JPH07109294B2 - 給水ポンプ再循環流量制御装置 - Google Patents

給水ポンプ再循環流量制御装置

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JPH07109294B2
JPH07109294B2 JP20606290A JP20606290A JPH07109294B2 JP H07109294 B2 JPH07109294 B2 JP H07109294B2 JP 20606290 A JP20606290 A JP 20606290A JP 20606290 A JP20606290 A JP 20606290A JP H07109294 B2 JPH07109294 B2 JP H07109294B2
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suction flow
recirculation
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貞雄 柳田
巧 河合
裕夫 今橋
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、火力・原子力発電プラントの給水ポンプ再循
環流量制御に係り、特に、給水制御系への影響を最少に
するのに好適な給水ポンプ再循環流量制御装置に関す
る。
〔従来の技術〕
従来の給水ポンプ再循環流量制御装置においては、給水
ポンプの過熱防止を目的として、給水ポンプの安全な運
転に必要な最少必要吸込流量を確保するため、給水ポン
プの出口側から吸込側へ一定流量を戻す再循環系の調節
弁を制御するものである。
第8図に、特開昭53-146003号公報に記載された従来の
装置を示す。給水ポンプ1の回転数が回転数検出器10に
より検出され、その回転数信号が演算器11により回転数
に見合った目標吸込流量に変換され、吸込流量検出器4
で検出した吸込流量と比較し、その偏差信号により再循
環流量調整弁2のアクチュエータ2Aを駆動する。つま
り、最少必要吸込流量がいかなる状態でも一定でなく、
給水ポンプの回転数によって変化することから、ポンプ
を駆動しているタービン回転数を変数とした目標吸込流
量に対する実吸込流量との比較により再循環流量調節弁
2を制御するものである。
一方、プラントの安定運転のために、ボイラへの必要給
水量を安定に供給する必要があるが、給水ポンプ過熱防
止を目的とした再循環流量調節弁の制御は、再循環流量
を変化させるため、ボイラへの必要給水量の安定供給に
影響を与える。
たとえば、再循環流量調節弁が開することで、再循環流
量が増加し、ボイラへの給水流量が減少する。これを補
正するため、給水制御装置側で給水ポンプの回転数を増
加させて吸込流量を増すことにより、結果としてボイラ
への給水流量を一定に保つような動作が起きる。具体例
として、給水制御装置は、ボイラへの給水デマンドに対
する実給水流量を、給水ポンプの吸込流量から再循環流
量を減算することにより求め、この2信号の偏差によっ
て給水ポンプの回転数を調節する。このように、給水制
御にとっては、再循環流量制御自体が外乱要素であり、
再循環流量制御の安定性を保持することが給水制御の安
定性につながる。これに対して従来の技術は、最少必要
吸込流量の算出に、給水制御装置の操作端である給水ポ
ンプの回転数を使用しているため、給水制御に対して影
響をさらに大きくしている。つまり、再循環流量調節弁
の操作により、給水制御はボイラへの給水流量を補正し
ようとして、給水ポンプの回転数を操作することになる
が、再循環流量制御はこの回転数の変化により目標吸込
流量が変わるため再度再循環流量調節弁を操作すること
になり、各々の制御で干渉し合うことになる。
更に給水ポンプ回転数をパラメータとした再循環流量制
御では、再循環流量増加→ボイラ給水流量低下→流量補
正制御による給水ポンプ回転数増加→目標再循環流量増
加という給水制御全体として、正のフィードバックルー
プを直接構成するものであり、本質的に系を不安定にす
る要素があった。
また、目標吸込流量と実吸込流量との偏差信号により再
循環流量調節弁開度の制御を行う流量制御のため、ボイ
ラへの給水流量制御を行う給水制御系にとって最も大き
な外乱となる、再循環流量流れ出し(再循環流量調節弁
