JPH0710915B2 - 非晶性ないしは低結晶性ポリアミド樹脂およびその製造法 - Google Patents

非晶性ないしは低結晶性ポリアミド樹脂およびその製造法

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JPH0710915B2
JPH0710915B2 JP17452786A JP17452786A JPH0710915B2 JP H0710915 B2 JPH0710915 B2 JP H0710915B2 JP 17452786 A JP17452786 A JP 17452786A JP 17452786 A JP17452786 A JP 17452786A JP H0710915 B2 JPH0710915 B2 JP H0710915B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は特定の構成成分からなり、ポリマーブレンド系
材料の一成分として好適な特性を具備した非晶性ないし
は低結晶性ポリアミド樹脂およびその製造法に関するも
のである。
<従来の技術> 近年、二種類以上のポリマーをブレンドして一つの材料
を設計する検討が活発である。異種のポリマーはおのず
からそれぞれ異なつた長所と欠点を有しているが、ポリ
マーブレンド技術は各々構成成分ポリマーの長所を生か
し、欠点を互いに補なうことで新しい特性の材料をつく
り出すことができる。したがつて単一素材では得られな
いすぐれた性能を生み出す可能性が高く、ポリマーブレ
ンド技術は実用的に極めて価値がある。
しかし、単純に二種類以上のポリマーをブレンドしさえ
すれば、常に実用価値の高い材料がつくり出せるとは限
らない。ポリマー同士の良い組合せを選択することが第
一に必要であるが、さらに重要なことはポリマーブレン
ドのために特別な品質設計をそれぞれのポリマーに施さ
なければならない点である。つまり、ポリマーブレンド
というのはポリマーにとつて用途の一つであつて、ポリ
マーブレンドの一成分として具備すべき特性はそのポリ
マーが単独で使用される場合に必要とされる特性とは、
また異なるのである。
たとえば、従来から透明ナイロンと呼ばれるポリアミド
樹脂が製造販売され、そのガラスのように透明な点をセ
ールスポイントに実用化されている。この種のポリアミ
ド樹脂を透明成形品として利用する時に必要な特性はそ
れなりに設定され、その必要条件を満足すべくポリマー
としての品質設計がなされてきた。しかし、この種のポ
リアミド樹脂をポリマーブレンドの一成分として利用す
る場合には、従来とは全く異なつた特性レベルが要求さ
れ、言うなれば新しい特性のポリアミド樹脂でなければ
使用できない状況が出現する。代表的な透明ナイロンと
して特公昭46−41024号公報に記されている如くヘキサ
メチレンジアミン、パラアミノシクロヘキシルメタン、
イソフタル酸およびテレフタル酸からなるポリアミド樹
脂が知られているが、このポリアミド樹脂をポリマーブ
レンドの一成分として利用する場合には、透明成形品用
途とは異なるこの用途において好適な特性を付与しなけ
れば実用性がなく、従来の常識を破る新規特性のポリア
ミド樹脂が必要とされる。
<本発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは、特定構造を有する脂環族ジアミン、特定
の直鎖脂肪族ジアミン、イソフタル酸およびテレフタル
酸からなるポリアミド樹脂をポリマーブレンドの一成分
として利用する場合に具備すべき特性と該ポリアミド樹
脂の製造方法について検討した。ポリマーブレンドの一
成分としての必要条件は概ね次のようにまとめることが
できる。
(1) ポリマーブレンドの組合せは多種多様である
が、一般的には高粘度化する場合が多く、流動性を悪化
させないためにポリアミドは低分子量が良い。
(2) ポリアミド樹脂の熱安定性を高め、ポリマーブ
レンドの他成分との過度の反応を抑制するためにポリア
