. 【請求項2】前記冷却手段は冷却後ガスを低濃度溶剤含
    有ガスと共に前記ロータに再導入することを特徴とする
    請求項1に記載の溶剤含有ガス濃縮装置。
  3. 【請求項3】前記再生用ガス供給手段は前記清浄ガスの
    一部を前記ロータにおける再生ガス供給領域と前記冷却
    ガス供給領域との中間の領域にて通過させた後、前記循
    環経路の前記加熱手段の上流側に供給する再生用ガス供
    給経路と、この再生ガス供給経路における前記ロータの
    上流側に配設されて再生用ガスを加熱する他の加熱手段
    とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶
    剤含有ガス濃縮装置。
  4. 【請求項4】前記循環経路は、前記ロータの前記他端面
    側から前記再生ガスを前記ロータに導入することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶剤含有
    ガス濃縮装置。
  5. 【請求項5】前記循環経路は、前記ロータの前記一端面
    側から前記再生ガスを前記ロータに導入することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶剤含有
    ガス濃縮装置。
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