JPH07108989B2 - 電気レオロジー流体 - Google Patents

電気レオロジー流体

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JPH07108989B2
JPH07108989B2 JP2203831A JP20383190A JPH07108989B2 JP H07108989 B2 JPH07108989 B2 JP H07108989B2 JP 2203831 A JP2203831 A JP 2203831A JP 20383190 A JP20383190 A JP 20383190A JP H07108989 B2 JPH07108989 B2 JP H07108989B2
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electrorheological
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silica particles
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泰文 大坪
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M171/00Lubricating compositions characterised by purely physical criteria, e.g. containing as base-material, thickener or additive, ingredients which are characterised exclusively by their numerically specified physical properties, i.e. containing ingredients which are physically well-defined but for which the chemical nature is either unspecified or only very vaguely indicated
    • C10M171/001Electrorheological fluids; smart fluids

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気レオロジー流体に関するものであり、さら
に詳しくは、電圧によって粘性を著しく変化させること
が可能であり、さらには流動性を全く示さないゲル状態
にまで変化させることが可能で、クラッチ、バルブ、ダ
ンパー、ブレーキ、ショックアブソーバー、アクチュエ
ータ等への応用が考えられる電圧応答性に優れた電気レ
オロジー流体に関するものである。
〔従来の技術〕
電気レオロジー流体は、電気粘性流体、電気応答流体と
も呼ばれているものであり、通常は、液体状態であり、
流動性をしめすが、高電圧の印加により著しく粘度が上
昇、さらには流動性を全く示さないゲル状態にまで変化
する機能性流体である。
このような流体としては、これまである種の高分子溶
液、各種粒子を分散させた懸濁液が提案されているが、
前者は印加電圧に対する粘度増加率が小さく電気レオロ
ジー流体として充分な機能を示さず、これまで主として
後者の粒子分散系流体を中心に検討がなされている。
粒子分散系の電気レオロジー流体は、高分子溶液系に比
べれば比較的良好な電圧印加による粘度増加、即ちウィ
ンズロー効果を示し、これまで、特定量の表面シラノー
ル基を有するシリカを油性媒体中に分散させた流体組成
物(特公昭45−10048号公報)、水分を吸着したイオン
交換樹脂を分散させた組成物(特開昭48−17806号公
報)、チタン酸バリウムとシリカ微粉末を分散させた組
成物(特公昭58−32197号公報)、含水フェノール樹脂
分散系(特開昭58−179259号公報)、結晶化ゼオライト
を分散させた組成物(特開昭63−185812号公報)の他、
セルロース、澱粉、大豆ガゼイン等を分散させたものも
知られている。
これらの公知の電気レオロジー流体組成物は、印加電圧
によって粘度を変化するものの、いまだその変化率は充
分なものとは言えない。また、電圧印加により流動性の
ある状態から、動力伝達も可能な比較的強度のあるゲル
状態にまで変化しうる電気レオロジー流体が望まれてい
るものの、電圧を印加した状態でゲルにまで変化しうる
ものは、電圧をかけない状態でも極めてチクソトロピッ
クで粘度が高いものであったり、電圧をかけない状態で
充分な流動性を有するものは、電圧をかけてもゲル化す
ることができなったり、満足な特性を示すものは得られ
ていない。
また、粒子分散系の懸濁液の場合、電気レオロジー流体
の保存中に、粒子が沈降する問題も無視できないもので
あり、充分な保存安定性を示す組成物はいまだ得られて
