JPH07106801A - 誘電体フィルタ - Google Patents

誘電体フィルタ

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JPH07106801A
JPH07106801A JP24461893A JP24461893A JPH07106801A JP H07106801 A JPH07106801 A JP H07106801A JP 24461893 A JP24461893 A JP 24461893A JP 24461893 A JP24461893 A JP 24461893A JP H07106801 A JPH07106801 A JP H07106801A
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JP
Japan
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dielectric
dielectric ceramic
mode
resonance frequency
resonance
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Application number
JP24461893A
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English (en)
Inventor
Toru Arai
徹 荒井
一年 ▲鮎▼沢
Kazutoshi Ayusawa
Hiroyo Katou
博代 加藤
Hideki Ono
英輝 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 必要周波数帯以外の帯域の通過損失を大きく
し、必要周波数帯だけを通過させる。 【構成】 誘電体フィルタケース11内に、複数の共振
周波数の内の1個の共振周波数が共通する2個以上の誘
電体セラミックスコア14及び15を、フィルタ特性に
おいて直列になるように配置して構成した。入力信号を
各誘電体セラミックスコアを順次介することにより、共
通の共振周波数成分は通過できるが他の共振周波数成分
は打ち消され、最終的に、誘電体フィルタから出力され
た信号は、共通する共振周波数成分だけを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘電体フィルタに関し、
例えば、通信機器のクロック発振回路に用いて好適なも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、高周波デジタル信号を取り扱う通
信装置が増えてきている。このような通信装置の中に
は、クロック信号を得るための原クロック発振信号がG
Hz帯であるものもある。このようなGHz帯の原クロ
ック信号を発振するには、水晶発振器構成のものでは応
じ難く、そこで、誘電体セラミックスコアを用いた誘電
体フィルタ(誘電体円柱共振器)を利用した原クロック
発振器も既に存在する。
【0003】図2は、従来の誘電体フィルタにおける部
品の配置構成を、蓋体を取り除いて示す平面図である。
【0004】図2において、矩形状箱形の金属製ケース
1は、その内側底部が、絶縁体でなる矩形状基板2に例
えばハンダ付けされて取り付けられている。金属製ケー
ス1の対向する一対の側壁にはそれぞれ、所定形状を有
する貫通孔が設けられており、各貫通孔を介して、一対
のセミリジットケーブル3A、3Bの金属外被と電気的
に接続されている。各セミリジットケーブル3A、3B
の芯線はそれぞれ、矩形状基板2に設けられている対応
するストリップライン4A、4Bの基端に、金属製ケー
ス1との絶縁状態を保って電気的に接続されている。各
ストリップライン4A、4Bはそれぞれ、矩形状基板2
上を、両貫通孔を結ぶ方向に伸びて設けられており、両
ストリップライン4A及び4Bの先端同士は、所定の間
隙をもって離間している。両ストリップライン4A及び
4Bの先端部近傍の基板2上には、これら先端部及び金
属製ケース1と非接触に誘電体セラミックスコア5が接
着されて取り付けられている。
【0005】なお、図示は省略しているが、金属製ケー
ス1内部を閉塞する、例えば金属製ケース1と同材質で
なる蓋体が、金属製ケース1に対するねじ止めによって
設けられており、また、誘電体セラミックスコア1の上
方を進退動する金属製の周波数調整ねじがこの蓋体に設
けられている。
【0006】以上の構成を有する誘電体フィルタにおい
て、一方のセミリジットケーブル3Aの外被(接地電
位)及び芯線間に高周波電圧を印加すると、ストリップ
