JPH07109782B2 - スパークプラグ - Google Patents
スパークプラグInfo
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- JPH07109782B2 JPH07109782B2 JP62164146A JP16414687A JPH07109782B2 JP H07109782 B2 JPH07109782 B2 JP H07109782B2 JP 62164146 A JP62164146 A JP 62164146A JP 16414687 A JP16414687 A JP 16414687A JP H07109782 B2 JPH07109782 B2 JP H07109782B2
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Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は内燃機関用のスパークプラグの特に少なくと
も中心電極の先端部に耐食性、耐火花消耗性に優れた白
金系チップを具えたスパークプラグの放電特性の改良に
関する。
も中心電極の先端部に耐食性、耐火花消耗性に優れた白
金系チップを具えたスパークプラグの放電特性の改良に
関する。
（従来の技術） 近年、内燃機関に使用されるスパークプラグは着火性の
向上及びメンテナンスフリーの観点から消耗の多い中心
電極の先端放電部に白金、白金合金などの白金系チップ
を接合して使用することが知られている。かかるチップ
を具えたスパークプラグとしては（イ）白金合金の塊を
放電部に接合するタイプ、（ロ）白金合金の薄い円板を
放電部に接合するタイプ、（ハ）白金合金の薄い円板を
多層して放電部に接合するタイプが実用化されており、
これらチップはいずれも中心電極の截頭円錐の先端に露
出された構造の長寿命プラグである。
向上及びメンテナンスフリーの観点から消耗の多い中心
電極の先端放電部に白金、白金合金などの白金系チップ
を接合して使用することが知られている。かかるチップ
を具えたスパークプラグとしては（イ）白金合金の塊を
放電部に接合するタイプ、（ロ）白金合金の薄い円板を
放電部に接合するタイプ、（ハ）白金合金の薄い円板を
多層して放電部に接合するタイプが実用化されており、
これらチップはいずれも中心電極の截頭円錐の先端に露
出された構造の長寿命プラグである。
（発明が解決しようとする課題） しかしながら上記構造のスパークプラグは放電部に白金
合金等のチップを接合していることにより走行距離に対
する火花消耗が抑制され、火花間隙の増加が緩やかであ
る反面、その割りには放電電圧の上昇が激しく放電電圧
の低減対策が望まれていた。ところで、ニッケル電極プ
ラグと白金電極プラグでは加圧力に対する放電電圧のバ
ラツキは第５図に示すようになり、白金電極のものはニ
ッケル電極に比べて放電電圧のバラツキが著しく大きく
なっている。そして白金電極の放電電圧が高く且つ大き
なバラツキの原因としては白金が高融点で酸化されない
性質と関連があると考えられ、実際にある程度走行距離
を経た放電面はエッジが取れ鏡面状となっており、これ
がため電界強度が低下し、また電界のより高い部位へと
放電位置が変化するために放電電圧がバラツクと考えら
れる。一方ニッケル電極は火花エネルギー及び高温燃焼
ガスの両者により局部融解あるいは酸化が生じ、放電面
は凹凸が激しい粗面となり、このミクロ的な粗面による
電界集中で放電電圧のバラツキが抑制されるものと考え
られる。
合金等のチップを接合していることにより走行距離に対
する火花消耗が抑制され、火花間隙の増加が緩やかであ
る反面、その割りには放電電圧の上昇が激しく放電電圧
の低減対策が望まれていた。ところで、ニッケル電極プ
ラグと白金電極プラグでは加圧力に対する放電電圧のバ
ラツキは第５図に示すようになり、白金電極のものはニ
ッケル電極に比べて放電電圧のバラツキが著しく大きく
なっている。そして白金電極の放電電圧が高く且つ大き
なバラツキの原因としては白金が高融点で酸化されない
性質と関連があると考えられ、実際にある程度走行距離
を経た放電面はエッジが取れ鏡面状となっており、これ