ミドの末端基量をコントロールする必要がある。
(3) 本組成のポリアミド樹脂の特徴を生かし、耐熱
性などの実用価値の高いポリマーブレンド材料を得るに
はポリアミドのガラス転移点は高い方が良く、また成形
温度領域から実使用温度までの広い温度範囲において特
性の急激な変化が少ないという点でポリアミドは非晶性
ないしは低結晶性が好適である。
つまり、本発明が解決せんとする課題はこれらの必要条
件を満足する特定の組成のポリアミド樹脂を見出し、そ
の製造方法を確立することである。
<問題点を解決するための手段> そこで本発明者らは上記の諸要件を満足し、ポリマーブ
レンド系材料の一成分として好適なポリアミド樹脂につ
いて検討した結果、特定のモノマ組成の混合物を特殊な
条件下で重合することにより、上記の目的を全て満足す
るすぐれたポリアミド樹脂が得られることを知見し、本
発明に到達した。すなわち本発明は、 (1) (A)(a)一般式(I)で示される脂環族ジ
アミン90〜17重量%および(b)炭素数4〜12の直鎖脂
肪族ジアミン10〜83重量%のジアミン混合物と(B)
(c)イソフタル酸95〜20重量%および(d)テレフタ
ル酸5〜80重量%のジカルボン酸混合物からなり該ジア
ミン混合物と実質的に等モルのジカルボン酸混合物を主
たる構成成分とし、下記特性を有する非晶性ないしは低
結晶性ポリアミド樹脂および (ここでR1、R2、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の
アルキル基を表わし、R1〜R4は互いに同じでも異なって
いてもよい。また二つのシクロヘキサン環の1,4−位を
占めるアミノ基と炭素原子の幾何異性はトランス−トラ
ンス体が30モル%以上、シス−シス体が20モル%以
下。) 特性 (イ) 相対粘度:1.2〜1.9 (ロ) 〔NH2〕<〔COOH〕 ここで〔NH2〕はポリアミドのアミノ末端基量、〔COO
H〕はポリアミドのカルボキシ末端基量を表わす。
(ハ) ガラス転移点≧150℃ (ニ) ΔHf<10cal/g ここでΔHfはポリアミドの結晶融解熱量を表わす。
(2) (A)(a)一般式(I)で示される脂環族ジ
アミン90〜17重量%および(b)炭素数4〜12の直鎖脂
肪族ジアミン10〜83重量%のジアミン混合物および該ジ
アミン混合物と実質的に等モルの(B)(c)イソフタ
ル酸95〜20重量%および(d)テレフタル酸5〜80重量
%のジカルボン酸混合物を該ジアミン混合物と該ジカル
ボン酸混合物の総計100重量部に対して10〜200重量部の
水と共に撹拌下加熱し、温度150〜260℃、水蒸気圧力3
〜20kg/cm2Gで0.5〜2.0時間均一化反応をせしめ、次い
で水蒸気圧力10kg/cm2G以上の加圧下、180〜280℃の温
度で初期重合反応を行い、最後に水蒸気圧力5〜15kg/c
m2G、温度240〜290℃に到達せしめた時点で重合反応を
終了し、水蒸気圧力で生成ポリマーを重合缶下部吐出口
より吐出することを特徴とする下記特性を有する非晶性
ないしは低結晶性ポリアミド樹脂の製造法を提供するも
のである。
(ここでR1、R2、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の
アルキル基を表わし、R1〜R4は互いに同じでも異なつて
いてもよい。また二つのシクロヘキサン環の1,4−位を
占めるアミノ基と炭素原子の幾何異性はトランス−トラ
ンス体が30モル%以上、シス−シス体が20モル%以
下。) 特性 (イ) 相対粘度:1.2〜1.9 (ロ) 〔NH2〕<〔COOH〕 ここで〔NH2〕はポリアミドのアミノ末端基量、〔COO
H〕はポリアミドのカルボキシ末端基量を表わす。
(ハ) ガラス転移点≧150℃ (ニ) ΔHf<10cal/g ここでΔHfはポリアミドの結晶融解熱量を表わす。
本発明のポリアミド樹脂の原料となる(a)成分の脂環
族ジアミンは各々相当する芳香族ジアミンの核水添によ
つて得られるものであり、これら脂環族ジアミンの代表