ライン4Aから電磁界が放射され、誘電体セラミックス
コア5が、そのエネルギーを受けて、コア5の材質や周
囲環境等によって定まる周波数で共振し、この共振周波
数を有する電磁界が他方のストリップライン4Bで捕捉
されて、その共振周波数を有する電気信号がセミリジッ
トケーブル3Bから出力される。
【0007】なお、誘電体セラミックスコア5からの放
射の損失を防止すべく、金属製ケース1や金属製蓋体等
の導体で誘電体セラミックスコア5を囲繞するようにし
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示すような誘電体フィルタにおいて、その誘電体セラミ
ックスコア5が共振するモードは多数存在し、各共振モ
ードで共振周波数は異なっている。
【0009】図3は、代表的な共振モードを3種類につ
いて示したものである。図3(a1)に平面図的に記載
すると共に、図3(a2)に側面図的に記載した電気力
線及び磁力線のループ経路を有するTE01δモードが、
通常用いられる共振モードである。図3(b1)に平面
図的に記載すると共に、図3(b2)に側面図的に記載
した電気力線及び磁力線のループ経路を有するのEH
11δモードや、図3(c1)に平面図的に記載すると共
に、図3(c2)に側面図的に記載した電気力線及び磁
力線のループ経路を有するHE11δモードは、TE01δ
モードに比較して、ゲインが同程度又は僅かに小さいだ
けであり、また、共振周波数も1〜1.5倍程度内にあ
る。
【0010】従って、従来の誘電体フィルタは、必要な
周波数帯からさほどずれていない周波数成分が通過して
しまうという問題があった。
【0011】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、必要周波数帯以外の帯域の通過損失を大きく
でき、必要周波数帯だけを通過できる誘電体フィルタを
提供しようとしたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、請求項1の本発明の誘電体フィルタは、誘電体フィ
ルタケース内に、複数の共振周波数の内の1個の共振周
波数が共通する2個以上の誘電体セラミックスコアを、
フィルタ特性において直列になるように配置したことを
特徴とする。
【0013】請求項2の本発明の誘電体フィルタは、請
求項1の本発明において、各誘電体セラミックスコア
が、比誘電率が等しく、直径と高さの比が異なるもので
あることを特徴とする。
【0014】請求項3の本発明の誘電体フィルタは、請
求項1の本発明において、比誘電率が異なる誘電体セラ
ミックスコアが混在することを特徴とする。
【0015】請求項4の本発明の誘電体フィルタは、請
求項1又は3の本発明において、材料Q値が異なる材質
でなる誘電体セラミックスコアが混在することを特徴と
する。
【0016】請求項5の本発明の誘電体フィルタは、請
求項1〜4のいずれかの本発明において、共通する共振
周波数が、全ての誘電体セラミックスコアについてTE
01δモードの共振周波数であることを特徴とする。
【0017】
【作用】請求項1の本発明においては、入力信号を各誘
電体セラミックスコアを順次介することにより、共通の
共振周波数成分は通過できるが他の共振周波数成分は打
ち消され、最終的に、誘電体フィルタから出力された信
号は、共通する共振周波数成分だけを有するものとな
る。
【0018】請求項2及び請求項3の本発明は、各誘電
体セラミックスコアについて、1個の共振モードの共振
周波数を等しく、他の共振モードの共振周波数を異なる
ようにさせる方法に関する。
【0019】請求項2の本発明においては、各誘電体セ
ラミックスコアを、比誘電率が等しく、直径と高さの比
が異なるようにすることで、1個の共振モードの共振周
波数を等しく、他の共振モードの共振周波数を異なるよ
うにさせている。
【0020】請求項3の本発明においては、各誘電体セ
ラミックスコアの比誘電率を異ならせることで(これに
伴い直径と高さの比が変化することもある)、1個の共
振モードの共振周波数を等しく、他の共振モードの共振
周波数を異なるようにさせている。
【0021】請求項4の本発明においては、材料Q値が
異なる材質でなる誘電体セラミックスコアが混在させる
ことにより、共通する共振周波数の尖鋭度を一部の誘電
体セラミックスコアで小さくし、周波数調整を容易にし
ている。
【0022】共通の共振周波数に係る共振モードは限定
されない。しかし、請求項5の本発明のように、TE
01δモードの共振周波数にすれば、1個の共振周波数を
共通化させ易い。
【0023】
【実施例】(A)第1実施例 以下、本発明による誘電体フィルタの第1実施例を詳述
