JPH07106052B2 - 角度精度の優れたステッピングモーター用電磁鋼板 - Google Patents
角度精度の優れたステッピングモーター用電磁鋼板Info
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- JPH07106052B2 JPH07106052B2 JP60106134A JP10613485A JPH07106052B2 JP H07106052 B2 JPH07106052 B2 JP H07106052B2 JP 60106134 A JP60106134 A JP 60106134A JP 10613485 A JP10613485 A JP 10613485A JP H07106052 B2 JPH07106052 B2 JP H07106052B2
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- H—ELECTRICITY
- H02—GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
- H02K—DYNAMO-ELECTRIC MACHINES
- H02K37/00—Motors with rotor rotating step by step and without interrupter or commutator driven by the rotor, e.g. stepping motors
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、角度精度の優れたステッピングモーター用
電磁鋼板に関するものである。
電磁鋼板に関するものである。
ステッピングモータは、フロッピーディスクのドライブ
機構やプリンタの送りなどに使用されるモータであり、
近年のOA化、FA化の発達と共に飛躍的な需要の伸びを示
している。
機構やプリンタの送りなどに使用されるモータであり、
近年のOA化、FA化の発達と共に飛躍的な需要の伸びを示
している。
かかるステッピングモータは、ハイブリッド型(HB
型)、パーマネントマグネット型(PM型)およびバイア
ブルリアクタンス型(VR型)の3種に大別され、中でも
HB型のステッピングモータは、小型・高ステップ角・高
角度精度を有するため、最も幅広く利用されている。こ
のHB型のステッピングモータは、アルニコ、希土類など
の磁石より成るローターと積層された電磁鋼板より成る
ステーターとによって鉄心が構成されるが、ステッピン
グモーターの性能におよぼす影響はローターよりもステ
ーターとして使用される電磁鋼板の材料特性の方が大き
いため、ステッピングモーターの鉄心材料に適した材料
の開発が望まれている。
型)、パーマネントマグネット型(PM型)およびバイア
ブルリアクタンス型(VR型)の3種に大別され、中でも
HB型のステッピングモータは、小型・高ステップ角・高
角度精度を有するため、最も幅広く利用されている。こ
のHB型のステッピングモータは、アルニコ、希土類など
の磁石より成るローターと積層された電磁鋼板より成る
ステーターとによって鉄心が構成されるが、ステッピン
グモーターの性能におよぼす影響はローターよりもステ
ーターとして使用される電磁鋼板の材料特性の方が大き
いため、ステッピングモーターの鉄心材料に適した材料
の開発が望まれている。
(従来の技術) ところで、ステッピングモーターは一般のモーターとは
異なり、「回転するモーター」ではなく「止めるモータ
ー」であるため、モーター性能としては角度精度が良好
であることが最も重要視される。従来、良好な角度精度
を得るためには、Si含有量の高いいわゆる高級無方向性
電磁鋼板を鉄心材料として用いる必要があるという考え
方が通例であり、それ故ステッピングモーター用鉄心材
料としてはSiを1.2wt%(以下単に%で示す)以上含むS
23(JIS規格)以上の高級品種が用いられていて、更に
高級品種化へと進む傾向にあった。
異なり、「回転するモーター」ではなく「止めるモータ
ー」であるため、モーター性能としては角度精度が良好
であることが最も重要視される。従来、良好な角度精度
を得るためには、Si含有量の高いいわゆる高級無方向性
電磁鋼板を鉄心材料として用いる必要があるという考え
方が通例であり、それ故ステッピングモーター用鉄心材