いない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、上記問題点を解決するものである。即ち、印
加電圧によって充分大きな粘度変化を示し、条件によっ
ては全く流動性を示さず、動力伝達も可能なゲルまで変
化しうる組成物で、分散粒子の沈降も殆ど起こらず、保
存安定性に優れた電気レオロジー流体を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、シリカ粒子を電気絶縁性媒体中に分散させて
なる電気レオロジー流体において、該シリカ粒子が一般
式Si(OR)(Rはアルキル基)で示されるシリコンア
ルコキシドをアルカリ触媒の存在下で加水分解すること
により合成された球状の粒子で、500℃以下の温度で乾
燥させたものであり、平均粒径が0.1〜2.0μmの範囲内
であり、窒素吸着で求めたBET比表面積が100m2/g以下で
あり、かつ熱重量分析の200℃までの重量減少率が2〜1
2%であり、該シリカ粒子添加量が体積%で10〜50%で
あることを特徴とする電気レオロジー流体である。
いわゆるシリカゲル等の水和シリカ、超微粒子状無水シ
リカ等を含むシリカ粒子を電気絶縁性媒体に分散させた
電気レオロジー流体は比較的よく検討され、報告されて
いる。このシリカ粒子の中で代表的なものは、ケイ酸ソ
ーダを無機酸で分解し、凝固したシリカゲルを水洗、乾
燥、粉砕して得られる乾燥剤としてよく使用されるシリ
カゲル粒子である。シリカゲル粒子の場合には次のよう
な問題点を有す。
このようなシリカゲル粒子は300m2/g以上の高い比表面
積を有する多孔体であり、これを高濃度に油性媒体中に
分散させるのは困難である。そのため充分な電気レオロ
ジー効果を得ることができない。また、高濃度にシリカ
ゲル粒子を分散させるためには高濃度の分散剤の添加を
必要とし、このことは場合によっては電気レオロジー効
果の低下を招くのみならず、電気絶縁性触媒の導電率向
上、耐湿性低下、長期化学的安定性の低下をもたらす。
また、シリカ粒子はシリカゲルの粉砕によって製造され
るため、微細粒子を作ることが困難であり、粗大粒子の
混入は分散粒子の沈降による保存安定性の面でも問題あ
るものである。
また、四塩化ケイ素等のケイ素を含む揮発性化合物を酸
水素炎中で加水分解することによって合成される超微粒
子状無水シリカもよく検討されるものの一つであるが、
この系においても粒子が微細で高比表面積を有するた
め、油性触媒中に高濃度に分散させることは困難であ
り、分散可能な低濃度領域の粒子分散組成物においては
充分な電気レオロジー効果は発現しない。
本発明者はこれらの課題を解決すべく、種々の化合物粒
子を電気絶縁性触媒中に分散させた多くの系を検討した
結果、ある特定の方法でシリカ粒子を合成し、電気レオ
ロジー流体に応用した場合、極めて良好な電気レオロジ
ー効果が発現し、本発明を成し得たものである。
本発明で使用されるシリカ粒子は、一般式Si(OR)
(Rはアルキル基)で示されるシリコンアルキシドを
アルカリ触媒存在下で加水分解することにより合成され
た球状の粒子で、500℃以下の温度で乾燥させたもので
ある。
シリコンアルキシドとしては、アルキル基がメチル基の
テトラメトキシシラン、エチル基のテトラエトキシシラ
ンが代表的なものであり、その他テトライソプロポキシ
シラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラ−n−ブ
トキシシラン等が例示される。これらのシリコンアルコ
キシドを加水分解して球状の粒子を合成するが、この際
加水分解反応を均一に行うために適当量の有機溶媒が使
用される。これに使用される有機溶媒としては、水と混
話性を有するものが好ましく、一般にアルコール類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒド
ロフラン等が例示されるが、使用したシリコンアルコキ
シドのアルコキシ基に対応するアルコール、例えば、シ
リコンテトラエトキシドの場合にはエタノールを使用す
るのが合理的であり、工業的にも好ましい。
シリコンアルコキシドを加水分解する際には、重縮合速
度を速め、球状の粒子を合成するためにアルカリ触媒が
使用される。アルカリ触媒としては、アルカリ金属水酸
化物、アンモニア、有機アミン等が例示されるが、不純
物が残存せず、また球状粒子を合成するのに好適な触媒
としてアンモニアを使用するのが好ましい。
このような球状シリカの合成法としては、W.Stoberらの
方法(J.Colloid and Interface Sci.,26,62−69(196
8))、下平らの方法(粉体および粉末冶金,23,137−1
42(1976))を挙げることができ、本発明の電気レオロ
ジー流体に用いるシリカ粒子として特に好適なものであ
る。
このような手法で合成されたシリカ粒子は、平均粒径0.