する。
【0024】この第1実施例の誘電体フィルタは、金属
ケース内に、直径と高さの比が異なる比誘電率が同じ誘
電体セラミックスコアを2個収容し、これら誘電体セラ
ミックスコアがフィルタとして直列に作用するように配
置したものである。各セラミックスコアのTE01δモー
ドの共振周波数を同じにしたまま、他のHE11δモード
やEH11δモードの共振周波数を異ならせて、必要な周
波数(共通なTE01δモードの共振周波数)だけを通過
させるようにしたものである。
【0025】以下、図1を参照しながら、本発明の第1
実施例を具体的に説明する。なお、図1(a)は蓋体を
除去した平面図、図1(b)は蓋体を一部切り欠いて示
す斜視図である。
【0026】Ba(Co1/3 Nb2/3 )O3 を主成分と
し、MnO2 及びTiO2 をそれぞれ0.01重量%ず
つ散在させた組成を有する、比誘電率が31、材料Q値
(共鳴の鋭さを表す量)が13000である誘電体セラ
ミックスを、直径5.03mm、高さ2.52mmと、
直径5.39mm、高さ2.16mmに加工して、円柱
状の2種類の誘電体セラミックスコア14及び15を作
製した。
【0027】真鍮を、内寸:20×40×7mm、外
寸:24×44×9mmの矩形状箱型に加工してケース
11を作成した。なお、ケース11の底部には後述する
基板が嵌め込まれる段部が形成されており、そのため、
内寸及び外寸での高さが異なっている。このケース11
の対向する一対の側壁に貫通孔を設け、又は、このケー
ス11の対向する一対の側壁の底部側に溝を設け、各貫
通孔部又は溝部にそれぞれ、金属製外被がケース11と
電気的に接続するようにセミリジットケーブル16A及
び16Bを取り付けた。セミリジットケーブル16A及
び16Bの先端は外被等が除去され、芯線16A1及び
16B1が、ケース11と電気的接続がないように露出
されている。
【0028】テフロン(商品名)でなる矩形状基板12
に、3枚のストリップライン13A、13B、13Cを
直線上に、しかもストリップライン13A及び13B
間、及び、ストリップライン13B及び13C間が所定
距離だけ離間するように設けた。
【0029】真鍮ケース11の底部側から、ストリップ
ライン13A〜13Cが作製されているテフロン基板1
2を入れ、基板12と真鍮ケース11の内壁底部とのハ
ンダ付けを行なった。また、各セミリジットケーブル1
6A、16Bの芯線16A1、16B1と、ストリップ
ライン13A、13Cとをハンダ付けた。
【0030】上述した2種類の誘電体セラミックスコア
14及び15を基板12上にエポキシ系接着剤で固定し
た。誘電体セラミックスコア14及び15は、3枚のス
トリップライン13A、13B、13Cを結ぶ直線を挾
んで反対側に設けられ、かつ、誘電体セラミックスコア
14は、ストリップライン13A及び13B間の間隙近
傍に設けられ、誘電体セラミックスコア15は、ストリ
ップライン13B及び13C間の間隙近傍に設けられて
いる。
【0031】ケース11に真鍮製の蓋体17をねじ止め
して内部を密封した(ねじの図示は省略)。このような
蓋体17には、この蓋体17の取付け時に、各セラミッ
クスコア14、15の真上となる位置に位置する周波数
調整用ねじ18、19が設けられており、これらねじ1
8及び19は進退動可能に蓋体17に螺合されている。
【0032】以上のように、作製された誘電体フィルタ
においては、使用前に、周波数調整用ねじ18及び19
の進退動によって、各誘電体セラミックスコア14、1
5のTE01δモードの共振周波数が互いに等しくなるよ
うに(例えば10GHzになるように)微調整される。
【0033】以上の構成を有する第1実施例の誘電体フ
ィルタにおいて、一方のセミリジットケーブル16Aの
外被(接地電位)及び芯線間に高周波電圧を印加する
と、ストリップライン13Aから電磁界が放射され、第
1の誘電体セラミックスコア14が、そのエネルギーを
受けて、コア14の材質や形状等によって定まる周波数
で共振し、この共振周波数を有する電磁界が中間のスト
リップライン13Bで捕捉される。この第1実施例の場
合、意図している共振周波数が、TE01δモードの共振
周波数(例えば10GHz)であるが、当然に、他のH
11δモードやEH11δモード等の共振周波数成分も中
間のストリップライン13Bで捕捉される。この中間の
ストリップライン13Bの他端側から放射された、上述
した3種類を含めた複数種類の共振周波数成分を含む電
磁界は、第2の誘電体セラミックスコア15に達し、第
2の誘電体セラミックスコア15は、そのエネルギーを
受けて、コア15の材質や形状等によって定まる周波数
