JPH07107089B2 - 不飽和ビスイミド系化合物を含む組成物 - Google Patents

不飽和ビスイミド系化合物を含む組成物

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JPH07107089B2
JPH07107089B2 JP63132737A JP13273788A JPH07107089B2 JP H07107089 B2 JPH07107089 B2 JP H07107089B2 JP 63132737 A JP63132737 A JP 63132737A JP 13273788 A JP13273788 A JP 13273788A JP H07107089 B2 JPH07107089 B2 JP H07107089B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリマの中間体として有用な不飽和イミド系
化合物、その製造方法、及び、不飽和イミド系化合物を
含む樹脂組成物に関する。」を「本発明は、ポリマの中
間体として有用な不飽和ビスイミド系化合物を含む樹脂
組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来の不飽和ビスイミドの代表的なものは、特開昭56−
109219号,特開昭57−2327号公報に記載されるように、
次式 あるいは、 がある。しかし、この化合物は、ケトン系溶剤,石油系
溶剤と云つた安価な一般溶剤に殆んど、不溶であるこ
と、金属,無機物に対する接着性が劣ること、及び、硬
化物の耐熱性と可とう性の両立が難しいなどの欠点があ
る。このため、その用途目的に応じて、極めて多くのフ
オーミユレーシヨンの検討が必要となるため、用途展開
の領域を著しく制限する結果となつている。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来、耐熱ポリマの原料には、無水マレイン酸と、ジア
ミン化合物とより得られるN,N′−置換ビスマレイミド
や、無水マレイン酸とアニリン樹脂の反応生成物が知ら
れている。しかし、これらの従来のイミド系化合物は、
耐熱性は良好であるが、可撓性を付与することが難しい
こと、アセトン,トルエンなどの溶媒に対する溶解性が
悪いと云う欠点があつた。
本発明の目的は耐熱可撓性にすぐれたポリマの中間体と
して有用な不飽和ビスイミド系化合物と架橋性化合物を
含む熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、次の事項により達成されることを見出し
た。その要旨は、 (1)一般式[I] [式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基、ハロゲン基、
パーフルオロアルキル基の中のいずれかであり、互いに
同じであつても異なつていてもよい。R5及びR6は水素、
低級アルキル基、ハロゲン基、パーフルオロアルキル基
の中のいずれかであり、互いに同じであつても異なつて
いてもよい。また、D1及びD2はエチレン性不飽和二重結
合を持つ二価の有機基であり、互いに同じであつても異
なつていてもよい。]で表わされる不飽和ビスイミド系
化合物と架橋性化合物を含むことを特徴とする熱硬化性
樹脂組成物。
(2)一般式[I]が、 又は であることを特徴とする(1)の熱硬化性樹脂組成物で
ある。
[作用] 本発明に於いて、一般式[I] [式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基、ハロゲン基、
パーフルオロアルキル基の中のいずれかであり、互いに
同じであつても異なつていてもよい。R5及びR6は水素、
低級アルキル基、ハロゲン基、パーフルオロアルキル基
の中のいずれかであり、互いに同じであつても異なつて
いてもよい。また、D1及びD2はエチレン性不飽和二重結
合を持つ二価の有機基であり、お互いに同じであつても
異なつていてもよい。〕で表われる不飽和ビスイミド系
化合物とは、例えば、 などが挙げられる。
本発明に於いて、一般式〔I〕 〔式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基,ハロゲン基,
パーフルオロアルキル基の中のいずれかであり、お互い
に同じであつても異なつていてもよい。R5及びR6は水
素,低級アルキル基,パーフルオロアルキル基の中のい
ずれかであり、お互いに同じであつても異なつていても
よい。また、D1及びD2はエチレン性不飽和二重結合を持
つ二価の有機基であり、お互いに同じであつても異なつ
ていてもよい。〕で表わされる不飽和ビスイミド系化合
物は、例えば、以下の方法により製造することができ
る。すなわち、一般式〔II〕 〔式中、R1〜R4は水素,低級アルキル基,ハロゲン基,
パーフルオロアルキル基の中のいずれかであり、お互い
に同じであつても異なつていてもよい。R5及びR6は水
素,低級アルキル基,パーフルオロアルキル基の中のい
ずれかであり、お互いに同じであつても異なつていても
よい。〕で表わされる芳香族ケトンジアミン系化合物
と、一般式〔III〕又は/及び一般式〔IV〕 〔式中、D1及びD2はエチレン性不飽和二重結合を持つ二
価の有機基である。〕で表わされるエチレン性不飽和二
重結合を持つジカルボン酸無水物とを、公知のアミド酸
生成−イミド閉環反応を用いることにより製造すること
ができる。
一般式〔II〕で表わされる芳香族ケトンジアミン系化合
物は、例えば、 などが挙げられる。
また、一般式〔III〕 および、一般式〔IV〕 〔式中、D1,D2はエチレン性不飽和二重結合をもつ二価
の有機基〕で表わされるエチレン性不飽和ジカルボン酸
無水物は、例えば、無水マレイン酸,無水シトラコン
酸,無水イタコン酸,無水ピロシンコン酸,無水ジクロ
ルマレイン酸など、あるいは、これらの化合物とジシク
ロジエンとのDiels・Alder付加物の少なくとも一種が用
いられる。
前記、一般式〔II〕と〔III〕および〔IV〕とより、本
発明の一般式〔I〕で表わされる不飽和ビスイミド系化
合物を得る反応方法は、特に限定するものではないが、
一般式〔I〕の不飽和イミド系化合物を製造するために
は、第一段階で、一般式〔V〕 〔式中、R1〜R6、及びD1,D2は前記と同じである〕で表
わされるアミド酸系化合物を製造する。このためには公
知の方法が適用される。有利な方法は、一般式〔II〕で
表わされるジアミン化合物および一般式〔III〕および
〔IV〕のエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物を、両者
の溶剤である有機液体中で接触させる方法がある。通
常、一般に用いられている溶剤は、ジメチルホルムアミ
ド,ジメチルアセトアミド,ジメチルスルホオキシド,N
−メチルピロリドン,N−メチルカプロラクタム,テトラ
ヒドロフラン,ジオキサン,アセトン,ジエチルケトン
などがある。第二段階として、不飽和カルボキシアミド
酸を、環化脱水させてイミド環を生成させる。この方法
は、U.S.P.3,018,290号,U.S.P.3,018,292号およびU.S.