がため電界強度が低下し、また電界のより高い部位へと
放電位置が変化するために放電電圧がバラツクと考えら
れる。一方ニッケル電極は火花エネルギー及び高温燃焼
ガスの両者により局部融解あるいは酸化が生じ、放電面
は凹凸が激しい粗面となり、このミクロ的な粗面による
電界集中で放電電圧のバラツキが抑制されるものと考え
られる。
また、白金系チップを具えた他の従来プラグとして中心
電極の先端に外筒を白金系合金でその内部芯をニッケル
合金あるいはその逆に形成した円柱状クラッド材からな
るチップを接合して用いることが特開昭49−41734号公
報にて知られているが、このプラグはチップ径が中心電
極と同径に大きいため、放電電圧の低減効果が得られ
ず、また内部芯径の白金系合金と大きさが特定寸法でな
いために走行距離に対する放電電圧の抑制効果が十分に
発揮され得ないものであった。
電極の先端に外筒を白金系合金でその内部芯をニッケル
合金あるいはその逆に形成した円柱状クラッド材からな
るチップを接合して用いることが特開昭49−41734号公
報にて知られているが、このプラグはチップ径が中心電
極と同径に大きいため、放電電圧の低減効果が得られ
ず、また内部芯径の白金系合金と大きさが特定寸法でな
いために走行距離に対する放電電圧の抑制効果が十分に
発揮され得ないものであった。
この発明の目的は上記の如き白金電極プラグの問題点で
ある放電電圧を新品から長時間使用後において低く抑え
て着火性を向上し、且つ安定したドライバビリティーを
具えるスパークプラグの提供にある。
ある放電電圧を新品から長時間使用後において低く抑え
て着火性を向上し、且つ安定したドライバビリティーを
具えるスパークプラグの提供にある。
（課題を解決するための手段） この発明は外側電極と対設して火花間隙を形成する中心
電極の先端放電部に円柱状クラッド材のチップを埋設接
合してなるスパークプラグにおいて、前記チップは外筒
をニッケル合金、内部芯を白金系合金とし、前記中心電
極の基部径D1、前記チップの外筒径をＡ、内部芯径を
Ｂ、外筒の肉厚をＣ及びチップ長さをＬとしたとき、Ａ
＜D1、Ａ≦1.5mm、0.5mm≦Ｂ≦0.9mm、0.1≦Ｃ≦0.5m
m、Ｌ≧0.3mmの寸法を満足するチップを具えてなるスパ
ークプラグであり、またこの発明の第２は上記構成のチ
ップを具えると共に中心電極先端部に前記チップを含む
細径部を有し、該細径部は、細径部のチップ先端部から
の長さをＥ、長さＥに相当する細径部の外形をＤとした
とき、D1＞Ｄ、Ｄ≧Ａ＋0.2mm、Ｅ≧1.5mmを満足する円
柱状または先細のテーパー状に細径としてなるスパーク
プラグである。
電極の先端放電部に円柱状クラッド材のチップを埋設接
合してなるスパークプラグにおいて、前記チップは外筒
をニッケル合金、内部芯を白金系合金とし、前記中心電
極の基部径D1、前記チップの外筒径をＡ、内部芯径を
Ｂ、外筒の肉厚をＣ及びチップ長さをＬとしたとき、Ａ
＜D1、Ａ≦1.5mm、0.5mm≦Ｂ≦0.9mm、0.1≦Ｃ≦0.5m
m、Ｌ≧0.3mmの寸法を満足するチップを具えてなるスパ
ークプラグであり、またこの発明の第２は上記構成のチ
ップを具えると共に中心電極先端部に前記チップを含む
細径部を有し、該細径部は、細径部のチップ先端部から
の長さをＥ、長さＥに相当する細径部の外形をＤとした
とき、D1＞Ｄ、Ｄ≧Ａ＋0.2mm、Ｅ≧1.5mmを満足する円
柱状または先細のテーパー状に細径としてなるスパーク
プラグである。
（作用） 上記のように構成したこの発明によれば放電電圧の低下
は外筒のニッケル電極部分で、耐火花消耗性は内部芯の
白金電極部分で確保しようとするものであり、しかも外
筒ニッケル電極部分が消耗して白金電極部分が露出して
も白金電極径を0.9mmより小さくしておけば先端径の効
果で放電電圧を低く保つことができる。さらに中心電極
先端部を長さ1.5mm以上円柱状または先細テーパー状に
細径とすることにより電極形状効果により一層放電電圧
を低く抑えることができる。
は外筒のニッケル電極部分で、耐火花消耗性は内部芯の
白金電極部分で確保しようとするものであり、しかも外
筒ニッケル電極部分が消耗して白金電極部分が露出して
も白金電極径を0.9mmより小さくしておけば先端径の効
