JPH07107918A - 動物栄養補助剤及び該動物栄養補助剤を添加して得られた動物飼料並びに該動物飼料を用いた動物飼育方法 - Google Patents

動物栄養補助剤及び該動物栄養補助剤を添加して得られた動物飼料並びに該動物飼料を用いた動物飼育方法

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JPH07107918A
JPH07107918A JP5278987A JP27898793A JPH07107918A JP H07107918 A JPH07107918 A JP H07107918A JP 5278987 A JP5278987 A JP 5278987A JP 27898793 A JP27898793 A JP 27898793A JP H07107918 A JPH07107918 A JP H07107918A
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animal
feed
vinegar
fermentation
nutritional supplement
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JP5278987A
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Shoichi Hirooka
正一 広岡
Yuji Miyashita
雄次 宮下
Shoji Tsugi
昭次 都木
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Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】動物の成長促進を効果的に図ることができ、飼
育管理も容易となる分岐オリゴ糖を主成分とする食酢よ
りなる動物栄養補助剤及び動物栄養補助剤を添加して得
られた動物飼料並びに動物飼料を用いた動物飼育方法を
提供する。 【構成】分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と酢酸
発酵することにより得られ、且つ、分岐オリゴ糖を主成
分とする食酢よりなる動物栄養補助剤。 【効果】動物の成育過程において、酸味による食欲促
進、酸味のストレス緩和効果による闘争の減少、食欲不
振による夏バテ防止、下痢予防による成長促進等の優れ
た効果を発揮し、飼育管理も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は、食品である食酢を利用
した動物栄養補助剤及び該動物栄養補助剤を添加して得
られた動物飼料並びに該動物飼料を用いた動物飼育方法
に関する。詳述すると、本発明は、分岐オリゴ糖を主成
分とする食酢よりなる動物栄養補助剤、分岐オリゴ糖を
主成分とする食酢を添加してなる動物飼料、更に、分岐
オリゴ糖を主成分とする食酢を添加してなる動物飼料を
用いて動物を飼育することにより、酸味による食欲促
進、酸味のストレス緩和効果による闘争の減少、夏期の
食欲不振による夏バテ予防、下痢の予防による成長促進
を向上させて動物の増体重、飼料要求率の改善、淘汰率
の減少、加えて繁殖率の改善、肉質並びに卵質の改善、
糞便の臭いの減少等に有効な動物飼育法に関する。
【従来の技術】近年、豚、牛等をはじめとする動物の飼
育管理法は、飼育規模の拡大、高密度集中管理などによ
り、管理者の労力は大幅に合理化された反面、このよう
な飼育法は動物本来の気質や行動などを制約し、動物の
生理面に大きな影響を与えている。例えば、豚は非常に
神経質で、感染症、特に腸管感染症にかかりやすく、ス
トレスや病原菌の感染によって下痢をしたりして、時に
は死に至ることもある。特に幼畜の豚は、高密度、多頭
飼育環境と早期離乳により離乳後の生活環境や飼育変化
に速やかに適応できず、下痢などの疾病を併発し発育不
良となる場合も多く、幼畜の成長にバラツキが起こり易
くなっている。故に、従来においては、飼育管理に常時
気を配らなければならず、これが動物飼育上の大きな負
担となっていた。上記対策のため、動物飼料に難消化性
のオリゴ糖を添加して飼育することにより、動物の特に
離乳期に多くみられる下痢を改善し、体重増加を効率化
する研究が行なわれ、フラクトオリゴ糖(特開昭60−
34134号)やイソマルトオリゴ糖(特開昭63−2
4858号)などが利用されるようになった。一般に、
これらのオリゴ糖は消化されずに大腸に送り込まれると
