JPH07108191B2 - ホエ−タンパク質の改質方法 - Google Patents

ホエ−タンパク質の改質方法

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JPH07108191B2 JP14817886A JP14817886A JPH07108191B2 JP H07108191 B2 JPH07108191 B2 JP H07108191B2 JP 14817886 A JP14817886 A JP 14817886A JP 14817886 A JP14817886 A JP 14817886A JP H07108191 B2 JPH07108191 B2 JP H07108191B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ホエータンパク質の改質法、さらに詳しく
は、ホエータンパク質の加熱ゲル強度を向上させ、併せ
てホエータンパク質中の細菌数を減少させ、食品、医薬
品用蛋白質原料としての用途を拡大させるホエータンパ
ク質の改質法に関する。
〔従来の技術と問題点〕
ホエーから分離されるホエータンパク質のうち、ゲル濾
過法、限外濾過法、イオン交換法で得られたものは、実
質的に未変性(加熱により変性されていない)なので、
ホエータンパク質の高い栄養価と幅広い機能特性を生か
して各種の加工食品用素材として利用され始めている。
未変性ホエータンパク質の機能特性としては、広範囲
のpHにおける高い溶解性、泡沫安定性、乳化性、
ゲル化性などがあげられる。そして、それぞれの特性を
生かして、各種の蛋白強化飲料、育児用飲料、メレ
ンゲなどの菓子類、ソーセージ、ランチョンミート、
デザート類などに利用されている。
前記したような未変性ホエータンパク質の機能特性は、
いずれも卵白の機能特性と共通点があり、各種食品への
利用に際して機能特性、価格等の面で競合関係にある。
したがって未変性ホエータンパク質の機能特性のうち弱
点とされているゲル化性を改善することは、ホエータン
パク質の食品加工用素材としての利用価値を高める上
で、重要な課題となっている。また未変性ホエータンパ
ク質は、加熱変性を防ぐために、製造工程において可及
的低い温度で加熱処理しているので、細菌管理を厳重に
行っても細菌数が多くなることがある。したがって、食
品加工用素材として利用するには、細菌数の少ない安定
した製品を供給する必要がある。
ホエータンパク質のゲル化性を向上する方法として、 (1)ホエータンパク質溶液をアルカリ下で加温保持
後、クエン酸、塩酸等混合した酸を添加してpHを調製す
る方法(特公昭60-3814号)。
(2)ホエーにクエン酸塩等の塩類を添加した後、限外
濾過してカルシウム含量を少なくする方法(特開昭58-1
34952号)。
が提案されているが、上記(1),(2)の方法は、
酸、塩類の添加、pHの調整、加温等を要し、操作が複雑
であり、かつ風味の点からも好ましくない。また
(1),(2)の方法で得たホエータンパク質は細菌数
の点で不安定である。
また、本発明者らは、さきに粉末状のホエータンパク質
を加湿後、加熱乾燥して、ホエータンパク質の加熱ゲル
強度、保水性、起泡性等の機能特性を向上させ、併せて
細菌数を減少させる方法を出願したが、この方法では前
処理として加湿操作を要し、加熱乾燥にも長時間(0.5
〜5.0時間)を要するという問題点がある。
本発明は、簡単な操作で、ホエータンパク質のゲル強度
を向上させると同時に、細菌数の減少を図ることを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のホエータンパク質の改質法は、未変性の粉末状
ホエータンパク質を温度110〜130℃の過熱水蒸気に10〜
20秒間接触させることを特徴とするものである。
本発明で使用する未変性ホエータンパク質は、ゲル濾過
法、限外濾過法、イオン交換法等で得られるホエータン
パク質濃縮物(Whey protein concentrate以下WPCとい
う)、限外濾過により濃縮後カルボキシメチルセルロー
スを添加して吸着分離する方法等で得られるホエータン
パク質単離物(Whey protein isolate以下WPIという)
等であり、ホエータンパク質含量が75%以上のものが好
ましい。その分析例は第1表の通りである。
過熱水蒸気は、飽和水蒸気を同圧下で加熱して、さらに
高温の状態にした、いわゆる乾いた状態の蒸気であり、
低温の物質にふれると凝縮して水になる水蒸気本来の性
質と加熱空気と同様に物を乾燥させる性質を合せ持って
いる。
従って、粉体の水分の変化をほとんど起さずに、瞬間的
に加湿、加熱乾燥を行ない、同時に粉体中の生菌数を減
少させることができる。
本発明においては、過熱水蒸気とホエータンパク質を瞬
間的に接触させるのであるが、使用する過熱水蒸気は温
度110〜130℃の範囲内にあることが必要である。
温度が110℃未満では生菌数の減少効果が不十分となる
おそれがある。130℃を超えるとゲル強度の向上効果が
認められないばかりでなく、高温になるに従い起泡性、
泡安定性などの機能が低下する。
過熱水蒸気とホエータンパク質との接触時間は10〜20秒
間が適当である。
10秒未満であるとゲル強度の向上の効果があらわれない
ばかりでなく、殺菌効果も低減することになる。
20秒を超えると褐変化反応が進行し、又ゲル強度、起泡
性、泡安定性などの機能特性が劣るようになる。
過熱水蒸気の圧力は上記温度範囲に対応する範囲であれ
ばよいが、通常0.1〜1.0kg/cm2Gであり、とくに0.2〜
0.5kg/cm2G位が適当である。