果で放電電圧を低く保つことができる。さらに中心電極
先端部を長さ1.5mm以上円柱状または先細テーパー状に
細径とすることにより電極形状効果により一層放電電圧
を低く抑えることができる。
（実施例） 以下、この発明を図面によって具体的に説明する。
第１図及び第２図はこの発明の一実施例を示すスパーク
プラグの要部断面を示した正面図であり、第２図は中心
電極の発火部の要部拡大断面図である。（１）は通常使
用されているニッケル合金からなる中心電極で、その内
部には銅などの良熱伝導性材料が封入されている。
（２）は前記中心電極（１）の先端放電部に接合された
チップであり、第３図に示すように外筒（３）がNi−Si
−Mn,Ni−Si−Cr−Al,Ni−Cr−Feなどのニッケル合金材
から形成され、その内部芯（４）がPt−Ir,Pt−Rh,Pt−
Ru,Pt−Ir−Niなどの白金系合金を封入した円柱状のク
ラッド材から構成されている。このクラッド材の丸棒の
長さを所定寸法に切断した後、前記中心電極（１）の先
端面（1a）に載置し、電気抵抗溶接、超音波溶接、電子
ビーム又はレーザー溶接などにより埋設接合されてチッ
プ（２）を形成する。（５）は絶縁体であり、前記中心
電極（１）を軸孔の先端（5a）から露出して配され、ガ
ラスシールなどの公知の手法により固着されている。
（６）は先端側に取付ねじ（6a）を具えた主体金具で、
その内腔内に前記絶縁体（５）が嵌入固着され、その主
体金具（６）の下端面に接合されて曲折された外側電極
（７）の側面と前記中心電極（１）のチップ（２）の先
端面（2a）との間に火花間隙（８）を形成したスパーク
プラグであり、また前記外側電極（７）の側面には図示
のような白金又は白金合金からなる円柱状、薄板のチッ
プ（９）を設け、前記中心電極（１）のチップ（２）と
の間に火花間隙（８）を形成したスパークプラグであっ
てもよい。
プラグの要部断面を示した正面図であり、第２図は中心
電極の発火部の要部拡大断面図である。（１）は通常使
用されているニッケル合金からなる中心電極で、その内
部には銅などの良熱伝導性材料が封入されている。
（２）は前記中心電極（１）の先端放電部に接合された
チップであり、第３図に示すように外筒（３）がNi−Si
−Mn,Ni−Si−Cr−Al,Ni−Cr−Feなどのニッケル合金材
から形成され、その内部芯（４）がPt−Ir,Pt−Rh,Pt−
Ru,Pt−Ir−Niなどの白金系合金を封入した円柱状のク
ラッド材から構成されている。このクラッド材の丸棒の
長さを所定寸法に切断した後、前記中心電極（１）の先
端面（1a）に載置し、電気抵抗溶接、超音波溶接、電子
ビーム又はレーザー溶接などにより埋設接合されてチッ
プ（２）を形成する。（５）は絶縁体であり、前記中心
電極（１）を軸孔の先端（5a）から露出して配され、ガ
ラスシールなどの公知の手法により固着されている。
（６）は先端側に取付ねじ（6a）を具えた主体金具で、
その内腔内に前記絶縁体（５）が嵌入固着され、その主
体金具（６）の下端面に接合されて曲折された外側電極
（７）の側面と前記中心電極（１）のチップ（２）の先
端面（2a）との間に火花間隙（８）を形成したスパーク
プラグであり、また前記外側電極（７）の側面には図示
のような白金又は白金合金からなる円柱状、薄板のチッ
プ（９）を設け、前記中心電極（１）のチップ（２）と
の間に火花間隙（８）を形成したスパークプラグであっ
てもよい。
この発明において中心電極（１）の先端に接合されたチ
ップ（２）は第２図及び第３図に示すように、チップ
（２）の外径であるニッケル合金の外筒（３）の外径Ａ
を1.5mm以下、白金系合金の内部芯（４）の外径Ｂを0.5
mm〜0.9mmの範囲にすると共に、チップ長さＬを0.3mm以
上としたものである。そしてかかる寸法の限定理由とし
てチップ外径ＡはＡ≦1.5mmでないと火炎がチップ
（２）の熱容量の増大によって吸収冷却されるいわゆる
消炎効果が大きく、走行距離の比較的短い初期状態にお
いて着火性を十分に満足することができない。第６図
は、白金電極プラグとニッケル電極プラグの先端径に対
する放電電圧の関係を示し、内部芯径Ｂは第６図に示す
ように、先端径が0.9mm以下でないと外筒のニッケル合