腸内細菌によって発酵を受け、酢酸、プロピオン酸、酪
酸などの短鎖脂肪酸と炭酸ガス、水素ガス、メタンガス
などを生成し、腸内pHを低下させることにより有害菌
の増殖を抑制して腸内を浄化する機能を有するといわれ
ている。即ち、難消化性のオリゴ糖は酢酸やプロピオン
酸などを介してその機能効果に関与していた。一方、基
礎調味料として一般家庭等で常用されている食酢は、昔
から万病を治す不思議な力のあるものと信じられ、今日
まで保健剤や健康食品としても広く利用されている。食
酢はその原料製法により多品種のものがあって、基本的
には酢酸を主成分とするものであるが、食酢によって
は、アミノ酸やペプチド等の成分など、特徴が異なるた
め、特定の食酢をもって他の食酢の生理効果を断定する
ことはできない。その中で食酢には、胃液の分泌促進、
疲労回復、高血圧の予防、過酸化脂質の低下、血中アル
コールの低減等の効果に加えて脂肪肝防御や血清コレス
テロールの低下など脂質代謝改善効果があることが判明
していて、これらは基本的には酢酸の生理効果とも考え
られている。そこで、食酢成分の酢酸と難消化性のオリ
ゴ糖との組合せを基本設計とする製品が考えられるが、
このような製品は殆どなかったため、この考え方を基に
した飼料効率改善についての研究はあまり検討されてい
ないのが現状である。
【発明が解決しようとする課題】このような従来の状況
に鑑みて、本発明者らは、食酢及び食酢の含有する糖分
が動物成長等に及ぼす影響について種々研究を重ねた結
果、難発酵性糖類を含む食酢が優れた動物成長等の効果
を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の構成】
【課題を解決するための手段】本発明に係る動物栄養補
助剤は分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と酢酸発
酵することにより得られ、且つ、分岐オリゴ糖を主成分
とする食酢よりなるものであり、また、本発明の動物栄
養補助剤を添加して得られた動物飼料は上記動物栄養補
助剤を添加して得られるものであり、更に、本発明の動
物飼料を用いた動物飼育法は上記動物飼料を給与して動
物を飼育する方法である。以下に本発明を詳しく説明す
る。難発酵性糖類としてはオリゴ糖を主体として種々の
ものがある。例えば、分岐オリゴ糖(イソマルトオリゴ
糖)、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖(転移ガラ
クトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノース、スタキオ
ース)、パラチノース(イソマルチュロース)、パラチ
ノースオリゴ糖、イソラフィノース、6α−ガラクトオ
リゴ糖、カップリングシュガー(グルコシルシュクロー
ス、マルトシルシュクロース)、異性化乳糖(ラクチュ
ロース)、直鎖オリゴ糖(マルトトリオース、マルトテ
トラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオー
ス)、サイクロデキストリン(α、β、γ)、分岐サイ
クロデキストリン、糖アルコール(エリスリトール、ラ
クチトール、パラチニット、キシリトール、ソルビトー
ル、マンニトール、マルチトール、イソマルチトー
ル)、ネオトレハロース、マルチュロース、イヌロオリ
ゴ糖、レバンオリゴ糖、アガロオリゴ糖、ネオアガロオ
リゴ糖、キシロオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオ
リゴ糖、マンノオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ダイフラ
クトースアンハイドライド(DFA)、イソマルトシュ
クロース、キシロシュクロース、キシロシルフラクトシ
ド、乳化オリゴ糖(ラクトシュクロース)等に加えて、
更にはポリデキストロース、分岐デキストリン、食物繊
維(難消化性多糖類)などがある。本発明は、上記の難
発酵性糖を含む食酢が動物成長促進等の優れた生理効果
を示す知見より導かれたものである。本発明に係る動物
栄養補助剤及び該動物栄養補助剤を添加して得られた動
物飼料並びに該動物飼料を用いた動物飼育方法は、特に
分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と酢酸発酵する
ことにより得られ、且つ、イソマルトース、パノース、
イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を主成分とする