で共振し、入力された周波数成分の内の第1の誘電体セ
ラミックスコア14と共通する共振周波数成分(従っ
て、第2の誘電体セラミックスコア15のTE01δモー
ドの共振周波数)だけを通過させ、他の共振周波数を打
ち消し、その通過共振周波数に伴う電磁界が出力側のス
トリップライン13Bで捕捉されて、電気信号としてセ
ミリジットケーブル16Bから出力される。
【0034】以上のようにして、第1実施例の誘電体フ
ィルタにおいては、2種類の誘電体セラミックスコア1
4及び15に共通するTE01δモードの共振周波数(例
えば10GHz)が出力される。
【0035】次に、2種類の誘電体セラミックスコア1
4及び15において、TE01δモードの共振周波数を調
整によって一致させた場合に、他のHE11δモードやE
11 δモード等の共振周波数を異なるようにできている
ことを説明する。
【0036】ケース11に収容された誘電体セラミック
スコア(14及び15)のTE01δモードの共振周波数
は、コアの直径が大きくなると周波数が低くなり、コア
の高さが低くなると周波数が高くなる。従って、同一材
質でなる2種類の誘電体セラミックスコア14及び15
の一方の直径を大きくしても、その高さを低くすること
によって、TE01δモードの共振周波数を同一とするこ
とができる。一方、TE01δモードの共振周波数と、H
11δモードやEH11δモードの共振周波数との周波数
差は、直径と高さの比が5:2のときが最も大きく、直
径と高さの比が変わることによって差は小さくなる。そ
のため、同一材質でなる2種類の誘電体セラミックスコ
ア14及び15を、直径及び高さを異なるようにさせて
TE01δモードの共振周波数を同一にすると、これら2
種類の誘電体セラミックスコア14及び15のHE11δ
モードやEH11δモード等の共振周波数が異なるように
なる。
【0037】上記第1実施例によれば、2種類の誘電体
セラミックスコア14及び15に共通するTE01δモー
ドの共振周波数だけを通過させることができ、各コア1
4、15の他のHE11δモードやEH11δモードの共振
周波数の通過を阻止でき、不要通過帯域のない良好な誘
電体フィルタを実現することができる。
【0038】このような第1実施例の効果を、比較例を
用いて明らかにする。
【0039】図4(a)は、第1実施例における第1の
誘電体セラミックスコア(直径5.03mm、高さ2.
52mm)14だけをケース11内に収容した第1比較
例の誘電体フィルタを示し、図4(b)は、第1実施例
における第2の誘電体セラミックスコア(直径5.39
mm、高さ2.16mm)15だけをケース11内に収
容した第2比較例の誘電体フィルタを示している。
【0040】図5(a)は第1比較例の誘電体フィルタ
の出力周波数特性を示し、図5(b)は第2比較例の誘
電体フィルタの出力周波数特性を示している。また、図
6は、上記第1実施例の誘電体フィルタの出力周波数特
性を示している。
【0041】第1比較例の誘電体フィルタでは、TE
01δモードの共振周波数は所定の10GHzに現れ、H
11δモード及びEH11δモードの共振周波数はそれぞ
れ12.2GHz及び15GHz近傍に現れている。第
2比較例の誘電体フィルタでは、TE01δモードの共振
周波数は所定の10GHzに現れ、HE11δモード及び
EH11δモードの共振周波数はそれぞれ13.3GHz
及び14.3GHz近傍に現れている。このように、1
個の誘電体セラミックスコアだけを収容した誘電体フィ
ルタでは、所望するTE01δモードの共振周波数の近傍
に他の共振周波数が生じている。
【0042】これに対して、第1実施例の誘電体フィル
タでは、図6に示すように、両者に共通な所望するTE
01δモードの共振周波数だけが現れている。このよう
に、第1の誘電体セラミックスコア14による共振周波
数のうち、第2の誘電体セラミックスコア15の共振周
波数と一致しないものが第2の共振セラミックスコア1
5のフィルタ特性によって打ち消されることが分かる。
【0043】(B)第2実施例 次に、本発明による誘電体フィルタの第2実施例を詳述
する。
【0044】この第2実施例の誘電体フィルタは、金属
ケース内に、比誘電率及び又は材料Q値が異なる誘電体
セラミックスコアを2個収容し、これら誘電体セラミッ
クスコアがフィルタとして直列に作用するように配置し
たものである。この第2実施例の誘電体フィルタでも、
各セラミックスコアのTE01δモードの共振周波数を同
じにしたまま、他のHE11δモードやEH11δモードの
共振周波数を異ならせて、必要な周波数(共通なTE
01δモードの共振周波数)だけを通過させるようにした
ものである。
【0045】以下、本発明の第2実施例の誘電体フィル