金電極部分が消耗し、白金電極部分が露出したとき第６
図の○で示した白金電極プラグの火花放電電圧のバラツ
キ特性から放電電圧を低下させる効果が得られなく、ま
た10万kmの火花消耗性を保証するためには白金量は多く
する必要があり、そのためにはＢは最低0.5mmが必要で
ある。またニッケル合金の外筒の肉厚は円筒グラッドの
成形レイアウトより大きな径のクラッド丸棒を所定寸法
に絞る関係から変形抵抗の異なる白金合金とニッケル合
金のため外筒肉厚Ｃは0.1mm≦Ｃ≦0.5mmが必要であり、
またニッケル合金の肉厚によって応力緩和を図るが、そ
の効果は0.1mmで飽和してしまうため、少なくとも0.1mm
以上必要である。さらにチップ長さＬはＬ≧0.3mmが必
要であり0.3mmより小さいと接合時に中心電極に埋没し
てしまい、円筒クラッドを用いて放電電圧を低減する効
果が失われてしまうためである。さて直径2.5mmの中心
電極（１）の先端に、Pt−20Ir（20wt％Ir）合金からな
る直径0.7mmの内部芯（４）をインコネル600材の外筒
（３）で覆った直径0.9mmのクラッド丸棒を長さ0.5mmに
切断して抵抗溶接して実質的チップの長さ0.3mmの中心
電極を作り、この中心電極先端部を第２図に示すように
先端径1.5mm×長さ0.8mmに亘って円錐台形に切削した中
心電極を絶縁体（５）に固着した後、主体金具（６）に
組付けたこの発明スパークプラグＡと比較用の従来の白
金プラグＢとして直径2.5mmの中心電極の截頭円錐（先
端径1.5mm×長さ0.8mm）の先端面に直径0.9mm×長さ0.7
mmのPt−20Ir合金チップを抵抗溶接した同様に組付けた
ものを用意して走行距離に対する耐久テストを行った。
その結果は第７図に示すように、この発明スパークプラ
グＡは実線で示す使用初期（ａ）では放電電圧（加圧力
4kg/cm2）が先端径Ａ（直径0.9mm）及びニッケル合金材
で低く抑えられる。使用中期（ｂ）では図のように白金
電極周辺のニッケル合金材が選択的に消耗し、この間も
放電電圧が低く抑えられる。使用後期（ｃ）では白金電
極（Ｂ）の先端部が露出するが、Ｂを十分に小さく0.9m
m以下とすれば第６図に示すように、白金電極の先端径
の関係から放電電圧が低くなり使用全域で放電電圧が低
くなる。これに対して上述の直径0.9mm×長さ0.7mmの無
垢の白金チップの従来プラグＢは第７図の点線で示すよ
うに放電電圧が高く、使用後期（ｃ）では点火電源の限
界電圧を越えるおそれがあり、着火ミスを生じる不具合
がある。
ップ（２）は第２図及び第３図に示すように、チップ
（２）の外径であるニッケル合金の外筒（３）の外径Ａ
を1.5mm以下、白金系合金の内部芯（４）の外径Ｂを0.5
mm〜0.9mmの範囲にすると共に、チップ長さＬを0.3mm以
上としたものである。そしてかかる寸法の限定理由とし
てチップ外径ＡはＡ≦1.5mmでないと火炎がチップ
（２）の熱容量の増大によって吸収冷却されるいわゆる
消炎効果が大きく、走行距離の比較的短い初期状態にお
いて着火性を十分に満足することができない。第６図
は、白金電極プラグとニッケル電極プラグの先端径に対
する放電電圧の関係を示し、内部芯径Ｂは第６図に示す
ように、先端径が0.9mm以下でないと外筒のニッケル合
金電極部分が消耗し、白金電極部分が露出したとき第６
図の○で示した白金電極プラグの火花放電電圧のバラツ
キ特性から放電電圧を低下させる効果が得られなく、ま
た10万kmの火花消耗性を保証するためには白金量は多く
する必要があり、そのためにはＢは最低0.5mmが必要で
ある。またニッケル合金の外筒の肉厚は円筒グラッドの
成形レイアウトより大きな径のクラッド丸棒を所定寸法
に絞る関係から変形抵抗の異なる白金合金とニッケル合
金のため外筒肉厚Ｃは0.1mm≦Ｃ≦0.5mmが必要であり、
またニッケル合金の肉厚によって応力緩和を図るが、そ
の効果は0.1mmで飽和してしまうため、少なくとも0.1mm
以上必要である。さらにチップ長さＬはＬ≧0.3mmが必
要であり0.3mmより小さいと接合時に中心電極に埋没し
てしまい、円筒クラッドを用いて放電電圧を低減する効
果が失われてしまうためである。さて直径2.5mmの中心
電極（１）の先端に、Pt−20Ir（20wt％Ir）合金からな