料としてはSiを1.2wt%(以下単に%で示す)以上含むS
23(JIS規格)以上の高級品種が用いられていて、更に
高級品種化へと進む傾向にあった。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながらかような高級品種志向はコスト高を招く不
利があった。しかも従来は、ステッピングモーターの角
度精度と鉄心材料の磁気特性との関係について綿密に検
討した例はなく、ステッピングモーター用鉄心材料に要
求される磁気的性質に関しては解明されていなかったの
である。
利があった。しかも従来は、ステッピングモーターの角
度精度と鉄心材料の磁気特性との関係について綿密に検
討した例はなく、ステッピングモーター用鉄心材料に要
求される磁気的性質に関しては解明されていなかったの
である。
この発明は、上述の現状に鑑みて開発されたもので、ス
テッピングモーターの鉄心材料としての用途に用いた場
合の角度精度に優れ、しかも安価な電磁鋼板を提案する
ことを目的とする。
テッピングモーターの鉄心材料としての用途に用いた場
合の角度精度に優れ、しかも安価な電磁鋼板を提案する
ことを目的とする。
(問題点を解決するための手段) さて発明者らは、上記の問題を解決すべく、ステッピン
グモーターの角度精度と鉄心材料の磁気特性との関係に
ついて鋭意実験と検討を重ねた結果、ステッピングモー
ターの角度精度は鉄心材料の低磁場領域における磁束密
度と強い相関を呈し、磁化力100A/mにおける磁束密度B1
で代表される低磁場における磁束密度が高い材料ほど角
度精度が良好となること、しかもB1の方向比(圧延方向
Lとそれに直角な方向Cの磁束密度の比。以下L/C比と
称する。)が小さい材料ほど角度精度が良好となること
を新たな知見として見出した。
グモーターの角度精度と鉄心材料の磁気特性との関係に
ついて鋭意実験と検討を重ねた結果、ステッピングモー
ターの角度精度は鉄心材料の低磁場領域における磁束密
度と強い相関を呈し、磁化力100A/mにおける磁束密度B1
で代表される低磁場における磁束密度が高い材料ほど角
度精度が良好となること、しかもB1の方向比(圧延方向
Lとそれに直角な方向Cの磁束密度の比。以下L/C比と
称する。)が小さい材料ほど角度精度が良好となること
を新たな知見として見出した。
さらにかような実験において、材料のB1値は、鋼板の結
晶粒径及び鋼板中に存在する介在物の量と密接な関係が
あり、結晶粒径が大きくしかも介在物の量が少ないほど
高いB1値を得られることも新たに見出した。
晶粒径及び鋼板中に存在する介在物の量と密接な関係が
あり、結晶粒径が大きくしかも介在物の量が少ないほど
高いB1値を得られることも新たに見出した。
この発明は、上記の立脚に由来するものである。
すなわちこの発明は、C:0.02%以下、Si:0.1〜1.2%を
含む組成になる電磁鋼板であって、平均結晶粒径:50μ
m以上でかつ鋼板断面に存在する直径10μm以上の大き
さの介在物密度:103個/mm2以下、しかも圧延方向とそれ
に直角な方向の磁束密度B1の比が1.5以下でかつそれら
の平均値が0.7T以上であることを特徴とする角度精度の
優れたステッピングモーター用電磁鋼板である。
含む組成になる電磁鋼板であって、平均結晶粒径:50μ
m以上でかつ鋼板断面に存在する直径10μm以上の大き
さの介在物密度:103個/mm2以下、しかも圧延方向とそれ
に直角な方向の磁束密度B1の比が1.5以下でかつそれら
の平均値が0.7T以上であることを特徴とする角度精度の
優れたステッピングモーター用電磁鋼板である。
まずこの発明を由来するに至った実験結果から説明す
る。
る。
第1図に、HB型ステッピングモーターの角度精度と、鉄
心材料の圧延方向およびそれに直角な方向の平均のB
1(以下平均B1という)値との関係について調べた結果
を示す。ここで角度精度とは、ステッピングモーターの
回転角度の正確さを表わすものであり、任意の点を出発
点としてその点より1ステップずつ回転子を回転させた
場合の回転子の理論上の位置と実際の位置との差を指定
ステップ毎360゜にわたって測定した時に、プラス最大
値とマイナス最大値の幅で表わされる誤差(静止角度誤
差)をステップ角で除した値を%表示したものであり、
その値が小さいほど良好といえる。
心材料の圧延方向およびそれに直角な方向の平均のB
1(以下平均B1という)値との関係について調べた結果