タを具体的に説明する。
【0046】この第2実施例の誘電体フィルタも、部品
構成やその配置構成は第1実施例と同様である。そこ
で、図1に従って説明する。しかしながら、第1及び第
2の誘電体セラミックスコア14及び15が第1実施例
とは異なっている。
【0047】Ba(Co1/3 Nb2/3 )O3 を主成分と
し、MnO2 及びTiO2 をそれぞれ0.01重量%ず
つ際剤させた組成を有する、比誘電率が31、材料自体
のQ値(共鳴の鋭さを表す量)が13000である誘電
体セラミックスを、直径4.5mm、高さ2.4mmに
加工して、円柱状の第1の誘電体セラミックスコア14
を作製している。
【0048】また、MgTiO3 を主成分とし、CaO
を0.03重量%散在させた組成を有する、比誘電率が
20、材料Q値が5000である誘電体セラミックス
を、直径5.6mm、高さ3.0mmに加工して、円柱
状の第2の誘電体セラミックスコア15を作製してい
る。
【0049】このように作製された誘電体セラミックス
コア14及び15を収容する第2実施例の誘電体フィル
タにおいても、使用前に、周波数調整用ねじ18及び1
9の進退動によって、各誘電体セラミックスコア14、
15のTE01δモードの共振周波数が互いに等しくなる
ように(例えば10GHzになるように)微調整され
る。
【0050】以上の構成を有する第2実施例の誘電体フ
ィルタにおいても、一方のセミリジットケーブル16A
の外被(接地電位)及び芯線間に高周波電圧を印加する
と、ストリップライン13Aから電磁界が放射され、第
1の誘電体セラミックスコア14が、そのエネルギーを
受けて、コア14の材質や形状等によって定まる周波数
で共振し、この共振周波数を有する電磁界が中間のスト
リップライン13Bで捕捉される。この中間のストリッ
プライン13Bの他端側から放射された、TE01δモー
ド、HE11δモード、EH11δモードの共振周波数を含
めた複数種類の共振周波数を含む電磁界は、第2の誘電
体セラミックスコア15に達し、第2の誘電体セラミッ
クスコア15は、そのエネルギーを受けて、コア15の
材質や形状等によって定まる周波数で共振し、入力され
た周波数成分の内の第1の誘電体セラミックスコア14
と共通する共振周波数成分(従って、第2の誘電体セラ
ミックスコア15のTE01δモードの共振周波数)だけ
が共振で残り、その共振に伴う電磁界が出力側のストリ
ップライン13Bで捕捉されて、電気信号としてセミリ
ジットケーブル16Bから出力される。
【0051】以上のようにして、第2実施例の誘電体フ
ィルタにおいても、2種類の誘電体セラミックスコア1
4及び15に共通するTE01δモードの共振周波数(例
えば10GHz)だけが出力される。
【0052】ここで、第2実施例の誘電体フィルタにお
いて、第1及び第2の誘電体セラミックスコア14及び
15を上述のように作製したのは、以下の理由による。
【0053】材料Q値が高い材料だけを用いて2種類の
誘電体セラミックスコア14及び15を作製した場合に
は、共振のピークが鋭いために、2種類の誘電体セラミ
ックスコア14及び15のTE01δモードの共振周波数
を一致させる調整作業が難しく、また、これら2種類の
誘電体セラミックスコア14及び15のTE01δモード
の共振周波数が少しずれただけでも誘電体フィルタ全体
としてのその周波数の減衰量は大きくなる。
【0054】これに対して、高い材料Q値を持つ材料で
一方の誘電体セラミックスコア14を作製すると共に、
低い材料Q値を持つ材料で他方の誘電体セラミックスコ
ア15を作製した場合には、共振のピークの鋭い前者に
対してピークの鋭くない後者は、信号の通過周波数帯域
が広くなり、両誘電体セラミックスコア14及び15の
意図するTE01δモードの共振周波数が完全に一致して
いなくても、誘電体フィルタ全体としてのその周波数成
分の減衰量は小さくなり、各誘電体セラミックスコア1
4、15の周波数調整を容易にできる。
【0055】材料Q値が異なる誘電体セラミックスは、
多くの場合、その比誘電率も異なっている。
【0056】次に、比誘電率が異なる誘電体セラミック
スコア14及び15で、TE01δモードの共振周波数を
同じにしたまま、他のHE11δやEH11δモードの共振
周波数を異ならせることができることについて説明す
る。
【0057】ケース11に入れた誘電体セラミックスコ
アのTE01δモードの共振周波数は、コアの直径と高さ
が等しい場合、比誘電率が大きくなると周波数が低くな
る。そのため、比誘電率が大きい方の誘電体セラミック
スコア14を、他方の誘電体セラミックスコア15に比
較して、コア直径を小さく、及び又は、高さを低く作製