的な例としてはビス−p−アミノシクロヘキシルメタン
(以下PACMと略す)、ビス−p−アミノシクロヘキシル
プロパン(以下PACPと略す)および2,2′又は3,3′−ジ
メチル−ビス−p−アミノシクロヘキシルメタン(以下
diMe−PACMと略す)などを挙げることができる。これら
脂環族ジアミンは通常その核水添過程で生成するシクロ
ヘキサン環の1,4−位を占めるアミノ基と炭素原子に関
する三種の幾何異性体すなわちトランス−トランス(t
−t)体、トランス−シス(t−c)体およびシス−シ
ス(c−c)体の混合物であり、異性体の含有量によっ
て生成するポリアミドの耐熱性が変化する。本発明にお
いては異性体の含有量も特定化される必要があり、
(a)成分の脂環族ジアミンはそのt−t体含有量が30
モル%以上、c−c体含有量が20モル%以下のものであ
る。更にt−t体含有量が40モル%以上、c−c体含有
量が15モル%以下であることが好ましい。異性体含有量
が上記の範囲をはずれると得られるポリアミドのガラス
転移点が低下し耐熱性が不足するので好ましくない。
本発明で用いられる(b)成分の直鎖脂肪族ジアミンの
例としてはテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
ウンデカメチレンジアミンおよびドデカメチレンジアミ
ンを挙げることができるが中でもヘキサメチレンジアミ
ンが好適に用いられる。上記(a)成分と(b)成分の
混合割合は(a)のジアミン90〜17重量%および(b)
のジアミン10〜83重量%の範囲内にあることが必要であ
る。(a)のジアミンの量が17重量%に満たない場合に
は生成するポリアミドのガラス転移点が低くなり、耐熱
性が不足するので好ましくなく、逆に(a)のジアミン
の量が90重量%を越えると、得られるポリアミドの溶融
粘性が高くなり過ぎ、流動性が悪化するので好ましくな
い。
本発明で用いられるジカルボン酸は上記ジアミン混合物
と実質的に等モルのイソフタル酸とテレフタル酸の混合
物であり、イソフタル酸とテレフタル酸の割合は95/5〜
20/80重量%の範囲内である。テレフタル酸の含有量が8
0重量%を越えると生成するポリアミドが高い結晶融点
を有するようになり、安定な重合が困難となり、また結
晶化に起因する寸法変化など特性変化が大きくなるので
好ましくない。逆に、テレフタル酸含有量が5重量%に
満たないと、重合速度および耐熱性が低下するので好ま
しくない。
上記組成で規定された本発明のポリアミドはまたポリマ
ーブレンド材料の一成分として要求される特性、すなわ
ち(イ)相対粘度:1.2〜1.9、好ましくは1.25〜1.8、
(ロ)〔NH2〕<〔COOH〕、(ハ)ガラス転移点≧150
℃、好ましくは≧160℃、(ニ)ΔHf<10cal/g、好まし
くはΔHf<7cal/gをも具備していなければならない。相
対粘度が1.9を越えると溶融粘度が高くなり、流動性が
低下し、成形性が損なわれるので好ましくなく、相対粘
度が1.2に満たないと重合度が低過ぎ、実用に耐えな
い。ポリアミドのアミノ末端基は、ポリアミドと他成分
とのブレンドポリマーを製造する際の溶融混合工程にお
いて、ゲル化或いは他成分との過度の反応など種々の副
反応の原因となるので、アミノ末端基量が少ないことが
好ましく、安定なブレンド工程を実現させるため、少な
くともカルボキシ末端より少ないことが必要である。ガ
ラス転移点は耐熱性を保持するために150℃以上が必要
であり、またポリアミドの結晶化に起因する成形品の寸
法変化を抑えるため、ポリアミドは非晶性ないし低結晶
性である必要がある。たとえば示差差動熱量計を用いて
20℃/分の昇温速度で測定した際の結晶融解熱量が10ca
l/g未満でなければならない。結晶融解熱量が10cal/gを
越えると成形時或いは加熱処理時の成形片の寸法変化が
大きくなり実用上好ましくない。
本発明のポリアミド製造法は上記の如き特定のポリアミ
ド樹脂を加圧溶融重合法により効率よく製造する方法を