食酢を動物成長促進等に利用するものである。このよう
な本発明は、従来、全く見あたらないものである。分岐
オリゴ糖は、非発酵性糖類とも称せられ、特に日本古来
の伝統的酒類である清酒中に存在するオリゴ糖として詳
細に研究されてきた。即ち、イソマルトース(分子内に
α−1,6グルコシド結合を有する二糖類)、パノース
(分子内にα−1,6と1,4グルコシド結合を有する
三糖類)、イソマルトトリオース(分子内にα−1,6
グルコシド結合を有する三糖類)等である。これらの分
岐オリゴ糖は、清酒のうま味、こく味に関与する成分で
あり、分岐オリゴ糖含有糖類製品で、その糖成分が酒税
法に適合するものは、醸造用糖類としても利用されてい
る。また、分岐オリゴ糖は、ビフィズス菌因子であり、
且つ、低う蝕性などの体調調節機能性があることが知ら
れている。分岐オリゴ糖の製造方法に関しては特開昭5
6−51982号、特開昭61−124389号、特開
昭63−291588号、更に高純度品の製法に関する
特開平1−98601号など多くの製造方法が示されて
いるが、特に本発明に用いる分岐オリゴ糖としての制限
はない。これらの製法上の基本は、マルトースを生成す
るアミラーゼを主体とし、これに糖の転移作用を有する
酵素を作用させることにある。即ち、この反応は転移酵
素がマルトースに作用分解して生じたグルコースが受容
体としてのグルコース或いはマルトースに転移してイソ
マルトースやパノース等を生成するものであるが、分岐
オリゴ糖の生成が進行するにつれてグルコースが副生す
る。また、未反応のマルトースもあるために、反応液は
難発酵性糖類の分岐オリゴ糖を主体とするが、発酵性糖
類であるグルコース、マルトースも副生糖分として含有
するものである。また、クロマト分離法により、分岐オ
リゴ糖含有糖類中の発酵性糖類のグルコースをほとんど
除去して、難発酵性糖類を高純度とした分岐オリゴ糖含
有糖類もできる。本発明において、分岐オリゴ糖含有糖
類をアルコール発酵と酢酸発酵させる原理は、発酵性糖
類であるグルコース等をアルコ−ル発酵させて最終的に
酢酸成分となし、難発酵性糖類であるイソマルトース、
パノース、イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を残
糖させることにより、分岐オリゴ糖を高純度、高濃度に
含む、優れた食酢が得られることにある。また、酢酸発
酵が終了した従来の食酢に後から分岐オリゴ糖含有糖類
を加えることは容易であるが、このような方法によって
得られた食酢では、糖組成分及び発酵によって得られる
副成分においても、本発明に用いられる食酢とは明白な
差がある。食酢の原理は、含アルコールもろみが酢酸菌
の酸化発酵により食酢となるものであり、該酢酸発酵を
大別すると、静置発酵法(表面発酵法)と深部発酵法
(全面発酵法)の二つの方法がある。静置発酵法は、種
酢(前回の発酵終了液)にアルコールを含有する原料液
を加え充分に混合して、温度25〜35℃で1〜3ヶ月
間静置して酢酸発酵を行うものである。深部発酵法は、
原料液と酢酸菌の混合物に空気を送り込み激しく撹拌し
て、液面全体で急速に酢酸発酵を行うものである。本発
明における酢酸発酵の方法には特に限定はない。また、
本発明におけるアルコール発酵のための酵母としては、
サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyc
es cerebisiae)種が主に用いられ、ま
た、酢酸発酵のための酢酸菌としては、アセトバクター
・アセチ(Acetobacter aceti)、ア
セトバクター・パストゥーリアンス(Acetobac
ter pasteurianus)、グルコノバクタ
ー・オキシダンス(Gluconobacter ox
ydans)等が用いられるが、その菌株の種類は問わ
ない。本発明において、分岐オリゴ糖含有糖類をアルコ
ール発酵と酢酸発酵するための条件としては、糖濃度5
%以上、発酵温度25〜35℃、発酵終了後の酢酸濃度
4%以上である。本発明により得られた動物栄養補助剤
は、例えば幼雛育成用、中雛育成用、大雛育成用、成鶏
飼育用、若肉鶏飼育用、採卵鶏飼育用、ブロイラーなど
の養鶏用配合飼料、哺乳期子豚育成用、幼豚育成用、若
豚育成用、成豚飼育用、種豚飼育用、肉豚飼育用などの
養豚用配合飼料、哺乳後期子牛育成用、幼令牛育成用、
若令牛育成用、乳牛飼育用、肉牛飼育用などの牛用配合
飼料、その他、ウズラ用配合飼料等の各種の飼料100
重量部に対して10重量部以下に添加して使用される
が、経済性等を考慮すると5重量部以下の添加が望まし