る直径0.7mmの内部芯（４）をインコネル600材の外筒
（３）で覆った直径0.9mmのクラッド丸棒を長さ0.5mmに
切断して抵抗溶接して実質的チップの長さ0.3mmの中心
電極を作り、この中心電極先端部を第２図に示すように
先端径1.5mm×長さ0.8mmに亘って円錐台形に切削した中
心電極を絶縁体（５）に固着した後、主体金具（６）に
組付けたこの発明スパークプラグＡと比較用の従来の白
金プラグＢとして直径2.5mmの中心電極の截頭円錐（先
端径1.5mm×長さ0.8mm）の先端面に直径0.9mm×長さ0.7
mmのPt−20Ir合金チップを抵抗溶接した同様に組付けた
ものを用意して走行距離に対する耐久テストを行った。
その結果は第７図に示すように、この発明スパークプラ
グＡは実線で示す使用初期（ａ）では放電電圧（加圧力
4kg/cm2）が先端径Ａ（直径0.9mm）及びニッケル合金材
で低く抑えられる。使用中期（ｂ）では図のように白金
電極周辺のニッケル合金材が選択的に消耗し、この間も
放電電圧が低く抑えられる。使用後期（ｃ）では白金電
極（Ｂ）の先端部が露出するが、Ｂを十分に小さく0.9m
m以下とすれば第６図に示すように、白金電極の先端径
の関係から放電電圧が低くなり使用全域で放電電圧が低
くなる。これに対して上述の直径0.9mm×長さ0.7mmの無
垢の白金チップの従来プラグＢは第７図の点線で示すよ
うに放電電圧が高く、使用後期（ｃ）では点火電源の限
界電圧を越えるおそれがあり、着火ミスを生じる不具合
がある。
第４図はこの発明の第２発明を示すスパークプラグの実
施例の中心電極の発火部の要部拡大断面であり、中心電
極（１）の先端面（1a）に上記第２図の実施例と同様に
チップ（２）を接合した後、中心電極（１）の先端部
（1b）をチップ先端面（2a）から長さＥをＥ≧1.5mm、
その外径ＤをＤ≧Ａ＋0.2mmとなるように中心電極基部
径D1より細く切削して細径部を形成したスパークプラグ
であり、第４図（イ）は円柱状に、第４図（ロ）は先細
のテーパー状の細径部に形成したものである。
施例の中心電極の発火部の要部拡大断面であり、中心電
極（１）の先端面（1a）に上記第２図の実施例と同様に
チップ（２）を接合した後、中心電極（１）の先端部
（1b）をチップ先端面（2a）から長さＥをＥ≧1.5mm、
その外径ＤをＤ≧Ａ＋0.2mmとなるように中心電極基部
径D1より細く切削して細径部を形成したスパークプラグ
であり、第４図（イ）は円柱状に、第４図（ロ）は先細
のテーパー状の細径部に形成したものである。
このように中心電極先端部を長さが少くとも1.5mm以上
にわたって中心電極の基部径D1より細くする細径部の電
極形状によって第８図に示すように白金電極プラグで放
電電圧が高い加圧力4kg/cm2（40〜60km/H走行）におい
て放電電圧が顕著に低下することができる。また中心電
極先端部の径Ｄはチップ径Ａより少なくとも0.2mm太く
することによってクラッド材のチップ（２）の堅牢に保
持でき、前記数値（0.2mm）より小さいと肉厚が薄く、
接合部分に酸化が進展し、機関の冷熱繰返し運転（アイ
ドリング１分と全負荷１分）によりクラックが生じチッ
プの耐久性が損なわれることがある。
にわたって中心電極の基部径D1より細くする細径部の電
極形状によって第８図に示すように白金電極プラグで放
電電圧が高い加圧力4kg/cm2（40〜60km/H走行）におい
て放電電圧が顕著に低下することができる。また中心電
極先端部の径Ｄはチップ径Ａより少なくとも0.2mm太く
することによってクラッド材のチップ（２）の堅牢に保
持でき、前記数値（0.2mm）より小さいと肉厚が薄く、
接合部分に酸化が進展し、機関の冷熱繰返し運転（アイ
ドリング１分と全負荷１分）によりクラックが生じチッ
プの耐久性が損なわれることがある。
なお、中心電極（１）の先端部（1b）の細径加工はチッ
プ（２）の溶接後が中心電極の変形を防止する上で好ま
しいが、予め切削又は絞り加工によって形成してもよ
い。またチップ（２）は中心電極先端面（1a）に予め凹
部を形成し、この凹部内にチップ（２）を載置して溶接
してもよく、この場合にはチップの偏心が防止され且つ
接合強度をより高めることができる。さらにこの発明の