を示す。ここで角度精度とは、ステッピングモーターの
回転角度の正確さを表わすものであり、任意の点を出発
点としてその点より1ステップずつ回転子を回転させた
場合の回転子の理論上の位置と実際の位置との差を指定
ステップ毎360゜にわたって測定した時に、プラス最大
値とマイナス最大値の幅で表わされる誤差(静止角度誤
差)をステップ角で除した値を%表示したものであり、
その値が小さいほど良好といえる。
第1図中(○)印は、従来ステッピングモーターの鉄心
材料として使用されているSi含有量1.2%以上の高級無
方向性電磁鋼板(S9〜S23)を鉄心として用いた場合を
示し、一方(●)印はこの発明に従うSi含有量が1.2%
未満でかつ低磁場特性のすぐれた低級電磁鋼板を鉄心と
して用いた場合を示す。
材料として使用されているSi含有量1.2%以上の高級無
方向性電磁鋼板(S9〜S23)を鉄心として用いた場合を
示し、一方(●)印はこの発明に従うSi含有量が1.2%
未満でかつ低磁場特性のすぐれた低級電磁鋼板を鉄心と
して用いた場合を示す。
第1図から明らかなように、ステッピングモーターの角
度精度は鉄心材料の平均B1が高いほど良好となる傾向を
示し、とくにこの発明に従う材料では、平均B1≧0.7Tで
角度精度は1.5%以下と従来材(S9〜S23)以上に良好な
値を示した。そこで発明者らは、材料の平均B1値を高め
るべくそれを決定する要因につき、詳細に検討した結
果、結晶粒径と鋼板内に存在する介在物の密度とがB1値
と密接な関係を有することを見出した。
度精度は鉄心材料の平均B1が高いほど良好となる傾向を
示し、とくにこの発明に従う材料では、平均B1≧0.7Tで
角度精度は1.5%以下と従来材(S9〜S23)以上に良好な
値を示した。そこで発明者らは、材料の平均B1値を高め
るべくそれを決定する要因につき、詳細に検討した結
果、結晶粒径と鋼板内に存在する介在物の密度とがB1値
と密接な関係を有することを見出した。
第2図および第3図に、材料の平均B1値に及ぼす結晶粒
径および材料中に存在する介在物の影響について調べた
結果を、整理して示す。
径および材料中に存在する介在物の影響について調べた
結果を、整理して示す。
第2図は、鋼板の平均の結晶粒径と平均B1値との関係を
示したもので、ここでは鋼板断面に存在する直径10μm
以上の介在物の密度が50〜500個/mm2の材料についての
み示してある。
示したもので、ここでは鋼板断面に存在する直径10μm
以上の介在物の密度が50〜500個/mm2の材料についての
み示してある。
第2図より明らかなように、平均B1値は結晶粒径が大き
いほど高くなり、とくに結晶粒径50μm以上で0.7T以上
と高い値を示した。
いほど高くなり、とくに結晶粒径50μm以上で0.7T以上
と高い値を示した。
また第3図は、結晶粒径80〜120μmの材料について鋼
板断面に存在する直径10μm以上の介在物の密度と平均
B1値との関係を示したものである。ここに介在物の密度
は、鋼板の断面を光学顕微鏡で観察して算出し、一方介
在物の直径は観察された介在物をいずれも球形として換
算した。
板断面に存在する直径10μm以上の介在物の密度と平均
B1値との関係を示したものである。ここに介在物の密度
は、鋼板の断面を光学顕微鏡で観察して算出し、一方介
在物の直径は観察された介在物をいずれも球形として換
算した。
第3図より明らかなように、平均B1値は直径10μm以上
の介在物の密度が増すほど低くなる傾向にあり、介在物
の密度を103個/mm2以下としてはじめて平均B1値は0.7T
以上となった。
の介在物の密度が増すほど低くなる傾向にあり、介在物
の密度を103個/mm2以下としてはじめて平均B1値は0.7T
以上となった。
以上のように、ステッピングモーターの角度精度は材料
の低磁場特性と密接な関係を有し、角度精度1.5%以下
を得るためには平均B1 0.7T以上が必要であること、そ
して材料の平均B1値は鋼板の結晶粒径と鋼板内に存在す
る介在物の密度と相関があり、結晶粒径50μm以上、鋼
板断面に存在する直径10μm以上の介在物の密度103個/
mm2以下としてはじめて平均B1値は0.7T以上の高い値を
示すことが明らかとなった。
の低磁場特性と密接な関係を有し、角度精度1.5%以下
を得るためには平均B1 0.7T以上が必要であること、そ
して材料の平均B1値は鋼板の結晶粒径と鋼板内に存在す
