JPH0710564B2 - ポリオレフィン金属積層板の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン金属積層板の製造方法

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JPH0710564B2
JPH0710564B2 JP62152127A JP15212787A JPH0710564B2 JP H0710564 B2 JPH0710564 B2 JP H0710564B2 JP 62152127 A JP62152127 A JP 62152127A JP 15212787 A JP15212787 A JP 15212787A JP H0710564 B2 JPH0710564 B2 JP H0710564B2
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Insulated Metal Substrates For Printed Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高周波回路基板への適用に好適なポリオレフ
ィン金属積層板の製造方法に関するものである。
[従来の技術] 高度情報化社会への移行に伴ない種々の分野で著しい技
術革新がなされており、電子工業、通信工業の分野もそ
の例外ではなく、むしろ最も大きな技術革新がなされて
いるといっても過言ではない。その一例として、使用周
波数帯域が次第に高周波帯域に移行していることがあげ
られ、キロヘルツからメガヘルツへ、そして近年ではギ
ガヘルツ帯域へ移行しつつある。
電子回路用配線基板用としては、従来、紙−フェノール
あるいはエポキシ−ガラスといった絶縁基材と金属箔と
の積層板が最も多く使用されてきている。しかし、これ
らは本質的に透電率、誘電損失および共振特性(クオリ
ティファクターQ)などが劣るために、高周波領域では
伝送エネルギーの損失、伝送速度の不足、損失歪の増大
といった不利を招くことになる。
メガヘルツあるいはギガヘルツ帯域で使用される配線基
板には、誘電率、通電損失および共振特性に優れた絶縁
基材を選択する必要があり、ふっ素系樹脂を絶縁基材と
したものが開発されるに至った。しかし、ふっ素系樹脂
は高価な材料であることに加えて、金属箔と積層する加
工工程が複雑であるという問題がある。
このよう状況から、ポリオレフィンを絶縁基材とした積
層板が注目されるようになってきた。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、ポリオレフィンは本質的に他の物質との接着性
が悪く、ポリオレフィンと金属箔との接着にポリエステ
ル系、ポリウレタン系あるいはエポキシ系の接着剤を使
用すると、高周波帯域における誘電特性が低下し、実用
性に乏しくなる。
また、ポリオレフィンは比較的低い温度で軟化、溶融し
て変形や収縮が生じることから、回路基板の半田処理な
どの高温での処理に耐えることが要求される。
本発明は、上記に基づいてなされたものであり、安価で
誘電特性に優れたポリオレフィンと金属箔との接着性を
改良でき、また優れた耐熱性を有するポリオレフィン金
属積層板の製造方法の提供を目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明のポリオレフィン金属積層板の製造方法は、金属
箔、ポリオレフィン系接着性フィルム、ガラス繊維布お
よび水架橋性ポリオレフィンシートを順次重ね合せ、こ
れらを加熱、加圧により一体化た後水雰囲気中に保持し
て架橋処理することを特徴とするものである。
金属箔の材料としては、銅が最も好ましく、中でも無酸
素銅は高周波帯域での伝送に適している。銅箔は、陽極
酸化処理、化学処理あるいは交流エッチング処理等によ
り表面を粗化したものが、接着性を向上させる上で好ま
しい。銅以外の金属箔材料としては、金、銀、白金、ニ
ッケル、ステンレス、アルミニウム、銅合金(白銅、青
銅、黄銅)なども要求により使用可能である。
ポリオレフィン系接着性フィルムは金属箔と絶縁基材と
の接着を良好にするために用いられるものである。具体
的材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのポ
リオレフィンを主体とし、これに無水マレイン酸、アク
リル酸などの不飽和カルボン酸を、共重合、グラフト共
重合あるいはブレンドなどしたものがあげられる。この
場合、カルボン酸の含有量は1%以下で強力に金属と接
着することから、高周波帯域における誘電特性に悪影響
を与えることはない。上記以外では、ポリオレフィンに
ポリケトン、グリシジルメタクリレート、シラン類とい
ったものをグラフト化したものも有用である。
ガラス繊維布は、後述するポリオレフィンシートと共に
絶縁基材を構成するものであるが、金属箔と絶縁基材と
の間の熱膨張係数や比熱などの差、あるいは加熱〜冷却
など成形加工時に生じる歪などにより積層板に生じるソ
リやネジレの防止に不可欠のものである。ガラス繊維布
の誘電特性も重要であり、Na2OやK2Oといったアルカリ
成分を含まない無アルカリまたは低アルカリガラスを用
いたものが好ましい。ガラス繊維布の織り方は特に制限
するものではなく、縦および横糸の本数、密度、織目の
数、布厚なども積層板にソリやネジレが生じないもので
あれば良く、特に限定しない。また、ガラス繊維布はポ
リオレフィンシートなどとの接着を良くするために、ビ