クラッド材のチップは第９図に示すように、外筒（３）
と内部芯（４）との間に中間層（11）を設けた多層クラ
ッド材でもよく、例えば外筒（３）はインコネル600な
どのニッケル合金、中心の内部芯（４）はPt−Ir合金、
Ir材、さらに中間層（11）はPt−Nr、Pt−Ni−Ｙ合金か
ら形成したものであり、かかる中間層の介在によってク
ラッド材の接合面の応力緩和をなして接合強度を向上す
ることができる。なおこの場合のＢ寸法としては中間層
（11）の外径である。また中間層は外層に向ってNi添加
量の多いPt−Ni合金を用いて各接合面に応力緩和を一層
なすことができる。
プ（２）の溶接後が中心電極の変形を防止する上で好ま
しいが、予め切削又は絞り加工によって形成してもよ
い。またチップ（２）は中心電極先端面（1a）に予め凹
部を形成し、この凹部内にチップ（２）を載置して溶接
してもよく、この場合にはチップの偏心が防止され且つ
接合強度をより高めることができる。さらにこの発明の
クラッド材のチップは第９図に示すように、外筒（３）
と内部芯（４）との間に中間層（11）を設けた多層クラ
ッド材でもよく、例えば外筒（３）はインコネル600な
どのニッケル合金、中心の内部芯（４）はPt−Ir合金、
Ir材、さらに中間層（11）はPt−Nr、Pt−Ni−Ｙ合金か
ら形成したものであり、かかる中間層の介在によってク
ラッド材の接合面の応力緩和をなして接合強度を向上す
ることができる。なおこの場合のＢ寸法としては中間層
（11）の外径である。また中間層は外層に向ってNi添加
量の多いPt−Ni合金を用いて各接合面に応力緩和を一層
なすことができる。
（発明の効果） 以上述べたようにこの発明のスパークプラグは、中心電
極の先端放電部に特定寸法の外筒ニッケル合金と内部芯
白金系合金のクラッド材のチップを設けることにより、
従来の白金プラグが比較的短い走行距離で火花の放電電
圧が上昇するのに比べ、放電電圧は初期状態から長時間
走行後（10万km）使用全域に亘って低く抑えられるため
着火ミスが生じ難く長時間安定したドライバビリティー
を得ることができる。また接合条件によってはチップと
中心電極とはニッケル同志の溶接となり、高温使用下で
の白金剥離性が改善され、さらに従来の白金電極単体の
溶接と比べ接合面積を大きくとれるので剥離進展に対し
て余裕が大きく耐久性が向上する効果がある。
極の先端放電部に特定寸法の外筒ニッケル合金と内部芯
白金系合金のクラッド材のチップを設けることにより、
従来の白金プラグが比較的短い走行距離で火花の放電電
圧が上昇するのに比べ、放電電圧は初期状態から長時間
走行後（10万km）使用全域に亘って低く抑えられるため
着火ミスが生じ難く長時間安定したドライバビリティー
を得ることができる。また接合条件によってはチップと
中心電極とはニッケル同志の溶接となり、高温使用下で
の白金剥離性が改善され、さらに従来の白金電極単体の
溶接と比べ接合面積を大きくとれるので剥離進展に対し
て余裕が大きく耐久性が向上する効果がある。
第１図及び第２図はこの発明の一実施例を示すスパーク
プラグであり、第１図はその要部を断面で示した正面
図、第２図は第１図の中心電極の発火部の要部拡大断面
図、第３図はこの発明のチップの一実施例を示したもの
で、第３図（イ）はその断面図、第３図（ロ）は平面
図、第４図はこの発明の第２発明の実施例の中心電極の
要部拡大断面図で（イ）は円柱状、（ロ）は先細のテー
パー状先端部、第５図乃至第８図は夫々放電特性を示し
たグラフ、第９図はこの発明のチップの他の実施例を示
したもので、第９図（イ）はその断面図、第９図（ロ）
は平面図である。 １……中心電極、1a……先端面、1b……先端部、２……
チップ、３……外筒 ４……内部芯、７……外側 電極、８……火花間隙、11
……中間層
プラグであり、第１図はその要部を断面で示した正面
図、第２図は第１図の中心電極の発火部の要部拡大断面
図、第３図はこの発明のチップの一実施例を示したもの
で、第３図（イ）はその断面図、第３図（ロ）は平面
図、第４図はこの発明の第２発明の実施例の中心電極の
要部拡大断面図で（イ）は円柱状、（ロ）は先細のテー
パー状先端部、第５図乃至第８図は夫々放電特性を示し
