JPH07109273A - ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類の製造方法 - Google Patents

ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類の製造方法

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JPH07109273A
JPH07109273A JP25432793A JP25432793A JPH07109273A JP H07109273 A JPH07109273 A JP H07109273A JP 25432793 A JP25432793 A JP 25432793A JP 25432793 A JP25432793 A JP 25432793A JP H07109273 A JPH07109273 A JP H07109273A
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JP
Japan
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dibenzo
benzoic acid
dihydro
thiepin
formula
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JP25432793A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Kagano
宏和 加賀野
Hiroshi Itsuda
博 五田
Kazuyoshi Yamashita
和良 山下
Masahito Nakano
雅仁 中野
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(2)で表わされる2−(アリールチ
オメチル)安息香酸類をリン系以外の塩素化剤と反応さ
せた後、ルイス酸存在下で環化反応させることを特徴と
する、一般式(2)で表わされる6,11−ジヒドロ−
ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類の製造方
法。 〔式中、RはH,C1〜4アルキル基、C1〜4アルコ
キシル基、Cl,Brを表わす〕 【効果】 本発明によれば、工業的に容易に入手可能な
安価な2−(アリールチオメチル)安息香酸類を原料と
して、目的とする6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,
e]チエピン−11−オン類が高収率で容易に得られ
る。また、本発明は、環境汚染の非常に少ない製造方法
のため、上記化合物の製造方法として工業的価値が極め
て大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジベンゾ[b,e]チ
エピン−11−オン類の製造方法に関する。さらに詳し
くは、医薬、農薬等の中間体として有用な化合物である
6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−1
1−オン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、
6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−1
1−オン類の製造方法としては、以下のような方法が知
られている。
【0003】(A)五酸化リンを用いる方法
【化3】
【0004】(B)ポリリン酸を用いる方法
【化4】
【0005】(C)無水塩化亜鉛とオキシ塩化リンを用
いる方法
【化5】
【0006】しかし、これら従来の方法は必ずしも収率
が高いとは言えないため、決して工業的に有利な方法で
はなかった。また、リン化合物を使用しているため、そ
の廃水が引き起こす環境汚染の問題があった。
【0007】本発明の課題は、従来技術の欠点であった
環境汚染の問題を解決するとともに高収率で目的物を得
る処にある。すなわち、有害なリン化合物を使用せず
に、6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン
−11−オン類を工業的に有利に製造する方法を提供す
る処にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、下に示すよう
に、一般式(I)で表わされる2−(アリールチオメチ
ル)安息香酸類をリン系以外の塩素化剤と反応させた
後、ルイス酸存在下で環化反応させることにより、一般
式(II)で表わされる6,11−ジヒドロ−ジベンゾ
[b,e]チエピン−11−オン類を製造する方法であ
る。
【0009】
【化6】 (式中、Rは、H、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
1〜4のアルコキシル基、ClまたはBrを表わす。)
【0010】一般式(I)および一般式(II)におい
てRで表わされる炭素数1〜4のアルキル基および炭素
数1〜4のアルコキシル基は、直鎖状であっても分岐状
であってもよい。かかるアルキル基としては、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などを挙
げることができ、アルコキシル基としては、例えば、メ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、t−ブトキシ基などを挙げることができ
る。
【0011】一般式(I)で表わされる2−(アリール
チオメチル)安息香酸類としては、例えば、2−(フェ
ニルチオメチル)安息香酸、2−(4−トリルチオメチ
ル)安息香酸、2−(2−トリルチオメチル)安息香
酸、2−(4−エチルフェニルチオメチル)安息香酸、
2−(4−メトキシフェニルチオメチル)安息香酸、2
−(4−クロロフェニルチオメチル)安息香酸、2−
(4−ブロモフェニルチオメチル)安息香酸などを挙げ
ることができる。
【0012】本発明の方法により得られる一般式(I
I)の6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピ
ン−11−オン類としては、例えば、6,11−ジヒド
ロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン、6,1
1−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−2−メチ
ル−11−オンなどを挙げることができる。
【0013】本発明において使用する塩素化剤として
は、例えば、塩化チオニル、塩化スルフリル、塩素など
を挙げることができるが、反応性にすぐれて収率が高い
点で、塩化チオニルが特に好ましい。かかる塩素化剤の
使用量は、2−(アリールチオメチル)安息香酸類に対
して、通常は0.8〜2.0倍モルの範囲がよく、好ま
しくは1.0〜1.3倍モルの範囲である。塩素化剤の
使用量が0.8倍モル未満の場合には、未反応の2−
(アリールチオメチル)安息香酸類が多くなり適当では
ない。また、塩素化剤の使用量が2.0倍モルを超えて
も、それに見合う効果を得ることができないので、経済
的に不利である。
【0014】また、本発明において使用するルイス酸と
しては、例えば、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜
鉛、無水塩化鉄などを挙げることができるが、特に、廃
水の無害性および経済的見地から無水塩化鉄が好まし
い。かかるルイス酸の使用量は、2−(アリールチオメ
チル)安息香酸類に対して、通常は0.1〜2.0倍モ
ルの範囲がよく、好ましくは0.2〜1.0倍モルの範
囲である。ルイス酸の使用量が0.1倍モル未満の場合
には、6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピ
ン−11−オン類の収率が低下して好ましくない。ま
た、ルイス酸の使用量が2.0倍モルを超えても、それ
に見合う効果が得られないため経済的に不利となる。
【0015】本発明の反応溶媒としては、本反応に対し
不活性な溶媒であれば特に限定されるものではない。例
えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、モ
ノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、1,2,4
−トリクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロ
ロホルムなどのハロゲン化炭化水素類などを挙げること
ができる。溶媒の使用量は、2−(アリールチオメチ
ル)安息香酸類に対して、通常1〜30重量倍である。
【0016】反応温度は通常20〜150℃、好ましく
は50〜120℃の範囲である。反応温度が150℃を
超えると、副反応が起こり、収率が低下する。また、2
0℃未満だと、反応速度が実用上遅すぎるので、好まし
くない。反応時間は、反応温度、ルイス酸の種類および
反応溶媒の種類により異なるが、通常は1〜6時間の範
囲である。
【0017】なお、反応液からの6,11−ジヒドロ−
ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類の単離精製
は、該反応液に水を加えて有機層と水層とに分液した
後、有機層を取得して有機層の溶媒を留去し、その後に
再結晶などをする方法により行なわれる。
【0018】本発明の方法を実施することにより、従来
のリン化合物を使用する方法の欠点であった環境汚染の
問題も実質的に解決し、しかも従来法に比べて高収率で
目的物を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により
何ら限定されるものではない。
【0020】製造例1 [2−(フェニルチオメチル)
安息香酸の製造] フタリドとチオフェノールを用いて、2−(フェニルチ
オメチル)安息香酸の製造を行なった。すなわち、撹拌
機、温度計、冷却器を備えた400mlの四つ口フラス
コに、窒素雰囲気下で、フタリド26.8g(0.20
モル)、チオフェノール22.0g(0.20モル)を
仕込み、100℃に昇温した。撹拌下、100〜105
℃で炭酸カリウム27.6g(0.20モル)を1時間
かけて添加した後に2時間保温した。反応終了後、水1
00gを加え、濃硫酸で酸析した後、濾過・水洗し、2
−(フェニルチオメチル)安息香酸46.4gを得た。
2−(フェニルチオメチル)安息香酸のフタリドに対す
る収率は95.1%であった。
【0021】実施例1 撹拌機、温度計、冷却器を備えた200mlの四つ口フ
ラスコに、窒素雰囲気下で、製造例1で得られた2−
(フェニルチオメチル)安息香酸24.43g(0.1
0モル)、およびモノクロロベンゼン50gを仕込み、
撹拌下、60〜65℃にて塩化チオニル13.09g
(0.11モル)を30分かけて滴下した。滴下終了
後、75〜80℃に昇温し、塩化第二鉄5.35g
(0.033モル)を1時間かけて徐々に添加した。そ
の後、80℃に2時間保温した。反応終了後、水50g
を添加し、60℃で水層とモノクロロベンゼン層とに分
液し、6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピ
ン−11−オンを含むモノクロロベンゼン層を得た。こ
のモノクロロベンゼン層からモノクロロベンゼンを減圧
留去し、釜残として粗6,11−ジヒドロ−ジベンゾ
[b,e]チエピン−11−オン23.38gを得た。
この粗6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピ
ン−11−オンをメタノール−水で再結晶し、淡黄色結
晶の6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン
−11−オン21.05gを得た。2−(フェニルチオ
メチル)安息香酸に対する収率は93.0%であった。
【0022】実施例2〜5 表1に示すルイス酸を表1に示す量だけ用いる以外は実
施例1と同様にして、6,11−ジヒドロ−ジベンゾ
[b,e]チエピン−11−オンを得た。2−(フェニ
ルチオメチル)安息香酸に対する収率を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】比較例1 チェコスロバキア特許第127965号の方法に準拠し
て6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−
11−オンの製造を行なった。すなわち、塩化チオニル
の代わりにオキシ塩化リンを用いる以外は実施例5と同
じ条件で反応を行なった。その結果、6,11−ジヒド
ロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オンの収率は
66%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に容易に入手可
能な安価な2−(アリールチオメチル)安息香酸類を原
料として、目的とする6,11−ジヒドロ−ジベンゾ
[b,e]チエピン−11−オン類が高収率で容易に得
られる。
【0026】また、本発明は、環境汚染の非常に少ない
製造方法のため、上記化合物の製造方法として工業的価
値が極めて大きい。
フロントページの続き (72)発明者 中野 雅仁 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 住 友精化株式会社第1研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表わされる2−(アリー
    ルチオメチル)安息香酸類をリン系以外の塩素化剤と反
    応させた後、ルイス酸存在下で環化反応させることを特
    徴とする一般式(II)で表わされる6,11−ジヒド
    ロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類の製造
    方法。 【化1】 (式中、Rは、H、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
    1〜4のアルコキシル基、ClまたはBrを表わす。) 【化2】 (式中、Rは、H、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数
    1〜4のアルコキシル基、ClまたはBrを表わす。)
  2. 【請求項2】 塩素化剤が塩化チオニルである請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ルイス酸の使用量が、一般式(I)で表
    わされる2−(アリールチオメチル)安息香酸類に対し
    て0.1〜2.0倍モルである請求項1または2に記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 ルイス酸が無水塩化鉄である請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)の2−(アリールチオメチ
    ル)安息香酸が2−(フェニルチオメチル)安息香酸で
    ある請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(II)で表わされる6,11−
    ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類
    が6,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e]チエピン−
    11−オンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    製造方法。
JP25432793A 1993-10-12 1993-10-12 ジベンゾ[b,e]チエピン−11−オン類の製造方法 Pending JPH07109273A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112939932A (zh) * 2021-02-09 2021-06-11 上海应用技术大学 一种含硫杂七元环化合物的制备方法
CN113968839A (zh) * 2021-09-16 2022-01-25 太仓市茜泾化工有限公司 一种酮基物制备方法

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