る介在物の密度と相関があり、結晶粒径50μm以上、鋼
板断面に存在する直径10μm以上の介在物の密度103個/
mm2以下としてはじめて平均B1値は0.7T以上の高い値を
示すことが明らかとなった。
しかしながら材料の平均B1値が0.7T以上であっても、必
ずしも良好な角度精度が得られるとは限らないことも明
らかになった。
ずしも良好な角度精度が得られるとは限らないことも明
らかになった。
そこで発明者等は、さらにこの点についても研究を重ね
た結果、角度精度の向上には単に平均B1値を0.7T以上と
するだけでは不十分で、その方向比を小さくすることす
なわちL/C比を低減することが必要であることを突き止
めた。
た結果、角度精度の向上には単に平均B1値を0.7T以上と
するだけでは不十分で、その方向比を小さくすることす
なわちL/C比を低減することが必要であることを突き止
めた。
第4図にB1≧0.7Tの材料を鉄心に用いたステッピングモ
ーターの角度精度と、鉄心材料のB1のL/C比との関係に
ついて調べた結果を示す。
ーターの角度精度と、鉄心材料のB1のL/C比との関係に
ついて調べた結果を示す。
この図からステッピングモーターの角度精度は、平均B1
が同程度の材料を用いた場合には、L/C比が小さい材料
の方が良好となり、とくにL/C比が1.5以下の材料を用い
ることによって角度精度1.5%以下が得られることがわ
かる。
が同程度の材料を用いた場合には、L/C比が小さい材料
の方が良好となり、とくにL/C比が1.5以下の材料を用い
ることによって角度精度1.5%以下が得られることがわ
かる。
次に、この発明に従う電磁鋼板の化学成分を上記の範囲
に限定した理由について説明する。
に限定した理由について説明する。
C:0.02%以下 Cは、磁気特性および磁気時効に悪影響をもたらすため
0.02%以下に制限することとした。
0.02%以下に制限することとした。
Si:0.1〜1.2% Siは、磁気特性及び打抜き加工性の面から下限を0.1%
とし、一方あまりに多量の添加はコストの上昇を招き所
期した目的に反するので上限を1.2%とした。
とし、一方あまりに多量の添加はコストの上昇を招き所
期した目的に反するので上限を1.2%とした。
なおその他の化学成分については、固有抵抗増加による
鉄損改善の目的でAlを2%までの範囲で添加することが
できる。またO,S,Nなどの不純物は、磁気特性上有害で
あるので極力低減することが望ましい。
鉄損改善の目的でAlを2%までの範囲で添加することが
できる。またO,S,Nなどの不純物は、磁気特性上有害で
あるので極力低減することが望ましい。
この発明による電磁鋼板は例えば次のような製造工程で
製造される。
製造される。
製鋼過程では、真空脱ガス法とAlキルド法により介在的
要因となる酸素を極力減少し、好ましくは50ppm以下と
し、かつ、希土類元素添加によりS量を低減した後、連
鋳法あるいは造塊−分塊法によりスラブとする。
要因となる酸素を極力減少し、好ましくは50ppm以下と
し、かつ、希土類元素添加によりS量を低減した後、連
鋳法あるいは造塊−分塊法によりスラブとする。
ついで熱延した熱延鋼帯を60〜85%程度の圧下率で強冷
延したのち、700〜900℃程度で中間焼鈍を施し、更に後
続の焼鈍時における粒成長を良くするため2〜15%の圧
下率でスキンパス圧延を行なう。但し、この際、B1のL/
C比を1.5以下にするためには、圧延速度は500〜2500m/m
inとすることが望ましい。
延したのち、700〜900℃程度で中間焼鈍を施し、更に後
続の焼鈍時における粒成長を良くするため2〜15%の圧
下率でスキンパス圧延を行なう。但し、この際、B1のL/
C比を1.5以下にするためには、圧延速度は500〜2500m/m
inとすることが望ましい。
このスキンパス圧延を施した鋼板は更に700〜900℃程度
の温度で焼鈍されることにより所望の特性を有する電磁
鋼板が得られる。ここにかかる焼鈍は、冷間圧延に引続
いて行う短時間の仕上げ焼鈍でも、また冷延後、打抜き
加工を経て施す歪取り焼鈍のいずれでもよい。すなわち
この発明の電磁鋼板は、製鉄所から出荷される際に既に
最終的な磁気的性質を備えているように製造されたいわ
ゆるフルプロセス製品については勿論、需要家にて焼鈍
されたのちはじめて最終的な磁気的性質を表わすいわゆ
るセミプロセス製品いずれにも適合するのである。
の温度で焼鈍されることにより所望の特性を有する電磁