1〜2.0μmの範囲内にある粒径分布の狭い単分散球状粒
子である。また、粒子も緻密なものであり、窒素吸着で
求めたBET比表面積も100m2/g以下で、粒径分布も考慮し
て計算により求められる幾何表面積とほぼ等しい値を示
す。
また、以下に示すような手法で乾燥されたシリカ粒子の
炭素含有量は3%以下である。吸着水によると考えられ
る熱重量分析の200℃までの重量減少率は2〜12%、ま
た、残存有機物、シラノール基の縮合によると考えられ
る200℃〜1000℃における重量減少率は、2〜10%程度
であった。
上記手法により合成されたシリカ粒子は反応母液から分
離し、乾燥した後、電気レオロジー流体のマトリックス
である電気絶縁性媒体中に分散して電気レオロジー流体
とする。また、他の手法として反応母液を電気絶縁性媒
体に置換し、それを乾燥することによって電気レオロジ
ー流体とすることも可能である。前者は液体を含有しな
い状態での乾燥過程を経るため、乾燥時の粒子の凝集が
引き起こされ、電気絶縁性触媒中への再分散の必要性は
あるものの、電気レオロジー効果は後者の手法に比べて
大きく好ましい手法と言える。一方、後者は、電気レオ
ロジー効果は多少犠牲にするもののシリカ粒子合成の際
に使用、生成した低沸点化学種は、絶縁性媒体共存下で
乾燥されるので、粒子の分散性に優れた電気レオロジー
流体を得ることが出来る。
上記両手法の差により、電気レオロジー特性に差異が認
められる理由は、現状不明であるが、電気レオロジー流
体に要求される特性によって、両手法を適宜選定しう
る。以下両手法を説明する。
シリカ粒子を反応母液から分離し、乾燥する方法におい
て、シリカ粒子の分離は、濾過、遠心分離、溶媒の真空
あるいは常圧下での留去によって行うことができる。反
応母液から分離されたシリカ粒子は500℃以下の温度で
乾燥し、電気絶縁性媒体に分散して電気レオロジー流体
とする。500℃を越える温度で乾燥した場合、吸着水分
の低減、表面シラノール基の低減等のためと考えられる
電気レオロジー効果の著しい低下があり、好ましくな
い。
また、一度500℃を越える温度で乾燥したものでも、水
中に分散させたり、高湿度雰囲気下に放置したり、極端
な場合には、通常の生活環境下に長時間放置することに
よっても吸着水分量の増加、表面シラノール基の増加に
伴う重量増が観察され、これを電気絶縁性媒体中に分散
させると電気レオロジー効果が発現する。従って、一度
500℃を越える温度で乾燥したものであっても上記に示
すような水分の再吸収操作を行ったものは乾燥操作を行
わなかったのと実質的に同一であり、そのような粉体も
500℃以下の温度で乾燥されたものに含まれるものとす
る。
この分離、乾燥されたシリカ粒子を絶縁性媒体に分散す
る手法は、通常の手法を用いることが可能であり、ボー
ルミル、アトライター、三本ロール等による分散が可能
である。
また、シリカ粒子を合成した反応母液を電気レオロジー
流体のマトリックスである絶縁性媒体に置換して電気レ
オロジー流体を製造する例としては、シリカ粒子を合成
した反応母液に絶縁性媒体を添加し、反応母液を留去す
ることにより、媒体を置換する方法が例示される。この
際、反応母液と絶縁性媒体とが不混和な場合には両者に
混和性を有する媒体に一度置換することにより、均一に
電気レオロジー流体の媒体へ置換することが可能とな
る。
この方法で電気レオロジー流体を乾燥する際は、500℃
以下であることはもちろん、使用する絶縁性触媒の沸
点、分解点以下の温度でなされ、より、好ましくは、真
空あるいは不活性雰囲気下でなされる。
本発明で使用される絶縁性媒体は、電気的絶縁性を有す
る高沸点物質であれば、特に制限はなく、通常よく使用
されるものとして、石油系潤滑剤、トランス油、シリコ
ーン油、セバシン酸ジブチル、塩化パラフィン、臭化ア
ルキル、芳香族ポリカルボン酸のアルキルエステル、ハ
ロフェニルアルキルエステル、ハロフェニルアルキルエ