提供するものである。本発明の製造法においてはまず原
料と水の所定の割合の混合物を加熱撹拌し、温度150〜2
60℃、水蒸気圧力3〜20kg/cm2Gで0.5〜2.0時間の均一
化反応工程を設けることが必要である。本発明のポリア
ミドの如き、多成分から成る共重合体をジアミンおよび
ジカルボン酸の混合物を原料として重合する場合、重合
のあまり進行していないモノマやオリゴマの段階で系内
を一旦均一化することが不可欠である。この均一化は15
0℃未満の温度では十分に行われず、また260℃を越える
温度では一部特定成分のみの縮重合が他の成分の縮重合
に先立つて進行し、生成するポリアミドが不均一な共重
合体となるので好ましくない。この均一化工程には少な
くとも0.5時間が必要であり、2時間を越えて均一化を
行つても、均一化反応の効果は変わらないので経済的効
率の点から0.5〜2時間で十分である。
本発明のポリアミド製造法のもう一つの特徴は重合反応
の終点を水蒸気圧力とポリマー温度とで制御することで
ある。本発明のポリアミド樹脂は、乾燥雰囲気下での溶
融状態においては極めて迅速に重合反応の過度の進行お
よびゲル化などの副反応の進行による高粘度化が起こ
り、重合缶からの吐出が困難となり、この問題は従来公
知の末端封鎖剤や安定剤では解決できないものである。
本発明に述べるように重合缶内に特定量の水を共存せし
め、缶内水蒸気圧力とポリマー温度を厳密に制御するこ
とによつて初めて上記問題が解決でき、安定した重合が
可能となるのである。重合の終点における水蒸気圧力が
5kg/cm2Gに満たないとポリマーの高粘度化抑制効果が不
足であり、水蒸気圧力が15kg/cm2Gを越えると生成する
ポリマーの相対粘度が1.2未満となるので好ましくな
い。またポリマー温度が240℃に満たないと生成するポ
リマーの相対粘度が不足するし、290℃以上ではゲル化
等の副反応が顕著になるので好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂はポリマーブレンド材料の一成
分として有用であるが、ポリアミド樹脂と組み合わせる
他成分の樹脂の例としては、ポリエチレンテレフタレー
トやポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹
脂、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフエニレ
ンオキシド、ポリアセタール、ABS樹脂、脂肪族ポリア
ミド樹脂、ポリアリーレンスルフイド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、フエノー
ル樹脂、変性ポリオレフインなどを挙げることができ、
これらの樹脂の内から目的に応じて選択した一種以上の
樹脂と本発明のポリアミド樹脂をブレンドすることによ
り、有用なポリマーブレンド材料が得られる。本発明の
ポリアミド樹脂と他の成分とのブレンド方法は特に限定
されないが、原料成分の混合物を押出し混練機に供給し
て溶融混練する方法が一般的である。
本発明のポリアミド樹脂にはその物性を損なわない限り
において重合時又は重合後他樹脂とのブレンド時、成形
時に他の添加剤、たとえば顔料、染料、補強材、充填
材、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、可塑
剤、難燃剤、流動性改良剤、帯電防止剤などを添加導入
することができる。
<実施例> 以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。な
お実施例および比較例に記した特性評価は次の方法によ
り実施した。
ポリアミドの相対粘度:JIS K6810 ポリアミドの末端基濃度:〔NH2〕はポリアミド1g
を100mlのフエノール/エタノール(50/50)混合溶媒に
溶かし、1/50N塩酸水溶液で適定し、〔COOH〕はポリア
ミド0.5gを50mlの熱ベンジルアルコールに溶かし、1/50