い。また、必要があれば、養鶏などの場合は、飲水10
0重量部に対して本発明の動物栄養補助剤を10重量部
以下に添加して、給与することも可能である。その結
果、本発明の動物栄養補助剤は、例えば、上記に関連し
たニワトリ、ブタ、ウシ、ウズラなどに加えて、ヒツ
ジ、ヤギ、ウマ、イノシシ、ウサギ、バク、イヌ、ネ
コ、シチメンチョウ、ホロホロチョウ、カモ、キジ、ア
ヒル、バリケン(タイワンアヒル)、ガチョウ、チャ
ボ、ハト、カナリヤ、マウス、ラット、カメ、スッポ
ン、ミツバチ、カイコ、その他実験動物などの飼料又は
飲水に添加して成育用として給与すれば有効である。食
酢の有する本来の生理作用は、栄養素の体内での燃焼を
促進してエネルギーの利用率を高めるものとされてい
る。炭水化物が体内で利用されるときには、酢酸をはじ
めとする有機酸がエネルギーを発生する。この酢酸や有
機酸が充分存在しない場合、不完全燃焼を起こし、栄養
素は無駄になるばかりでなく、体に害を与えるといわれ
ている。本発明において用いられる難発酵性糖、即ち、
イソマルトース、パノース、イソマルトトリオース等の
分岐オリゴ糖を主成分として含有する食酢が、動物に対
して及ぼす成長等の現象効果を有することは明確である
が、これは、食酢固有の効能に分岐オリゴ糖の腸内細菌
叢改善効果が相乗的に発現強化されること等によるもの
か、詳しい作用機序はいまのところ不明である。前記本
発明に係る動物栄養補助剤は液状であるが、噴霧乾燥法
により粉末とすることもできる。また、圧搾大豆粕、抽
出大豆粕、棉実粕、棉実殻、抽出ラッカセイ粕、アマニ
粕、ヤシの実、ヤシ粕、ヤシ殻、ナタネ粕、ゴマ粕、米
ヌカ、フスマ、乾燥ビール粕、麦芽粕、コーングルテン
フィード、コーングルテンミール、コーンジスチラース
ドライドグルテン、アルファルファミール、粉砕エン麦
殻、粉砕トウモロコシ軸、乾燥ホエイ、肉粉、血粉、肝
臓粉、セルロース、デンプン、シリカ、ゼオライト等の
吸着性を有する資材に吸着させることにより粉末とする
こともできる。
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、その
要旨の範囲内で種々の変形が可能である。 [実施例1](市販の分岐オリゴ糖含有糖類を原料とし
た食酢の製造)
【表1】 表1に示した市販の分岐オリゴ糖含有糖類[群栄化学工
業株式会社製:グンエイオリゴS(登録商標)]を純水
にて30%w/wに調整して、1000mlを原料とし
た。この原料に酵母[サッカロミセス・エリプソイデス
Saccharomyces ellipsoide
us)の培養液]10mlと酵母エキス1g、リン酸一
カリウム0.5g、リン酸二アンモニウム0.5gを加
え、温度25〜30℃にて、10日間アルコール発酵を
行った。発酵後のアルコール濃度は6.5%v/vであ
った。これを温度65℃にて10分間加熱して酵母を殺
菌した後、アルコール濃度を5.5%v/vに調整し
た。次に、種酢[アセトバクター・アセチ(Aceto
bacter Aceti)の酢酸発酵液]30mlを
加えて、酸度1.5%に調整した後、温度35〜40
℃、10日間酢酸発酵を行った。発酵後の酢酸濃度4.
5%v/w、アルコール濃度0.3%v/vであった。
これを濾過して菌体を除き、75℃で加熱処理して分岐
オリゴ糖を主成分とする食酢とした。この食酢は、まろ
やかなあっさりした酸味と風味が特徴であった。下記表
2に、本実施例により得られた食酢の酸度、無塩可溶性
固形分及び糖組成を示す。なお、酸度及び無塩可溶性固
形分の分析法は、食酢の日本農林規格、昭和54年6月
8日、農林水産省告示第801号、第5条(測定方法)
で行った。糖組成分の分析装置としては、HPLC(高
速液体クロマトグラフィー):ウォーターズ590型、
カラムSCR101N(島津)(触媒は水)と島津LC
4A型、カラムZorbax NH2(デュポン)(溶
媒はアセトニトリル:水=70:30)を使用した。
【表2】 前記表2から明らかなように、本実施例により得られた
食酢は、従来の食酢とは異なり、高糖分であって、その
糖組成が非発酵性糖類であるイソマルトースやパノー
ス、イソマルトトリオース等の分岐オリゴ糖を主体とす
る新規な食酢である。 [比較例1](本実施例により得られた食酢中の分岐オ
リゴ糖の抽出調整) 本実施例により得られた食酢と市販の分岐オリゴ糖との
成育効果を比較するため、分岐オリゴ糖含有糖類をアル
コール発酵と酢酸発酵して得られた本実施例に係る食酢
をイオン交換樹脂[三菱化成工業製;ダイヤイオン(登
録商標)]を用いて脱塩、精製を行い、食酢中の分岐オ