ーテル、フッ素系オイル等が例示される。
この絶縁性媒体へのシリカ粒子の添加量は10〜50体積%
である。10体積%未満の場合、電圧印加に対する粘度変
化率が小さく、電気レオロジー流体として特性が低い。
50体積%を越える場合、電圧を印加しない通常時の粘度
も高くチクソトロピックな挙動を示すようになり不適当
である。
〔作用〕
本発明の電気レオロジー流体は、電圧を印加しない状態
では優れた流動性を示し、条件によっては電圧印加によ
りゲル状態にまで変化する優れた特性を有するものであ
る。この理由は未だ充分には解明されていないが、シリ
コンアルコキシドから合成された球状の粒子が、緻密な
粒子であり、その粒径が気相法で合成されたシリカ微粒
子のように微細すぎることがなく、また、破砕されて製
造された粒子のような粗大であることもなく、電気レオ
ロジー効果を引き起こすのに好適な粒子径であることが
考えられる。また、このシリコンアルコキシドから合成
された粒子が吸着水を比較的安定に保持しうることも重
要な効果を持っているものと考えられる。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的実施例を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
実施例1 8重量部のテトラエトキシシランを34重量部のエタノー
ルに溶解し、均一に混合した。これに濃アンモニア水
(29%)25重量部をエタノール100重量部に溶解した溶
液を添加し、均一に混合した後、20℃で24時間、120回
/分の振とう速度で振り混ぜながらシリカ粒子を合成し
た。得られたシリカ粒子を濾別し、70℃で真空乾燥し、
2.44重量部のシリカ粒子を得た。
このシリカ粒子は、IRではアルキル基に基づく吸収は全
く観察されず、元素分析の結果、炭素含有率は0.9wt
%、水素含有率は1.5wt%であり、生成物は水和シリカ
である。このシリカ粒子の粒径は、遠心沈降法で求めた
メジアン径で0.44μm、標準偏差が0.26μmの単分散球
状粒子であり、粒径分布から計算された幾何表面積は5.
66m2/gであった。一方、窒素吸着によるBET法で測定し
た比表面積は6.7m2/gであり、合成されたシリカ粒子が
比多孔性、即ち緻密体であることが示されている。シリ
カ粒子の熱重量分析の結果、200℃までの温度領域にお
いて物理吸収水によると考えられる吸熱を伴う7.0%の
重量減、200℃から1000℃の温度域でわずかな発熱を伴
う6.3%の重量減が観察された。
得られた水和シリカ粒子の比重を2.2とし7.5重量部のシ
リカ粒子と7.72重量部のシリコンオイル(東芝シリコー
ン製TSF451−100,粘度1ポイズ)をメノウ乳バチで均一
に混合し、シリカ粒子が30体積%の電気医レオロジー流
体を調製した。
この電気レオロジー流体のレオロジー測定は振動板型レ
オメーターを用いた。これは固定台とそれに平行な振動
板との間隙に試料液体をはさみ、振動板を一定の力で振
動させたときの振動変位から試料の粘弾性を測定する装
置である。
測定周波数45Hzの動的測定を行い試料膜厚を40〜75μm
とし、これに0〜1kV/mmの電場を加えた時の電気レオロ
ジー挙動について調べた。粘弾性測定の結果、ここで用
いた分散系については、ひずみ、電圧によらず常にG′
<0.2″(G′:貯蔵弾性率、G″:損失弾性率)とな
り、弾性効果は非常に小さいことがわかった。そこで、
実験結果はすべて複素粘性率の絶対値|η|(=|G
|/ω=〔(G′)+(G″)0.5/ω:|G|は複
素弾性率の絶対値、ωは角周波数)で表すことにする。
結果を第1図に示す。電場をかけない状態での応力−粘
度曲線はほぼ水平で極めて良好な流動性を示している。
この電気レオロジー流体に1kV/mmの電場をかけると測定
版以内においては全く流動性を示さないゲル状態とな