N水酸化カリウムのメタノール溶液で適定した。
ポリアミドのガラス転移点(Tg)とΔHf:Perkin E
lmer(株)製DSC−1B型示差差動熱量計を用い、20℃/
分の昇温速度で昇温した際に観測される変曲点をTgと
し、結晶融解ピーク面積からΔHfを算出した。
溶融粘度(μa):宝工業(株)製L203型メルトイ
ンデクサーを用いて280℃、滞留時間10分、ずり速度10s
ec-1の条件で測定したみかけの溶融粘度。
成形収縮率:JIS 1号ダンベル片を射出成形した際
の流れ方向の金型寸法に対する収縮率。
熱変形温度:ASTM D648 引張特性:ASTM D638 曲げ特性:ASTM D790 実施例1 ヘキサメチレンジアミン10.0kg(86.2モル)、t−t体
含量50%、c−c体含量10%のdi−MePACM10.0kg(42.0
モル)(ヘキサメチレンジアミンとdi−MePACMの混合比
50/50重量比)、イソフタル酸10.64kg(64.1モル)、テ
レフタル酸10.64kg(64.1モル)(イソフタル酸とテレ
フタル酸の混合比50/50重量比)、安息香酸78.2gおよび
水8.0kgの混合物を加圧型重合缶に仕込み、窒素置換し
た後、密閉下に加熱し、水蒸気圧力10〜11kg/cm2G、内
温200〜210℃に制御しながら1時間撹拌を行い均一化反
応を行つた。次いで圧力を17kg/cm2Gに上げて更に1時
間撹拌を続け初期重合反応を行つた。1時間の撹拌後内
温は255℃に到達していた。最後に徐々に放圧し、0.5時
間かけて10kg/cm2G、内温260℃の状態にもたらし、この
時点で撹拌を停止し、反応終了とし、重合缶下部吐出口
よりポリマーを吐出した。ここで得られたポリアミド
(ポリアミドA)は6I/6T/di−MePACMI/di−MePACMTか
らなるランダム共重合体であり、下記の特性を有してお
り、ポリマーブレンド材料の一成分として極めてすぐれ
たものであることが判明した。
相対粘度:1.35 μa:3,500ポイズ 〔NH2〕:21×10-5モル/g 〔COOH〕:35×10-5モル/g Tg:199℃ ΔHf:観測されず 比較例1 原料ジアミンの混合比をヘキサメチレンジアミン/di−M
ePACM=90/10重量比に変えた以外は実施例1と全く同様
に重合を実施した。ここで得られたポリアミドは、Tgが
132℃であり、耐熱性が不足であつた。
比較例2 原料ジアミンの混合比をヘキサメチレンジアミン/di−M
ePACM=5/95重量比に変えた以外は実施例1と全く同様
の操作でポリアミドの重合を実施した。しかしここで得
られたポリアミドはμa=140,000ポイズと溶融粘性が
非常に高く、流動性が不足であつた。
比較例3 原料ジカルボン酸の混合比をイソフタル酸/テレフタル
酸=100/0重量比に変えた以外は実施例1と全く同様の
操作でポリアミドの重合を実施した。ここで得られたポ
リアミドは、Tgが145℃であり、耐熱性が不足であつ
た。
比較例4 原料ジカルボン酸の混合比をイソフタル酸/テレフタル
酸=15/85重量比に変えた以外は実施例1と全く同様の
方法で重合を試みた。しかしここで得られるポリアミド
は334℃にΔHf=11cal/gの融解ピークを有する結晶性ポ
リアミドであり、安定に重合缶から吐出することができ
なかつた。
比較例5 実施例1で示したのと全く同じ組成の原料混合物を重合
缶に仕込み、窒素置換した後加熱し、途中均一化反応工
程を経ず、一気に水蒸気圧力17.0kg/cm2G、250℃にもた
らし、1時間初期重合を行い、次いで0.5時間かけて10k
g/cm2G、260℃の状態に至らしめた時点で反応を終了し
て吐出した。しかしここで得られたポリアミドは部分的
に結晶性の白色異物が多く混在する不均一な重合体であ
り、実用に耐えないものであつた。
比較例6 実施例1で示したのと全く同じ組成の原料混合物を重合
缶に仕込み、実施例1と全く同じ手順で均一化反応およ
び初期重合反応を行つた後、徐々に放圧し1時間かけて