リゴ糖を抽出調整した。前記表2に示した本実施例に係
る食酢を、「強酸性陽イオン交換樹脂(PK218)」
「弱塩基性陰イオン交換樹脂(WA30)」及び「強酸
性陽イオン交換樹脂(PK218)と強塩基性陰イオン
交換樹脂(PA408)との混床」の順に充填したカラ
ムに、空間速度(SV.hr-1)0.5で通液した。こ
の操作を3回繰り返して完全に脱塩、精製した後、更に
活性炭にて精製後、固形分75%(w/w)まで減圧濃
縮して食酢中の分岐オリゴ糖を抽出調整した。この分岐
オリゴ糖と前記のHPLC(高速液体クロマトグラフィ
ー)にて分析した結果を表3に示す。
【表3】 [実験例1](本発明に係る動物栄養補助剤を添加して
得られた動物飼料の嗜好性試験) 本発明の動物栄養補助剤を添加して得られた動物飼料を
給与した場合、食いつき、食い込みなど嗜好性への影響
を試験した。 [1]豚 試験実施場所は、群馬県渋川市の養豚場、試験期は平成
3年9月、供試豚は品種ランドレース(L)、生後2カ
月の若豚(3豚房計42頭)、生後3カ月の若豚(3豚
房計42頭)、生後5カ月の成豚、雄(3豚房計20
頭)、生後5カ月の成豚、雌(3豚房計19頭)で実施
した。各月齢の豚に対して、配合飼料給与のみの無添加
区(対照)、同配合飼料100重量部に本発明の動物栄
養補助剤1重量部に上載せ添加区(1%)、同配合飼料
100重量部に本発明の動物栄養補助剤5重量部上載せ
添加区(5%)の3区を設定し比較した。本発明の動物
栄養補助剤(液状)の配合飼料への添加法は混合機にて
撹拌しながら散布し、殆どダマができないように浸透さ
せ、配合飼料に吸着させて給与した。嗜好性は試験開始
時に所定量の飼料を自由給与し、30時間後の各試験区
の飼料残量より摂取量を集計し、1頭あたりの飼料摂取
量で比較した。この結果を表4に示す。
【表4】 本発明の動物栄養補助剤を配合飼料に添加すると、1%
添加ではほんのり酸っぱい酸臭がした。5%添加では酸
臭が強くなると同時に配合飼料もしっとりとした感じと
なった。この飼料を給与した場合、各月齢の豚の食いつ
き、食い込み等の嗜好性は5%添加においても悪い影響
は認められず、むしろ豚の食欲を刺激するためか、食欲
促進する傾向が見られた。この傾向は、表5に示す如
く、成豚よりも若豚の方が高かった。 [2]乳牛 試験実施場所は、愛知県豊橋市の牧場、試験期は平成4
年8月、供試乳牛の品種はホルスタイン、搾乳牛1産〜
4産(計10頭)で実施した。試験方法は本発明の動物
栄養補助剤をシリカに吸着させて粉末状(本発明の動物
栄養補助剤を50%含有する)とし、乳牛用配合飼料1
00重量部に対して1重量部(本発明の動物栄養補助剤
として0.5重量部)を混合して添加飼料とした。給与
方法は本発明の動物栄養補助剤を添加して得られた動物
飼料を10日間連続給与後、その後10日間は通常(無
添加)の配合飼料を給与、そして、再び本発明の動物栄
養補助剤を添加して得られた動物飼料を10日間連続給
与して嗜好性を観察した。通常(無添加)の配合飼料給
与ではこの時期、飼料摂取量及び乳量の低下が起こる
が、本発明に係る動物栄養補助剤を添加して得られた動
物飼料の給与期間では、その前後に比較して減少幅は少
なかった。この嗜好性の効果は乳質にも影響し、通常
(無添加)の配合飼料給与の平均では乳脂肪率3.5
%、体細胞数30万以下/gに対して、本発明の動物栄
養補助剤を添加して得られた動物飼料の給与期間の平均
では、乳脂肪率3.6%、体細胞数10万以下/gであ
り、前記本発明の動物栄養補助剤の添加により乳質も向
上した。これは食下してからの消化液の分泌を促進させ
るためと考えられ、特に夏期の食欲不振に対して効果が
上がると判断された。 [3]採卵鶏 試験実施場所は、宮崎県宮崎市養鶏場、試験期間は平成
4年7月下旬〜8月下旬(1カ月)、供試鶏の品種は白
色レグホーン種系、日齢約400日(計約2000羽)
で実施した。試験方法は供試鶏を2区に分け、前記本発
明の動物栄養補助剤を飲水100重量部に対して0.2
重量部の割合で添加した試験区と無添加の対照区で比較
した。飼料摂取量については試験区及び対照区の間には
ほとんど差がなく、飲水量についても両区間に差が認め
られなかったので、嗜好性については問題はないと判断
された。 [実験例2](本発明に係る動物栄養補助剤を添加して
得られた動物飼料を用いた飼育試験) 平均体重6.3kgの哺乳期(25日齢)の子豚を、1
区あたり8頭として対照区、実験区、比較区の3区で4
週間試験飼育した。対照区は哺乳期用配合飼料のみを給
与した。実験区は同配合飼料100重量部に前記実施例