り、極めて良好な電場応答性を示している。また、この
電気レオロジー流体の保存安定性も良好であり、室温で
4週間静置しておいても沈澱物はほとんど認められなか
った。
比較例1 テトラエトキシシランを部分的に加水分解して得られた
オリゴマー(平均5量体、エチルシリケート40コルコー
ト(株)製)100重量部をエタノール72重量部と均一に
混合した。これに1規定アンモニア塩基性に調整させた
水30重量部とエタノール50重量部の混合液を添加し、50
℃で48時間静置し、ゲルを得た。このゲルを50℃で乾燥
した後、粉砕し、70℃で真空乾燥し、電気レオロジー流
体用のキセロゲルのシリカ粉末を得た。
この粉末の窒素吸着によるBET比表面積は620m2/g、細孔
容量は1.8ml/gの多孔質シリカゲルであり、熱重量分析
の結果200℃までの吸熱を伴う5.06%の重量減と200℃以
上の温度域で激しい発熱を伴う8.0%の重量減が観察さ
れ、残存有機物の多いことが示唆された。
このキセロゲルのシリカ粉末と実施例1に示したシリコ
ンオイルからなるシリカ粉末を30体積%含む電気レオロ
ジー流体の調製を試みたが、シリカ粉末の吸油量が多く
調製不可能であった。
比較例2 比較例1のキセロゲルのシリカ粉末を使用し、実施例1
と同等の粘性を示す流体を調製した。6.7体積%のキセ
ロゲル粉末を含有する電気レオロジー流体の調製が可能
であった。
実施例1のレオメータにより電気レオロジー特性を評価
した。1kV/mmの電場をかけた場合と電場をかけない場合
の応力−粘度曲線はほとんど同じであり、またチクソト
ロピー性のためばらつきが見られ、且つ電気レオロジー
効果はほとんど認められなかった。
比較例3 気相合成法で作られた超微粒子状無水シリカ、いわゆる
アエロジル(日本エアロジル製OX50)により電気レオロ
ジー流体の調製を試みた。窒素吸着によるBET比表面積5
0m2/gであり、1000℃までの熱重量分析では1.9%の重量
減が認められた。
このエアロジルと実施例1に示したシリコンオイルから
成るシリカ粉末を30体積%含む電気レオロジー流体の調
製を試みたが、シリカ粉末の吸油量が多く調製不可能で
あった。
比較例4 比較例3のエアロジル粉末を使用し、実施例1と同等の
粘性を示す流体を調製した。4.4体積%のアエロジル粉
末を含有する電気レオロジー流体の調製が可能であっ
た。
実施例1のレオメータにより電気レオロジー特性を評価
した。1kV/mmの電場をかけた場合と電場をかけない場合
の応力−粘度曲線はほとんど同じであり、ほとんどニュ
ートン流体であって、電気レオロジー効果はほとんど認
められなかった。
比較例5 市販のシリカゲル(クロマト用、関東化学製)を使用し
て電気レオロジー流体を調製することを検討した。この
シリカゲルの熱重量分析の結果、200℃までの吸熱を伴
う2.4%の重量減と200℃以上の温度域での3.1%の重量
減が観察された。
このシリカゲルの粉末と実施例1に示したシリコンオイ
ルから成るシリカ粉末が30体積%含む電気レオロジー流
体の調製を試みたが、シリカ粉末の吸油量が多く調製不
可能であった。
比較例6 比較例5のシリカゲル粉末を使用し、実施例1と同等の
粘性を示す流体を調製した。11.8体積%のシリカゲル粉
末を含有する電気レオロジー流体の調製が可能であっ
た。
実施例1のレオメータにより電気レオロジー特性を評価
した。1kV/mmの電場をかけた場合と電場をかけない場合
の応力−粘度曲線は同じであり、電気レオロジー効果は
ほとんど認められなかった。また、この流体を1日静置
すると沈殿物が認められ、保存安定性にも問題があっ
た。
比較例7 実施例1と同じ手法でシリカ粒子を合成し、600℃で12
時間乾燥した。この粒子をBET比表面積は7.2m2/gであ
り、時に焼結により比表面積が低下していることはな
い。また、熱重量分析の結果においては、200℃までの
吸熱減量はほとんどなく、1000℃までの重量減少率は3.