常圧に戻し、更に1時間窒素気流(2.0/分)下で処
理し、重合を終了して吐出した。ここで得られたポリア
ミドはηrが2.4、μaが80,000ポイズと高粘度化して
おり、重合缶からは45%のポリマーしか吐出できず残り
は缶内に残留し、安定な重合/吐出は不可であつた。
実施例2 ヘキサメチレンジアミン4.0kg(34.5モル)、t−t体
含有量55%、c−c体含有量8%のPACM6.0kg(28.6モ
ル)(ヘキサメチレンジアミンとPACMの混合比:40/60重
量比)、イソフタル酸6.3kg(37.9モル)、テレフタル
酸4.2kg(25.2モル)(イソフタル酸とテレフタル酸の
混合比:60/40重量比)、安息香酸77.0gおよび水7.0kgの
混合物を重合缶に仕込み、以下実施例1で示したのと全
く同様の条件でポリアミドの重合を実施した。ここで得
られたポリアミド(ポリアミドB)は6I/6T/PACMI/PACM
Tからなるランダム共重合体で次の特性を有しており、
ポリマーブレンド材料の一成分として極めて好適な、実
用価値の高いものであることが判明した。
相対粘度:1.31 μa:2,400ポイズ 〔NH2〕:25×10-5モル/g 〔COOH〕:37×10-5モル/g Tg:185℃ ΔHf:観測されず 実施例3〜5 原料組成を変えたいくつかのポリアミドの重合を実施例
1で示したのと全く同様の方法で実施した。ここで得ら
れたポリアミド特性は第1表に示した通りであり、いず
れも高性能ポリマーブレンド材料の一成分として好適な
特性を有していることが判明した。
参考例1 実施例1で得られたポリアミドA80重量部とN−フエニ
ルマレイミドで変性したエチレン/ブテン共重合体20重
量部をドライブレンドした後、30mmφ2軸押出機に供給
し、混練温度280℃で溶融混練を行つた。ここで得られ
たブレンドポリマの性質およびシリンダー温度280℃、
金型温度80℃で射出成形して得られた成形片の特性は以
下の通りであり、本ブレンド体は流動性、成形性、耐熱
性、寸法安定性にすぐれた実用価値の高いものであるこ
とが判明した。
μa:8,200ポイズ 成形収縮率:0.80% 熱変形温度(18.6kg/cm2):175℃ (4.6kg/cm2):186℃ 引張強度:620kg/cm2 曲げ弾性率:16,500kg/cm2 比較参考例1 比較例6で得られたηr2.4のポリアミドを用いた以外は
参考例1と全く同様の手順で溶融混練を行い、ブレンド
ポリマを得た。しかしこのブレンド体はμa=150,000
ポイズと溶融粘性が極めて高く、溶融成形が困難であ
り、有用なブレンド体とはいえなかつた。
比較参考例2 比較例4で得られたηr1.8のポリアミドを用いた以外は
参考例1と全く同様の手順で溶融混練、射出成形を実施
した。しかしここで得られた成形片はポリアミドの結晶
化のため成形収縮率が1.6%と大きく、寸法安定性が不
足であり、有用なブレンド体を得るには到らなかつた。
参考例2 実施例2で得られたポリアミドB40重量部、μa=1,000
ポイズのポリエチレンテレフタレート40重量部および無
水マレイン酸で変性したポリプロピレン20重量部の混合
物を参考例1で示したのと同様の操作で溶融混練、射出
成形を実施した。ここで得られたブレンド体の特性は以
下の通りであり、このものも成形性、寸法安定性、耐熱
性にすぐれた実用価値の高いものであつた。
μa:7,000ポイズ 成形収縮率:0.95% 熱変形温度(18.6kg/cm2):152℃ (4.6kg/cm2):165℃ 引張強度:590kg/cm2 曲げ弾性率:17,200kg/cm2 比較参考例3 実施例2と同一の原料を用い比較例6に示した重合条件
で重合を行い、ηr=2.3、μa=55,000ポイズのポリ
アミドを得た。このポリアミドを用いた以外は参考例2
と全く同様にして溶融混練を行いブレンド体を得た。し
かしこのブレンド体のμaは97,000ポイズと高く、流動
性が不足であり、有用なブレンド体は得られなかつた。