開き始め点)及び同流量絞り込み開始(同調節弁絞り始
め点)のタイミングが規定できないため、安定した給水
制御系を構成することが難しいという問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の給水ポンプ再循環流量制御装置にあっては、給水
ポンプの回転数に見合った目標吸込流量と実吸込流量と
の偏差に応じて再循環流量調節弁の開度を制御するた
め、再循環流量の増減が給水制御系の外乱となり、給水
制御系を不安定にする問題点があった。
本発明の目的は、給水制御系への影響を最少とし、かつ
給水制御系も外乱に対して耐力をもたせることのできる
給水ポンプ再循環流量制御装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記の目的を達成するために本発明に係る給水ポンプ再
循環流量制御装置は、給水ポンプの吸込流量と出口圧力
とを検出し、出口圧力により給水ポンプの最少必要吸込
流量を演算して吸込流量と比較し再循環流量調節弁の開
度を制御する少なくとも一つの演算器を備えた給水ポン
プ再循環流量制御装置において、出口圧力を変数とする
再循環流量調節弁の全開時吸込流量特性を有して出口圧
力に応じて全開時吸込流量を演算する第1の演算器と、
出口圧力を変数とする再循環流量調整弁の全閉時吸込流
量特性を有して出口圧力に応じて全閉時吸込流量を演算
する第2の演算器と、それぞれの演算値と吸込流量の検
出値とを入力して再循環流量調節弁の開度を演算しかつ
弁開度指令を出力する第3の演算器とを備えた構成とす
る。
そして全開時吸込流量特性は、給水ポンプの最少必要流
量特性に所定の比率を乗じて定められている構成とす
る。
また全開時吸込流量特性及び全閉時吸込流量特性を、バ
イアスを加えてそれぞれの吸込流量が増加される側にシ
フトした構成でもよい。
さらに弁開度指令を、再循環流量調節弁の開度に対し非
線形性を有する流量関数により補正した構成でもよい。
そして弁開度指令は、再循環流量を演算させるとともに
先行信号として給水制御系に与えられる構成でもよい。
また給水ポンプの出口圧力により、吸込流量に対する再
循環流量調節弁の最適開度特性を求め、吸込流量の検出
値に応じて再循環流量調節弁の開度制御を行なう構成で
もよい。
〔作用〕
本発明によれば、給水ポンプ再循環流量制御装置に第1
〜第3の演算器を設け、かつ給水ポンプの出口圧力を検
出するようにしたため、出口圧力−全開時吸込流量特性
及び出口圧力−全閉時吸込流量特性に基づいて吸込流量
−再循環流量調節弁開度特性が演算されるとともに、実
吸込流量に応じて弁開度指令値が出力され、プラントの
状態によらず再循環流量調節弁の開度が制御される。
〔実施例〕
本発明の一実施例を第1図を参照しながら説明する。第
1図は、給水ポンプ再循環流量制御装置の概略系統図で
あり、ボイラへ水を供給する給水ポンプ1と、給水ポン
プ1の過熱を防止するため、給水ポンプ1の出口側から
吸込側へ水を循環させる再循環系の流量を調節する再循
環流量調節弁2と、給水ポンプ1の出口圧力Hを検出す
る出口圧力検出器5と、給水ポンプ1の吸込流量Qを検
出する吸込流量検出器4と、出口圧力H及び吸込流量Q
より再循環流量調節弁2の開度を算出する演算器6,7及
び8より構成される。また、第1の演算器6は第3図に
示す出口圧力−再循環流量調節弁全開時吸込流量特性B,
第2の演算器7は第3図に示す出口圧力−再循環流量調
節弁全閉時吸込流量特性C及び第3の演算器8は第4図
に示す吸込流量−再循環流量調節弁開度特性を持ってい
る。
給水ポンプ1の出口圧力H1は、出口圧力検出器5によっ
て検出されて第1の演算器6及び第2の演算器7に伝達
される。第1の演算器6は、この出口圧力H1を入力とし
て再循環流量調節弁全開時の吸込流量、すなわち第3図
に示す吸込流量特性Bより吸込流量Q1を演算する。第2
の演算器7も同様に出口圧力を入力として再循環流量調
節弁全閉時の吸込流量、すなわち第3図に示す吸込流量
特性Cより吸込流量Q2を演算する。そして、この第1及
び第2の演算器6及び7で演算された再循環流量調節弁
全開及び全閉時の吸込流量Q1,Q2は第3の演算器8へ伝
達されて、再循環流量調節弁の全開及び全閉ポイントを
設定する、すなわち第4図に示すQ1及びQ2ポイントを決
定する。これによって第3の演算器8は、吸込流量検出