つぎに、本発明の試験例を示す。
試験例1 水分4.0%のWPIをキッコーマン社製の過熱水蒸気による
高速攪拌式殺菌装置を用いて第2表に示す各種条件で処
理し、得られた各試料の白色度、起泡性、泡安定性、溶
解性、耐熱性、ゲル強度を測定した。結果は第3,4,5,6
表の通りである。
対照;処理しないもの 白色度;東京電色株式会社製の色差計Model TC-1500を
使用して各試料粉の白色度を測定した。
起泡性、泡安定性;タンパク質濃度1%で溶解した各試
料溶液10mlを、ブレンダー(日本精機社、AM−5型)中
で3分間ホイップ(10000rpm)後、試料を直ちに50mlの
メスシリンダーに移した。泡の相、水相(ドレイン)及
び全量の容積を測定し、次式によって起泡性、泡安定性
を算出した。泡安定性は、ホイップ後30分経過した時点
のそれぞれの値から求めた。
起泡性=(攪拌直後の総容積−ドレイン量)/10ml 泡安定性=(攪拌直後の総容積−30分後のドレイン量)
/10ml 第3表の示すように、A,B,Cの各試料とも、白色度、起
泡性、泡安定性において、対照に比較して稍劣ってい
る。
試料A及び対照をタンパク質濃度1%の水溶液とし、1N
塩酸、1N水酸化ナトリウムにて種々のpHに調整後、1100
0G、20分間の遠心分離を行った。上清タンパク質濃度を
ミクロケルダール法によって求め、遠心分離前の試料の
タンパク質濃度に対する百分率を算出し、溶解性とし
た。
第4表の示すように圧力及び温度の低い処理条件による
試料AにおいてもpHが4.5以上の場合は対照に比較して
溶解性は劣っている。
試料A及び対照をタンパク質1%の水溶液とし、85℃で
15分間加熱後、前記の溶解性と同一の方法で百分率を算
出し耐熱性とした。
第5表の示すように試料AはpHが5.0以上の場合、対照
に比較して耐熱性は劣っている。
3Nの塩酸にてpHを5.9及び6.5に調整した0.5Mの塩化ナト
リウムを含む12%の各試料溶液を調製し、約150ml宛を
直径30mmのチューブに充填した。加熱は75℃の湯浴中で
1時間行ない、得られたゲルは、氷冷後4〜5℃で一夜
放置した。各ゲル強度の測定は、ゲルを室温下で1時間
保持した後、正確に厚さ8mmに切り出してから行なっ
た。
全研社製テクスチュロメーターを用い、測定条件はクリ
アランス5mm、プランジャー直径50mmとした。試料ゲル
は7個切り出し、それぞれについて圧縮を行ない、測定
値の最大、最小を除いた5つの平均として示した。ゲル
強度は第一ピークの高さを荷重(g)に換算した堅さ
(hardness)として示した。
第6表の示すように試料A,B及びCはいずれも対照に比
較してゲル強度は低下している。
試験例2 試験例1と同一のWPI及び装置を用いて、第7表に示す
条件で処理し、得られた各試料の白色度、起泡性、泡安
定性、ゲル強度、未変性タンパク質を試験例1と同一の
方法で測定した。結果は第8及び9表の通りである。
第8表の示すように各種機能特性において、試料D及び
Eは対照と殆ど差がないか、稍劣っている。
試験例3 試験例1と同一のWPI及び装置を用いて、第9表に示す
条件で処理し、得られた各試料の白色度、起泡性、泡安
定性、保水性(離水率)、未変性タンパク質を測定し
た。結果は第10表の通りである。
第10表の示すようにF,Gの各試料ともに、白色度、起泡
性、泡安定性、離水率についは稍低下傾向を示している
が、ゲル強度については明らかに増加している。
上記の試験例1,2及び3の結果から、ゲル強度の向上が
認められたのは試験例の処理条件すなわち温度120℃、
時間10〜20秒であり、その他の機能特性については、い
ずれの試験例についても向上は認められない。
試験例4、生菌数 試験例1と同一のWPI及び装置を用いて、第11表に示す
条件にして処理し、得られた各試料の生菌数を測定し
た。
第11表から、温度120℃で10〜20秒処理することにより
生菌数は大幅に減少していることが分る。
〔実施例〕
ホエータンパク質分離物20kgをキッコーマン社製の高速
攪拌式小型殺菌装置を用いて、圧力0.2kg/cm2、温度120
℃の過熱水蒸気に20秒接触処理した。得られた製品及び
対照の白色度、起泡性、泡安定性、ゲル強度、離水率、
細菌数は第12表の通りであった。
〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明によれば、過熱水蒸気を用い
て、その温度、時間を調整してホエータンパク質を処理
するという簡単な手段により、つぎのような効果を奏す
るものである。ホエータンパク質の起泡性、泡安定性な
どの機能特性の低下を最少限にして、ホエータンパク質
の弱点であるゲル強度を著しく向上でき、併せて細菌数
を大幅に減少させて殺菌の目的を達成できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未変性の粉末状ホエータンパク質を温度11
    0〜130℃の過熱水蒸気に10〜20秒間接触させることを特
    徴とするホエータンパク質の改質方法。
JP14817886A 1986-06-26 1986-06-26 ホエ−タンパク質の改質方法 Expired - Fee Related JPH07108191B2 (ja)

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JP3733748B2 (ja) * 1998-06-24 2006-01-11 味の素株式会社 食感が改善されたチーズホエイ蛋白、その製造方法及びその利用

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