すると、両誘電体セラミックスコア14及び15のTE
01δモードの共振周波数を等しくできる。しかし、HE
11δモードやEH11δモードの共振周波数は、直径が大
きくなったり高さが高くなったりすると、ケース11の
内壁との距離が近くなるため共振周波数が低くなる。従
って、両誘電体セラミックスコア14及び15の比誘電
率が異なっていても、両者の直径と高さを異ならせるこ
とによって、TE01δモードの共振周波数を同じにした
ままHE11δモードやEH11δモード等の共振周波数を
異なるようにすることができる。
【0058】上記第2実施例によれば、2種類の誘電体
セラミックスコア14及び15に共通するTE01δモー
ドの共振周波数だけを通過させることができ、各コア1
4、15のHE11δモードやEH11δモードの共振周波
数の通過を阻止でき、不要通過帯域のない良好な誘電体
フィルタを実現することができる。
【0059】また、第2実施例によれば、2種類の誘電
体セラミックスコア14及び15を材料Q値が異なる材
料で作製したので、TE01δモードの共振周波数を同一
にさせる調整作業を容易にすることができる。
【0060】第2実施例のフィルタ特性の良好性という
効果を、比較例を用いて明らかにする。
【0061】図示は省略するが、第2実施例における第
1の誘電体セラミックスコア(比誘電率31、材料Q値
13000、直径4.5mm、高さ2.4mm)14だ
けをケース11内に収容したものを第1比較例の誘電体
フィルタとし(図4(a)参照)、第2実施例における
第2の誘電体セラミックスコア(比誘電率20、材料Q
値5000、直径5.6mm、高さ3.0mm)15だ
けをケース11内に収容したものを第2比較例の誘電体
フィルタとする(図4(b)参照)。
【0062】図7(a)は第1比較例の誘電体フィルタ
の出力周波数特性を示し、図7(b)は第2比較例の誘
電体フィルタの出力周波数特性を示している。また、図
8は、上記第2実施例の誘電体フィルタの出力周波数特
性を示している。
【0063】第1比較例の誘電体フィルタでは、TE
01δモードの共振周波数は所定の10GHzに現れ、H
11δモード及びEH11δモードの共振周波数はそれぞ
れ12.2GHz及び15GHz近傍に現れている。第
2比較例の誘電体フィルタでは、TE01δモードの共振
周波数は所定の10GHzに現れ、HE11δモード及び
EH11δモードの共振周波数はそれぞれ11.7GHz
及び14.3GHz近傍に現れており、しかも、図7
(a)及び(b)の比較から明らかなように、各共振周
波数の尖鋭度は低くなっている。このように、1個の誘
電体セラミックスコアだけを収容した誘電体フィルタで
は、所望するTE01δモードの共振周波数の近傍に他の
共振周波数が生じている。
【0064】これに対して、第2実施例の誘電体フィル
タでは、図8に示すように、両者に共通な所望するTE
01δモードの共振周波数だけが現れている。しかも、所
望するTE01δモードの共振周波数は、第2比較例に示
すように、第2の誘電体セラミックスコア15のその共
振周波数の尖鋭度が低くても、第1の誘電体セラミック
スコア14のその周波数の尖鋭度と同程度の尖鋭度を有
する。このように、第1の誘電体セラミックスコア14
による共振周波数のうち、第2の誘電体セラミックスコ
ア15の共振周波数と一致しないものが第2の共振セラ
ミックスコア15のフィルタ特性によって打ち消される
ことが分かる。
【0065】(C)他の実施例 上記第1及び第2実施例では、ケース内に収容する誘電
体セラミックスコアが2個のものを示したが、3個以上
の誘電体セラミックスコアを収容するようにしても良
い。この場合であっても、各コアは1個の共振周波数を
共通に有することを要する。
【0066】また、上記第1及び第2実施例では、スト
リップライン13A〜13Cを有する誘電体フィルタを
示したが、ストリップラインがない誘電体フィルタに本
発明を適用することができる。すなわち、入力側のケー
ブルの芯線からの電磁界を誘電体セラミックスコアに直
接作用させ、誘電体セラミックスコアからの電磁界を次
の誘電体セラミックスコア又は出力側のケーブルに直接
作用させる構成のものであっても良い。
【0067】さらに、上記第1及び第2実施例では、複
数の誘電体セラミックスコアで共通する共振周波数がT
01δモードの共振周波数であるものを示したが、他の
モードの共振周波数であっても良く、また、コアによっ
て共通する共振周波数の共振モードが異なるものであっ
ても良い。
【0068】さらにまた、本発明の誘電体フィルタの用
途は、原クロック発振器に限定されるものではない。
【0069】本発明が適用される誘電体セラミックスコ
アの材質は、上記第1及び第2実施例に開示のものに限
定されず、以下に例示するようなものであっても良い。
【0070】MgO−SrO−TiO2 系セラミック
ス、MgO−CaO−La2 3 −TiO2 系セラミッ
クス、MgTiO3 −CaTiO3 −La2 TiO7
セラミックス、BaTi4 9 系セラミックス、Ba2
Ti9 20系セラミックス、BaTi2 5 系セラミッ
クス、BaO・4TiO2 ・0.1WO3 系セラミック
ス、(Zr0.8 Sn0.2 )TiO4 系セラミックス、
(LiNa)1/2 Sm1/2TiO3 系セラミックス、B
aO−Nd2 3 −TiO2 系セラミックス、BaO−
Sm2 3 −TiO2 系セラミックス、(BaPb)O
−Nd2 3 −TiO2 系セラミックス、(BaSr)
O−Sm2 3 −TiO2 系セラミックス、BaO−
(NdSm)2 3 −TiO2 系セラミックス、Ba
(Zn1/3 Ta2/ 3 )O3 系セラミックス、Ba(Zn
1/3 Nb2/3 )O3 系セラミックス、Ba(Mg1/3
2/3 )O3 +Mn系セラミックス、Ba(Mn1/3
2/3 )O3 系セラミックス、Ba(Co1/3
2/3 )O3 系セラミックス、Ba(Co1/3
2/3 )O3 系セラミックス、Ba(Ni1/3
2/3 )O3 系セラミックス、Sr(Zn1/3
2/3 )O3 系セラミックスなどの誘電体セラミックス
であっても良い。
【0071】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、誘電体
フィルタケース内に、複数の共振周波数の内の1個の共
振周波数が共通する2個以上の誘電体セラミックスコア
を、フィルタ特性において直列になるように配置して構
成したので、各誘電体セラミックスコアの共振周波数成
分の内、共通周波数成分だけを通過でき、不要通過帯域
のない良好な誘電体フィルタを実現ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成を示す平面図及び斜視図であ
る。
【図2】従来構成を示す平面図である。
【図3】共振モードの説明図である。
【図4】第1実施例の比較例構成を示す平面図である。
【図5】第1実施例の比較例の周波数特性図である。
【図6】第1実施例の周波数特性図である。
【図7】第2実施例の比較例の周波数特性図である。
【図8】第2実施例の周波数特性図である。
【符号の説明】
11…ケース、14、15…誘電体セラミックスコア。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 英輝 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体フィルタケース内に、複数の共振
    周波数の内の1個の共振周波数が共通する2個以上の誘
    電体セラミックスコアを、フィルタ特性において直列に
    なるように配置したことを特徴とした誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】 上記各誘電体セラミックスコアが、比誘
    電率が等しく、直径と高さの比が異なるものであること
    を特徴とした請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  3. 【請求項3】 比誘電率が異なる上記誘電体セラミック
    スコアが混在することを特徴とした請求項1に記載の誘
    電体フィルタ。
  4. 【請求項4】 材料Q値が異なる材質でなる上記誘電体
    セラミックスコアが混在することを特徴とした請求項1
    又は3に記載の誘電体フィルタ。
  5. 【請求項5】 共通する共振周波数が、全ての上記誘電
    体セラミックスコアについてTE01δモードの共振周波
    数であることを特徴とした請求項1〜4のいずれかに記
    載の誘電体フィルタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016005260A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 日本電業工作株式会社 共振器及びフィルタ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016005260A (ja) * 2014-06-19 2016-01-12 日本電業工作株式会社 共振器及びフィルタ

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