P.2,127,414号などに記載の公知の方法を用いればよ
い。即ち、式〔V〕のアミド酸からの脱水は、無水物と
して無水酢酸を、アミド酸基1モル当り1.05ないし1.5
モルの量で用いて、第三アミン、例えば、トリエチルア
ミンをアミド酸基1モルに対して0.15ないし0.5モルを
添加し、更に、触媒としてアミド酸基1モルに対して0.
5ないし0.05モルの酢酸ニツケル酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、あるいは第三級アミン類の存在下でアセトン
などの共溶媒中で行うとよい。
本発明の一般式〔I〕で表わされる不飽和イミド系化合
物は、架橋性化合物を配合し、優れた耐熱性と可撓性を
付与可能な熱硬化性樹脂組成物を提供できる。架橋性化
合物としては例えばビニル,アリルおよびアクリル型で
ありうる少なくとも一種の重合可能なCH2=C基を含
有する単量体を添加することにより変性できる。ここ
で、単量体は、例えば、スチレ,ン,ビニルトルエン,
α−メチルスチレン,ジビニルベンゼン,ジアリルフタ
レート,ジアリルフタレートプレポリマ,クロルスチレ
ン,ジクロルスチレン,ブロムスチレン,ジブロムスチ
レン,ジアリルベンゼンホスホネート,ジアリルアリー
ルホスフイル酸エステル,アクリル酸,メタアクリル酸
エステル,トリアリルジアヌレート,トリアリルジアヌ
レートプレポリマ,トリブロモフエノールアリルエーテ
ルなどがあり、これらの一種または二種以上を併用して
使用できる。
また、本発明の一般式〔I〕で表わされる不飽和イミド
系化合物は、公知の不飽和ポリエステルを加えることに
より、硬化前に変性可能である。ここで、不飽和ポリエ
ステルとは、不飽和二塩基酸,飽和二塩基酸、および、
その無水物、または、これらの低級アルキルエステル誘
導体等とジオール、または、アルキレンモノオキサイド
およびその誘導体等から、触媒の存在、または、不存在
下にエステル化,エステル交換等の反応を利用して縮合
または付加重合することによつて合成された不飽和基を
含有するポリエステル樹脂母体と、エチレン系(例えば
ビニル基,アリル基等)の重合性化合物、ならびに過酸
化物触媒との混合物からなるものである。この他に、ビ
スフエノールA型、ならびに、ノボラツク型等のエポキ
シ化合物とメタアクリル酸、または、アクリル酸と反応
して得られるビニルエステル系樹脂も有用である。ここ
で、不飽和二塩基酸,飽和二塩基酸の代表的なものはマ
レイン酸,無水マレイン酸,フマール酸,クロロマレイ
ン酸,ジクロロマレイン酸,シトラコン酸,無水シトラ
コン酸,メサコン酸,イタコン酸,コハク酸,アジピン
酸,セバシン酸,アゼライン酸,フタール酸,無水フタ
ール酸,イソフタール酸,テレフタール酸,無水メチル
グルタル酸,ピメリン酸,ヘキサヒドロフタル酸および
その無水物、テトラヒドロフタル酸,無水カービツク
酸,ヘツト酸およびその無水物、テトラクロロフタール
酸およびその無水物、テトラブロムフタール酸、およ
び、その無水物、これらの低級アルキルエステル等が使
用され、ジオール成分はエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、2,2−ジエチルプ
ロパンジオール、1,3−ネオペンチルグリコール、ジブ
ロムネオペンチルグリコール、ビスフエノールジオキジ
エチルエーテル、水素化ビスフエノールA、2,2−ジ
(4−ヒドロキシプロポキシフエニル)プロパン、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、3,3,3−トリ
クロロプロピレンオキサイド、2−メチル−3,3,3−ト
リクロロプロピレンオキサイド、フエニールグリシジー
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル等が使用され
る。また、必要に応じて、本発明の目的が損なわれない
範囲で、三官能以上の多塩基酸および/または多価アル
コールを併用してもよい。架橋剤は、例えば、スチレ
ン,ビニルトルエン,α−メチルスチレン,ジビニルベ
ンゼン,ジアリルフタレート,ジアリルフタレートプレ
ポリマー,クロルスチレン,ジクロルスチレン,ブロム
スチレン,ジブロムスレチン,ジアリルベンゼンホスホ
ネート,ジアリルアリールホスフイル酸エステ,アクリ
ル酸エステル,メタアクリル酸エステル,トリアリルシ
アヌレート,トリアリルシアヌレートプレポリマ,トリ
ブロモフエノールアリルエーテルなどが用いられる。本
発明で、酸成分,アルコール成分,架橋剤は一種に限定
するものではなく二種以上の併用も可能である。また、
各種の変性および変性剤の添加も可能である。また、不
飽和ポリエステルも一種に限定するものではなく二種以
上の混合も可能である。
本発明の一般式〔I〕で表わされる不飽和イミド系化合
物は、ポリアミン、特にジアミンと反応じて、可撓性の
すぐれた耐熱材料となる。ここで、アミン系化合物は、
例えば、m−フエニレンジアミン、p−フエニレンジア
ミン、ベンジジン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノ
ビフエニル、3,3′−ジクロロベンジジン、3,3′−ジメ
トキシベンジジン,4,4′−ジアミノジフエニルメタン、
1,1−ビス(4−アミノフエノール)エタン、2,2−ビス
(4−アミノフエニル)プロパン、2,2−ビス(4−ア
ミノフエニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(4−アミノフエニル)−1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テ
トラフルオロプロパン、4,4′−ジアミノジファニルエ
ーテル、4、4′−ジアミノジフエニルスルフアイド、
3,3′−ジアミノジフエニルスルフアイド、4,4′−ジア
ミノジフエニルスルホオキシド、4,4′−ジアミノジフ
エニルスルホン、3,3′−ジアミノジフエニルスルホ
ン、3,3′−ジアミノジベンゾフエノン、4,4′−ジアミ
ノベンゾフエノン、3,4′−ジアミベンゾフエノン、N,N
−ビス(4−アミノフエニル)メチルアミン、N,N−ビ
ス(4−アミノフエニル)−n−ブチルアミン、N,N−
ビス(4−アミノフエニル)アミン、m−アミノベンゾ
イル−p−アミノアニリド、4−アミノフエニル−3−
アミノベンゾエート、4,4′−ジアミノアゾベンゼン、
3,3′−ジアミノアゾベンゼンン、ビス(3−アミノフ
エニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフエニル)
フエニルホスフインオキシド、ビス(4−アミノフエニ
ル)エチルホスフインオキシド、1,5−ジアミノナフタ
リン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,1,4
−オキサジアゾール、m−キシリレンジアミン、p−キ
シリレンジアミン、2,4(p−β−アミノ−t−ブチル
フエニル)エーテル、p−ビス−2−(2−メチル、4
−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチ
ル−5−アミノペンチル)ベンゼン、ヘキサメチレンジ
アミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、
2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカ
ン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、2,5−ジメチレ
ンヘキサメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレン
ジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4,4
−ジメチルヘプタメチレンジアミン、5−メチノナメチ
レンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス
(p−アミノシクロヘキシル)メタン、3−メトキシヘ
キサメチレンジアミン、1,2−ビス(3−アミブロポキ
シ)エタン、ビス(3−アミノプロピル)スルフアイ
ド、N,N−ビス(3−アミノフロピル)メチルアミンな
どがあげられる。また、2,4−ジアミノジフエニルアミ
ン、2,4−ジアミノ−5−メチルジフエニルアミン、2,4
−ジアミノ−4′−メチルジフエニルアミン、1−アニ
リノ−2,4−ジアミノナフタレン、3,3′−ジアミノ−4
−アニリノベンゾフエノンなどのN−アリール置換芳香
族トリアミンがある。さらに、一般式 (式中、Xはメチレン基を含むアルキリデン基、mは平
均0.1以上の数を示す。)で示されるポリアミンも有用
である。特に、可撓性の付与に効果があるのは、2,2′
−ビス〔4−(4−ホミノフエノキシ)フエニル〕プロ
パン、2,2′−ビス〔3−メチル−4−(4−アミノフ
エノキシ)フエニル〕プロパン、2,4−ビス〔4−(4
−アミノフエノキシ)フエニル〕−2−メチルペンタ
ン、6,6′−ビス(3−アミノフエノキシ)−3,3,3′,
3′−テトラメチル−1,1′−スピロビインダンなど二個
エーテル結合をもつジアミン化合物がある。
また、エポキシ化合物を添加することにより、耐熱性,
成形加工性のすぐれた硬化物にもなる。
本発明のエポキシ化合物とは、例えば、ビスフエノール
Aのグリシジルエーテル、ブタジエンジエポキサイド、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−(3,4−エポキ
シ)シクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘ
キサンジオキサイド、4,4′−ジ(1,2−エポキシエチ
ル)ジフエニルエーテル、2,2−ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)プロパン、レゾルシンのグリシジルエー
テル、フロログルシンのジグリシジルエーテル、ビス−
(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2−(3,4
−エポキシ)シクロヘキサン−5,5−スピロ(3,4−エポ
キシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス−(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)アジペート、
N,N′−m−フエニレンビス(4,5−エポキシ−1,2−シ
クロヘキサンジカルボキシイミドなとの二官能のエポキ
シ化合物、パラアミノフエノールのトリグリシジルエー
テル、ポリアリルグタシジルエーテル、1,3,5−トリ
(1,2−エポキシエチル)ベンゼン、2,2′,4,4′−テト
ラグリシドキシベンゾフエノン、フエノールホルムアル
デヒドノボラツク樹脂のポリグリシジルエーテル、グリ
セリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パンのトリグリシジルエーテルなどの三官能以上のエポ
キシ化合物、また、臭素化エポキシ等のハロゲン化エポ
キシ化合物、あるいは、ヒダントインエポキシ化合物が
用いられる。
また、式 〔式中、Zはなし、−CH2−, −O−, −S−,−SO2−, の中のいずれかである。〕で表わされる四官能エポキシ
化合物、例えばベンゾフエノンテトラグリシジルエーテ
ル(BPTGE),レゾルシンスルフイドテトラグリシジル
エーテル(RSTGE)などが、耐熱性を付与する上で、有
用である。
また、本発明に於いて、一般式〔I〕で表わされる不飽
和イミド系化合物を含む組成物には、エポキシ化合物の
公知の硬化剤、触媒を添加できる。このようなものとし
ては、垣内弘著;ポエキシ樹脂(昭和45年9月発行)10
9〜149ページ、Lee Neville著;Epoxy Resins(Mc Graw
−Hill Book Company Inc New York,1957年発行)63〜1
41ページ、P.E.Brunis著;Epoxy Resins Technology(In
terscience Publishers,New York,1968年発行)45〜111
ページなどに記載の化合物であり、例えば、樹脂族ポリ
アミン,芳香族ポリアミン,第二および第三アミンを含
むアミン類,カルボン酸類,カルボン酸無水物類,脂肪
族および芳香族ポリアミドオリゴマおよびポリマ類,三
フツ化ホウ素−アミンコンプレツクス類,フエノール樹
脂,メラミン樹脂,ウレア樹脂,ウレタン樹脂などの合
成樹脂初期縮合物類、その他、ジシアンジアミド,カル
ボン酸ヒドラジド,ポリアミノマレイミド類などがあ
る。
これら硬化剤は、用途,目的に応じて一種以上を使用す
ることが出来る。
特に、フエノールノボラツク樹脂は、硬化樹脂の金属イ
ンサートに対する密着性,成形時の作業性などの点か
ら、半導体封止用材料の硬化剤成分として好適である。
さらに、エポキシ樹脂組成物の硬化反応を促進する目的
で各種の触媒を添加することができ、この触媒は、例え
ば、トリエタノールアミン,テトラメチルブタンジアミ
ン,テトラメチルペンタンジアミン、テトラメチルヘキ
サンジアミン,トリエチレンジアミン、及び、ジメチル
アニリン等の第三級アミン,ジメチルアミノエタノー
ル、及び、ジメチルアミノペンタノール等のオキシアル
キルアミンならびにトリス(ジメチルアミノメチル)フ
エノール及びメチルモルホリン等のアミン類を適用する
ことができる。
又、同じ目的で、触媒として、例えば、セチルトリメチ
ルアンモニウムプロマイド,セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド,ドデシルトリメチルアンモニウムアイ
オダイド,トリメチルドデシルアンモニウムクロライ
ド,ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロラ
イド,ベンジルメチルパルミチルアンモニウムクロライ
ド,アリルドデシルトリメチルアンモニウムプロマイ
ド,ベンジルジメチルステアリルアンモニウムプロマイ
ド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、及
び、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセテ
ート等の第四級アンモニウム塩を適用することができ、
更に、2−ウンデシルイミダゾール、2、メチルイミダ
ゾール、2−エチルイミダゾール、2、ヘプタデシルイ
ミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾール、1
−ブチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミ
ダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−フエニルイミダゾール、1−アジン−2−メチ
ルイミダゾール、1−アジン−2−ウンデシルイミダゾ
ールなどのイミダゾール類、トリフエニルホスフインテ
トラフエニルボレート、テトラフエニルホスホニウムテ
トラフエニルボレート、トリエチルアミンテトラフエニ
ルボレート、N−メチルモルホリンテトラフエニルボレ
ート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフエ
ニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミダゾー
ルテトラフエニルボレートなどのテトラフエニルボレー
トなどがある。
また、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,2,0)オクテン−5、
1,8−ジアザ−ビシクロ(7,2,0)ウンデセン−8、1,4
−ジアザ−ビシクロ(3,3,0)オクテン−4、3−メチ
ル−1,4−ジアザビシクロ(3,3,0)オクテン−4、3,6,
7,7−テトラメチル−1,4−ジアザ−ジシクロ(3,3,0)
オクテン−4、1,5−ジアザ−ビシクロ(3,4,0)ノネン
−5、1,8−ジアザ−ビシクロ(7,3,0)ドデセン−8、
1,7−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−6、1,5−ジア
ザビシクロ(4,4,0)デセン−5、1,8−ジアザビシクロ
(7,4,0)トリデセン−8、1,8−ジアザビシクロ(5,3,
0)デセン−7、9−メチル−1,8−ジアザビシクロ(5,
3,0)デセン−7、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウン
デセン−7、1,6−ジアザビシクロ(5,5,0)ドデセン−
6、1,7−ジアザビシクロ(6,5,0)トリデセン−7、1,
8−ジアザビシクロ(7,5,0)テトラデセン−8、1,10−
ジアザビシクロ(7,3,0)ドデセン−9、1,10−ジアザ
ビシクロ(7,4,0)トリデセン−9、1,14−ジアザビシ
クロ(11,3,0)ヘキサデセン−13,1,14−ジアザビシク
ロ(11,4,0)ヘプタデセン−13などのジアザビシクロ−
アルケン類なども有用である。これら化合物は、目的と
用途に応じて一種類以上併用することもできる。これら
化合物の中でも、特に、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7(DBU)並びに化合物のカルボン酸塩類
が、本発明の効果を発揮する上で有効である。
また、本発明の一般式〔I〕で表わされる不飽和イミド
系化合物には、N,N′−置換ビスマレイミドを併用する
ことも可能である。N,N′−置換ビスマレイミド系化合
物とは、次式 〔式中、R7はアルキレン基,アリレン基またはそれらの
置換された2価の有機基を示す〕で表わされる化合物
で、例えば、N,N′−エチレンビスマレイミド、N,N′−
ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−ドデカメチレ
ンビスマレイミド、N,N′−m−フエニレンビスマレイ
ミド、N,N′−4,4′−ジフエニルエーテルビスマレイミ
ド、N,N′−4,4′−ジフエニルメタンビスマレイミド、
N,N′−4,4′−ジシクロヘキシルメタンビスマレイミ
ド、N,N′−4,4′−メタキシレンビスマレイミド、N,
N′−4,4′−ジフエニルシクロヘキサンビスマレイミド
等を挙げることができ、又これらの二種以上を混合して
使用することもできる。更に、モノ置換マレイミド、ト
リ置換マレイミド,テトラ置換マレイミドと置換ビスマ
レイミドとの混合物も適宜使用することができる。
N,N′−置換ビスマレイミド系化合物の中でも、特に、
一般式〔VI〕 (式中、R8〜R11は水素,低級アルキル基、低級アルコ
キシ基、塩素または臭素を示し、互いに同じであつても
異なつていてもよい。R12およびR13は水素,めちる基,
エチル基,トリフルオルメチル基、または、トリクロロ
メチル基、D3及びD4は2〜24個の炭素原子を有する二価
の有機基を示す。)で表わされるエーテルイミド系化合
物を併用することにより、汎用溶媒への溶解性の向上,
無機物、金属などに対する接着性の向上,耐熱性付与と
可とう性の両立が可能となり、展開領域が大巾に広が
る。本発明の一般式〔VI〕で表わされるエーテルイミド
系化合物は、例えば、2,2−ビス〔4−(4−マレイミ
ドフエノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−
メチル−4−(4−マレイミドフエノキシ)フエニル〕
プロパン、2,2−ビス〔3−クロロ−4−(4−マレイ
ミドフエノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3
−ブロモ−4−(4−マレイミドフエノキシ)フエニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔3−エチル−4−(マレイ
ミドフエノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3
−エチル−4(マレイミドフエノキシ)フエニル〕プロ
パン、2,2−ビス〔3−プロピル−4−(4−マレイミ
ドフエノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−
イソプロピル−4−(4−マレイミドフエノキシ)フエ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−ブチル−4−(4−
マレイミドフエノキシ)フエニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔3−sec−ブチル−4−(4−マレイミドフエノキ
シ)フエニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−メトキシ−
4−(4−マレイミドフエノキシ)フエニル〕プロパ
ン、1,1−ビス〔4−(4−マレイミドフエノキシ)フ
エニル〕エタン、1,1−ビス〔3、メチル−4−(4−
マレイミドフエノキシ)フエニル〕エタン、1,1−ビス
〔3−クロロ−4−(4−マレイミドフエノキシ)フエ
ニル〕エタン、1,1−ビス〔3−ブロモ−4−(4−マ
レイミドフエノキシ)フエニル〕エタン、ビス〔4−
(4−マレイミドフエノキシ)フエニル〕メタン、ビス
〔3−メチル−4−(4−マレイミドフエノキシ)フエ
ニル〕メタン、ビス〔3−クロロ−4−(4−マレイミ
ドフエノキシ)フエニル〕メタン、ビス〔3−ブロモ−
4−(4−マレイミドフエノキシ)フエニル〕メタン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−
マレイミドフエノキシ)フエニル〕プロパン、1,1,1,3,
3,3−ヘキサクロロ−2,2−ビス〔4−(4−マレイミド
フエノキシ)フエニル〕プロパン、3,3−ビス〔4−)
4−マレイミドフエノキシ)フエニル〕ペンタン、1,1
−ビス〔4−(4−マレイミドフエノキシ)フエニル〕
プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス
〔3,5−ジブロモ−4−(4−マレイミドフエノキシ)
フエニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−
2,2−ビス〔3−メチル−4−(4−マレイミドフエノ
キシ)フエニル〕プロパンなどがある。
また、本発明の組成物には以下の化合物を併用すること
も有益である。
また、本発明の一般式〔I〕で表わされる不飽和イミド
系化合物脂には、次式 A(O−C≡N)m 〔式中、mは2〜5である。Aは少なくとも1個の芳香
族を有するm価の有機基である。シアナート基は有機基
の芳香核に結合しているもの。〕で表わされる多官能シ
アン酸エステル系化合物を併用することもできる。
多官能シアン酸エステル系化合物は、例えば、1,3−ジ
シアナトベンゼン、1,4−ジシアナートベンゼン、1,3,5
−トリシアナトベンゼン、1,3−ジシアナトナフタレ
ン、1,4−ジシアナトナフタレン、1,6−ジシアナトナフ
タレン、1,8−ジシアナトナフタレン、2,6−ジシアナト
ナフタレン、2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリ
シアナトナフタレン、4,4′−ジシアナトビフエニル、
4,4′−ジシアナト−ジフエニルメタン、4,4′−ジシア
ナートジフエニルエーテル、4,4′−ジシアナートジフ
エニルスルホン、4,4′−ジシアナートジフエニルスル
フイド、2,2−ビス(4−シアナートフエニル)プロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−シアナートフエノキシ)フ
エニル〕プロパン、2,2−ビス(4−シアナートフエニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−
シアナートフエノキシ)フエニル〕ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−シアナトフエニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−シアナ
トフエニル)プロパン、トリス(4−シアナトフエニ
ル)ホスフアイト、トリス(4−シアナトフエニル)ホ
スフエートなどがある。
前記のN,N′置換マレイミド系化合物、あるいは、不飽
和ポリエステルなどの重合性官能基をもつ化合物を、本
発明の一般式〔I〕および/または一般式〔II〕で表わ
される化合物と併用する場合、その樹脂組成物には、短
時間の加熱によりその硬化を完了させる目的で、重合開
始剤を添加することが望ましい。このような重合開始剤
は、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパ
ーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド、
カブリリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ア
セチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシ
ド、シクロヘキサノンパーオキシド、ビス(1−ヒドロ
キシシクロヘキシルパーオキシド)、ヒドロキシヘブチ
ルパーオキシド、第三級ブチルハイドロパーオキシド、
p−メンタンハイドロパーオキシド、第三級ブチルパー
ベンゾエート、第三級ブチルパーアセテート、第三級ブ
チルパーオクトエート、第三級ブチルパーオキシイソブ
チレート、及び、ジ、第三級ブチルパーフタレート等の
有機過酸化物が有用であり、その一種又は二種以上を用
いることができる。
本発明では、上述の重合触媒に、例えば、メルカブタン
類,サルフアイト類,β−ジケトン類,金属キレート
類,金属石鹸等の既知の促進剤を併用することもでき
る。又、樹脂組成物の室温における貯蔵安定性を良好に
するために、例えば、p−ベンゾキノン、ナフトキノ
ン、フエナントラキノン等のキノン類、ハイドロキノ
ン、p−第三級−ブチルカテコール及び2,5−ジ−第三
級ブチルハイドロキノン等のフエノール類及びニトロ化
合物及び金属塩類等の既知の重合防止剤を、所望に応じ
て使用できる。
本発明の樹脂組成物を硬化させる手段は、上述の加熱方
式以外に、イオン化放射線や光(紫外線)による硬化法
を用いることができる。
イオン化放射線は、各種加熱機からの電子線やコバルト
−60等のアイソトープからのガンマ線等を用いることが
できる。
また、光硬化の際の光源は、太陽光線,タングステン
灯,アーク灯,キヤノン灯,ハロゲンランプ,低圧、あ
るいは、高圧の水銀灯が使用される。
光硬化の際には、光増感剤の使用を制限するものではな
い。このようなものは例えば、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンザスロン、β−メルアン
トラキノン、ベンゾフエノン、9,10−フエナンスレンキ
ノン、アントラキノン、ベンゾフエノン、5、ニトロア
セナフテン、1−ニトロナフタレン、ミヒラーズケト
ン、あるいは、エオシン,エリスロシン,アクリジンな
どがあり、一種以上を併用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、また、最終的な塗膜,
接着剤層,樹脂成形品等における樹脂の性質を改善する
目的で、種々の天然,半合成,或いは、合成樹脂類を配
合することができる。このような樹脂は、乾性油,半乾
性油等のオレオレジン,ロジン,シエラツク,コーバ
ル,油変性ロジン,エノール樹脂,アルキド樹脂,尿素
樹脂,メラミン樹脂,ボリエステル樹脂,ビニルブチラ
ール樹脂,酢酸ビニル樹脂,塩化ビニル樹脂,アクリル
樹脂,シリコーン樹脂の一種又は二種以上の組合せを挙
げることができ、これらの樹脂は、本発明のシアン酸エ
ステル−ビスマレイミド樹脂の本来の性質を損わない範
囲の量、例えば、全樹脂量のうち30重量%以下の量で配
合し得る。
本発明の樹脂組成物には、更に繊維質或いは粉末の形の
補強材や充填剤を含有させることができる。粉末状補強
剤乃至は充填剤としては、各種カーボンブラツク,微粉
末シリカ,焼成クレイ,塩基性ケイ酸マグネシウム,ケ
イソウ土粉,アルミナ,炭酸カルシウム,炭酸マグネシ
ウム,マグネシア,カオリン,セリサイト等の無機粉末
を用いることができる。繊維質補強材としては、セラミ
ツク繊維アスベスト,ロツクウール,ガラス繊維,スラ
グ,ウール,カーボンフアイバー等の無機質繊維や、
紙,バルブ,木粉,木綿,リンター,ポリイミド繊維等
の各種合成繊維が挙げられる。繊維質補強材は、小繊
維,ステーブル,トウ,ウエブ,繊布,不織布、或い
は、抄造物等の形態で用いることができる。これらの補
強材ないし充填剤は、用途によつても相違するが積層材
料や成形材料の用途は、樹脂固形分当り4重量倍位迄の
量で使用することができる。また、本発明の樹脂組成物
には、組成物を着色する目的で、二酸化チタン等の白色
顔料や、黄鉛,カーボンブラツク,鉄黒,モリブデン
赤,コンジヨウ,グンジヨウ,カドミウム黄,カドミウ
ム赤等の着色顔料、或いは、各種有機染顔料を含有させ
ることができる。更に、本発明の樹脂組成物を塗料の用
途に使用する場合には、着色顔料の他に、ジンククロメ
ート,鉛丹,ベンガラ,亜鉛華,ストロンチユウムクロ
メート等の防錆顔料,ステアリン酸アルミニウム等の垂
れ止め剤,分散剤,増粘剤,塗膜改質剤,体質顔料,難
燃剤等のそれ自体周知の塗料用配合剤を含めることがで
きる。
本発明の樹脂組成物は、塗膜や接着剤層として基体に塗
布し、或いは、粉末、ペレツト、または基体中に含浸さ
せた状態で成形または積層した後、加熱により硬化させ
る。本発明の樹脂組成物を硬化させるのに必要な温度
は、触媒、或いは、硬化剤の使用の有無や樹脂の種類に
よつても相違するが、一般に0ないし300℃、好適には1
00ないし250℃の範囲にあるのがよい。必要な加熱時間
は、このシアン酸エステル−ビスマレイミド−エポキシ
樹脂組成物が薄い塗膜であるか、或いは、比較的肉厚の
成形品、或いは、積層物であるかによつてもかなり相違
するが、一般に、30秒間ないし10時間の内から、樹脂成
分が完全に硬化するのに十分な時間を選択すればよい。
〔実施例〕
〈実施例1〉 容量1000mlの三つ口フラスコ中に、無水マレイン酸19.6
重量部(0.2モル)及び、アセトン300mlとN−メチル−
2−ピロリドン(NMP)200mlを採り、窒素ガス雰囲気中
で撹拌溶解した。次いで、この溶媒中に、2,2−ビス
〔4−(4−アミノベンゾフエノン)フエニル〕プロパ
ン43.4重量部(0.1モル)を、アセトン300mlに溶解した
溶液を、滴下濾斗より、少しずつ徐々に撹拌状態の下で
滴下した。滴下後、40℃以下で約三時間撹拌後、60〜70
℃で二時間撹拌を行ない、アミド酸中間体溶液を得る。
次いで、溶液中に、無水酢酸150mlと、酢酸カリウム0.5
重量部、トリエチルアミン3mlを添加し、70〜90℃で約
三時間、窒素雰囲気中で撹拌を続けた。
その後、反応溶液を、約3000mlの冷却水に投入した。析
出した沈殿を濾過,洗浄,減圧乾燥して、本発明の目的
の不飽和ビスイミド系化合物(A)を得る。
この不飽和ビスイミド系化合物の赤外線吸収スペクトル
(IR)を測定した結果、イミド結合に由来する特性吸収
が1712cm-1と1788cm-1に認められた。
〈実施例2〉 実施例1の2,2−ビス〔4−(4−アミノベンゾフエノ
ン)フエニル〕プロパン43.4重量部の替りに、2,2−ビ
ス〔4−(3−アミノベンゾフエノン)フエニル〕プロ
パン43.4重量部を用いた他は、実施例1と同じ方法で合
成反応を行ない、本発明の目的の不飽和ビスイミド系化
合物(B)を得た。不飽和ビスイミド系化合物のIRを測
定した結果、イミド結合に由来する特性吸収が1714cm-1
と、1782cm-1に認められた。
〈実施例3〉 実施例1の無水マレイン酸19.6重量部の替りに、無水マ
レイン酸9.8重量部と、エンドメチレンテトラヒドロフ
タル酸16.4重量部を用いた他は、実施例1と同じ方法で
合成反応を行ない、不飽和ビスイミド系化合物(D)を
得る。
〈実施例4〉 容量1000mlの三つ口フラスコ中に、シトラコン酸無水物
22.4重量部(0.2モル)及び、アセトン300mlとN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)200mlを採り、窒素ガス雰囲
気中で撹拌溶解した。次いで、この溶液中に、2,2−ビ
ス〔4−(4−アミノベンゾフエノン)フエニル〕ヘキ
サフルオロプロパン54.2重量部(0.1モル)を、アセト
ン400mlに溶解した溶液を、滴下濾斗より、少しずつ徐
々に撹拌状態の元に滴下した。滴下後、40℃以下で約三
時間撹拌後、60〜70℃で二時間撹拌を行ない、アミド酸
中間体溶液を得る。
次いで、この溶液中に、無水酢酸150mlと、酢酸カリウ
ム0.5重量部、トリエチルアミン3mlを添加し、70〜90℃
で約三時間、窒素雰囲気中で撹拌を続けた。
その後、反応溶液を、約3000mlの冷却水に投入した。析
出した沈殿物を濾過,洗浄,減圧乾燥して、本発明の目
的の不飽和ビスイミド系化合物(C)を得る。
〈実施例5〜12〉 本発明の不飽和ビスイミド系化合物として、 の五種類を採り上げた。これらに更に、ビスフエノール
A型エポキシDER332(ダウ・ケミカル社製)、オルトジ
アリルビスフエノールF、2,2−ビス〔4−(4−マレ
イミドフエノキシ)フエニル〕ヘキサフルオロプロパン
(略して、DAPP−FMI)、トリアリルイソシアヌレート
(TAIC)を、それぞれ別個に第1表に示した所定量(重
量部)を配合して、八種類の配合物を作つた。これらの
配合物には、それぞれ硬化促進剤として、ジシアンジア
ミド,ベンゾクアナミン、及び、ジクミルパーオキサイ
ド(DCPO)を、また、カツプリング剤としてエポキシシ
ランKBM403(信越化学社製)を所定量添加した。
次いで、こられの配合組成物は、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)とメチルエチルケトン(MEK)の等量混合
液に溶解して、45〜48重量%の固形分を含むワニスとし
た。
ワニス溶液を用いて、ガラス布(日東紡社製WE−116P.B
Y−54)に、樹脂含浸塗布し、160℃,15分間乾燥させ、
樹脂含有量45〜48重量%の塗工布を作成した。
次いで、塗工布八枚を用い、その上下に35μm厚のTAI
処理銅箔(古河電工−CFC社製)を重ね、170〜185℃、4
0kg・f/cm2の条件下で八十分積層接着し、厚さ約1.6mm
の両面銅張り積層板を作成した。
この銅張り積層板を、更に200℃、四時間後硬化を行な
つた。得られた銅張り積層板八種類の諸特性を第1表に
した。
なお、各特性の測定方法は次の通りである。
(a)銅箔引き剥し強度 銅張り積層板より25mm×100mmの大きさに試験片を切り
取つた後、中央部に巾10mmに銅箔を残し、他の銅箔はエ
ツチング除去した。次に、中央部の銅箔を垂直方向に5m
m/minの速度で引き剥し、その強度を測定した。
(b)半田耐熱性 銅張り積層板より25mm角に切り取つたものを試験片とし
た。この試験片を300℃に加熱した半田浴に浮かべ、ふ
くれなどの異常の発生する時間を測定した。
(c)消炎性 UL−94垂直法に従つて測定した。上記の銅張り積層板か
ら幅12mm,長さ125mmに切り取り、銅泊をエツチングした
ものを試験片とした。試験片は各々十個ずつ測定し、平
均消炎時間で表した。
なお、平均消炎時間5秒以内、最長消炎時間10秒以内が
UL−94,V−0,平均消炎時間25秒以内,最長消炎時間30秒
以内がUL−94,V−1である。
〈実施例13〉 本発明の不飽和ビスイミド系化合物として、次式 で表わされるビスマレイミドを50重量部と、2,2−ビス
〔4−(4−シアナトフエニル)ヘキサフルオロプロパ
ン25重量部、臭素化ポリ(P−ヒドロキシスチレン)ア
リルエーテル100重量部にジクミルパーオキサイド5重
量部、充填剤として溶融石英ガラス粉200重量部、強化
剤として長さ3mmのガラス繊維100重量部、カツプリング
剤として二重量部を加え、約80℃に加温したニーダを用
いて十分間混練し成形材料を得た。この波形材料を用い
て、寸法127×13×1mmの試験片をトランスフア成形によ
り作成した。この際の条件は、金型温度180℃、成形圧
力150kg/cm2、硬化時間三分とした。この成形品につい
てUL94に準じた難燃性試験でV−0に適合する難燃性を
得ることが出きた。また、25℃での貯蔵安定性が三十日
以上と優れており、さらに、曲げ強度が200℃,三十日
劣化後にも初期値の90%を保持し、加熱減量が3%であ
り耐熱性にも優れた成形材料である。
なお、ガラス転移温度は直径10mm,厚さ2mmの樹脂硬化物
の熱膨張率を昇温速度2℃/minで測定し、熱膨張率が変
化する温度をガラス転移温度とした。熱分解温度は樹脂
硬化物を粉砕した試験10mgについて、空気雰囲気中、昇
温速度5℃/minで測定し、5%減量したときの温度を熱
分解温度とした。比誘電率の測定はJISC6481に準じて行
い周波数1MHzの静電容量を測定して比誘電率を求めた。
線膨張係数は積層板(10mm角)の厚さ方向の熱膨張率を
昇温速度2℃/minで測定し、50℃から200℃までの変化
量から求めた。その他、半田耐熱性,曲げ特性、JISC64
81に準じて行い、半田耐熱性は260℃,300秒で外観の異
常の有無を調べた。曲げ強度は積層板を25×50mmに切断
し支点間距離30mm,曲げ速度1mm/minの条件で室温、180
℃で測定した。難燃性はUL−94垂直法に準じて測定し
た。
本発明における樹脂組成物は赤外線吸収スペクトルおよ
び表1の酸価の値から反応がほぼ終了していることがう
かがえる。得られた樹脂は難燃性に効果のある臭素を多
量に含有し、かつ、低温加熱で硬化する。しかも、比誘
電率が3.5以下と小さく低誘電率材料で、かつ、線膨張
係数が10×10-5℃以下と小さく好適な樹脂である。
また、本発明における樹脂組成物を用いた積層材料は低
誘電率材料として一般的に知られているポリブタジエン
系材料と同様、低誘電率特性をもち、現在、大型計算機
の多層プリント板に適用されているエポキシ系材料やポ
リイミド系材料に比べ比誘電率を4.7から3.5以下にでき
ることから信号伝送遅延時間を15%低減できる。さら
に、ガラス転移温度,熱分解温度および半田耐熱性等で
示される耐熱性や線膨張係数の特性はエポキシ系材料や
ポリブタジエン系材料に比べ優れた特性を示し、ポリイ
ミド系材料と同等の特性をもつ。難燃性は難燃剤等の添
加なしで、UL規格のV−Oクラスに適合する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、耐熱性,難燃性の低誘電率積層材料を
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 59/40 NKG 73/06 NTM

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 〔式中、R1〜R4は水素、低級アルキル基,ハロゲン基,
    パーフルオロアルキル基の中のいずれかであり、お互い
    に同じであつても異なつていてもよい。R5及びR6は水
    素,低級アルキル基,パーフルオロアルキル基の中のい
    ずれかであり、お互いに同じであつても異なつていても
    よい。また、D1及びD2はエチレン性不飽和二重結合を持
    つ二価の有機基であり、お互いに同じであつても異なつ
    ていてもよい。〕で表わされる不飽和ビスイミド系化合
    物と架橋性化合物を含むことを特徴とする熱硬化性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】一般式[I]が 又は であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の熱
    硬化性樹脂組成物。
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