器4からの吸込流量を入力として再循環流量調節弁の開
度を演算し、弁開度指令Sを出力して再循環流量調節弁
2を制御する。
このようにして、第2図に示す予め設定した再循環流量
調節弁の開度特性をそのまま実現し、最適な開度指令を
直接制御することにより、給水制御に影響を与えること
なく給水ポンプの最少必要吸込流量を確保することがで
きる。
すなわち、第2図に示すように、出口圧力−全開時吸込
流量特性B及び出口圧力−全閉時吸込流量特性Cは、最
少必要吸込流量特性Aを原点とし、各々の出口圧力に対
して全開時はα%の比率を乗じて余裕を持つようにして
おり、実吸込流量が最少必要吸込流量に減少する手前
(α%)で再循環流量調節弁を全開させることにより、
実吸込流量がポンプ過熱防止に必要な最少必要吸込流量
以下になるのを防ぐことができる。
第3図に示す全開時吸込流量特性Bと全閉時吸込流量特
性Cとは、出口圧力を変数として求めるようにしている
ため、給水制御系がボイラへの給水量調整のため給水ポ
ンプの回転数を操作してもその影響を受けにくく、制御
の非干渉化を図ることができ、安定な給水制御を行うこ
とができる。また、第4図に示す吸込流量−再循環流量
調節弁開度特性により、実吸込流量に応じて弁開度指令
値を直接算出するようにしているため、プラントの状態
によらず、出口圧力、及び吸込流量が決まれば一意的に
再循環流量調節弁開度が決定される。ここで、再循環流
量調節弁開度とその流量は密接な関係があるため、言い
換えれば一意的に再循環流量が決定されると言うことも
でき、給水制御系にとって外乱であった再循環流量をあ
らかじめ予測することができ、給水制御系自体をも安定
な制御系とすることのできる。
本発明の他の実施例1として、第3図に示す出口圧力−
全開時及び全閉時吸込流量特性に、プラント状態により
バイアスを加え、全開時及び全閉時吸込流量特性をシフ
トし、さらに広い領域でのプラント運転安定化を図る例
を説明する。
第5図に本実施例を示す。本実施例は、給水ポンプ起動
時に出口圧力検出器5で検出した出口圧力に負のバイア
スを加え、全閉時吸込流量特性Cを第6図のように上側
のC′にずらすようにしたものである。給水制御系にと
っては、再循環流量の変化は緩やかなほど安定にでき
る。すなわち、プラント運転状態の変化と共に吸込流量
が最少必要吸込流量以上に増大して、再循環流量を必要
としなくなっても、すぐに再循環流量を零にするのでは
なく、より吸込流量が増大するまで少しずつ再循環流量
を減少させるようにすることが、給水制御系の安定にと
っては好ましいと云える。しかし、このようにすると、
通常運転でも無駄に給水を再循環し、ボイラへの給水効
率を落すことになり、経済性の面が問題となる。従っ
て、本実施例では、起動時のみ再循環流量調節弁の全閉
時吸込流量特性を高吸込流量側にずらし、給水ポンプ起
動時の給水安定性と通常運転時の効率低下防止の両立を
図ったものである。
本実施例は起動時の例であるが停止過程時でも同様のこ
とがいえる。
本発明の他の実施例2として、本発明の再循環流量制御
装置から、再循環流量指令値をボイラの給水量制御系に
先行信号として与え、給水制御系と一体になって給水制
御の安定性及び応答性を改善する例を第7図に示す。第
7図の符号1〜8は本発明の一実施例を示すものであ
り、再循環流量指令値15を再循環流量調節弁開度−流量
変換器14により求め調節器16に与えている。これは第4
図に示す吸込流量−弁開度指令の中で開度−流量の非線
形性が加味されている場合を考慮して、第4図の逆関数
により開度から流量に戻すようにしたものである。ボイ
ラへの給水制御は、再循環流量が大きな外乱となること
は先に述べたが、給水制御を行うに当って再循環流量値
を用いて外乱を計算し制御することは、いわゆる後追い
制御であるばかりでなく、従来の再循環流量制御では、
給水制御の結果の影響を受けるため、安定した制御が難
しいものであった。本実施例では、本発明による再循環
流量制御が給水制御の影響を受けにくい特徴を生かし、
再循環流量指令値を先行信号として給水制御系に与え、
給水制御の安定性、応答性の向上を図るものである。
〔発明の効果〕
本発明の給水ポンプ再循環流量制御装置によれば、給水
ポンプの出口圧力をパラメータとして吸込流量より予め
設定した再循環流量調節弁の開度を算出し制御するた
め、安定した再循環流量制御を実現し、主給水流量制御