ニルシラン、アミノシラン、アクリルシランといったも
ので表面処理したものを使用してもよい。
水架橋性ポリオレフィンシートは、ガラス繊維布と共に
絶縁基材を構成するものであり、ベースポリマの具体的
材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、プリブ
テン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などのαオレフ
ィン系ポリマ、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、
ヘキセン−1、オクテン−1などのαオレフィンとの共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体などがあげられ、これらは単
独使用あるいは2種以上の併用でもよい。水架橋性ポリ
オレフィンは、上記したベースポリマーに一般式RR′ S
IY2(式中Rはケイ素−炭素結合によりケイ素原子に結
合し、そして炭素、水素および場合によっては酸素によ
って構成される一価のオレフィン性の不飽和基、Yは加
水分解可能な有機基、R′は脂肪酸不飽和基を含まない
一価の炭化水素基または基Yである)であらわされるシ
ランを、140℃以上の温度でその温度における半減期が
6分以下の遊離ラジカル生成化合物の存在下においてグ
ラフト反応させたものである。具体的には、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニ
ルシランを0.5〜5%、ジクミルパーオキサイドを0.05
〜0.5%含有するポリオレフィンを200℃近傍の押出機中
でグラフト反応させることにより製造される。この水架
橋性ポリオレフィンは、ジブチル錫ジラウレートなどの
シラノール縮合触媒の存在下において水分と接触させる
ことにより架橋反応が起こり、ポリマの三次元化が達成
される。
[発明の実施例] 実施例1 金属箔として無酸素銅を圧延した後表面をエッチング処
理した厚さ35μmの銅箔、ポリオレフィン系接着性フィ
ルムとしてポリエチレンと無水マレイン酸との共重合体
からなる厚さ0.1mmのフィルム、ガラス繊維布として厚
さ0.1mm、密度(25mm長さにおける縦糸本数×横糸本
数)40×32、表面をシラン処理した平織布、水架橋性ポ
リオレフィンシートとして、密度0.945の高密度ポリエ
チレン100重量部にビニルトリメトキシシラン2重量
部、ジクミルパーオキサイド0.2重量部を加えたものを
バレル帯域120〜220℃、ヘッド210℃、ダイ210℃の押出
機に投入してグラフト反応を行なわせたものを厚さ0.7m
mに成形したシートをそれぞれ用い、第1図に示すよう
に金属箔1−ポリオレフィン系接着性フィルム2−ガラ
ス繊維布3−水架橋性ポリオレフィンシート4−ガラス
繊維布3−水架橋性ポリオレフィンシート4の順に重ね
合せ、これを平板プレスにより200℃−10分の条件で加
熱加圧して一体化し、厚さ1.5mmの積層板を製造した。
続いて、積層板の金属箔1がない面にジブチル錫ジラウ
レートを塗布し、蒸気圧0.4kg/cm2の水蒸気中に20時間
保持し、除冷して完成品とした。
実施例2 水架橋性ポリオレフィンシートのベースポリマを高密度
ポリエチレンに代えてポリプロピレンとした以外は実施
例1と同様にして積層板を製造した。
比較例1 ポリオレフィン系接着性フィルムの材料をポリエチレン
と無水マレイン酸との共重合体に代えてポリエステル系
接着性(ポリエチレンテレフタレートベース)とした以
外は実施例1と同様にして積層板を製造した。
比較例2 水架橋性ポリオレフィンシートに代えて高密度ポリエチ
レンからなる非架橋性のシートとした以外は実施例1と
同様にして積層板を製造した。
実施例および比較例の積層板についての評価結果は第1
表に示す通りである。常能引き剥し強さおよび耐半田性
はJIS−C−6481に準拠して測定し、誘電率および誘電
正接はJIS−K−6760に準拠し30MHzの周波数で測定し
た。
[発明の効果] 以上の説明から明らかな通り、本発明によれば安価で優
れた誘電特性を有するポリオレフィンを絶縁基材に使用
した場合であっても金属箔との接着性を確保できると共
に優れた耐熱性を示すようになり、高周波回路基板への
適用に好適なポリオレフィン金属積層板が得られるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における各層の積層状態の一例を示す
断面説明図である。 1:金属箔 2:ポリオレフィン系接着性フィルム 3:ガラス繊維布 4:水架橋性ポリオレフィンシート
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00 B29L 9:00 31:34

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属箔、ポリオレフィン系接着性フィル
    ム、ガラス繊維布および水架橋性ポリオレフィンシート
    を順次重ね合せ、これらを加熱、加圧により一体化した
    後水分雰囲気中に保持して架橋処理することを特徴とす
    るポリオレフィン金属積層板の製造方法。
JP62152127A 1987-06-18 1987-06-18 ポリオレフィン金属積層板の製造方法 Expired - Lifetime JPH0710564B2 (ja)

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