1で調整した本発明の動物栄養補助剤0.9重量部上載
せ添加した飼料を給与した。比較区は、同配合飼料10
0重量部に比較例1で調整した本発明の動物栄養補助剤
(食酢)より抽出した分岐オリゴ糖0.24重量部上載
せ添加した飼料を給与した。実験区と比較区において飼
料100重量部に上載せされる固形分当りの分岐オリゴ
糖量は同じ0.18重量部であり、実験区ではこれに更
に酢酸が0.04重量部上載せされている。試験期間中
の対照区、実験区、比較区の飼料は不断給与とし、水は
自由飲水として、その他は使用した養豚場の慣例にした
がった。測定項目は体重測定(試験期開始時、試験終了
時)、飼育摂取量(飼育期間中に摂取した飼料量を試験
終了時に集計)、一般状態(便の状態や子豚同士の闘争
状態、ひね豚の状態を観察)とし、以上により対照区、
実験区、比較区の増体重、飼料要求率(増体重と飼料摂
取量の比)、一般状態を比較した。この結果を表5に示
す。
【表5】 表5に示した如く、対照区に比べて、実験区、比較区で
は下痢が減少し、子豚同士の闘争も少なくなる傾向がみ
られ、ひね豚の発生もなく、飼育管理が容易であること
が判明した。また、増体重、飼料要求率も良好であった
が、その改善効果は比較区の分岐オリゴ糖添加飼料より
も実験区の本発明の動物栄養補助剤を添加して得られた
動物飼料を給与したほうが優れていることが判明し、本
発明に係る上記動物飼料を用いた動物飼育方法の優れて
いることがわかる。た。
【発明の効果】以上詳述した本発明は、難発酵性糖であ
る分岐オリゴ糖を含む食酢が動物成長促進等の優れた生
理効果を示す知見より導かれたもので、動物の成長促進
等に有効であることは勿論、食品である食酢の新規且つ
斬新な利用法を提供するものであり、本発明によれば以
下の効果を奏する。請求項1記載の発明によれば、食酢
が分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と酢酸発酵す
ることにより得られ、且つ、分岐オリゴ糖を主成分とす
るものであることから、動物の成長促進を効果的に図る
ことができる動物栄養補助剤を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、前記動物栄養補助剤を液
状又は粉末状としたので、取り扱いが容易な動物栄養補
助剤を提供することができる。請求項3記載並びに請求
項4記載の発明によれば、飼料又は飲水に前記動物栄養
補助剤を添加して得られた動物飼料と該動物飼料を用い
た動物飼育方法であるので、発育促進等々が良好で、飼
育管理の容易な動物飼料、動物飼育方法を提供すること
ができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と
    酢酸発酵することにより得られ、且つ、分岐オリゴ糖を
    主成分とする食酢よりなることを特徴とする動物栄養補
    助剤。
  2. 【請求項2】食酢が液状又は粉末状であることを特徴と
    する請求項1記載の動物栄養補助剤。
  3. 【請求項3】分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と
    酢酸発酵することにより得られ、且つ、分岐オリゴ糖を
    主成分とする食酢よりなる動物栄養補助剤を飼料又は飲
    水100重量部に対して10重量部以下添加することを
    特徴とする動物栄養補助剤を添加して得られた動物飼
    料。
  4. 【請求項4】分岐オリゴ糖含有糖類をアルコール発酵と
    酢酸発酵することにより得られ、且つ、分岐オリゴ糖を
    主成分とする食酢よりなる動物栄養補助剤を飼料又は飲
    水100重量部に対して10重量部以下添加して得られ
    た動物飼料を給与することを特徴とする動物飼料を用い
    た動物飼育法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008000049A (ja) * 2006-06-21 2008-01-10 Showa Sangyo Co Ltd 硫化水素臭を低減した卵を用いた卵加工食品
JP2012044937A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Obihiro Univ Of Agriculture & Veterinary Medicine 飼料採食量低下を抑制するための組成物

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