に影響を与えない。
また、再循環流量調節弁の開度が出口圧力と吸込流量に
よって決定されるため、制御装置の調整が容量となる。
さらに、吸込流量及び出口圧力検出器は、給水制御とし
て予め取付けられており、新たな検出器を追加すること
なく、また、タービン駆動又はモータ駆動の区別なしに
給水ポンプの再循環流量制御に適用することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は給水
ポンプのQ−H特性曲線を示すグラフ、第3図は最少必
要吸込流量をベースとした再循環流量調節弁の全開時及
び全閉時の吸込流量特性を示すグラフ、第4図は再循環
流量調節弁開度特性を示すグラフ、第5図は本発明の他
の実施例1を示す構成図、第6図は第5図の再循環流量
調節弁の吸込流量特性を示すグラフ、第7図は本発明の
他の実施例2を示す構成図、第8図は従来の技術を示す
図である。 1……給水ポンプ、2……再循環流量調節弁、4……吸
込流量検出器、5……出口圧力検出器、7,8,9……演算
器(第1、第2、第3演算器)、10……回転数検出器、
A……最少必要吸込流量曲線、B……再循環流量調節弁
全開時吸込流量特性、C……再循環流量調節弁全閉時吸
込流量特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 巧 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 今橋 裕夫 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 辻 真太郎 茨城県日立市幸町3丁目2番1号 日立エ ンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−162289(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】給水ポンプの吸込流量と出口圧力とを検出
    し、該出口圧力により前記給水ポンプの最少必要吸込流
    量を演算して前記吸込流量と比較し再循環流量調節弁の
    開度を制御する少なくとも一つの演算器を備えた給水ポ
    ンプ再循環流量制御装置において、前記出口圧力を変数
    とする前記再循環流量調節弁の全開時吸込流量特性を有
    して前記出口圧力に応じて全開時吸込流量を演算する第
    1の演算器と、前記出口圧力を変数とする前記再循環流
    量調整弁の全閉時吸込流量特性を有して前記出口圧力に
    応じて全閉時吸込流量を演算する第2の演算器と、それ
    ぞれの演算値と前記吸込流量の検出値とを入力して前記
    再循環流量調節弁の開度を演算しかつ弁開度指令を出力
    する第3の演算器とを備えたことを特徴とする再循環流
    量制御装置。
  2. 【請求項2】全開時吸込流量特性は、給水ポンプの最少
    必要流量特性に所定の比率を乗じて定められていること
    を特徴とする請求項1記載の給水ポンプ再循環流量制御
    装置。
  3. 【請求項3】全開時吸込流量特性及び全閉時吸込流量特
    性を、バイアスを加えてそれぞれの吸込流量が増加され
    る側にシフトしたことを特徴とする請求項1記載の給水
    ポンプ再循環流量制御装置。
  4. 【請求項4】弁開度指令を、再循環流量調節弁の開度に
    対し非線形性を有する流量関数により補正したことを特
    徴とする請求項1記載の給水ポンプ再循環流量制御装
    置。
  5. 【請求項5】弁開度指令は、再循環流量を演算させると
    ともに先行信号として給水制御系に与えられることを特
    徴とする請求項1記載の給水ポンプ再循環流量制御装
    置。
  6. 【請求項6】給水ポンプの出口圧力により、吸込流量に
    対する再循環流量調節弁の最適開度特性を求め、吸込流
    量の検出値に応じて前記再循環流量調節弁の開度制御を
    行なうことを特徴とする請求項1記載の給水ポンプ再循
    環制御装置。
JP20606290A 1990-08-03 1990-08-03 給水ポンプ再循環流量制御装置 Expired - Lifetime JPH07109294B2 (ja)

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