7%であった。
得られたシリカ粒子の比重を2.2とし7.5重量部のシリカ
粒子と7.72重量部のシリコンオイル(東芝シリコーン製
TSF451−100、粘度(ポイズ)をメノウ乳バチで均一に
混合し、シリカ粒子を30体積%含む電気レオロジー流体
を調製した。
この流体の電気レオロジー特性を評価した結果、1kV/mm
の電場をかけた場合とかけない場合の応力−粘度曲線は
ほとんど同じであり、電気レオロジー効果はほとんど認
められなかった。
実施例2 実施例1と同じ手法でシリカ粒子を合成し、反応媒体を
シリコンオイルに置換することにより45体積%のシリカ
粒子を含む電気レオロジー流体を調製した。
以下にその方法を示す。
8重量部のテトラエトキシシランを34重量部のエタノー
ルに溶解し、均一に混合した。これに濃アンモニア水
(29%)25重量部をエタノール100重量部に溶解した溶
液を添加し、均一に混合した後、20℃で24時間、120回
/分の振とう速度で振り混ぜながらシリカ粒子を合成し
た。
このシリカ粒子を含む液を50℃で減圧濃縮し、これに1.
25重量部のシリコンオイルと100重量部のテトラヒドロ
フランの混合物を添加し、超音波分散により均一な懸濁
液とし、50℃で溶媒が留去されなくなるまで減圧濃縮を
行った。さらに均一な電気レオロジー流体を得るため10
0重量部のテトラヒドロフランの添加、超音波液分散、
溶媒留去の手順を2回繰り返し、最後に70℃で24時間真
空乾燥して電気レオロジー流体を得た。
電気レオロジー特性の結果を第2図に示した。電場0の
場合に第2図に示したものが1kV/mmの電圧印加により流
動性を示さないゲル状態に変化し、良好な特性を示し
た。また、粒子の分散安定性も極めて良好であった。
実施例3 実施例2と同様の手法で、40体積%のシリカ粒子を含む
電気レオロジー流体を調製し、電気レオロジー特性の測
定を行った。結果を第2図に併せて示した。1kV/mmの電
圧印加により粘度が著しく上昇し、分散安定性が極めて
良好なこととあわせて良好な電気レオロジー流体が得ら
れた。
〔発明の効果〕
本発明の電気レオロジー流体は、電圧を印加しない状態
では優れた流動性を示し、電圧印加により、高粘性また
はゲル状態にまで変化する優れた可逆的特性を有するも
のであり、かつ経時においても粒子の沈降等の品質劣化
が生じ難い優れた保存安定性を有するので、クラッチ、
バルブ、ダンパー、ブレーキ、ショックアブソーバー、
アクチュエーター等への応用が考えられる有用な工業材
料である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1の結果を示すグラフであり、第2図
は、実施例2及び実施例3の結果を示すグラフであり、
横軸は、電気レオロジー流体へ印加される振動応力を示
し、縦軸は、複素粘性率の絶対値を示す。第3図は、比
較例2及び比較例4の結果を示すグラフであり、横軸
は、振動応力を示し、縦軸は、複素粘性率の絶対値を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−74911(JP,A) 特開 昭62−72514(JP,A) 特開 昭63−282110(JP,A) 特公 昭45−10048(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリカ粒子を電気絶縁性媒体中に分散させ
    てなる電気レオロジー流体において、該シリカ粒子が一
    般式Si(OR)(Rはアルキル基)で示されるシリコン
    アルコキシドをアルカリ触媒の存在下で加水分解するこ
    とにより合成された球状の粒子で、500℃以下の温度で
    乾燥されたものであり、平均粒径が0.1〜2.0μmの範囲
    内であり、窒素吸着で求めたBET比表面積が100m2/g以下
    であり、かつ熱重量分析の200℃までの重量減少率が2
    〜12%であり、該シリカ粒子添加量が体積%で10〜50%
    であることを特徴とする電気レオロジー流体。
JP2203831A 1990-08-02 1990-08-02 電気レオロジー流体 Expired - Lifetime JPH07108989B2 (ja)

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