<発明の効果> 本発明書本文中にも述べたように、異なる二種類以上の
ポリマーを組み合わせて、すぐれたポリマーブレンド材
料をつくり出すためには成分となる樹脂につき、特別な
品質設計が必要である。本発明の如く、共重合組成、相
対粘度、末端基濃度、ガラス転移点、結晶性を厳密に規
定することにより、ポリマーブレンド材料の一成分とし
て好適なポリアミド樹脂を得ることができた。またその
ようなポリアミド樹脂は本発明の均一化反応、重合終点
の水蒸気圧力による制御を組み合わせた特殊な重合法に
より、初めて製造が可能になつた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)一般式(I)で示される脂環
    族ジアミン90〜17重量%および(b)炭素数4〜12の直
    鎖脂肪族ジアミン10〜83重量%のジアミン混合物と
    (B)(c)イソフタル酸95〜20重量%および(d)テ
    レフタル酸5〜80重量%のジカルボン酸混合物からなり
    該ジアミン混合物と実質的に等モルのジカルボン酸混合
    物を主たる構成成分とし、下記特性を有する非晶性ない
    しは低結晶性ポリアミド樹脂。 (ここでR1、R2、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の
    アルキル基を表わし、R1〜R4は互いに同じでも異なって
    いてもよい。また二つのシクロヘキサン環の1,4−位を
    占めるアミノ基と炭素原子の幾何異性はトランス−トラ
    ンス体が30モル%以上、シス−シス体が20モル%以
    下。) 特性 (イ) 相対粘度:1.2〜1.9 (ロ) 〔NH2〕<〔COOH〕 ここで〔NH2〕はポリアミドのアミノ末端基量、〔COO
    H〕はポリアミドのカルボキシ末端基量を表わす。 (ハ) ガラス転移点≧150℃ (ニ) ΔHf<10cal/g ここでΔHfはポリアミドの結晶融解熱量を表わす。
  2. 【請求項2】(A)(a)一般式(I)で示される脂環
    族ジアミン90〜17重量%および(b)炭素数4〜12の直
    鎖脂肪族ジアミン10〜83重量%のジアミン混合物および
    該ジアミン混合物と実質的に等モルの(B)(c)イソ
    フタル酸95〜20重量%および(d)テレフタル酸5〜80
    重量%のジカルボン酸混合物を該ジアミン混合物と該ジ
    カルボン酸混合物の総計100重量部に対して10〜200重量
    部の水と共に撹拌下加熱し、温度150〜260℃、水蒸気圧
    力3〜20kg/cm2Gで0.5〜2.0時間均一化反応をせしめ、
    次いで水蒸気圧力10kg/cm2G以上の加圧下、180〜280℃
    の温度で初期重合反応を行い、最後に水蒸気圧力5〜15
    kg/cm2G、温度240〜290℃に到達せしめた時点で重合反
    応を終了し、水蒸気圧力で生成ポリマーを重合缶下部吐
    出口より吐出することを特徴とする下記特性を有する非
    晶性ないしは低結晶性ポリアミド樹脂の製造法。 (ここでR1、R2、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜8の
    アルキル基を表わし、R1〜R4は互いに同じでも異なって
    いてもよい。また二つのシクロヘキサン環の1,4−位を
    占めるアミノ基と炭素原子の幾何異性はトランス−トラ
    ンス体が30モル%以上、シス−シス体が20モル%以
    下。) 特性 (イ) 相対粘度:1.2〜1.9 (ロ) 〔NH2〕<〔COOH〕 ここで〔NH2〕はポリアミドのアミノ末端基量、〔COO
    H〕はポリアミドのカルボキシ末端基量を表わす。 (ハ) ガラス転移点≧150℃ (ニ) ΔHf<10cal/g ここでΔHfはポリアミドの結晶融解熱量を表わす。
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