たグラフ、第９図はこの発明のチップの他の実施例を示
したもので、第９図（イ）はその断面図、第９図（ロ）
は平面図である。 １……中心電極、1a……先端面、1b……先端部、２……
チップ、３……外筒 ４……内部芯、７……外側 電極、８……火花間隙、11
……中間層
Claims (2)
- 【請求項１】外側電極と対設して火花間隙を形成する中
心電極の先端放電部に、円柱状クラッド材のチップを埋
設接合してなるスパークプラグにおいて、前記チップは
外筒をニッケル合金、内部芯を白金系合金とし、前記中
心電極の基部径をD1、前記チップの外筒径をＡ、内部芯
径をＢ、外筒の肉厚をＣ及びチップ長さをＬとしたと
き、 Ａ＜D1、Ａ≦1.5mm、0.5mm≦Ｂ≦0.9mm、0.1mm≦Ｃ≦0.
5mm、Ｌ≧0.3mmの寸法を満足するチップを具えてなるス
パークプラグ。 - 【請求項２】外側電極と対設して火花間隙を形成する中
心電極の先端放電部に、円柱状クラッド材のチップを埋
設接合してなるスパークプラグにおいて、前記チップは
外筒をニッケル合金、内部芯を白金系合金とし、前記中
心電極の基部径をD1、前記チップの外筒径をＡ、内部芯
径をＢ、外筒の肉厚をＣ及びチップ長さをＬとしたと
き、 Ａ＜D1、Ａ≦1.5mm、0.5mm≦Ｂ≦0.9mm、0.1mm≦Ｃ≦0.
5mm、Ｌ≧0.3mmの寸法を満足するチップを設け、さらに
中心電極先端部に前記チップを含む細径部を有し、該細
径部の形状は、細径部のチップ先端面からの長さＥ、長
さＥに相当する細径部の外径をＤとしたとき、D1＞Ｄ、
Ｄ≧Ａ＋0.2mm、Ｅ≧1.5mmを満足する円柱状または先細
のテーパー状に細径としてなるスパークプラグ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62164146A JPH07109782B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | スパークプラグ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62164146A JPH07109782B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | スパークプラグ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS647490A JPS647490A (en) | 1989-01-11 |
| JPH07109782B2 true JPH07109782B2 (ja) | 1995-11-22 |
Family
ID=15787621
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62164146A Expired - Fee Related JPH07109782B2 (ja) | 1987-06-30 | 1987-06-30 | スパークプラグ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07109782B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2805322B2 (ja) * | 1989-03-02 | 1998-09-30 | 日本特殊陶業株式会社 | 内燃機関用スパークプラグ |
| JP4960682B2 (ja) * | 2006-10-23 | 2012-06-27 | 日本特殊陶業株式会社 | スパークプラグ |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4941734A (ja) * | 1972-08-28 | 1974-04-19 |
-
1987
- 1987-06-30 JP JP62164146A patent/JPH07109782B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS647490A (en) | 1989-01-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |