JPH0710686A - 単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置 - Google Patents

単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置

Info

Publication number
JPH0710686A
JPH0710686A JP15661293A JP15661293A JPH0710686A JP H0710686 A JPH0710686 A JP H0710686A JP 15661293 A JP15661293 A JP 15661293A JP 15661293 A JP15661293 A JP 15661293A JP H0710686 A JPH0710686 A JP H0710686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crucible
single crystal
graphite
quartz
graphite crucible
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15661293A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Suzuki
計弥 鈴木
Hiroomi Matsuo
博臣 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP15661293A priority Critical patent/JPH0710686A/ja
Publication of JPH0710686A publication Critical patent/JPH0710686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶製造用ルツボにおける黒鉛ルツボのガ
スによる浸食抑止。 【構成】 ルツボ1は、石英ルツボ11と、前記石英ル
ツボを収容支持する複数のブロックによって形成される
黒鉛ルツボ2とからなる。黒鉛ルツボ2は、たとえば底
中央部分を形成する底板3と、円周壁を形成する3個の
ルツボ本体4とからなる。黒鉛ルツボ2は底部内周壁に
全周に亘って設けられた嵌合溝50に黒鉛からなる嵌合
体51が着脱自在に嵌め込まれている。嵌合体51によ
ってルツボ本体4間のスリット13は表面に露出しなく
なり、石英ルツボ11から蒸発したSiOガスが含まれ
るガスが通過するスリット13には、石英ルツボ11が
食い込まなくなり、黒鉛ルツボ2の局所的な高温化が防
げ、浸食が発生し難くなる。なお、浸食が発生した場
合、嵌合体51を交換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶製造用ルツボおよ
びそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置に関し、特に
石英ルツボの外側を黒鉛ルツボで保持する二重構造ルツ
ボを有する単結晶引上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン, ゲルマニウム,化合物半導体
等の単結晶を製造する製造技術の一つとして、ルツボ内
の融液に種子結晶の先端を浸漬させ、この種子結晶を前
記ルツボに対して相対的に回転させかつ徐々に上昇させ
ることによって結晶を製造する単結晶引上法(チョクラ
ルスキー法:CZ法)が知られている。単結晶引上装置
については、たとえば工業調査会発行「電子材料別冊
号」1984年11月20日発行、P25〜P29について記載され
ている。この文献には、単結晶引上装置の構造が図解さ
れているとともに、構造説明において「ルツボなどホッ
トゾーン部品は,図2に示した概念断面図形でチャンバ
内に設置される。カーボンヒータがグラファイトのルツ
ボ容器を取り囲む形で設置され,ヒータの回りは,断熱
材で被われている。それぞれのカーボン部品の熱膨張係
数と熱伝導度は整合のとれるように選択されている。こ
の部分は,引上機構部と並んで引上装置の核になる部分
である。結晶の歩留り,結晶中に取り込まれる酸素濃
度,炭素濃度などは,この部分の熱バランスによって決
定される。したがって,ルツボを中心としたチャンバ全
体の熱バランスと,Arガス流の流れ方が重要なパラメ
ータになる。…ルツボはルツボ容器とともに上下され,
また回転される機構になっている。ルツボの回転速度
は,0〜40rpm(通常は結晶回転と逆方向)で回転
され,上下には0〜6インチ/時間で移動できる。」旨
記載されている。また、この文献には「結晶作製におい
ては,ルツボ径が結晶径の倍以上であることが理想的で
ある。したがって,8インチ結晶作製では16インチル
ツボが必要となり,それが収納できるホットゾーンを持
つ装置が必要になる。」旨記載されている。現状の8イ
ンチの結晶の量産においては、生産効率を向上させるた
めに、22〜24インチのルツボが使用されている。
【0003】また、工業調査会発行「電子材料」1981年
6月号、同年6月1日発行、P59には通常のCZ単結晶
引き上げ法とMCZ(Magnetic-field-applied Czochra
lskimethod)法が図解されている。この図には、石英ル
ツボは黒鉛ルツボの内側に収容されて支持される状態が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、シリコン単結晶
製造の主流となっているCZ法において、多結晶シリコ
ンを溶融した石英ルツボを保持する黒鉛ルツボは、結晶
引上終了後の冷却過程における残液(融液)固化に伴う
体積膨張のため、一体式では亀裂が入り使用不可能とな
るため、分割組立方式としているのが一般的である。黒
鉛ルツボは、一般的に二あるいは三等分したルツボ本体
と、底板とによって構成されている。図6はルツボ本体
を三分割構成とした黒鉛ルツボの断面図、図7は同じく
平面図である。黒鉛ルツボ2は、底板(ブロック)3
と、周壁を構成する三個のルツボ本体(ブロック)4と
からなり、これら部材(ブロック)はルツボ回転軸5の
上端に取り付けられた台座6上に単に載置されるように
なっている。台座6の上面には、中央に嵌合用窪み7を
有する逆円錐台状の窪みからなる受座9が設けられてい
る。そして、前記嵌合用窪み7に底板3の下面の突出し
た嵌合突部10を嵌合させて台座6に対して底板3を位
置決めした後、三個のルツボ本体4を順次受座9に載置
することによって上部が開口した黒鉛ルツボ2が組み立
てられる。石英ルツボ11はこの黒鉛ルツボ2内に入れ
られる。したがって、石英ルツボ11と黒鉛ルツボ2と
の間には隙間12が生じるとともに、黒鉛ルツボ2にお
いても各ブロック間に隙間(スリット)13が生じるこ
とになる(図6,図7においてスリットの状態は示して
おらず、単に実線で示す)。前記石英ルツボ11と黒鉛
ルツボ2とからなるルツボ1が単結晶引上装置のチャン
バ内に組み込まれた状態では、前記隙間12,13は、
チャンバ内を流れるArガスが流れる流路となり得る。
【0005】石英ルツボ11と黒鉛ルツボ2からなるル
ツボ1において、黒鉛ルツボ2はルツボ本体4の局部的
な浸食によって寿命が短くなる現象が生じた。この点に
ついて分析検討したところ、以下のことがわかった。す
なわち、石英ルツボ11は結晶育成中のヒータからの加
熱により軟化する。石英ルツボ11の底面は黒鉛ルツボ
2に支えられているが、底部周壁15は黒鉛ルツボ2に
密着していない。このため、図8に示すように、前記底
部周壁15は石英ルツボ11内の融液の重量によって変
形し、黒鉛ルツボ2の内壁に密着するようになるが、高
温状態で軟化しているため、同図左側部で示すように前
記スリット13にも食い込むようになる。この結果、石
英ルツボ11が食い込んだスリット13部分は高温に晒
されることになる。
【0006】一方、単結晶製造雰囲気(チャンバ内)は
Arガスが流れ、純度の高い単結晶の製造が図られてい
る。このArガスは、一般にチャンバの上方から流さ
れ、チャンバの下方から排気されている。したがって、
図8に示すように、一部のガス16は石英ルツボ11と
黒鉛ルツボ2との間の隙間12内を通り、ルツボ本体4
間のスリット13からルツボ1外に抜ける。黒鉛ルツボ
2の底部は台座6によって支えられ、この台座6がガス
16の抜けの障害物となることから、ガス16は前記底
部周壁15の上部(底部内周壁)に対応するスリット1
3部分から抜ける。このガス16内には、石英ルツボ1
1内の融液から蒸発したSiOガスも含まれる。前記石
英ルツボ11が食い込んだスリット13部分は、石英ル
ツボ11により高温となる。したがって、石英ルツボ1
1によって高温となりかつガス16が流れる黒鉛ルツボ
2部分は、図9に示すように前記SiOガスと反応して
浸食されて浸食部17が形成され、スリット13が拡大
するとともに、底部周壁15の一部の肉厚がしだいに減
少し、最終的には使用不可能となる。また、ルツボ本体
4は組で加工されるため、一つだけの交換は、他のルツ
ボ本体4との間の組合せ度合いが悪くなることから、3
個のルツボ本体4全体を交換しなければならなくなり不
経済となる。
【0007】一方、半導体装置製造に用いる半導体ウエ
ハの大口径化の要請により、引上げによって製造する単
結晶インゴットの直径も大型化している。この結果、ル
ツボの大型化,ホットゾーンの大型化が図られるため、
黒鉛ルツボに加わるヒータからの輻射熱も増加し、黒鉛
ルツボの浸食(摩耗)度合いも大きくなる。したがっ
て、黒鉛ルツボの寿命はその底部周壁の消耗程度に依存
しているといえる。先にも述べたように、その消耗程度
はルツボの大型化に伴い大きくなることから、その交換
頻度も大きくなるため、製造コストアップの一因ともな
っている。
【0008】本発明の目的は、黒鉛ルツボのガスによる
浸食が抑止できる単結晶製造用ルツボおよびそのルツボ
を組み込んだ単結晶引上装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、黒鉛ルツボの交換頻
度の低減が図れる単結晶製造用ルツボおよびそのルツボ
を組み込んだ単結晶引上装置を提供することにある。本
発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本
明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろ
う。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。すなわち、本発明の単結晶引上装置
は、石英ルツボと、前記石英ルツボを収容支持するとと
もに台座に載置されかつ複数のブロックによって形成さ
れる黒鉛ルツボとからなる単結晶製造用ルツボをガスが
流されるチャンバ内に組み込んだ単結晶引上装置であっ
て、前記黒鉛ルツボの底部内周壁に全周または前記ブロ
ックの境目に対応する部分に嵌合溝が設けられていると
ともに、この嵌合溝には黒鉛からなるリング状の嵌込体
が交換可能に嵌合された構造となっている。したがっ
て、本発明の黒鉛ルツボにおける底部周壁には石英ルツ
ボが食い込むスリット部分が存在しない構造となってい
る。
【0011】本発明の他の実施例による単結晶製造用ル
ツボは、石英ルツボと、前記石英ルツボを収容支持する
とともに台座に載置されかつ複数のブロックによって形
成される黒鉛ルツボとからなる単結晶製造用ルツボであ
って、前記黒鉛ルツボの底部内周壁でありかつブロック
の境目に対応する部分には部分的に嵌合溝が設けられて
いるとともに、この嵌合溝には黒鉛からなる嵌合体が交
換可能に嵌合されている構造となっている。前記嵌合体
は嵌合体が設けられない状態において黒鉛ルツボがブロ
ック間の隙間を流れるガスによって顕著に浸食される領
域を被うように配設されている。
【0012】本発明の他の実施例による単結晶製造用ル
ツボは、石英ルツボと、前記石英ルツボを収容支持する
とともに台座に載置されかつ複数のブロックによって形
成される黒鉛ルツボとからなる単結晶製造用ルツボであ
って、前記黒鉛ルツボは、底面および底部周壁を形成す
る単一の底板と、前記底板の縁部に一部が重なりかつ食
い込んで組み合わされる周壁を構成する複数のルツボ本
体とからなる構造となっている。
【0013】
【作用】上記した手段によれば、本発明の単結晶製造用
ルツボは、黒鉛ルツボの3個のルツボ本体には交換可能
な嵌合体が嵌め込まれている。この嵌合体は高温の石英
ルツボが接触する領域に設けられるため、この領域では
石英ルツボはルツボ本体とルツボ本体の境目(スリッ
ト)に対面しなくなり、SiOガスを含むガスが流れな
くなる。したがって、SiOガスに起因する浸食は発生
し難くなる。また、嵌合体が浸食された場合には、簡単
に嵌合体を交換を行うことができる。この結果、ルツボ
本体の寿命が長くなることから、黒鉛ルツボの寿命を長
くすることができる。
【0014】本発明の他の実施例による単結晶製造用ル
ツボは、前記実施例の場合と同様に、ルツボ本体の境目
部分に嵌合体が設けられている。独立した嵌合体がルツ
ボ本体の嵌合溝に嵌め込まれていることから、嵌め込み
部分には隙間が形成されるが、嵌合溝と嵌合体とは密着
するため、ガスは前記隙間を通過せず、結果として、黒
鉛ルツボの底部内周壁は浸食されなくなる。この例でも
嵌合体の交換を行うだけで黒鉛ルツボを長く使用できる
ことになる。
【0015】本発明の他の実施例による単結晶製造用ル
ツボは、単品となる底板は、高温の石英ルツボが接触し
かつSiOガスを含むガスが流れる底部周壁をも構成し
ていることから、浸食が生じ難い。また、浸食が生じた
場合、前記底板を交換するだけで良い。この底板に組み
合わされる3個のルツボ本体は、円筒形状を構成し、下
端の食込部分で底板の縁に食い込む構造となっている。
したがって、底板の食込縁は円周形状の加工だけであ
り、交換を行っても再現性良く黒鉛ルツボが形成でき
る。
【0016】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例につい
て説明する。図1は本発明の一実施例による単結晶製造
用ルツボを示す断面図、図2は同じく黒鉛ルツボを示す
平面図、図3は本発明の一実施例による単結晶製造用ル
ツボを組み込んだ単結晶引上装置の概要を示す断面図で
ある。
【0017】本発明の単結晶引上装置は、図1および図
2に示すような単結晶製造用ルツボを組み込んだ構造と
なっている。単結晶引上装置は、図3に示すように、ベ
ース20上にチャンバ21を有する構造となっている。
前記チャンバ21は、円筒状のメインチャンバ22と、
このメインチャンバ22の上部を塞ぐアッパーチャンバ
23と、前記アッパーチャンバ23の中央上部の筒状の
プルチャンバ24とからなっている。
【0018】前記メインチャンバ22の中央には、ルツ
ボ1が配設されている。このルツボ1は、上部が開口し
た石英ルツボ11と、この石英ルツボ11を収容支持す
る黒鉛ルツボ2とからなっている。黒鉛ルツボ2は、図
1および図2に示すように、組み合わせ自在のブロック
構造となり、黒鉛ルツボ2の中央底部を形成する円板状
の底板3(ブロック)と、円周壁を構成する3個のルツ
ボ本体4(ブロック)とからなっている。前記底板3の
下面中央には、円形の突出した嵌合突部10が設けられ
ている。また、底板3の下面とルツボ本体4の下面中央
は同一平坦面となるが、その外側は逆円錐面45となっ
ている。
【0019】前記黒鉛ルツボ2は台座6上に載置され
る。台座6の上面には、逆円錐台状の窪みからなる受座
9が設けられている。この受座9の中央には、前記底板
3の嵌合突部10を嵌合させる嵌合用窪み7を有してい
る。したがって、黒鉛ルツボ2を台座6上に組み立てる
際は、最初に前記嵌合用窪み7に嵌合突部10を嵌合さ
せるようにして底板3を台座6に載置する。その後、逆
円錐面45が受座9に合うようにして順次ルツボ本体4
を台座6上に組立載置して黒鉛ルツボ2を組み立てる。
この際、3個のルツボ本体4が相互に合うように組み立
てる。石英ルツボ11は前記黒鉛ルツボ2内に入れられ
る。ルツボ1はその底面は黒鉛ルツボ2と密着する。し
かし、黒鉛ルツボ2の底部周壁15は石英ルツボ11に
は密着せずに隙間12が発生する。
【0020】一方、これが本発明の特徴の一つである
が、前記黒鉛ルツボ2の底部周壁15の内周面には全周
に亘って嵌合溝50が設けられている。この嵌合溝50
には、黒鉛によって形成される嵌合体51が着脱自在に
嵌合されている。この嵌合体51は、嵌合体51が設け
られない従来の黒鉛ルツボ2において、ガスによって浸
食される領域を含む領域に亘って設けられている。ま
た、前記嵌合体51が嵌合された状態において、黒鉛ル
ツボ2の底から周壁の上縁に至る内面は連続的に繋がっ
ている。このような黒鉛ルツボ2は、図2にも示すよう
に、底部周壁15の内周面に嵌合体51が存在するた
め、3個のルツボ本体4の合わせ目(隙間:スリット1
3))が露出しない構造となる。すなわち、石英ルツボ
11が熱によって軟化しかつ収容した融液の重量によっ
て変形して当たる部分に、ルツボ本体4の合わせ目が現
れなくなり、ガスの黒鉛ルツボ2外への抜け通路も存在
しなくなる。したがって、黒鉛で形成される嵌合体51
も浸食され難くなる。
【0021】他方、前記黒鉛ルツボ2が載置される台座
6は、前記ベース20内に配設されるモータ25によっ
て回転するルツボ回転軸5の上端に固定されている。前
記ルツボ回転軸5は、軸受26を介してメインチャンバ
22の底板27部分で支持されている。また、前記モー
タ25は図示しない昇降機構によって支持されている。
したがって、前記ルツボ1は矢印に示すように昇降およ
び回転制御可能となっている。
【0022】また、前記プルチャンバ24の上部には、
図示しない結晶引上機構が設けられている。前記プルチ
ャンバ24の中心には、前記結晶引上機構のワイヤ30
が垂れ下がっている。前記ワイヤ30の下端にはシード
チャック31が取り付けられ、単結晶のシード(種結
晶)32が保持される。単結晶製造の際は、前記ルツボ
1内に原料(ポリシリコン)を収容した後その原料を溶
かし、溶けたシリコン融液33内に前記シード32の下
端を入れ、シード32に徐々に単結晶を成長させながら
シード32を引き上げ、シード32の下に単結晶34を
成長させる。この際、ルツボ1を一定方向に回転させる
とともに、シード32を他方向に回転させ、かつ前記シ
ード32を相対的に徐々に引き上げる。
【0023】一方、前記メインチャンバ22の底板27
上には、前記ルツボ1に対して同心円的に配列される円
筒状のヒータ35が載置されている。前記ヒータ35
は、カーボンで形成されているとともに、図示はしない
が両端から交互にスリットが設けられ、電流を流すこと
によって発熱する構造となっている。電流の給電部とな
るクランプ部36は、ヒータ35の下部に設けられてい
る。このクランプ部36は電極37が接続される。
【0024】他方、前記ヒータ35の外側には、ヒータ
35と同心円的に配置される円筒形の断熱材39が配設
されている。また、断熱材39の下部には、前記クラン
プ部36が通過延在できるように切欠溝40が設けられ
ている。
【0025】また、前記プルチャンバ24側からAr等
のガス16がチャンバ21内に流されるとともに、この
ガス16は、ベース20側に設けられた排気管42から
真空排気されるようになっている。このガス16は石英
ルツボ11と黒鉛ルツボ2との間の隙間12内に入り込
み、黒鉛ルツボ2のルツボ本体4相互の境界の隙間(ス
リット)13から黒鉛ルツボ2の外に抜ける。また、ガ
ス16には、石英ルツボ11内のシリコン融液33から
蒸発したSiOガスも含まれることになる。
【0026】
【発明の効果】
(1)本発明の単結晶製造用ルツボは、石英ルツボを収
容支持する黒鉛ルツボがブロック化された構造となって
いるとともに、底部内周壁には全周に亘って嵌合溝が設
けられ、かつ嵌合溝に嵌合体が嵌め込まれていることか
ら、SiOガスを含むガスの通り路となるルツボ本体間
の境目(スリット)が表面に露出しなくなり、SiOガ
スに起因する浸食が起き難くなるという効果が得られ
る。
【0027】(2)上記(1)により、本発明の単結晶
製造用ルツボは、黒鉛ルツボの底部内周壁に嵌合体が設
けられていることから、高温の石英ルツボおよびSiO
ガスによる浸食が発生しても、浸食は嵌合体部分に発生
することから、ルツボ本体を交換することなく嵌合体を
交換すれば良いという効果が得られる。
【0028】(3)上記(2)により、本発明の単結晶
製造用ルツボは、ルツボ本体を交換することなく嵌合体
を交換するだけで引き続いて黒鉛ルツボを使用すること
ができ、黒鉛ルツボの寿命が大幅に長くなるという効果
が得られる。
【0029】(4)本発明の単結晶製造用ルツボは、黒
鉛ルツボの底部内周壁に嵌合溝を設けるとともに、リン
グ状の嵌合体を嵌め込む構造となることから、加工コス
トの増大を低く抑えることができるという効果が得られ
る。
【0030】(5)上記(1)により、本発明の単結晶
製造用ルツボを組み込んだ単結晶引上装置は、SiOガ
スに起因する黒鉛ルツボの交換を嵌合体の交換で済ます
ことができるため、単結晶製造コストの低減が達成でき
るという効果が得られる。
【0031】(6)上記(5)により、本発明の単結晶
引上装置は、SiOガスによる黒鉛ルツボの浸食が有っ
た場合、黒鉛ルツボのルツボ本体の交換に代えて安価な
嵌合体の交換によって引き続いて黒鉛ルツボをそのまま
使用できることから、設備費用の低減が達成できるとい
う効果が得られる。
【0032】(7)上記(1)〜(6)により、本発明
によれば、黒鉛ルツボの長寿命化によって単結晶製造コ
ストの低減が図れる単結晶引上装置を提供することがで
きるという相乗効果が得られる。
【0033】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。すなわち、
図4に示すように、前記ルツボ本体4の合わせ目部分
(スリット13)にそれぞれ独立して嵌合溝50を設
け、これら嵌合溝50に嵌合体51をそれぞれ嵌合させ
る構造でも黒鉛ルツボ2の浸食を防止できる。すなわ
ち、部分的に嵌合体51を設ける構造では、石英ルツボ
11に嵌合体51による合わせ目(スリット13)が対
面するが、嵌合溝50と嵌合体51が密着するため、嵌
合体51による合わせ目にはSiOガスを含むガスは通
過せず、浸食を抑止できるようになる。
【0034】図5は本発明の他の実施例による黒鉛ルツ
ボ2を示す断面図である。ルツボ本体4のスリット13
を底部周壁に設けると浸食を受けるため、この例では、
底板3を黒鉛ルツボ2の底中央部分のみとせずに底部周
壁にまで及ぶようにして、石英ルツボ11の下部全体を
底板3で受ける構造として、スリット13を高温となる
石英ルツボ11の変形箇所に対面させないようにした例
である。これにより、ルツボ本体4の浸食が抑止される
ことになる。なお、この黒鉛ルツボ2において、底板3
の周端は内側が低くなる傾斜面55を有する食い込み溝
56とし、ルツボ本体4はこの食い込み溝56が入る断
面状の溝を有する食い込み部57としていることから、
底板3にルツボ本体4を簡単に嵌合させたり、あるいは
外すことができるようになっている。
【0035】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である単結晶
引上装置に適用した場合について説明したが、それに限
定されるものではない。本発明は同様の技術には適用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による単結晶製造用ルツボを
示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例による単結晶製造用ルツボに
おける黒鉛ルツボを示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例による単結晶製造用ルツボを
組み込んだ単結晶引上装置の概要を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例による単結晶製造用ルツボ
における黒鉛ルツボを示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施例による単結晶製造用ルツボ
における黒鉛ルツボを示す断面図である。
【図6】従来の単結晶製造用ルツボを示す断面図であ
る。
【図7】従来の単結晶製造用ルツボにおける黒鉛ルツボ
の平面図である。
【図8】従来の単結晶製造用ルツボにおける石英ルツボ
の変形およびガスの流れ状態を示す断面説明図である。
【図9】従来の単結晶製造用ルツボの浸食例を示すルツ
ボ本体4の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ルツボ、2…黒鉛ルツボ、3…底板、4…ルツボ本
体、5…ルツボ回転軸、6…台座、7…嵌合用窪み、9
…受座、10…嵌合突部、11…石英ルツボ、12…隙
間、13…隙間(スリット)、15…底部周壁、16…
ガス、17…浸食部、20…ベース、21…チャンバ、
22…メインチャンバ、23…アッパーチャンバ、24
…プルチャンバ、25…モータ、26…軸受、27…底
板、30…ワイヤ、31…シードチャック、32…シー
ド、33…シリコン融液、34…単結晶、35…ヒー
タ、36…クランプ部、37…電極、39…断熱材、4
0…切欠溝、42…排気管、45…逆円錐面、50…嵌
合溝、51…嵌合体、55…傾斜面、56…食い込み
溝、57…食い込み部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ルツボと、前記石英ルツボを収容支
    持するとともに台座に載置されかつ複数のブロックによ
    って形成される黒鉛ルツボとからなる単結晶製造用ルツ
    ボであって、前記黒鉛ルツボの底部内周壁に全周または
    前記ブロックの境目に対応する部分に嵌合溝が設けられ
    ているとともに、この嵌合溝には黒鉛からなる嵌込体が
    交換可能に嵌合されていることを特徴とする単結晶製造
    用ルツボ。
  2. 【請求項2】 石英ルツボと、前記石英ルツボを収容支
    持するとともに台座に載置されかつ複数のブロックによ
    って形成される黒鉛ルツボとからなる単結晶製造用ルツ
    ボであって、前記黒鉛ルツボは、底面および底部周壁を
    形成する単一の底板と、前記底板の縁部に一部が重なり
    かつ食い込んで組み合わされる周壁を構成する複数のル
    ツボ本体とからなっていることを特徴とする単結晶製造
    用ルツボ。
  3. 【請求項3】 石英ルツボと、前記石英ルツボを収容支
    持するとともに台座に載置されかつ複数のブロックによ
    って形成される黒鉛ルツボとからなる単結晶製造用ルツ
    ボを、ガスが流されるチャンバ内に組み込んだ単結晶引
    上装置であって、前記黒鉛ルツボの底部内周壁に全周ま
    たは前記ブロックの境目に対応する部分に嵌合溝が設け
    られているとともに、この嵌合溝には黒鉛からなる嵌込
    体が交換可能に嵌合されていることを特徴とする単結晶
    引上装置。
  4. 【請求項4】 前記嵌合体は嵌合体が設けられない状態
    において黒鉛ルツボがブロック間の隙間を流れるガスに
    よって浸食される領域を被うように配設されていること
    を特徴とする請求項3記載の単結晶引上装置。
JP15661293A 1993-06-28 1993-06-28 単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置 Pending JPH0710686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15661293A JPH0710686A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15661293A JPH0710686A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0710686A true JPH0710686A (ja) 1995-01-13

Family

ID=15631543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15661293A Pending JPH0710686A (ja) 1993-06-28 1993-06-28 単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0710686A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103192458A (zh) * 2013-04-16 2013-07-10 洛阳晶奥电子材料有限公司 一种生产石墨热场的方法
CN112301417A (zh) * 2019-07-31 2021-02-02 爱思开矽得荣株式会社 锭生长装置用坩埚

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103192458A (zh) * 2013-04-16 2013-07-10 洛阳晶奥电子材料有限公司 一种生产石墨热场的方法
CN103192458B (zh) * 2013-04-16 2015-08-26 洛阳晶奥电子材料有限公司 一种生产石墨热场的方法
CN112301417A (zh) * 2019-07-31 2021-02-02 爱思开矽得荣株式会社 锭生长装置用坩埚
US20210032768A1 (en) * 2019-07-31 2021-02-04 Sk Siltron Co., Ltd. Crucible for ingot grower
US11608567B2 (en) * 2019-07-31 2023-03-21 Sk Siltron Co., Ltd. Crucible for ingot grower

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1084286B1 (en) Electrical resistance heater for crystal growing apparatus
KR20130113422A (ko) 다결정성 규소 블록을 생산하기 위한 방법 및 장치
WO2004061166A1 (ja) 単結晶製造用黒鉛ヒーター及び単結晶製造装置ならびに単結晶製造方法
WO1991017952A1 (en) Process for producing crystalline silicon ingot in a fluidized bed reactor
JPH03115188A (ja) 単結晶製造方法
JPS59213697A (ja) 単結晶半導体引上装置
JP2561105B2 (ja) 石英ガラスルツボの製造方法
JPH0710686A (ja) 単結晶製造用ルツボおよびそのルツボを組み込んだ単結晶引上装置
JPH06340490A (ja) シリコン単結晶製造装置
US7195671B2 (en) Thermal shield
JPH06199590A (ja) 半導体単結晶棒製造装置
JPH0748200A (ja) 単結晶の製造方法
JPH06211591A (ja) 単結晶体の製造方法及びその装置
JPH06211589A (ja) 半導体単結晶棒製造装置
JPS598695A (ja) 結晶成長装置
JP4148060B2 (ja) 単結晶製造用黒鉛ヒーター及び単結晶製造装置ならびに単結晶製造方法
JP2800482B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPH05117074A (ja) 半導体単結晶製造方法および製造装置
JPH07277870A (ja) 結晶成長方法および装置
JPS63319288A (ja) 鍔付石英るつぼ
JP4315502B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JPS59141494A (ja) 単結晶製造装置
JP3203343B2 (ja) 単結晶製造用冷却制御筒
JP2004217504A (ja) 単結晶製造用黒鉛ヒーター及び単結晶製造装置ならびに単結晶製造方法
JP3151327B2 (ja) 単結晶体製造装置