鋼板が得られる。ここにかかる焼鈍は、冷間圧延に引続
いて行う短時間の仕上げ焼鈍でも、また冷延後、打抜き
加工を経て施す歪取り焼鈍のいずれでもよい。すなわち
この発明の電磁鋼板は、製鉄所から出荷される際に既に
最終的な磁気的性質を備えているように製造されたいわ
ゆるフルプロセス製品については勿論、需要家にて焼鈍
されたのちはじめて最終的な磁気的性質を表わすいわゆ
るセミプロセス製品いずれにも適合するのである。
なお上記の製造方法は一つの冷であり、この発明で所期
した成分、性質を有する電磁鋼板が得られるならば特に
製造方法が限定されることはない。
した成分、性質を有する電磁鋼板が得られるならば特に
製造方法が限定されることはない。
(作 用) この発明に従い、Si含有量が少なくてもB1が高く、その
L/C比の低い材料を例えばステッピングモーターの鉄心
に用いた場合に良好な特性が得られる理由については明
確でないが、B1が高いほどモーターの回転に要する励磁
電流が少なく、またL/C比が小さいほど鉄心が回転した
際に一様な特性となる、ことによるものと考えられる。
L/C比の低い材料を例えばステッピングモーターの鉄心
に用いた場合に良好な特性が得られる理由については明
確でないが、B1が高いほどモーターの回転に要する励磁
電流が少なく、またL/C比が小さいほど鉄心が回転した
際に一様な特性となる、ことによるものと考えられる。
(実施例) 実施例1 C 0.008%,Si 0.65%を含み、残部実質的にFeの組成に
成る熱延板を、75%の圧下率で、強冷延したのち窒素中
で800℃,2分間の中間焼鈍を施した。ついでこの鋼板
を、圧下率8%,圧延速度1000m/minで高速スキンパス
圧延することによって0.50mm厚の最終冷延板とし、更に
窒素中で800℃,2分間の仕上げ焼鈍を施した。
成る熱延板を、75%の圧下率で、強冷延したのち窒素中
で800℃,2分間の中間焼鈍を施した。ついでこの鋼板
を、圧下率8%,圧延速度1000m/minで高速スキンパス
圧延することによって0.50mm厚の最終冷延板とし、更に
窒素中で800℃,2分間の仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた電磁鋼板は、平均の結晶粒径が100μ
でかつ、断面に延在する直径10μm以上の介在物の数が
80個/mm2であり、しかも圧延方向とそれに直角な方向と
の平均のB1は1.003TでかつB1のL/C比は1.12であった。
でかつ、断面に延在する直径10μm以上の介在物の数が
80個/mm2であり、しかも圧延方向とそれに直角な方向と
の平均のB1は1.003TでかつB1のL/C比は1.12であった。
かかる電磁鋼板を用いてHB型のステッピングモーターを
製作し、角度精度の測定を行なったところ、0.82%であ
った。この時従来材(S9,Si 3.18%,結晶粒径80μm,介
在物40コ/mm2,B1 0.978T,B1L/C比1.51)を用いて同時に
製作したステッピングモーターの角度精度についても調
べたところ、1.20%であり、B1L/C比のすぐれた発明材
を用いたステッピングモーターは従来材を用いたステッ
ピングモーターよりも良好な角度精度を示した。
製作し、角度精度の測定を行なったところ、0.82%であ
った。この時従来材(S9,Si 3.18%,結晶粒径80μm,介
在物40コ/mm2,B1 0.978T,B1L/C比1.51)を用いて同時に
製作したステッピングモーターの角度精度についても調
べたところ、1.20%であり、B1L/C比のすぐれた発明材
を用いたステッピングモーターは従来材を用いたステッ
ピングモーターよりも良好な角度精度を示した。
実施例2 C 0.005%,Si 1.15%を含み、残部実質的にFeの組成に
成る熱延板を、77%の圧下率で強冷延したのち、窒素中
で800℃,2分間の中間焼鈍を施した。ついでこの鋼板を
圧下率5%,圧延速度1200m/minで高速スキンパス圧延
することによって0.50mm厚の最終冷延板とし、更に窒素
中で800℃,2分間の仕上げ焼鈍を施した。
成る熱延板を、77%の圧下率で強冷延したのち、窒素中
で800℃,2分間の中間焼鈍を施した。ついでこの鋼板を
圧下率5%,圧延速度1200m/minで高速スキンパス圧延
することによって0.50mm厚の最終冷延板とし、更に窒素
中で800℃,2分間の仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた電磁鋼板は、平均の結晶粒径が85μで
かつ、断面に延在する直径10μm以上の介在物の数が65
個/mm2であり、しかも圧延方向とそれに直角な方向との
平均のB1は0.938TでかつB1のL/C比は1.35であった。
かつ、断面に延在する直径10μm以上の介在物の数が65
個/mm2であり、しかも圧延方向とそれに直角な方向との
平均のB1は0.938TでかつB1のL/C比は1.35であった。
かかる電磁鋼板を用いてHB型のステッピングモーターを
製作し、角度精度の測定を行なったところ、1.15%であ
った。この時従来材(S23,Si 1.25%,結晶粒径30μm,
介在物3.000コ/mm2,B1 0.630T,B1L/C比2.74)を用いて
同時に製作したステッピングモーターの角度精度は3.85
%であり、結晶粒径が大きく介在物の量が少なく、B1及
びそのL/C比共にすぐれた発明材を用いたステッピング
モーターは従来材を用いたステッピングモーターよりも
良好な角度精度を示した。
製作し、角度精度の測定を行なったところ、1.15%であ
った。この時従来材(S23,Si 1.25%,結晶粒径30μm,
介在物3.000コ/mm2,B1 0.630T,B1L/C比2.74)を用いて
同時に製作したステッピングモーターの角度精度は3.85
%であり、結晶粒径が大きく介在物の量が少なく、B1及
びそのL/C比共にすぐれた発明材を用いたステッピング
モーターは従来材を用いたステッピングモーターよりも
良好な角度精度を示した。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、Si含有量の少ない低級電磁
鋼板であっても低磁場特性に極めてすぐれた電磁鋼板を
得ることができ、従ってステッピングモーターの鉄心材
料に適用して、従来の高級無方向性電磁鋼板より以上に
角度精度を向上させることができる。
鋼板であっても低磁場特性に極めてすぐれた電磁鋼板を
得ることができ、従ってステッピングモーターの鉄心材
料に適用して、従来の高級無方向性電磁鋼板より以上に
角度精度を向上させることができる。
第1図は、電磁鋼板の圧延方向およびそれに直角の方向
の平均のB1とステッピングモーターの角度精度との関係
を示した図、 第2図は、電磁鋼板の結晶粒径と平均B1との関係を示し
た図、 第3図は、電磁鋼板の断面に存在する直径10μm以上の
介在物の密度と平均B1との関係を示した図、 第4図は、電磁鋼板のB1のL/C比とステッピングモータ
ーの角度精度との関係を示した図である。
の平均のB1とステッピングモーターの角度精度との関係
を示した図、 第2図は、電磁鋼板の結晶粒径と平均B1との関係を示し
た図、 第3図は、電磁鋼板の断面に存在する直径10μm以上の
介在物の密度と平均B1との関係を示した図、 第4図は、電磁鋼板のB1のL/C比とステッピングモータ
ーの角度精度との関係を示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】C:0.02wt%以下、Si:0.1〜1.2wt%を含む
組成になる電磁鋼板であって、平均結晶粒径:50μm以
上でかつ鋼板断面に存在する直径10μm以上の大きさの
介在物密度:103個/mm2以下、しかも圧延方向(L)とそ
れに直角な方向(C)の磁束密度B1の比(L/C)が1.5以
下でかつそれらの平均値が0.7T以上であることを特徴と
する角度精度の優れたステッピングモーター用電磁鋼
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60106134A JPH07106052B2 (ja) | 1985-05-20 | 1985-05-20 | 角度精度の優れたステッピングモーター用電磁鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60106134A JPH07106052B2 (ja) | 1985-05-20 | 1985-05-20 | 角度精度の優れたステッピングモーター用電磁鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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